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技術 心血管系診断装置

出願人 オムロンヘルスケア株式会社
発明者 白崎修
出願日 1998年7月21日 (22年5ヶ月経過) 出願番号 1998-204622
公開日 2000年2月8日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 2000-037358
状態 特許登録済
技術分野 脈拍・心拍・血圧・血流の測定
主要キーワード 相関度合 患者個人個人 病態情報 循環制御 二次微分 末梢血液循環 熱希釈法 大動脈流
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この項目の情報は公開日時点(2000年2月8日)のものです。
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図面 (7)

課題

高血圧病態について、診断を可能とし、最適な薬剤投与を実現する。

解決手段

血圧計1、心機能計測装置2、末梢血管抵抗計測装置3で、ほぼ同時に血圧心拍出量、末梢血管抵抗を計測し、血圧−心機能関係算出手段4と血圧−末梢血管抵抗関係算出手段5とで、血圧−心機能関係、血圧−末梢血管抵抗関係を求め、血圧上昇因子寄与率算出手段6で、心機能、末梢血管抵抗の血圧上昇寄与率を求め、表示/記録手段7に出力する。

概要

背景

高血圧症治療するために血圧下げる薬(降圧薬という)は、その作用機序の違いから、現在大きく4つの種類が用いられている。それらが混在し続けているのは、新薬開発の歴史にともなって、薬剤が順次導入されてきたという背景もあるが、種類により作用の仕方に違いがあり、様々な状況を加味して、その一長一短を使い分ける必要があるからである。その状況とは、患者年齢病気重症度病歴副作用の種類など多岐にわたる。このような薬剤選択を行わないと、薬効が充分得られなかったり、血圧を下げすぎて、却って臓器障害を起こしたり、副作用に見舞われたりなど、様々な問題が生じてしまう。

このような薬効の過不足や副作用がなぜ起こるかについて、少し生理学見地から説明する。血圧は大きく2つの生理的因子、すなわち心拍出量末梢血管抵抗によって決定される。心拍出量とは、単位時間当たりに心臓拍出する血液の量である。また、末梢血管抵抗は、末梢血管における血流に対する抵抗をすべての末梢血管について合わせたものである(総末梢血管抵抗ということもある)。血圧Pは、心拍出量COと末梢血管抵抗Rのいずれかが上昇することにより上昇し、P=CO・Rの関係を持つ(これは、心拍出量を電流I、末梢血管抵抗を電気抵抗R、血圧を電圧Eと置き換えた場合の電気回路オームの法則E=I・Rで説明される)。

したがって、高い血圧が定常的に継続する高血圧症は、心機能亢進による過剰な心拍出量と、末梢血液循環不全による末梢血管抵抗の増大という2つの因子によって起こる。ただ、どちらの因子がどの程度、高血圧状態に寄与しているかは個人によって様々である。例えば、ほとんど末梢抵抗の増大によって血圧上昇が起こっている場合もあれば、心拍出量の増大によって起こっている場合、さらにその中間的な場合も存在する。これを高血圧症の病態と呼ぶことにすれば、この病態はある程度、年齢や性別などに関係していると言われる。しかし、これはあくまで平均的な傾向のことであって、生活習慣や遺伝的因子、罹患歴などによって大きく異なる。

一方、降圧薬には、前述の高血圧状態を作り出す2つの因子に対応した2つの主な作用がある。つまり、心拍出量を低下させる作用と、末梢血管抵抗を低下させる作用である。ただし、前述の4つの降圧薬の種類により、2つの作用の強さやバランスに違いがあるので、医師は患者の病態を見極めながら、どの薬剤を用いるかを選択する必要がある。例えば、高血圧もっぱら末梢抵抗の増大によって起こっている患者に、心拍出量を抑制する薬剤を投与しても、血圧の降下は望めないし、逆に年齢などだけの根拠で通常の量を投与すると、血圧が下がりすぎて臓器障害を起こす可能性もある。このような患者には、末梢抵抗を低下させる降圧薬が適量処方されることが本来求められる治療となる。

なお、血圧Pから心機能COや末梢血管抵抗Rを計測できることは、すでによく知られている[文献:Grats l,Kraidin J,et al.Continuous noninvasive cardiac output as estimated from the pulse contour curve./Journal of Clinical Monitoring Vol.8,No.1,1992 関博人.加速度脈波について/日本子衛生短期大学紀要Vol.8,1988清水あさみ、渡辺省五、一色淳.術中、術後モニターとしての加速度脈波の有用性循環制御Vol.8,No2,1997 高澤謙二、前田和哉、田雅巳、ほか.大動脈起始部圧二次微分波のd/aと大動脈流インピーダンス/日本臨床生理学会雑誌、Vol.23,1993 ]。

概要

高血圧病態について、診断を可能とし、最適な薬剤投与を実現する。

血圧計1、心機能計測装置2、末梢血管抵抗計測装置3で、ほぼ同時に血圧、心拍出量、末梢血管抵抗を計測し、血圧−心機能関係算出手段4と血圧−末梢血管抵抗関係算出手段5とで、血圧−心機能関係、血圧−末梢血管抵抗関係を求め、血圧上昇因子寄与率算出手段6で、心機能、末梢血管抵抗の血圧上昇寄与率を求め、表示/記録手段7に出力する。

目的

この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、高血圧病態についての診断が可能な心拍管系診断装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

心機能を測定する心機能測定手段及び、もしくは末梢血管抵抗に関する情報を計測する末梢抵抗血管状態測定手段とを有し、血圧と前記心機能との関係及び、もしくは前記血圧と前記末梢血管抵抗状態との関係を記録又は表示する手段とを備えたことを特徴とする心血管系診断装置

請求項2

前記血圧を測定する血圧測定手段を内部に備えたことを特徴とする請求項1に記載の心血管系診断装置。

請求項3

前記心機能は、心拍出量を反映する計測量であることを特徴とする請求項1に記載の心血管系診断装置。

請求項4

前記血圧と心機能の関係の表示は、血圧と心機能からなる二次元座標軸上に、対応する前記血圧値と心機能計測値との組み合わせで決定される点を散布図状に表示することによって行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の心血管系診断装置。

請求項5

前記血圧と末梢血管抵抗状態との関係の表示は、対応する血圧値と末梢血管抵抗状態とからなる二次元の座標軸上に、前記血圧値と末梢血管抵抗状態との組み合わせで決定される点を散布図状に表示することによって行われることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の心血管系診断装置。

請求項6

前記血圧と心機能との関係及び、もしくは前記血圧と末梢血管抵抗状態との関係の表示において、心機能と末梢血管抵抗との変化量を調整するために、前記心機能又は前記末梢血管抵抗状態の一方に、補数係数を乗じたものを記録又は表示するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の心血管系診断装置。

請求項7

前記血圧と心機能との関係及び、もしくは前記血圧と末梢血管抵抗状態との関係から、心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度を数値的及び、もしくは図式的に表示又は記録するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の心血管系診断装置。

請求項8

前記心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度は、前記血圧と心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の間の相関関係に基づいて算出されることを特徴とする請求項7に記載の心血管系診断装置。

請求項9

前記心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度は、前記血圧と心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の間の関係を推定する回帰直線の傾きを用いることを特徴とする請求項8に記載の心血管系診断装置。

請求項10

前記血圧と心機能との関係及び、もしくは前記血圧と末梢血管抵抗状態との関係の血圧上昇に対する寄与の程度の算出において、心機能と末梢血管抵抗との変化量を調整するために、前記心機能又は前記末梢血管抵抗状態の一方に補正係数を乗じたものを用いるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9に記載の心血管系診断装置。

請求項11

前記心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度は、少なくとも前記心機能と末梢血管抵抗状態を変数として含み、各変数に係数が乗じられている数式を仮定し、血圧変化を最も最適に推定するように統計的に調節された時の心機能及び末梢血管抵抗状態に乗じられる各変数の値を前記心機能及び、もしくは末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度として算出するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の心血管系診断装置。

請求項12

前記心機能及び末梢血管抵抗状態の血圧上昇に寄与する程度を用いて、被測定者の血圧上昇を100%とした場合に、心機能及び末梢血管抵抗状態のそれぞれが、何%寄与しているかを表す寄与率を表示又は記録するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11に記載の心血管系診断装置。

請求項13

前記心機能は、前記血圧と前記末梢血管抵抗状態を用いて算出することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12に記載の心血管系診断装置。

請求項14

前記末梢血管抵抗状態は、前記血圧と前記心機能を用いて算出することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11又は請求項12に記載の心血管系診断装置。

技術分野

0001

本発明は、高血圧症治療薬を選択する際に用いる患者病態情報を提供する心血管系診断装置に関する。

背景技術

0002

高血圧症を治療するために血圧下げる薬(降圧薬という)は、その作用機序の違いから、現在大きく4つの種類が用いられている。それらが混在し続けているのは、新薬開発の歴史にともなって、薬剤が順次導入されてきたという背景もあるが、種類により作用の仕方に違いがあり、様々な状況を加味して、その一長一短を使い分ける必要があるからである。その状況とは、患者の年齢病気重症度病歴副作用の種類など多岐にわたる。このような薬剤選択を行わないと、薬効が充分得られなかったり、血圧を下げすぎて、却って臓器障害を起こしたり、副作用に見舞われたりなど、様々な問題が生じてしまう。

0003

このような薬効の過不足や副作用がなぜ起こるかについて、少し生理学見地から説明する。血圧は大きく2つの生理的因子、すなわち心拍出量末梢血管抵抗によって決定される。心拍出量とは、単位時間当たりに心臓拍出する血液の量である。また、末梢血管抵抗は、末梢血管における血流に対する抵抗をすべての末梢血管について合わせたものである(総末梢血管抵抗ということもある)。血圧Pは、心拍出量COと末梢血管抵抗Rのいずれかが上昇することにより上昇し、P=CO・Rの関係を持つ(これは、心拍出量を電流I、末梢血管抵抗を電気抵抗R、血圧を電圧Eと置き換えた場合の電気回路オームの法則E=I・Rで説明される)。

0004

したがって、高い血圧が定常的に継続する高血圧症は、心機能亢進による過剰な心拍出量と、末梢血液循環不全による末梢血管抵抗の増大という2つの因子によって起こる。ただ、どちらの因子がどの程度、高血圧状態に寄与しているかは個人によって様々である。例えば、ほとんど末梢抵抗の増大によって血圧上昇が起こっている場合もあれば、心拍出量の増大によって起こっている場合、さらにその中間的な場合も存在する。これを高血圧症の病態と呼ぶことにすれば、この病態はある程度、年齢や性別などに関係していると言われる。しかし、これはあくまで平均的な傾向のことであって、生活習慣や遺伝的因子、罹患歴などによって大きく異なる。

0005

一方、降圧薬には、前述の高血圧状態を作り出す2つの因子に対応した2つの主な作用がある。つまり、心拍出量を低下させる作用と、末梢血管抵抗を低下させる作用である。ただし、前述の4つの降圧薬の種類により、2つの作用の強さやバランスに違いがあるので、医師は患者の病態を見極めながら、どの薬剤を用いるかを選択する必要がある。例えば、高血圧もっぱら末梢抵抗の増大によって起こっている患者に、心拍出量を抑制する薬剤を投与しても、血圧の降下は望めないし、逆に年齢などだけの根拠で通常の量を投与すると、血圧が下がりすぎて臓器障害を起こす可能性もある。このような患者には、末梢抵抗を低下させる降圧薬が適量処方されることが本来求められる治療となる。

0006

なお、血圧Pから心機能COや末梢血管抵抗Rを計測できることは、すでによく知られている[文献:Grats l,Kraidin J,et al.Continuous noninvasive cardiac output as estimated from the pulse contour curve./Journal of Clinical Monitoring Vol.8,No.1,1992 関博人.加速度脈波について/日本子衛生短期大学紀要Vol.8,1988清水あさみ、渡辺省五、一色淳.術中、術後モニターとしての加速度脈波の有用性循環制御Vol.8,No2,1997 高澤謙二、前田和哉、田雅巳、ほか.大動脈起始部圧二次微分波のd/aと大動脈流インピーダンス/日本臨床生理学会雑誌、Vol.23,1993 ]。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、この高血圧病態についての診断手段は、これまでに存在しなかった。そこで、医師はある種の薬剤を手始めに投与し、経過観察して効果があれば、その処方を継続するし、なければ別の薬剤を投与、その後、経過観察、という試行錯誤を繰り返さなければならなかった。また、患者にとって最適な投与量も診察時の一時的な血圧測定に頼って決めていた。当然、その過程で血圧は充分抑制されず、臓器障害が進行し続けるかも知れないし、不快に副作用に悩まされるなどの「未治療状態」が継続し、最悪の場合、過度降圧によって事故につながる可能性もあった。

0008

この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、高血圧病態についての診断が可能な心拍管系診断装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

この発明の心血管系診断装置は、心機能を測定する心機能測定手段及び、もしくは末梢血管抵抗に関する情報を計測する末梢抵抗血管状態測定手段とを有し、血圧と前記心機能との関係及び、もしくは前記血圧と前記末梢血管抵抗状態との関係を記録又は表示する手段とを備えている。

0010

この心血管系診断装置では、心機能と末梢血管抵抗を計測する。そして血圧と心機能の関係、血圧と末梢血管抵抗との関係を表示あるいは記録する。この表示あるいは記録を見ることにより、高血圧病態が心機能に関するものなのか、末梢血管抵抗によるものか知ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態心血管系診断装置の構成を示すブロック図である。この実施形態心血管系診断装置は、血圧計1と、心機能計測装置2と、末梢血管抵抗計測装置3と、血圧−心機能関係算出手段4と、血圧・末梢血管抵抗関係算出手段5と、血圧上昇因子寄与率算出手段6と、表示/記録手段7とを備えている。

0012

血圧計1は血圧を、心機能計測装置2は心機能を、末梢血管抵抗計測装置3は末梢血管抵抗を、それぞれ計測する手段として用いられる。これら3つの装置による測定は、同時かほぼ同時と考え得る時間間隔内になされ、測定結果は3つを一組に対応付けて用いられる。心機能と末梢血管抵抗のうち、いずれかはその他方と血圧とを用いて算出することができるので、図1の装置から心機能計測装置2又は末梢血管抵抗計測装置3のいずれかを除いた構成としても良い。

0013

なお、血圧計心機能計測装置、末梢血管抵抗計測装置、そのものはすでによく知られているので、詳細な説明は省略するが、心機能計測の手法としては、熱希釈法色素希釈法胸部インピーダンス法などが、また末梢血管抵抗計測の手法としては、数値化した脈波波形の特徴量による方法などが、実施あるいは提案されている。

0014

血圧−心機能関係算出手段4は、血圧計1から血圧を、心機能計測装置2から心拍抽出量などの心機能を受け取り、血圧−心機能の関係を算出し、血圧−末梢血管抵抗関係算出手段5は、血圧計1から血圧を、末梢血管抵抗計測装置3から末梢血管抵抗の計測結果を受け、血圧−末梢血管抵抗の関係を算出する。具体的には、例えば血圧−心機能関係算出手段4であれば、何組か得られた血圧と心機能の計測データ対によって、血圧と心機能との間の相関係数を求め、その大きさから両者に関係があるかないかを判定したり、血圧と心機能との関係を推定する回帰式を求め、回帰式の傾きを血圧−心機能関係の強さとして算出する。

0015

血圧上昇因子寄与率算出手段6は、血圧−心機能関係算出手段4と血圧−末梢血管抵抗関係算出手段5で算出された血圧と心機能又は末梢血管抵抗との関係の強さに基づいて、どちらの因子により、どれほど被測定者の血圧上昇に寄与しているかを判定する。表示/記録手段7は、血圧と心機能及び/又は末梢血管抵抗との関係や各因子の寄与する程度、寄与率などを表示・記録する。

0016

血圧−心機能関係の表示は、同時又はほぼ同時と考え得る血圧値と心機能計測値を一対とした複数のデータ対を用い、血圧と心機能との関係を表示する。また、複数回の測定によって、複数の血圧と心機能計測値の対が得られる。ここでは、一例として、心機能を心拍出量COとする。これを、例えば横軸が血圧P、縦軸が機能COである二次元座標に表すと、図2あるいは図4のようになる。この一連の測定結果から得た、この図を観察することによって、使用者図2の場合、血圧Pと心機能COとの間に緊密関係があると推察でき、図4の場合には、血圧Pと心機能COに密接な関係がないと推察できる。

0017

次に、血圧−末梢血管抵抗関係の表示について説明する。先ず、得られた複数の血圧と末梢血管抵抗計測値の対を、例えば横軸が血圧P、縦軸が末梢血管抵抗Rである二次元座標に表すと、図3あるいは図5のようになる。使用者はこの結果によって、図3の場合、血圧Pと末梢血管抵抗Rとの間には、あまり緊密な関係がないと推察できる。

0018

また、図5の場合、血圧Pと末梢血管抵抗Rとの間に緊密な関係があると推察できる。さらに、血圧−心機能関係、血圧−末梢血管抵抗関係の数値化について説明する。心機能、末梢血管抵抗のどちらがどれほど血圧上昇に寄与しているかをより明確に表すため、前記血圧−心機能関係、血圧−末梢血管抵抗関係の強さを数値化する。

0019

先ず、血圧Pと心機能COとの間の関係、血圧Pと末梢血管抵抗Rとの間の関係を、それぞれ推定する回帰直線図2図5に示すL1 、L2 、L3 、L4 )を求める。この回帰直線Lは、一般に統計処理過程でよく知られる最小二乗化によるものでも良いし、他法によっても良い。また、上記2つの関係に非線形性予想される時は、多項式などによる曲線近似を用いても良い。

0020

ここでは、直線回帰を用いることにする。そして、この回帰直線が、血圧−心機能関係、血圧−末梢血管抵抗関係において、それぞれCO=a1 ・P+b1 、R=a2 ・P+b2 であったとすると、それぞれの関係の強さを回帰係数a1 、a2 であると定義する。ただし、血圧上昇に寄与する程度を、単に回帰係数で表すことは、必ずしも正しい診断結果を与えない可能性がある。なぜならば、この2つの関係において、血圧Pは共通の計測量であるが、心機能COと末梢血管抵抗Rは全く異なる計測量であるからである。そこで、一方の回帰係数の大きさを他方に合わせるために、係数Kを乗じる。ここでは、a2 に係数Kを乗じて、それぞれ寄与度CCO、CR として大小比較するようにする。

0021

つまり、
心機能の寄与度CCO=a1 、末梢血管抵抗の寄与度CR =K・a2
ここで、係数Kの決定は様々な考え方ができるが、例えば、血圧上昇が心機能、末梢血管抵抗それぞれについてのみしか、依存しない状態を実験的に得、その時のa1 とa2 の比、a1 /a2 をKとする方法が考えられる。

0022

続いて、血圧上昇に対する心機能、末梢血管抵抗寄与率の算出について説明する。寄与率を血圧上昇に寄与した比率であると定義すれば、それぞれ寄与率は次式で求められる。

0023

0024

血圧Pが図6の(a)に示すように、時間tにより変化したとし、これに対し、図6の(b)の○印のように、心機能が血圧Pと同様の変化となり、図6の(c)の○印のように、末梢血管抵抗Rが変化していない場合、心機能の方が血圧上昇に寄与率大であると言える。逆に、図6の(b)の×印のように、心機能COが血圧Pと同様な変化をせず、図6の(c)の×印のように、末梢血管抵抗Rが血圧Pと同様の変化をしている場合、末梢血管抵抗Rの方が血圧上昇に対する寄与率が高いことになる。

発明の効果

0025

この発明によれば、心機能を測定する心機能測定手段及び、もしくは末梢血管抵抗に関する情報を計測する末梢抵抗血管状態測定手段とを有し、血圧と前記心機能との関係及び、もしくは前記血圧と前記末梢血管抵抗状態との関係を記録又は表示する手段とを備え、高血圧に、心機能と末梢血管抵抗の相関度合を知ることができ、患者個人個人の高血圧病態に関する情報を提供でき、医師による降圧薬選択を容易にし、早期に最適な薬剤治療を開始できることになる。

図面の簡単な説明

0026

図1この発明の一実施形態心血管系診断装置の構成を示すブロック図である。
図2血圧−心機能関係の一例を示す図である。
図3図2の血圧−心機能と同時に測定した血圧−末梢血管抵抗関係の一例を示す図である。
図4血圧−心機能関係の他の例を示す図である。
図5図4の血圧−心機能と同様に測定した血圧−末梢血管抵抗関係の一例を示す図である。
図6血圧の変化に対する心機能、末梢血管抵抗の寄与率を説明するための図である。

--

0027

1血圧計
2心機能計測装置
3末梢血管抵抗計測装置
4血圧−心機能関係算出手段
5 血圧−末梢血管抵抗関係算出手段
6血圧上昇因子寄与率算出手段
7 表示/記録手段

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