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技術 走行抵抗推定装置及び車両用走行制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 赤堀幸一山村吉典
出願日 1998年7月17日 (22年5ヶ月経過) 出願番号 1998-203992
公開日 2000年2月2日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 2000-033827
状態 特許登録済
技術分野 駆動装置の関連制御 定速走行制御及び計器板 ブレーキシステム(制動力調整) 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 定速走行制御 ブレーキシステム(制動力調整) 車両用機関または特定用途機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御
主要キーワード 操作指令値 ブロック線 検出信号入力 走行抵抗値 フィードバック制御用 変速ギア比 スロットルサーボ 制動力調整
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗推定値を得ながら定速走行制御とドライバの操作に対応した加減速制御切り替えが行えるようにする。

解決手段

スロットル開度状態とブレーキ液圧状態に基づいて実制駆動力演算し、実車速とこの制駆動力車両諸元に基づいて走行抵抗を推定する。そして速度指令に対する制駆動力指令値の演算時に、この走行抵抗推定値を加味して最終的な制駆動力指令値を演算し、これに基づいて、スロットル開度指令値ブレーキ液圧指令値を演算し、スロットル開度制御ブレーキ液圧制御を行う。こうして、走行制御−ドライバによる運転の間の切り替え時にも常に走行抵抗推定値を制御系に与えるようにして、オーバーライド時にショックが発生するのを防止する。

概要

背景

従来、走行抵抗推定装置を備えた車両用走行制御装置として、スロットルを操作して駆動力補正する、特開平7−300026号公報に開示されたものが知られている。このような従来の車両用走行制御装置では、定速制御開始時の走行抵抗に相当する目標駆動力初期値と、実車速目標車速に一致させるための走行抵抗変化分に相当する目標駆動力補正値とを演算し、目標駆動力初期値に目標駆動力補正値を加算して目標駆動力を求める。そして、目標駆動力初期値を得るための初期目標スロットル開度及び目標駆動力を得るためのフィードバック制御用目標スロットル開度を演算し、定速制御開始時には初期目標スロットル開度となるように実スロットル開度を制御し、その後は、フィードバック制御用目標スロットル開度となるようにフィードバック制御するようにしている。これにより、走行抵抗に相当する駆動力を演算して高い外乱除去性能を実現していた。

概要

ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗の推定値を得ながら定速走行制御とドライバの操作に対応した加減速制御切り替えが行えるようにする。

スロットル開度状態とブレーキ液圧状態に基づいて実制駆動力を演算し、実車速とこの制駆動力車両諸元に基づいて走行抵抗を推定する。そして速度指令に対する制駆動力指令値の演算時に、この走行抵抗推定値を加味して最終的な制駆動力指令値を演算し、これに基づいて、スロットル開度指令値ブレーキ液圧指令値を演算し、スロットル開度制御ブレーキ液圧制御を行う。こうして、走行制御−ドライバによる運転の間の切り替え時にも常に走行抵抗推定値を制御系に与えるようにして、オーバーライド時にショックが発生するのを防止する。

目的

本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確に走行抵抗を推定することができる走行抵抗推定装置を提供することを目的とする。

本発明はまた、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗の推定を行うことにより、高精度の車速応答性能と外乱除去性能を確保することができる車両用走行制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
1件

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請求項1

車両の駆動力を調整する駆動力調整手段と、車両の制動力を調整する制動力調整手段と、前記駆動力調整手段の動作状態と前記制動力調整手段の動作状態とに基づいて制駆動力演算する制駆動力演算手段と、車両の実車速と前記制動力演算手段の演算した制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定する走行抵抗推定手段とを備えて成る走行抵抗推定装置

請求項2

前記駆動力調整手段は、スロットル開度吸入空気量、燃料噴射量、マニフォールド圧力のうち、少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項1に記載の走行抵抗推定装置。

請求項3

前記制動力調整手段は、ブレーキ液圧を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行抵抗推定装置。

請求項4

ドライバ加減速操作を検出する加減速操作検出手段と、車両の駆動力を駆動力制御入力に一致するように調整する駆動力調整手段と、車両の制動力を制動力制御入力に一致するように調整する制動力調整手段と、前記駆動力調整手段の動作状態と前記制動力調整手段の動作状態とに基づいて実制駆動力を演算する実制駆動力演算手段と、車両の実車速と前記実制動力演算手段の演算した実制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定する走行抵抗推定手段と、外部から与えられた速度指令に対して実速度が一致するような第1の制駆動力指令値を演算する第1の制駆動力指令値演算手段と、前記第1の制駆動力指令値演算手段の算出した前記第1の制駆動力指令値を、前記走行抵抗推定手段の推定した走行抵抗推定値によって補正し、第2の制駆動力指令値を演算する第2の制駆動力指令値演算手段と、前記第2の制駆動力指令値を、前記駆動力調整手段の動作状態に対応する実駆動力と前記制動力調整手段の動作状態に対応する実制動力とを比較し、その偏差に基づいて当該駆動力調整手段の加減調整量及び制動力調整手段の加減調整量それぞれを演算し、第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力として出力する制駆動力制御手段と、ドライバの運転操作に基づく駆動力指令値及び制動力指令値それぞれを演算し、第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力として出力する制駆動力操作指令値演算手段と、定速走行制御中は前記第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力それぞれを前記駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに与え、定速走行制御中に前記加減速操作検出手段が前記ドライバの加減速操作を検出したときに前記第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力それぞれを前記駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに切り替えて与える制御入力切り替え手段とを備えて成る車両用走行制御装置

請求項5

前記駆動力調整手段は、前記第1又は第2の駆動力制御入力に対してスロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量、マニフォールド圧力のうち、少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項4に記載の車両用走行制御装置。

請求項6

前記制動力調整手段は、前記第1又は第2の制動力制御入力に対してブレーキ液圧を調整することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用走行制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両が走行中に受ける走行抵抗転がり抵抗勾配抵抗空気抵抗の総和)を推定する走行抵抗推定装置、及びこの走行抵抗推定装置が推定した走行抵抗に基づいて制駆動力指令値補正を行いながら車両を所定の速度で走行させる走行制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、走行抵抗推定装置を備えた車両用走行制御装置として、スロットルを操作して駆動力を補正する、特開平7−300026号公報に開示されたものが知られている。このような従来の車両用走行制御装置では、定速制御開始時の走行抵抗に相当する目標駆動力初期値と、実車速目標車速に一致させるための走行抵抗変化分に相当する目標駆動力補正値とを演算し、目標駆動力初期値に目標駆動力補正値を加算して目標駆動力を求める。そして、目標駆動力初期値を得るための初期目標スロットル開度及び目標駆動力を得るためのフィードバック制御用目標スロットル開度を演算し、定速制御開始時には初期目標スロットル開度となるように実スロットル開度を制御し、その後は、フィードバック制御用目標スロットル開度となるようにフィードバック制御するようにしている。これにより、走行抵抗に相当する駆動力を演算して高い外乱除去性能を実現していた。

発明が解決しようとする課題

0003

ところが、このような従来の車両用走行制御装置には、次のような問題点があった。従来の車両用走行制御装置では、駆動軸トルク指令値に対する車速応答から、走行抵抗(外乱)を推定しているため、ドライバブレーキペダル又はアクセルペダルを操作しているときにはドライバのペダル操作オーバーライド)による制駆動力トルクの変動も外乱と見なしてしまうため、走行抵抗を正しく推定できない。そこで、ドライバによる運転から車速制御による運転に切り替わるときには、それまでに行ってきた走行抵抗推定演算リセットするようにしている。そのため、ドライバによる運転から速度制御運転に切り替わった瞬間には走行抵抗がゼロになるため、特に、上り坂のように実際の走行抵抗が大きい場合には車速が大きく変化してしまう問題点があった。

0004

また、ブレーキ液圧サーボ系やスロットルサーボ系に数式で記述しにくい非線形性がある場合には、駆動軸トルク指令値から車速を推定することが難しい。例えば、ブレーキパッドロータに当たるまでの無駄時間は経時的に変化する。これらの特性を正確に表せたとしても、コントローラでの演算が複雑になり、車載用コンピュータに大きな負荷がかかってしまい、所定の演算周期で演算することができなくなってしまうことがある。これを避けるために、駆動軸トルク指令値から車速への応答を一部線形化などを行い、簡略化して記述すると、走行抵抗を正しく推定することができないので、実際の走行抵抗との間にずれが生じてしまう。推定した走行抵抗と実際の走行抵抗との差が大きいと、制御開始時に、特に走行抵抗が大きい場合には車速が大きく変化してしまうことになる。

0005

そこで、駆動軸トルクを実際に計測して使用する方法も考えられる。実際に歪みゲージなどを用いれば駆動軸トルクとなって現れるエンジンによる制駆動力は計測可能である。しかしながら、ブレーキアクチュエータを用いた車両用速度制御を行おうとすると、ブレーキによる制動力の計測が難しいので、実際の制駆動トルクを実計測することは難しい問題点があった。

0006

本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確に走行抵抗を推定することができる走行抵抗推定装置を提供することを目的とする。

0007

本発明はまた、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗の推定を行うことにより、高精度の車速応答性能と外乱除去性能を確保することができる車両用走行制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

請求項1の発明の走行抵抗推定装置は、車両の駆動力を調整する駆動力調整手段と、車両の制動力を調整する制動力調整手段と、前記駆動力調整手段の動作状態と前記制動力調整手段の動作状態とに基づいて制駆動力を演算する制駆動力演算手段と、車両の実車速と前記制動力演算手段の演算した制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定する走行抵抗推定手段とを備えたものである。

0009

請求項2の発明は、請求項1の発明の走行抵抗推定装置において、前記駆動力調整手段が、スロットル開度吸入空気量、燃料噴射量、マニフォールド圧力のうち、少なくとも1つを調整するものである。

0010

請求項3の発明は、請求項1又は2の発明の走行抵抗推定装置において、前記制動力調整手段が、ブレーキ液圧を調整するものである。

0011

請求項1〜3の発明の走行抵抗推定装置では、駆動力調整手段がスロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量又はマニフォールド圧力のような駆動力調整ファクタ調整動作状態、またブレーキ液圧のような制動力調整ファクタの調整動作状態に基づいて、制駆動力演算手段が車両の実際の制駆動力を演算し、走行抵抗推定手段が車両の実車速と制動力演算手段の演算した制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定する。

0012

これにより、車両用走行制御装置を搭載した車両にあって定速走行モードからオーバーライドが発生した場合や、ドライバによる運転から定速走行モードに切り替えられた場合でも、この走行抵抗推定装置により走行抵抗推定値を途切れることなく車両用走行制御装置側に与え続けることができる。

0013

請求項4の発明の車両用走行制御装置は、ドライバの加減速操作を検出する加減速操作検出手段と、車両の駆動力を駆動力制御入力に一致するように調整する駆動力調整手段と、車両の制動力を制動力制御入力に一致するように調整する制動力調整手段と、前記駆動力調整手段の動作状態と前記制動力調整手段の動作状態とに基づいて実制駆動力を演算する実制駆動力演算手段と、車両の実車速と前記実制動力演算手段の演算した実制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定する走行抵抗推定手段と、外部から与えられた速度指令に対して実速度が一致するような第1の制駆動力指令値を演算する第1の制駆動力指令値演算手段と、前記第1の制駆動力指令値演算手段の算出した前記第1の制駆動力指令値を、前記走行抵抗推定手段の推定した走行抵抗推定値によって補正し、第2の制駆動力指令値を演算する第2の制駆動力指令値演算手段と、前記第2の制駆動力指令値を、前記駆動力調整手段の動作状態に対応する実駆動力と前記制動力調整手段の動作状態に対応する実制動力とを比較し、その偏差に基づいて当該駆動力調整手段の加減調整量及び制動力調整手段の加減調整量それぞれを演算し、第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力として出力する制駆動力制御手段と、ドライバの運転操作に基づく駆動力指令値及び制動力指令値それぞれを演算し、第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力として出力する制駆動力操作指令値演算手段と、定速走行制御中は前記第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力それぞれを前記駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに与え、定速走行制御中に前記加減速操作検出手段が前記ドライバの加減速操作を検出したときに前記第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力それぞれを前記駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに切り替えて与える制御入力切り替え手段とを備えたものである。

0014

請求項5の発明は、請求項4の発明の車両用走行制御装置において、前記駆動力調整手段が、前記第1又は第2の駆動力制御入力に対してスロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量、マニフォールド圧力のうち、少なくとも1つを調整するものである。

0015

請求項6の発明は、請求項4又は5の発明の車両用走行制御装置において、前記制動力調整手段が、前記第1又は第2の制動力制御入力に対してブレーキ液圧を調整するものである。

0016

請求項4〜6の発明の車両用走行制御装置では、まず、第1の制駆動力指令値演算手段が、外部から与えられる速度指令に対して実速度が一致するような第1の制駆動力指令値を演算して、第2の制駆動力演算手段に与える。

0017

また、制駆動力演算手段が、駆動力調整手段のスロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量又はマニフォールド圧力のような駆動力調整ファクタの調整動作状態、また制動力調整手段のブレーキ液圧のような制動力調整ファクタの調整動作状態に基づいて車両の実際の制駆動力を演算し、走行抵抗推定手段が車両の実車速と制動力演算手段の演算した制駆動力と車両の諸元とを用いて車両にかかる走行抵抗の大きさを推定して第2の制駆動力指令値演算手段に与える。

0018

第2の制駆動力演算手段は、第1の制駆動力指令値演算手段の算出した第1の制駆動力指令値を、走行抵抗推定手段の出力する走行抵抗推定値によって補正して第2の制駆動力指令値を求めて出力する。そして制駆動力制御手段が、この第2の制駆動力指令値を、駆動力調整手段の動作状態に対応する実駆動力と制動力調整手段の動作状態に対応する実制動力とを比較し、その偏差に基づいて当該駆動力調整手段の加減調整量及び制動力調整手段の加減調整量それぞれを演算し、第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力それぞれとして制御入力切り替え手段に与える。

0019

一方、制駆動力操作指令値演算手段は、ドライバの運転操作に基づく駆動力指令値及び制動力指令値それぞれを演算し、第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力それぞれとして制御入力切り替え手段に与える。

0020

これに対して、制御入力切り替え手段は、定速走行制御中は第1の駆動力制御入力、第1の制動力制御入力それぞれを駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに与え、定速走行制御中に加減速操作検出手段がドライバの加減速操作を検出すれば第2の駆動力制御入力、第2の制動力制御入力それぞれを駆動力調整手段、制動力調整手段それぞれに切り替えて与える。

0021

駆動力調整手段は制御入力切り替え手段から与えられる第1又は第2の駆動力制御入力に基づいてスロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量又はマニフォールド圧力のような駆動力調整ファクタを調整し、また制動力調整手段は制御に利切り替え手段から与えられる第1又は第2の制動力制御入力に基づいてブレーキ液圧のような制動力調整ファクタを調整し、所望の制駆動力によって車両を定速走行させ、あるいは加減速する。

0022

これにより、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗の推定値を得ながら定速走行制御とドライバの操作に対応した加減速制御との切り替えが行え、高精度の車速応答性能と外乱除去性能を確保することができる。

発明の効果

0023

請求項1〜3の発明の走行抵抗推定装置によれば、車両用走行制御装置を搭載した車両にあって定速走行モードからオーバーライドが発生した場合や、ドライバによる運転から定速走行モードに切り替えられた場合でも、この走行抵抗推定装置により走行抵抗推定値を途切れることなく車両用走行制御装置側に与え続けることができる。

0024

請求項4〜6の発明の車両用走行制御装置によれば、ドライバによるオーバーライド時も含めて常に正確な走行抵抗の推定値を得ながら定速走行制御とドライバの操作に対応した加減速制御との切り替えが行え、高精度の車速応答性能と外乱除去性能を確保することができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の車両用走行制御装置の構成を示している。この車両用走行制御装置は、第1の制駆動力指令値設定部1、第2の制駆動力指令値設定部2、制駆動力制御部3、駆動力制御入力設定部4、制動力制御入力設定部5、制御入力切り替え部6、駆動力調整部7、制動力調整部8、駆動力動作状態検出部9、制動力動作状態検出部10、加減速操作検出部11、制駆動力算出部12、走行抵抗推定部13及び車両14から構成されている。なお、図1に示す車両用走行制御装置において、駆動力調整部7、制動力調整部8、駆動力動作状態検出部9、制動力動作状態検出部10、制駆動力算出部12、走行抵抗推定部13の部分は本発明の走行抵抗推定装置の1つの実施の形態を構成する。

0026

第1の制駆動力指令値設定部1は、例えば、現実の車速(車速センサで計測される車速)を速度指令値に応じた値に一致させるために必要な制駆動力をPD制御を用いて演算する。第2の制駆動力指令値設定部2は、第1の制駆動力指令値設定部1が演算した第1の制駆動力指令値に、後述する走行抵抗推定部13で推定した走行抵抗を加味することにより第2の制駆動力指令値を演算する。制駆動力制御部3は、現実の制駆動力を第2の制駆動力指令値に一致させるために必要なスロットル弁で成る駆動力調整部7に対する駆動力動作状態指令値(ここでは、スロットル開度指令値)と、ブレーキアクチュエータで成る制動力調整部8に対する制動力動作状態指令値(ここでは、ブレーキ液圧指令値)とを演算する。

0027

第1の駆動力制御入力設定部4は、ここではスロットルサーバ系であり、動作状態としてのスロットル開度を動作状態指令値であるスロットル開度指令値に応じた値に設定する。第1の制動力制御入力設定部5は、ここではブレーキ液圧サーボ系であり、動作状態としてのブレーキ液圧を動作状態指令値であるブレーキ液圧指令値に応じた値に設定する。

0028

制御入力切り替え部6は、加減速操作検出部11が入力するドライバのアクセルペダル又はブレーキペダルに対するペダル操作の検出信号入力があれば、駆動力調整部7への制御入力をドライバのアクセル操作に応じた値である第2の駆動力制御入力に、制動力調整部8への制御入力をドライバのブレーキ操作に応じた値である第2の制動力制御入力に切り替え、ペダル操作の検出信号入力がない場合には第1の駆動力制御入力設定部4、第1の制動力制御入力設定部5が設定する動作状態指令値であるスロットル開度指令値、ブレーキ液圧指令値それぞれを駆動力調整部7、制動力調整部8それぞれへの制御入力に切り替える。

0029

上述したようにスロットル弁を駆動力調整部7とし、ブレーキアクチュエータを制動力調整部8としている。駆動力動作状態検出部9は、駆動力調整部7であるスロットル開度を検出し、制動力動作状態検出部10は、制動力調整部8であるブレーキアクチュエータのブレーキ液圧を検出する。加減速操作検出部11はドライバのアクセルペダル操作ブレーキペダル操作を検出する。

0030

制駆動力算出部12は、駆動力動作状態検出部9及び制動力動作状態検出部10により検出された動作状態検出信号に基づいて駆動軸トルクを演算する。走行抵抗推定部13は、この制駆動力演算部12の演算した駆動軸トルクと車両14の実車速と車両の諸元(車重その他の後述する諸量)から走行抵抗を推定する。

0031

制駆動力制御部3は図2に示す内部構成であり、駆動軸トルク指令値Twrからオートマチックトランスミッションの状態やギア比を考慮してエンジントルク指令値Terを演算するエンジントルク指令値演算部3−1、エンジントルク指令値Teと現実のエンジン回転数Neとに基づいて第1のスロットル開度指令値θ1を演算するスロットル開度指令値演算部3−2、スロットル開度下限値に応じて第1のスロットル開度指令値θ1に制限を加え、スロットルサーボ系に与えるスロットル開度指令値θrを与えるスロットル開度リミッタ3−3を有している。

0032

制駆動力演算部3はさらに、エンジン回転数Neに基づいてエンジントルクTeを演算するエンジントルク演算部3−4、スロットル開度がゼロであるとき、エンジンが発生する駆動軸トルクを演算する制駆動力補正値演算部3−5、制駆動力補正値演算部3−5が演算する駆動軸トルクと駆動軸トルク指令値Twrを入力し、ブレーキ液圧サーボ系に入力するブレーキ液圧指令Pbrを演算する制動力演算部3−6を有している。

0033

次に、上記の構成の車両用走行制御装置の動作を説明する。第1の制駆動力指令値設定部1では、例えば、PD制御を用いて車速指令値に実車速を一致させるための制駆動力指令値を演算する。第2の制駆動力指令値設定部2では、第1の制駆動力指令値設定部1で設定された第1の制駆動力指令値と後述する走行抵抗推定部13が演算した走行抵抗推定値との総和となる制駆動力指令値を第2の制駆動力指令値として算出する。

0034

制駆動力制御部3では、第2の制駆動力指令値設定部2の算出した第2の制駆動力指令値に対して、これを実現するためのスロットル開度指令値θrとブレーキ液圧指令値Pbrとを演算し、それぞれ、第1の駆動力制御入力設定部4、第1の制動力制御入力設定部5に与える。

0035

図3は、本発明の車両14に対する走行制御系モデルブロック図を示している。トルクコンバータトルク増幅率Rt、変速機ギア比Rat、ディファレンシャルギア比Rdef、エンジンイナーシャJe、エンジン回転数Ne、後述するブレーキトルク指令値Tbrを用いて、駆動軸トルクTwとエンジントルクTeとは、次の数1式の関係を有する。

0036

ID=000003HE=015 WI=074 LX=1130 LY=1800
したがって、駆動軸トルク指令値Twrに対して、次の数2式でエンジントルク指令値Terを計算し、このエンジントルク指令値Terを発生させるスロットル開度θ1を、図4に示すようなエンジンマップを用いて算出する。

0037

ID=000004HE=015 WI=061 LX=1195 LY=2300
得られるスロットル開度指令値θ1が0以上であれば、スロットル開度指令値θr=θ1とし、ブレーキを使わずにエンジントルクのみで駆動軸トルク指令値通りのトルクを実現できる。反対に、スロットル開度指令値θ1が0以下となれば、スロットル開度を0(スロットル開度指令値θr=0)とし、このときにエンジンによって出力される駆動軸トルクを考慮して、駆動軸トルクを指令値に一致させるためのブレーキ操作量を演算する。

0038

以上により、エンジントルク指令値Terと、ブレーキトルク指令値Tbrの分配制御則は、次のようになる。

0039

(A)スロットル開度指令値θ1≧0のとき

0040

ID=000006HE=015 WI=061 LX=0295 LY=1200
この場合、数3式から、ブレーキ操作量は0となる。

0041

(B)スロットル開度指令値θ1<0のとき
スロットル開度が0のときのエンジントルクをTeoとすると、数1式は次のように変形される。

0042

ID=000007HE=015 WI=067 LX=0265 LY=1700
このスロットル開度0のときのエンジントルクは、図4に示すようなマップから求める。したがって、駆動軸トルク指令値Twrに対して、次の数6式のブレーキトルクTbrを発生させればよいことになる。ただし、スロットル開度指令値θr=0である。

0043

ID=000008HE=015 WI=072 LX=1140 LY=0600
ここで、ブレーキシリンダ面積Ab、ロータ有効半径Rb、パッド摩擦係数μbとすると、ブレーキトルク指令値Tbrに対して、ブレーキ操作量である液圧指令値Pbrは、次の数7式となる。

0044

ID=000009HE=015 WI=041 LX=1295 LY=1050
ただし、数字の8は、4輪車で、各輪をブレーキパッドで両側から挟み込むブレーキの場合の数値4×2を示している。

0045

制駆動力算出部12では、トルクコンバータのトルク増幅率Rt、変速ギア比Rat、ディファレンシャルギア比Rdef、実スロットル開度θとエンジン回転数Neをもとにして図5に示すエンジンマップより求めたエンジントルクTe2、ブレーキシリンダ面積Ab、ロータ有効半径Rb、パッド摩擦係数μb、実ブレーキ液圧Pbを用いて、駆動軸トルクTw2を次の数8式により求める。

0046

ID=000010HE=015 WI=094 LX=0580 LY=1900
走行抵抗推定部13では、制駆動力算出部12が算出した駆動軸トルクTw2と実車速Vspから、次の数9式により走行抵抗の駆動軸トルク換算値Trを推定する。

0047

ID=000011HE=010 WI=069 LX=0255 LY=2300
ただし、Mvは車重、Rrtはタイヤ半径、H(s)は定常ゲイン1のローパスフィルタである。また、sはラプラス変換子である。

0048

図6及び図7に従来例と本発明とのシミュレーション結果を対比して示している。これらのシミュレーションは、下り坂で時間20secのときにドライバがブレーキ操作を終了し、同時に速度制御を開始した場合を想定している。

0049

図6に示した従来例の場合、オーバーライド検出時に走行抵抗推定値をいったん0リセットし、その後に改めに走行抵抗を推定していくため、走行抵抗値が正しい値になるまで遅れが生じてしまう。その間、制動力が不足しているため、車速は設定車速に対してオーバーシュートしている。

0050

これに対して図7に示した本発明の場合、ドライバがペダル操作を行っているときでも走行抵抗値を継続的に推定しているので、速度制御に切り替わったときでも走行抵抗推定値を0リセットすることがないので、速度制御に切り替わったときに車速が敏速に設定車速に追従していることが分かる。

0051

以上のように、上記の実施の形態の走行制御装置では、実速度と速度指令値との差に基づく制駆動力指令値に対して、現実の走行抵抗を推定して得た走行抵抗推定値を加算し、これを最終的な制駆動力指令値(第2の制駆動力指令値)とし、これに対応するスロットル開度指令値とブレーキ液圧指令値とを求め、スロットル開度とブレーキ液圧を制御することによって定速走行制御を行うようにしたので、高精度の車速応答性能と外乱除去性能を確保することができるのである。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の1つの実施の形態の車両用走行制御装置の構成を示すブロック図。
図2上記の実施の形態における制駆動力制御部の詳しい内部構成を示すブロック図。
図3上記の実施の形態による制御系ブロック線図。
図4上記の実施の形態において用いるスロットル開度とエンジントルクとの対応を示すエンジンマップ。
図5上記の実施の形態において用いるエンジントルクとスロットル開度との対応を示すエンジンマップ。
図6従来例のシミュレーション結果を示すグラフ
図7本発明のシミュレーション結果を示すグラフ。

--

0053

1 第1の制駆動力指令値設定部
2 第2の制駆動力指令値設定部
3制駆動力制御部
4 第1の駆動力制御入力設定部
5 第1の制動力制御入力設定部
6制御入力切り替え部
7駆動力調整部
8制動力調整部
9 駆動力動作状態検出部
10制動力動作状態検出部
11加減速操作検出部
12制駆動力算出部
13走行抵抗推定部
14 車両
3−1エンジントルク指令値演算部
3−2スロットル開度演算部
3−3 スロットル開度リミッタ
3−4エンジントルク演算部
3−5 制駆動力補正値演算部
3−6 制動力演算部

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