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技術 レーザー発振制御方法およびその装置

出願人 理化学研究所
発明者 佐藤英俊和田智之田代英夫
出願日 1998年6月30日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1998-183953
公開日 2000年1月21日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-022254
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(2) レーザ(2)
主要キーワード 熱的変動 高速掃引 出射レーザー光 音波吸収 発振強度 出射ミラー フィードバック方式 波長選択用
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図面 (5)

課題

音響光学素子へ入力される音響波入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止する。

解決手段

レーザー共振器内に第1の音響波を入力された複屈折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザーを光音響光学素子に入射し、第1の音響波の周波数に応じて波長制御する波長選択方法において、光音響光学素子に対して第1の音響波とともに第2の音響波を入力し、第1の音響波の周波数はレーザー発振可能な周波数とし、第2の音響波の周波数はレーザー発振不能な周波数とし、第1の音響波の入力強度値は第1の音響波の周波数によりレーザー発振可能な入力強度値とし、第2の音響波の入力強度値は所定値から第1の音響波の入力強度値を減算した値とするものである。

概要

背景

従来のレーザー発振制御装置として、例えば、特開平9−172215号公報に開示されたレーザー発振制御装置が知られている。

図1には、特開平9−172215号公報において図3として開示されたレーザー発振制御装置が示されているが、このレーザー発振制御装置においては、所定の透過性を有する出射ミラー112と全反射ミラー110とよりレーザー共振器が構成されている。

そして、レーザー共振器内には、波長可変レーザーレーザー媒質としてのTi:Al2O3レーザー結晶14と、波長選択用の光音響光学素子としての光音響光学結晶100と、回折光補正用プリズム28とが、出射側ミラー112から全反射ミラー110側へ向けて順次配設されている。

光音響光学結晶100には、音響波入力手段としてRF電源20により駆動される圧電素子22が添着されている。従って、RF電源20により圧電素子22を駆動させて、圧電素子22に歪みを生じさせると、この圧電素子22の歪みに基づいて、当該歪みに応じた周波数の音響波が光音響光学結晶100に入力されることになる。

また、回折光補正用プリズム28は、光音響光学結晶100から出射された回折光106を、波長に関わらず常に一定の方向に出射するように構成されており、全反射ミラー110は、回折光補正用プリズム28から出射された光を反射するように構成されている。

以上の構成において、励起レーザー24としてNd:YAGレーザー第二高調波を用いてTi:Al2O3レーザー結晶14を励起する。また、出射側ミラー112から出射させたい出射レーザー光の波長に応じてRF電源20により入力されるRF周波数を制御し、圧電素子22を駆動する。

上記のようにすると、光音響光学結晶100に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶14から出射された広範囲波長帯域出射光のなかで、RF電源20により入力されるRF周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定の方向に回折されて回折光106として光音響光学素子100から出射されることになる。

さらに、光音響光学結晶100から所定の方向に回折されて出射された回折光106は、回折光補正用プリズム28に入射され、一定の方向に出射される。そして、回折光補正用プリズム28から出射された光は、全反射ミラー110によって反射され、レーザー共振器内を往復することになる。

従って、RF電源20により入力されるRF周波数に応じた波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レーザー共振器から当該波長の出射レーザー光のみを出射させることができる。

このように、従来のレーザー発振制御装置においては、RF電源20により入力されるRF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数を可変することにより、RF電源20により入力されるRF周波数、即ち、光音響光学結晶100入力する音響波周波数に応じた波長の出射レーザー光のみを選択的に出射させることができるものであった。

ところで、光音響光学結晶100においては、RF電源20より入力されるRF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度に応じて、光音響光学結晶100における回折効率が影響を受け、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度の変化によって出射レーザー光の出力強度が変化することが知られている。

しかも、最も出力強度の高い出射レーザーを得るためのRF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度は、出射レーザー光の周波数を設定し、RF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数に応じて異なるものであった。

本願出願人が、図1に示すレーザー発振制御装置を用いて実験したところ、図2に示すように、例えば、出射レーザー光の発振波長が約850nm〜約1000nmにおいては、RF入力強度を2Wとする方がRF入力強度を1Wとするよりも、より高い出力強度の出射レーザー光を得ることができる一方で、出射レーザー光の発振波長が約720nm〜約850nmにおいては、RF入力強度を1Wとする方がRF入力強度を2Wとするよりも、より高い出力強度の出射レーザー光を得ることができるものであった。

このため、出力強度の高い出射レーザー光を得るためには、RF周波数、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波周波数を変化させる度に、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波強度を変化させる必要があった。

ところが、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波強度を変化させると、RF入力、即ち、音響波の入力の吸収によって光音響光学結晶の温度が変化し、光音響光学結晶100における屈折率回折角乱れが発生し、それが出射レーザー光の発振波長や出力強度に悪影響を及ぼすという問題点が指摘されていた。

特に、出射レーザー光の出力強度を一定に制御したり、あるいは各レーザー発振波長で最大の出力強度を得ることができるようにしながら波長掃引する場合には、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度をRF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数に応じて変化しなければならないため、必然的に光音響光学結晶100に非常に速い温度変化が生じることになり、低速掃引時に比べて高速掃引時は出射レーザー光の出力強度が不安定なってしまっていた。

そこで、従来の技術においては、こうした出射レーザー光の出力強度に影響を及ぼすような光音響光学結晶の温度変化を抑止するために、温度計サーモスタット熱交換媒質ヒーターペルチェ素子など)を用いて、ヒートシンクからの熱伝導によって光音響光学結晶の温度を制御するようにし、その温度一定化のためにフィードバック方式による制御を行うことが現実的に考えられた。

しかしながら、上記した従来の方法においては、以下に示す(1)〜(3)などの問題点があった。

(1)光音響光学結晶たる無機有機結晶熱伝導率が悪く、外部からの温度調整では均一な熱分布を得ることが困難であるという問題点があった。

(2)熱交換の速度が遅く、光音響光学結晶の波長変化周波数(kHzオーダーである。)に対応して高速温度制御することが困難であるという問題点があった。

(3)フィードバック方式による制御では、温度計やヒーターの熱容量によって、温度制御のタイミングが遅れてしまい、RF周波数の変化に追随できないという問題点があった。

概要

光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止する。

レーザー共振器内に第1の音響波を入力された複屈折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザーを光音響光学素子に入射し、第1の音響波の周波数に応じて波長制御する波長選択方法において、光音響光学素子に対して第1の音響波とともに第2の音響波を入力し、第1の音響波の周波数はレーザー発振可能な周波数とし、第2の音響波の周波数はレーザー発振不能な周波数とし、第1の音響波の入力強度値は第1の音響波の周波数によりレーザー発振可能な入力強度値とし、第2の音響波の入力強度値は所定値から第1の音響波の入力強度値を減算した値とするものである。

目的

本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の技術における(1)〜(3)における問題点をそれぞれ解決しながら、光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止して、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による影響を受けないようにしたレーザー発振制御方法およびその装置を提供しようとするものである。

効果

実績

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請求項1

レーザー共振器内に第1の音響波を入力された複屈折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザーを前記光音響光学素子に入射し、前記第1の音響波の周波数に応じて波長制御する波長選択方法において、前記光音響光学素子に対して前記第1の音響波とともに第2の音響波を入力し、前記第1の音響波の周波数はレーザー発振可能な周波数とし、前記第2の音響波の周波数はレーザー発振不能な周波数とし、前記第1の音響波の入力強度値は前記第1の音響波の周波数によりレーザー発振可能な入力強度値とし、前記第2の音響波の入力強度値は所定値から前記第1の音響波の入力強度値を減算した値とするものであるレーザー発振制御方法

請求項2

請求項1に記載のレーザー発振制御方法において、前記第1の音響波の入力強度値は、前記第1の音響波の周波数に応じて所望の状態でレーザー発振可能なように可変されるものであるレーザー発振制御方法。

請求項3

請求項1に記載のレーザー発振制御方法において、前記第1の音響波の入力強度値は、レーザー発振のために最適な値とされるものであるレーザー発振制御方法。

請求項4

請求項1、2または3のいずれか1項に記載のレーザー発振制御方法において、前記所定値は、前記第1の音響波の周波数に応じて可変されるものであるレーザー発振制御方法。

請求項5

請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載のレーザー発振制御方法において、前記第2の音響波の周波数は、レーザー発振不能な周波数帯域内において前記第1の音響波の周波数に応じて可変されるものであるレーザー発振制御方法。

請求項6

対向する所定の反射率を有するミラーにより構成されるレーザー共振器と、前記レーザー共振器内に配設された所定範囲の波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザー媒質と、前記レーザー共振器内に配設され、前記波長可変レーザー媒質からの出射光が入射される複屈折性の光音響光学素子と、第1の音響波を生成して前記光音響光学素子へ入力する第1の音響波入力手段と、第2の音響波を生成して前記光音響光学素子へ入力する第2の音響波入力手段と、前記第1の音響波入力手段および前記第2の音響波入力手段を制御して、前記第1の音響波入力手段にレーザー発振可能な周波数ならびに入力強度値を備えた第1の音響波を生成させ、前記第2の音響波入力手段にレーザー発振不能な周波数ならびに所定値から前記第1の音響波の入力強度値を減算した入力強度値を備えた第2の音響波を生成する制御手段とを有するレーザー発振制御装置

請求項7

請求項6に記載のレーザー発振制御装置において、前記制御手段は、前記第1の音響波の入力強度値を、前記第1の音響波の周波数に応じて所望の状態でレーザー発振可能なように可変するものであるレーザー発振制御装置。

請求項8

請求項6に記載のレーザー発振制御装置において、前記制御手段は、前記第1の音響波の入力強度値を、レーザー発振のために最適な値とするものであるレーザー発振制御装置。

請求項9

請求項6、7または8のいずれか1項に記載のレーザー発振制御装置において、前記制御手段は、前記第1の音響波の周波数に応じて、前記所定値を可変するものであるレーザー発振制御装置。

請求項10

請求項6、7、8または9のいずれか1項に記載のレーザー発振制御装置において、前記制御手段は、前記第2の音響波の周波数を、レーザー発振不能な周波数帯域内において前記第1の音響波の周波数に応じて可変するものであるレーザー発振制御装置。

技術分野

0001

本発明は、レーザー発振制御方法およびその装置に関し、さらに詳細には、レーザー発振波長電子的に高速にかつ信頼性高く制御することのできるレーザー発振制御方法およびその装置に関する。

背景技術

0002

従来のレーザー発振制御装置として、例えば、特開平9−172215号公報に開示されたレーザー発振制御装置が知られている。

0003

図1には、特開平9−172215号公報において図3として開示されたレーザー発振制御装置が示されているが、このレーザー発振制御装置においては、所定の透過性を有する出射ミラー112と全反射ミラー110とよりレーザー共振器が構成されている。

0004

そして、レーザー共振器内には、波長可変レーザーレーザー媒質としてのTi:Al2O3レーザー結晶14と、波長選択用の光音響光学素子としての光音響光学結晶100と、回折光補正用プリズム28とが、出射側ミラー112から全反射ミラー110側へ向けて順次配設されている。

0005

光音響光学結晶100には、音響波入力手段としてRF電源20により駆動される圧電素子22が添着されている。従って、RF電源20により圧電素子22を駆動させて、圧電素子22に歪みを生じさせると、この圧電素子22の歪みに基づいて、当該歪みに応じた周波数の音響波が光音響光学結晶100に入力されることになる。

0006

また、回折光補正用プリズム28は、光音響光学結晶100から出射された回折光106を、波長に関わらず常に一定の方向に出射するように構成されており、全反射ミラー110は、回折光補正用プリズム28から出射された光を反射するように構成されている。

0007

以上の構成において、励起レーザー24としてNd:YAGレーザー第二高調波を用いてTi:Al2O3レーザー結晶14を励起する。また、出射側ミラー112から出射させたい出射レーザー光の波長に応じてRF電源20により入力されるRF周波数を制御し、圧電素子22を駆動する。

0008

上記のようにすると、光音響光学結晶100に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶14から出射された広範囲波長帯域出射光のなかで、RF電源20により入力されるRF周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定の方向に回折されて回折光106として光音響光学素子100から出射されることになる。

0009

さらに、光音響光学結晶100から所定の方向に回折されて出射された回折光106は、回折光補正用プリズム28に入射され、一定の方向に出射される。そして、回折光補正用プリズム28から出射された光は、全反射ミラー110によって反射され、レーザー共振器内を往復することになる。

0010

従って、RF電源20により入力されるRF周波数に応じた波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レーザー共振器から当該波長の出射レーザー光のみを出射させることができる。

0011

このように、従来のレーザー発振制御装置においては、RF電源20により入力されるRF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数を可変することにより、RF電源20により入力されるRF周波数、即ち、光音響光学結晶100入力する音響波周波数に応じた波長の出射レーザー光のみを選択的に出射させることができるものであった。

0012

ところで、光音響光学結晶100においては、RF電源20より入力されるRF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度に応じて、光音響光学結晶100における回折効率が影響を受け、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度の変化によって出射レーザー光の出力強度が変化することが知られている。

0013

しかも、最も出力強度の高い出射レーザーを得るためのRF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度は、出射レーザー光の周波数を設定し、RF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数に応じて異なるものであった。

0014

本願出願人が、図1に示すレーザー発振制御装置を用いて実験したところ、図2に示すように、例えば、出射レーザー光の発振波長が約850nm〜約1000nmにおいては、RF入力強度を2Wとする方がRF入力強度を1Wとするよりも、より高い出力強度の出射レーザー光を得ることができる一方で、出射レーザー光の発振波長が約720nm〜約850nmにおいては、RF入力強度を1Wとする方がRF入力強度を2Wとするよりも、より高い出力強度の出射レーザー光を得ることができるものであった。

0015

このため、出力強度の高い出射レーザー光を得るためには、RF周波数、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波周波数を変化させる度に、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波強度を変化させる必要があった。

0016

ところが、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波強度を変化させると、RF入力、即ち、音響波の入力の吸収によって光音響光学結晶の温度が変化し、光音響光学結晶100における屈折率回折角乱れが発生し、それが出射レーザー光の発振波長や出力強度に悪影響を及ぼすという問題点が指摘されていた。

0017

特に、出射レーザー光の出力強度を一定に制御したり、あるいは各レーザー発振波長で最大の出力強度を得ることができるようにしながら波長掃引する場合には、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波強度をRF周波数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周波数に応じて変化しなければならないため、必然的に光音響光学結晶100に非常に速い温度変化が生じることになり、低速掃引時に比べて高速掃引時は出射レーザー光の出力強度が不安定なってしまっていた。

0018

そこで、従来の技術においては、こうした出射レーザー光の出力強度に影響を及ぼすような光音響光学結晶の温度変化を抑止するために、温度計サーモスタット熱交換媒質ヒーターペルチェ素子など)を用いて、ヒートシンクからの熱伝導によって光音響光学結晶の温度を制御するようにし、その温度一定化のためにフィードバック方式による制御を行うことが現実的に考えられた。

0019

しかしながら、上記した従来の方法においては、以下に示す(1)〜(3)などの問題点があった。

0020

(1)光音響光学結晶たる無機有機結晶熱伝導率が悪く、外部からの温度調整では均一な熱分布を得ることが困難であるという問題点があった。

0021

(2)熱交換の速度が遅く、光音響光学結晶の波長変化周波数(kHzオーダーである。)に対応して高速で温度制御することが困難であるという問題点があった。

0022

(3)フィードバック方式による制御では、温度計やヒーターの熱容量によって、温度制御のタイミングが遅れてしまい、RF周波数の変化に追随できないという問題点があった。

発明が解決しようとする課題

0023

本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の技術における(1)〜(3)における問題点をそれぞれ解決しながら、光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止して、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による影響を受けないようにしたレーザー発振制御方法およびその装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0024

上記目的を達成するために、本発明は、光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止するために、出射レーザー光の発振周波数である第1の周波数の第1の音響波とともに、レーザー媒質の発振可能範囲外の周波数である第2の周波数の第2の音響波を光音響光学素子へ入力し、この第2の音響波の入力強度によって第1の周波数による発振波長を制御・掃引するための第1の音響波の入力強度の変化を相殺することにより、光音響光学素子の温度の変動を防ぐようにしたものである。これは、能動的な温度管理であり、フィードバック方式による制御とは全く異なるものである。

0025

即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、レーザー共振器内に第1の音響波を入力された複屈折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザーを上記光音響光学素子に入射し、上記第1の音響波の周波数に応じて波長制御する波長選択方法において、上記光音響光学素子に対して上記第1の音響波とともに第2の音響波を入力し、上記第1の音響波の周波数はレーザー発振可能な周波数とし、上記第2の音響波の周波数はレーザー発振不能な周波数とし、上記第1の音響波の入力強度値は上記第1の音響波の周波数によりレーザー発振可能な入力強度値とし、上記第2の音響波の入力強度値は所定値から上記第1の音響波の入力強度値を減算した値とするようにしたものである。

0026

従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、光音響光学素子には、第1の音響波と第2の音響波との入力よって常に所定値の入力強度の音響波が入力されていることになるので、たとえ第1の音響波の入力強度が変化しても、実質的に光音響光学素子の内部においては音響波の入力強度に変化が生じないことになる。このため、第1の音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化が防止され、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による影響を受ける恐れを排除することができる。

0027

ここで、上記第1の音響波の入力強度値は、本発明のうち請求項2に記載の発明のように、上記第1の音響波の周波数に応じて所望の状態でレーザー発振可能なように可変されるものとしてもよい。

0028

また、上記第1の音響波の入力強度値は、本発明のうち請求項3に記載の発明のように、レーザー発振のために最適な値とすることができる。

0029

また、上記所定値は、本発明のうち請求項4に記載の発明のように、上記第1の音響波の周波数に応じて可変されるものとしてもよい。

0030

即ち、光音響光学素子の音響波の吸収率と熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる可能性がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値が1Wで、80MHzでの熱変換効率が130MHzでの熱変換効率の半分であったとする。ここで、第1の音響波の周波数を80MHzまたは130MHzとした場合において、第1の音響波の入力強度値をいずれの場合にも0.5Wで制御する場合をそれぞれ検討すると、第1の音響波の周波数が80MHzの時に与える第2の音響波の入力強度値は0.5Wで、第1の音響波の周波数が130MHzのときの第2の音響波の入力強度値たる0.25Wの2倍の強度が必要となる。

0031

音響波の周波数ωにおける熱変換効率をe(ω)、第1の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω1、I1とし、第2の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、
h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2
において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ましい。

0032

ただし、任意のω1とω2とに対して、常にe(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を行うことができる。

0033

また、光音響光学素子の熱変換効率の周波数依存性は、素子の大きさなどによっても変わるため、第1の音響波の入力強度値と第2の音響波の入力強度値との合計入力強度値は、第1の音響波の周波数に対して、任意の値で設定できることが好ましいものである。

0034

また、上記第2の音響波の周波数は、本発明のうち請求項5に記載の発明のように、レーザー発振不能な周波数帯域内において上記第1の音響波の周波数に応じて可変されるものとしてもよい。

0035

即ち、仮に第1の音響波の周波数と第2の音響波の周波数とが非常に近いものであるならば、音響波同士の相互作用によってうねりが生じることになる。そして、こうしたうねりが生じた場合には、レーザーの発振強度に悪影響を及ぼすことになる。

0036

また、第1の音響波の周波数と第2の音響波の周波数とが離れている場合でも、うねりが生じる場合がある。例えば、周波数が80MHzと121MHzとである場合には、80MHzの第2倍音である240MHzと121MHzの第1倍音である242MHzとの間で相互作用が起きる場合が考えられる。

0037

このため、第2の音響波の周波数を、第1の音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保つようにすると、レーザー発振強度に悪影響が出ないようにすることができる。

0038

従って、第2の音響波の周波数は、レーザー発振不能な周波数帯域内において第1の音響波の周波数に依存して変化させることが好ましいものである。

0039

また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、対向する所定の反射率を有するミラーにより構成されるレーザー共振器と、上記レーザー共振器内に配設された所定範囲の波長域においてレーザー発振可能な波長可変レーザー媒質と、上記レーザー共振器内に配設され、上記波長可変レーザー媒質からの出射光が入射される複屈折性の光音響光学素子と、第1の音響波を生成して上記光音響光学素子へ入力する第1の音響波入力手段と、第2の音響波を生成して上記光音響光学素子へ入力する第2の音響波入力手段と、上記第1の音響波入力手段および上記第2の音響波入力手段を制御して、上記第1の音響波入力手段にレーザー発振可能な周波数ならびに入力強度値を備えた第1の音響波を生成させ、上記第2の音響波入力手段にレーザー発振不能な周波数ならびに所定値から上記第1の音響波の入力強度値を減算した入力強度値を備えた第2の音響波を生成する制御手段とを有するようにしたものである。

0040

従って、本発明のうち請求項6に記載の発明によれば、制御手段によって第1の音響波入力手段および第2の音響波入力手段が制御されて、光音響光学素子には、第1の音響波と第2の音響波との入力よって常に所定値の入力強度の音響波が入力されていることになるので、たとえ第1の音響波の入力強度が変化しても、実質的に光音響光学素子の内部においては音響波の入力強度に変化が生じないことになる。このため、第1の音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化が防止され、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による影響を受ける恐れを排除することができる。

0041

ここで、上記制御手段は、請求項7に記載の発明のように、上記第1の音響波の入力強度値を、上記第1の音響波の周波数に応じて所望の状態でレーザー発振可能なように可変するものとすることができる。

0042

また、上記制御手段は、請求項8に記載の発明のように、上記第1の音響波の入力強度値を、レーザー発振のために最適な値とすることができる。

0043

また、上記制御手段は、請求項9に記載の発明のように、上記第1の音響波の周波数に応じて、上記所定値を可変するものとすることができる。

0044

即ち、光音響光学素子の音響波の吸収率と熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる可能性がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値が1Wで、80MHzでの熱変換効率が130MHzでの熱変換効率の半分であったとする。ここで、第1の音響波の周波数を80MHzまたは130MHzとした場合において、第1の音響波の入力強度値をいずれの場合にも0.5Wで制御する場合をそれぞれ検討すると、第1の音響波の周波数が80MHzの時に与える第2の音響波の入力強度値は0.5Wで、第1の音響波の周波数が130MHzのときの第2の音響波の入力強度値たる0.25Wの2倍の強度が必要となる。

0045

音響波の周波数ωにおける熱変換効率をe(ω)、第1の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω1、I1とし、第2の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、
h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2
において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ましい。

0046

ただし、任意のω1とω2とに対して、常にe(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を行うことができる。

0047

また、光音響光学素子の熱変換効率の周波数依存性は、素子の大きさなどによっても変わるため、第1の音響波の入力強度値と第2の音響波の入力強度値との合計入力強度値は、第1の音響波の周波数に対して、任意の値で設定できることが好ましいものである。

0048

また、上記制御手段は、請求項10に記載の発明のように、上記第2の音響波の周波数を、レーザー発振不能な周波数帯域内において上記第1の音響波の周波数に応じて可変するものとすることができる。

0049

即ち、仮に第1の音響波の周波数と第2の音響波の周波数とが非常に近いものであるならば、音響波同士の相互作用によってうねりが生じることになる。そして、こうしたうねりが生じた場合には、レーザーの発振強度に悪影響を及ぼすことになる。

0050

また、第1の音響波の周波数と第2の音響波の周波数とが離れている場合でも、うねりが生じる場合がある。例えば、周波数が80MHzと121MHzとである場合には、80MHzの第2倍音である240MHzと121MHzの第1倍音である242MHzとの間で相互作用が起きる場合が考えられる。

0051

このため、第2の音響波の周波数を、第1の音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保つようにすると、レーザー発振強度に悪影響が出ないようにすることができる。

0052

従って、制御手段は、第2の音響波の周波数を、レーザー発振不能な周波数帯域内において第1の音響波の周波数に依存して変化させることができることが好ましいものである。

発明を実施するための最良の形態

0053

以下、添付の図面に基づいて、本発明によるレーザー発振制御方法およびその装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。

0054

図3は、本発明によるレーザー発振制御装置の実施の形態の一例を示す概略構成説明図であり、図1に示した従来のレーザー発振制御装置の構成と同一または相当する構成に関しては、理解を容易にするために、同一の符号を付して示すものとする。

0055

このレーザー発振制御装置においては、従来のレーザー発振制御装置と同様に、所定の透過性を有する出射ミラー112と全反射ミラー110とよりレーザー共振器が構成されている。

0056

そして、レーザー共振器内には、波長可変レーザーのレーザー媒質としてのTi:Al2O3レーザー結晶14と、波長選択用の光音響光学素子としての光音響光学結晶100と、回折光補正用プリズム28とが、出射側ミラー112から全反射ミラー110側へ向けて順次配設されている。

0057

光音響光学結晶100には、音響波入力手段として、Ti:Al2O3レーザー結晶14がレーザー発振可能な波長に対応する第1RF周波数(例えば、80MHz〜130MHzである。)を発生可能な第1RF電源10と、Ti:Al2O3レーザー結晶14がレーザー発振不能な波長に対応する第2RF周波数(例えば、60MHzである。)を発生可能な第2RF電源12と、これら第1RF電源10ならびに第2RF電源12により駆動される圧電素子22が添着されている。

0058

従って、第1RF電源10から入力された第1RF周波数により圧電素子22を駆動させて、圧電素子22に歪みを生じさせると、この圧電素子22の歪みに基づいて、当該歪みに応じた周波数の音響波(第1音響波)が光音響光学結晶100に入力されることになる。

0059

また、回折光補正用プリズム28は、光音響光学結晶100から出射された回折光106を、波長に関わらず常に一定の方向に出射するように構成されており、全反射ミラー110は、回折光補正用プリズム28から出射された光を反射するように構成されている。

0060

そして、第1RF電源10ならびに第2RF電源12には、第1RF電源10ならびに第2RF電源12を制御するRF電源制御装置13が接続されている。

0061

このRF電源制御装置13は、例えば、マイクロコンピューターにより動作の制御がなされるものである。このRF電源制御装置13の制御に基づいて、第1RF電源10から圧電素子22に入力される第1RF周波数ならびに第1RF入力強度が制御されるとともに、第2RF電源12から圧電素子22に入力される第2RF周波数ならびに第2RF入力強度が制御されるものである。

0062

ここで、第1RF電源10から圧電素子22に入力される第1RF周波数ならびに第1RF入力強度と、第2RF電源12から圧電素子22に入力される第2RF周波数ならびに第2RF入力強度とは、以下に示すようにして設定されるものである。

0063

即ち、Ti:Al2O3レーザー結晶14において第1RF周波数に対応する光をレーザー発振させて出射レーザー光として取り出すものであるので、上記したように、第1RF周波数は出射レーザー光の周波数に対応するTi:Al2O3レーザー結晶14においてレーザー発振可能な周波数(例えば、80MHz〜130MHz)とし、第2RF周波数はTi:Al2O3レーザー結晶14においてレーザー発振不能な周波数(例えば、60MHzである。)とする。ここで、第2RF周波数は、一定値であってもよいし、適宜に可変するようにしてもよい。

0064

そして、第1RF入力強度は、第1RF周波数のレーザー発振に最も適した強度に設定することが好ましいが、第2RF入力強度は第1RF入力強度との合計値(合計入力強度)が常に一定になるように制御されるものである。

0065

即ち、第1RF入力強度と第2RF入力強度との加算値は、常に予め設定された合計入力強度(例えば、2Wである。)となるように制御されるものである。なお、この合計入力強度の値は、ユーザーが適宜に任意の値に設定することができる。

0066

以下、第1RF周波数、第2RF周波数、第1RF入力強度ならびに第2RF入力強度をまとめると、次のようになる。

0067

(1)第1RF周波数・・・所望のレーザー発振周波数(例えば、80MHz〜130MHzである。)
(2)第2RF周波数・・・レーザー発振不能な周波数(例えば、60MHzである。)
(3)第1RF入力強度・・・第1RF周波数のレーザー発振のための最適値(例えば、0〜2Wである。)
(4)第RF2入力強度・・・合計入力強度から第1RF入力強度を減算した減算値(0W〜2Wである。)
なお、第1RF周波数により光音響光学結晶100に入力される音響波の周波数(第1の音響波の周波数)が与えられ、第2RF周波数により光音響光学結晶100に入力される音響波の周波数(第2の音響波の周波数)が与えられ、第1RF入力強度により光音響光学結晶100に入力される音響波の入力強度(第1の音響波の入力強度)が与えられ、第2RF入力強度により光音響光学結晶100に入力される音響波の入力強度(第2の音響波の入力強度)が与えられる。

0068

以上の構成において、励起レーザー24としてNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてTi:Al2O3レーザー結晶14を励起する。また、出射側ミラー112から出射させたい出射レーザー光の波長に応じて、RF電源制御手段14によって第1RF電源10にから入力される第1RF周波数を制御し、圧電素子22を駆動する。

0069

上記のようにすると、光音響光学結晶100に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶14から出射された広範囲の波長帯域の出射光のなかで、第1RF電源10により入力される第1RF周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定の方向に回折されて回折光106として光音響光学素子100から出射されることになる。

0070

さらに、光音響光学結晶100から所定の方向に回折されて出射された回折光106は、回折光補正用プリズム28に入射され、一定の方向に出射される。そして、回折光補正用プリズム28から出射された光は、全反射ミラー110によって反射され、レーザー共振器内を往復することになる。

0071

従って、第1RF電源10により入力される第1RF周波数に応じた波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レーザー共振器から当該波長の出射レーザー光のみを出射させることができる。

0072

ここで、上記したレーザー発振制御装置においては、第1RF電源10により第1RF周波数を入力するとともに、第2RF電源12によって第2RF周波数を入力している。即ち、光音響光学結晶100の波長選択に用いる第1RF周波数の第1RF入力強度の変動を打ち消すように、補償用RF入力として第2RF周波数を第2RF入力強度で入力し、第1RF入力強度と第2RF入力強度との合計値を常に一定に保つことで、光音響光学結晶100の熱的変動押さえるようになされている。

0073

即ち、このレーザー発振制御装置においては、光音響光学結晶100の超音波吸収による発生熱を波長掃引時にも一定とするために、超音波吸収による発熱を利用して常に光音響光学結晶100を外気熱平衡状態におくようにしているものである。

0074

つまり、第1RF入力強度を「I1」とし、第2RF入力強度を「I2」とし、合計入力強度を「Itotal」とすると、RF電源制御手段14によりレーザー発振していないときも(I1=0)、常に光音響光学結晶100が熱平衡状態にあるように、「I2=Itotal」となるようにRF電源制御手段14により第2RF電源12を制御する。そして、RF電源制御手段14によりレーザー発振しているときも(I1≠0)、常に光音響光学結晶100が熱平衡状態にあるように、「I1+I2=Itotal」となるようにRF電源制御手段14により第1RF電源10および第2RF電源12を制御するものである。

0075

なお、上記は基本原理であるが、「I2=Itotal−I1」が必ずしも最適とは限らないため、「I2」と「Itotal−I1」とが略等しい値となるような範囲で適宜調整することが好ましい。

0076

このようにして、光音響光学結晶100に入力される音響波強度が常に一定となるようにし、光音響光学結晶100の熱平衡状態を実現する。

0077

なお、光音響光学結晶100の音響波の吸収率と熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる可能性がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値が1Wで、80MHzでの熱変換効率が130MHzでの熱変換効率の半分であったとする。ここで、第1RF周波数を80MHzまたは130MHzとした場合において、第1RF入力強度をいずれの場合にも0.5Wで制御する場合をそれぞれ検討すると、第1RF周波数が80MHzの時に与える第2RF入力強度は0.5Wで、第1RF周波数が130MHzのときの第2RF入力強度たる0.25Wの2倍の強度が必要となる。

0078

音響波の周波数ωにおける熱変換効率をe(ω)、第1RF周波数と第1RF入力強度とをそれぞれω1、I1とし、第2RF周波数と第2RF入力強度とをそれぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、
h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2
において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ましい。

0079

ただし、任意のω1とω2とに対して、常にe(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を行うことができる。

0080

また、光音響光学結晶100の熱変換効率の周波数依存性は、素子の大きさなどによっても変わるため、第1RF入力強度と第2RF入力強度との合計入力強度は、第1RF周波数に対して、任意の値で設定できることが好ましいものである。

0081

また、仮に第1RF周波数と第2RF周波数とが非常に近いものであるならば、音響波同士の相互作用によってうねりが生じることになる。そして、こうしたうねりが生じた場合には、レーザーの発振強度に悪影響を及ぼすことになる。

0082

さらに、第1RF周波数と第2RF周波数とが離れている場合でも、うねりが生じる場合がある。例えば、周波数が80MHzと121MHzとである場合には、80MHzの第2倍音である240MHzと121MHzの第1倍音である242MHzとの間で相互作用が起きる場合が考えられる。

0083

このため、第2RF周波数を、第1RF周波数に対してうねりが生じない値に保つようにすると、レーザー発振強度に悪影響が出ないようにすることができる。

0084

従って、第2RF周波数は、レーザー発振不能な周波数帯域内において第1RF周波数に依存して変化させることが好ましいものである。

0085

ここで、図4グラフに示すように、このレーザー発振制御装置を用いない場合(実線で示す「温度制御前」の場合)には、光音響光学結晶へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学結晶の温度変化の影響が表れているが、このレーザー発振制御装置を用いた場合(破線で示す「温度制御後」の場合)には、光音響光学結晶へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学結晶の温度変化の影響が全く表れていない。

0086

なお、実際の波長掃引法としては、補償用の第2RF電源12の入力条件事前各波長毎に実験的に最適化して求めてテーブルを作り、当該テーブルを参照しながらレーザー発振を最適化して制御すればよい。

0087

従って、上記した実施の形態によれば、以下に示す(1)〜(3)の効果が得られるものである。

0088

(1)光音響光学結晶自体が発熱するので、熱伝導率に関係なく素子中の温度分布を一定にできる。

0089

(2)熱交換の速度に関係なく、与える熱量を高速に変化させることができる。

0090

(3)フィードバックでなく、能動的に温度管理を行うために、タイミングのずれがなく、RF入力強度の変動をカバーできる。

0091

なお、上記した実施の形態においては、補正用プリズムを設けたがこれを設けなくてもよいことは勿論である。

発明の効果

0092

本発明は、以上説明したように構成されているので、光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止することができ、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による影響を受けることがなくなるという優れた効果を奏する。

図面の簡単な説明

0093

図1従来のレーザー発振制御装置の概略構成説明図である。
図2光音響光学結晶に入力される音響波強度の変化と出射レーザー光の出力強度の変化との関係を示すグラフである。
図3本発明によるレーザー発振制御装置の実施の形態の一例を示す概略構成説明図である。
図4本発明の効果を示すグラフである。

--

0094

10 第1RF電源
12 第2RF電源
13 RF電源制御装置
14 Ti:Al2O3レーザー結晶
22圧電素子
24励起レーザー光
28回折光補正用プリズム
106 回折光
100 光音響光学結晶
110全反射ミラー
112 出射ミラー

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