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技術 放熱用金属板およびそれを用いた電子部品用パッケージ

出願人 NGKエレクトロデバイス株式会社
発明者 小阪田明義
出願日 1998年6月30日 (21年8ヶ月経過) 出願番号 1998-183836
公開日 2000年1月21日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-022057
状態 拒絶査定
技術分野 溶射または鋳込みによる被覆 半導体又は固体装置の冷却等 半導体または固体装置の冷却等
主要キーワード 電気式溶射 ガス式溶射 搭載ボード 接合パターン GaAsチップ 溶融銅 打ち抜き型 半導体素子直下
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図面 (7)

課題

適度な熱膨張率と高い熱伝導率を有し、製造工数ならびに製造コストを低減することが可能な放熱用金属板を提供する。

解決手段

放熱用金属板10は、銅−モリブデン板11の両面に銅の溶射膜12が形成されている。銅の溶射膜12の厚みt2と銅−モリブデン板11の厚みt1との比t2/t1は、1/18≦t2/t1≦2の範囲である。このため、放熱用金属板10は、半導体素子30が発生する熱を吸収するとともに、吸収した熱を外部に良好に放散させることができる。したがって、半導体素子30を長期間正常に安定して作動させることができる。さらに、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことにより、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。さらにまた、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことにより、製造コストを低減することができる。

概要

背景

半導体装置において、SiチップGaAsチップ等の半導体素子チップコンデンサ等の電子部品電子部品用パッケージに設けられた電子部品搭載部に搭載されて実用に供されている。アルミナ等のセラミックス耐熱性耐久性熱伝導性等に優れるため、この電子部品用パッケージの本体の材料として適しており、セラミック製の電子部品用パッケージは現在盛んに使用されている。

このセラミック製の電子部品用パッケージは、パッケージサイズ縮小し、搭載ボードへの搭載密度を向上させ、また電気特性を向上させるため、一般に複数枚グリーンシートを積層および焼成してセラミックスパッケージ本体が製造される。

さらに、パワーモジュールに代表されるような半導体素子からの発熱量が大きなものでは、半導体素子を通常の方法で搭載したのみでは、発熱により半導体装置が正常に作動しなくなる恐れがある。そこで、半導体素子の作動時に発生する熱を大気中に良好に放散させるようにした電子部品用パッケージとして、例えば熱伝導性に優れた金属から成る放熱用金属板を備えたセラミックスパッケージが知られている。

概要

適度な熱膨張率と高い熱伝導率を有し、製造工数ならびに製造コストを低減することが可能な放熱用金属板を提供する。

放熱用金属板10は、銅−モリブデン板11の両面に銅の溶射膜12が形成されている。銅の溶射膜12の厚みt2と銅−モリブデン板11の厚みt1との比t2/t1は、1/18≦t2/t1≦2の範囲である。このため、放熱用金属板10は、半導体素子30が発生する熱を吸収するとともに、吸収した熱を外部に良好に放散させることができる。したがって、半導体素子30を長期間正常に安定して作動させることができる。さらに、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことにより、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。さらにまた、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことにより、製造コストを低減することができる。

目的

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、適度な熱膨張率と高い熱伝導率を有し、製造工数ならびに製造コストを低減することが可能な放熱用金属板を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、電子部品の作動時に発生する熱を外部に良好に放散させることが可能な電子部品用パッケージを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

モリブデン、銅−モリブデン、銅−タングステンから選ばれるいずれかの金属材料からなる金属板と、前記金属板の片面あるいは両面に形成される銅の溶射膜と、を備えることを特徴とする放熱用金属板

請求項2

前記溶射膜と前記金属板との厚みの比をkとすると、kは、1/18≦k≦2の関係にあることを特徴とする請求項1記載の放熱用金属板。

請求項3

請求項1または2記載の放熱用金属板上に電子部品を搭載することを特徴とする電子部品用パッケージ

技術分野

0001

本発明は、放熱用金属板およびそれを用いた電子部品用パッケージに関する。

背景技術

0002

半導体装置において、SiチップGaAsチップ等の半導体素子チップコンデンサ等の電子部品が電子部品用パッケージに設けられた電子部品搭載部に搭載されて実用に供されている。アルミナ等のセラミックス耐熱性耐久性熱伝導性等に優れるため、この電子部品用パッケージの本体の材料として適しており、セラミック製の電子部品用パッケージは現在盛んに使用されている。

0003

このセラミック製の電子部品用パッケージは、パッケージサイズ縮小し、搭載ボードへの搭載密度を向上させ、また電気特性を向上させるため、一般に複数枚グリーンシートを積層および焼成してセラミックスパッケージ本体が製造される。

0004

さらに、パワーモジュールに代表されるような半導体素子からの発熱量が大きなものでは、半導体素子を通常の方法で搭載したのみでは、発熱により半導体装置が正常に作動しなくなる恐れがある。そこで、半導体素子の作動時に発生する熱を大気中に良好に放散させるようにした電子部品用パッケージとして、例えば熱伝導性に優れた金属から成る放熱用金属板を備えたセラミックスパッケージが知られている。

発明が解決しようとする課題

0005

上記の従来の技術によるセラミックスパッケージに用いられる放熱用金属板を構成する技術は、例えば熱膨張率がセラミックスパッケージ本体の熱膨張率に近似しかつ熱伝導率が約200W/mK程度の材料であって、タングステンあるいはモリブデン多孔質焼結体溶融銅含浸して成る複合材料が公知である。

0006

しかしながら、近年、半導体素子の高密度化および高集積化パワーエレクトクス分野に使用される半導体デバイス高度化が急速に進み、半導体素子の作動時に発生する単位面積あるいは単位体積当たりの発熱量が急激に増大する傾向にある。このため、上記の従来のセラミックスパッケージでは、放熱用金属板の熱伝導率が約200W/mK程度であるので、半導体素子の作動時に発生する熱を放熱用金属板を介して外部に完全に放散させるのが困難である。したがって、半導体素子は半導体素子の作動時に発生する熱で高温となり、半導体素子が物理的に破壊されたり、半導体素子の特性に熱変化が起こり、半導体素子に誤動作が生じたりするという問題があった。

0007

そこで、タングステンあるいはモリブデンの多孔質焼結体に溶融銅を含浸して成る複合材料に銅板ろう付けにより接合したり、銅のめっき膜を形成したりしてスプレッダー効果を図り、放熱用金属板の熱伝導率を向上させることが考えられる。しかし、上記の複合材料に銅板をろう付けにより接合する方法や、銅のめっき膜を形成する方法においては、製造工数製造コストが増大するという問題があった。

0008

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、適度な熱膨張率と高い熱伝導率を有し、製造工数ならびに製造コストを低減することが可能な放熱用金属板を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、電子部品の作動時に発生する熱を外部に良好に放散させることが可能な電子部品用パッケージを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の請求項1記載の放熱用金属板によると、モリブデン、銅−モリブデン、銅−タングステンから選ばれるいずれかの金属材料からなる金属板の片面あるいは両面に銅の溶射膜を形成している。このため、適度な熱膨張率を有するモリブデン、銅−モリブデンあるいは銅−タングステンの金属板を用いて、この金属板に銅の溶射を施すことにより、適度な熱膨張率と高い熱伝導率とを有する放熱用金属板を得ることができる。さらに、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことにより、簡便に短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。さらにまた、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことにより、製造コストを低減することができる。

0010

金属板に銅の溶射膜を形成することで、圧延加工により金属板に銅板を一体的に接合させたものに比べて金属板や銅の溶射膜に厚みのばらつきが発生せず、放熱用金属板は所定の均一厚みとなる。したがって、放熱用金属板の熱膨張率が部分的に異なることがないので、例えば放熱用金属板とセラミックス等の絶縁体とを銀ろう等のろう材を用いてろう付けし、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、放熱用金属板が変形することはなく、放熱用金属板と絶縁体とを強固に接合することができ、放熱用金属板上に半導体素子を強固に固定することができる。

0011

金属板の両面に銅の溶射膜を形成して成る放熱用金属板は、金属板と銅の溶射膜との間に発生する両者の熱膨張差に起因した熱応力が金属板の両面で相殺されるので、放熱用金属板を常に平坦とすることができる。このため、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、放熱用金属板上に半導体素子を強固に固定することができる。

0012

また、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、放熱用金属板の熱伝導率は、放熱用金属板全体の値よりも半導体素子直下の放熱用金属板の上層部の値が重要であるので、半導体素子直下の部分に相当する金属板の片面にのみ銅の溶射膜を形成してもよい。

0013

銅の溶射方法としては、ガス式溶射法と電気式溶射法とがあり、いずれの溶射方法も行うことが可能である。ガス式溶射法としては、例えば高速フレーム溶射法等のフレーム溶射法が簡便にかつ短時間で溶射を行うことができ、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いることができる。さらに高速フレーム溶射法を適用することにより、緻密で密着性に優れた銅の溶射膜を形成することができる。また電気式溶射法としては、例えばアークワイヤ溶射法等のアーク溶射法が簡便に短時間で溶射を行うことができ、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いることができる。上記のフレーム溶射法あるいはアーク溶射法は、公知の方法により行うことが可能であり、特に限定されることはない。

0014

本発明の請求項2記載の放熱用金属板によると、銅の溶射膜と金属板との厚みの比をkとすると、kは、
1/18≦k≦2
の関係にあるので、放熱用金属板の熱膨張率が適度なものとなり、銅の溶射膜と金属板との間に両者の熱膨張率の相違に起因した熱応力が発生するのを防止することができる。したがって、放熱用金属板を常に平坦とすることができ、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、放熱用金属板上に半導体素子を強固に固定することができる。

0015

kが2を越えると、放熱用金属板の熱膨張率が大きいものとなり、放熱用金属板と絶縁体とを銀ろう等のろう材を用いてろう付けし、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、放熱用金属板と絶縁体とのろう付け接合強度が低下したり、放熱用金属板に反りが発生し、放熱用金属板上に半導体素子を強固に固定することができなくなる恐れがある。

0016

また、kが1/18未満であると、放熱用金属板の熱伝導率が低いものとなり、放熱用金属板上に半導体素子を搭載した場合、半導体素子の作動時に発生する熱を充分に除去することができなくなる恐れがある。

0017

本発明の請求項3記載の電子部品用パッケージによると、請求項1または2記載の放熱用金属板上に電子部品を搭載するので、半導体素子の作動時に発生する熱を外部に良好に放散させることができ、半導体素子を長期間正常に安定して作動させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明の複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)本発明を例えば表面実装型のセラミックス製半導体用パッケージに適用した第1実施例について、図1図4を用いて説明する。

0019

図1に示すように、セラミックス製半導体用パッケージ100は、放熱用金属板10、アルミナ製のパッケージ本体20およびリードフレーム50等から構成される。放熱用金属板10は、その上面に半導体素子30が搭載されて固定される半導体素子搭載部31を有しており、半導体素子30は、半導体素子搭載部31上にガラス樹脂、ろう材等の接着剤を用いて搭載されて固定される。

0020

放熱用金属板10は、モリブデンの多孔質焼結体に溶融銅を40%含浸する金属材料からなる金属板としての銅−モリブデン板11の上下両面に銅の溶射膜12を形成した構成である。放熱用金属板10において、銅の溶射膜12の厚みt2と銅−モリブデン板11の厚みt1との比t2/t1は、
1/18≦t2/t1≦2
の範囲に設定されている。ここで、t2/t1は、特許請求の範囲に記載されたkに相当する。

0021

また、放熱用金属板10の上面には、枠状に形成されたアルミナ製のパッケージ本体20が半導体素子搭載部31の全周を囲むように銀ろう等のろう材15を用いて接合されている。放熱用金属板10とパッケージ本体20とで半導体素子30を搭載するための空間が形成される。この空間は、パッケージ本体20の上面21にはんだ低融点ガラス、樹脂、ろう材等の封止材により図示しないリッド等を接合させて気密に封止されている。

0022

パッケージ本体20は、下面22にろう材15を介して放熱用金属板10に接合されるタングステン、モリブデン等の接合パターン23を有しており、内周部から外周部にかけてタングステン、モリブデン等の配線パターン24を複数個有している。接合パターン23および配線パターン24の表面にはニッケル、金等のめっきが施されている。配線パターン24の一端は、半導体素子30の電極部ボンディングワイヤ40を介して電気的に接続され、導体配線層24の他端は、プリント基板等の外部電気回路に接続されるリードフレーム50が電気的に接続されている。

0023

次に、放熱用金属板10の作製方法について述べる。
(1)図2および図3に示すように、高速フレーム溶射法により、銅−モリブデン板11の上下両面に銅の溶射膜12を形成して放熱用金属板10が得られる。このとき、高速フレーム溶射法を適用することにより、緻密で密着性に優れた銅の溶射膜12を銅−モリブデン板11の上下両面に形成することができる。図3において、銅−モリブデン板11の厚みは1.5mmであり、銅の溶射膜12の膜厚は0.1mmである。したがって、銅の溶射膜12の厚みt2と銅−モリブデン板11の厚みt1との比t2/t1は1/15である。すなわち、t2/t1は、
1/18≦t2/t1≦2
の範囲である。

0024

次に、パッケージ本体20の作製方法について述べる。
(2)アルミナ粉末マグネシアシリカ焼成タルク炭酸カルシウム等の焼結助剤と、酸化チタン酸化クロム酸化モリブデン等の着色剤とを少量加えた粉体に、ジオキシフタレート等の可塑剤アクリル樹脂ブチラール樹脂等のバインダおよびトルエンキシレンアルコール類等の溶剤を加え、十分に混練して粘度2000〜40000cpsスラリを作製し、ドクターブレード法によって例えば0.3mm厚の複数枚のアルミナのグリーンシートを形成する。

0025

(3) 各グリーンシートに打ち抜き型パンチングマシーン等を用いて所望の形状に加工し、さらに、複数のビアホール打ち抜き加工して各ビアホールにタングステン粉末モリブデン粉末等を用いた導体ぺーストを充填し、ビアを形成する。パッケージ本体の内層に相当するグリーンシートにビアと同じ導体ペースト内層パターンを形成する。パッケージ本体の表面および裏面層に相当するグリーンシートにビアと同じ導体ペーストを使用して導体パターンスクリーン印刷する。

0026

(4)ビアおよび内層パターンを形成した内層に相当するグリーンシートと導体パターンをスクリーン印刷した表面層に相当するグリーンシートを積層し、このグリーンシート積層体を例えば80〜150℃、50〜250kg/cm2 の条件で熱圧着して一体化する。

0027

(5)一体化されたグリーンシート積層体を窒素水素混合ガス雰囲気中で1500〜1600℃で焼成する。これにより、導体ペースト中の樹脂分を分解および消失させ、アルミナ製のパッケージ本体の表面に配線パターンを形成し、裏面に接合パターンを形成する。
(6) 形成された配線パターンの電極部および接合パターンにニッケル、金等のめっきを施して、図4に示すパッケージ本体20が得られる。

0028

次に、上記の(1) の工程で作製した放熱用金属板10と、上記の(2) 〜(6) の工程で作製したパッケージ本体20とを銀ろう等のろう材を用いて接合し、配線パターンの電極部にリードフレームを電気的に接続し、半導体パッケージの半導体素子搭載部に半導体素子を搭載し、この半導体素子の電極部と配線パターンの電極部とをワイヤボンディングにより電気的に接続する。その後、リッド等で半導体素子搭載部を気密に封止した後、プリント基板等の外部電気回路に実装する。

0029

次に、図3に示す放熱用金属板10について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。また、銅−モリブデン板11に銅の溶射膜を形成しない構成の比較例1について、熱伝導率を測定した結果を表1に示す。比較例1は、図2に示す第1実施例の銅−モリブデン板11と同一構成である。さらに、図6に示すように、銅−モリブデン板11の上下両面に銅のめっき膜120を形成した比較例2について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。図6には、図3に示す第1実施例と実質的に同一部分に同一符号を付した。なお、比較例2における銅のめっき膜120の膜厚は0.1mmである。

0030

0031

表1に示すように、比較例1においては、熱伝導率が198W/mKである。このため、銅−モリブデン板上に半導体素子を搭載した場合、半導体素子の作動時に発生する熱を放熱用金属板を介して外部に完全に放散させるのが困難である。したがって、半導体素子は半導体素子の作動時に発生する熱で高温となり、半導体素子が物理的に破壊されたり、半導体素子の特性に熱変化が起こり、半導体素子に誤動作が生じたりする恐れがある。また、比較例2においては、表1に示すように、熱伝導率が245W/mKであり、製造工数および製造コストが比較的大である。このため、熱伝導率を向上させることはできるが、製造工数および製造コストが増大する。

0032

一方、第1実施例においては、表1に示すように、熱伝導率が246W/mKである。このため、図1に示すように、半導体素子搭載部31に半導体素子30を載置固定しても、放熱用金属板10は半導体素子30が発生する熱を吸収するとともに、吸収した熱を外部に良好に放散させることができる。したがって、半導体素子30を長期間正常に安定して作動させることができる。

0033

さらに、第1実施例においては、表1に示すように、製造工数および製造コストが比較的小である。このため、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことで、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。また、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことで、製造コストを低減することができる。

0034

さらにまた、第1実施例においては、放熱用金属板10の熱膨張率はパッケージ本体20の熱膨張率に近似している。このため、図1に示すように、放熱用金属板10とパッケージ本体20とをろう材15により接合し、半導体素子搭載部31に半導体素子30を載置固定しても、放熱用金属板10とパッケージ本体20との間に両者の熱膨張率の相違に起因した熱応力が発生するのを防止することができ、放熱用金属板10とパッケージ本体20とを強固に接合することができるとともに、半導体素子搭載部31に半導体素子30を強固に固定することができる。

0035

第1実施例では、表面実装型の半導体用パッケージに適用したが、本発明では、例えばPGA(Pin Grid Array)等の挿入型や他の型のパッケージに適用してもよい。また本発明では、アルミナ製の電子部品用パッケージに限らず、窒化アルミニウム製ムライト製、低温焼成ガラスセラミックス製等どのようなセラミックス製の電子部品用パッケージに適用してもよい。

0036

(第2実施例)本発明の第2実施例による放熱用金属板について、図5を用いて説明する。図5に示すように、第2実施例の放熱用金属板110は、図3に示す第1実施例の銅の溶射膜12の膜厚を増大させたものであり、その他、第1実施例と実質的に同一部分に同一符号を付す。

0037

第2実施例においては、図5に示すように、高速フレーム溶射法により、銅−モリブデン板11の上下両面に銅の溶射膜13が形成されている。図5において、銅−モリブデン板11の厚みは1.5mmであり、銅の溶射膜13の膜厚は0.6mmである。したがって、銅の溶射膜13の厚みt3と銅−モリブデン板11の厚みt1との比t3/t1は2/5である。すなわち、t3/t1は、
1/18≦t3/t1≦2
の範囲である。ここで、t3/t1は、特許請求の範囲に記載されたkに相当する。

0038

次に、図5に示す放熱用金属板110について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。また、図5に示す銅−モリブデン板11の上下両面に銅の溶射膜13の替りに膜厚0.6mmの銅のめっき膜を形成した比較例3について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。

0039

比較例3においては、表1に示すように、熱伝導率が277W/mkであり、製造工数および製造コストが比較的大である。このため、熱伝導率を向上させることはできるが、製造工数および製造コストが増大する。

0040

一方、第2実施例においては、表1に示すように、熱伝導率が278W/mkであり、製造工数および製造コストが比較的小である。このため、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことで、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。また、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことで、製造コストを低減することができる。

0041

(第3実施例)本発明の第3実施例による放熱用金属板は、図3に示す第1実施例の銅の溶射膜12の形成方法をアークワイヤ溶射法に変更したものであり、その他は第1実施例と同一である。

0042

第3実施例においては、銅−モリブデン板の厚みは1.5mmであり、銅の溶射膜の膜厚は0.1mmである。したがって、銅の溶射膜の厚みと銅−モリブデン板の厚みとの比をkとすると、kは1/15である。すなわち、kは、
1/18≦k≦2
の範囲である。

0043

次に、第3実施例による放熱用金属板について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。

0044

第3実施例においては、表1に示すように、熱伝導率が244W/mkであり、製造工数および製造コストが比較的小である。このため、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことで、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。また、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことで、製造コストを低減することができる。

0045

(第4実施例)本発明の第4実施例による放熱用金属板は、図5に示す第2実施例の銅の溶射膜13の形成方法をアークワイヤ溶射法に変更したものであり、その他は第2実施例と同一である。

0046

第4実施例においては、銅−モリブデン板の厚みは1.5mmであり、銅の溶射膜の膜厚は0.6mmである。したがって、銅の溶射膜の厚みと銅−モリブデン板の厚みとの比をkとすると、kは2/5である。すなわち、kは、
1/18≦k≦2
の範囲である。

0047

次に、第4実施例による放熱用金属板について、熱伝導率を測定し、製造工数および製造コストを相対的に評価した結果を表1に示す。第4実施例においては、表1に示すように、熱伝導率が277W/mkであり、製造工数および製造コストが比較的小である。このため、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことで、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。また、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことで、製造コストを低減することができる。

0048

以上説明した本発明の複数の実施例においては、銅−モリブデン板の両面に銅の溶射膜を形成している。このため、銅の溶射膜と金属板との厚みの比をkとすると、kは、
1/18≦k≦2
の関係にあるので、適度な熱膨張率と高い熱伝導率とを有する放熱用金属板を得ることができる。したがって、放熱用金属板上に半導体素子を載置固定することにより、半導体素子を長期間正常に安定して作動させることができる。

0049

さらに、本発明の複数の実施例においては、取り扱いが比較的容易な溶射装置を用いて溶射を行うことで、簡便にかつ短時間で製造することができ、製造工数を低減することができる。また、比較的低価格で低運転コストの溶射装置を用いて溶射を行うことで、製造コストを低減することができる。

0050

上記複数の実施例では、銅−モリブデン板の両面に銅の溶射膜を形成したが、本発明では、放熱用金属板は、モリブデンあるいは銅−タングステンの金属材料からなる金属板の両面に銅の溶射膜を形成する構成としてもよい。

0051

また上記複数の実施例では、放熱用金属板は、金属板の両面に銅の溶射膜を形成する構成としたが、本発明では、放熱用金属板上に半導体素子を載置固定した場合、半導体素子直下の部分に相当する金属板の片面にのみ銅の溶射膜を形成してもよい。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の第1実施例による半導体用パッケージを示す断面図である。
図2本発明の第1実施例による放熱用金属板の製造方法を説明するためのものであって、銅−モリブデン板を示す断面図である。
図3本発明の第1実施例による放熱用金属板を示す断面図である。
図4本発明の第1実施例によるパッケージ本体を示す断面図である。
図5本発明の第2実施例による放熱用金属板を示す断面図である。
図6本発明の比較例2による放熱用金属板を示す断面図である。

--

0053

10放熱用金属板
11 銅−モリブデン板(金属板)
12 銅の溶射膜
13 銅の溶射膜
15ろう材
20パッケージ本体
30半導体素子
31半導体素子搭載部
50リードフレーム
100半導体パッケージ
110 放熱用金属板

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    【課題】電力半導体モジュールを冷却器へ加圧による低熱抵抗実装し、絶縁固着層の高信頼化を実現した電力用半導体装置を得る。【解決手段】電力半導体モジュール1と、冷却板3とジャケット4とで構成される冷却器6... 詳細

  • 日本電気株式会社の「 冷却構造、実装構造」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】ヒートシンクなどの冷却構造においては、冷却性能を向上させることが難しい、という課題を解決すること。【解決手段】冷却構造は、発熱部品を冷却する複数の放熱部と、前記複数の放熱部を保持する保持部材と... 詳細

  • オムロン株式会社の「 電子部品の放熱構造」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】発熱体の熱を効率よく放熱体へ伝達して放熱効果を向上させることが可能な電子部品の放熱構造を提供する。【解決手段】放熱構造20は、半導体デバイス10、基板11、ヒートスプレッダ13、銅インレイ14... 詳細

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