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技術 定着装置及び画像形成装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 伊澤悟金成健二竹田正美
出願日 1998年6月30日 (22年5ヶ月経過) 出願番号 1998-201345
公開日 2000年1月21日 (20年11ヶ月経過) 公開番号 2000-019870
状態 拒絶査定
技術分野 電子写真における制御・保安 電子写真における定着 電子写真における制御・管理・保安
主要キーワード 状露出 下向き表面 定置ローラ 画像情報パターン 弾性可 ヒータ構造体 DC電極 薄肉フィルム
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図面 (10)

課題

未定着画像が形成された記録材を、定着部材10と加圧部材20との相互圧接部である定着ニップNを通過させることにより、未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、定着部材10の表面層である離型性層13cを介して記録材の転写電荷をリークさせることを防止してオフセット尾引きの発生を防止すること、またチャージアップ電位を抑えるとともに記録材を介して定着部材の離型性層表面の局所的なチャージを除去して剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像を得ること等を目的とする。

解決手段

定着部材10の導電性部材13bと接地の間にダイオード素子19bを介在させるとともに、定着ニップ付近接地状態の導電性部材16aを配置したこと。

概要

背景

従来、画像形成装置具備される定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く用いられている。近時はフィルム加熱方式の装置が実用に供されている。

a)熱ローラ方式の定着装置
図6に、この定着装置の一例の概略構成模型図を示した。これは、互いに圧接して回転する定着部材としての定着ローラ熱ローラヒートローラ)40と加圧部材としての加圧ローラ50を有し、該両ローラ40・50の圧接ニップ部である定着ニップ部Nに未定着画像を形成担持させた記録材Pを導入して定着ニップ部Nを挟持搬送通過させることで、定着ローラ40の熱と定着ニップ部Nの加圧力にて未定着画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。

定着部材としての定着ローラ40は、アルミニウム等の中空金属芯金42と、その外周面被覆させた離型性層43を有し、中空金属芯金42の内部に熱源として例えばハロゲンランプ41が配設されており、不図示の電源からの通電によりハロゲンランプ41が発熱しその熱により中空金属芯金42が内部より加熱され、定着ローラ40の表面温度が記録材上のトナー融解させるのに十分な所定の定着温度に維持されるように、定着ローラ40の表面に接触させた温度検知手段としてのサーミスタ44を含む温調系によりハロゲンランプ41に対する通電がon/off制御されて温調される。

定着ローラ外周面の離型性層43は、記録材P上のトナーをオフセットすることなく記録材上に定着させるためのもので、トナー離型性に優れた性能を示すポリテトラフルオロエチレンPTFE)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂等の層である。該離型性層43はチューブ状に形成されていたり、あるいは静電スプレーディッピング塗工等により形成されている。

また、記録材Pの搬送によって定着ローラ表面チャージアップすることで発生するオフセットを防止するため、離型性層43に電子導電性物質導電性フィラー導電性部材)を混入・分散しているものもある。

さらに、定着ローラ40の中空金属芯金42は電気的にアース接続されており、定着ローラ表面のチャージアップを防止している。

加圧部材としての加圧ローラ50は上記定着ローラ40とローラ長手方向両端部において不図示の加圧バネにより圧接して記録材を挟持搬送する。加圧ローラ50は、芯金51と、この芯金51の外周部に同心一体にローラ状に形成した例えばシリコンゴム弾性層あるいはシリコンゴムの発泡スポンジ弾性層52と、さらにその外周面を被覆させた離型性層53を有する弾性ローラである。離型性層53は定着ローラ40と同様に、PTFE、PFA、FEP等をチューブ状に、あるいはコーティング塗工して形成して成る。

この弾性加圧ローラ弾性により定着ローラ40と加圧ローラ50との間に十分なニップ幅のニップ部Nを形成することができ、このニップ部Nに挟持搬送される記録材P上のトナー像を定着ローラ40からの加熱により定着することができる。

b)フィルム加熱方式の定着装置
これは、例えば特開昭63−313182号公報、特開平2−157878号公報、同4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に提案されており、固定支持させた加熱体と、この加熱体と摺動する耐熱性フィルム定着フィルム)と、このフィルムを挟んで加熱体との圧接ニップ部である定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、加熱体を所定の温度に加熱・温調させ、定着ニップ部の定着フィルムと加圧部材との間に未定着画像を形成担持させた記録材を導入して定着フィルムと一緒に定着ニップ部を挟持搬送通過させることで、定着フィルムを介した加熱体からの熱と定着ニップ部の加圧力にて未定着画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。

このようなフィルム加熱方式の定着装置は、加熱体として所謂セラミックヒータ等の低熱容量線状加熱体を、定着フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるために短時間に加熱体の温度が昇温して定着ニップ部の所定温度への立ち上がりを迅速にすることができるので、スタンバイ時に加熱体へ電力供給通電加熱)せず、消費電力を極力低く抑えることができ、記録材をすぐに通紙しても記録材が定着部位である定着ニップ部に到達するまでには加熱体を所定温度まで昇温させることができ、熱ローラ方式などの他の接触加熱方式の定着装置に比べて、省電力化ウエイトタイムの短縮化クイックスタート性)が可能であり、オンデマンドな定着装置を構成することができる。

定着フィルムは円筒状部材あるいはエンドレスベルト状部材してこれを回転させて使用する装置構成にする、あるいはロール巻きの有端ウエブ状部材にしてこれを走行させて使用する装置構成にすることができる。

図7に、この定着装置の一例の概略構成模型図を示した。本例の装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示のいわゆるテンションレスタイプの装置である。即ち、定着フィルムとして円筒状(エンドレス状)のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部はテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、該フィルムを加圧回転体としての加圧ローラ(圧接ローラバックアップローラ)の回転駆動力回転駆動するようにしたものである。

60は定着部材としての定着フィルムアセンブリであり、加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)61、ステイホルダー支持体)62、円筒状の定着フィルム(耐熱性薄肉フィルム)63等からなる。ヒータ61は一般に低熱容量のセラミックヒータが用いられ、記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とする横長の部材である。ステイホルダー62はヒータ支持体兼フィルム内面ガイド部材であり、ヒータ61はこのステイホルダー62の下面の略中央部にステイホルダー長手に沿って形成具備させた溝部に嵌入して固定支持させてある。円筒状の定着フィルム63はヒータ61を固定支持させたステイホルダー62にルーズに外嵌させてある。

そして上記定着部材60をヒータ61側を下向きにして加圧部材としての加圧ローラ50の上側に配置し、不図示の付勢手段でヒータ61と加圧ローラ50を定着フィルム63を挟ませて加圧ローラ50の弾性に抗して圧接させてある。Nは定着フィルム63を挟んでヒータ61と加圧ローラ50の間に形成される定着ニップ部である。

加圧ローラ50は不図示の駆動手段により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ50の回転駆動により定着ニップ部Nにおける該ローラ50と定着フィルム63の外面との摩擦力で定着フィルム63に回転力が作用して該フィルム63がヒータ61に密着摺動しながら矢示の時計方向にステイホルダー62の外回りを回転駆動される。ステイホルダー62は定着フィルム63の回転移動を容易にする働きをする。

加圧ローラ50の回転による定着フィルム63の回転周速度定常化し、ヒータ61の温度が所定に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム63と加圧ローラ50との間に未定着トナー像を担持させた記録材Pがトナー像担持面側を定着フィルム63側にして導入される。

定着ニップ部Nに進入した記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着フィルム63を介してヒータ61に密着して定着ニップ部Nを定着フィルム63と一緒に移動通過していく。その移動通過過程においてヒータ61の熱が定着フィルム63を介して記録材Pに付与されてトナー像が記録材P面加熱定着される。

定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム63の面から分離されて搬送される。

加熱部材としてのヒータ61には一般にセラミックヒータが使用される。例えば、アルミナ等の電気絶縁性良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板の面(定着フィルム63と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pd)・Ta2 N等の通電発熱抵抗層スクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該通電発熱抵抗層形成面を薄肉ガラス保護層で覆ってなるものである。このセラミックヒータ61は通電発熱抵抗層に通電がなされることにより該通電発熱抵抗層が発熱してセラミック基板・ガラス保護層を含むヒータ全体が急速昇温する。このヒータ61の昇温がヒータ背面に設置された温度検知手段64により検知されて不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段64で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層に対する給電を制御する。すなわちヒータ61は所定の定着温度に加熱・温調される。

定着フィルム63は、定着ニップ部Nにおいてヒータ61の熱を該定着フィルムを介して効率よく被加熱材としての記録材Pに与えるために、その総厚は20〜70μmとかなり薄くしている。図10の層構成模型図に示すように、一般に、フィルム基層63a、導電性プライマー層63b、離型性層63cの3層構成であり、フィルム基層63a側がヒータ61に接触摺動する側であり、離型性層63c側が記録材Pもしくは加圧ローラ50に接する側である。

フィルム基層63aは定着フィルム全体の引裂強度等の機械的強度を保っているもので、絶縁性の高いポリイミドポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有しており、厚み15〜60μm程度で形成されている。

導電性プライマー層63bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム全体のチャージアップを防止するため、電気的にアースに接続されている。

離型性層63cは定着フィルムに対するトナーオフセット防止層であり、トナー離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素を厚み5〜10μm程度に被覆して形成してある。

また、前記熱ローラ方式の定着装置における定着ローラ40と同様に、定着フィルム63表面のチャージアップを軽減し、静電オフセットを防止するために、離型性層63c中には比抵抗が103 Ωcm〜106 Ωcm程度のカーボンブラック等の導電性部材(導電性物質)が混入されている。

また、ステイホルダー62は、例えば、耐熱性プラスチック製部材より形成され、ヒータ61を保持するとともに定着フィルム63の搬送ガイドも兼ねている。よって定着フィルム63との摺動性を高めるために、定着フィルム63とヒータ61やステイホルダー62の外周面の間に耐熱性の高いグリース等を介在させてある。

また、加圧部材としての加圧ローラ50は前述した熱ローラ方式の定着装置における加圧ローラ50と同様の構成をしている。

上述したように、従来の熱ローラ方式やフィルム加熱方式の定着装置では、定着部材としての定着ローラ40あるいは定着フィルムアセンブリの定着フィルム63の表層離型性の良いフッ素樹脂で形成し、チャージアップ防止のためにカーボンブラック等の粒子状の比較的低抵抗(比抵抗で103 Ωcm〜106 Ωcm程度)の電子導電性物質(導電性フィラー、導電性部材)を分散させており、図11の模型図に示すような導電性物質63dの均一な分散が離型性層63c(43)中に形成されていた。

さらに、定着部材としての定着ローラ40の導電性中空芯金42や定着フィルム63の導電性プライマー層63bを電気的に接地状態にすることで、定着ローラ40あるいは定着フィルム63の表面がチャージアップするのを防いでおりオフセットを防止していた。

概要

未定着画像が形成された記録材を、定着部材10と加圧部材20との相互圧接部である定着ニップNを通過させることにより、未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、定着部材10の表面層である離型性層13cを介して記録材の転写電荷をリークさせることを防止してオフセットや尾引きの発生を防止すること、またチャージアップの電位を抑えるとともに記録材を介して定着部材の離型性層表面の局所的なチャージを除去して剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像を得ること等を目的とする。

定着部材10の導電性部材13bと接地の間にダイオード素子19bを介在させるとともに、定着ニップ付近に接地状態の導電性部材16aを配置したこと。

目的

本発明は上記に鑑みて提案されたもので、この種の定着装置において、定着ローラや定着フィルム等の定着部材の表面層である離型性層を介して記録材の転写電荷をリークさせることを防止してオフセットや尾引きの発生を防止すること、またチャージアップの電位を抑えるとともに記録材を介して定着部材の離型性層表面の局所的なチャージを除去して剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像を得ること等を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

未定着画像が形成された記録材を、定着部材加圧部材との相互圧接部である定着ニップを通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、上記定着部材の導電性部材接地の間にダイオード素子を介在させるとともに、上記定着ニップ付近接地状態の導電性部材を配置したことを特徴とする定着装置。

請求項2

前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材と搬送される記録材が接触することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。

請求項3

前記加圧部材の導電性部材と接地の間にダイオード素子を介在させることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。

請求項4

前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材がバイアス印加装置を介して接地されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の定着装置。

請求項5

前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材がバイアス印加装置を介して接地されており、かつ記録材の搬送位置に応じて上記バイアス印加装置による印加バイアスが変化することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1つに記載の定着装置。

請求項6

加熱定着装置であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の定着装置。

請求項7

定着部材がフィルム加熱方式の定着装置における定着フィルムであることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1つに記載の定着装置。

請求項8

定着部材が定着ローラ加熱方式の定着装置における定着ローラであることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1つに記載の定着装置。

請求項9

圧力定着装置であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1つに記載の定着装置。

請求項10

請求項1ないし9の何れか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、例えば、電子写真方式静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材転写材印字用紙感光紙静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報未定着画像トナー像、荷電有色微粉体像)を固着像として定着処理仮定着処理も含む)する定着装置に関する。

0002

より詳しくは、未定着画像が形成された記録材を、定着部材加圧部材との相互圧接部である定着ニップ部を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に固着画像として加熱定着あるいは熱圧定着若しくは圧力定着させる定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。

背景技術

0003

従来、画像形成装置に具備される定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く用いられている。近時はフィルム加熱方式の装置が実用に供されている。

0004

a)熱ローラ方式の定着装置
図6に、この定着装置の一例の概略構成模型図を示した。これは、互いに圧接して回転する定着部材としての定着ローラ熱ローラヒートローラ)40と加圧部材としての加圧ローラ50を有し、該両ローラ40・50の圧接ニップ部である定着ニップ部Nに未定着画像を形成担持させた記録材Pを導入して定着ニップ部Nを挟持搬送通過させることで、定着ローラ40の熱と定着ニップ部Nの加圧力にて未定着画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。

0005

定着部材としての定着ローラ40は、アルミニウム等の中空金属芯金42と、その外周面被覆させた離型性層43を有し、中空金属芯金42の内部に熱源として例えばハロゲンランプ41が配設されており、不図示の電源からの通電によりハロゲンランプ41が発熱しその熱により中空金属芯金42が内部より加熱され、定着ローラ40の表面温度が記録材上のトナー融解させるのに十分な所定の定着温度に維持されるように、定着ローラ40の表面に接触させた温度検知手段としてのサーミスタ44を含む温調系によりハロゲンランプ41に対する通電がon/off制御されて温調される。

0006

定着ローラ外周面の離型性層43は、記録材P上のトナーをオフセットすることなく記録材上に定着させるためのもので、トナー離型性に優れた性能を示すポリテトラフルオロエチレンPTFE)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂等の層である。該離型性層43はチューブ状に形成されていたり、あるいは静電スプレーディッピング塗工等により形成されている。

0007

また、記録材Pの搬送によって定着ローラ表面チャージアップすることで発生するオフセットを防止するため、離型性層43に電子導電性物質導電性フィラー導電性部材)を混入・分散しているものもある。

0008

さらに、定着ローラ40の中空金属芯金42は電気的にアース接続されており、定着ローラ表面のチャージアップを防止している。

0009

加圧部材としての加圧ローラ50は上記定着ローラ40とローラ長手方向両端部において不図示の加圧バネにより圧接して記録材を挟持搬送する。加圧ローラ50は、芯金51と、この芯金51の外周部に同心一体にローラ状に形成した例えばシリコンゴム弾性層あるいはシリコンゴムの発泡スポンジ弾性層52と、さらにその外周面を被覆させた離型性層53を有する弾性ローラである。離型性層53は定着ローラ40と同様に、PTFE、PFA、FEP等をチューブ状に、あるいはコーティング塗工して形成して成る。

0010

この弾性加圧ローラ弾性により定着ローラ40と加圧ローラ50との間に十分なニップ幅のニップ部Nを形成することができ、このニップ部Nに挟持搬送される記録材P上のトナー像を定着ローラ40からの加熱により定着することができる。

0011

b)フィルム加熱方式の定着装置
これは、例えば特開昭63−313182号公報、特開平2−157878号公報、同4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に提案されており、固定支持させた加熱体と、この加熱体と摺動する耐熱性フィルム定着フィルム)と、このフィルムを挟んで加熱体との圧接ニップ部である定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、加熱体を所定の温度に加熱・温調させ、定着ニップ部の定着フィルムと加圧部材との間に未定着画像を形成担持させた記録材を導入して定着フィルムと一緒に定着ニップ部を挟持搬送通過させることで、定着フィルムを介した加熱体からの熱と定着ニップ部の加圧力にて未定着画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。

0012

このようなフィルム加熱方式の定着装置は、加熱体として所謂セラミックヒータ等の低熱容量線状加熱体を、定着フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるために短時間に加熱体の温度が昇温して定着ニップ部の所定温度への立ち上がりを迅速にすることができるので、スタンバイ時に加熱体へ電力供給通電加熱)せず、消費電力を極力低く抑えることができ、記録材をすぐに通紙しても記録材が定着部位である定着ニップ部に到達するまでには加熱体を所定温度まで昇温させることができ、熱ローラ方式などの他の接触加熱方式の定着装置に比べて、省電力化ウエイトタイムの短縮化クイックスタート性)が可能であり、オンデマンドな定着装置を構成することができる。

0013

定着フィルムは円筒状部材あるいはエンドレスベルト状部材してこれを回転させて使用する装置構成にする、あるいはロール巻きの有端ウエブ状部材にしてこれを走行させて使用する装置構成にすることができる。

0014

図7に、この定着装置の一例の概略構成模型図を示した。本例の装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示のいわゆるテンションレスタイプの装置である。即ち、定着フィルムとして円筒状(エンドレス状)のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部はテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、該フィルムを加圧回転体としての加圧ローラ(圧接ローラバックアップローラ)の回転駆動力回転駆動するようにしたものである。

0015

60は定着部材としての定着フィルムアセンブリであり、加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)61、ステイホルダー支持体)62、円筒状の定着フィルム(耐熱性薄肉フィルム)63等からなる。ヒータ61は一般に低熱容量のセラミックヒータが用いられ、記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とする横長の部材である。ステイホルダー62はヒータ支持体兼フィルム内面ガイド部材であり、ヒータ61はこのステイホルダー62の下面の略中央部にステイホルダー長手に沿って形成具備させた溝部に嵌入して固定支持させてある。円筒状の定着フィルム63はヒータ61を固定支持させたステイホルダー62にルーズに外嵌させてある。

0016

そして上記定着部材60をヒータ61側を下向きにして加圧部材としての加圧ローラ50の上側に配置し、不図示の付勢手段でヒータ61と加圧ローラ50を定着フィルム63を挟ませて加圧ローラ50の弾性に抗して圧接させてある。Nは定着フィルム63を挟んでヒータ61と加圧ローラ50の間に形成される定着ニップ部である。

0017

加圧ローラ50は不図示の駆動手段により矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ50の回転駆動により定着ニップ部Nにおける該ローラ50と定着フィルム63の外面との摩擦力で定着フィルム63に回転力が作用して該フィルム63がヒータ61に密着摺動しながら矢示の時計方向にステイホルダー62の外回りを回転駆動される。ステイホルダー62は定着フィルム63の回転移動を容易にする働きをする。

0018

加圧ローラ50の回転による定着フィルム63の回転周速度定常化し、ヒータ61の温度が所定に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム63と加圧ローラ50との間に未定着トナー像を担持させた記録材Pがトナー像担持面側を定着フィルム63側にして導入される。

0019

定着ニップ部Nに進入した記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着フィルム63を介してヒータ61に密着して定着ニップ部Nを定着フィルム63と一緒に移動通過していく。その移動通過過程においてヒータ61の熱が定着フィルム63を介して記録材Pに付与されてトナー像が記録材P面に加熱定着される。

0020

定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム63の面から分離されて搬送される。

0021

加熱部材としてのヒータ61には一般にセラミックヒータが使用される。例えば、アルミナ等の電気絶縁性良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板の面(定着フィルム63と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pd)・Ta2 N等の通電発熱抵抗層スクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該通電発熱抵抗層形成面を薄肉ガラス保護層で覆ってなるものである。このセラミックヒータ61は通電発熱抵抗層に通電がなされることにより該通電発熱抵抗層が発熱してセラミック基板・ガラス保護層を含むヒータ全体が急速昇温する。このヒータ61の昇温がヒータ背面に設置された温度検知手段64により検知されて不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段64で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層に対する給電を制御する。すなわちヒータ61は所定の定着温度に加熱・温調される。

0022

定着フィルム63は、定着ニップ部Nにおいてヒータ61の熱を該定着フィルムを介して効率よく被加熱材としての記録材Pに与えるために、その総厚は20〜70μmとかなり薄くしている。図10の層構成模型図に示すように、一般に、フィルム基層63a、導電性プライマー層63b、離型性層63cの3層構成であり、フィルム基層63a側がヒータ61に接触摺動する側であり、離型性層63c側が記録材Pもしくは加圧ローラ50に接する側である。

0023

フィルム基層63aは定着フィルム全体の引裂強度等の機械的強度を保っているもので、絶縁性の高いポリイミドポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有しており、厚み15〜60μm程度で形成されている。

0024

導電性プライマー層63bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム全体のチャージアップを防止するため、電気的にアースに接続されている。

0025

離型性層63cは定着フィルムに対するトナーオフセット防止層であり、トナー離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素を厚み5〜10μm程度に被覆して形成してある。

0026

また、前記熱ローラ方式の定着装置における定着ローラ40と同様に、定着フィルム63表面のチャージアップを軽減し、静電オフセットを防止するために、離型性層63c中には比抵抗が103 Ωcm〜106 Ωcm程度のカーボンブラック等の導電性部材(導電性物質)が混入されている。

0027

また、ステイホルダー62は、例えば、耐熱性プラスチック製部材より形成され、ヒータ61を保持するとともに定着フィルム63の搬送ガイドも兼ねている。よって定着フィルム63との摺動性を高めるために、定着フィルム63とヒータ61やステイホルダー62の外周面の間に耐熱性の高いグリース等を介在させてある。

0028

また、加圧部材としての加圧ローラ50は前述した熱ローラ方式の定着装置における加圧ローラ50と同様の構成をしている。

0029

上述したように、従来の熱ローラ方式やフィルム加熱方式の定着装置では、定着部材としての定着ローラ40あるいは定着フィルムアセンブリの定着フィルム63の表層離型性の良いフッ素樹脂で形成し、チャージアップ防止のためにカーボンブラック等の粒子状の比較的低抵抗(比抵抗で103 Ωcm〜106 Ωcm程度)の電子導電性物質(導電性フィラー、導電性部材)を分散させており、図11の模型図に示すような導電性物質63dの均一な分散が離型性層63c(43)中に形成されていた。

0030

さらに、定着部材としての定着ローラ40の導電性中空芯金42や定着フィルム63の導電性プライマー層63bを電気的に接地状態にすることで、定着ローラ40あるいは定着フィルム63の表面がチャージアップするのを防いでおりオフセットを防止していた。

発明が解決しようとする課題

0031

しかしながら、上述した定着装置の場合、定着ローラ40あるいは定着フィルム63の表層に混入する導電性物質の量に応じて定着ローラ40あるいは定着フィルム63の表面電位が大きく異なり、全てのオフセット、画像乱れを解決するのに最適な導電性物質の量を決定することが困難であった。

0032

たとえば、上記の比抵抗の小さいカーボンブラック等を定着ローラ40あるいは定着フィルム63の表層であるフッ素樹脂層中に多量に混入した離型性層43や63cを形成した場合、記録材が搬送されることによる定着フィルム63や定着ローラ40の表面のチャージアップ防止は容易であるが、その一方で記録材上のトナー像を保持している転写電荷は上記の離型性層中の導電性物質によって定着フィルム63の導電性プライマー層63bや定着ローラ40の導電性中空芯金42にリークしやすくなる。特に表面抵抗の小さい記録材を使用した場合には、微視的に導電性物質が多く、転写電荷がリークしやすいポイントから記録材上の転写電荷がほとんど導電性プライマー層63bや導電性中空芯金42にリークしてしまう。この結果、記録材上のトナー像はもはや静電気的に記録材に保持された状態にはなくなり、記録材へのトナー吸引力の低下からオフセットしやすくなってしまう。

0033

また、記録材への保持電荷が少なくなることでトナー像は外力によって容易に飛散されやすい状態となり、例えば吸湿量の多い記録材を加熱定着した場合には、記録材中より噴出した水蒸気によって記録材の搬送方向と反対の方向にトナー像を飛散させる所謂「尾引き」を生じさせることがある。

0034

一方、上記のような転写電荷のリークを防止するために、上記導電性物質の離型層63cや43への分散量を減らした場合には、該離型層中に均一に導電性物質を分散させることがより難しくなり、導電性物質が疎な部分では離型性層表面が局部的にチャージアップしてしまい、この結果、オフセットに至ることがある。例えば、乾燥した記録材が定着ニップ部から剥離して搬送された時には、記録材の後端が定着ニップ部から排出される際に定着部材としての定着ローラ40や定着フィルム63の表面には記録材の後端に相当する部分が線状にチャージアップしてしまう。この電位が維持されたまま後続の記録材のトナー画像を定着した場合には、チャージアップした位置に相当する後続の記録材の画像を剥ぎ取ってしまう所謂「剥ぎ取りオフセット」が発生することがある。

0035

よって、比抵抗103 Ω〜106 Ω程度のカーボンブラック等の導電性物質を離型性層中に混入した場合には、導電性物質の混入量によって離型性層の表面抵抗値体積抵抗値極端に変化するため、上記のリーク型オフセットおよびチャージアップによるオフセットを防止する適切な抵抗特性の離型性層を安定して生産することが困難であった。

0036

また、加熱定着装置によって記録材の加熱定着を数多く行った耐久試験においては、定着部材の表面の摩耗により、耐久状況に応じて離型性層の様子が異なり、長い耐久に対して離型性層の電気的な状態を維持することが困難であった。

0037

以上のことから、転写電荷のリークによるオフセットと尾引き、チャージアップによるオフセットの全てを完全に防止することは困難であった。

0038

さらに上述のカーボンブラック等の粒子状の導電性物質の場合、粒子径が小さくなるほど表面エネルギーが大きくなり、2次凝集が起こりやすく、微小範囲で観察した場合、均一に分散させることが難しい。

0039

本発明は上記に鑑みて提案されたもので、この種の定着装置において、定着ローラや定着フィルム等の定着部材の表面層である離型性層を介して記録材の転写電荷をリークさせることを防止してオフセットや尾引きの発生を防止すること、またチャージアップの電位を抑えるとともに記録材を介して定着部材の離型性層表面の局所的なチャージを除去して剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像を得ること等を目的とする。

課題を解決するための手段

0040

本発明は下記の構成を特徴とする定着装置及び画像形成装置である。

0041

(1)未定着画像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材との相互圧接部である定着ニップを通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、上記定着部材の導電性部材と接地の間にダイオード素子を介在させるとともに、上記定着ニップ付近に接地状態の導電性部材を配置したことを特徴とする定着装置。

0042

(2)前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材と搬送される記録材が接触することを特徴とする(1)に記載の定着装置。

0043

(3)前記加圧部材の導電性部材と接地の間にダイオード素子を介在させることを特徴とする(1)または(2)に記載の定着装置。

0044

(4)前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材がバイアス印加装置を介して接地されていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1つに記載の定着装置。

0045

(5)前記定着ニップの記録材搬送方向下流側に導電性部材を設けており、該導電性部材がバイアス印加装置を介して接地されており、かつ記録材の搬送位置に応じて上記バイアス印加装置による印加バイアスが変化することを特徴とする(1)ないし(4)の何れか1つに記載の定着装置。

0046

(6)加熱定着装置であることを特徴とする(1)ないし(5)の何れか1つに記載の定着装置。

0047

(7)定着部材がフィルム加熱方式の定着装置における定着フィルムであることを特徴とする(1)ないし(6)の何れか1つに記載の定着装置。

0048

(8)定着部材が定着ローラ加熱方式の定着装置における定着ローラであることを特徴とする(1)ないし(6)の何れか1つに記載の定着装置。

0049

(9)圧力定着装置であることを特徴とする(1)ないし(6)の何れか1つに記載の定着装置。

0050

(10)前記(1)ないし(9)の何れか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

0051

〈作 用〉より具体的には、未定着画像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材の間の定着ニップ部を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、定着部材としての定着ローラや定着フィルム等の記録材と接する最表層である離型性層を体積抵抗が108 Ωcm以上となるように少量の導電性物質を混入した皮膜より形成する。また、耐久による削れに対しても十分な性能を保つように離型性層の厚みを8μm以上18μm以下とする。かつ画像形成部において帯電されるトナーの電位と同極性の電荷誘起されるように、定着部材の導電性部材(定着ローラの導電性中空芯金や定着フィルムの導電性プライマー層など)と接地の間にダイオードを介する。また、定着ニップ付近の記録材背面側に導電性の部材を配置し、該トナーの帯電と異極性の電荷を記録材に注入する。さらには記録材が定着ニップから排出される際の剥離放電の電荷を上記定着ニップ直後の導電性部材より接地へ排出する。

0052

以上、定着部材の表層の抵抗を所定値以上に保つことで定着部材表層である離型性層を介して記録材の転写電荷がリークすることを防止し、かつトナーと同極性の電位を定着部材の導電性部材に誘起することでトナーが定着部材にオフセットするのを防止する。かつ定着ニップ付近に設けた導電性部材により記録材背面にトナーと異極性の電荷を注入することでトナーの記録材上への静電気的保持力アップさせ、オフセットや尾引きを防止する。また、記録材の最後端が定着ニップから排出された際の剥離放電を接地に逃すことにより定着部材の一部が局所的に帯電することを防ぎ、剥ぎ取りオフセットを防止する。

0053

以上により、従来のように導電性物質の混入量に対して、上記離型性層の表面抵抗や体積抵抗が極端に変化するシビアな領域での製造管理が必要なくなる。

0054

また、離型性層中に導電性物質を少量混入するため、耐久によって離型性層がある程度削れても、記録材の転写電荷がリークする等によるオフセット、尾引きを防止することができ、耐久性に優れた定着部材が形成される。また、定着部材の表層のシビアな管理なしに、リークによるオフセット、尾引き、チャージアップによる剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0055

〈第1の実施形態〉(図1図3
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は転写電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。

0056

1は像担持体としての回転ドラム型電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料層がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状導電性基体上に形成されている。該感光ドラム1は矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。

0057

感光ドラム1は回転過程において、まず、その表面が帯電装置としての帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様に帯電される。

0058

次に、露光装置としての不図示のレーザースキャナによる、目的の画像情報パターンに対応したレーザービーム走査露光3を受ける。これにより回転感光ドラム1面に目的の画像情報パターンに対応した静電潜像が形成される。

0059

レーザースキャナはホストコンピュータ等の外部装置等から送られた目的の画像情報パターンの時系列電気デジタル画素信号に対応してON/OFF制御されたレーザービームを出力し、このレーザービームで回転感光ドラム1の一様帯電処理面を走査露光する。

0060

回転感光ドラム1面に形成された静電潜像は、現像装置4でトナー現像されて可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。

0061

回転感光ドラム1面に形成されたトナー像は、感光ドラム1と、感光ドラム1に一定の加圧力で接触させた転写装置としての転写ローラ5とで形成される転写ニップ部Tにおいて、該転写ニップ部Tに不図示の給紙部から所定の制御タイミングにて給送された記録材(転写材)Pに対して順次に転写される。

0062

転写ローラ5には不図示の電源から所定の転写バイアスが所定の制御タイミングにて印加され、感光ドラム1面のトナー像が該転写バイアスの作用で、転写ニップ部Tを挟持搬送される記録材P面に順次に転写される。

0063

8は給紙部から転写ニップ部Tに搬送された記録材Pの先端を検知するセンサであり、感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材Pの先端の書き出し位置合致するようにセンサ8にて記録材Pの先端を検知し、タイミングを合わせている。

0064

転写ニップ部Tにてトナー像の転写を受けて転写ニップ部Tを通過した記録材Pは回転感光ドラム1面から分離されて定着装置6へと搬送され、トナー像が永久画像として定着される。

0065

一方、感光ドラム1上に残存する転写残り残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。

0066

(2)定着装置6
本例における定着装置6は、前述した図7の定着装置と同様に特開平4−44075〜44083号公報等に開示の、円筒状の定着フィルムを用いたフィルム加熱方式・加圧ローラ駆動式・テンションレスタイプの加熱定着装置である。図2は該装置6の横断面模型図である。

0067

10・20は互いに当接させて定着ニップ部Nを形成させた定着部材と加圧部材である。

0068

定着部材10は、加熱体11、断熱ステイホルダー12、定着フィルム13等から構成されている。加圧部材20は弾性加圧ローラである。

0069

加熱体11は薄肉・横長のセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)である。

0070

断熱ステイホルダー12は、ヒータ11を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐ部材であり、液晶ポリマーフェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。本例の断熱ステイホルダー12は横断面略半円弧状樋型の横長で、耐熱性、電気絶縁性で、高い加重に耐えられる部材であり、ヒータ11はこの断熱ステイホルダー12の下面のほぼ中央部に部材長手に沿って設けた溝部に表面側を下向きに露呈させて嵌入して固定支持させてある。

0071

定着フィルム13は円筒状の耐熱性フィルムであり、ヒータ11を含む断熱ステイホルダー12に対して周長に余裕を持たせた形でルーズに外嵌させてあり、断熱ステイホルダー12は定着フィルム13を内面から支える。

0072

定着フィルム13は熱容量の小さなものであり、クイックスタートを可能にするために総厚100μm以下の厚みで耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等を基層としたフィルムである。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルムとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム13の総厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層には、PFA、PTFE、FEP、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものである。この定着フィルム13の構成、特に本実施例に係わる離型性層の詳細については後で説明する。

0073

加圧部材としての弾性加圧ローラ20は、芯金21と、その外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、さらには、この上にPFA、PRFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。

0074

この弾性加圧ローラ20は、不図示の軸受部材に保持させ、断熱ステイホルダー12の下面側に固定支持させたヒータ11の下向き表面に対して定着フィルム13を挟ませて、不図示の加圧手段により長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく十分に加圧されている。

0075

加圧ローラ20は不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される(加圧用回転体駆動方式)。この加圧ローラ20の回転駆動による該ローラ20の外面と定着フィルム13の外面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力で定着フィルム13に回転力が作用して、該定着フィルム13はその内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ11の下向き表面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ20の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって断熱ステイホルダー12の外回りを従動回転状態になる。

0076

この場合、断熱ステイホルダー12の外回りを従動回転する円筒状の定着フィルム13はその周長の定着ニップ部Nとその近傍部の定着フィルム部分以外の定着フィルム部分はテンションフリー(テンションが加わらない状態)の状態にある。

0077

定着フィルム13はその内面側がヒータ11および断熱ステイホルダー12の外面の一部に摺擦しながら回転するため、ヒータ11および断熱ステイホルダー12と定着フィルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このためヒータ11および断熱ステイホルダー12の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させてある。これにより定着フィルム13はスムーズに回転することが可能となる。

0078

而して、加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム13が断熱ステイホルダー12の外回りを従動回転状態になり、ヒータ11に通電がなされて該ヒータ11の発熱で定着ニップ部Nの温度が所定に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nに、未定着トナー像を形成担持させた記録材Pが耐熱性の定着入口ガイド15に沿って導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pの未定着トナー像担持面側が定着フィルム13の外面に密着して定着フィルム13と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。

0079

この記録材Pの挟持搬送過程において、ヒータ11の熱が定着フィルム13を介して記録材に付与され、記録材P上の未定着トナー像が熱圧定着される。

0080

記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると定着フィルム13の外面から曲率分離して耐熱性の定着排紙ガイド16に案内されて排紙ローラ17および排紙コロ18に挟持搬送され不図示の排出トレイ上に排出される。

0081

(2)ヒータ11
ヒータ11(セラミックヒータ)は、アルミナ等の高絶縁性セラミックス基板の表面に長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2 、Ta2 N等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。

0082

セラミックス基板の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子14が配設されている。この温度検知素子14の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧デューティー比波数等を適切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を略一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。

0083

温度検知素子14から不図示の温度制御部へのDC通電は不図示のDC通電部およびDC電極部を介して不図示のコネクターにより達成している。また、加熱用ヒータ11の通電発熱抵抗層の表面には、定着フィルム13との摺擦に耐えることが可能な薄層ガラスコート等の保護層を設けている。

0084

(3)定着フィルム13等
図3の(a)は定着フィルム13の層構成を示す横断面模型図である。この定着フィルム13は、内側から外側に順に、フィルム基層13a、導電性のプライマー層13b、離型性層13cからなる3層積層体である。

0085

導電性のプライマー層13bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されている。

0086

ここで定着フィルム13を全体的に絶縁性にした場合には、フィルムの静電容量が小さくなり、画像形成装置の転写部で電荷が与えられた記録材Pが定着ニップ部Nを通過することにより定着フィルム13と加圧ローラ20の表面電位が上昇し、チャージアップを引き起こす。このため定着フィルム13と加圧ローラ20の間に電界が発生して定着フィルム13に静電オフセットが発生することがある。これを避けるために上記のように定着フィルム13の中間層であるプライマー層13bにカーボンブラック等を混入することにより該プライマー層の導電化を行っている。

0087

またさらに該導電性プライマー層13bはダイオード19bを介して接地されている。

0088

このプライマー層13bの外側には離型性層13cが設けられており、この離型性層13cは定着フィルム13に対するトナーオフセット防止層として、離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を静電スプレー、ディッピング等の塗工方法にて厚み8〜18μm程度に被覆して形成してある。

0089

特に、定着フィルム13表面からの転写電荷のリークを抑えるためには、上記離型層13c中に少量の導電性物質を混入し、該離型性層13cの体積抵抗を108 Ωcm以上としている。また、耐久による離型性層13cの削れに対しても、リークの発生によるオフセット、尾引きを防止するのに満足な厚みとして8μm以上が必要となる。

0090

さらに、図3の(b)に示すように上述の導電性プライマー層13bの上に離型性層13cを被覆していない環状露出部aを設け、この部分にアモルファス繊維やSUS等よりなる導電性ブラシ19aを当接し、さらにダイオード19bを介してアースに接続している。これにより定着フィルム13の導電性プライマー層13bにトナーと同極性の電位が誘起される構成となっている。なお、図においては画像形成装置にてトナーがマイナスに帯電される場合のダイオードの向きを示している。トナーがプラス帯電される場合はダイオード19bの向きは逆向きとなる。

0091

さらに本例では、図3の(c)に示しているように、誘起された定着フィルムの電位と接地間での電界により記録材背面に帯電されたトナーと逆極性の電荷が注入されるように、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向下流側の定着排紙ガイド16中(定着ニップから5mm〜20mm程度下流の位置)に導電性部材16aを配設している。この導電性部材16aは電気的にアースに接続されており、記録材Pが定着ニップ部Nより排出されてきた際に記録材の裏面が該導電性部材16aに当接することにより定着フィルム13と該導電性部材16aの間に電流パスが生じる。これにより、定着フィルム13がトナーと同極性に誘起されているため、トナーと逆極性の電荷が導電性部材16aを介して記録材背面に注入される。

0092

また、記録材Pの後端が定着ニップ部Nより排出される際には剥離放電によって定着フィルム13に局所的な電位(トナーと逆極性の電位)が生じるが、この電位が生じた瞬間に定着フィルム13上の局所的なチャージは記録材を介して上記導電性部材16aに流れ込む。この結果、定着フィルム上にはトナーと逆極性の局所的な電位が残らなくなる。

0093

以上本例では定着ニップ部中に記録材が挟持搬送された状態で定着ニップ部直後の導電性部材16aに記録材が接することで記録材背面にトナーと逆極性の電荷が注入されることから記録材へのトナー画像の静電的保持力が増し、オフセット、尾引き等を防止することが可能になる。

0094

ここで、本例では定着ニップ部直後に接地状態の導電性部材16aを設けた装置で説明したが、定着ニップ部直前入口ガイド15等を導電化して接地状態にしても同様にオフセット、尾引きを防止することが可能になる。

0095

また、記録材Pの後端が定着ニップ部より排出された際には剥離放電によって生じる定着フィルム上の局所的なチャージが定着ニップ部直後の導電性部材16aより逃げるので定着フィルムの局所的なチャージによる剥ぎ取りオフセットは生じなくなる。

0096

(4)評 価
以上の効果を確認するため、以下に示す検討を行った。

0097

定着装置6の構成としては、定着フィルム13は、内径φ24で、フィルム基層13aとしての厚み50μmのポリイミドフィルムの外面に、カーボンブラックを分散した導電性プライマー層13b、さらにその表面にはPFA、PTFEの混合液中にディッピング塗工、および焼成工程を経て離型性層13cを形成したものを用いた。

0098

ヒータ11は、アルミナ基板上に発熱抵抗層としてAg/Pdをスクリーン印刷し、その表面にガラス保護層を形成したものを使用した。

0099

また加圧ローラ20は、シリコーンゴム22上にPFAチューブ23を被せたφ25のものを使用した。

0100

また、表1・表2に示す従来例1〜4、実施例1〜4、比較例における全ての定着フィルム13のプライマー層13bは4μm、表層13cはフッ素樹脂を10μm塗布したものを用意した。

0101

また、定着ニップ部Nの下流側には導電性部材16aとしてアモルファス繊維よりなる導電ブラシを記録材Pと摺擦できる位置に配置し、アース接続とした。比較のため上記導電ブラシ16aの有無での比較も行った。

0102

また、定着フィルム13の導電性プライマー層13bを電気的に接地した場合と、ダイオード19bを介した場合での比較も行った。

0103

評価項目
評価1:リーク型オフセット……記録材を20万枚連続搬送させた後に表面抵抗の小さい吸湿した記録材を3枚搬送させてオフセットの評価を行った。

0104

評価2:尾引き……上記評価1と同様に、耐久した定着フィルムを用いて吸湿した記録材を3枚搬送させて尾引きの評価を行った。

0105

評価3:剥ぎ取りオフセット……表面抵抗が高い記録材を両面印字で連続搬送した場合の剥ぎ取りオフセットの評価を行った。

0106

各評価1〜3の結果を表1・表2に示す。表中の○は問題ないレベル、△は許容レベル、×は劣悪なレベルを表す。

0107

また、従来例の体積抵抗率フッ素樹脂中に占める導電剤の量を振って体積抵抗を変化させた場合の結果を示す。

0108

0109

ID=000004HE=085 WI=143 LX=0335 LY=1600
以上の結果より、従来例のように定着フィルム13の離型性層13cを接地状態にして、定着ニップ部直後に接地状態の導電性部材16aを設けない場合、離型性層13cのフッ素樹脂中の導電性物質の分散量だけで、オフセット、尾引き、剥ぎ取りオフセットの全てを防止することは難しく、特に耐久した定着フィルムを使用した場合にまで満足することはほとんど不可能であった。また、全ての問題のバランスを取るための離型性層13c中に分散する導電性物質の量は抵抗値に顕著に影響するため、狭い領域で導電性物質の量を管理しなければならない。このため、定着フィルムの生産性の悪化を招いていた。また、導電性物質の分散性に対してもオフセット現象がシビアに影響するため、分散性を良好にするためにシビアな管理が必要となっていた。

0110

これに対して本実施例では、定着フィルム13の導電性プライマー層13bにトナーと同極性の電位を誘起し、かつ定着ニップ部直後の接地状態にある導電性部材16aから記録材背面にトナーと異極性の電荷を注入するため、トナーの記録材への十分な保持力が確保出来、この結果、オフセット、尾引き、剥ぎ取りオフセットの全てを防止することが可能になる。さらに、定着フィルム13の離型性層13cとして、許容できる体積抵抗の範囲が広くなることから分散する導電性物質の量に対してシビアな管理を必要としない。また、定着フィルム13の離型性層13cの体積抵抗を従来より高く設定できるため、耐久によって定着フィルムの表層が多少削れてきた場合であっても、従来例のように簡単に記録材の転写電荷がリークするようなことはない。さらに、定着フィルムの局所的なチャージアツプに対しても定着ニップ部直後に設けた接地状態の導電性部材16aによって記録材を介してディスチャージすることが可能となる。よってリーク型のオフセットや尾引き、およびチャージアツプによる剥ぎ取りオフセットの双方を定着フィルムの生産性を悪化させることなく実施できる。

0111

ここで本実施例では定着ニップ部直後の導電性部材16aとして弾性可撓性のある導電性ブラシを使用したが、導電性のブレードを記録材の搬送の妨げとならないように配置してもよい。また、図2における定着ニップ部Nより排出された記録材を挟持搬送する目的の排紙ローラ17や排紙コロ18を導電化し、かつ接地状態としても同様の効果が得られる。

0112

また、加熱定着装置として、定着部材に剛性の定着ローラを使用した系より本実施例で示した変形自在な定着フィルムを用いた方が、定着ニップ部直後の導電ブラシ16aに記録材が確実に接触するようになるため、定着フィルムを用いた加熱定着装置の方が適している。これは、記録材が定置ローラを使用した系では、定着ローラの温度や加圧ローラの温度によって定着ニップ部で強い外力を受ける際に、記録材が変形させられる程度が変化するのに対して、定着フィルムを用いた系では加熱体としてのヒータ11の面が水平になっていることから記録材には常に安定した外力が与えられることによる。すなわち定着ニップ部で受ける外力によって定着ニップ部から排出される記録材の分離方向が決定するため、安定した外力を与えられる定着フィルムの系の加熱定着装置の方が安定して定着ニップ部直後の導電性部材16aに記録材Pを接触することが可能になる。

0113

〈第2の実施形態〉(図4
本実施形態は、上記第1の実施形態において、加圧ローラ50の弾性層を導電化し、図4のように定着フィルム13の導電性プライマー層13bと接地間、および加圧ローラ20の導電弾性層22(図2)と接地間にそれぞれ独立したダイオード19b・19cを接続する。その他の画像形成装置構成・定着装置構成は第1の実施形態のものと同様である。

0114

ダイオード19cは加圧ローラ20の芯金21に接続して加圧ローラ20の導電弾性層と接地間を接続してあり、定着フィルム13の導電性プライマー層13bとは逆の電位、すなわち画像形成部で帯電されるトナーと逆極性の電位が加圧ローラ芯金21および導電弾性層22に誘起される構成となっている。

0115

こうすることで、定着ニップ部Nに搬送される記録材Pに対してトナーの保持力をさらに高める電界を生じさせる。よってトナーのオフセット、尾引き、剥ぎ取りオフセットに対してより防止効果が高くなるため、例えば定着フィルム13の離型性層13cであるフッ素樹脂中にカーボンブラック等の導電性物質を分散しない場合であっても剥ぎ取りオフセットのない良好な画像が得られる。これは記録材の後端が定着ニップ部より排出される際に生じる剥離放電によって生じるトナーと逆極性の電位を定着ニップ部直後にある接地状態の導電性部材16aから完全に除去しきれない状態、すなわち定着フィルムの一部に局所的にチャージアップした部分が多少残ってしまった状態でも、後続の記録材のトナー保持力が確保されているために、トナー像が剥ぎ取られることなく加熱定着されるからである。

0116

以上の効果を確認するため、前記実施例1に示した構成にて剥ぎ取りオフセットの確認を行った。なお、定着フィルム13の離型性層13cに分散する導電性物質の量を極端に減らしていってそのときの剥ぎ取りオフセットを比較した。比較例として前記実施例1で示した定着フィルム側のみ導電性プライマー層から接地間にダイオードを介した場合についても比較した。

0117

評価結果を表3に示す。なお、表中のダイオード数は1の場合、前記実施例1にて示した定着フィルム側のみのダイオード接続を示し、2の場合、本実施例に示した定着フィルム13と加圧ローラ20それぞれに対してダイオード19b・19cを接続した場合を示す。また、導電剤の量とは定着フィルム13の離型性層13c中に含まれる導電性物質の量を示す。剥ぎ取りオフセットを評価した記録材は低温(10°C)、低湿(10%)の環境に1日放置したものである。

0118

ID=000005HE=045 WI=141 LX=0345 LY=0300
以上の結果より、本実施例では定着フィルム13の離型性層13c中に全く導電性物質を分散しなくても剥ぎ取りオフセットを防止することが可能になることがわかる。よって定着フィルム13の導電性プライマー層13bに分散させる導電性物質の管理等が全く必要なくなり、定着フィルムの生産性をさらに向上させることができる。特に定着フィルム13の離型性層13c中に分散する導電性物質の量が少なくなった場合には均一に分散させることが難しくなるため、導電性物質を全く使用しない定着フィルムが使用可能な本実施例では定着フィルムの生産性を著しく改善することが可能になる。

0119

〈第3の実施形態〉(図5
本実施形態は、前記第1の実施形態において記録材背面にトナーと逆極性の電荷を積極的に注入することにより記録材のトナー像保持力をアップさせもので、図5のように、定着ニップ直後の導電性部材16aとアースの間にバイアス印加装置30を介在させた。その他の画像形成装置構成・定着装置構成は第1の実施形態のものと同様である。

0120

上記のバイアス印加装置30により、記録材の背面から画像形成部で帯電されるトナーと逆極性のバイアスガ印加されるように接続されている。これにより、定着フィルムのトナーと同極性の電位とバイアスの間で電界を生じ、記録材背面には積極的にトナーと逆極性の電荷が注入されるため、記録材へのトナーの保持力がアップし、オフセット、尾引き等の問題を完全に防止することが可能になる。また、定着フィルム13の離型性層13cに導電性物質を分散させない場合であってもオフセット、尾引きに十分な効果を得ることが可能になる。

0121

また、前記図1で示した記録材の先端を検知するセンサー8で記録材の後端も同様に検知し、これを上記バイアス印加装置30によるバイアス印加のタイミングと合わせる。すなわち記録材の後端が定着ニップ部Nから排出される際にだけ上記バイアス印加装置30によるバイアスを切って接地状態にする。もしくは反対のバイアス(トナーと同極性のバイアス)を印加する。これは記録材の後端が定着ニップ部Nより排出される際に発生する剥離放電を除電することで、剥ぎ取りオフセットに対しても防止効果を高めるためである。

0122

以上、定着ニップ部Nに記録材Pが挟持搬送されており、かつ定着ニップ部直後の導電性部材16aと記録材Pが当接している間は、該導電性部材16aから記録材Pにトナーと逆極性の電荷が注入され、記録材Pの後端が定着ニップ部Nから排出される際には該導電性部材16aを接地状態に切り替えるか、もしくはトナーと同極性の電荷を上記導電性部材16aから記録材Pに注入する。これにより、オフセツト、尾引き、剥ぎ取りオフセットを完全に防止することが可能になる。

0123

ここで、記録材Pが定着ニップ部Nを抜ける瞬間に上記導電性部材16aから記録材へのバイアスを逆バイアス、すなわちトナーと同極性のバイアス印加に切り替えた際の剥ぎ取りオフセットへの防止効果を確認した。定着フィルム13の離型性層13cは導電性物質を全く含まない、フッ素樹脂層で形成した。他の構成は前記第1および第2の実施形態で示した構成と同様とした。

0124

評価結果を表4に示す。表中の切替えタイミングとは、上記定着ニップ部直後の導電性部材16aに印加されるバイアスを切り替えるタイミングのことであり、記録材が定着ニップから離れる瞬間を0mm、マイナスは記録材が定着ニップに挟持搬送されている状態、プラスは記録材が定着ニップから離れてからの状態のそれぞれのタイミングを示し、数値はバイアスを切り替えたタイミングで記録材の後端が定着ニップ排出口からどれくらい離れているかを示す。なお、上記バイアス切替は記録材が完全に定着ニップより排出されるまで続き、次の記録材が定着ニップに突入する前には元のバイアス印加、すなわちトナーと逆極性のバイアスに戻っている。

0125

ID=000006HE=055 WI=143 LX=0335 LY=0300
以上の結果より、記録材Pが定着ニップ部Nより排出される直前から上記バイアス印加装置30によるバイアスを切り替えれば、剥離オフセットに関しても完全に防止することができる。ただし、切替タイミングからあまりに早いと記録材の後端では、記録材のトナー保持力がなくなり、後端でオフセットしてしまうことがあるため、記録材の後端が定着ニップ部から排出される瞬間より10mm以内の範囲で記録材が上流側にある状態(定着ニップ部内に記録材が挟持されている状態)で切り替えるのが良い。

0126

以上、本実施例では、記録材の位置に応じて定着ニップ部直後の導電性部材16aに印加するバイアスの極性を切り替えることで、オフセット、尾引き、剥離オフセットの全てを防止することができる。特に、記録材へのトナーの保持力を増す方向に定着ニップ部直後より積極的にトナーと逆極性の電荷を注入し、記録材後端では逆に剥離放電電荷を積極的に逃がすことが可能なので、定着フィルム13の離型性層13cの抵抗が高い場合でも上記の問題を発生させることなく良好な画像が得られる。

0127

〈その他〉
1)本発明において、フィルム加熱方式の定着装置は、定着フィルムの駆動方式として、定着フィルムにエンドレスベルト状あるいは円筒状のものを用い、該フィルムの内周面側に駆動ローラを配設し、この駆動ローラを含む複数本の部材間にフィルムをテンションを加えて懸回張設して駆動ローラによりフィルムを回転駆動する駆動方式のものであってもよい。

0128

また、ロール巻きにした有端のウエブ状の定着フィルムを用い、これを繰り出し走行させる装置構成のものであってもよい。

0129

2)加熱体11はセラミックヒータに限られない。例えば鉄板等の電磁誘導発熱性部材やその他のヒータ構造体にすることもできる。

0130

定着フィルム自体に電磁誘導発熱性層を具備させた形態のものにすることもできる。

0131

3)定着装置は定着ローラ加熱方式であってもよい。定着ローラを電磁誘導発熱させるものとすることもできる。

0132

定着装置は圧力定着方式等であってもよい。

0133

4)加圧部材はローラ体でなくともよい。例えば回動ベルト部材にすることもできる。

0134

5)本発明において、定着装置には、実施例の加熱定着装置だけに限られず、画像を担持した被記録材を加熱してあるいは加圧してつや等の表面性改質する装置、仮定着する装置も含まれる。

0135

6)記録材に対する未定着トナー像の形成原理・プロセスは任意である。

発明の効果

0136

以上説明したように、本発明によれば、未定着画像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材との相互圧接部である定着ニップ部を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に定着させる定着装置において、定着ローラや定着フィルム等の定着部材の表面層である離型性層を介して記録材の転写電荷をリークさせることを防止してオフセットや尾引きの発生を防止すること、またチャージアップの電位を抑えるとともに記録材を介して定着部材の離型性層表面の局所的なチャージを除去して剥ぎ取りオフセットを防止した良好な画像を得ること等が可能となり、所期の目的がよく達せられる。

図面の簡単な説明

0137

図1第1の実施形態における画像形成装置の概略構成図
図2定着装置の概略構成図
図3(a)は定着フィルムの層構成を示す断面模型図、(b)と(c)はそれぞれ要部の模型図
図4第2の実施形態における定着装置の要部の模型図
図5第3の実施形態における定着装置の要部の模型図
図6熱ローラ方式の定着装置の概略構成図
図7フィルム加熱方式の定着装置の概略構成図
図8定着フィルムの層構成を示す断面模型図
図9導電性物質を分散させた離型性層の断面模型図

--

0138

10・・・定着部材(定着フィルムアセンブリ)
11・・・加熱体(ヒータ)
12・・・断熱ステイホルダー
13・・・定着フィルム
13c・・・離型性層
16a・・・導電性部材
20・・・加圧部材(弾性加圧ローラ)

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