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技術 電力制御方法及び電力制御装置

出願人 株式会社日立コミュニケーションテクノロジー
発明者 川本潔石田和人斉藤憲一郎徳岡貞彦庄田洋
出願日 1998年6月17日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 1998-185747
公開日 2000年1月14日 (21年5ヶ月経過) 公開番号 2000-013310
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 時分割方式以外の多重化通信方式 移動無線通信システム
主要キーワード 情報エネルギー PF7 ディジタル変換機 電力総和 セル配置図 帯域通過濾波器 低域通過濾波器 アナログ変換機
関連する未来課題
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図面 (19)

課題

W−CDMA方式基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA方式の基地局と同一地域・同一周波数帯オーバーレイさせる場合に、お互いの通信容量劣化させることなく、使用広帯域を有効に利用する。

解決手段

W−MS116.1は、W−BS104.1からの受信電力とN−BS101.1及び2からの受信電力を元に、送信電力を算出して制御する開ループ制御を行う。また、これに加えて、通話中のW−BS104.1からの制御コマンドにより、帯域毎送信電力比を制御する閉ループ制御を行う。さらに、短周期閉ループ制御を行うこともできる。一方、W−BS104.1は、W−MS116.1と同様に、帯域毎の受信電力を測定し、全ての帯域平均受信電力が等しくなるように、個々のW−MS116.1〜4に対して、帯域毎の送信電力比を制御する制御コマンドを送信する。

概要

背景

一般に、CDMA方式には、狭帯域DMA(N−CDMA)方式と広帯域CDMA(W−CDMA)方式がある。N−CDMA方式としては、例えば、ディジタル携帯電話についての米国電気通信工業会TIA(Telecommunications Industry Association)が定めたIS−95をベースとし、一般にcdmaOneと呼ばれる方式がある。また、W−CDMA方式としては、例えば、TIAによって推奨されるcdma2000方式、(社)電波産業界ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)、欧州電気通信標準化協会ETSI(EuropeanTelecommunications Standard Institute)により推奨されるW−CDMA方式等がある。通信インフラとしては、一般に、N−CDMA方式のインフラが先に整備されており、その後に、重複する地域に対して、W−CDMA方式のインフラ整備が開始されることになる。

一般に、CDMA方式を用いた無線通信システムでは、複数の移動局からの信号を基地局で受信する際に、各移動局からの受信電力に差が生じると、お互いの信号が干渉電力として無視できなくなる。これにより、基地局では、通信容量が著しく劣化されてしまうという問題が生じる場合がある。このような問題を回避するため、CDMA方式を用いた無線通信システムでは、基地局において、各移動局の送信電力を調整し、全ての移動局からの受信電力が等しくなるように制御している。

移動局の送信電力を制御する方法としては、例えば、N−CDMA方式として北米で標準化されているTIA/EIA/IS−95A(以下、IS−95A)では、開ループ制御閉ループ制御という2つの電力制御ループを規定している。以下に、従来におけるN−CDMA方式の電力制御ループについて説明する。

開ループ制御は、移動局が、基地局からの受信電力を元に送信電力の制御を行う方法である。開ループ制御は、基地局−移動局間の距離によって生じる長周期フェージング追従する働きを持つ。長周期の値の具体例としては、例えば数百ms単位程度である。開ループ制御では、フェージングの影響等に対して比較的大まかで遅いレスポンスでの制御を行う。これにより、移動局の端末毎の位置のばらつきを抑える役割を果たす。例えば、移動局が基地局から離れていく場合を想定する。この場合、基地局での受信電力は、次第に弱くなっていくので、移動局では送信電力を次第に大きく制御することにより、基地局での受信電力がほぼ一定に保たれることができる。

IS−95Aでは、この開ループ制御による移動局の上りトラフィックチャネル平均送信電力を、以下のように規定している。この平均送信電力は、例えば、80dB程度のダイナミックレンジを有する。

平均送信電力(dBm)=−平均受信電力(dBm)−73(dB)+NOM_PWR(dB)+INIT_PWR(dB)+全てのアクセスプローブ補正の和(dB)
なお、NOM_PWR、INIT_PWR及び単一のアクセスプローブ補正PWR_STEPの各値は、システムパラメータである。これらのシステムパラメータは、アクセスパラメータ・メッセージ(Access Parameters Message )等の制御情報として基地局から移動局に通知されるパラメータである。ここで、NOM_PWRは、移動局の開ループ制御による送信電力の見積りを補正するためのパラメータであり、例えば、−8〜+7(dB)の範囲で設定できる。INIT_PWRは、アクセスチャネルプローブ送信における初期送信電力を補正するためのパラメータであり、例えば、−16〜+15(dB)の範囲に設定できる。なお、これらの公称値は、NOM_PWR及びINIT_PWR共に0(dB)である。また、PWR_STEPは、移動局がアクセスチャネルプローブ再送を行う場合に増加させる送信電力の補正値であり、例えば、0〜+7(dB)の範囲に設定できる。全てのアクセスプローブ補正の和とは、PWR_STEPを全て加算したものである。

開ループ制御では、これらのシステムパラメータを用いて、システム毎に最適化した制御ループ構築することができる。

これに対して、閉ループ制御は、マルチパスによって生じる短周期なフェージングに追従させる働きを持つ制御である。IS−95Aでは、移動局は、例えば、1.25(mS)に分割した電力制御グループと呼ばれるタイムスロット毎に、基地局によって挿入された電力制御ビットに応じて、送信電力制御を行うように規定されている。ひとつの電力制御ビットあたりの平均送信電力レベル変化の公称値は、例えば1(dB)又は0.5(dB)である。この例の場合は、移動局は1.25(mS)(800Hzの場合)毎に±1(dB)又は±0.5(dB)の送信電力制御を行うことになる。

IS−95Aでは、基地局が、割り当てられた特定の移動局の受信信号強度を1.25(mS)周期で見積り、この電力制御ビットを決定すること、と規定されている。実際には、所要フレーム誤り率(FER)を満たすEb/Noと受信信号の平均Eb/Noとの比較により、電力制御ビットが決定される。ここで、Eb/Noとは、1ビットあたりの情報エネルギー雑音電力密度比( The ratio between the energy of each information bit (Eb) and the noise spectral density (No))である。電力制御ビットは、例えば、信号強度の見積りを行った上りトラフィックチャネルの電力制御グループから、いくつか後(例えば、2つ後)の下りトラフィックチャネルの電力制御グループ上で送信される。つまり、基地局では、移動局からの上りトラフィックチャネルの受信信号強度から移動局の電力増減を決定し、移動局への下りトラフィックチャネルで電力制御ビットを送信する。一方、移動局は、その電力制御ビットを受信して送信電力の調整を行う。このようにして、短周期の閉ループ制御が実行される。

以上のように、IS−95Aに規定されたシステムでは、全ての移動局の信号受信電力又は信号品質を一定に保つように、開ループ制御及び短周期閉ループ制御により電力制御がなされている。

概要

W−CDMA方式の基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA方式の基地局と同一地域・同一周波数帯オーバーレイさせる場合に、お互いの通信容量を劣化させることなく、使用広帯域を有効に利用する。

W−MS116.1は、W−BS104.1からの受信電力とN−BS101.1及び2からの受信電力を元に、送信電力を算出して制御する開ループ制御を行う。また、これに加えて、通話中のW−BS104.1からの制御コマンドにより、帯域毎送信電力比を制御する閉ループ制御を行う。さらに、短周期閉ループ制御を行うこともできる。一方、W−BS104.1は、W−MS116.1と同様に、帯域毎の受信電力を測定し、全ての帯域の平均受信電力が等しくなるように、個々のW−MS116.1〜4に対して、帯域毎の送信電力比を制御する制御コマンドを送信する。

目的

本発明は、以上の点に鑑み、W−CDMA基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA基地局とある地域及びある周波数帯でオーバーレイさせる場合において、例えば両システムのハンドオフ境界にずれが生じ、移動局との遠近関係バランス崩れても、お互いの通信容量を劣化させることのない無線通信システムの電力制御方法及び電力制御装置を提供することを目的とする。

本発明は、N−CDMA基地局では、N−CDMA移動局とW−CDMA移動局からの受信電力が全て等しくなるように制御することにより、割り当てられた帯域の通信容量を等しく分割して有効に使用することを目的とする。

また、本発明は、W−CDMA基地局では、N−CDMA方式で使用している帯域とそれ以外の帯域とに通信容量を分配することにより、使用される広帯域を有効に利用することを目的とする。そして、本発明は、N−CDMA方式及びW−CDMA方式の無線通信システムにおいて、共に通信容量を増加することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
7件

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請求項1

符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システム電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システム広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合の電力制御方法であって、W−CDMA無線端末が、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを測定し、それぞれの受信電力から前記N−CDMA基地局が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域の送信電力を制御する開ループ制御と、前記W−CDMA基地局が、N−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA帯域との各々の受信電力を測定し、両帯域での受信電力の差が少なくなるように各帯域における前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御する制御コマンドを、前記W−CDMA無線端末に対して送信し、一方、前記W−CDMA無線端末は、受信した前記制御コマンドに基づき各帯域の送信電力の制御を行う閉ループ制御とを備えた電力制御方法。

請求項2

符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA無線端末における電力制御方法であって、受信信号を、N−CDMA基地局が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域とに分離し、W−CDMA基地局から送信され、分離された各帯域の送信電力を制御するための制御コマンドを受信し、分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、それぞれの受信電力からN−CDMA帯域及びこの帯域以外のW−CDMA帯域の各送信電力を制御する開ループ制御を行い、前記制御コマンドに基づき各帯域の送信電力の制御を行う閉ループ制御を行うようにしたW−CDMA無線端末における電力制御方法。

請求項3

前記開ループ制御は、受信電力を、N−CDMA帯域の受信電力と、この帯域を除くW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域の受信電力とに分離し、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の受信電力に基づき、W−CDMAシステムの受信電力を算出し、前記N−CDMA帯域の受信電力と、算出されたW−CDMAシステムの受信電力とに基づき、N−CDMAシステムの受信電力を算出し、前記N−CDMAシステムの受信電力に基づき、前記N−CDMA帯域の送信電力を設定し、一方、前記N−CDMA帯域での前記N−CDMAシステムの受信電力と前記W−CDMAシステムの受信電力との差の電力に基づき、前記N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の送信電力を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御方法。

請求項4

符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA基地局における電力制御方法であって、受信信号を、N−CDMA無線端末が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA無線端末が使用するW−CDMA帯域とに分離し、分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、両帯域での受信電力の差が少なくなるように各帯域における前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御するための制御コマンドを求め、前記制御コマンドを前記W−CDMA無線端末に送信し、前記制御コマンドに基づき各帯域のW−CDMA無線端末の送信電力の閉ループ制御を行うようにしたW−CDMA基地局における電力制御方法。

請求項5

前記閉ループ制御は、N−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づく単位量増加又は減少し、一方、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づき単位量減少又は増加すること特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電力制御方法。

請求項6

受信信号から抽出された電力制御ビットにより、短周期的に利得を制御する短周期閉ループ制御をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電力制御方法。

請求項7

符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA無線端末における電力制御装置であって、受信信号を、N−CDMA基地局が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域とに分離する分離部と、W−CDMA基地局から送信され、分離された各帯域の送信電力を制御するための制御コマンドを受信する復調器と、各帯域の利得を増減する利得調整部と、前記分離部により分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、それぞれの受信電力からN−CDMA帯域及びこの帯域以外のW−CDMA帯域の各送信電力を制御する開ループ制御と、前記復調器により受信された前記制御コマンドに基づき各帯域の送信電力の制御を行う閉ループ制御とを、前記利得調整部を制御することにより行う制御部とを備えたW−CDMA無線端末における電力制御装置。

請求項8

前記分離部は、受信電力を、N−CDMA帯域の受信電力と、この帯域を除くW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域の受信電力とに分離し、前記制御部は、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の受信電力に基づき、W−CDMAシステムの受信電力を算出し、前記N−CDMA帯域の受信電力と、算出されたW−CDMAシステムの受信電力とに基づき、N−CDMAシステムの受信電力を算出し、前記N−CDMAシステムの受信電力に基づき、前記N−CDMA帯域の送信電力を設定し、一方、前記N−CDMA帯域での前記N−CDMAシステムの受信電力と前記W−CDMAシステムの受信電力との差の電力に基づき、前記N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の送信電力を増加するように、前記利得調整部を制御することにより、前記開ループ制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の電力制御装置。

請求項9

前記制御部は、N−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づく単位量増加又は減少し、一方、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づき単位量減少又は増加するように、前記利得調整部を制御することにより、前記閉ループ制御を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の電力制御装置。

請求項10

前記復調器により抽出された電力制御ビットにより、短周期的に利得を制御する短周期閉ループ制御を行う変調器をさらに備えたことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の電力制御装置。

請求項11

前記利得調整部は、前記制御部により帯域毎周波数特性可変として送信電力の利得制御を行うディジタルフィルタを備えたことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の電力制御装置。

請求項12

符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA基地局における電力制御装置であって、受信信号を、N−CDMA無線端末が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA無線端末が使用するW−CDMA帯域とに分離する分離部と、W−CDMA無線端末からの送信電力を各帯域毎に制御する制御コマンドを送信する変調器と、各帯域の利得を増減する利得調整部と、前記分離部により分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、算出された受信電力に基づき前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御するための前記制御コマンドを求めて、前記変調器に供給し、前記制御コマンドに基づき各帯域のW−CDMA無線端末の送信電力の閉ループ制御を行うようにしたW−CDMA基地局における電力制御装置。

請求項13

前記制御部は、N−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づく単位量増加又は減少し、一方、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域の送信電力を、前記制御コマンドに基づき単位量減少又は増加することにより、両帯域での受信電力の差が少なくなるように各帯域における前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御するためのための前記制御コマンドを求め、前記変調器は、前記制御部から前記制御コマンドが供給され、これを前記W−CDMA無線端末に送信することにより、前記閉ループ制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の電力制御装置。

技術分野

0001

本発明は、電力制御方法及び電力制御装置係り、特に、帯域幅の異なる複数のCDMA方式を同様の地域及び周波数帯を使用して共存させる場合に用いられる、広帯域CDMA方式の無線通信システムにおける電力制御方法及び電力制御装置に関する。

背景技術

0002

一般に、CDMA方式には、狭帯域DMA(N−CDMA)方式と広帯域CDMA(W−CDMA)方式がある。N−CDMA方式としては、例えば、ディジタル携帯電話についての米国電気通信工業会TIA(Telecommunications Industry Association)が定めたIS−95をベースとし、一般にcdmaOneと呼ばれる方式がある。また、W−CDMA方式としては、例えば、TIAによって推奨されるcdma2000方式、(社)電波産業界ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)、欧州電気通信標準化協会ETSI(EuropeanTelecommunications Standard Institute)により推奨されるW−CDMA方式等がある。通信インフラとしては、一般に、N−CDMA方式のインフラが先に整備されており、その後に、重複する地域に対して、W−CDMA方式のインフラ整備が開始されることになる。

0003

一般に、CDMA方式を用いた無線通信システムでは、複数の移動局からの信号を基地局で受信する際に、各移動局からの受信電力に差が生じると、お互いの信号が干渉電力として無視できなくなる。これにより、基地局では、通信容量が著しく劣化されてしまうという問題が生じる場合がある。このような問題を回避するため、CDMA方式を用いた無線通信システムでは、基地局において、各移動局の送信電力を調整し、全ての移動局からの受信電力が等しくなるように制御している。

0004

移動局の送信電力を制御する方法としては、例えば、N−CDMA方式として北米で標準化されているTIA/EIA/IS−95A(以下、IS−95A)では、開ループ制御閉ループ制御という2つの電力制御ループを規定している。以下に、従来におけるN−CDMA方式の電力制御ループについて説明する。

0005

開ループ制御は、移動局が、基地局からの受信電力を元に送信電力の制御を行う方法である。開ループ制御は、基地局−移動局間の距離によって生じる長周期フェージング追従する働きを持つ。長周期の値の具体例としては、例えば数百ms単位程度である。開ループ制御では、フェージングの影響等に対して比較的大まかで遅いレスポンスでの制御を行う。これにより、移動局の端末毎の位置のばらつきを抑える役割を果たす。例えば、移動局が基地局から離れていく場合を想定する。この場合、基地局での受信電力は、次第に弱くなっていくので、移動局では送信電力を次第に大きく制御することにより、基地局での受信電力がほぼ一定に保たれることができる。

0006

IS−95Aでは、この開ループ制御による移動局の上りトラフィックチャネル平均送信電力を、以下のように規定している。この平均送信電力は、例えば、80dB程度のダイナミックレンジを有する。

0007

平均送信電力(dBm)=−平均受信電力(dBm)−73(dB)+NOM_PWR(dB)+INIT_PWR(dB)+全てのアクセスプローブ補正の和(dB)
なお、NOM_PWR、INIT_PWR及び単一のアクセスプローブ補正PWR_STEPの各値は、システムパラメータである。これらのシステムパラメータは、アクセスパラメータ・メッセージ(Access Parameters Message )等の制御情報として基地局から移動局に通知されるパラメータである。ここで、NOM_PWRは、移動局の開ループ制御による送信電力の見積りを補正するためのパラメータであり、例えば、−8〜+7(dB)の範囲で設定できる。INIT_PWRは、アクセスチャネルプローブ送信における初期送信電力を補正するためのパラメータであり、例えば、−16〜+15(dB)の範囲に設定できる。なお、これらの公称値は、NOM_PWR及びINIT_PWR共に0(dB)である。また、PWR_STEPは、移動局がアクセスチャネルプローブ再送を行う場合に増加させる送信電力の補正値であり、例えば、0〜+7(dB)の範囲に設定できる。全てのアクセスプローブ補正の和とは、PWR_STEPを全て加算したものである。

0008

開ループ制御では、これらのシステムパラメータを用いて、システム毎に最適化した制御ループ構築することができる。

0009

これに対して、閉ループ制御は、マルチパスによって生じる短周期なフェージングに追従させる働きを持つ制御である。IS−95Aでは、移動局は、例えば、1.25(mS)に分割した電力制御グループと呼ばれるタイムスロット毎に、基地局によって挿入された電力制御ビットに応じて、送信電力制御を行うように規定されている。ひとつの電力制御ビットあたりの平均送信電力レベル変化の公称値は、例えば1(dB)又は0.5(dB)である。この例の場合は、移動局は1.25(mS)(800Hzの場合)毎に±1(dB)又は±0.5(dB)の送信電力制御を行うことになる。

0010

IS−95Aでは、基地局が、割り当てられた特定の移動局の受信信号強度を1.25(mS)周期で見積り、この電力制御ビットを決定すること、と規定されている。実際には、所要フレーム誤り率(FER)を満たすEb/Noと受信信号の平均Eb/Noとの比較により、電力制御ビットが決定される。ここで、Eb/Noとは、1ビットあたりの情報エネルギー雑音電力密度比( The ratio between the energy of each information bit (Eb) and the noise spectral density (No))である。電力制御ビットは、例えば、信号強度の見積りを行った上りトラフィックチャネルの電力制御グループから、いくつか後(例えば、2つ後)の下りトラフィックチャネルの電力制御グループ上で送信される。つまり、基地局では、移動局からの上りトラフィックチャネルの受信信号強度から移動局の電力増減を決定し、移動局への下りトラフィックチャネルで電力制御ビットを送信する。一方、移動局は、その電力制御ビットを受信して送信電力の調整を行う。このようにして、短周期の閉ループ制御が実行される。

0011

以上のように、IS−95Aに規定されたシステムでは、全ての移動局の信号受信電力又は信号品質を一定に保つように、開ループ制御及び短周期閉ループ制御により電力制御がなされている。

発明が解決しようとする課題

0012

近年、通信インフラ整備に伴い、N−CDMA方式の無線通信システム(以下、N−CDMAシステムという。)の基地局が施設されている地域に、W−CDMA方式の無線通信システム(以下、W−CDMAシステムという。)の基地局を同一周波数帯オーバーレイさせる場合がある。また、W−CDMAシステムで帯域の異なるサブセット同士をある地域及びある周波数帯でオーバーレイさせる場合がある。このような場合において、使用帯域の異なるシステムのそれぞれのハンドオフ境界にずれが生じてしまうことがある。

0013

ここで、以下に、N−CDMAシステム及びW−CDMAシステムのように、使用帯域の異なるシステムの各ハンドオフ境界にずれが生じるような具体例を説明する。

0014

まず、図15に、N−CDMAシステムのセル配置図を示す。ここでは、図示のようにN−CDMA方式の基地局(以下、N−CDMA基地局という。)101等が配置された場合の、各セル境界であるハンドオフ境界102が模式的に示される。また、各セルが3セクタで構成されている場合、セクタ境界103が示される。

0015

つぎに、図16に、このように配置されたN−CDMA基地局と同一地域にW−CDMA方式の基地局(以下、W−CDMA基地局という。)が配置された場合のセル配置図を示す。この図では、W−CDMA基地局104は、N−CDMA基地局101と全く又は実質的に同一の位置に配置された場合を仮定している。この場合、全てのN−CDMA基地局101及びW−CDMA基地局104の送信電力が等しいとすれば、N−CDMAシステムのハンドオフ境界102とW−CDMAシステムのハンドオフ境界105とは均衡し、図で示されるように、ほぼ重なった状態となる。このような状態では、ある移動局が、同一セルのN−CDMA基地局101とW−CDMA基地局104から受信する電力はほぼ等しくなるので、従来技術のように移動局が全受信電力を元に送信電力の制御を行っても、電力制御上の問題はあまり生じない。

0016

しかしながら、常にこのようなハンドオフ境界の均衡した状態が維持されるわけではなく、様々な条件により各システムのハンドオフ境界は変動する場合が考えられる。

0017

図17に、ハンドオフ境界が不均衡になった場合のセル配置図を示す。この図では、セル108に関して、本来このセル108をカバーするW−CDMA基地局が、例えば、保守作業故障等のため送信をストップしたことにより、そのハンドオフ境界がずれた場合が示されている。この場合、セル108は、隣接する他のW−CDMA基地局によりカバーされ、ハンドオフ境界105が変動する。また、セル107に関しては、W−CDMA方式の移動局(以下、W−CDMA移動局という。)のトラフィック局所的に増加し、高トラフィック地域が生じたこと等により、そのハンドオフ境界がずれた場合が示されている。この場合、隣接セルとトラフィックの均衡を保つために、セル107をカバーするW−CDMA基地局だけが、送信電力を下げてしまったものである。このため、図示のように、ハンドオフ境界が、N−CDMAシステムとW−CDMAシステムとでずれてしまうとともに、隣接するW−CDMA基地局とのハンドオフ境界105も変動する。

0018

また、図18には、N−CDMA基地局とW−CDMA基地局の配置位置が異なる場合のセル配置図を示す。この場合、N−CDMAシステムのハンドオフ境界102とW−CDMAシステムのハンドオフ境界105とは、明らかに異なったものとなる。また、ハンドオフ境界109は、W−CDMA基地局がN−CDMAもサポートするデュアルモード基地局として配置された場合のN−CDMAハンドオフ境界を示している。

0019

このように、W−CDMA基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA方式の基地局と同様の地域及び周波数帯でオーバーレイさせる場合において、上述のように、N−CDMA方式とW−CDMA方式のハンドオフ境界にずれが生じると、両方式の無線通信システムの間に移動局との遠近関係バランス崩れる。即ち、ある移動局は、本来近くの基地局のセル内に位置するにもかかわらず、隣接する遠くの基地局により通信チャネルが形成されることとなる。そのため、従来のような電力制御方式では、お互いのシステム間で電力制御が正常に働かず、異なるシステムの移動局からの電波が干渉となることがある。その結果として、従来の電力制御方式では、お互いのシステムの通話容量が著しく劣化されてしまうことがある。

0020

本発明は、以上の点に鑑み、W−CDMA基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA基地局とある地域及びある周波数帯でオーバーレイさせる場合において、例えば両システムのハンドオフ境界にずれが生じ、移動局との遠近関係のバランスが崩れても、お互いの通信容量を劣化させることのない無線通信システムの電力制御方法及び電力制御装置を提供することを目的とする。

0021

本発明は、N−CDMA基地局では、N−CDMA移動局とW−CDMA移動局からの受信電力が全て等しくなるように制御することにより、割り当てられた帯域の通信容量を等しく分割して有効に使用することを目的とする。

0022

また、本発明は、W−CDMA基地局では、N−CDMA方式で使用している帯域とそれ以外の帯域とに通信容量を分配することにより、使用される広帯域を有効に利用することを目的とする。そして、本発明は、N−CDMA方式及びW−CDMA方式の無線通信システムにおいて、共に通信容量を増加することを目的とする。

課題を解決するための手段

0023

W−CDMA移動局は、N−CDMA方式で使用している帯域と、それ以外の帯域における受信電力を別々に測定し、N−CDMA基地局からの受信電力と、W−CDMA基地局からの受信電力とを各々算出する。W−CDMA移動局は、N−CDMA方式で使用している帯域の送信電力をN−CDMA基地局からの受信電力に基づき、また、それ以外の帯域の送信電力を、この受信電力及びW−CDMA基地局からの受信電力に基づき、それぞれ求める。

0024

また、W−CDMA基地局は、W−CDMA移動局と同様にN−CDMA方式で使用している帯域とそれ以外の帯域における受信電力を各々測定し、両者が等しくなるように各帯域の送信電力を制御するコマンドを各W−CDMA移動局に対して送信する。W−CDMA移動局は、この制御コマンド情報と、両システムの受信電力から、各帯域の送信電力を決定する。つまり、N−CDMA方式のトラフィックが高いときには、W−CDMA移動局はN−CDMA方式で使用している帯域の送信電力を下げ、それ以外の帯域の電力を上げる事で、帯域全体の送信電力が等しくなるように制御を行う。

0025

本発明の第1の解決手段によると、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合の電力制御方法であって、W−CDMA無線端末が、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを測定し、それぞれの受信電力から前記N−CDMA基地局が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域の送信電力を制御する開ループ制御と、前記W−CDMA基地局が、N−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA帯域との各々の受信電力を測定し、両帯域での受信電力の差が少なくなるように各帯域における前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御する制御コマンドを、前記W−CDMA無線端末に対して送信し、一方、前記W−CDMA無線端末は、受信した前記制御コマンドに基づき各帯域の送信電力の制御を行う閉ループ制御とを備えた電力制御方法を提供する。

0026

本発明の第2の解決手段によると、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA無線端末における電力制御装置であって、受信信号を、N−CDMA基地局が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA基地局が使用するW−CDMA帯域とに分離する分離部と、W−CDMA基地局から送信され、分離された各帯域の送信電力を制御するための制御コマンドを受信する復調器と、各帯域の利得を増減する利得調整部と、前記分離部により分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、それぞれの受信電力からN−CDMA帯域及びこの帯域以外のW−CDMA帯域の各送信電力を制御する開ループ制御と、前記復調器により受信された前記制御コマンドに基づき各帯域の送信電力の制御を行う閉ループ制御とを、前記利得調整部を制御することにより行う制御部とを備えたW−CDMA無線端末における電力制御装置を提供する。

0027

本発明の第3の解決手段によると、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)方式を用いた無線通信システムの電力制御方法において、狭帯域CDMA(N−CDMA)システムと広帯域CDMA(W−CDMA)システムとが、ある周波数帯域及びある地域でオーバーレイされる場合、または、W−CDMAシステムにおける帯域の異なる2つのサブセットシステムが、ある周波数帯及びある地域でオーバーレイされる場合のW−CDMA基地局における電力制御装置であって、受信信号を、N−CDMA無線端末が使用するN−CDMA帯域とこの帯域以外のW−CDMA無線端末が使用するW−CDMA帯域とに分離する分離部と、W−CDMA無線端末からの送信電力を各帯域毎に制御する制御コマンドを送信する変調器と、各帯域の利得を増減する利得調整部と、前記分離部により分離された各帯域の受信信号に基づいて、N−CDMA基地局からの受信電力とW−CDMA基地局からの受信電力とを算出し、算出された受信電力に基づき前記W−CDMA無線端末からの送信電力を制御するための前記制御コマンドを求めて、前記変調器に供給し、前記制御コマンドに基づき各帯域のW−CDMA無線端末の送信電力の閉ループ制御を行うようにしたW−CDMA基地局における電力制御装置を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0028

(1)電力制御
本発明に関連する電力制御技術を説明する。

0029

図1に、N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合における基地局及び移動局の位置関係の説明図の一例を示す。以下に、この図を使用してW−CDMA移動局の送信電力がどのように制御されるを説明する。

0030

この図では、N−CDMA基地局(N−BS)101.1とW−CDMA基地局(W−BS)104.1とが、同一セルに配置される。隣接するセルに、N−BS101.2とW−BS104.2とが同一セルに配置されている。ここで、W−BS104.2が、保守・故障等のために送信をストップし、そのためにハンドオフ境界にずれが生じている場合を想定する。また、W−CDMA移動局(W−MS)114.1〜3は、N−BS101.2に比較的近い位置にあり、一方、W−MS114.4は、W−BS104.1に近い位置にいるものとする。また、N−CDMA用移動局(N−MS)115.1〜8は、関連するエリアに均等に位置しており、両セルにおけるN−CDMAトラフィックは、ほぼ同程度であるとする。

0031

この場合、送信をストップしているW−BS104.2によるセルをW−BS104.1でカバーするため、W−CDMAハンドオフ境界105が図示のようにずれることになる。一方、N−CDMAハンドオフ境界102は、そのままである。このような場合において、W−MS114.1〜3は、本来W−BS104.2と通信を行うべきであるが、W−BS104.2が送信をストップさせてしまったために隣接セルに取り込まれ、W−BS104.1と通信を行わなければならない。従来の電力制御方式では、全ての移動局の信号品質が等しくなるように移動局の送信電力が制御される。したがって、W−BS104.1から遠い位置にあるW−MS114.1〜3は、より大きな電力で送信するように制御されることになる。そのため、W−MS114.1〜3の送信電力は、それらの近くにあるN−BS101.2に対して、大きな干渉波となる。

0032

図2に、N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合のN−CDMA基地局における受信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、図1の状態におけるN−BS101.2の受信電力を模式的に示している。この例では、W−CDMAシステムがマルチキャリア方式を用いており、W−CDMAシステムはN−CDMAシステムの3倍の帯域を有しているものとする(W−CDMA帯域)。また、図に示すようにN−CDMA方式は、W−CDMA方式の中央の帯域を使用している(N−CDMA帯域)。マルチキャリア方式における帯域は、N−CDMA方式の3倍に限らず適宜の帯域幅を採用することができ、また、N−CDMA方式で使用される帯域は中央以外の適宜の位置の帯域を用いることができる。また、一例として、N−CDMA帯域幅は1.25MHz、W−CDMA帯域幅は、5MHz、10MHz、20MHz等を採用することができる。

0033

N−BS及びW−BSが、図1のような位置関係にあるとき、N−BS101.2では、N−MS115.1〜4からの送信信号は、受信スペクトル122.1〜4で示されるように受信される。すなわち、各N−MS115.1〜4では、各々の送信電力が、N−BS101.2で同程度の大きさにより受信できるように制御される。一方、W−MS114.1〜3からの送信信号は、受信スペクトル121.1〜3に示されるように、広帯域かつ大電力の干渉波として受信される。また、W−MS114.4からの受信電力は、N−BS101.2から遠い位置にあるので、小さな電力121.4として受信される。つまり、W−MS114.1〜4は、N−BS101.2からは無制御の状態になるため、W−MS114.1〜4の位置関係による使用電力(送信電力)に関する遠近問題が無視できなくなる。これは、W−MS114.1〜4の位置関係によっては、N−BS101.2のキャパシティリミット120を超えることにより、通信品質を著しく劣化させる原因となる。

0034

また、図3に、N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA基地局における受信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、両システムの基地局及び移動局が図1のような位置関係にあるときのW−BS104.1における受信電力を示す。

0035

W−BS104.1が位置しているセルでは、同一セルのN−BS101.1も正常に動作している。そして、W−MS114.1〜4からの受信電力123.1〜4もN−MS115.5〜8からの受信電力124.1〜4も、ほぼ等しい電力となるように制御される。このような状況では、図に示すようにW−CDMA帯域のキャパシティは、N−CDMA帯域の使用電力により、キャパシティリミット120で制限される。そのため、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域では、使用不可の領域が生じることになり、帯域の全てを効率よく使用することができない。つまり、このような電力制御では、N−CDMAシステムのトラフィックが高い地域では、W−CDMAシステムのトラフィックは、限定されてしまうことになる。

0036

そこで、本発明では、以上のような電力制御を改良して、さらに、移動局が帯域毎に送信電力を制御することができるW−CDMAシステムの電力制御方法及び装置を構築した。

0037

図4に、N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合における基地局及び移動局の位置関係の説明図の一例を示す。以下に、この図を使用してW−CDMA移動局の送信電力がどのように制御されるを説明する。

0038

この図では、図1と同様に、N−BS101.1とW−BS104.1とが、同一セルに配置され、隣接するセルに、N−BS101.2とW−BS104.2とが同一セルに配置されている。ここで、図1と同様に、W−BS104.2が、保守・故障等のために送信をストップし、そのためにハンドオフ境界にずれが生じている場合を想定する。また、本発明に係るW−CDMA移動局(W−MS)116.1〜3は、N−BS101.2に比較的近い位置にあり、一方、本発明に係るW−MS116.4は、W−BS104.1に近い位置にいるものとする。また、N−CDMA用移動局(N−MS)115.1〜8は、関連するエリアに均等に位置しており、両セルにおけるN−CDMAトラフィックは、ほぼ同程度であるとする。

0039

このように基地局及び移動局が配置されているとき、図1の例では、W−MS114.1〜4は、W−BS104.1からのみ送信電力が制御され、周囲の状況は配慮されずに送信電力の増減を行っていた。しかし、本発明に係る移動局であるW−MS116.1〜4は、W−BS104.1からの受信電力だけでなく、N−BS101.1及び101.2からの受信電力も考慮に入れて送信電力を決定するように制御される。つまり、W−MS116.1〜4は、N−CDMA帯域の送信電力を、N−BS101.1及び101.2からの受信電力に基づいて決定する。一方、W−CDMAシステムで使用している帯域のうち、N−CDMA帯域を除く帯域の送信電力は、W−BS104.1からの受信電力に基づき決定される。これらの制御が、本発明に係る開ループ制御である。

0040

また、W−MS116.1〜4は、このような開ループ制御に加え、W−BS104.1から送られてくる制御コマンドによる閉ループ制御を併用して送信電力を決定する。そして、W−MS116.1〜4が、N−BS101.2の近くに位置する場合でも、N−CDMA帯域では送信電力を低く抑え、それ以外のW−CDMA帯域では送信電力を増加させるように電力制御を行うことにより、N−CDMAシステムで使用される帯域での干渉電力を低く抑えることができる。さらに、本発明では、従来のような短周期フェージングに追従するための短周期閉ループ制御を、電力制御ビットにより行うようにすることができる。

0041

図5に、ハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA移動局における受信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、図4におけるW−MS116.1での受信電力を示している。図5(A)は、W−CDMAシステムが、マルチキャリア方式が採用される場合を示し、一方、図5(B)は、直接拡散方式が採用される場合を示す。

0042

W−MS116.1は、N−BS101.2に近い位置に存在するため、N−BS101.2からの受信電力(N−BS2)128は、W−BS104.1からの受信電力(W−BS1)126及びN−BS101.1からの受信電力(N−BS1)127に比べてかなり大きな受信電力として示される。ここで、図5で示すようなマルチキャリア方式の場合は、各帯域(キャリア)毎の受信電力をW−MS116.1〜4において測定することで、次式によりN−CDMA及びW−CDMA基地局からのそれぞれの受信電力を算出できる。

0043

Pt(W−CDMA)={P(BW1)+P(BW3)}×3/2
Pt(N−CDMA)= P(BW2)−Pt(W−CDMA)/3
ここで、Pt( )は、( )内に示されるシステムからの電力総和を示し、P( )は、( )内に示される帯域における受信電力を示す。また、帯域BW1〜BW3は、W−CDMAシステムで使用されるW−CDMA帯域を示し、帯域BW2は、N−CDMAシステムで使用されるN−CDMA帯域を示す。なお、N−CDMA帯域以外の、又は、N−CDMA帯域を除くW−CDMA帯域とは、BW1及びBW3を示す。

0044

また、直接拡散方式の場合は、全帯域の受信電力と、N−CDMAシステムで使用している帯域の受信電力をW−MS116.1〜4において測定する事で、次式によりN−CDMA及びW−CDMA基地局からのそれぞれの受信電力を算出できる。

0045

Pt(W−CDMA)={P(BW)−P(BW2)}×3/2
Pt(N−CDMA)= P(BW2)−Pt(W−CDMA)/3
ここで、BWは、W−CDMAシステムで使用される帯域を示す。

0046

W−MS116.1は、このようにして求められたN−CDMA及びW−CDMA基地局から受信する受信電力を使用して、各帯域毎の送信電力の開ループ制御を行う。即ち、N−CDMA帯域に対しては、平均送信電力をN−CDMA基地局からの平均受信電力Pt(N−CDMA)にある相対的な値を加算したものとして求める。例えば、IS−95Aの定める規格では、この相対値は、前述のように、「−73 + NOM_PWR + INIT_PWR + 全てのアクセスプローブ補正の和(dB)」、として定義されている。

0047

つぎに、図6に、ハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA移動局における送信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、図4に示されるW−MS116.1の送信電力を示す。

0048

ここで、送信電力P1は、W−CDMA基地局からの受信電力から求めたものである。すなわち、送信電力P1は、受信電力Pt(W−CDMA)から求めた送信電力(開ループ制御)と、必要に応じて、従来と同様の短周期閉ループ制御により所要のEb/Noを満たすよう補正された送信電力である。また、送信電力P2は、受信電力Pt(N−CDMA)から求めた送信電力(開ループ制御のみ)である。

0049

本発明では、この図に示すように、W−MS116.1のN−CDMA帯域における送信電力の減少分を他の帯域の電力で補う事により、トータルの送信電力が所要の値を満たすように制御される。この例では、N−CDMA帯域での送信電力が、送信電力P2に減少した分、両端の帯域の電力を(P1−P2)/2ずつ増加させている。また、P2>P1となる場合は、P2=P1とし、N−CDMA帯域の送信電力が他の帯域の送信電力よりも高くなる事が無いようにするべきである。

0050

しかしながら、このように開ループのみの制御では、N−CDMA帯域の干渉電力低減及びW−CDMA帯域の使用効率向上という目的は達成できるが、W−CDMA基地局での受信電力を考えた場合、N−CDMA帯域の受信電力と、N−CDMA帯域以外のW−CDMA帯域の受信電力とが等しくなると限らず、必ずしも最適な制御にはならない。

0051

図7に、開ループ制御のみを行った場合のW−CDMA基地局での受信電力の説明図を示す。ここでは一例として、W−BS104.1での各W−MS116.1〜4からの受信電力を示す。本発明に係る開ループ制御では、個々のW−MS116.1〜4がそれぞれ独自に帯域毎の送信電力を決定して送信してくるため、W−BS104.1で受信される帯域毎の受信電力は必ずしも等しくならない。図7では、一例として、帯域BW2の受信電力が、帯域BW1及び3の受信電力よりも高くなっている場合を示している。

0052

W−CDMAシステムで使用される全帯域を最も効率よく利用するには、帯域BW1〜3の受信電力がすべて等しくなるように制御されると良い。本発明では、これを実現するために、W−BS104.1は、各W−MS116.1〜4と同様に、各帯域毎に受信電力を測定し、帯域毎の受信電力の差が少なくなるように、また、好ましくはできるだけ等しくなるように、各W−MS116.1〜4の送信電力制御を行うようにした。

0053

図8に、本発明に係る電力制御を行う場合の移動局の送信電力制御の説明図を示す。ここでは、W−CDMA基地局及びN−CDMA基地局による開ループ制御及び閉ループ制御が示される。さらに、従来のN−CDMAシステムと同様に、短周期フェージングに追従するための短周期閉ループ制御を行うこともできる。

0054

本発明においては、W−MS116.1は、W−BS104.1からの受信電力とN−BS101.1及び2からの受信電力を元に、送信電力を算出して制御する開ループ制御を行う。また、これに加えて、通話中のW−BS104.1からの制御コマンドにより、帯域毎の送信電力比を制御する閉ループ制御を行う。さらに、短周期閉ループ制御を行うこともできる。一方、W−BS104.1は、W−MS116.1と同様に、帯域毎の受信電力を測定し、全ての帯域の平均受信電力が等しくなるように、個々のW−MS116.1〜4に対して、帯域毎の送信電力比を制御する制御コマンドを送信する。

0055

具体的には、W−BS104.1は、制御コマンドにより、各W−MS116.1〜4に対して、N−CDMA帯域の送信電力の相対的な変化量のみを通知すれば良い。図7の例では、帯域BW2の受信電力が帯域BW1及び3の受信電力よりも大きいため、W−BS104.1は、各W−MS116.1〜4に対して帯域BW2の送信電力を下げるように制御コマンドを送信する。

0056

この制御コマンドは、例えば、1bitの情報で1dB又は0.5dB等の一定値を増加又は減少するように指示すれば良い。これらの情報量及び増減させる電力の相対値等は、システムパラメータ等により適宜決定されることができる。また、制御コマンドとしては、例えば、電力比制御メッセージ又は電力制御ビットを用いることもできる。

0057

W−MS116.1〜4では、このような制御コマンドを受けて、各帯域の送信電力の補正を行う。例えば、1bitの制御コマンドにより、帯域BW2の送信電力を1dB下げるように指示された場合、そのW−MS116.1〜4は、帯域BW2の送信電力を1dB減少させ、その分を補うために帯域BW1及び3の送信電力を帯域BW2の半分の0.5dBずつ増加させて送信する。なお、制御コマンドは、帯域毎に適宜の増減値を設定できるようにしても良い。例えば、1bitの制御コマンドに対応して、帯域BW2は1db増減し、帯域BW1は0.7dB増減し、また、帯域BW3は0.3dB増減するようにすることもできる。

0058

W−BS104.1は、この制御コマンドを、通信中のそれぞれのW−MS116.1〜4に対して個別に設定して、送信することができる。または、同じ制御コマンドを通信中の全W−MS116.1〜4に対して送信しても良い。

0059

前者の場合では、W−BS104.1は、各W−MS116.1〜4の送信電力比([帯域BW2の送信電力]/[帯域BW1及び3の送信電力の平均])を把握する。この場合、それぞれのW−MS116.1〜4で帯域毎の送信電力比が異なるため、あまり格差が広がらないようにするといったきめの細かい制御が可能である。しかし、一方で、W−BS104.1の負荷は大きなものとなる。また、後者の場合は、W−BS104.1は、現在通信中のW−CDMA移動局の数(W−BS104.1により制御される移動局の数)を定期的に全W−MS116.1〜4に知らせておく。各W−MS116.1〜4は、W−BS104.1から通知される相対的な電力を通信中の移動局数で割った分だけ増加又は減少させて送信する。例として、10台の移動局が同じW−BS104.1のセル内で通信しているときを想定する。このとき、帯域BW2の送信電力を1dB減少させるように指示された場合、各移動局は、帯域BW2の送信電力を1/10dB減少させ、帯域BW1及び3の送信電力を1/20dB増加させて送信する。このように制御することで、通信中の移動局数が変化しても、基地局での送受信電力の相対的な変化量を一定に保つことができる。

0060

なお、W−CDMA移動局は、ハンドオーバー等により複数のW−CDMA基地局から制御コマンドを受信する場合がある。このような場合、予め制御コマンドを選択する優先順位を決めておけばよい。たとえば、後に又は先にエリア内に入った基地局からの制御コマンドを選択したり、受信電力の大きい基地局からの制御コマンドを選択したりするように設定することができる。

0061

図9に、本発明に係る電力制御を行った場合のN−CDMA基地局の受信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、N−BS101.2における受信電力を示す。

0062

図9では、N−BS101.2から近い位置にいたW−MS116.1〜3のN−CDMA帯域における受信電力132.1〜3が、他のN−MS115.1〜4からの受信電力133.1〜4と等しくなるように制御されたものを示す。このようにして、N−CDMA帯域の通信容量は、各移動局で等しく分割できるようになる。ここで、N−BS101.2から遠い位置にあるW−MS116.4からの受信電力132.4は、N−CDMA帯域の送信電力を他の帯域に比べて増加させるような制御は行わないため、他の移動局からの受信電力に比べて低い電力で受信されている。N−CDMA帯域以外のW−CDMA帯域の受信電力は、本発明のような電力制御を行わない場合に比べて増加することがある。しかし、N−BS101.2では、隣接チャネルの電力を十分に減衰させる事が可能であるので、干渉波としての影響はN−CDMA帯域に漏れ出してくる隣接チャネル漏洩電力のみに抑えられる。また、N−CDMA帯域以外のW−CDMA帯域では、キャパシティリミット120を超えても、特に問題とされない。また、N−CDMA帯域では、N−CDMA移動局からの各受信電力は、従来と同様のN−CDMA基地局との間の開ループ及び短周期閉ループ制御により、通話にとって十分な所定電力に制御されている。N−CDMA移動局の送信電力がキャパシティリミット120を超える場合は、N−CDMA基地局で通話拒否がなされる。

0063

図10に、本発明に係る電力制御を行った場合のW−CDMA基地局の受信電力の説明図を示す。ここでは、一例として、W−BS104.1における受信電力を示す。

0064

図10に示されるW−BS104.1での受信電力は、全帯域の受信電力が等しくなるように制御され、全帯域の通信容量を限界まで使用する事が可能となる。さらに、従来のような短周期閉ループ制御を行うこともできる。この図で、W−MS116.1〜3からの受信電力134.1〜3は、主に開ループ制御によりN−CDMA帯域の送信電力が減衰させられたものと考えられる。また、W−MS116.4からの受信電力134.4は、N−BS101.2からは遠い位置にあるため、開ループ制御の影響はあまり受けないが、本発明の閉ループ制御によって、全帯域の受信電力の差が少なくなるように、好ましくは等しくなるように基地局から制御されたものと考えられる。ここで、キャパシティリミット120は、新たにW−CDMA移動局の通信要求が発生した場合に用いられることができる。即ち、キャパシティリミット120を超えるようであればその発信拒否し、以下であればその発信を許可する。なお、通信数にはシステム的にもリミットがある。また、各々のW−CDMA移動局からの受信電力は、W−CDMA帯域全体での総和が所定以上になるよう保たれる。ここで、受信電力が大きすぎると、消費電力を浪費することになってしまう。よって、受信電力の大きさは、通信に必要な最低電力が保たれればよく、また、受信電力の総和がキャパシティリミット120以下であれば良い。

0065

本発明の電力制御では、上述のように開ループ及び閉ループを併用することにより、帯域の異なるシステム同士が通信容量を劣化させることなく同一の帯域で共存し、より広帯域のシステムでは、全帯域が持つ通信容量を無駄にすることなく、効率よく使用することができるようになる。また、以上の説明では、移動局を対象にして説明したが、固定局を含む無線端末にも広く本発明の技術思想を適用することができる。

0066

(2)マルチキャリア方式を採用したW−CDMA移動局(無線端末)
図11に、上り回線及び下り回線共にマルチキャリア方式を採用した場合のW−CDMA移動局の構成図を示す。ここでは、マルチキャリア方式の一例として、3キャリアの場合について説明する。

0067

アンテナ1により受信された信号は、デュプレクサ2によって受信帯域のみ取り出され、低雑音増幅器(LNA)3によって電力増幅される。増幅された信号は、ミキサー4によって移動局ローカル信号掛け合わされ、中間周波数(IF)にダウンコンバートされる。ここで、ミキサー4に供給されるローカル信号は、温度保証水晶発振器(TCXO)25からの信号をリファレンスとして、フェーズロックループ(Phase Locked Loop,PLL)26.3によって生成されたものである。ダウンコンバート後の受信信号は、帯域通過濾波器(BPF)5によって使用帯域外の不要成分を除去した後、分配器(DIV)6によって3系統に分配される。分配された受信信号は、マルチキャリア方式の各キャリアに通過帯域が設定された帯域通過濾波器(BPF)7.1〜3により、キャリアの分離が行われる。キャリア毎に分離された信号は、それぞれ自動利得制御増幅器AGCアンプ)8.1〜3により、一定のレベルまで増幅され、ミキサー9.1〜3に供給される。ここで、AGCアンプ8.1〜3の制御電圧は、それぞれアナログディジタル変換機(A/D変換器)11.4によりディジタル化された後、CPU13によりモニタされる。これにより、CPU13は各キャリア、即ち各帯域の受信電力を知ることができる。

0068

ミキサー9.1〜3には、PLL26.2によりキャリア毎に異なる周波数のローカル信号が供給され、それぞれのキャリアの信号は、中間周波数から全てベースバンドにダウンコンバートされる。これらベースバンド信号は、低域通過濾波器LPF)10.1〜3によってそれぞれ帯域外の不要成分が除去された後に、A/D変換器11.1〜3によりそれぞれディジタル信号に変換される。ディジタル化された各キャリアの信号は、ベースバンド復調器(DEM)12により復調され、音声又はシグナリングデータとして復号化される。

0069

音声データは、DEM12から、音声符号化器(VOCODER)14を経て、ユーザーインターフェースに出力される。DEM12により、基地局から送信された電力比制御メッセージ等の閉ループ制御用の制御コマンドはCPU13に供給される。また、短周期フェージングに追従するための短周期閉ループ制御用の電力制御ビットは、ベースバンド変調器(MOD)15に供給される。CPU13では、AGCアンプ8.1〜3からの制御電圧と、DEM12から供給される制御コマンドとにより、帯域毎の送信電力を決定し、例えばフレーム毎に長周期的に制御する。MOD15では、DEM12から供給された電力制御ビットに従い、送信電力を電力制御グループ毎(例えば1.25ms)に短周期的に制御する。

0070

一方、ユーザーインターフェースから供給された送信信号は、音声符号化器14により符号化される。符号化された音声データは、MOD15により変調される。各送信キャリア毎の変調信号は、ディジタル・アナログ変換機(D/A変換器)16.1〜3によって、それぞれベースバンドアナログ信号に変換される。これらの信号は、LPF17.1〜3において、D/A変換器16.1〜3により生成された帯域外成分が除去される。その後、これらの信号は、ミキサー18.1〜3にそれぞれ供給され、中間周波数にアップコンバートされる。ここで、それぞれのミキサー18.1〜3に供給されるローカル信号は、各キャリア毎に異なる周波数を有する信号であり、PLL26.1によって生成される。各キャリアのIF信号は、それぞれBPF19.1〜3を通過した後、AGCアンプ20.1〜3によりそれぞれ利得の調整が行われる。これらAGCアンプ20.1〜3の制御電圧は、上述のようにCPU13によって決定され、D/A変換器16.4を介してダイナミックに制御される。

0071

各キャリア毎に利得を制御された信号は、加算器(ADD)21により合成され、ミキサー22に供給される。ミキサー21では、PLL26.3により生成された信号を増幅器27で増幅したローカル信号と送信信号が掛け合わされ、送信周波数にアップコンバートされる。ミキサー21の出力は、BPF23によって帯域外の不要な成分が除去された後、大電力増幅器(HPA)24により電力増幅され、デュプレクサ2を経て、アンテナ1により送信される。

0072

このように、マルチキャリア方式の場合は、各キャリア毎にAGCアンプ20.1〜3を使用し、各電力制御グループ毎にMOD15を使用して利得の制御を行うことにより、効果的な電力制御を行うことが可能である。

0073

(3)直接拡散方式を採用したW−CDMA移動局(無線端末)
図12に、直接拡散方式を用いた場合のW−CDMA移動局の構成図を示す。

0074

まず、受信系についてみると、分配器6までの構成は図11と同一である。ただし、受信信号を、分配器6によって、マルチキャリア方式の場合は各キャリア毎に信号を分離するのに対し、直接拡散方式の場合は、W−CDMA方式が使用する広帯域信号の全ての帯域を通過させる系と、N−CDMAシステムが使用する狭帯域信号のみを通過させる系の2系統に分配している。もし、N−CDMAシステムが複数のキャリアを使用する場合には、この狭帯域信号用の系を必要数分用意する必要がある。ここでは一例として、N−CDMAシステムが単一のキャリアのみを使用する場合を想定している。

0075

分配器6により2系統に分配された信号は、1つは狭帯域用BPF7.4、もう1つは広帯域用PF30により、それぞれ必要とされる帯域成分が抽出される。BPF7.4及び30を通過した信号は、それぞれAGCアンプ8.4及び31に供給され、一定の電力に増幅される。AGCアンプ8.4及び31から出力は、A/D変換器11.5を介して制御電圧としてCPU13に供給される。この制御電圧は、マルチキャリア方式の場合と同様に、CPU13によって監視される。CPU13では、広帯域システムで使用されるW−CDMA帯域全体の受信電力及び狭帯域システムで使用されるN−CDMA帯域の受信電力が計算される。AGCアンプ8.4及び31により受信された信号は、ミキサー9.4及び9.5にそれぞれ供給され、ベースバンド信号にダウンコンバートされる。これ以後の構成は、図11の場合と同様である。

0076

次に送信系であるが、短周期的な閉ループ制御については、マルチキャリア方式と同様に、DEM12で抽出された電力制御ビットに基づき、MOD15で、例えば電力制御グループ毎に行われる。また、長周期的な開ループ制御及び閉ループ制御については、直接拡散方式では、マルチキャリア方式と違い、帯域毎のフィルタがないので、帯域毎にAGCアンプを使用して送信電力の制御を行う事ができない。そのため、帯域毎に利得制御が、FIRフィルタ(Finit ImpulseResponse フィルタ)34を用いて、ディジタル処理により行われる。

0077

図13に、FIRフィルタ34の周波数特性の説明図の一例を示す。CPU13では、開ループ制御及び閉ループ制御により求められた帯域毎の送信電力比に基づいて、送信信号の周波数特性を設定し、FIRフィルタ34のインパルス応答を算出する。このインパルス応答をFIRフィルタ34の係数としてリアルタイム更新させる事で、帯域毎の送信電力制御が行える。ただし、FIRフィルタ34では、絶対利得のダイナミックレンジを広く取れないため、電力比の制御のみを行うものとする。この図は、上述したように、N−CDMA帯域については、N−CDMA基地局からの受信電力から求めた利得により設定し、N−CDMA帯域以外のW−CDMA帯域については、このN−CDMA帯域の利得とW−CDMA基地局からの受信電力から求めた利得とにより設定したものである。

0078

FIRフィルタ34を通過後の送信信号は、D/A変換器16.6によりベースバンドアナログ信号に変換され、LPF35により帯域外不要成分が除去される。その後、送信信号は、ミキサー18.4において送信ローカル信号と掛け合わされ、IF信号にアップコンバートされる。ミキサー18.4からの出力はBPF36により帯域外不要成分が除去された後、AGCアンプ37により送信利得の制御が行われる。AGCアンプ37の制御電圧は、CPU13からD/A変換器16.5を介してマルチキャリア方式の場合と同様に制御される。このように、FIRフィルタ34とAGCアンプ37との併用により、さらに、MOD15を用いることにより、本発明に係る電力制御が実現されることになる。AGCアンプ37通過後の構成は、図11の構成と同様である。

0079

(4)W−CDMA基地局
図14に、W−CDMA基地局の構成図を示す。この例では、1セクタ(オムニアンテナ)、1受信アンテナダイバーシティなし)の場合を示している。W−CDMA基地局では、本発明の閉ループ電力制御を行うため、移動局と同様に、各帯域毎に受信電力を測定する必要がある。図14に示された構成及び動作は、直接拡散方式の場合の移動局構成(図12)と同様である。

0080

基地局受信系では、図12と同様に、狭帯域BPF7.4及び広帯域BPF30により受信電力を帯域毎に分離する。CPU13は、AGCアンプ8.4及び31により出力された制御電圧を監視して、帯域毎の受信電力を算出する。CPU13では、全ての帯域の受信電力がなるべく等しくなるように制御コマンドを生成し、MOD15に対して制御コマンドの情報を送信する。この制御コマンドの生成は、フレーム周期等の比較的長周期の間隔で行うことができる。なお、制御コマンドは、ひとつ又はいくつかの電力制御グループ毎による短周期で送信するようにしてもよい。MOD15は、CPU13から受け取った制御コマンドを、送信信号に適宜挿入して送信することができる。制御コマンドは、例えば、IS−95Aで規定される電力制御ビット同様に、パンクチャリング処理によりフレーム内に埋め込むか、または、シグナリングメッセージ等に挿入して各移動局に対して送信することができる。なお、短周期閉ループ制御用の電力制御ビットは、CPU13により、MOD15を介して送信信号に含めることができる。

0081

このような機能を基地局にもたせることで、本発明に係る電力制御を行うことが可能になる。

発明の効果

0082

以上のように、本発明によると、W−CDMA基地局を、帯域幅の異なるN−CDMA基地局と同様の地域及び周波数帯でオーバーレイさせる場合において、例えば両システムのハンドオフ境界にずれが生じ、移動局との遠近関係のバランスが崩れても、お互いの通信容量を劣化させることのない無線通信システムの電力制御方法及び電力制御装置を提供することができる。

0083

本発明によると、N−CDMA基地局では、N−CDMA移動局とW−CDMA移動局からの受信電力が全て等しくなるように制御されるので、割り当てられた帯域の通信容量を等しく分割して有効に使用できるようになる。

0084

また、本発明によると、W−CDMA基地局では、N−CDMA帯域とそれ以外のW−CDMA帯域とに通信容量を分配することにより、使用される広帯域を有効に利用できるようになる。そして、本発明によると、N−CDMA方式及びW−CDMA方式の無線通信システムにおいて、共に通信容量の増加が期待されることができる。

0085

図面の簡単な説明

0086

図1N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合における基地局及び移動局の位置関係の説明図。
図2N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合のN−CDMA基地局における受信電力の説明図。
図3N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA基地局における受信電力の説明図。
図4N−CDMAシステムとW−CDMAシステムのハンドオフ境界が不均衡な場合における基地局及び移動局の位置関係の説明図。
図5ハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA移動局における受信電力の説明図。
図6ハンドオフ境界が不均衡な場合のW−CDMA移動局における送信電力の説明図。
図7開ループ制御のみを行った場合のW−CDMA基地局での受信電力の説明図。
図8本発明に係る電力制御を行う場合の移動局の送信電力制御の説明図。
図9本発明に係る電力制御を行った場合のN−CDMA基地局の受信電力の説明図。
図10本発明に係る電力制御を行った場合のW−CDMA基地局の受信電力の説明図。
図11上り回線及び下り回線共にマルチキャリア方式を採用した場合のW−CDMA移動局の構成図。
図12直接拡散方式を用いた場合のW−CDMA移動局の構成図。
図13FIRフィルタ34の周波数特性の説明図。
図14W−CDMA基地局の構成図。
図15N−CDMAシステムのセル配置図。
図16N−CDMA基地局と同一地域にW−CDMA基地局が配置された場合のセル配置図。
図17ハンドオフ境界が不均衡になった場合のセル配置図。
図18N−CDMA基地局とW−CDMA基地局の配置位置が異なる場合のセル配置図。

--

0087

6・・・分配器、
7.1〜4,19.1〜3・・・帯域通過濾波器(狭帯域)、
8.1〜4,20.1〜3,31,37・・・自動利得制御増幅器、
12・・・ベースバンド復調器、
13・・・マイクロプロセッサ
14・・・音声符号化器、
15・・・ベースバンド変調器、
21・・・アナログ加算器
34・・・FIRフィルタ、
101,101.1,101.2・・・N−CDMA基地局、
102・・・N−CDMAシステムのハンドオフ境界、
103・・・3セクタの場合のセクタ境界、
104,104.1,104.2・・・W−CDMA基地局、
105・・・W−CDMAシステムのハンドオフ境界、
106・・・両システム共通のセクタ境界、
107・・・W−CDMAシステムのトラフィックが高いセル、
108・・・W−CDMA基地局が送信をストップさせたセル、
109・・・W−CDMA基地局がN−CDMAシステムもサポートする場合のN−CDMAシステムハンドオフ境界、
114.1〜4,116.1〜4・・・W−CDMA移動局、
115.1〜8・・・N−CDMA移動局、
120・・・通信容量限界、
121.1〜4,123.1〜4・・・W−CDMA移動局からの受信電力、
122.1〜4,124.1〜4,133.1〜4,135.1〜4・・・N−CDMA移動局からの受信電力、
126・・・W−CDMA基地局からの受信電力、
127,128・・・N−CDMA基地局からの受信電力、
130・・・N−CDMA帯域での送信電力、
131.1,131.2・・・N−CDMAシステム以外の帯域での送信電力、
132.1〜4,134.1〜4・・・W−CDMAシステム用移動局からの受信電力、
140・・・W−BSでのN−CDMA帯域の受信電力、
141・・・W−BSでのN−CDMA以外の帯域の受信電力、
142・・・全帯域の受信電力が等しくなる場合の受信電力値
150・・・回線インターフェース

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