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技術 紙送りローラ

出願人 住友大阪セメント株式会社
発明者 小西正芳小堺規行岡村達也
出願日 1998年6月24日 (21年8ヶ月経過) 出願番号 1998-177100
公開日 2000年1月11日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-007179
状態 特許登録済
技術分野 用紙の取扱い ベルト,ローラによる搬送 ウエブの整合,緊張,案内,ローラ プレス成形、コンベアを利用した成形
主要キーワード 金属内層 本開発品 流動性充填材 生石灰粉体 プッシュローラ 円筒状ゴム 研削加工性 中空円筒型
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

従来の紙送りローラより軽量で、より安価に大量に大径品を製造することが可能な新規な紙送りローラを提供することにある。

解決手段

回転軸と、水硬性組成物からなる混合物加圧成形した後養生硬化することによって作製されかつ回転軸の外周に一体化された円筒状ローラ部とからなるものとする。

概要

背景

概要

従来の紙送りローラより軽量で、より安価に大量に大径品を製造することが可能な新規な紙送りローラを提供することにある。

回転軸と、水硬性組成物からなる混合物加圧成形した後養生硬化することによって作製されかつ回転軸の外周に一体化された円筒状ローラ部とからなるものとする。

目的

本発明の目的は、従来の紙送りローラに対する上記要求に応えるべく水硬性組成物を用い、より軽量で、より安価に大量に大径品を製造することが可能な新規な紙送りローラを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

回転軸と、水硬性組成物からなる混合物加圧成形した後養生硬化することによって作製されかつ回転軸の外周に一体化された円筒状ローラ部とからなる紙送りローラ

請求項2

水硬性組成物が水硬性粉体50〜90重量%と水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小さい平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉体と、混合粉体100重量部に対して2〜18重量部の割合で配合した加工性改良剤とからなることを特徴とする請求項1記載の紙送りローラ。

請求項3

前記加工性改良剤が、酢酸ビニル樹脂酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンであることを特徴とする請求項2記載の紙送りローラ。

技術分野

0001

本発明は、水硬性組成物ローラ部に用いた、プリンターファクシミリコピー機等の紙を正確に移動させる必要がある機器に用いられる紙送りローラに関する。

0002

従来、金属材料はその優れた種々の材料特性を生かして機械部品の材料として幅広く利用されている。また、近年の技術の進歩により機械部品に対するニーズも高まり、金属材料の欠点を補うべく、例えば焼結セラミックスプラスチック非金属材料を用いた機械部品が多く利用されている。しかし、技術革新が進む中で、従来の材料で全てのニーズを完全に補いきれないというのが現状であり、新たな機械部品用途に使用できる、特に切削研削加工性の良好な新たな材料が求められている。

0003

ところで、プリンター・ファクシミリ・コピー機などの印刷機械における紙送りローラは、一般的に金属でできており、その表面をエッジング加工した構造もしくは摩擦係数を大きくする塗料を塗布した構造となっている。近年印刷機器高精度化に伴い、紙送り精度に対する要求も高くなり、特に、カラーインクジェット式プリンター等においては、写真表現力を向上させるため、インク粒子及び紙送り精度は共にミクロン単位の制御が必須となっている。紙送り精度を向上させるためには、紙送りローラの直径を大きくする事が有効である事が知られている。例えば、直径が12mmのローラと直径が36mmのローラとでは、後者は前者の3倍の紙送り精度を有することが期待出来る。

0004

しかしながら、大径ローラを従来の金属で作ろうとした場合、小径ローラに比べて部品の切削が困難であると共に、何よりもこれをミクロン単位の誤差の範囲内で全体的に研磨仕上げする事は極めて困難であり、製作に膨大なコストを要することは明白であった。また、金属では直径を大きくした場合にローラの重量が増加する事は明らかであり、このような場合、もはや従来の駆動機構、即ち小径モータギヤ等ではこれを制御することが不可能であると共に、設計の全面的変更駆動用モータ輪列部の増強が必要となる。これは、製品全体の重量ひいてはコストの大幅な増加に直結する。

0005

以上のように、ローラを大径にすることで紙送り精度が向上し、結果としてより高精度な印刷表現力を有する製品を提供できることは分かっていたが、従来の金属材料ではこれを低コストで実現することは不可能であった。

0006

また、回転体の表面にセラミックの層を形成させる技術が数多く開示されている。例えば、特開平3−7668や特開平8−73094には金属円筒状ローラ部の表面にセラミックを溶射して皮膜を形成した紙送りローラが開示されているが、セラミック溶射は大径化には不適である。また特開昭61−23045には内部が弾性体層で、最外部がセラミック層給紙ローラが開示されているが、セラミック層を厚くすると弾性体層からセラミック層が剥離することが指摘されている。

0007

さらに、特開平1−261159には銅箔製造ラインロールにおいて予め焼結セラミック外層金属内層を準備し、金属内層に焼結セラミック外層を外嵌した構造が開示されている。このように焼結セラミック外層を使用する場合はこれを別個成形して焼結体とし、回転軸に嵌合または接着するという方法を取らざるを得ない。また、ローラ精度を高める研削加工を行う場合、硬度が高いため、ダイアモンドなどの砥石でないと研削加工が困難である上、加工速度は極端に低いものとなりコスト高になってしまう。

0008

特開平10−16326はセメント骨材流動化剤を主要材料とし、さらに消泡剤増粘剤膨張剤及び硬化促進剤などを配合するもので、前記配合材料に水を加えて混練した流動性充填材芯棒に挿入した型枠充填し、養生硬化してプラテン用芯材を得た後、これを円筒状ゴム圧入し、必要に応じてゴム表面研磨するものである。特開平10−52951は同じ材料からなる流動性の充填材を芯棒と最外周部となる円筒形ゴムの空隙部に充填し、養生硬化してプラテンを得るものである。プラテン芯材成形のために流動性充填材を使用する為、材料の配合設計が複雑でコスト高になってしまう。

0009

また、特開平8−324047に於いても回転軸と硬質ゴムよりなる表面層の間の空間をセメントをも包含するセラミックのような固形化する流動体素材で充填することにより軽量、騒音防止を目的とした画像形成装置用のローラが開示されているが、硬質ゴムの表面を高精度に切削加工することは困難なので、該ローラは高精度を得るための研削加工を必要とするローラに対しては適用できない。

0010

従って、従来紙送りローラ用の紙送り機構に大幅な設計変更を加えずに、軽量、安価、高精度であり、かつ輪列部設計が容易という全ての条件を満たす紙送りローラの構造はなく、その現出が切望されていた。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、従来の紙送りローラに対する上記要求に応えるべく水硬性組成物を用い、より軽量で、より安価に大量に大径品を製造することが可能な新規な紙送りローラを提供することにある。

0012

本発明の紙送りローラは、回転軸と、水硬性組成物からなる混合物加圧成形した後養生硬化することによって作製されかつ回転軸の外周に一体化された円筒状ローラ部とからなることを特徴とする。

0013

上記目的を達成するため, 本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体50〜90重量%と水硬性粉体の平均粒子径より1桁以上小さい平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉体と、混合粉体100重量部に対して5〜35重量部の割合で配合した加工性改良剤とからなることが好ましい。

0014

前記加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを用いることが好ましい。

0015

以上の本発明の紙送りローラは、水硬性組成物からなる円筒状ローラ部が回転軸と一体化あるいは複合化されたもので、加工性に優れる。また、回転軸については実質的に従来の回転軸を用い、その周りに安価な水硬性組成物を一体化あるいは複合化する事で大型化・大径化に対応することができ、同時に軽量化も可能となる。

0016

また、従来の焼結セラミックでは予め焼結して製作した円筒状ローラ部を回転軸に嵌合または接着して一体化しなければならなかったが、本発明の水硬性組成物を用いることによって燒結せずに回転軸との一体化が可能になる。また加工についても従来の焼結セラミックスの場合、加工に時間がかかり大量生産には不向きであが、本発明品は金属材料と同等の加工性を併せ持つことにより、軽量で、安価な大径品を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下に, 本発明について説明する。

0018

1.紙送りローラ
(1−1)回転軸
本発明で用いる回転軸としては、従来の紙送りローラの回転軸と同様の物を用いる。その形状としては、紙送り部である円筒体を支持するシャフトに切削仕上加工により軸受取付部あるいは駆動力伝達機構取付部等を設けたもの等が挙げられる。その材料としては、通常の、例えばSUS快削鋼等が挙げられる。また、その表面に無電解Ni−Pメッキ等を施しても良い。

0019

(1−2)円筒状ローラ部
円筒状ローラ部の厚みは、用いる回転軸の外径と所望の紙送りローラとによって決定される。円筒部の直径の公差は、設計上において所望の数値に設定されるが、通常所望外径寸法の±0.003mmの加工精度に設定される。また、円筒状ローラ部表面には紙とのスリップを更に少なくするために、砥粒混入した熱硬化性樹脂を塗布・硬化させても良い。また、円筒状ローラ部表面そのものにサンドブラスト等を用いて粗く仕上げ加工を施しても良い。

0020

2.水硬性組成物からなる混合物
本発明で用いる水硬性形成用組成物からなる混合物とは、水硬性粉体、非水硬性粉体及び加工性改良剤からなる水硬性成形組成物と、必要に応じて加えるその他の添加物と、必要に応じて含有させる混合した物である。以下にその詳細を記す。

0021

(2−1)水硬性粉体
本発明で用いる水硬性粉体は、水により硬化する粉体を指し、例えば珪酸カルシウム化合物粉体、カルシウムアルミネート化合物粉体、カルシウムフルオロアルミネート化合物粉体カルシウムサルフォアルミネート化合物カルシウムアルミノフェライト化合物粉体、リン酸カルシウム化合物粉体、半水又は無水石膏粉体、自硬性を有する生石灰粉体、これら粉体の2種類以上の混合物粉体が例示できる。その代表例として、例えばポルトランドセメントのような粉体を挙げることができる。

0022

水硬性粉体の粒度分布については、成形体の強度に関する水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上であることが好ましい。また、水硬性粉体の配合量は水硬性粉体と非水硬性粉体の総量100重量%に対し50—90重量%とするが、65−75重量%とすることが好ましい。配合量が50重量%未満の場合には、強度及び充填率が低くなり、又90重量%を越える場合には、成形体を得る場合の充填率が低くなり、いずれの場合においても機械的加工時の加工応力に耐えられない等の影響があり、好ましくない。

0023

(2−2)非水硬性粉体
非水硬性粉体とは、単体では水と接触しても硬化することのない粉体を指すが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し,他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む。非水硬性粉体の代表例としては、例えば、水酸化カルシウム粉末二水石膏粉末、炭酸化カルシウム粉末スラグ粉末フライアッシュ粉末珪石粉末粘土粉末シリカフューム粉末等を挙げることができる。また、これらの非水硬性粉体の平均粒径は、水硬性粉体の平均粒径より1桁以上小さく、好ましくは2桁以上小さいものが良い。細かさの下限は本発明の効果を害することがなければ特に設ける必要はない。

0024

非水硬性粉体の配合量は水硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体の組成比率で10−50重量%とするが、25−35重量%とすることが好ましい。配合量が10重量%未満の場合には、充填率が低くなり、又50重量%を越える場合には、強度及び充填率が低くなり、いずれの場合においても成形・硬化後の諸物性、例えば機械加工時における欠けの発生、寸法安定性に悪影響を及ぼすため好ましくない。機械加工性等を考慮すると充填率が低くなりすぎないように非水硬性粉体の配合量を調節することが好ましい。非水硬性粉体を添加することによって、成形体の成形時の充填率を高め、得られる成形体の空隙率を減少することが可能となる。これにより成形体の寸法安定性を向上することができる。

0025

(2−3)加工性改良剤
加工性改良剤とは、水硬性組成物から得られる成形体の成形性、脱型性、切削・研削性研削精度の向上、特に切削・研削性、研削精度の向上に寄与する性質を有する材料を指す。即ち、加工性改良剤を添加することによって、水硬性組成物からなる混合物は、加工性改良剤が加圧成形時に於いて、成形助剤としての役割を果たし成形性が向上する。また、加工性改良剤によりセメント系硬化体もろさが改良されることにより得られる成型体が脱型時に何ら損傷を受けることなく脱型され、ひいては作業性の向上につながる。また、慨して脆性材料である水硬性組成物から得られる成形体は切削の際に“亀裂型”メカニズム切削状態を呈するが、このような場合に材料の割れ、 あるいは欠け(微視的な現象も含む)が問題となる。

0026

本発明の水硬性組成物は加工性改良剤を含有するために、得られた成形体に固体材料としての機械加工性を促すための靱性が付与され上記材料の割れ,欠け等の問題を阻止することが可能となる。即ち、加工性改良剤によって、従来切削加工・研削加工等の機械加工が困難であった水硬性組成物から得られた成形体の加工性を金属材料と同レベルまでに改良することが可能となり、旋盤等による切削加工、円筒研削機等による研削加工が金属材料と同等に行えるようになる。これらの加工が行えることにより所望の寸法に対してμmオーダーの精密な加工が行えるようになる。

0027

加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体100重量部に対し乾ベースで2−18重量部とするが、5−15重量部とすることが好ましい。配合量が2重量部未満の場合には、切削加工性が悪くなり好ましくない。18重量部を超える場合には、良好な成形性を有するが、研削精度の低下と研削後の寸法安定性が低下する。また粒度は分散した単一粒子径で1μm以下のものが一般的である。

0028

加工性改良剤としては、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類以上の樹脂からなる粉末もしくはエマルジョンを例示できる。

0029

(2−4)その他の添加物
本発明の水硬性組成物からなる混合物は、上記必須成分(2−1)乃至(2−3)に加えて、増量材として珪砂等の骨材を水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体100重量部に対し10−50重量部、好ましくは20−30重量部の割合で加えることが出来る。また、成形性をさらに改善するために、公知のセラミック成型助剤を上記混合粉体100重量部に対し1−10重量部、好ましくは3−6重量部の割合で加えることが出来る。さらに、材料の硬化時の収縮等による寸法変化を抑えるために、シリコーンオイル等の水の吸収を小さくする撥水剤を上記混合粉体100重量部に対し0.5−5重量部、好ましくは1−2重量部の割合で加えることが出来る。

0030

3.紙送りローラの製造方法
本発明の水硬性組成物を用いて成形用混合物を調製するには、水硬性組成物と必要に応じて加えられるその他の添加物に、水硬性粉体と非水硬性粉体との混合物100重量部に対して水が30重量部以下好ましくは25重量部以下含有されたものを混合することにより得られる。含有される水の量が30重量部を越えると硬化後の研削性、研削精度、乾燥収縮に悪影響を与える。なお、乾燥収縮を小さくするには極力水を少なくするのがよい。条件によっては、水を加えなくてよい。

0031

混合する方法については、特に限定するものでもないが、好ましくは、強力な剪断力を混合物に加えることができる混合方法若しくは混合機がよい。非水硬性粉体粒径は水硬性粉体粒径より1桁以上小さい平均粒径を有するため、均一な混合物を得るためには、剪断力を有する混合機でなければ、混合に要する時間が非常に長くなってしまう。

0032

さらに成型時の混合物のハンドリングを良好にするため、混合後成形する形状に適した大きさに造粒を行ってもよい。造粒方法としては、転動造粒法、圧縮造粒法攪拌造粒法など周知の方法を用いればよい。このようにして得られた成形用混合物を軸芯外枠の間に充填して、静水圧プレス多軸プレス、1軸プレスによる方法によって加圧する。加圧する条件として、計算される理論密度に出来る限り近づけるようプレス圧が高いほど好ましいが、その下限の条件は、混合物の易成形性、水の含有割合あるいは必要とされる寸法精度の違いによって大きく異なる。

0033

加圧成形後、型から取り出し十分な強度を発現するまでに数時間から数日を要するため、養生が必要となるが、そのまま室温に放置もしくは水中養生あるいは蒸気養生してもかまわないが、好ましくはオートクレープ中で養生することがよい。なお、硬化体を形成する為の水量が欠如又は不足している場合には、蒸気養生が好ましい。特にオートクレープ中で養生するのが好ましい。

0034

図1は, 本発明の紙送りローラ1の一実施態様を示し、紙送りローラ1は支持・駆動用の回転軸2と、水硬性組成物からなる円筒状ローラ部3とからなり、円筒状ローラ部3は回転軸2の外周に一体化されている。円筒状ローラ部の外径が切削加工等により所望外径に対してμmオーダーの精度に加工されてなる。以下に、本発明の紙送りローラの製造方法の一例を図2を参照して説明する。

0035

図2は、紙送りローラを製造するための成形装置11を示す。紙送りローラ成形装置11は、台座12とその上に立設した円筒状の中空円筒型枠13と、プッシュロッドユニット14とからなり、プッシュロッド・ユニット14は油圧シリンダ15と、油圧シリンダ15の下方部に連結されたプッシュロッド16と、プッシュロッド16の下端部に取り付けられた環状の加圧ピストン17とからなる。

0036

紙送りローラを製造するにあたり、まず回転軸2はその下端部を台座12の中央部に設けた凹部12aに挿入して円筒型枠13内に立設してあり、この状態でプッシュロッドの環状加圧ピストン17は回転軸2の外周面および円筒型枠13の内周面摺動自在かつ緊密に配置されるようになっている。

0037

前記成形用組成物調製法により調製された水硬性組成物からなる混合物を準備し、前記成形体の製造法により以下のとおり製造を行なう。円筒型枠13の内部で回転軸2の回りに粒状成形材料を充填し、常温下にプッシュロッド・ユニットによって加圧下のもと所定の時間保持して成形をする。その後、プッシュロッド・ユニットを除去した後一体化した回転軸と円筒状ローラ部とを台座及び円筒型枠から取り外す。水硬性組成物は十分な強度を発現するまでに数時間から数日を要するため、円筒型枠1から抜き取った後養生する。

0038

また回転軸と円筒状水硬性組成物から作製した成形体を同時に成形しないで、円筒状水硬性組成物を成形、脱型、養生後に回転軸をその穴に挿入してから、又は成形脱型後に回転軸をその穴に挿入し、養生硬化させてから固定する等別の方法で紙送りローラを製造することも可能である。この場合、回転軸の回りに複数個の成形体を軸方向に間隔を置いてあるいは接近させて挿入配置・固定することによってローラを製造することも可能である。なお固定の際には接着剤を必要に応じて使用することができる。円筒状成形体成型方法としては、前記加圧成形方法が適用可能であるが、構造が最も簡単で、低コスト・大量生産には1軸プレス成形が最も好ましい。

0039

養生の方法としては、前記養生方法が適用できるがオートクレーブ中で養生することが好ましい。養生後十分な強度が発現した後、正確な寸法精度を出すために水硬性組成物円筒状ローラ部をセンターレス研削機や筒研削機などの汎用金属研削加工機にて表面を研摩する。これにより紙送りローラとして十分な精度を確保することができる。

0040

以下に本発明の実施例について説明する。
(実施例1)図1に示された構造の紙送りローラを図2に示す成形装置を用いて製造した。使用した水硬性組成物粉体は、この水硬性粉体としてポルトランドセメント70重量部、非水硬性粉体としてシリカフューム30重量部および加工性改良剤として表1に示す量のアクリル樹脂からなり、該水硬性組成物粉体に20—30重量部の水と増量材として30重量部の珪石8号を添加し、混合した後、台座12に立設した回転軸2の外周部で円筒型枠13内に充填した。これを加圧ピストン17で加圧下に成形し所定の硬度となった後、円筒型枠13から回転軸2ごと抜き取り脱型する。成形体は円筒型枠13から抜き取った後オートクレーブ養生した。

0041

養生後、切削・研削加工後硬化成形体水和反応脱水等に起因した収縮等の寸法変化が生じないように、加工前に硬化成形体を十分乾燥させた。乾燥後、円筒状成形体の表面を旋盤加工し、さらにセンターレス研削機を用いて研削加工を行い、最後に円筒状成形体の表面を砥粒を含有する熱硬化性樹脂で塗装した。

0042

上記加工時に置ける各種加工性を下記基準に従って比較・評価した。
(1)成形性
成形性は、加圧に必要な圧力と圧密度合いにより易成形性を判断した。
(2)脱型性
脱型性は円筒型枠から抜き取るときに要する力によりを易脱型性を比較した。
(3)研削性
研削性については、SUS快削鋼を基準に同じ量研削する時間を基準に易研削性を比較した。
(4)研削精度
研削精度は、研削加工をしたものの真円度を比較した。

0043

0044

表中の◎、○及びXの意味は以下の通りである。
(1)成形性(プレス圧力1000kg/cm2の時)
計算による理論密度に対する成型時の密度パーセントを以下の通り評価した。
◎・・・95%以上
○・・・90−95%
X・・・90%未満
(2)脱型性
円筒型枠から成型体を押し抜くときのプレス力を以下の通り評価した。
◎・・・500kg未満
○・・・500−1000kg
X・・・1000kgを超える
(3)研削性
SUS快削鋼の単位時間の研削量を100%として、成形体の単位時間の研削量を評価した。
◎・・・95%超える(100%以上もある)
○・・・90−95%
X・・・90%未満
(4)研削精度
◎・・・直径の公差が±0.002未満
○・・・直径の公差が±0.002から±0.005
X・・・直径の公差が±0.005を超える

0045

また金属研削用の砥石を用いて、3種類の材質を研削加工した。SUS快削鋼とアルミナ焼結体および本発明品のセンタレス研削加工速度と研削精度(真円度)の比較を表2に示した。

0046

本開発品は、加工性改良剤を添加することにより金属材料と同程度の加工性とその仕上がり精度を有しており、安価に、また大量生産に向いていることがわかる。

0047

0048

(実施例2)直径12mm、軸長500mmの金属軸に対し、その軸中央に長さ330mm、厚さ5mmと10mmで本発明による水硬性組成物から作製した円筒体を一体化させた場合と、材料を全て金属で上記の場合と同寸法で製作した場合、これらの重量・慣性モーメントの値は以下のようになる。なお、成形体の比重2.0 、金属の比重7.9 にて計算した。

0049

0050

これらのことより、紙送りローラを駆動するモーター馬力を小さくすることが可能となり、また各種駆動用ギアも小さくできるなど、本発明品を用いた装置の製造コスト全体を引き下げることが可能となる。また(2) と(3) は重量・慣性モーメントがほとんど同じであることから駆動部分の設計をそのままにしても、本発明品は金属と同等の加工性と研削精度を有していることから、ローラの直径を1.5 倍に大きくすることが可能となる。従って、紙送り精度を1.5 倍にすることが可能となる。

0051

以下に、ローラを大くすれば紙送り精度が高くなることを説明する。紙送り精度を上げるためには、
ローラの回転角度を制御する精度を上げること
ローラ径の寸法精度を上げること(即ちローラ外周の寸法精度を上げること)
の2点が考えられるが、実際の技術としての公差に対しの公差は無視出来る程小さい。したがってのローラ径の寸法精度を上げることについて考える。

0052

一定量の紙送りを考えた場合を考える。これをLとし、送りローラの直径をDとし、送りローラの直径の公差を±dとすると、軸が1回転したときの、円周最大最小の差は、
(D+d)π−(D−d)π=2dπ ・・・(a)
となる。直径Dのローラが、ある送り量Lを送るためには
L/πD ・・・(b)
だけ回転しなければならない。( a) (b) より、ある量(L)だけ紙を直径D±dのローラで送ると、最大最小のズレが次のようになる。
2dπ × L/πD=2dL/D ・・・(c)
このことより紙送りのズレは、ローラ直径の公差(d)に比例し、ローラ直径(D)に反比例することが解る。

発明の効果

0053

以上のように、本発明によれば、加工性能に優れた水硬性組成物からなる円筒部を備えた紙送りローラは、金属と同程度の加工性能、軽量および安価という特徴を兼ねている。また, 本発明の紙送りローラは、金属単体でできたローラに比べて軽量であり、また焼結セラミックスを有するローラに比べ安価かつ加工性に富み、かつ安価に製造することが可能となる。さらに、本発明のローラを組み込んだ機器の紙送り精度の向上とコストダウンを可能とする。

図面の簡単な説明

0054

図1図1は、本発明に係る紙送りローラを示す。
図2図2は、本発明に係る紙送りローラを製造するための成形装置及び成形方法を示す。

--

0055

1紙送りローラ、2回転軸、3円筒状ローラ部、11 紙送りローラ成形装置、12台座、12a 凹部、13円筒型枠、14プッシュローラ・ユニット、15油圧シリンダ、16プッシュロッド、17 加圧ピストン

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