図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(1999年4月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題・解決手段

本明細書では、分子あるいは高分子種粘膜細胞膜を介して輸送するために、分子あるいは高分子種をトランスサイトーシス受容体に結合することができる合成架橋タンパク質について開示しており、前記架橋タンパク質は輸送すべき前記分子あるいは前記高分子種上の部位と選択的に結合することができる第一結合領域および前記受容体上の部位と選択的に結合することができる第二結合領域を含み、その中で第一結合領域は輸送すべき前記分子あるいは前記高分子種上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第一抗体分子抗原結合部位であり、第二結合領域は前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第二抗体分子の抗原結合部位である。

概要

背景

概要

本明細書では、分子あるいは高分子種粘膜細胞膜を介して輸送するために、分子あるいは高分子種をトランスサイトーシス受容体に結合することができる合成架橋タンパク質について開示しており、前記架橋タンパク質は輸送すべき前記分子あるいは前記高分子種上の部位と選択的に結合することができる第一結合領域および前記受容体上の部位と選択的に結合することができる第二結合領域を含み、その中で第一結合領域は輸送すべき前記分子あるいは前記高分子種上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第一抗体分子抗原結合部位であり、第二結合領域は前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第二抗体分子の抗原結合部位である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

分子あるいは高分子粘膜細胞膜を介して輸送するために分子あるいは高分子種トランスサイトーシス受容体に結合することができる、合成架橋タンパク質であって、前記架橋タンパク質は輸送すべき前記分子あるいは高分子種上の部位に選択的に結合することができる第一結合領域を含み、そして前記受容体上の部位に選択的に結合することができる第二結合領域を含む前記合成架橋タンパク質。

請求項2

第一結合領域が輸送すべき前記分子あるいは高分子上の抗原性を有する部位に対して、特異性を有する第一抗体分子抗原結合部位であり、そして第二結合領域が前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第二抗体分子の抗原結合部位である、請求項1に記載の合成架橋タンパク質。

請求項3

それぞれの抗原結合部位がそれらのそれぞれの標的抗原に対して選択的に結合することができるような方法によって、第二抗体分子の全体あるいは断片と共有結合的に連結した第一抗体分子の全体あるいは断片を含む、請求項2に記載の合成架橋タンパク質。

請求項4

第二抗体分子の全体と共有結合的に連結した第一抗体分子の全体を含む、請求項3に記載の合成架橋タンパク質。

請求項5

第二抗体分子の断片と共有結合的に連結した第一抗体分子の断片を含む、請求項3に記載の合成架橋タンパク質。

請求項6

第二結合領域が重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)上の部位と選択的に結合することができる、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の合成架橋タンパク質。

請求項7

第二結合領域がpIgRの分泌要素(SC)部分に選択的に結合することができる、請求項6に記載の合成架橋タンパク質。

請求項8

輸送すべき分子あるいは高分子種が免疫グロブリンであり、そして第一結合領域が前記免疫グロブリン上の部位と選択的に結合することができる、請求項1から請求項7までのいずれか一項記載の合成架橋タンパク質。

請求項9

輸送すべき分子あるいは高分子種がIgGであり、そして第一結合領域が前記IgGの定常領域上の部位と選択的に結合することができる、請求項8に記載の合成架橋タンパク質。

請求項10

輸送すべき分子あるいは高分子種が自己抗体であり、そして第一結合領域が前記自己抗体の可変領域上の部位と選択的に結合することができる、請求項8に記載の合成架橋タンパク質。

請求項11

IgGをトランスサイトーシス受容体に対して結合することができ、それにより粘膜の細胞膜を介した輸送をすることができる合成架橋タンパク質であって、第一抗体分子の全体あるいは断片を含み、少なくともその抗原結合部位を含む前記架橋タンパク質は、少なくともその抗原結合部位を含む第二抗体分子の全体あるいは断片と共有結合的に連結し、その中で第一抗体分子の抗原結合部位はIgGの重鎖の定常領域上の抗原性を有する部位に対して選択的に結合することができ、第二抗体分子の抗原結合部位は前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位と選択的に結合することができる、合成架橋タンパク質。

請求項12

第二抗体分子の抗原結合部位が重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)上の部位と選択的に結合することができる、請求項11に記載の合成架橋分子

請求項13

第二抗体分子の抗原結合部位がpIgRの分泌要素(SC)部分と選択的に結合することができる、請求項12に記載の合成架橋タンパク質。

請求項14

ドナーから分離した血清IgGと患者の粘膜の細胞膜により限定される内部器官に対してIgGを送達するために前記IgGと少なくとも均等に結合するのに十分な量の請求項11、12あるいは13に記載の合成架橋タンパク質を含む、免疫欠損症の患者の治療に使用するための薬剤組成物

請求項15

注射剤形である、請求項14に記載の薬剤組成物。

請求項16

自己抗体をトランスサイトーシス受容体に対して結合し、それにより粘膜の細胞膜を介して輸送することができる合成架橋タンパク質であって、第一抗体分子の全体あるいは断片を含み、少なくともその抗原結合部位を含む前記架橋タンパク質は、少なくともその抗原結合部位を含む第二抗体分子の全体あるいは断片と共有結合的に連結し、その中で第一抗体分子の抗原結合部位は前記自己抗体の可変領域上の抗原性を有する部位に選択的に結合することができ、第二抗体分子の抗原結合部位は前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位と選択的に結合することができる、合成架橋タンパク質。

請求項17

第二抗体分子の抗原結合部位が重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)上の部位と選択的に結合することができる、請求項16に記載の合成架橋分子。

請求項18

第二抗体分子の抗原結合部位がpIgRの分泌要素(SC)部分に対して選択的に結合することができる、請求項17に記載の合成架橋タンパク質。

請求項19

自己抗体により引き起こされる自己免疫疾患に罹った患者の治療の際に使用するための、前記自己抗体に結合するのに十分な量の請求項16、17あるいは18に記載の合成架橋タンパク質を含む、薬剤組成物。

請求項20

注射剤形である、請求項19に記載の薬剤組成物。

背景技術

0001

本発明は、分子種経上皮輸送に関し、そして特に、合成された二機能性
タンパク質あるいは通常は膜を通じて分泌することができない分子種、特に抗体
などの高分子と結合することができる架橋タンパク質、さらにこのように形成さ
れた高分子/架橋タンパク質複合体が上皮細胞の(たとえば粘膜細胞膜(粘膜)
に見られるような)トランスサイトーシス受容体と結合することができる結合領
域をさらに有する架橋タンパク質に関する。
上皮細胞は、腔の表面に並び、あるいは表面を覆い、そして器官管腔とそ
の下の組織との間の分子交換に対して選択的な障壁を形成しうる。多くの上皮
のタイプにおいて、並置している細胞細胞質外の尖頭(extracytop
lasmic leaflet)は密着結合(tight junction)
により融合しており、それにより高分子の細胞関連の(paracellula
r)拡散を妨げる。
密着結合を有する細胞を介した高分子の輸送の第一の機構は、トランスサイ
トーシスとして知られている工程である、顆粒状の担体を介したものである。通
常は、トランスサイトーシスされるべき分子は最初に受容体に結合する。受容体
リガンド複合体はその後エンドサイトーシスにより細胞内に入り小胞を形成
する。続いてトランスサイトーシス小胞を形成し、細胞の反対側表面送達され
、そこで細胞膜と融合しそして内容物を分泌という形態で放出する。トランスサ
イトーシスは、細胞表面の頂端側(apical cell surface)
から細胞表面の側底側(basolateral cell surface)
に向かってあるいは細胞表面の側底側から細胞表面の頂端部分に向かって、どち
らの方向にも起こりうる。
IgAは、小腸分泌物、そして呼吸器系の分泌物、そしてさらに胆汁
も含む幅広い種類の粘膜分泌物中に見いだされる免疫グロブリンである。形成さ
れた後、分泌IgA(sIgA)を、表面に並ぶ上皮細胞が吸収し、細胞を介し
て輸送しそしてIgAが感染に対する最初の特異的免疫防御を形成する外分泌
中により放出する。sIgAを(そしてIgMも同様に)輸送する受容体は、重
合体免疫グロブリン受容体(pIgR)として知られている。通常の分泌経路
おいて、sIgAはpIgRと上皮細胞の表面で相互作用する。抗体は取り込ま
れ、そして小胞中に入った状態で細胞を介して頂端側表面に輸送される。細胞か
ら放出される際には、pIgRはタンパク質融解性に切断され、抗体と接着した
状態の分泌要素(SE)として知られるポリペプチドを放出する。受容体は、I
gAや1gMなどの重合体免疫グロブリンに特異的であるが、IgGは受容体に
は相互作用し得ない。
免疫グロブリンG(IgG)は、IgAやIgMとは別個の免疫グロブリン
である。IgG免疫グロブリンは分子量約160,000でありそして正常のヒ
トのほとんど及び免疫充進症の患者における血清中の免疫グロブリンの85%以
上を構成する。分子は分子量がそれぞれ約50,000である2本の重鎖と分子
量がそれぞれ約25,000である2本の軽鎖から構成される。IgGクラス
タンパク質は4種類のサブクラス、すなわちIgG−1からIgG−4に分化
、それぞれは異なる重鎖を有しうる。ヒト血液産物から得られたIgG調製物
、幅広い疾患の臨床的管理において使用し、そして特に免疫欠損症の患者に使用
する。IgG調製物は通常は静脈注射により送達するが、しかし筋肉内注射によ
りあるいは皮下注射によっても送達しうる。IgG調製物が多くの状況で効果的
である一方、IgGは粘膜の細胞膜経由では分泌することができないため、たと
えば胃小腸系および呼吸器系においては、感染に対する最初の免疫防御の一部と
しては機能することがほとんどできない。
発明の概要
幅広く述べれば、本発明は(a)粘膜の細胞膜における受容体とおよび(b)
分子あるいは高分子種との2種の結合親和性、すなわち適切な抗体分子抗原
合部位により提供される結合親和性を有する新規合成タンパク質に関する。
発明の詳細な説明
本発明の第一の観点によれば、分子あるいは高分子種を粘膜の細胞膜を通じ
て輸送するために分子あるいは高分子種がトランスサイトーシス受容体と結合す
ることができる合成架橋タンパク質を提供し、前期架橋タンパク質には、輸送す
べき前記分子あるいは前記高分子種上の部位と選択的に結合することができる第
一結合領域、および前記受容体上の部位と選択的に結合することができる第二結
合領域を含み、その中で第一結合領域は輸送すべき前記分子あるいは前記高分子
種上の抗原性を有する部位に対して特異性を有する第一抗体分子の抗原結合部位
であり、第二結合領域はトランスサイトーシス受容体上の抗原性を有する部位に
対して特異性を有する第二抗体分子の抗原結合部位である。
本発明による合成架橋タンパク質は、第一抗体分子の全体あるいは機能的な
断片を含み、第二抗体分子の全体あるいは機能的な断片と、それぞれの抗原結合
部位がそれぞれの標的抗原に結合することができるように、共有結合的に連結し
うる。たとえばこのように、合成架橋タンパク質は、第二抗体分子の全体と共有
結合的に連結した第一抗体分子の全体を含むことができ、あるいは第二抗体分子
の断片と共有結合的に連結した第一抗体分子の断片を含むことができる。
架橋タンパク質の第二結合領域は重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)
上の部位と、たとえばpIgRの分泌要素(SC)部分上の部位と選択的に結合
することができるのが好ましい。
輸送すべき分子は、好ましくはタンパク質などの高分子である。便宜のため
に、本明細書中の以下の部分では主として、本発明により改変すべき好ましい分
子である、“高分子”について言及する。これは本発明を高分子の経上皮輸送に
限定するものとして解釈すべきではない。“高分子”という語にはより小さな高
分子の関連したものあるいは凝集したもの、たとえば共有結合的に連結しうるあ
るいは非共有結合的力により集合しうる、2またはそれ以上のサブユニットから
なるタンパク質を包含するものと理解すべきである。本発明を使用して、その他
の分子、たとえば薬剤あるいは核酸などを改変することも可能であり、それによ
りそれらの分子がトライサイトーシスをすることができる。
本発明による合成架橋タンパク質は、高分子が通常は生理学的環境下におい
てはそのような膜を通過して分泌することができない場合に、片側の膜から反対
側の膜に高分子を送達することが可能になる強力な道具であることを示している

本発明による特異的な架橋タンパク質は、幅広い種々の分子、好ましくはタ
ンパク質などの高分子に対して結合するように設計することができる。本発明の
架橋タンパク質は、重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)などのトランスサ
イトーシス受容体を使用して、IgGなどの抗体をトランスサイトーシスするこ
とができる点において特に有用である。
使用の際には、架橋タンパク質は輸送すべき分子、好ましくは高分子の供給
源と接触させることで、架橋タンパク質と高分子との間の複合体を形成し、そし
て高分子/架橋タンパク質複合体をその後通常は静脈経路から患者に対して投与
する。高分子/架橋タンパク質複合体は、上皮にある重合体免疫グロブリン受容
体などのトランスサイトーシス受容体との架橋タンパク質の特異的結合の結果と
して、上皮を介して分泌することができる。別のものとしては、架橋タンパク質
注入することができ、それにより架橋タンパク質は選択的に標的タンパク質
in vivoにおいて結合することができ、結果としてたとえばタンパク質な
どの標的分子を、たとえば重合体免疫グロブリン受容体などのトランスサイトー
シス受容体に結合することによって上皮を介して分泌する経路により、特異的に
排出することになる。高分子/架橋タンパク質複合体は、トランスサイトーシス
受容体に対するその先天的な特異性により、粘膜の細胞膜を介して分泌すること
ができる。
本発明は、輸送すべき高分子が免疫グロブリンであり、そのような場合に架
橋タンパク質の第一結合領域が前記免疫グロブリン上の部位と特異的に結合する
べきであるとき特に有用である。
好ましい観点の一つにおいては、輸送すべき高分子種はIgGであり、そし
て第一結合領域は前記IgGの定常領域上の部位に対する結合特異性を有する。
その結果本発明の第二の観点によれば、トランスサイトーシス受容体に対してI
gGを結合することができその結果粘膜の細胞膜を介した輸送をすることができ
る合成架橋タンパク質を提供し、第一抗体分子の全体あるいは機能的断片を含み
、その中には少なくともその抗原結合部位を含む前記架橋タンパク質は、第二抗
体分子の全体あるいは機能的断片(その中には少なくとも抗原結合部位を含む)
と共有結合的に連結し、その中で第一抗体分子の抗原結合部位がIgGの重鎖の
定常領域上にある抗原性を有する部位と選択的に結合することができ、そして第
二抗体分子の抗原結合部位が前記トランスサイトーシス受容体上の抗原性を有す
る部位と選択的に結合することができる、そのような合成架橋タンパク質を提供
する。好ましくは、第二抗体分子の抗原結合部位は、たとえば重合体免疫グロ
リン受容体(pIgR)の分泌要素(SC)部分などのpIgR上の部位に対し
て選択的に結合することができる。
同様に、免疫欠損症の患者の治療に使用するために、薬剤組成物、好ましく
注射剤形である薬剤組成物を提供し、それにはドナーのIgGおよび患者の粘
膜の細胞膜により限定される内部器官にIgGを送達するために少なくとも前記
ドナーのIgGと均等に結合するのに十分な量の本発明の第二の観点による合成
架橋タンパク質を含む。
本発明のこの好ましい観点により、ドナーIgG療法を経験した免疫欠損症
の患者に対する増進した治療効果を提供する。とりわけ、好ましくは注射剤形で
ある薬剤組成物により、通常はそのような治療には使用することができない粘膜
の細胞膜に対する幅広い特異性を有するドナーIgGを送達することができる。
薬剤組成物は単に架橋タンパク質とドナーIgGとを混合することにより調製す
る。ドナーIgGのすべてがその構造中に同一の共通領域を含むであろうから、
架橋タンパク質は必要な幅広い特異性を有するIgGを結合するであろう。特徴
的には、薬剤組成物は遊離IgGと架橋タンパク質と結合したIgGとのバラン
スを含みうる。遊離IgGと結合IgGとの相対量は、組成物中の架橋タンパク
質の量に依存している。実際の相対量は治療を行う患者に依存し、しかし特徴的
にはおよそ10−20%のIgGが架橋タンパク質に結合する様にするであろう
。使用した総IgGは通常一ヶ月あたりおよそ0.2−0.4g/kg体重であ
る。薬剤組成物は好ましくは静脈からあるいは皮下に注射する。
もう一つの好ましい観点は、輸送すべき高分子種がたとえばIgG自己抗体
のような自己抗体であり、第一結合領域は前記自己抗体の可変領域上の部位に選
択的に結合することができる。その結果本発明の第三の観点によれば、自己抗体
、好ましくはIgG自己抗体をトランスサイトーシス受容体に結合させ、それに
より粘膜の細胞膜を介して輸送することができる合成架橋タンパク質を提供し、
第一抗体分子の全体あるいは機能的断片を含み、少なくともその抗原結合部位を
含む前記架橋タンパク質は、第二抗体分子の全体あるいは機能的断片(その中に
は少なくとも抗原結合部位を含む)と共有結合的に連結し、その中で第一抗体分
子の抗原結合部位が前記自己抗体の可変領域上にある抗原性を有する部位と選択
的に結合することができ、そして第二抗体分子の抗原結合部位が前記トランスサ
イトーシス受容体上の抗原性を有する部位と選択的に結合することができる、そ
のような合成架橋タンパク質を提供する。好ましくは、第二抗体分子の抗原結合
部位は、たとえば重合体免疫グロブリン受容体(pIgR)の分泌要素(SC)
部分上にある部位のようなpIgR上の部位に対して選択的に結合することがで
きる。
同様に、自己抗体により引き起こされる自己免疫疾患に罹っている患者の治
療に使用するために、薬剤組成物、好ましくは注射剤形である薬剤組成物を提供
し、それには前記自己抗体と結合するのに効果的な量の、上記明示されている本
発明の第三の観点による合成架橋タンパク質を含む。
本発明のこの観点は、たとえば全身性ループスエリテマトーデス(SLE)
などの自己抗体により引き起こされる特定の自己免疫疾患に対する治療を提供す
る。架橋タンパク質が特定の自己抗体と親和性を有する薬剤組成物を用いた患者
の治療は、トランスサイトーシス受容体を含む粘膜の細胞膜を有する腸管胆管
介して体内から選択的に除去および分泌することができる。架橋タンパク質は、
自己免疫疾患の原因となる自己抗体に対して選択的に結合するように、そして患
者の循環血中のその他の正常なIgGとは結合しないように選択すべきである。
自己抗体に対して高い特異性を有しうるものとして、除去すべきIgGの可変領
域を標的とすることによりこのことをなし得る。
好ましい特異性を有する架橋タンパク質を設計するための適切な技術は、以
下に検討している。
特に、架橋タンパク質は関係する分子あるいは高分子に結合することができ
る第一のの抗体あるいは機能的な抗体断片を特定し、そして分子が輸送される粘
膜の細胞膜中に含まれるトランスサイトーシス受容体の部位と結合することがで
きる第二の抗体あるいは機能的な抗体断片を特定し、そしてその後第一抗体ある
いは機能的抗体断片と第二抗体あるいは機能的抗体断片とを組み合わせて、“親
”となる抗体の結合特異性を維持したまま1つの架橋タンパク質を形成する。
第一抗体および第二抗体(または抗体断片)を特定した後、元々の抗体それ
ぞれの結合特異性を維持したままの1つの架橋タンパク質を形成するように組み
合わされる。第一抗体および第二抗体あるいは抗体断片の組み合わせは、たとえ
ジスルフィド結合による2つの分子を簡単な化学結合によりなし得る。別のも
のとしてそして好ましくは、それぞれの抗体あるいは抗体断片をコードするDN
Aをライゲーションして一つのDNA分子を形成し、ついで以前に特定されたポ
ペプチドから得られた結合領域を含む、1つのタンパク質を生成するために宿
主中で発現することができる。
さらに好ましくは、架橋タンパク質は軽鎖および重鎖の一つあるいは好まし
くは両方から由来する(複数の)可変領域の少なくとも重要な部分をそれぞれ含
む、第一機能的抗体断片あるいは第二機能的抗体断片から構築する。宿主細胞
で任意の好ましい高分子上の抗原性を有する部位に特異的に結合することができ
る機能的抗体断片を発現するための技術が現在は当業者に対して存在するために
、このような抗体断片が好ましい。このような技術により調製した抗体断片の例
としては、いわゆるFv断片およびFab断片がある。Fv断片は、重鎖および
軽鎖の可変領域のみのヘテロ二量体である。通常はFv断片の2つの鎖は、たと
えばペプチドリンカーにより共有結合的に連結し、一本鎖Fvとして知られてい
るものを形成する。複数の一本鎖Fvを使用することは、特に本発明において好
ましい。Fab断片はFv断片と同様であるがしかしさらに軽鎖の定常領域およ
び重鎖の第一定常領域を含む。Fab断片の鎖は、通常は共有結合的に連結せず
、むしろ非共有結合力により会合している。抗体断片の調製および特性付けに関
するさらなる詳細は、Andreas Pluckthun(Biotechn
ology,Vol.9,p.545−551,June 1991)による
抗体工学:E.coli発現系の使用からの発展”と題する記事中に見いだし
うる。
適切な抗体断片、好ましくは一本鎖Fvの特定は、機能的抗体断片をバク
リオファージの表面に示して直接的に抗原を選択することができるようにした技
術によりなし得る。この技術は、David J.Chiswellら(Tib
tech,Vol.10,p.80−84,March 1992)による“フ
ァージ抗体:モノクローナル抗体に変わる新規の‘コリクローナル’(coli
clonal)抗体”と題する記事中に詳細に記述されている。この技術におい
て、細胞のmRNAを分離し、cDNAを調製する。免疫グロブリン分子の重鎖
および軽鎖可変領域は、特異的プライマーを使用してPCRにより増幅した。重
鎖および軽鎖の可変領域はPCRスプライシングにより可動性ペプチドリンカー
により結合する。ついでPCR産物は適当な制限エンドヌクレアーゼで切断し、
同様にして切断したファージミドベクター中にライゲーションする。ファージミ
ベクターは、その後E.coliなどの適当な宿主ベクター中にトランスフォ
ームされ、そしてヘルパーファージを使用することにより融合タンパク質を有す
ファージミド小片を作成する。
抗体断片の領域を示すファージミドのライブラリを調製することができ、そ
の後これを(a)標的分子(好ましくは高分子)および(b)対応するトランス
サイトーシス受容体に対する親和性を示す抗体断片を特定するためにスクリーニ
ングする。このように当然の帰結として、このような標的には活性のある抗原性
を有する部位を含む。いったん望ましい抗体断片を示すファージミド小片を特定
したら、それぞれから由来するDNAを精製しそしてコード配列を短いペプチド
リンカーをコードする配列とライゲーションする。構築物はついで、適切なベク
ター中にライゲーションし、宿主細胞中にトランスフォームし、そして既知の手
順により二価の抗体断片を分離することができる。
本発明の好ましい観点において、IgGの定常領域に対して親和性を有しそ
して重合体免疫グロブリン受容体と親和性を有する架橋タンパク質を合成する。
この架橋タンパク質は好ましくは、IgGの定常領域に対しておよび重合体免疫
グロブリン受容体に対して結合親和性を有するものとして、上記の技術により特
定された2つの一本鎖Fv断片から構築された二価の抗体断片である。
本発明のもう一つの観点によれば、本発明の第一の観点による、架橋タンパ
ク質と結合する高分子を含む薬剤組成物を提供する。好ましくは、高分子はIg
Gであり、架橋分子は重合体免疫グロブリン受容体に対する親和性とともにIg
Gの定常領域に対する親和性を有する領域を含む。IgGはポリクローナル抗体
でもモノクローナル抗体でもよい。好ましくは、ポリクローナル抗体であり血液
産物から分離される。
本発明の架橋タンパク質は、薬剤などのその他の高分子を粘膜の細胞膜を介
して送達するために使用することができる。
たとえば病原性を有する免疫グロブリン、あるいは抗核自己抗体およびその
他の自己抗体を除去しあるいは吸収することが望まれる架橋タンパク質が、患者
体内に存在する特定の高分子を標的とするために患者に添加することもできる。
架橋タンパク質は、除去すべき高分子の特定の特徴的な領域に結合するように構
築する。いったん架橋分子と結合すると、高分子/架橋分子複合体は胆管系から
分泌することができる。
以下の実施例により、本発明を説明する。
実施例
この実施例において、IgG(非分泌性免疫グロブリン)の定常領域および
粘膜の細胞膜に存在する主要なトランスサイトーシス受容体である重合体免疫グ
ロブリン受容体の両方と親和性を有する合成架橋タンパク質を構築する。
一本鎖Fv(scFv)の構築
ヒト末梢血リンパ球を分離し、mRNAを細胞から調製しそして一本鎖cD
NAを精製した(Clackson T.,D.Gussow & P.T.J
ones(1992)“PCR:実際的アプローチ”Ed.McPherson
M.J.P. Quirke & G.R.Taylor,IRL Pres
s)。免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖可変領域は、表1に詳述したプライ
マーを使用してPCRにより増幅した。重鎖および軽鎖の可変領域は、表2に詳
述したリンカーを使用してPCRスプライシングをすることにより可動性ペプチ
ドリンカー((グリシン4セリン)3)によってランダムに連結した。ついでPCR
産物は、Sfi1およびSpe1により切断し、同様に切断したファージミドベ
クター(pAC36)中にライゲーションした。ファージミドベクターをE.c
oli中にトランスフォームし、そしてヘルパーファージを使用して融合タンパ
ク質を示すファージミド小片を生成した。
scFvのスクリーニング
組換えファージミドベクターでトランスフォームしたE.coliから得た
上清回収した。上清はscFvの領域を示すファージミド小片を含んでいた:
この上清はファージミドライブラリとして知られている。このライブラリはIg
G定常領域に対して親和性を示すscFvを求めて、そして重合体Ig受容体
求めて、たとえばNissim,A, H.R.Hoogenboom, I.
M.Tomlinson, G.Flynn, C.Midgley, D.L
ane & G.Winter((1994)EMBO J.13,692−69
8)により記述されているようにパンする(panning)ことにより、スク
リーニングした。簡単にいうと、標的分子をプラスチックチューブ上にコートし
、ファージミドライブラリを添加した。インキュベーションした後結合していな
いファージミドを洗い流し、結合したファージミドを溶出した。望ましい特異性
を有するscFvが分離されるまで厳密性を上昇させながら結合したファージミ
ドに対してこの手順を繰り返した。
二価Fvの構築
いったん望ましい特異性を有するscFvを示す2つのファージミドを分離
した後、それぞれから得たDNAを精製した。scFvコード配列を取り除き、
短いペプチドリンカーをコードする配列と連結した。ついで構築物をE.col
発現ベクター中にライゲーションした。E.coliにより生成された二価の
Fvを標準的なタンパク質精製技術を用いて上清から分離した。
輸送効率の評価
上皮細胞を介したIgGの輸送能力は、Mazanec M.B., J.G
.Nedrud, C.S.Kaetzel & M.E.Lamm((199
3)Immunology Today, 14,430−434)に記載されて
いる技術を用いて測定することができる。二価のFvは、RhD陽性血液細胞
対して特異的なヒトモノクローナル抗体と混合する。ついで混合物は、pIgR
を発現する単層培養上皮細胞と接触するように静置する。上皮細胞は培養導管
を分割する透過性の膜上で成長させたが、pIgRとの相互作用によってのみI
gGを培養導管の頂端側コンパートメントに輸送することができる。RhD陽性
赤血球に対して特異的な異なるアイソタイプの2種のモノクローナル抗体として
、輸送するIgG1およびIgG3の濃度を凝集アッセイおよびELISAによ
り測定することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 武田薬品工業株式会社の「 複素環化合物およびその用途」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題】オレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物を提供すること。【解決手段】式(I):[式中、各記号は明細書記載のとおりである。]で表される化合物またはその塩は、オレキシン2型受容体作動活性を... 詳細

  • ファイザー・インクの「 ピリドピリミジノンCDK2/4/6阻害剤」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題・解決手段】本発明は、一般式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩[式中、R1、R2、R2A、R2B、R3、R4、R5A、R5B、R6、R7、R8、R9、p、qおよびrは、本明細書で定義さ... 詳細

  • 不二製油株式会社の「 アスコルビン酸製剤」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】 本発明は、簡易な方法で調製が可能で、異味が少なく、着色も抑制された、アスコルビン酸製剤を提供することを課題とする。【解決手段】 油中水型の乳化物であって、水相のpHが4以上であり、水相の... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ