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技術 修飾抗−ICAM−1抗体および炎症の処置におけるそれらの使用

出願人 ベーリンガー・インゲルハイム・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド
発明者 フアーネス,ロナルド・ビーマクゴフ,ポール・イーシヤーリー,ブレツト・エイシヤー,デイビツド・エス
出願日 1996年4月23日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 1996-532624
公開日 1999年4月27日 (20年3ヶ月経過) 公開番号 1999-504516
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード フエイズ 特許製品 損失度 グレージ 巨視孔 パーソナルコンピュター 負荷段階 集合度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年4月27日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

炎症の予防または治療方法が提供される。具体的には、かかる炎症は、ポリエチレングリコール付加物を含有するように修飾された抗−ICAM−1抗体の使用を介して有効に治療または予防されうる。この修飾は抗体の免疫反応性を低減するので、抗体の血清半減期を向上する。このような修飾抗体の形成、精製および使用方法が記載されている。

概要

背景

概要

炎症の予防または治療方法が提供される。具体的には、かかる炎症は、ポリエチレングリコール付加物を含有するように修飾された抗−ICAM−1抗体の使用を介して有効に治療または予防されうる。この修飾は抗体の免疫反応性を低減するので、抗体の血清半減期を向上する。このような修飾抗体の形成、精製および使用方法が記載されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

抗−ICAM−1抗体のポリエチレングリコール修飾誘導体であって、前記抗体がICAM−1に結合でき、かつICAM−1で仲介される細胞接着阻害することができる誘導体

請求項2

前記抗体がモノクローナル抗体である請求項1の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項3

前記誘導体が平均2〜15個の単官能性ポリ(エチレン)グリコール分子を含む請求項1の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項4

前記単官能性ポリ(エチレン)グリコールがポリ(エチレン)グリコールスクシネートのN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルである請求項3の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項5

前記単官能性ポリ(エチレン)グリコールがポリ(エチレン)グリコールプロピオン酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルである請求項3の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項6

前記抗体が、(A)抗体エンリモマブ(enlimomab)または(B)ICAM−1に結合し、そしてICAM−1に対するエンリモマブの結合を競合的に阻害する抗体である請求項2の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項7

前記抗体が抗体エンリモメーブである請求項6の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項8

前記誘導体が生来の抗−ICAM−1抗体のICAM−1への結合能の少なくとも約20%を残している請求項1の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項9

前記誘導体がインビボで、前記抗体の非ポリ(エチレン)グリコール修飾形態血清半減期よりも大きい血清半減期をもつ請求項1の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項10

前記誘導体が抗体BIRR10である請求項8の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項11

前記誘導体が、(a)活性化されたポリ(エチレン)グリコール分子の存在する、前記抗体の前記ポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体を形成するのに十分な条件下で抗−ICAM−1抗体をインキュベートし、(b) ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を非ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体から分離するのに十分な条件下で疎水性相互作用クロマトグラフィーに前記で形成された誘導体をかけ、そして(c) 形成されたポリ(エチレン)グリコール修飾抗体誘導体を前記疎水性相互作成クロマトグラフィーから回収する、方法により生成されるものである請求項1の抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体。

請求項12

(a) 抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体であって、前記抗体がICAM−1に結合でき、かつICAM−1で仲介される細胞接着を阻害することができる誘導体、ならびに(b)生理学的に許容されうる担体賦形剤または安定化剤を含んでなる製薬学的組成物

請求項13

前記組成物の前記誘導体が平均2〜15個の単官能性ポリ(エチレン)グリコール分子を含む請求項12の製薬学的組成物。

請求項14

前記組成物が1種より多くの前記抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体を含み、かつ前記種がインビボ血清半減期においてそれぞれ異なるものである請求項13の製薬学的組成物。

請求項15

前記組成物が単一種の前記抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体を含む請求項13の製薬学的組成物。

請求項16

前記抗体が、(A)抗体エンリモマブ(enlimomab)または(B)ICAM−1に結合し、そしてICAM−1に対するエンリモマブの結合を競合的に阻害する抗体である請求項12の製薬学組成物。

請求項17

前記抗−ICAM−1抗体が抗体エンリモマブである請求項16の製薬学的組成物。

請求項18

前記抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体が生来の抗−ICAM−1抗体のICAM−1への結合能の少なくとも約20%を残している請求項12の製薬学的組成物。

請求項19

前記抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体が、インビボで、前記抗体の非ポリ(エチレン)グリコール修飾形態の血清半減期よりも大きい血清半減期をもつ請求項12の製薬学的組成物。

請求項20

前記抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体が抗体BIRR10である請求項12の製薬学的組成物。

請求項21

(a)抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体であって、前記抗体がICAM−1に結合でき、かつICAM−1で仲介される細胞接着を阻害することができる誘導体、ならびに(b)生理学的に許容されうる担体、賦形剤または安定化剤を、含む製薬学的組成物の有効量を炎症の治療または予防を必要とする受容者に供給することを含んでなる炎症の治療または予防方法

請求項22

前記炎症が特定の防御系の反応によって起こるものである請求項21の方法。

請求項23

前記炎症が自己免疫疾患によって起こるものである請求項22の方法。

請求項24

前記炎症が特定の防御系の反応によって起こるものである請求項21の方法。

請求項25

前記炎症が、喘息成人型呼吸窮迫症候群敗血症または損傷に対する二次的な多臓器障害再灌流障害急性糸球体腎炎反応性関節炎急性炎症コンポーネントに伴う皮膚症急性化膿性髄膜炎中枢神経炎症性疾患終末障害血液透析白血球アフェレーシス潰瘍性大腸炎クローン病壊死性腸炎顆粒球輸血関連症候群およびサイトカイン誘導毒性からなる群より選ばれる疾患または症状によって起こるものである請求項24の方法。

請求項26

(a)抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体であって、前記抗体がICAM−1に結合でき、かつICAM−1で仲介される細胞接着を阻害することができる誘導体、ならびに(b)生理学的に許容されうる担体、賦形剤または安定化剤を、含む製薬学的組成物の有効量をライノウイルスの感染の治療または予防を必要とする受容者に供給することを含んでなるライノウイルスの感染の治療または予防方法。

請求項27

ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体種と前記抗体の非修飾種を含有する調製物からのポリ(エチレン)グリコール修飾抗体種の精製方法であって、前記ポリ(エチレン)グリコール修飾種から前記抗体の非修飾種を分離するのに十分な条件下で疎水性相互作用クロマトグラフイーに前記調製物をかけ、次いで分離されたポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を回収する、ことを含んでなる方法。

請求項28

前記疎水性相互作用クロマトグラフイーの条件が程度の異なるポリ(エチレン)グリコール修飾をもつポリ(エチレン)グリコール修飾抗体種の分離を可能にするのに十分なものである請求項27の方法。

請求項29

前記疎水性相互作用クロマトグラフイーが疎水性リガンドとしてポリ(エチレン)グリコールを使用するものである請求項27の方法。

請求項30

前記疎水性相互作用クロマトグラフイーの条件が、平衡化された疎水性相互作用クロマトグラフイーカラムに前記調製物を負荷し、塩のグレージェントを前記カラムに注入することにより、前記カラムから前記ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を溶出するものである請求項28の方法。

請求項31

前記塩が硫酸アンモニウムであり、そして前記塩のグレージェントが約2Mから約0.9Mまでである請求項29の方法。

請求項32

前記方法が第2の塩のグレージェントを前記カラムに注入することをさらに含む請求項29の方法。

請求項33

前記第2の塩のグレージェントにおいて、前記塩が硫酸アンモニウムであり、そして前記第2の塩のグレージェントが約0.9Mから約0.5Mまでである請求項31の方法。

請求項34

前記抗体が抗−ICAM−1抗体である請求項27の方法。

請求項35

前記抗−ICAM−1抗体が(A)抗体エンリモマブまたは(B)ICAM−1に結合し、かつICAM−1に対するエンリモマブの結合を競合的に阻害する抗体である請求項34の方法。

請求項36

前記抗−ICAM−1抗体が抗体エンリモマブである請求項35の方法。

請求項37

前記ポリ(エチレン)グリコールが単官能性ポリ(エチレン)グリコールである請求項27の方法。

請求項38

前記ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体が、それぞれ、平均2〜15個の前記単官能性ポリ(エチレン)グリコール分子を含む請求項35の方法。

請求項39

前記単官能性ポリ(エチレン)グリコールがポリ(エチレン)グリコールスクシネートのN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルまたはポリ(エチレン)グリコールプロピオン酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルである請求項35の方法。

0001

発明の名称
修飾抗-ICAM-1抗体および炎症の処置におけるそれらの使用
発明の分野:
本発明は、細胞間接着分子−1(“ICAM-1”)に特異的に結合する修飾抗体、お
よび炎症処置におけるそのような分子の使用に関する。より詳細には、本発明は
そのような修飾の結果、向上した治療特性を示す修飾した非−ヒト抗−ICAM-1抗
体に関する。
発明の背景
I.細胞接着分子

0002

感染および組織損傷応答するために、白血球循環系から炎症中の部位へと
運ばれなければならない。そのような移動は、白血球が内皮細胞接着する接着
現象により行われる。そのような細胞接着は、正常な特異的免疫系の応答の経過
中に起こる白血球の抗原提示細胞への付着の原因でもある。また細胞接着は、
白血球が適切な標的細胞に付着することも可能とし、これによりウイルスに感染
した、または腫瘍細胞の溶解を起こすことができる。

0003

細胞接着は、インテグリンファミリーの内皮細胞表面レセプタースーパー
グロブリンファミリーの白血球結合リガンドとの結合相互作用により媒介され
ることが見いだされた(Springer,T.A.,Nature 346:425-434(1990);Smith.C.W.,C
anad,J.Physiol.Pharmacl.71:76-87(1993))。
A.インテグリンファミリーの細胞接着分子

0004

細胞接着に関与するインテグリンファミリーのレセプター分子は、“C
D11/CD18ファミリーのレセプター分子”と命名された。これらの分子は初めにハ
イブドーマ技法を使用して同定された(Davignon,D.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 78:4535-4539(1981);Springer,T.ら、Eur.J.Immunol.9:301-306(1979);Sprin
ger,T.ら、Fed.Proc.44:2660-2663(1985))。

0005

このCD11/CD18ファミリーのレセプター分子は、αサブユニット(CD11)および
βサブユニット(CD18)を含むヘテロダイマーである(Sanchez-Madrid,Fら、J.Exp
er.Med.158:1785-1803(1983);Keizer,G.D.ら、Eur.J.Immunol.15:1142-1147(198
5))。3分子のβ鎖は同一である。ヘテロダイマーのα鎖は異なるが、精密な分
析で、それらの間に実質的な類似性があることが明らかとなった。LFA-1関連糖
タンパク質のαサブユニット間の類似性に関する総説は、Sanchez-Madrid,Fら、
(J.Exper.Med,158:586-602(1983);J.Exper.Med,158:1785-1803(1983))により提
供されている。

0006

3つの異なるαサブユニットは以下のように命名された:CD11a(同等にLFA-1
αサブユニットと呼ばれる)、CD11b(同等にMac-1 αサブユニットと呼ばれる)、
およびCD11c(同等にp150,95 αサブユニットと呼ばれる)(Ruoslahti,E.ら、Scie
nce 238:491(1987);Anderson.D.C.ら、Ann.Rev.Med.38:175(1987))。

0007

CD18分子は95kdの分子量を有するが、α鎖の分子量は150kdから180kdに変動す
ることが判明した(Springer.T.,Fed.Proc.44:2660-2663(1985))。

0008

CD11a/CD18ヘテロダイマーは、ほとんどのリンパ球で見いだされる(Springer,
T.A.ら、Immunol.Rev.68:111-135(1982):Ruoslahti,E.ら、Science 238:491(198
7);Anderson,D.Cら、Ann.Rev.Med.38:175(1987))。C
D11b/CD18およびCD11c/CD18ヘテロダイマーは、マクロファージ顆粒球および
大型顆粒リンパ球で見いだされる(Ruoslahti,E.ら、Science 238:491(1987);An
derson D.Cら、Ann.Rev.Med.38:175(1987))。これら3つの分子は、細胞接着の
役割を果たしている(Keizer,G.ら、Eur.J.Immunol.15:1142-1147(1985)。

0009

宿主防御におけるCD11a/CD18複合体、およびその細胞リガンド重要性は、感
染した個体が正常なCD18分子を合成できない、再発性重篤細菌感染を特徴と
する常染色体劣性形質(白血球接着欠損症候群に関する“LAD”症候群と命名され
ている)の同定により解明された(Ruoslahti,E.ら、Science 238:491(1987);Ande
rson,D.C.ら、Ann.Rev.Med.38:175(1987);Anderson,D.C.ら、Fed.Proc.44:2671
-2677(1985);Anderson.D.C.ら、J.Infect.Dis.152:668-689(1985)。LAD患者
ら得た白血球は、そのLFA-1ファミリーの分子が抗体に拮抗された正常な対に類
似するインビトロ欠損を現す。さらにこれらの個体は、彼らの細胞が細胞物質
接着できないことから、正常な免疫応答を行うことができない(Anderson,D.C.ら
、Fed.Proc.44:2671-2677(1985);Anderson,D.C.ら、J.Infect.Dis.152:668-689
(1985)。LADの特徴は、機能的LFA-1接着分子不在がLAD白血球を正常な
様式で実質的に内皮細胞に接着できなくすることを証明している。LAD個体か
ら得た白血球は、白血球が血管の内皮細胞に接着し、そして通過することを誘導
するこのような刺激に対して非応答性である(Smith,C.W.ら、J.Clin.Invest.82:
1746(1988))。

0010

またCD11/CD18複合体は、感染に対する宿主防御が関与する他の細胞−細胞相
互反応にも関与し、それにはIC3b-オプソニン化粒子の結合および食作用顆粒
球および単球様細胞上のCD11b/CD18の性質、ならびに
Mg2+依存的接着およびT細胞およびNK細胞による標的細胞を殺すこと、CD11a/CD
18ヘテロ二重鎖の性質を含む(Ruoslahti,Eら、Science 238:491(1987);Anderson
,D.C.ら、Ann.Rev.Med.38:175(1987))。
B.スーパー免疫グロブリンファミリーの接着分子

0011

CD11/CD18レセプター分子の天然の結合リガンドは、細胞間接着分子−1であ
る(“ICAM-1”またはCD54)(Rothlein,R.ら、J.Immunol.137:1270(1986))、欧州
特許出願公開第289,949号明細書、Simmons,Dら、Nature 331:624-627(1988);Sta
unton,D.E.ら、Cell 52:925-933(1988)、これら技術文献は引用により本明細書
編入する)。

0012

ICAM-1は、スーパー免疫グロブリン分子一員である。このスーパーファミリ
ーの員は、1つ以上のIg相同的領域の存在が特徴であり、各々が2つのシート
中に配置された多数の非−平行β−プリーツ鎖を有するジスルフィド架橋ルー
プから成る。3種類の相同的領域が定められ、各々が典型的な長さを持ち、そし
ジスルフィド結合システイン間に位置するアミノ酸残基コンセンサス配列
を有する(Williams.A.Fら、Ann.Rev.Immunol.6:381-405(1988);Hunkapillar,T.
ら、Adv.Immunol.44:1-63(1989))。

0013

ICAM-1は、97-114kdの細胞表面糖タンパク質である。ICAM-1は5つのIg-様ド
メインを有する。その構造は、神経細胞接着分子(NCAM)およびミエリン−結合糖
タンパク質(MAG)の構造に緊密に関連している(Simmons,D,ら、Nature 331:624-
627(1988);Staunton,D.E.ら、Cell 52:925-933(1988);Staunton,D.E.ら、Cell 6
1243-254(1990)、これら技術文献は引用により本明細言に編入する)。

0014

ICAM-1は、インビボのリンパ球の炎症病変への侵潤に一致した時間枠
で、IL-1、ガンマインターフェロンおよび腫瘍壊死因子のような炎症メディエー
ターにより、インビトロで繊維芽細胞および内皮細胞上に誘導され得る(Dustin
,M.L.ら、J.Immunol 137:245-254(1986);Pober,J.S.ら、J.Immunol 137:1893-18
96(1986))。ICAM-1は、血管内皮細胞胸腺上皮細胞、他の上皮細胞および繊維
芽細胞のような非−造血細胞、ならびに組織マクロファージマイトジェン−刺
激Tリンパのような造血細胞、ならびに扁桃リンパ節およびパイエル板
中心B−細胞および樹状細胞発現される(Dustin,M.L.ら、J.Immunol 137:245-
254(1986))。ICAM-1は、アレルギー性温疹、苔癬プラナス(planus)、発疹、じ
んま疹および水疱性疾患のような良性の炎症病変中の角質細胞中で発現する。

0015

このように、ICAM-1は炎症部位優先的に発現し、そして一般的には静止細胞
により発現されない。ICAM-1はリンパ球が結合できる細胞物質として機能するの
で、リンパ機能は感染または炎症部位へ移動できる。

0016

ICAM-1の“可溶性”(すなわち、“非−固定化”)断片は、循環中に検出でき
る(Rothlein,R.ら、J.Immunol 147:3788-3793(1991)。この断片の炎症に反応し
たレベルの上昇は、このレベルが炎症の診断的測定に有用となり得ることを示唆
している(Gearing、A.J.H.ら、Immunol.Today14:506-512(1993);Rothlein,R.ら、
J.Immunol 147:3788-3798(1991);Blann.A.D.ら、Thromb Haemost.72:151-154(19
94);Cush,J.J.ら、Arthritis Rheum.36:1098-1102(1993))。

0017

細胞接着における役割に加えて、ICAM-1はライノウイルス感染を起こすために
ヒトライノウイルスが結合する細胞性レセプターであることも判明した(Greve
,J.M.ら、Cell 56:839-847(1989):Staunton.D.E.ら
、Cell 56:849-853(1989):Ohlin,A.ら、Antimicrob.Agents Chemother.38:1413-
1415(1994):Cassanovas,J.M.ら、J.Virol.68:5882-5889(1994))。

0018

ICAM-2は第2のLFA-1リガンドであり、ICAM-1とは明らかに異なる(Rothlein,R
.ら、J.Immunol 137:1270-1274(1986);Makgoba,M.W.ら、Eur.J.Immunol.18:637-
640(1988);Dustin,M.L.ら、J.Cell.Biol.107:321-331(1988);Staunton.D.ら、FA
SEB J.3:2446(1989)。ICAM-1のように、ICAM-2はスーパー免疫グロブリンファ
リーの一員である。

0019

ICAM-2は、内皮細胞および特定の間細胞で構成的に発現される。またICAM-2は
種々のT−およびB−リンパ芽細胞系にも存在する。ICAM-2は、非活性化内皮
の主要LFA-1リガンドである。このようにICAM-2は正常なリンパ球の再集合、お
よび記憶細胞の再集合に役割を果たし、そして抗原提示細胞相互作用に役割を
持つと報告された(de Fougerolles,A.R.ら、J.Exper.Med.174:253-267(1991))。

0020

最近、第3のLFA-1リガンドであるICAM-3が同定された(de Fouegerolles,A.R.
ら、J.Exper.Med.174:253-267(1991);de Fougerolles,A.R.ら、J.Exper.Med.175
:185(1994);de Fougerolles,A.R.ら、J.Exper.Med.179:619-629(1994))。ICAM-3
は、白血球で発現されるが、内皮細胞中には存在しない、124kDの重度グリコ
シルされたタンパク質である。ICAM-3はICAM-1と、53%の相同性共有する。IC
AM-3およびICAM-1は交互に発現されるようであり;ICAM-3は休止細胞により発現
され、その発現レベル細胞活性化の結果、低下する(Cordell.J.L.ら、J.Clin.
Pathol.47:143-147(1994);El-Gabalawy,H.ら、Arthritis Rheum.37:846-854(199
4))。
C.他の接着分子

0021

接着分子のセレクチン(またはLECCAM)ファミリーは、接着分子の明らかな第
3の種類である。セレクチンは炭水化物レクチンを認識し、そして結合する。3
つのセレクチンがすでに記載されている;L-セレクチン(LECCAM-1、MEL-1、MEL-
14、LAM-1、LECAM-1またはリンパ球ホーミングレセプターとも呼ばれる);E-セ
レクチン(内皮白血球接着分子-1(ELAM-1”)またはLECCAM-2としても知られてい
る);P-セレクチン(CD62、血小板活性化依存的顆粒外膜(platelet activation
dependent granule external membrane:PADGEM)、LECCAM-3または顆粒膜タンパ
ク質-140(granule membrane protein-140:GMP-140としても知られている)。

0022

L-セレクチンは白血球で発現され、そして白血球の末梢リンパ節への“ホー
ミング”に役割を果たす(Gallatin.M.W.ら、Nature 304:30-34(1989);Lasky,L.
A.ら、Cell 56:1045-1055(1989);Siegelman,M.H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA
)86:5562-5566(1989);Tedder,T.F.ら、J.Exper.Med.170:123-133(1989)。L-セ
レクチンは顆粒球でも発現される。

0023

E-セレクチンは、TNF-αまたはIL-1βのようなサイトカインにより、または
細菌エンドトキシン(LPS)による細胞刺激に応答して、内皮細胞で発現される(Be
vilacqua,M.P.ら、Science 243:1160-1165(1989);Tedder,T.F.ら、J.Exper.Med.
170:123-133(1989);Bevilacqua,M.P.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)84:9238-924
2(1987);Luscinskas,F.W.ら、J.Immunol.143:3318-3324(1989))。インビトロで
、E-セレクチンは好中球単球好酸球リンパ球サブセットおよびある種の
癌腫細胞の接着を媒介する。E-セレクチンの結合リガンドはSLExである(Low
e,..B.ら、Cell 63:475-484(1990)。E-セレクチンは、リューマチ関節炎のよ
うな慢性炎症疾患で発現する。

0024

P-セレクチンは、血小板および内皮細胞、好中球、他の骨髄性細胞およびT
リンパ球サブセットで発現する(Siegelman,M.H.ら、Curr.Biol.1:125-128(1991)
;Pober、J.S.ら、Lab.Invest.64:301-305(1991))。P-セレクチンおよびE-セレ
クチンは、両方がSLExレクチンに結合できるという事実にしたがい、同様な
細胞範囲に結合する。P-セレクチンの発現は、トロンビンヒスタミンおよび
過酸化水素のようなアクチベーターにより誘導される。
E-セレクチンおよびP-セレクチンの発現はそれぞれ、組織損傷に対する炎症的
および止血的応答を反映していると報告されている(Geng.J.G.ら、Nature 343:7
57-760(1990);Toothill.V.J.ら、J.Immmunol.145:283-291(1990))。L-セレクチ
ンは細胞の炎症部位への再集合に参加すると報告された(Watson,S.R.ら、Nature
349:164-167(1991);Lewinsohn,D.M.ら、J.Immunol 138:4313-4321(1987)。すべ
ての3つのセレクチンは、好中球および他の白血球の炎症部位への再集合に関与
することが報告された(Arfors,D.E.ら、Blood 69:338-340(1987);Smith、C.W.ら
、J.Clin.Invest.82:1746-1756(1988);Anderson,D.C.ら、Ann.Rev.Med.38:175-1
94(1990);Larson,R.S.ら、Immunol.Rev.114:181-217(1990))。

0025

セレクチンは、好中球の活性化内皮への初期の接着、または“ローリング(rol
ling)を補助することにより作用すると報告された(von Andrian,U.H.ら、Proc.N
atl.Acad.Sci.(USA)88:7538-7542(1991);Ley,K.ら、Blood 77:2553-2555(1991);
Lawrence,M.B.ら、Cell 65:859-873(1991);Smith.C.W.ら、J.Clin.Invest.83:20
08-2017(1989))。対照的に、CD11/CD18ファミリーの分子はいったん炎症部位に
到達すれば、その後、好中
球の移動阻止を媒介すると考えられている(Anderson,D.C.ら、Ann Rev.Med.38:1
75-194(1990);Larson、R.S.ら、Immunol.Rev.114:181-217(1990);Smith、C.W.ら、
J.Clin.Invest.83:2008-2017(1989);Luscinskas F.W.ら、J.Immunol.146:1617-1
625(1989))。

0026

VCAM-1(血管細胞接着分子-1)は、血管細胞上に見いだされる細胞表面レセプタ
ーである(Hynes,R.O.Cell 48:549-554(987);Price.G.E.Science 246:1303-1306(
1980))。正常な生理的条件下で、VCAM−1は発現されないか、または発現は最小
である。しかし、TNF-αたはIL-1βを用いた刺激で、VCAM−1は急速に誘導され
る。VCAM−1は、白血球および他の細胞上に発現するVLA-4インテグリン分子に結
合することが示された(springer,T.A.,Nature 346:425-434(1990);Hemler,M.E.
ら、Immunol.Rev.114:45-65(1990))。VLA-4は、リンパ球が粘膜リンパ節の内皮
に結合することを媒介し(Holtzmann,B.ら、Cell 56:37-46(1989);(Holtznann,B.
ら、EMBO J.8:1735-1741(1989)、そして細胞毒性T−細胞活性を媒介することが
示された(Hemler,M.E.ら、J.Biol.Chem 262:11478-11485(1987);Hemler,M.E.ら
白血球接着分子(Springer,T.A.ら、編集)第44−57頁、スプリンジャー−ファ
ーラーグ、ニューヨーク(1989))。VLA-4の発現は、実質的にサイトカインに影響
を受けない。

0027

このように、まとめると動物の健康および生存能を維持するための白血球の能
力には、それらが他の細胞(内皮細胞のような)に接着できることが必要である
。この接着には、白血球および内皮の細胞表面に存在する特異的なレセプター分
子が関与する細胞−細胞接触が必要であると判明した。これらのレセプターは、
白血球が他の白血球または内皮細胞、および他の非−血管細胞に接着することを
可能とする。このような細
胞表面レセプター分子を欠く白血球を持つヒトは、慢性および再発性の感染、な
らびに欠損抗体応答を含む他の臨床症状を現す。

0028

細胞接着のプロセスはヒトおよび他の動物を、感染または組織傷害による死か
ら保護するが、そのような保護には重大な組織破壊、炎症および痛みといった代
償が伴う(Horgan,M.J.ら、Amer,J.Physiol.261:H1578-H1584(1991);Clark,W.M.
ら、J.Neurosurg.75:623-627(1991))。抗生物質および他の現代医学的処置
利用可能性により、感染および外傷を取り扱うための代替法が提供される。した
がって多くの場合で、細胞接着発生を妨げ、そして防止することが望ましい。

0029

そのような介入を行うための2つの取り組みには、抗-CD18抗体および抗-ICAM
-1抗体の使用が関与した。動物モデルおよびインビトロ試験での有望な結果にも
かかわらず、そのようなネズミモノクローナル抗体の使用は、抗−ネズミ抗体を
産生を導く重篤な免疫反応の問題により、制限されてきた。

0030

喘息虚血組織片拒絶移植関節炎等のような炎症症状のための長期の治
療を提供することが望まれているという観点から、これまで使用された抗体より
も有意に免疫原性が低い抗−ICAM-1抗体を開発することが望ましい。本発明は、
そのように改良された抗体、およびその合成、精製および使用法を提供する。
図面の簡単な説明:

0031

図1は、ポリエチレングリコール修飾を行った回数関数として、固定化
sICAM-1カラム上に残る結合能力の割合を表す。

0032

図2は、enlimomab、PEG-エンリモマブ(enlimomab)抗体2183-66MまたはPEG-
enlimomab抗体BIRR10のいずれかを腹腔注射した後の、個々の
ウサギの抗−エンリモマブ(enlimomab)血清力価(1000単位)を表す。

0033

図3は、enlimomabまたはPEG-エンリモマブ(enlimomab)抗体930329/4:1のい
ずれかを腹腔注射した後の、個々のウサギの抗−enlimomab血清力価(1000単位
)を表す。

0034

図4は、enlimomabまたはPEG-エンリモマブ(enlimomab)抗体1924-11のいず
れかを静脈注射した後の、個々のウサギの抗−エンリモマブ(enlimomab)血清
力価(1000単位)を表す。

0035

図5は、静脈注射後28および56日目の、ポリ(エチレン)グリコール−修飾エ
ンリモマブ(enlimomab)および天然の抗体の免疫原性を表す。
発明の要約

0036

本発明は、炎症の処置において、細胞間接着分子−1(“ICAM-1”)に特異的に
結合する修飾抗体の生産および使用に関する。より特別には、本発明はそのよう
な修飾の結果、向上した治療特性を示す修飾した非−ヒト抗−ICAM-1抗体に関す
る。

0037

詳細には、本発明は抗−ICAM-1抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導
体を提供し、ここで抗体はICAM-1に結合でき、そしてICAM-1媒介細胞接着を阻害
できる。

0038

本発明は特に、抗−ICAM-1抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導体
関し、ここで抗体はモノクローナル抗体である。本発明は特に、そのような誘導
体が平均2−15分子の単官能性ポリ(エチレン)グリコールを含む態様に関し
、そしてここで単官能性ポリ(エチレン)グリコールは、ポリ(エチレン)グリ
コールプロピオン酸のN-ヒドロキ
スクシンイミジル活性エステルスクシネートポリ(エチレン)グリコールの
N-ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル、カルボキシメチル化ポリ(エチレ
ン)グリコールのN-ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル、ポリ(エチレン
)グリコールダイマーリシンのN-ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル、
ポリ(エチレン)グリコールプロピオンアルデヒド、またはノルロイシンポリ(
エチレン)グリコールのN-ヒドロキシスクシンイミジル誘導体である。

0039

本発明は特に、抗-ICAM-1抗体が(A)抗体エンモリマブ、または(B)ICAM-
1に結合し、そしてエンモリマブがICAM-1に結合するのを拮抗的に阻害する抗体
である態様、そして特に誘導体が、天然の抗-ICAM-1抗体がICAM-1に結合する能
力の少なくとも約20%を保持し、かつ/または抗体の非-ポリ(エチレン)グリ
コール修飾状態よりも高いインビボ血清半減期を有する態様に関する。BIRR10は
、最も好適なポリ(エチレン)グリコール−修飾抗−ICAM-1抗体である。

0040

また本発明は、抗−ICAM-1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体を提
供し、ここで誘導体は、
(a)活性化されたポリ(エチレン)グリコール分子の存在する中で、抗体のポ
リ(エチレン)グリコール修飾誘導体を形成するのに十分な条件下で、抗−ICAM
-1抗体をインキューベートし、
(b)ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を、非-ポリ(エチレン)グリコー
ル修飾抗体から分離するのに十分な条件下で、形成された誘導体を疎水性相互作
クロマトグラフィーにかけ、そして
(c)形成されたポリ(エチレン)グリコール修飾抗体誘導体を、疎水性相互作
用クロマトグラフィーから回収する、
ことを含んで成る工程により調製される。

0041

本発明はさらに、医薬組成物も提供し、これは
(a)抗−ICAM-1抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導体、ここで抗体
はICAM-1に結合でき、しかもICAM-1-媒介細胞接着を阻害でき、および
(b)生理的に許容できるキャリアー賦形剤または安定化剤
を含んで成る。

0042

本発明は特に、中の誘導体が平均2−15分子の単官能性ポリ(エチレン)グ
リコール分子を含むそのような医薬組成物を提供する。

0043

また本発明は、組成物が1種以上の抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾
誘導体を含み、ここで各種類はそれらのインビボ血清半減期が異なってよい態様
、ならびに組成物が単一種の抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導体を
含む態様を提供する。

0044

本発明は、抗−ICAM-1抗体のポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導体が、天
然の抗-ICAM-1抗体がICAM-1に結合する能力の少なくとも約20%を保持し(例え
ば、JY細胞B−リンパ芽細胞上に発現したICAM−1への結合に関して、そのよ
うなポリ(エチレン)グリコール−修飾誘導体と非修飾抗体の間の競合の程度を
測定するアッセイにより測定されるような)、かつ/またはICAM-1のポリ(エチ
レン)グリコール修飾抗体が、抗体の非-ポリ(エチレン)グリコール修飾状態よ
りも高いインビボ血清半減期を有する、そのような医薬組成物を提供する。

0045

また本発明は、ライノウイルス感染または炎症(特異的または非特異的防御
のいずれかの反応により引き起こされる)の処置または予防法を提供し、この方
法は有効量の上記医薬組成物を、そのような処置また
は予防が必要な受容体に提供することを含んで成る。この組成物および方法は、
自己免疫疾患;喘息;成人呼吸困難症候群敗血症または外傷に二次的な多器官
傷害再潅流傷害急性糸球体腎炎反応性関節炎急性炎症成分を含む皮膚炎
急性化膿性髄膜炎中枢神経系炎症疾患;熱的傷害;血液透析白血球搬出
潰瘍性大腸炎;Crohn疾患;壊死性腸炎;顆粒球輸血に伴う症候群;またはサイ
トカイン−誘導毒性を処置または予防するために使用できる。

0046

抗体の修飾種および非修飾種を含む調製物から、ポリ(エチレン)グリコール
−修飾抗体を精製する方法は、調製物を抗体の非修飾種をポリ(エチレン)グリ
コール修飾から分離するのに十分な条件下で疎水性相互作用クロマトグラフィー
に供し、そして分離したポリ(エチレン)グリコール−修飾抗体を回収すること
を含んで成る。
好適な態様の説明
I. 抗−ICAM−1抗体

0047

上記のように、抗-CD18抗体および抗-ICAM-1抗体が、細胞接着プロセスに介入
するために使用された。

0048

抗-CD18抗体を使用したインビボの実験では、心臓および腸で、虚血性
害の減少、および肺浸潤および全身性モデルでの低下が示された(Arfors,K.ら
、Blood 69:338-340(1987);Hermamdez,L.ら、Amer.J.Physiol.253:H699-H703(19
87);Price,T.ら、J.Immunol.139:4174-4177(1987);Simppson.P.ら、J.Clin.Inve
st.81:624-629(1988);Vedder,N.ら、J.Clin.Invest.81:9393-944(1988))。Wang,
J.H.ら(FASEB J.8:A981(1994))は、抗-CD18および抗-ICAM-1抗体のマウスへの投
与が、イムノモジュラトリ−効果を有することを報告した。これら抗体の投与
エタ
ノール−誘導粘膜傷害(Dinda,P.K.ら、Gastroenterol.106:A230(1994))、自己
糖尿病の発生(Heroid,K.C.ら、Clin,Res,42:119A(1994))を抑制し、そしてヒ
トの膵臓の島外植の生存を延ばす(Zeng,Y.ら、Transplant,Proceed.26:1120(199
4))と報告された。Huang,Y.W.ら(Hybridoma 12:661-675(1993))は、抗−ICAM-1
抗体を骨髄腫瘍細胞系を殺すために使用することを検討している。

0049

抗-ICAM-1抗体が組織傷害を抑制する能力は、多数の動物モデルで研究された
。Horgan,M.J.ら(Amer.J.Physiol,261:H1576-H1584(1991))は、ICAM-1に対して
向けられたネズミモノクローナル抗体(RR1/1)が、動物モデルで、すでに肺動脈
閉塞および再潅流を経験したウサギの肺中の好中球の封鎖(sequestration)を防
止できた、と報告した。中枢神経系虚血モデルの実験(J.Neurosurg,75:623-627(
1991))では、中枢神経系組織中のICAM-1の誘導が、傷害の広がりを増大すること
が報告された。ArchelosJ.J.ら、(Brain 116:1043-1058(1993))は、抗-ICAM-1の
投与が実験モデルでアレルギー性神経炎を抑制できたことを報告した。

0050

抗-ICAM-1ネズミモノクローナル抗体の投与は、ウサギのモデルで一時的に虚
血性傷害の程度を低下させると報告された(Clark,W.W.ら、J.Neyrosurg,75:623-
627(1991))。Weger,C.D.ら(Lung 170:267-279(1992))は、マウスモデルで白血球
接着の貢献および肺の酸素毒性病因における浸潤を確認し、ラット抗-ICAM-1
抗体の投与が、超酸化的な肺の傷害を減少することを報告した。

0051

Ma,X.L.ら(Circulat.86:937-946(1992))は、抗-ICAM-1抗体、RR1/1が、ネコ
モデルで虚血性の心筋多形核白血球接着および浸潤を抑制できると報告した、
この抑制はネコの心筋を再潅流傷害から有意に保護
した。

0052

Gorczynski,R.M.ら(J.Immunol.152:2011-2019(1994))は、マウスのモデルを使
用して、抗-ICAM-1抗体が抗原特異的プレトランスプラントまたは輸血後の皮膚
同種移植生存を延ばすことを証明した。Williams,W.W.ら(Amer.Soc.nephrol.5
:738-(1993))は、抗-ICAM-1抗体が腎臓を虚血から保護したことを報告した。Uch
io,E.ら(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci,35:2626-2631(1994))は、抗-ICAM-1抗体の
実験的なブドウ膜炎を防止する能力を報告した。Zhang,R.L.ら(Stroke 25:266(1
994))は、抗-ICAM-1抗体の投与が、ラットのモデルで虚血性傷害を減少したこと
を報告した。Bowes,M.P.ら(Exper.Neurol.119:215-219(1993)は、抗-ICAM-1抗体
の投与が、ラットの大脳塞栓発作モデル発作付随する神経的傷害を減少でき
ることを報告した。Pavilack,M.A.ら(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci,35:1896(1994
))およびYamigami、S.(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci,35:1877(1994))は、抗-ICAM-
1抗体の投与が、角膜移植の生存能を向上させることを報告した。

0053

抗-ICAM-1抗体のそのような使用、および上記の記載は、細胞接着が炎症プロ
セスの組織傷害を悪化させる原因であり、そしてモデル系において、そのような
炎症プロセスが抑制できたことを示唆している。そのような研究は、抗-ICAM-1
抗体の現実的な治療的利益を提供する能力を決定するための臨床試験を促した。

0054

Haug.C.E.ら(Transplant.55:766-773(1993))は、ネズミ抗-ICAM-1抗体(“エン
リモマブ:enlimomab”と命名された)の、腎臓同種移植を受け、そして遅延型
植片機能の危険にあるカニクイザるへの投与を報告した。この実験では、エンリ
モマブ投与の臨床的安全性を確立した。エンリ
モマブ投与に付随する有意な“第一−投与(first-dose)”効果は見られずそして
悪い全身性の効果も検出されなかった。

0055

残念ながら、抗体は高度に免疫原性であると判明し、ほとんど90%の受容体動
物が抗-エンリモマブ抗体を生成した。実際、免疫反応性の程度は、他のネズミ
抗体で観察されるよりも有意に高かった。抗-ネズミ抗体反応は、その投与4日
後に、サルの血清から抗体を除去(“クリーニング”)した。

0056

Kavanaugh,A.F.ら(Arthritis Rheum.35:S43(1992);Arthritis Rheum.35:S106(
1992);Clin.Res.42:314A(1994);Immunol.91-227(1993);Arthritis Rheum.36:S40
(1993))、およびSchultze-Koops,H.ら(FASEB J.8:A745(1994))は、抗-ICAM-1抗
体エンリモマブをリューマチ関節炎に罹患している個体に投与すると、急速な臨
床的改善が生じることを報告した。この報告は、Haug、C.E.らの知見(エンリモマ
ブの受容体は、臨床的に有意な緩和を経験したが、受容体は実質的な抗−エンリ
モマブ反応を起こした)を確認した。ネズミ抗-ICAM-1抗体エンリモマブの薬物動
態は、Norris.S.H.ら(Pharmaceut.Res.10:S334(1994))により報告されている。

0057

Omura,T.ら(Immunobiol.186241-245(1992))は、マウス抗-ICAM-1モノクローナ
ル抗体を用いてインフューズされた同種移植ラット肝臓の急速な拒絶を開示し、
そして抗体の循環的悪化が場合によっては起こることを示唆している。

0058

まとめると、実験では抗-ICAM-1抗体が炎症プロセスを防止マタハ弱める、イ
ビトロ効力が証明された。治療的に投与すると、抗体はその標的細胞に到達し
て最小の副作用および有意な治療的利益をもたらす能
力を示した。しかしこの抗-ICAM-1ネズミ抗体投与の利益には、実質的な抗-ネズ
ミ免疫反応が付随する。この反応は、抗-ICAM-1モノクローナル抗体を慢性の炎
症の処置、およびその後の急性炎症疾患の処置に応用することを制限する。
II. 本発明の修飾された抗体

0059

本発明は、修飾された抗ヒトICAM−1抗体が、内皮細胞−白血球接着を抑
制する能力を保持すると共に、改良された(即ち、減少した)免疫反応性を示す
という認識に一部由来するものである。かくして抗体誘導体を使用して慢性の炎
症又は急性炎症性疾患のその後のエピソードを処理又は防止することができる。
本明細書で使用した“免疫反応性”という用語は、抗原の抗体形成を誘発する能
力(即ち、免疫原性)及び抗原の抗体により認識される能力及び抗体に結合され
る能力を包含することを意図する。

0060

本明細書で使用した“調製抗ICAM−1抗体”は、“予防の”目的又は“治
療の”目的のものであることができる。予防的に与えられる場合には、免疫抑制
化合物は、炎症性の応答又は症状の前に(例えば、器官又は組織移植の時点より
前又はその時点又は少し後で、しかし器官拒絶反応の症状の前に)与えられる。
化合物の予防的投与は、その後の炎症性応答(例えば、移植された器官又は組織
等の拒絶反応のような)を阻止するか又は弱める働きをする。治療的に与えられ
る場合には、免疫抑制化合物は、実際の炎症の症状(例えば、器官又は組織の拒
絶反応等のような)の開始時に(又はその少し後に)与えられる。化合物の治療
的投与は、現在の炎症性応答の急性症状(例えば、喘息、関節炎又は移植された
器官又は組織の拒絶反応のような)を処置するのに役立つ。

0061

本発明の方法に従って修飾される抗ICAM−1抗体は、ポリクロナルモノ
クロナル、組換え又はキメラであることができる。このような抗体は、無傷の(
intact)免疫グロブリンであることができ又は例えば、無傷の抗体のフラ
グメント(例えば、Fab、F(ab)2等)又は切片(sections)を
含んで成ることができる。

0062

ネズミモノクロナル抗体が特に好ましい。好適なモノクロナル抗体の例には、
RR1/1(Rothlein,R.et al.,J.Immunol.13
7:1270−1274(1986)、R6.5(Springer,T.A.
et al.,米国特許出願第07/250,446号;Rothlein,R
.et al.,J.Immunol.141:1665−1669(1988
)、この両方とも引用により本明細書に組み入れられる)、LB−2(Clar
k,E.A.et al.,In:Leukocyte Typing/(A.
Bernard,et al.,Eds,),Springer Verlag

0063

pp339−346(1984)、又はCL203(Staunton,D.
E.et al.,Cell56:849−853(1989))が包含される
。現在“エンリモマブ”(enlimomab)と再命名された抗体R6.5は
、本発明の方法で使用するための最も好ましい抗体である。

0064

所望ならば、追加の抗ICAM−1抗体を、BALB/cマウス又は同等な系
統を使用して得ることができる。好ましくは、該動物を、好適なアジュバント
例えば、フロイントアジュバントタイターマックス(TiterMax)アジ
バント(Vaxcel,Norcross,AG)等)と共に乳化されている
ヒトICAM−1(又はそのフラグメント)約25μgで免疫する。免疫は、2
つの筋肉内部位、1つの腹腔内部位及び尾底(base of tail)におけ
る1つの内皮部位(subcutaneous site)で行うことができる
。ICAM−1約25μgの追加の(IV)注入は、3週間後に標準食塩水(n
ormal saline)中で与えられるのが好ましい。第2の注入から約1
1日後に、マウスを出血させ、そして血液を抗ICAM−1抗
体の存在についてスクリーニングすることができる。好ましくは、この目的には
ELISAを使用する。好適なアッセイは、Norris,S.H.et al
.,により記載されている(J.Pharm.Biomed.Anal,9:2
11−218(1991)、引用により本明細書に組み入れられる)。このアッ
セイ原理は、マイクロタイタープレートに結合されているJY B−リンパ芽
球細胞(JY−B−lymphoblastoid cells)上に発現され
たICAM−1への結合について、新しい抗体とビオチニル化されたエンリモマ
ブとの競合の測定を含む。

0065

最も好ましくは、最も高い抗体力価を有するマウスに、ICAM−1約25μ
gの第3のIV注入を与える。この動物からの脾臓白血球を3日後に回収するこ
とができ、次いで、最も好ましくはポリ(エチレン)グリコールを使用して、適
当な骨髄腫細胞株(myeloma cell line)(例えば、P3X6
3Ag8.653骨髄腫細胞株のような)の細胞と融合させる。細胞を“HA
”(ヒポキサンチンアミノプテリンチミン)選択下に約1週間培養すること
により、ハイブリドーマ細胞を選択する。次いで、得られるクローンを、それら
のICAM−1に対するモノクロナル抗体(“mAbs”)生産能について、好
ましくはELISAによりスクリーニングすることができる。

0066

モノクロナル抗体を得るための好ましい方法では、上記の免疫されたマウスの
脾臓を取り出し、粉砕し(disrupt)、そして免疫脾臓細胞(immun
e splenocyte)を、フィコール勾配上で単離する。単離された脾臓
細胞を、ポリ(エチレン)グリコールを使用して、BALB/c由来のHGPR
T(ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠失P3x6
3xAg8.653形質
胞腫細胞(plasmacytoma cells)と融合させる。融合した細
胞を、96ウエルのマイクロタイタープレート中にプレーテイングし、そして、
ハイブリドーマ融合細胞について、約2−3週間のヒポキサンチン、アミノプテ
リン及びチミジン補充培地中でのそれらの増殖能によりスクリーニングする。平
均して、融合に付された106脾臓細胞から生存ハイブリドーマ(viable

0067

hybridoma)が生じる。典型的な脾臓は、5−10×107脾臓細胞
を生じさせる。

0068

このようなインキュベーションから生じるハイブリドーマ細胞は、好ましくは
、ICAM−1に結合する免疫グロブリン産生能についてスクリーニングされる
。この目的で間接ELISAを使用することができる。簡単に言えば、ハイブリ
ドーマの上澄液を、固定化されたICAM−1を含有するマイクロタイターウエ
ル中でインキュベーションする。洗浄した後、結合した免疫グロブリンの力価を
セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合したヤギ抗マウス抗体を使用して決定
する。追加の洗浄の後、固定化された酵素の量を決定する(例えば、色素原基質
の使用により)。このようなスクリーニングは、所望のクローンが非分泌接体
(non−secreting neighbors)により覆われ(over
grown)ないことを確実にするために、ハイブリドーマの同定後できるだけ
速く行われる。融合プレートは、ハイブリドーマ増殖の速度が変わるので、数回
スクリーニングされるのが望ましい。

0069

示されたとおり、抗体エンリモマブは、本発明の最も好ましい抗ICAM−1
抗体である。エンリモマブは、ネズミIgG2aモノクロナル抗体(mAb)で
ある。ウサギに投与すると、この抗体は24−29時間の血清内除去半減期(s
erum elimination half−life)を有する(Norr
is,S.H.et al.,J.
Pharm.Biomed.Anal.9:211−218(1991))。
又は肺移植体受容者へのエンリモマブの“アッドオン”投与(“add on
” administration)を含む段階Iヒト臨床試験(phase
I human clinical trial)は、ヒトでは、エンリモマブ
は5.8時間乃至39.1時間の血清内除去半減期を有することを示した(No
rris,S.H.et al.,Pharmceut.Res.10:S33
4(1993))。

0070

本発明の1つの観点は、このような抗ICAM−1を修飾することによって、
抗体の免疫反応性を実質的に減少させ、かくして抗体の生体内治療効果を保持し
ながら、その血清内除去半減期を増加させることが可能であるという決定に関す
る。好ましい修飾は、ポリ(エチレン)グリコール(“PEG”)アダクトを含
有するように抗体を修飾することを含む。PEGは非常に高い水溶性を有する軽
度の疎水性物質である。

0071

本発明の更なる観点は、規定された均一な程度のポリ(エチレン)グリコール
修飾を有するポリ(エチレン)グリコール修飾抗体の均一な種を精製すること及
び得ることができることに関する。

0072

最も好ましくは、ポリ(エチレン)グリコール修飾反応は、“活性化された”
PEG誘導体を使用して行われる。本明細書で使用した“活性化されたPEG誘
導体”は、アミン(リシンのような)に対して反応性である求電子性基を有する
PEGの誘導体であり、そして他の求核体(nucleophiles)は“活
性化されたPEG”と呼ばれる。

0073

これらのPEGは、タンパク質へのPEGの結合のため及びリポソーム製剤
生物学的に適切な、可溶性及び不溶性ポリマー及び種々の、ポリ(エチレン)
グリコール修飾分子(普通“ポリ(エチレン)グリコール修飾分子”と呼ばれる
)において広範に使用されている。

0074

上記した用途で特に重要なのは、一端をメチルエチル基キャッピングされた
一官能性ポリマー(mPEG)である。活性化されたPEGの
反応には架橋がなく、そして標的分子へのポリマーの多重鎖(multiple

0075

strands)の結合をもたらすことができる。特定の用途に対する適当な
誘導体の選択は、所望の結合点(リシン対システイン);誘導体の加水分解安定
性及び反応性;結合の安定性、毒性及び抗原性及び分析に対する好適性のような
種々の特性を考慮することにより最善になされる。

0076

PEGスクシネートのN−ヒドロキシスクシンイミジル(又はNHS)活性エ
テルSS−PEG)は、多くの実験室でタンパク質又はペプチドへのPEG
の結合のためのえり抜きの試薬であった。これらの誘導体は、短い時間に(pH
8.5、4℃で約30分)穏やかな条件下にタンパク質のアミノ基と反応し、そ
して広範囲にわたって修飾されたまだ活性な複合体(conjugates)を
生じる。スクシンイミジルスクシネートは、その骨格エステル結合を有し、従
って生体内で相対的に速い加水分解を受ける性質を有する。より安定なPEG複
合体は、エステル結合を持っていないPEGプロピオン酸のスクシンイミジル誘
導体(SPA−PEG)の使用により製造することができる。これは、SPA−
PEGよりも大きい反応性ですらあるカルボキシメチル化PEGの対応するスク
シンイミジル誘導体SCM−PEG)についても真実である。SCM−PEG
は、pH8.0において1分よりも少ない加水分解半減期で加水分解及びアミノ
リシスの両方にたいして極めて反応性である。(しかしながら、この誘導体の極
端な反応性は、ポリ(エチレン)グリコール修飾を高度に選択性にする高い速度
で完了へと進行する反応において利点を与える)。これは、天然のタンパク質に
対して100%に近い特異的活性を保持している高度にポリ(エチレン)グリコ
ール修飾された酵素を生じさせることが示された。多分、PEG誘導体
寿命は、タンパク質のごく表面でのリシンに対する反応性を制限し、該表面で
はリシンが配置されていても二次構造破壊して特異的活性を減少させるような
ことはなさそうである。

0077

分子量5kDの活性化されたモノメトキシポリ(エチレン)グリコール(mP
EG)は、本発明の抗体を修飾するための最も好ましい試薬である。mPEGは
N−ヒドロキシスクシンイミジル(“NHS”)部分の存在により活性化される
。分子量40kDまでの活性化されたモノメトキシポリ(エチレン)グリコール
(mPEG)を代わりに使用することができる。好適な活性化された一官能性ポ
リ(エチレン)グリコールには、ポリ(エチレン)グリコールのプロピオン酸の
N−ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル(“SPA−PEG”)、スクシ
ネートポリ(エチレン)グリコールのN−ヒドロキシスクシンイミジル活性エス
テル(“SS−PEG”)、カルボキシメチル化ポリ(エチレン)グリコールの
N−ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル(“SCM−PEG”)、リシン
とのポリ(エチレン)グリコールダイマーのN−ヒドロキシスクシンイミジル活
エステル(“PEG2−NHS”)、ポリ(エチレン)グリコールプロピオン
アルデヒド(“PEG−ALDEHYDE”)又はノルロイシンポリ(エチレン
)グリコールのN−ヒドロキシスクシンイミジル誘導体(“PEG−NORLE
CINE”)が包含される。

0078

最も好ましい活性化されたmPEGは、mPEGプロピオン酸のN−ヒドロキ
シスクシンイミジル誘導体(“SPA−PEG”)である。mPEGモノマーの
重合は、本発明の最も好ましい修飾抗体である、ポリ(エチレン)グリコール修
飾(“ポリ(エチレン)グリコール修飾”)抗体の製造をもたらす。

0079

多くの文献は、5K〜40K又はそれより高い範囲の種々の分子量のポリ(エ
チレン)グリコール(PEG)の結合によるタンパク質修飾の研究に当てられて
いる。示されたとおり、PEGは酵素、ペプチド又はタンパク質に結合されたも
のが報告されている。

0080

タンパク質又は抗体の免疫反応性を減少させるためのポリ(エチレン)グリコ
ールの使用は当技術分野において記載されている。

0081

限られた数の場合において、ポリ(エチレン)グリコールは抗体を修飾するの
に使用されている。Tomasi T.B.等(米国特許第4,732,863
号)は、ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を製造する方法を検討しており、
そしてこのような抗体が減少した免疫原性を示すことを開示している。この方法
は、タンパク質分子上のトリニトロベンゼンスルホン酸利用性アミノ基へのPE
Gの共有結合を含む。

0082

Tomashi,T.B.等(米国特許4,732,863第号明細書)は、PEG修
飾抗体の免疫原性は修飾の程度によって変動するものであり、したがって、抗体
の低減した免疫反応性を、抗体活性を十分な程度に維持するという要求とバラン
スさせるためには、抗体に結合したPEG分子の数を制御することが重要である
ことを、開示している。Tomashi等は、13〜18%のアミノ基が修飾された免
疫グロブリンは一般に検出可能な免疫原性を欠いているものの、該範囲外のパー
セントの修飾は免疫原性に対して予測外の効果を有することを開示している。ポ
リ(エチレン)グリコール化の程度は、モノマーに対する抗体の比を調整するこ
とで制御可能であると言われている。

0083

ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体を形成しそして使用する方法はKarr,
L.J.等によって議論されている(Meth.Enzymol.228:377-390(1994))。

0084

これらのタンパク質修飾は、天然分子の半減期を延長し、そして/またはヒト
治療薬として使用される外来源タンパク質に固有の免疫原性を低減するかまた
は除去することを意図している。報告された努力の殆どは、これらの修飾研究で
用いられた手順、PEG誘導体の合成および動物研究もしくはヒトの臨床実験の
終結果に向けられている。しかしながら、ポリ(エチレン)グリコール修飾タ
ンパク質を特性決定する分析法については不足している。クロマトグラフィー法
によるポリ(エチレン)グリコール修飾の程度を定量すること、或いは反応完了
時に残っている未修飾タンパク質の定量については殆ど注意が払われていない。
この異成分(heterogeneity)を分析する試みはわずかになされてきたが、個々
コンポーネントへのPEGタンパク質調製物を分析するのに
適切な技法は現れていない。

0085

したがって、本発明の1つのアスペクトは、これらの分子のポリ(エチレン)
グリコール修飾各改変体から天然モノクローナル抗体もしくはFabフラグメント
を分離し得るばかりでなく、結合したPEGストランドの数が異なる個々の修飾
種の分離を許容する新規な疎水性相互作用クロマトグラフィー法に関する。この
方法は、PEG修飾タンパク質を、PEGに富む諸相に分離するという利点を有
するが、これは水性ポリマー二相分離に有効な技法である。この新規なクロマト
グラフィー法は、5KPEG誘導体で修飾されたタンパク質または高分子量
PEG誘導体で修飾されたタンパク質に等しく良好に働く。この方法は、定量分
析用ツールとして、並びにポリ(エチレン)グリコール-修飾の後に未修飾の天
然タンパク質を除去するための予備的精製工程として開発されてきた。

0086

細胞間接着分子-1(ICAM-1)は、多くの炎症病の病原に関与する。IC
AM-1依存性相互作用による妨害を通じての細胞接着の調節は、例えば火傷
移植拒絶虚血再灌流障害のような種々の急性疾患前臨床モデルおよび/また
臨床治療に有益であることが証明された(Cosimi,A.B.et al.,In: Str
ucture,Function and Regulation of Molecules Involved in Leukocyte
Adhesion,.Lipsky,P.E.,et al.,Eds.,Springer Verlag,pp.373-38
7(1992); Mileski,W.J.et al., J.Surg.Res.52:334-339(1992);H
aug,C.E.et al.,Transplantation 55:766-773(1993); Lefer,A.M.et
al.,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.33:71-90.1993)。さらに、抗-IC
AM-1治療は、慢性関節リウマチのような慢性炎症疾患の治療
に有効であるとされている(Kavanaugh,A.et al.,Arthr.Rheuma. 35:S4
3(1992))。しかしながら、多くの症例において、そして特に病気が以前治療
した炎症プロセスの再発である場合には、抗-ICAM-1治療は、エンモマブ(e
nlimomab)分子を含む外来ネズミタンパク質の抗原決定基に対する免疫応答(こ
れは抗体の初期投与によって誘発される)の故に、使用され得ない。免疫原性を
低減させる抗体構造の修飾は、通常「ヒト化(humanization)」を通じて分子生
物学技法により達成される抗体工学の主たるゴールである。しかしながら、この
アプローチは、屡々、抗体機能を危険にさらすような抗体の修飾をもたらす。こ
れらのタンパク質修飾は、天然分子の半減期を延長し、そして/またはヒトの治
療薬として使用される外来源タンパク質に固有の免疫原性を低減するかまたは除
去することを意図している。
III. 修飾方法

0087

本発明の1つの面は、一般的には抗体、詳細には抗−ICAM−1抗体をポリ
(エチレン)グリコールで修飾する2つの改良方法に関する。この2つの方法を
溶液」方法および「カラム」方法と呼ぶ。
A. 溶液を基とするポリ(エチレン)グリコール修飾

0088

ポリ(エチレン)グリコール修飾の溶液方法では、抗−ICAM−1抗体と活
性化mPEGを緩衝水溶液中で撹拌しそして接合反応が所望地点にまで進行した
後に反応を抑える。

0089

反応混合物ジグリシンを該抗体上の利用可能アミノ基のモル量よりも50倍
高いモル量で加えることで反応を抑える。透析濾過(diafiltratio
n)または透析反応汚染物(例えば未反応のmPEG、ジグリシンなど)を反
応混合物から除去し、そして緩衝を50mMの燐酸ナトリウム、100mMの塩
ナトリウム、pH6に変換する。次に、溶液の滅菌濾過を行った後、4℃で貯
蔵する。
B.カラムを基とするポリ(エチレン)グリコール修飾

0090

カラム方法では、最初、ICAM−1もしくはICAM−1様エピトープを提
示するリガンド(不動態化した)に抗−ICAM−1抗体を結合させる。従って
、このような結合は、ICAM−1に結合し得る抗体領域が関与する。1つの態
様における不動態化したリガンドは、可溶形態のICAM−1(「sICAM−
1」)をクロマトグラフィーカラム樹脂に共有結合させておいたものである。
また、この目的でエンリモマブ(enlimomab)の抗イディオタイプ(a
nti−idiotypic)抗体(例えばモノクローナル抗体CA3)を用い
ることも可能である(Rothlein,R.他、Intl.Arch.All
erg.Immunol.100:121−127(1993)、引用すること
によって本明細書に組み入れられる)。このように、これは、sICAM−1の
様式に相当する様式で抗−ICAM−1抗体に結合する。

0091

カラムを用いたポリ(エチレン)グリコール修飾の1つの好適な態様では、最
初に、エムファーゼ(Emphaze)で活性させたクロマトグラフィー樹脂
用いてsICAM−1親和性カラム(affinity column)を調製
する(アズラクトン(azlactone)化学)。好適には、sICAM−1
に透析濾過を受けさせて連成緩衝液(860mMのクエン酸Na3、100m
MのNaHCO3、pH8.6)に移行させて、その濃度を約10mg/mlに
調整する。次に、この溶液にエムファーゼバイオサポート媒体(Biosupp
ort Medium)を加えて、膨潤した樹脂をsICAM−1各20mg当
たり1ml得る。渦巻き撹拌しながら、この樹脂をsICAM−1溶液に入れて
混合した後、その懸濁液を室温で1時間穏やかに撹拌する。その樹脂を洗浄[例
えば、25μmの焼結ガラスフリット管内で、等しい体積PBS(50mMの
燐酸ナトリウム、100mMのNaCl)、pH6、を用いて10回洗浄]する
ことで、連成しなかったsICAM−1を除去する。その樹脂をエタノールアミ
ン(pH9)と一緒に穏やかに混合する操作を2回(例えば最初に1体積量のエ
タノールアミンを用いて30分間そして次に2時間)行うことで、未反応のアズ
ラクトン基を抑える。この樹脂を充分に洗浄する(例えば1体積量の1M Na
Clを用いて10回、次に1体積量のPBS、pH6を用いて3回)。次に、こ
の樹脂をクロマトグラフィーカラムに詰めて、適切な貯蔵用緩衝
液[例えば64mMの燐酸ナトリウム、86mMのNaCl、2%(体積/体積
)のグリセロール、0.05%のアジ化ナトリウム、pH6]をカラム容積の数
倍(例えば3倍)量で用いて洗浄して、4℃で貯蔵してもよい。

0092

上記sICAM−1が上記エムファーゼ樹脂に連成する効率の測定では、好適
にはBCA方法を用いて、連成反応で結合しなかったsICAM−1量を量化し
てもよい。樹脂洗浄溶液に入っている未結合sICAM−1の定量を行うことで
量化を達成し、推定連成効率は>95%である。エンリモマブを上記カラムにそ
れの漏出が観察されるまで連続的に仕込むことで、上記sICAM−1親和性カ
ラムの能力を測定する。この結合能力の範囲はゲルml当たり8.2から8.
8mgのエンリモマブである。これは、結合質量比(binding mass

0093

ratio)が1:2(エンリモマブ:sICAM−1)であること、即ちエ
ンリモナブ分子とsICAM−1分子のモル比が1:4であることを意味する。
測定可能方法では、各ポリ(エチレン)グリコール修飾を行った後の能力損失度
合が非常に小さくかつ各修飾で一様なポリ(エチレン)グリコール修飾生成物
もたらす樹脂を用いるのが望ましい。

0094

上記sICAM−1カラムに抗体を結合させた状態、従って結合部位にPEG
が結合しないようにそれをマスキングした状態で、接合反応を行う。上記カラム
方法および溶液方法の両方とも、結合活性を保持しているmPEG−抗−ICA
M−1抗体接合体をもたらすが、上記カラム方法の方が、その抗体により多くの
mPEGが結合し、そしてその抗体は結合活性をより大きな度合で保持している
。更に、上記カラム方法を用いると、エンリモマブの結合部位をポリ(エチレン
)グリコール修飾
過程から保護することが可能になり、それによって、より高い結合能力を保持し
ているポリ(エチレン)グリコール修飾抗体誘導体を単離することが可能になる
。従って、mPEGを抗−ICAM−1抗体に結合させようとする場合、上記カ
ラム方法が好適な優れた方法である。この方法を、以下に、好適な抗−ICAM
−1抗体であるエンリモマブを参考にして記述する。

0095

次に、上記sICAM−1親和性カラムをカラム容積の5倍量のPBS、pH
7.5で平衡にした後、このカラムにエンリモマブ(PBS、pH7.5の1m
lに2−5mg入っている)をその能力に到達するまで充填する。活性化SPA
−PEG(5kD)の溶液を1カラム容積のPBS(pH7.5)中で調製する
。上記mPEG溶液に入っているmPEG量は、典型的に、上記sICAM−1
カラムに充填したエンリモマブ1ミリグラム当たり1ミリグラムである。このm
PEG溶液を室温で上記sICAM−1カラムに通して1時間循環させた後、平
衡用緩衝液をカラム容積の5倍量で用いて上記カラムを洗浄することで、上記m
PEG溶液を除去する。次に、100mMのグリシン(pH2.7)をカラム容
積の2倍量で用いて、上記カラム方法で生じさせたmPEG−エンリモマブ分子
(「BIRR10」と表示)を溶離させ、そして1Mのトリスベース(Tris
−base)(pH9)または100mMの炭酸ナトリウム(pH11)で中和
した後、1Mの燐酸ナトリウム(pH4.5)で中和してもよい。

0096

上記溶液方法およびカラム方法両方のポリ(エチレン)グリコール修飾方法
用いて生じさせた粗mPEG−エンリモマブ混合物は、ポリ(エチレン)グリコ
ールで修飾されなかったエンリモマブを残存量(2−5
%)で含有する。この材料は免疫原性混入物を含有することから、それをその調
製物から除去するのが望ましい。好適には、調製用サイズエクスクルージョン
size exclusion)クロマトグラフィーまたは疎水相互作用クロマ
トグラフィーを用いて、ポリ(エチレン)グリコールで修飾されなかったエンリ
モナブをmPEG−エンリモマブ調製物から除去する。
IV. ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体の精製
A. サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー

0097

サイズエクスクルージョンクロマトグラフィーでは、適切な緩衝液(例えば6
4mMの燐酸ナトリウム、80mMのNaCl、pH6)で平衡に到達させてお
いた適当な調製用サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー充填物が入って
いるカラム(例えばPharmacia Superdex 200が入ってい
る2.6x60cmのカラム)に粗BIRR10濃縮プールを充填する。幅広
単一のピークを有する流出物分別して両末端を除去し、最初に出て来る部分に
は、高度にポリ(エチレン)グリコールで修飾されたエンリモマブが入っており
、そして後に出て来る尾部分には、軽くポリ(エチレン)グリコールで修飾され
たエンリモマブと未変性のエンリモマブが入っている。
B.疎水相互作用クロマトグラフィ

0098

ポリ(エチレン)グリコールで修飾された蛋白質付加体特徴付けを個々の成
分に分解させながら行うユニークな分析技術を開発しようとする試みでは、2つ
の主要な問題に遭遇した。1番目として、調製物に入っている種の数は、使用す
るポリ(エチレン)グリコール修飾技術(即ちPEG誘導体の化学、分子量、そ
して蛋白質上に存在する反応性部位
数)に応じて変化する。更に、異なる分析技術の分解能は、蛋白質間で変化する
。2番目として、不均質であることが分かったとしても、個々のポリ(エチレン
)グリコール修飾種に関する分解能が不足している。特定のHPLCカラム技術
を用いることで両方の問題を解決することができる。

0099

PEGは中程度の疎水性を示す材料であり、非常に高い水溶性を示す。これを
用いて蛋白質の修飾を行うと、その蛋白質が血清中で示す半減期が長くなり、こ
れは水2相分配系(aqueous 2−phase partitionin
g systems)で用いられて来た。このユニークなポリマーはその他に興
味の持たれる特性を数多く有していて、薬学調剤および食品調合物の成分として
頻繁に用いられている[Abuchowski,A.他、Canc.Bioch
em.Biophys.、7:175−186(1984);Mast,A.E
.他(J.Lab.Clin.Med.、116:58−65(1990);N
akayomi,K.他、Biochem.Intl.、22:75−84(1
990);Sada,E.他、J.Ferment.Biosng.、71:1
37−139(1991);Matsuyama,H.他、Chem.Phar
m.Bull.、39:743−746(1991);Zalipsky,S.
他、Biotechnol.App.Biochem.、15:100−114
(1992)]。

0100

最も好適な態様では、ポリ(エチレン)グリコールで修飾されなかった抗体を
除去するばかりでなくポリ(エチレン)グリコール修飾を所望度合で受けた抗体
の均一種を得る目的で疎水相互作用クロマトグラフィーを用いる。

0101

疎水相互作用クロマトグラフィー(「HIC」)は、蛋白質を高塩条件下で分
離する場合に価値ある技術である(一般的にはHPLCof Biologi
cal Macromolecules, Methodsand Appl
ications、Gooding,K.M.他編集、Marcel Dekk
er,Inc.(1990)参照)。蛋白質に関するHIC分離は、クロマトグ
ラフィー支持体に固定することで不動態化した疎水性部分と蛋白質の疎水性アミ
酸残基を互いに作用させることを基にしている。この不動態化した疎水性部分
は、幅広い範囲のアルキルおよびアリール基から選択可能である。PEGが好適
な不動態化した部分である。この部分の疎水性はアルキルの長さを長くするにつ
れて増大する。塩の濃度を高くすると[1−2Mの(NH4)2SO4が好適であ
る]、蛋白質が上記カラムに吸着され、そしてイオン強度下げると蛋白質の溶
離が起こる。HIC実施方法はCameron,G.W.他(Meth.Mol
ec.Cell.Biol.、4:184−188(1993))、Raymo
nd,J.他(J.Chromatog.、212:199−209(1981
))、Ochoa,J.I.(Biochimie 60:1−15(1978
))、Roggenbuck,D.他(J.Immunol.Meth.、16
7−207−218(1994))、Michaelson,S.他(Pol.
J.Food Nutr.Sci.、3/44:5−44(1994))、Ri
pel,G.他(J.Chromatog.、668:301−312(19
94))、Szepesy,L.他(J.Chromatog.668:337
−344(1994))、Huddleston,J.G.他(Biotech
nol.Bioeng.、44:62
6−635(1994))、Watanabe,E.他(Annl.NY Ac
ad.Sci.、721:348−364(1994))(上記文献は全部引用
することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。

0102

ポリエチレングリコールが結合すると、よれて、大きな蛋白質になる(即ちモ
クローナル抗体ではその抗体の疎水性が未変性で未修飾の抗体に比較して高く
なることが示された)。疎水性リガンドを用いると、帯電効果がなくなって疎水
効果が最大限になる高塩緩衝条件にすることで未変性の蛋白質をポリ(エチレン
)グリコール修飾蛋白質から分離することができるはずである。市販HICカ
ム化学は多様である(幅広い範囲の疎水性に及ぶ)ことから、クロマトグラフィ
ー分離を可能にする適当なリガンドを見付け出すことができるはずである。また
、2相分離系の場合、ポリ(エチレン)グリコール修飾蛋白質は分配で優先的に
PEG相入り込むことが知られていることから[Walter,H.他著、P
artitioning in Aqueous Two−Phase Sys
tems,Theory,Methods,Uses and Applica
tions to Biotechnology、Academic Pres
s、NY(1985);Karr,L.J.他、J.Chromatogr.、
354:269(1986)、Stocks,S.J.他、Anal.Bioc
hem.、73:86(1988)、Karr,L.J.他著、Separat
ions Using aqueous Phase Systems. Ap
plications in Cell Biology and Biote
chnology、Fisher,D.他編集、Plenum
Press、NY(1989)]、構造的にポリ(エチレン)グリコールに類似
したHICリガンドを用いると疑似親和性様式における分配が向上するであろう
と予測されるかもしれない。このような2相系における研究で実証された分配原
理と同じ分配原理がクロマトグラフィー系にも同様に充分に適用されるはずであ
る。疎水相互作用は顕著に起こるであろうが、蛋白質に結合したPEGとPEG
結合相の間の特異的相互作用は、個々のPEG−蛋白質付加体を分解することに
加えて、未変性蛋白質とポリ(エチレン)グリコール修飾蛋白質のクロマトグラ
フィー分離を助長するに充分なほど強力であり得る。

0103

幅広い範囲の疎水性に及ぶ多様な市販HICカラム化学の評価を行った。まず
最初に、Synchrom and Bio−Radから購入したHICカラム
(利用できるアルキルリガンドの疎水性がヒドロキシプロピルからペンチルであ
りそしてそれに加えてフェニルの疎水性が利用できる点で、充分な範囲を網羅
る)を試験した。大部分のケースで、未変性蛋白質とPEG修飾蛋白質の満足
れる分離は達成されなかった。PEG修飾抗体の疎水性が高くなることは、高度
にポリ(エチレン)グリコールで修飾されたサンプルを特定カラム使用クロマト
グラフィーにかけた時に保持時間が未変性蛋白質の保持時間に比較して長くなる
ことで明らかであった。しかしながら、未変性で未修飾の抗体とポリ(エチレン
)グリコール修飾種混合物の両方が入っているサンプルをクロマトグラフィーに
かける場合には、そのようなカラムで未変性蛋白質とポリ(エチレン)グリコー
ル修飾蛋白質を分離するのは不可能であった。我々の試験で用いたポリ(エチレ
ン)グリコール修飾手順では、ポリ(エチレン)グリコールで修飾されなかった
抗体がある程度残ることから(他
の技術、即ち還元を受けさせていないSDS−PAGEを用いて測定した時)、
この2成分を分離する能力を有するクロマトグラフィー方法を開発する必要があ
った。ポリ(エチレン)グリコール修飾蛋白質に未修飾で未変性の蛋白質が少量
でも入っていると免疫応答が起こり得ることが実証されていることから、このよ
うな開発は免疫学的に重要であった。

0104

RaininのHydropore HICカラムをそれが未変性蛋白質とP
EG修飾蛋白質を分離する能力に関して試験した。このカラムは、PEGが疎水
性リガンドとしてシリカを基とする粒子に組み込まれていると言ったユニークな
特性を有する(Hatch,R.G.、J.Chromatogr.Sci.、
28:210(1990)、Chang,J.他、J.Chromatogr.
319:396(1985))。このカラムを用いて、PEGを結合相として利
用すると疎水相互作用が向上するかもしれないと言った仮定を試験した。このユ
ニークな化学は良好な性能を示し、未変性抗体とポリ(エチレン)グリコール修
飾種の分離を可能しかつ残存する未修飾抗体の定量を可能にするばかりでなく、
個々の1−PEG、2−PEG、3−PEG修飾種の分離も与えた。この技術は
、若干修飾することのみでスケールアップすることができ、これを用いて、未変
性抗体が入っていないポリ(エチレン)グリコール修飾モノクローナル抗体を多
量に精製した。

0105

Synchrom Inc.、Lafayette Inc.からSynch
ropakカラムを購入したが、上記カラムは、蛋白質および酵素で用いるに適
した中程度の疎水相互作用を示すシリーズのカラムである。このカラムには、3
00Åの巨視孔を有する6.5μの球形シリカが入っていて、このシリカは、疎
水性リガンド、例えばプロピル、ペ
ンチルまたはヒドロキシプロピルなどを用いて誘導されたポリアミド被膜に共有
結合している。

0106

また、Bio−Gel TSKフェニル−5−PWカラムも試験した。このカ
ラムをBio−Rad、Hercules CAから購入した。その粒子は、1
000Åの巨視孔を有する10.0μのヒドロキシル化ポリエーテルビードから
成っていて、このビードは、表面密度が非常に低い疎水性フェニルリガンドに結
合している。

0107

また、Hydroporeカラムも用いた。このカラムをRainin In
strument Co.、Emerville CAから購入した。その詰物
は、孔サイズが300Åの高純度シリカから成っていて、このシリカを化学的
特許製品である親水性有機層に結合させている。その次に、その親水性単層にポ
リ(エチレン)グリコール基を共有結合させることでクロマトグラフィー材料
生じさせる。ポリ(エチレン)グリコール(PEG)は弱い疎水性を示す中性
リマーである。高塩濃度の時に蛋白質表面の疎水領域と結合相の間の相互作用を
通して蛋白質を保持する表面密度でPEGを結合させる。次に、塩濃度を低くす
ると蛋白質が高い収率で放出される。

0108

ポリ(エチレン)グリコールで修飾されなかったエンリモマブとポリ(エチレ
ン)グリコール修飾BIRR10の調製分離と分析道具の両方で用いるに適した
HIC方法を開発した。この方法は、水ポリマー2相分離で実証したように、P
EG修飾蛋白質を分配でPEGが豊富な相に入り込ませると言った利点を有する
。このようなクロマトグラフィー技術を用いると、ポリ(エチレン)グリコール
修飾調製物に入っている未変性エンリモマブのパーセントを迅速に測定すること
が可能になる。次
に、同じHICカラム材料を用いて、ポリ(エチレン)グリコール修飾材料を大
規模に精製することができる。この方法を用いると、また、ポリ(エチレン)グ
リコール修飾サンプルに入っている未変性抗体の定量を行うことができることに
加えて、ポリ(エチレン)グリコール修飾反応に関する指紋法(fingerp
rint)を与えるものであり、この方法をバッチからバッチへの変動を試験す
る場合の品質管理で利用することも可能である。この方法を用いて個々のピーク
面積を測定する(適当なソフトウエアを用いて)ことができることから、この技
術を利用して、また、ポリ(エチレン)グリコール修飾蛋白質の安定性およびポ
リ(エチレン)グリコール修飾過程の時間を監視することができる。いろいろな
粒子サイズで入手可能な市販HICカラム材料を用いてこの仕事を達成する。

0109

本方法に従い、BIRR10を適切な塩溶液(例えば2Mの(NH4)2SO4
、100mMの燐酸塩、pH7.0)に入れてHICカラムに付着させる。この
硫酸アンモニウム濃度を0.9Mの(NH4)2SO4(100mMの燐酸塩、p
H7.0中)にまで降下させる段階的勾配を用いて、最初に、未変性のエンリモ
マブを溶離させる。この塩濃度を更に降下させると[0.5Mの(NH4)2SO
4(100mMの燐酸塩、pH7.0中)]、BIRR10が上記カラムから単
一ピークとして溶離して来る。

0110

BIRR10の純度測定と同定はいろいろな分析方法を用いて実施可能であり
、このような方法には、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲルの還元
物と未還元物を用いた電気泳動(SDS−PAGE)サイズエクスクルージョン
クロマトグラフィー、分析用HIC、毛細管
電気泳動法レーザー分離質量分光測定法、および円二色性が含まれる。還元を
受けさせていないクーマシー(Coomassie)染色SDS−PAGEゲル
光学密度計測走査を行うことにより、各ポリ(エチレン)グリコール修飾種の
相対帯面積を見積もることができる。この手順を用いて、PEGの平均数はBI
RR10分子当たり約5であると推定する。レーザー分離質量分光測定を用いて
上記データを更に確証する。分析用のサイズエクスクルージョンクロマトグラフ
ィーを用いてBIRR10を更に特徴づける。Superdex 200ゲル濾
過カラムの較正を、球状蛋白質標準とエンリモマブとBIRR10を比較するこ
とで行う。エンリモマブは見掛けストークス半径が200kDの蛋白質と一緒に
溶離する一方、BIRR10の見掛けストークス半径は540kDである。5k
DのPEGを5個付加させるとストークス半径が2.6倍大きくなる。

0111

ポリ(エチレン)グリコールで修飾された材料とポリ(エチレン)グリコール
で修飾されなかった材料の混合物にこの上に記述した如き処理を受けさせると、
疎水相互作用クロマトグラフィーで分析して、その調製物には未変性の非ポリ(
エチレン)グリコール修飾材料が全く検出されなかった。
V. ポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体の投与

0112

本発明の抗体分子公知方法に従って調合して薬学的に有用な組成物を生じさ
せることができ、この場合、所望純度の上記材料またはそれの機能的誘導体を生
理学的に受け入れられ得る担体、賦形剤または安定剤と一緒にして混合物の状態
にする。このような材料は使用投薬量および濃度で受容者に無毒である。受容
者が投与に耐えることができるなら
ば、その組成物は「薬理学的に受け入れられ得る」と記述する。投与量が生理学
的に有意量であるならば、上記薬剤が「治療有効量」で投与されたと記述する。
ある薬剤を与えると結果として受容患者の生理が検出可能なほど変化する場合、
その薬剤は生理学的に有意である。

0113

本発明の抗体は、非ICAM−1抗体に関して記述された様式と同じ様式で調
製および投与可能である(Basta,M.他の米国特許第5,171,663
号、Landucci他の米国特許第5,308,626号、Dolesche
l,W他の米国特許第4,880,913号、Curry,W.M.他の米国特
許第4,719,290号、Safai,B.他の米国特許第4,649,11
5号、Uemura,Y他の米国特許第4,692,331号、Kimura,
T.他の米国特許第4,379,086号、Uemura,Y他の米国特許第4
,371,520号、Osther,K.B.の米国特許第5,286,852
号、これらは全部引用することによって本明細書に組み入れられる)。

0114

適切な賦形剤およびそれの組成(他のヒト蛋白質、例えばヒト血清アルブミン
などを包含)は例えばRemington’s Pharmaceutical

0115

Sciences(第16版、Osol,A.編集、Mack、Easton

0116

PA(1980))などに記述されている。貯蔵または投与に適切で薬学的に
受け入れられる組成物を生じさせる目的で、上記組成物に1種以上のポリ(エチ
レン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体種を有効量で含有させる。

0117

本発明の組成物を、好適には、注射による非経口、迅速輸液鼻咽頭吸収(
咽頭内)、皮膚吸収または経口で投与するに適するように調合する。この組成物
は、また、筋肉内もしくは静脈内投与可能である。非
経口投与用組成物には、無菌水溶液もしくは非水性溶液、懸濁液および乳液
含まれる。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリ(エチレン)グリコー
ル、植物油、例えばオリーブ油など、および注射可能有機エステル、例えばオレ
イン酸エチルなどである。組織透過性を高めかつ抗原吸収を向上させる目的で担
体、アジャンクツ(adjuncts)または封鎖性包帯を用いることも可能で
ある。上記組成物には、不活性希釈剤に加えてまた、湿潤剤乳化剤および懸濁
剤など、または甘味剤風味剤着色剤または香料剤などを含めることも可能で
ある。

0118

任意に、他の材料、例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など、低分子量(
残基の数が約10以下)のポリペプチド類、例えばポリアルギニンもしくはトリ
ペプチド類など、蛋白質、例えば血清アルブミンゼラチン、または免疫グロ
リンなど、親水性ポリマー類、例えばポリビニルピロリドンなど、アミノ酸、例
えばグリシン、グルタミン酸アスパラギン酸またはアルギニンなど、単糖類
二糖類および他の炭水化物(これにはセルロースまたはそれの誘導体、グルコ
ス、マンノースまたはデキストリンなどが含まれる)、キレート剤、例えばED
TAなど、そして糖アルコール類、例えばマンニトールまたはソルビトールなど
を加えることも可能である。

0119

本組成物を有効量で与えるに必要な投薬量は、一般に、受容者の年令、状態、
性別、および病気の度合(もしあれば)などの如き要因、そして本分野の通常の
技術者によって調整可能な他の変数に応じて多様である。本発明の組成物の有効
量は多様であり、用量もしくは投薬1回当たり0.01−1,000mg/ml
であってもよいが、より少ない量もより多い量も使用可能である。

0120

治療投与で用いる薬学組成物滅菌は、例えば滅菌用濾過膜(例えば0.2ミ
クロンの膜)に通す濾過などで実施可能である。本組成物は凍結乾燥形態または
液状溶液として貯蔵可能である。

0121

本発明のポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体は、未変性の
抗体に比較して、実質的に向上した血清半減期を示す。従って、これを受容者に
投与すると、その受容者は、ポリ(エチレン)グリコール修飾を受けさせていな
い抗−ICAM−1抗体を投与した場合よりも長期間に渡って抗体を有効濃度
持つことになる。

0122

本発明の抗体は、ICAM−1が仲介する細胞接着によって引き起こされるか
或はそれの影響を受けた炎症を治療する目的で、LFA−1または非ポリ(エチ
レン)グリコール修飾抗−ICAM−1と同じ様式で使用可能である。そのよう
な炎症には、特異的もしくは非特異的防御系の反応が起こる結果として引き起こ
される状態が含まれる。「特異的防御系の反応」は、特異的抗原が存在すること
に対する免疫系の応答である。「非特異的防御系の反応」は、免疫学的記憶能力
を持たない白血球が仲介する応答である。そのような細胞には顆粒球およびマク
ファージが含まれる。

0123

特異的防御系の反応の結果として引き起こされて本発明の抗体を用いて治療可
能な状態には、自己免疫病の結果として引き起こされる炎症、抗原(例えば風疹
ウイルス)に対する応答、T細胞が仲介する遅延型過敏応答[例えばマントー(
Mantaux)試験で試験した時に「陽性」を示す個体で見られる如き]など
が含まれる。非特異的防御系の反応の結果として引き起こされて本発明の抗体を
用いて治療可能な状態には、喘息、敗血症または外傷に対して二次的に起こる成
人の呼吸窮迫症候群
(ARDS)または多発性器官損傷症候群、心筋もしくは他の組織の再潅流損傷
、急性糸球体腎炎、反応性関節炎、急性炎症要素を伴う皮膚症、急性化膿髄膜
炎、または他の中枢神経系炎症障害、火傷、血液透析、白血球搬出、潰瘍性大腸
炎、クローン病壊死性全腸炎、顆粒球輸血関連症候群およびサイトカイン誘発
毒性などの如き状態に関連した炎症が含まれる。

0124

示すように、本発明の修飾抗体を用いて、内皮細胞および他の細胞の表面に配
列しているICAM−1分子を遮断することができる。ICAM−1は、ヒトラ
イノウイルスが結合する細胞レセプタであり、それによってライノウイルスの感
染が始まる(Greve,J.M.他、Cell 56:839−847(19
89)、Staunton,D.E.他、Cell 56:849−853(1
989)、Ohlin,A.他、Antimicrob.Agents Che
mother.、38:1413−1415(1994)、Cassanova
s,J.M.他、J.Virol.、68:5882−5889(1994))
ことから、鼻腔気管および/または肺の内皮細胞にそれを結合させておくと、
ライノウイルスの感染が抑制される。このように、本発明の修飾抗体は、新規な
ライノウイルス感染予防方法を提供するばかりでなく、現存する感染を治療する
(ウイルスにさらされる未感染細胞が感染細胞による感染を受けないようにする
ことで)方法も提供する。

0125

本発明をここに一般的に記述してきたが、特に明記しない限り本発明を制限す
ることを意図するものでない例示として示す下記の実施例を参照することで本発
明がより容易に理解されるであろう。
実施例1
抗−ICAM−1抗体のポリ(エチレン)グリコール修飾

0126

臨床等級のエンリモマブ(enlimomab)はKarl Thomae博
士、GmbIIから入手した。活性化mPEGはShearwater Poly
mers,Inc.(Huntsville,AL)から入手した。これらの実
験で使用したすべてのmPEGは、分子量5kD(cat #M−SPA−55
000)のmPEGプロピオン酸のN−ヒドロキシスクシンイミジル誘導体であ
った。この活性化mPEGはタンパク質上のアミノ基に反応性である。sICA
M−1アフィニティ−カラムを製造するのに使用したクロマトグラフィー樹脂は
、3MからのEmphaze Biosupport Medium AB1で
あった。緩衝液の塩は3M Sciencesからの「超純粋」等級であり、そ
してすべての実験で使用した水は、17MΩ−cm以上の抵抗を有するBarn
stead Nanopure水システムによって製造された。

0127

ポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体エンリモマブは、溶液
またはカラム・ポリ(エチレン)グリコール修飾法のいずれかを使用して製造し
た。溶液ポリ(エチレン)グリコール修飾法の場合、mPEGとエンリモマブと
の複合体は、溶液中で、緩衝水溶液中の種々の比率の活性化mPEGおよびエン
リモマブを混合することによって製造した。反応は、種々の時点で、エンリモマ
ブ上の利用できるアミノ基の50倍モル過剰に、反応混合物にジグリシンを添加
することによって停止させた。反応混入物(例えば、未反応mPEG、ジグリシ
ンなど)は、ダイアフィルトレーションまたは透析のいずれかによって、反応混
合物から除去し、そして緩衝液は、50mMリン酸ナトリウム、100mM塩化
ナトリウム、pH6に交換した。溶液を無菌濾過し、4℃に貯蔵した。

0128

カラム・ポリ(エチレン)グリコール修飾法の場合、sICAM−1アフィ
ティーカラムは、Emphaze活性化クロマトグラフィー樹脂(azacto
ne chemistry)を使用して製造した。sICAM−1を結合緩衝液
(860mM Na3クエン酸塩、100mM NaIICO3、pH8.6)中に
ダイアフィルターし、濃度を約10mg/mlに調節した。次いで、Empha
ze Biosupport Mediumを溶液に添加して、各20mgのs
ICAM−1について1mgの膨潤樹脂を得た。樹脂をsICAM−1溶液中に
渦流で混合し、懸濁液を室温で静かに1時間撹拌した。樹脂を125mmの焼結
グラス濾過管中でPBS(50mMリン酸ナトリウム、100mM NaCl)
、pH6の1等量で10回洗浄することによって、未結合sCAM−1を除去し
た。樹脂を1容積の3Mエタノールアミン(pH9)で2回、最初は30分間、
次いで2時間静かに混合することによって、未反応アズラクトン基消失させた
。次いで、樹脂を1容積の1M NaClで10回洗浄し、次いで1容積のPB
S、pH6で3回洗浄した。樹脂をクロマトグラフィーカラム中に充填し、3カ
ラム容積の貯蔵緩衝液(64mMリン酸ナトリウム、86mM NaCl、2%
(v/v)グリセロール、0.05%ナトリウムアジド、pH6)で洗浄して、
4℃で貯蔵した。sICAM−1のEmphaze樹脂への結合効率を測定する
ために、結合反応からの未結合sICAM−1の量をBCA法を使用して定量し
た。sICAM−1アフィニティーカラムの容量は
、エンリモマブの漏出が観察されるまで、カラムに連続的に通塔することによっ
て測定した。

0129

sICAM−1アフィニティーカラムを、5カラム容積のPBS、pH7.5
で平衡させ、そしてカラムに容量までエンリモマブ(PBS中2−5mg/ml
、pH7.5)を通塔した。活性化SPA−PBG(5kD)の溶液を1カラム
容積のPBD、pH7.5中に製造した。mPEG溶液は、sICAM−1カラ
ム中に通塔したエンリモマブのmg毎に1mgのmPEGを含有した。mPEG
溶液を室温で1時間sICAM−1カラムに再循環させ、そしてカラムを5容積
の平衡懸賞液で洗浄することによって除去した。次いで、mPEG−エンリモマ
ブは、2カラム容積の100mMグリシン、pH2.72で溶出され次いで1M

0130

Tris−塩基で中和されるか、或いは2カラム容積の100mM炭酸ナトリ
ウム(pH11)で溶出され次いで1Mリン酸ナトリウム(pH4.5)で中和
される。

0131

エンリモマブをPEGで修飾する実験は、カルボキシメチル化PEG5000
MW(SCM−PEG)のスクシンイミジルエステルまたはスクシンイミジルプ
ロピオン酸エステル(SPA−PEG)を使用して行った。エンリモマブはまた
、これらの2種の誘導体の20,000MW類似物を使用して誘導体化した。こ
れらおよび他の結合化学はまた、5000MW、20,000MWおよび40,
000MWでも試行した。

0132

乾燥量されたmPEG誘導体を抗体の溶液と短時間4℃で反応させることに
よって、エンリモマブモノクローナル抗体をSPAおよびSCM誘導体で修飾し
た。反応溶液のpHは、6.0−8.0のpH範囲
の低イオン性強度リン酸緩衝液で維持した。高pHでの反応は50mmホウ酸
液中で行った。タンパク質のmPEGに対する比率は10:1〜1:10の範
囲内であった。従って、幾つかの例では、リジンが過剰であり、mPEGを限界
試薬になった(そして低い程度の修飾を起こした)。m−PEGが過剰である他
極限では、リジンが限界的であった(そして高い程度の修飾が起った)。エン
リモマブタンパク質溶液の濃度は1mg/ml〜10mg/mlの範囲内であっ
た。SPA誘導体を含む反応を過剰の濃厚ジグリシンで停止させ、他方短い半減
期のためにSCM反応を停止させる必要は無かった。過剰で未反応のPEGは、
Amicon30kDまたは100kDセントリプレップ装置を使用して少なく
とも3xダイアフィルトレートした。
実施例2
ポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体の精製のための分析方法

0133

ポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体の精製のための分析方
法を開発した。この努力の目的は2重であった:(1)ものクローアンル抗体エ
ンリモマブのポリ(エチレン)グリコール修飾試料の迅速特性決定を可能にする
疎水性相互作用クロマトグラフィー法を開発すること;(2)PEG修飾タンパ
ク質を精製する一般的方法を提供すること。クロマトグラフィー試験は、数種の
市販のHICカラム:Synchropak(Synchrom Inc.,L
afayette,INから購入)、Hydropore HICカラム(Ra
inin Instrumont Co.,Emeryville,CAから購
入)、またはBio−Gel TSKフェニル−5−PW(Bio−R
ad,Herculcs,CAから購入)を使用して行った。

0134

一連のエンリモマブポリ(エチレン)グリコール修飾誘導体は、各HICカラ
ムを評価するのに使用した。これらの複合体は、ポリ(エチレン)グリコール修
飾の程度、結合の化学および結合操作法で使用されたPEG誘導体の分子量によ
って変わる。誘導体は、他の技法で決定されてまだ35%もの残留未変性抗体を
有する混合物から、未変性のものが無くそして抗体当たり30PEG−5000
単位をも持つポリ(エチレン)グルコール修飾種を有する混合物までの範囲内に
亙る。試料組成物のこの広い範囲によって、各カラムの分離能力を完全に評価す
ることができる。

0135

分析HICは、多重波長検出器1050、高テックピストン洗浄システムを持
四次ポンプ、自動インゼクター、100μlインゼクターループ(2.0ml
のプレプループも)よりなるHewlett−Packard1050システム
で行った。タンパク質濃度は、280nmのUV吸収を追跡することによって監
視した。データ貯蔵は、Vectra486/33Mパーソナルコンピュター
でHP Chemstationソフトウエアーで行った。クロマトグラムはH
P Deskjet Plusプリンタープリトし、記録のためにハードドラ
イブ上に貯蔵した。ポリ(エチレン)グルコール修飾生成物の性質は電気泳動法
で決定した。電気泳動法は、NovcwシステムおよびPharmacia P
hastsystemの両方を使用して行った。非還元SDS−PAGEは以下
の種類および組成物であった。Phastgel、4〜15%勾配は、Phar
macia Phastsystem上で、1μl試料を適用して行った。タン
パク質濃度は1〜10mg/mlの
範囲内で変わった。

0136

予備実験は、低い塩濃度のアイクラテックHICHPLCシステムを使用
して行った。これらの実験は、未変性のMab並びにポリ(エチレン)グリコー
ル修飾エンリモマブ試料の相対疎水性の初期スクリーンとして働いた。幾つかの
カラム/試料の組合せで多重ピーク分離が見られたが、一つのカラム化学が他よ
りも有利である傾向は現れなかった。それ故、勾配HPLC法が開発された。

0137

疎水性相互作用カラムの初期検査は、100mMリン酸塩pH7.0中の2M
硫酸アンモニウムから100mMリン酸塩pH7.0中の0M硫酸アンモニウム
の極めて単純逆塩勾配を使用して行った。勾配は10カラム容積で行った;すべ
てのカラムは、4.6×100mm(1.66ml)であって、例外は7.5×
75mm(3.3ml)またはそれより大きい形式だけで入手できるフェニル−
5−PWカラムであって;流速は1.0ml/分であった。

0138

Synchropakヒドロキシ−プロピルHIC樹脂を最初に評価した。塩
およびポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブのクロマトグラムを、単純
勾配条件(0〜100%Bから15分)下で得た。これらの試料は、SEC、S
DS−PAGEおよびTNBS検定法遊離アミン数を決定する)に基づいて、
軽度から適度までの範囲内のポリ(エチレン)グルコール修飾に分類される。未
変性含有量は、HPLCSECおよび非還元SDS−PAGEの組合せから推
定して、5%以下から35%までの範囲内に亙る。これらの試料はいずれもが、
未変性のポリ(エチレン)グリコール修飾種からの分離の程度を示さなかった。
しかし、各種試料について、ピーク形状中に顕著な差異があった。

0139

数種のもっと高度にポリ(エチレン)グリコール修飾された試料を、Sync
hropakヒドロキシプロピル・カラム上で同一の単純勾配を使用してクロマ
トグラフィーにかけた。SPA−20KD反応混合物の試料は2つのピーク、未
変性エンリモマブに分解し、そして長い保持時間の第二ピーク、従ってさらに疎
水性種が分離する。しかし、この試料のHPLC−SECクロマトグラムを検討
した結果、このさらに疎水性の種は極めて高度にポリ(エチレン)グリコール修
飾されたエンリモマブの小さい亜種を表した。20KDポリ(エチレン)グリコ
ール修飾エンリモマブの大部分は、ヒドロロキシプロピルカラム上で未変性非修
飾抗体から分離されなかった。極めて高度にポリ(エチレン)グリコール修飾さ
れた他の2種の試料(それぞれ1:5および1:10比のエンリモマブ:PEG
)は、PEG比が増加すると共に、さらに長い保持時間の単一種の方へのシフト
を示した。しかし、これらの高度ポリ(エチレン)グリコール修飾試料中の残留
未変性エンリモマブはまだ分離しなかった。軽度なら適度までのポリ(エチレン
)グリコール修飾エンリモマブのクロマトグラフィーで得られた結果は、未変性
およびポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブ種の間の分離が達成され得
ると言う証明を提供した。

0140

ポリ(エチレン)グリコール修飾付加物から未変性エンリモマブを分離するの
を促進する試みにおいて、少しさらに疎水性のリガンドを使用した。Synch
ropakメチルHICカラムを使用して、以前のクロマトグラフィー実験を幾
つかを反復した。今回は、適度のポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブ
誘導体(5:1重量/重量比)だけをクロマトグラフィーにかけた。このカラム
リガンドは、勾配を30分
(約20カラム容積に同価である)に延長した場合でも、未変性抗体をそのポリ
(エチレン)グリコール修飾誘導体から分離できなかった。20カラム容積の勾
配を用いて、達成され得る最良は、ポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマ
ブ試料のクロマトグラム中の肩の初めであった。ヒドロキシプロピルからメチル
へのリガンド疎水性の増加によっては、未変性とポリ(エチレン)グリコール修
飾エンリモマブ種との間の分離を改善することはできなかった。Synchro
mシリーズ、プロピル中で、既存のリガンドよりも少しさらに疎水性である次の
リガンドを以前と同一の試料セットで試験した場合、同様の結果を得た。

0141

Synchromシリーズ、ペンチル中の最後のアルキル鎖のリガンドも、他
のカラムで使用したのと同様の方式で試験したが、余りにも疎水性であって、勾
配の終点においてさえエンリモマブが解放されることが分かった。このクロマト
グラフィー実験では、未変性エンリモマブ抗体は、100%B緩衝液(100m
Mリン酸緩衝液、pH4.5)でも溶出されなかった。事実、ペンチルカラムか
らエンリモマブを溶出するためには、塩が無添加の水を使用することが必要であ
った。

0142

アルキル鎖シリーズ中のますますさらに疎水性のリガンドは分離に正の効果を
有しないから、異なった種類の化学、フェニルを検討した。フェニル基は、サイ
ズに基づいて、プロピル基とほぼ同程度に疎水性であるが、そのフェニル環によ
ってpi−pi相互作用の高い性質を有する。BioRadフェニル5−PWカ
ラム(7.5×75mm、3.3mlカラム容積)を利用する勾配HIC−HP
LC法の開発を行った。クロマトグラフィー勾配運転を、フェニルカラム上で、
標準15分線形逆塩勾配(5カラム容積)および30分線形勾配(10カラム容
積)の両
方を使用して行った。5から有無容積勾配は、ポリ(エチレン)グリコール修飾
種から未変性エンリモマブを適切に分離するのに十分ではなかったが、種々の試
料の不均質性がフェニルカラムを使用してで示された。10カラム容積勾配を用
いると、未変性エンリモマブおよびポリ(エチレン)グリコール修飾種の分離に
よっておよび多重PEG−エンリモマブ付加物の分離から明示されるように、ク
ロマトグラフィー分解に顕著な改善があった。フェニルリガンドを使用するHI
Cは、エンリモマプのポリ(エチレン)グリコール修飾試料中の幾らかの不均質
性を明らかにすることができる。このカラムは、それがエンリモマブのポリ(エ
チレン)グリコール修飾形態から未変性エンリモマブを分離する能力において、
大きい潜在性を示した。アルキルリガンドシリーズからフェニルへの変化によっ
て、ポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブ試料の不均質性を明らかにす
るのに十分な選択性が提供された。

0143

さらに独特疎水性樹脂HIC法を行った場合、さらに良好な選択制および分
離性が得られた。この方法は、軽い疎水性のみであるRaininハイドロ多孔
性(hydoropore)カラムを使用した。ハイドロ多孔性カラムは偶然
も、その疎水性リガンドのようなPEGを有する。PEGを取り込む2相システ
ム中に見られた相互作用の機構クロマトグラフィー的分離において真であり、
そしてこのリガンドを使用すると、未変性タンパク質をPEG修飾タンパク質が
ら分離することができると考えられる。初期のクロマトグラフィー実験は、同一
の試料を使用する他のHICカラム上で使用したものと同一の条件下で行った。
軽度から適度までのポリ(エチレン)グリコール修飾された試料の幾つかからの
クロマトグラムは、試料の大多数について、保持時間のシフト
(疎水性の増加の方に)を示し;最も修飾度の低い試料プールは、未変性種およ
び明らかに2種の異なったPEG修飾種であるものとの間の相当な分離性を示す
。この試料を他のHICカラム上で試験した場合、分離は全く検出されず、未変
性抗体に関する保持時間のいずれの相当な変化も確認されなかった。従って、P
EG修飾付加物からの未変性エンリモマブの或る程度の分離は、このカラム上で
達成された。

0144

適度にポリ(エチレン)グリコール修飾されている試料の場合、未変性エンリ
モマブは、ハイドロ多孔性HICカラム上のこのクロマトグラフィー技術によっ
て全く検出されなかった。しかし、溶出種の保持時間は、未変性エンリモマブよ
りの2分長くなった。

0145

さらにもっと高度にポリ(エチレン)グリコール修飾された試料がハイドロ多
孔性HICカラムシステムを使用して試験された場合、未変性エンリモマブに関
するPEG誘導体の保持挙動に劇的な変化があった。エンリモマブのさらに高度
にポリ(エチレン)グリコール修飾された種、例えば、SCM−5KD1:10
ポリ(エチレン)グリコール修飾種を用いると、保持時間は3分または2カラム
容積増加し、そしてクロマトグラフィーピークは、修飾度の低い試料に関して鮮
明になった。15分、10カラム容積勾配では、これは400mMの溶出塩の差
異に達し、そしてポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブおよび未変性抗
体の間の疎水性の巨大な変化を示した。

0146

SPA−20KD反応混合物は、20KDの単一PEG鎖がエンリモマブに結
合する場合対5KDの多重鎖の場合との疎水性の差異を示す。未変性および20
KDポリ(エチレン)グリコール修飾種との間の基線分離を用いて、残留未修飾
エンリモマブの定量は簡単になった。SDS
−PAGEゲルおよび20KD試料SECクロマトグラムはこれらの結果を確証
した。ヒドロキシプロピルカラム上で既に見られた分離は、未変性エンリモマブ
および1〜20KDのPEG−エンリモマブは疎水性で同価であり(それらは共
溶出するから)そして10.29分の保持時間の第二ピークは2−PEG誘導体
であることを示した。

0147

種々の試料について、ポリ(エチレン)グリコール修飾付加物から未変性エン
リモマブを分離するのにハイドロ多孔性HICカラムを使用する効果を示したが
、方法の限界を決定するために、さらに詳細な研究を行った。低い末端の10:
1から極めて高い末端の1:1まで変化する比率で、軽度から極めて重度までの
範囲内に亙って修飾された一連のSCM−5000のエンリモマブ誘導体を製造
した。これらの試料中の残留未変性エンリモマブを定量する際のハイドロ多孔性
HICの結具を表1に示す。未変性エンリモマブを、予備レンジング試験に基づ
いて、1%未満の水準でおよび40%を以上の水準で検出することが可能である

0148

ハイドロ多孔性カラムを使用する上記のHIC分析によって、反応中に残留す
る未変性エンリモマブのパーセントを、反応混合物中のPEG/エンリモマブの
比の関数として決定することができる。SCM−5000シリーズからの選択さ
れたクロマトグラムを得た。これらのクロマトグラムは、未変性エンリモマブの
ポリ(エチレン)グリコール修飾の増加する程度の関数として見られたクロマト
グラフィー中の変化を説明する。最も少なくポリ(エチレン)グリコール修飾さ
れた試料、SCM−5000 10:1では41.2%の未変性エンリモマブが
残留し、そしてポリ(エチレン)グリコール修飾種は主として、第二のポリ(エ
チレン)グリコール修飾種を暗示する肩を持つ、高い疎水性の単一主要ピークと
して見られた。ピークの同定のための確証的証拠は、非還元SDS−PAGEか
ら得た。SCM−5000 10:1試料は、かかるSDS−PAGE中で、未
変性エンリモマブ、主要な1−PEG種および少量の2−PEG種に分離した。
SCM−5000シリーズからの他の数種の試料も同一の方法で電気泳動して、
非還元SDS−PAGEゲルの電気泳動およびハイドロ多孔性HICクロマトグ
ラフィーとの間の対応する相関を得た。これらの結果は、上記のクロマトグラフ
ィー技術が、ポリ(エチレン)グリコール修飾種試料中の未変性エンリモマブの
%を決定するのに有用であることが示している。

0149

ハイドロポアHICカラムは現在12μmの粒子ザイズのものと5μmの粒子
ザイズのものが利用可能である。一般に、粒子サイズの減少の関数としてバック
プレッシャーの増大が期待される。これは、モデルとして小さい分子を使用する
逆相(reverse phase)HPLCシステムにおいて正しい。しかし
、粒子サイズの関数としてのタンパク質の分離に関しては、分離能の増強はあま
り大きくない。かくして、粒子サィズを12μmから5μmにすることにより、
HIC分離能の著しい改良は期待することはできない、そして、このことは、ハ
イドロポアHICパッキング材料においても妥当する。このあまり大きくない改
良は未変性エンリモマブ(enlimomab)及び1−PEG種のみならず、
個々の1−PEG、2−PEG、3−PEG等の種間の分離に関しても、見られ
る。一般的傾向は概して粒子サィズを12μmから5μmにすることにより、ピ
ークの鋭さが増す。これはより粒子サイズの小さいカラムでは理論的プレート
カウントが増加するためである。

0150

この方法の開発に使われた初期の実験は12μmの粒子を使用して行われ、S
CM−5000ポリ(エチレン)グリコールー修飾シリーズの5μm粒子カラム
により実験が繰り返された。未変性エンリモマブのポリ(エチレン)グリコール
修飾種からの改善された分離により通常の分析用サンプルのために5μmの粒子
カラムが採用された。この技術は、ポリ(エチレン)グリコール修飾反応におけ
る不均質性の再現可能性のための分布の測定のためにそして安定性指示法(st
ability indicating method)として有用である。ポ
リ(エチ
レン)グリコール修飾化学、PEG誘導体の分子量及びポリ(エチレン)グリコ
ール修飾誘導体に対する天然タンパク質の疎水性によって、12μmの粒子の材
料を使用した多くの場合においても同一の結果を得ることが可能である。5μm
粒子のハイドロポアカラムは、12μm粒子よりもより大きい分解能を達成する
ことができるが、スケールアップの重要なファクターである、バックプレッシャ
ーを十分に下げることにより12μmの粒子でも十分な分離が得られる。

0151

ポリ(エチレン)グリコール修飾種から未変性タンパク質を分離する、本技術
の応用例の1つとして、他の抗体のFabへカップリング(coupling)
したAld−5000PEG誘導体を用いてポリ(エチレン)グリコール修飾反
応の時間経過モニターすることがある。該反応は24時間にわたって追跡され
る。Fabはエンリモマブよりも疎水性でない。即ち、Fabは、7.14分で
溶出するのに対して、後者は、9.54分かかる(15分、線形勾配)。そして
単一の5000MW PEGが装着されたポリ(エチレン)グリコール修飾Fa
bは、9.70分で溶出する未変性分子よりも相当強い疎水性である。この場合
、1−PEG−Fab種は未変性Fabから容易に分離され、天然タンパク質の
残渣の量は、分離の基準線とされる。しかし、基準線の分離は未変性エンリモマ
ブとポリ(エチレン)グリコール修飾種のと中間で達成されないため、精製に使
用するための方法として評価する前に、この状況を補正するために、本来の勾配
に対して改良が行われた。

0152

おおよそ10カラム量である、12μmの粒子サイズのハイドロポアの4.6
x100mmのカラム上の15分間の直線の勾配でスタートして、その勾配を3
0分間又は約20カラム量延長し、そして次にSCM
−5000 5:1調製物を試験混合物として充填したカラムに60分間又は4
0カラム量延長する。一日に60分間の勾配を複数のサンプルを分析する方法は
、実際的ではないが、そのような勾配が未変性エンリモマブとポリ(エチレン)
グリコール種との間の分離を改善する簡単な方法を提示した。改善された分解能
と効率との妥協として30分間の勾配が50%Bから出発して線形に100%B
まで変化する実験が行われた。未変性エンリモマブのポリ(エチレン)グリコー
ル修飾種からの分離は、60分間の勾配のものとほぼ同じであり、30分間実験
時間が短縮された。この改良されたより高分解の方法によりエンリモマブ−PE
G反応混合物はそれぞれ1−PEG、2−PEG、3−PEG他の種に分けられ
る。これらの均一なポリ(エチレン)グリコール修飾付加物はその結合活性につ
いて、比較の特定ELISA(未変性エンリモマブに対する)を用いて、SEC
、非減少及び減少SDSPAGEにより完全に分析され、純度を決定するために
ハイドロポアHIC上でレクロマトグラフ化(rechromatograph
ed)された。

0153

実施例1の粗mPEG−エンリモマブ混合物中に存在する未変性(非ポリ(エ
チレン)グリコール修飾)材料はmPEG−エンリモマブ調製物から疎水性相互
作用技術により除去され、それによりモノクローナル抗体エンリモマブの迅速な
特性決定が可能となりそしてこのような修飾されたタンパク質の一般的な方法が
提供される。

0154

ハイドロポアリガンドの独特な特性により未変性エンリモマブをポリ(エチレ
ン)グリコール修飾エンリモマブから分離できるばかりでなく、付着するポリ(
エチレン)グリコール単位の数の異なる個々のポリ(エチレン)グリコール修飾
種の分別も可能となる。この高分解技術は未変
性エンリモマブをポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブから分離するの
みならずさらなる特性決定のために個々の種をさらに分別するために使用するこ
とができる。ハイドロポアはポリ(エチレン)グリコール修飾プロセスを特定す
るために、未変性、1−PEG、2−PEG、3−PEG他の種の定量のために
そしてより大きい規模(500mgまで)でのポリ(エチレン)グリコール修飾
エンリモマブの精製のために分析的に使用することができる。

0155

高度にポリ(エチレン)グリコールで修飾されたサンプルは、クロマトグラム
及びエレクトロフェログラムにより決定されるように、未変性PEGの残部を含
まない。ポリ(エチレン)グリコール修飾サンプル中の未変性抗体を定量するこ
とが可能であることに加えてポリ(エチレン)グリコール修飾反応の特性評価
する方法が提供されそしてバッチによる変化(batch−to−batch
variability)をコントロールするためのクオリテイーコントロール
に使用することができる。HPケムステーションソフトウエア(HP chem
station software)を使用して個々のピークの面積を決定する
ことができることからポリ(エチレン)グリコール修飾タンパク質の安定性をモ
ニターしたり、経時的にポリ(エチレン)グリコール修飾反応の進行をモニター
すること等ができる。この方法の重要な用途の一つに調製物中に残った非ポリ(
エチレン)グリコール修飾タンパク質のパーセントを決定するための使用がある
。これにより、小さいタンパク質の半減期を増大させ又天然タンパク質の免疫原
性を減少させるというポリ(エチレン)グリコール修飾の目的のための免疫原性
試験(immunog enicity trials)又は薬物動態学的研究
のいずれかに実
際に使用できる可能性を残す。一旦ポリ(エチレン)グリコール修飾調製物中に
天然タンパク質が残っていることが決定されれば、次にポリ(エチレン)グリコ
ール修飾調製物から天然タンパク質を除去することが可能となる。これもまた同
一のハイドロポアHICカラムを使用することにより可能となろう。
実施例3
ポリ(エチレン)グリコール修飾抗−ICAM−1抗体の精製のための調製方法

0156

カラムモジユールの設計により、分析レベルから調製規模のレベルにHIC法
の規模を拡大することは容易である。従って、例えば4.6x100mmカラム
で分析方法を開発したら21.4x100mmカラムに容易に移行することが可
能であり、それにより数百mgの精製が、一回のクロマトグラフ実験で可能であ
る。初期の精製実験が10.0x1000mmのカラムを使用して行われた。

0157

下記の構成のクロマトグラフシステムにより大規模の精製が行われる。2個の
ウオータース(Waters)590ポンプ、1個のウオータース(Water
s)680勾配(グラジエントコントローラー、そして1個のクラトス(Kr
atos)773マルチ波長デイテクター。サンプルは、レオジン(Rheod
yne)9125 6口インジェクションバルブを使用し、5.0又は20ml
のピークループのどちらかを使用して注入された。クロマトグラフのデータは、
当研究所の自動実験システム(LAS)にリンクしたA−Dを通じて収集された
。表2は、スケールアップのパラメータを示す。

0158

勾配の適当な場所に定組成保持段階を組み込むことによりより、天然抗体と
PEG誘導体種との間の分離をより高い度合いでおこなうことが可能である。ち
ょうど勾配中の(50%バッファーB)の地点で未変性エンリモマブが溶出し始
め、これらの条件はもう2カラム維持された後、100%バッファーBまでその
勾配が続いた。この分離は、未変性抗体に対応するバンドが実際にに存在しない
非減少(non−reducing)SDS−PAGEに示される。

0159

ポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブを精製するために、カラムプロ
セスにより調製された粗mPEG−エンリモマブ反応混合物を2M硫酸アンモ
ア、100mMのフォスフェート、pH6、そして、2Mから0.5Mの段階的
な勾配の0.5M硫酸アンモニア中のHICカラムに適用される。この未変性エ
ンリモマブは、はじめ硫酸アンモニア濃度が0.9Mに近づくにつれて溶出し、
そして、ポリ(エチレン)グリコール修飾抗体誘導体はその後の溶出部分として
溶出する。
実施例4
ポリ(エチエン)グリコール修飾エンリモマブの精製

0160

数回の溶出の溶離液をプールし、15mg/mlに濃縮した。次に、この未精
製のプールを、分取スーパーデックス(Superdex)200サイズ排除ク
ロマトグラフィーカラムに添加した。現れた単一の広いピークを、両方の末端、
すなわち、大量にポリ(エチレン)グリコール修飾されたエンリモマブを含んで
いる前の末端、及ぴわずかにポリ(エチレン)グリコール修飾されたそして天然
のエンリモマブを含んでいる後部を除くために分取した。

0161

ポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブの精製のためのHIC樹脂を評
価する場合、予想される最終規模を考慮しなければならない。理想的な樹脂は、
強い機械保全性及ぴ化学的耐性を示し、十分なタンパク質容量を有し、そして
研究室規模の精製において用いられるシリカに基づく物質に匹敵する選択性を提
供することに加えて、中−低圧精製技術及び装置に適用できる形態において市販
されている。

0162

Poros HP、PH、PE、BU、及びETは、Perfusion C
hromatographyモードにおけるペプチド、タンパク質、及び他の生
体分子の疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)のために考案されたポリ
マー充填剤である。これらの充填剤は、非常に速い物質輸送のための特徴的な二
様式の細孔サイズ分布を有する架橋したポリスチレンジビニルベンゼンflo
w−through粒子から成る。これらの粒子は、架橋しているポリヒドロキ
シル化ポリマーで被覆された面である。この被覆を、フェニル基(POROS
HP及びPH)、フェニルエーテル基(POROS PE)、ブチル基(POR

S BU)、またはエーテル基(POROS ET)でさらに機能的なものにする

0163

Poros HIC樹脂の全てが所望される特性にかなうけれども、Poro
s 50μ樹脂が、市販されているので、好ましい。ポリ(エチレン)グリコー
ル修飾エンリモマブの調製を用いて、この樹脂を、ポリ(エチレン)グリコール
修飾エンリモマブから天然のエンリモマブを分離する能力に関して試験した。

0164

最初の実験は、ポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブ調製物の100
μlサンプルの、BioCad 60ワークステーションを用いた4.6 x 1
00mm分析Poros PE HIC上へ直接注入に関した。Poros PE
樹脂の選択性を試験するために、2M−5M硫酸アンモニウムからの単一の10
カラム容量の直線的な逆の塩濃度勾配(100mMリン酸塩、pH 6.0バッ
グラウンド)を用いた。これらのクロマトグラフィー条件の下で、多数のピー
クが観察される場合、BioCadワークステーションの大きい能力を利用して
方法の最適化を達成することができる。一般的なBioCadパラメーターを以
下の表3に略述する。

0165

BioCadバッファーを、100mMリン酸ナトリウム、pH 6.0、2
M硫酸アンモニウムの開始条件でpHモードにおいてコンフィギュレーション
行う。勾配を、10カラム容量にわたって直線的に2M硫
アンモニウムから0.5Mまで変化するようにプログラムした。100mMリ
酸塩、pH 6.0は、クロマトグラフィー溶出の間中一定である。クロマト
グラムは、単一の10カラム容量の濃度勾配の結果として2つのピークを示した
。このことは、樹脂Poros PEのポリ(エチレン)グリコール修飾エンリ
モマブから天然のエンリモマブを分離する能力における選択性を示す。この単一
の濃度勾配を用いて、多数のクロマトグラフィー溶出を行い、ピーク1及ぴピー
ク2の分画を集め、分析した。この分析は、ピーク1が天然のエンリモマブを含
んでなり、一方、ピーク2がポリ(エチレン)グリコール修飾エンリモマブ種を
含んでなることを示した。さらなる方法の開発は、PEGnエンリモマブ付加物
の混合物からの天然のエンリモマブのベースライン解像度を改善する方法をもた
らした。

0166

最適化したHIC法は、PEGn−エンリモマブ付加物から天然の非ポリ(エ
チレン)グリコール修飾エンリモマブの最大限の分離を可能にする塩濃度に定め
られたアイソクラチック保持工程を有する2つの異なる濃度勾配に関する。この
方法は、以下の工程、
1.カラムの平衡化
2.サンプル調製物の添加
3.平衡化バッファーでのカラムの洗浄
4.5カラム容量での勾配I 2M−0.9M(NH4)2SO4
5.10カラム容量の間0.9M保持
6.2カラム容量での勾配II 0.9M−0.5M(NH4)2
SO4
7.5カラム容量の間0.5M保持
8.平衡化バッファーへの勾配の変更
を含んでなる。

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