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技術 ステレオ増強システム

出願人 エスアールエス・ラブズ・インコーポレーテッド
発明者 クレイマン、アーノルド・アイ
出願日 1996年4月26日 (22年8ヶ月経過) 出願番号 1996-532749
公開日 1999年4月20日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 1999-504478
状態 特許登録済
技術分野 ステレオ方式
主要キーワード 能動増幅器 近接システム 中央ステージ 受動回路部品 レンジ周波数 周囲信号 反転端 最終組立て
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年4月20日)のものです。
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図面 (5)

課題・解決手段

1対の左右の入力信号から生成された差信号成分を処理して、1対のスピーカまたはサラウンド音システムを通して再生される広がったステレオ像を生成するステレオ増強システム。差信号成分の処理は、聴覚周波数の低いおよび高い範囲の増幅により特徴付けられた等化を通してなされる。処理された差信号は、左右の入力信号から生成された和信号と、元の左右の入力信号と結合され、増強された左右の出力信号が生成される。

概要

背景

概要

1対の左右の入力信号から生成された差信号成分を処理して、1対のスピーカまたはサラウンド音システムを通して再生される広がったステレオ像を生成するステレオ増強システム。差信号成分の処理は、聴覚周波数の低いおよび高い範囲の増幅により特徴付けられた等化を通してなされる。処理された差信号は、左右の入力信号から生成された和信号と、元の左右の入力信号と結合され、増強された左右の出力信号が生成される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

1対の左右のオーディオステレオ信号を増強するシステムにおいて、第1のカットオフ周波数を有し、前記左右のステレオ信号を受けて、減少した低音情報を有する修正された左右のステレオ信号を供給する第1のハイパスフィルタと、前記修正された左右のステレオ信号の差を表している周囲信号情報を分離する第1の手段と、前記左右のステレオ信号の和を表しているモノラル信号情報を分離する第2の手段と、前記第1のカットオフ周波数よりも高い第2のカットオフ周波数を有し、前記周囲信号情報に作用して第1の修正された信号を供給する第2のハイパスフィルタと、前記第1のカットオフ周波数よりも高くかつ前記第2のカットオフ周波数よりも低い第3のカットオフ周波数を有し、前記周囲信号情報に作用して第2の修正された信号を供給するローパスフィルタと、前記第1の修正された信号と前記第2の修正された信号と前記モノラル信号情報と前記左信号とを結合して増強されたステレオ出力信号を供給する第3の手段と、前記第1の修正された信号と前記第2の修正された信号と前記モノラル信号情報と前記右信号とを結合して増強されたステレオ右出力信号を供給する第4の手段とを具備するオーディオステレオ信号を増強するシステム。

請求項2

前記第1の手段が、前記左右のステレオ信号を結合して前記周囲信号情報を分離する差動増幅器として構成されている演算増幅器を備えている請求項1記載の増強システム

請求項3

前記第1の手段が、前記左ステレオ信号と前記和信号とを結合して前記周囲信号情報を分離する反転増幅器として構成されている演算増幅器を備えている請求項1記載の増強システム。

請求項4

前記第1のハイパスフィルタの前記第1のカットオフ周波数が125から200Hzの範囲内にあり、前記第2のハイパスフィルタの前記第2のカットオフ周波数が5.6から8.4KHzの範囲内にあり、前記ローパスフィルタの前記第3のカットオフ周波数が160から240Hzの範囲内にある請求項1記載の増強システム。

請求項5

実質的にすべての可聴周波数ベルにわたって前記周囲信号情報を減衰させる減衰手段をさらに具備し、前記減衰手段は前記第3および第4の手段に接続され、前記減衰された周囲信号情報を含む前記左右の増強された出力信号を供給する請求項1記載の増強システム。

請求項6

前記周囲信号情報のレベルを手動的に調整する手段をさらに具備している請求項1記載の増強システム。

請求項7

前記第1、第2、第3および第4の手段が演算増幅器であり、前記ローパスフィルタと前記第1および第2のハイパスフィルタが受動回路部品を含む1次RCフィルタである請求項1記載の増強システム。

請求項8

前記増強システムが集積回路として形成されたオーディオ信号プロセッサ内においてデジタルフォーマットで実現される請求項1記載の増強システム。

請求項9

前記左右のステレオ信号がモノラルオーディオ信号源から合成的に生成される請求項1記載の増強システム。

請求項10

前記左右のステレオ信号がオーディオ・ビジュアル複合信号の1部である請求項1記載の増強システム。

請求項11

1対のラウドスピーカを通して再生される左右のステレオ信号からより広いステレオ像を生成するオーディオ増強システムにおいて、前記左右の信号を受け、前記左右の信号間の差を表している差信号を供給する第1の増幅器と、前記左右の信号を受け、前記左右の信号の和を表している和信号を供給する第2の増幅器と、前記第1の増幅器から前記差信号を受けるローパスフィルタと、前記第1の増幅器から前記差信号を受けるハイパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力と前記ハイパスフィルタの出力とに接続された第1の入力を有し、前記左のステレオ信号と前記和信号とに接続された第2の入力を有し、前記ローパスフィルタの出力と前記ハイパスフィルタの出力と前記左信号と前記和信号とを結合させて左の複合出力信号を発生させる第3の増幅器と、前記ローパスフィルタの出力と前記ハイパスフィルタの出力と前記右信号と前記和信号とを受け、前記ローパスフィルタの出力と前記ハイパスフィルタの出力と前記右信号と前記和信号とを結合させて右の複合出力信号を発生させる第4の増幅器とを具備するオーディオ増強システム。

請求項12

前記第1、第2、第3および第4の増幅器が演算増幅器である請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項13

前記演算増幅器が半導体基板上に形成される請求項12記載のオーディオ増強システム。

請求項14

前記オーディオ増強システムがデジタル信号プロセッサによりデジタルフォーマットで実現される請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項15

実質的に可聴周波数スペクトルにわたって固定された量だけ前記差信号を減衰させる減衰器をさらに具備し、前記第3および第4の増幅器が前記減衰された差信号を入力し、前記左右の複合出力信号が前記減衰された差信号を含む請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項16

前記第1の増幅器の出力と前記ローパスフィルタと前記ハイパスフィルタとの間に接続され、前記ローパスフィルタとハイパスフィルタとに供給される差信号のレベルを調整するポテンショメータをさらに具備している請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項17

前記左信号と前記第1の増幅器との間に接続された第1の低音フィルタと、前記右信号と前記第1の増幅器との間に接続された第2の低音フィルタとをさらに具備し、前記第1および第2の低音フィルタが前記左右の信号の非常に低い周波数成分を減衰させる請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項18

前記第1および第2の低音フィルタが125から200Hzの範囲内にカットオフ周波数を有する請求項17記載のオーディオ増強システム。

請求項19

前記ローパスフィルタが160Hzから240Hzの範囲内にカットオフ周波数を有し、前記ハイパスフィルタが5.6KHzから8.4KHzの範囲内にカットオフ周波数を有する請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項20

前記オーディオ増強システムが、わずか4個の能動増幅器とわずか4個のキャパシタとわずか30個の抵抗とを含む請求項11記載のオーディオ増強システム。

請求項21

左右の入力信号がステレオ増強システムにより修正され、電気音響変換器により音に変換されてオーディオ像が生成され、前記左右の入力信号に存在するステレオ情報の量が前記左右のステレオ信号間の差に等しい差信号により表され、前記左右の入力信号に存在する中央ステージ情報の量が前記左右のステレオ信号の和に等しい和信号により表される、左右の入力信号として表される1対のステレオ信号からより広いステレオ像を生成するステレオ増強システムにおいて、前記ステレオ情報の周波数応答を修正して、最大利得最小利得により特徴付けられる処理されたステレオ情報を生成する回路を具備し、前記処理されたステレオ情報の前記利得が前記処理されたステレオ情報の周波数成分に関して変化し、前記回路が、前記最大利得に対して、前記ステレオ情報に存在する低音オーディオ成分を減衰させる第1のオーディオフィルタと、前記最大利得に対して、人間のが増加した感度を持つ周波数に対応している前記ステレオ情報のオーディオ周波数ミッドレンジを減衰させて、前記処理されたステレオ情報を生成する第2のオーディオフィルタと、前記処理されたステレオ情報と前記和信号を前記左入力ステレオ信号と結合させて増強された左出力信号を生成する第1の増幅器と、前記処理されたステレオ情報と前記和信号を前記右入力ステレオ信号と結合させて増強された右出力信号を生成する第2の増幅器とを備えているステレオ増強システム。

請求項22

前記第1のオーディオフィルタが125から200Hzの範囲内のカットオフ周波数を有する請求項21記載のステレオ増強システム。

請求項23

前記回路がデジタル信号プロセッサ内で構成される請求項21記載のステレオ増強システム。

請求項24

前記第2のオーディオフィルタが、ローパスフィルタと前記ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高いカットオフ周波数を有するハイパスフィルタとを含む請求項21記載のステレオ増強システム。

請求項25

前記ローパスフィルタのカットオフ周波数が160から240Hzの範囲内であり、前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数が5.6から8.4KHzの範囲内である請求項24記載のステレオ増強システム。

請求項26

左右の入力信号がステレオ増強システムにより修正され、電気音響変換器により音に変換されてオーディオ像が生成され、前記左右の入力信号に存在するステレオ情報の量が前記左右のステレオ信号間の差に等しい差信号により表され、前記左右の信号の和が和信号として表される、左右の入力信号として表される1対のステレオ信号からより広いステレオ像を生成するステレオ増強システムにおいて、前記差信号の周波数応答を正規化して、最大利得と最小利得により特徴付けられる処理された差信号を生成する回路を具備し、前記処理された差信号に与えられる正規化のレベルが前記処理された差信号の周波数成分に関して変化し、前記回路が、前記最大利得に対して、前記差信号に存在する低音オーディオ成分を減衰させて、第1の修正された差信号を生成する第1のオーディオフィルタと、前記最大利得に対して、人間の耳が増加した感度を持つ周波数に対応している前記第1の修正された差信号のオーディオ周波数のミッドレンジを減衰させて、第2および第3の修正された差信号を生成する第2および第3のオーディオフィルタと、前記第1、第2および第3の修正された差信号と前記和信号および前記左入力ステレオ信号と結合させて増強された左出力信号を生成する第1の増幅器と、前記第1、第2および第3の修正された差信号と前記和信号および前記右入力ステレオ信号と結合させて増強された右出力信号を生成する第2の増幅器とを備え、前記処理された差信号が、前記第1、第2および第3の修正された差信号の和を含むステレオ増強システム。

請求項27

前記差信号を発生させる第3の増幅器をさらに備え、前記第1のオーディオフィルタが、前記左入力信号と前記第3の増幅器との間に接続され、前記左入力信号の低音成分を減衰させる第1のハイパスフィルタを含み、前記第1のオーディオフィルタが、前記右入力信号と前記第3の増幅器との間に接続され、前記右入力信号の低音成分を減衰させる第2のハイパスフィルタを含む請求項26記載のステレオ増強システム。

請求項28

前記第1および第2のハイパスフィルタが、125から200Hzの範囲内のカットオフ周波数を有する請求項27記載のステレオ増強システム。

請求項29

前記第2のオーディオフィルタが、160から240Hzの範囲内のカットオフ周波数を有するローパスフィルタである請求項26記載のステレオ増強システム。

請求項30

前記第3のオーディオフィルタが、5.6から8.4KHzの範囲内のカットオフ周波数を有するハイパスフィルタである請求項26記載のステレオ増強システム。

請求項31

左右の出力信号が1対のスピーカを通して再生させる時に広がったステレオ像が生成されるように、前記左右のステレオ入力信号から増強された左右のステレオ出力信号を発生させる方法において、前記方法が、実質的に可聴周波数スペクトルにわたって左右の信号に存在する周囲信号情報を等化して処理された周囲信号情報を生成させ、前記処理された周囲信号情報が変化する周波数応答を有し、前記周波数応答が約50から200Hzの周波数範囲内および7KHzより上の最大利得により特徴付けられ、前記周波数応答が約1500から3000Hzの周波数範囲内および30Hzより下の最小利得により特徴付けられる方法。

請求項32

前記最大利得と前記最小利得との間の分離が10dBから14dBのレベルの間で調整可能である請求項31記載の増強された左右のステレオ出力信号を発生させる方法。

請求項33

前記最大利得と前記最小利得との間の分離が約12dBに固定されている請求項31記載の増強された左右のステレオ出力信号を発生させる方法。

請求項34

増強されたステレオ効果を生成するようにオーディオ情報再生可能である、記憶されたオーディオ情報をその中に有するステレオ音記録体において、前記オーディオ情報を含む記録媒体を具備し、左右のステレオ出力信号を生成するオーディオ再生装置によって前記オーディオ情報に対するアクセスが可能であり、前記左右の出力信号が前記左右の出力信号の間の差を表している差信号成分を有し、前記差信号が、100から150Hzの第1の周波数範囲内の最大利得により特徴付けられかつ約1500から3000Hzの第2の周波数範囲内および約30Hzの第3の周波数より下の最小利得により特徴付けられる修正させた周波数応答を有し、前記周波数応答が、前記第1の周波数範囲より下および前記第1の周波数範囲より上から前記第2の周波数範囲まででオクターブ毎に約6デシベルの率で減少し、前記周波数応答が、前記第2の周波数範囲より上でオクターブ毎に約6デシベルの率で増加するステレオ音記録体。

請求項35

前記記録媒体がアナログまたはデジタル光記憶媒体である請求項34記載のステレオ音記録体。

請求項36

前記記録媒体がアナログまたはデジタル磁気テープ媒体である請求項34記載のステレオ音記録体。

請求項37

前記最大利得と前記最小利得との間の分離が10dBから14dBの範囲内である請求項34記載のステレオ音記録体。

--

0001

発明の分野
この発明は一般的にオーディオ増強システムに関し、特にこれらのシステム
よび方法はステレオ音再生現実感を改良するように設計されている。また特に
、この発明はステレオ信号内に不自然位相シフト時間遅延をもたらすことな
く、1対のラウドスピーカを通るステレオ信号の増幅から生成される音像を広げ
る装置に関する。

背景技術

0002

オーディオやオーディオ・ビジュアル工業において積極的に必要とされている
ことから、再生音不完全さを解消することが継続的に努力されてきた。現在で
対話型マルチメディアコンピュータシステムの猛攻撃により、そして他のオー
ディオ・ビジュアルの進歩により、オーディオ品質に対する関心が高まっている
。その結果として、音の記録およびその再生における技術的な改良を発展させる
ために、オーディオ工業の間において再開された努力がなされている。

0003

再生音の不完全さは他のもの、音を効果的に記録しないマイクロフォン、記録
された音を効果的に再生しないスピーカから起こる。関連工業におけるものによ
る音像を増強する試みは、音情報そのものとともに音の発生源位置情報を記録
および符号化する手段となった。このような手段には、特別に符号化されたオー
ディオ情報を使用して動作するマルチチャネルサラウンドシステムや、この情報
解釈する特別な復号化システムが含まれる。

0004

特別に記録された音を必要としない音増強システムは、一般的により複雑さが
少なくかなり安価である。このようなシステムには、左右の信号源間に不自然な
時間遅延や位相シフトをもたらすものがある。これらのシステムの多くはマイ
フォン無能力さを補償して、人間の周波数応答模倣しようとする。ま
たこれらのシステムは、スピーカの位置が原因で、そのスピーカから発せられた
音の知覚方向が音の元の位置と一致ない事実も補償しようとする。前述したシス
テムはさらに現実感があり真に迫った方法で音を再生しようとするが、このよう
な方法の使用は、競争的なオーディオ増強分野において混沌とした結果となった

0005

他の音増強技術は和および差信号と呼ばれるものに作用する。和および差信号
は、左右のステレオ信号の和と左右のステレオ信号間の差をそれぞれ表している

0006

1対の左右のステレオ信号における差信号のレベルブーストすると、リスナ
の前方に配置された1対のラウドスピーカや他の電気音響変換器から発せられる
知覚音像を広げることができることが知られている。広げられた音像は、差信号
に存在する周囲音残響音の増幅から生じる。この周囲音は、ライブステージ
では適切なレベルで容易に知覚される。しかしながら、録音された演奏では周囲
音が直接音によりマスクされ、ライブ演奏のものと同じレベルでは知覚されない

0007

広い周波数スペクトルに対して差信号を無差別に増加させることにより、録音
された演奏からの周囲音情報を改善しようとする多くの試みがなされてきた。し
かしながら差信号における無差別な増加は、人の音の知覚に好ましくない影響を
与える。例えば、可聴周波数ミッドレンジにおける差信号をブーストすると、
音の知覚がリスナの頭の位置に対して過度に敏感になる。

0008

和信号と差信号を処理するかなり賞賛をあびた音増強技術が、米国特許第4,74
8,669号および第4,866,774号において開示されており、この両特許は本願におい
て開示されている発明に対するのと同じ発明者であるアーノルド・クレイマン
発行されている。

0009

第669号と第774号特許の両者において開示されているように、音増強システム
は、選択された周波数帯における差信号の動的なまたは固定的な等化のいずれか
を行う。このようなシステムでは、差信号の等化は、より強い差信号成分を過度
に強調することなく、より低い強度の差信号成分をブーストするようになされる
。より強い差信号成分は、一般的に約1から4KHzのミッドレンジ周波数に見
られる。これらと同じミッドレンジ周波数は、人間の耳が高い感度を持つ周波数
に対応している。第669号と第774号特許において開示されているシステムのさま
ざまな実施形態も、特定の周波数帯における和信号の相対振幅を等化して和信号
が差信号により圧倒されるのを防いでいる。さらに、第669号と第774号特
許の増強システムにより提供される差信号ブーストのレベルは、和信号そのもの
関数である。

0010

人間の聴覚応答特性の観点から和信号および差信号を選択的にブーストする特
定の効果は、米国特許第4,748,669号および米国特許第4,866,774号において完全
に開示されている。

0011

前述のオーディオ増強技術にも関わらず、高品質ステレオ音像の増強を提供
し、急成長しているコンピュータマルチメディア市場のすべての需要や、一般的
なオーディオおよびオーディオ・ビジュアル市場のすべての需要に合致するオー
ディオ増強システムが必要である。ここに開示されているステレオ増強システム
はこの必要性を満たす。
発明の要約

0012

ここに開示されているより広い音像を生成させる装置および方法は米国特許第
4,738,669号および4,866,744号に開示されている関連したステレオ増強システム
に対する改良であり、この両特許は参照としてここに完全に示されるように組み
込まれている。この改良されたシステムはすでに幅広い多くの賞賛を得ている。
例えば、1994年11月発行のマルチメディア・ワールドにおいて、1人の著
者が、“マルチメディアPC上に次に起こる大きな出来事であるように思われ、
よい理由のためにこれは機能する”ものであるとして本発明を説明している。さ
らに、同じステレオ増強システムに関して、1994年9月発行のPCゲーマー
マガジンは、“過去数年のオーディオ技術におけるすべてのさまざまな進歩の中
でこれ以上強い印象を与えるものはない”と書いている。

0013

マルチメディアコンピュータシステムにおいて生成される音は、一般的にCD
−ROM上または他の何らかのデジタル記憶媒体上に記憶されたデジタル情報
して検索される。アナログ音記憶媒体と異なり、デジタル音情報特にステレオ情
報は、さらに広い周波数スペクトルにわたってさらに正確に記憶される。この情
報の存在はステレオ増強の方法に重要な影響を与えることがある。さらに、この
ようにデジタル的に記憶されている音の増幅または増強は、比較的“低パワー
装置であるコンピュータオーディオ増幅器やコンピュータスピーカを過度に駆動
させる傾向がある。この懸念は、過増幅が増幅器に“クリッピング”を引き起こ
せ、コンピュータシステムテレビセットの低パワースピーカに激しい損傷を与
えるような、より低いすなわち低音の周波数において特に意味を持つ。

0014

したがって、より大きなリスニング領域にわたって発せられる現実感あるステ
レオ像を生み出すステレオ増強システムが開示されている。結果として得られる
ステレオ増強は、リスナの前方に配置された1対のスピーカに与えられる時に特
に効果的である。しかしながらここに開示されている増強システムは、現在のサ
ラウンド音タイプのシステムの任意のものとともに使用して、全体的な音像を広
げ、識別可能な点発生源を取り除くのに役立つ。

0015

リスナを包み込む優れたステレオ音像の生成は、驚く程単純化された回路構造
を通してなされる。好ましい実施形態において、ステレオ増強システムは、周囲
信号情報すなわち差信号とモノラル信号情報すなわち和信号とを左右の入力源
号から分離する回路を備えている。和信号と差信号の振幅レベルは、予め定めら
れたレベルに固定してもよく、またステレオ増幅システム操作者によって手動
的に調整してもよい。さらに、左右の入力源信号は実際のものでも、あるいは合
成的に生成されたステレオ信号でもよい。

0016

周囲信号情報はスペクトル的に形成すなわち等化され、統計的に低い強度であ
る周波数成分が増強される。低い強度の周囲信号成分の等化は、対応するミッド
レンジ周波数成分を不適当にブーストすることなくなされる。低音周波数間で過
度の周囲信号利得を調整できない音システムでは、ハイパスフィルタがこれらの
周波数成分の増幅を制限する。

0017

周囲信号情報の形成は、周囲信号情報に存在するがさらに強度である直接フィ
ルド音によりマスクされてしまう残響音効果を増強する。等化された周囲信号
情報が、モノラル信号情報および左右の入力信号とそれぞれ再結合され、増強さ
れた左右の出力信号が生成される。

0018

ここに開示されている増強システムは、ディスクリート回路部品を有するデジ
タル信号プロセッサによってまたはハイブリッド回路構造として容易に実現する
ことができる。その独特な回路構造および低パワーオーディオ装置の調整のため
に、増強システムは、特に安価なオーディオシステム、比較的低パワー出力信号
で動作するもの、増強システムを組み込むのに限られた空間しかないものにおい
て望ましい。

図面の簡単な説明

0019

本発明の上記および他の観点、特徴、効果は、以下の図面とともに提供されて
いる本発明の以下の特定の説明からさらに明かになることであろう。

0020

図1は、1対の入力ステレオ信号から広がったステレオ像を発生させるステレ
オ増強システムのブロック図である。

0021

図2は、差信号ステレオ成分に適用される知覚増強曲線の周波数応答のグラフ
表示である。

0022

図3は、1対の入力ステレオ信号から広がったステレオ像を発生させるステレ
オ増強システムの好ましい実施形態の図である。

0023

図4は、1対の入力ステレオ信号から広がったステレオ像を発生させるステレ
オ増強システムの他の実施形態の図である。
好ましい実施形態の詳細な説明

0024

最初に図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態を図示している機能ブロ
ック図が示されている。図1では、ステレオ増強システム10には左ステレオ信号
12と右ステレオ信号14が入力される。左右のステレオ信号12と14は第1の加算
置16、例えば電子加算器にそれぞれパス18と20に沿って供給される。左右のステ
レオ信号12と14の和を表している和信号は、加算装置16によりその出力22におい
て生成される。

0025

左ステレオ信号12はパス24に沿ってオーディオフィルタ28に接続される一方、
右ステレオ信号14はパス26に沿ってオーディオフィルタ30に接続されている。フ
ィルタ28と30の出力は第2の加算装置32に供給される。加算装置32は出力34にお
いて差信号を発生させ、これはフィルタされた左右の入力信号の差信号を表して
いる。フィルタ28と30は前調整ハイパスフィルタであり、差信号に存在する低音
成分を減少させるように設計されている。差信号低音成分の減少は、以下に示さ
れている理由のために好ましい実施形態にしたがって実施される。

0026

加算装置16と加算装置32は、別々のレベル調整装置36と38に個々に供給される
出力信号を有する加算ネットワークを形成する。レベル調整装置36と38は理想
にはポテンショメータまたは類似する可変インピーダンス装置である。レベル調
整装置36と38の調整は、出力信号に存在する和信号および差信号の低音レベルを
制御するために、一般的にユーザによって手動で実行される。これにより、再生
される音のタイプにしたがって、そしてユーザの個人的な好みに応じて、ユーザ
がステレオ増強のレベルおよびアスペクトを調整することができる。和信号のレ
ベル増加は、1対のスピーカ間に配置されている中央ステージにおいて現れるオ
ーディオ信号を強調する。逆に差信号のレベル増加は、より広い音像の知覚を生
み出す周囲音情報を強調する。音楽のタイプのパラメータとシステムの構成が知
られているか、または手動的な調整が実用的でないいくつかのオーディオ装置で
は、調整装置36と38が除去され、和信号および差信号レベルが予め定められた値
に固定される。

0027

調整装置38の出力は入力42において等化器40に供給される。等化器40は、示さ
れているように、ローパスオーディオフィルタ44、ハイパスオーディオフィルタ
48および減衰回路46を、入力42に現れる差信号に個々に適用することにより、差
信号をスペクトル的に形成する。フィルタ44,48および回路46からの出力信号は
、それぞれパス50,52,54に沿って等化器40から出力される。

0028

パス50,54,52に沿って送られる修正された差信号は、処理された差信号の成分
(L−R)pを形成する。これらの成分は、加算装置56と加算装置58を備えてい
る加算ネットワークに供給される。加算装置58は元の左ステレオ信号12とともに
、調整装置36から出力される和信号も受ける。これら5つすべての信号は加算装
置58内で加算され、増強された左出力信号60が生成される。

0029

同様に、等化器40からの修正された差信号、和信号、元の右ステレオ信号14は
加算装置56内で結合され、増強された右出力信号62が生成される。パス50,52,54
に沿って出てくる差信号の成分は加算装置56によって反転され、右スピーカに対
する差信号(R−L)pが生成される。この差信号は、左スピーカのものと18
度位相が異なっている。

0030

差信号の全体的なスペクトル形成すなわち正規化は、差信号のフィルタされ減
衰された成分を加算装置56と58が結合して、左右の出力信号60,62を生成する時
に生じる。したがって、周囲の音が選択的に増強され、再生音ステージ内にいる
リスナを完全に取囲むことから、増強された左右の出力信号60,62はかなり改善
されたオーディオ効果を生み出す。左右の出力信号60,62は以下の数学式によっ
て表される。
Lout=Lin+K1(L+R)+K2(L−R)p (1)
Rout=Rin+K1(L+R)−K2(L−R)p (2)

0031

上記の式の入力信号LinとRinは一般的にステレオ源信号であるが、モノラル
源から合成的に生成されるものであってもよいことに留意すべきである。本発明
とともに使用されるこのようなステレオ合成の1つの方法は、米国特許第4,841,
572号に開示されており、この特許もアーノルド・クレイマン氏に発行されてお
り、参照としてここに組み込まれている。さらに米国特許第4,748,669号におい
て論じられているように、上記に表されている増強された左右の出力信号は、ビ
ニールレコードコンパクトディスク、デジタルまたはアナログオーディオテー
プ、あるいはコンピュータデータ記憶媒体のような、さまざまな記録媒体磁気
的あるいは電子的に記憶させてもよい。そして記憶されている増強された左右の
出力信号を、通常のステレオ再生システムによって再生することにより、同じレ
ベルのステレオ像の増強を達成してもよい。

0032

上記の式における信号(L−R)pは、本発明にしたがってスペクトル的に形
成される処理された差信号を表している。好ましい実施形態にしたがうと、差信
号の修正は図2に図示されている周波数応答によって表され、これには増強知覚
あるいは正規化曲線70の名称が付けられている。

0033

知覚曲線70は、対数フォーマットで表示されている可聴周波数に対してデシ
ルで測定された利得の関数として表示されている。好ましい実施形態にしたがう
と、知覚曲線70は約125Hzに位置している点Aにおいて約10dBのピーク
利得を持っている。知覚曲線70の利得はオクターブ毎に約6dBの率で125H
zの上下で減少する。知覚曲線70は、約2.1KHzの点Bにおいて差信号に−
2dBのマイナス利得を与える。利得は、2.1KHzより上で約7KHzにお
ける点Cまでオクターブ毎に6dBの率で増加し、約20KHzすなわち人間の
耳に聞こえるほぼ最高周波数まで継続して増加する。知覚曲線70の全体的な等化
はハイパスフィルタおよびローパスフィルタを使用して達成されるが、同様な知
覚曲線を得るために、ハイパスフィルタとともに、点Bにおいてマイナス利得を
有する帯域消去フィルタを使用することも可能である。

0034

好ましい実施形態では、知覚曲線70の点AとBと間の利得分離は理想的には1
2dBに設計され、点BとCとの間の利得分離は約6dBとすべきである。これ
らの図は設計上の制約を受けたものであり、実際の図は使用される部品の実際の
値に依存して回路毎に変化しやすい。信号レベル装置36と38が固定された場合に
は、知覚曲線70は一定のままである。しかしながら信号レベル装置38の調整は、
点AとB間および点BとC間の利得分離をわずかに変化させる。最大の利得分離
が12dBよりかなり少ない場合には、結果として得られる効果はミッドレンジ
の増幅において増加し、これは不愉快なリスニング体験を生み出す。逆に12d
Bよりかなり大きい利得分離は、ミッドレンジの明確さに対するリスナの知覚を
減少させる傾向がある。

0035

デジタル信号プロセッサによる知覚曲線の実現は、多くの場合、上記で論じた
設計上の制約をより正確に反映する。アナログによる実現に対しては、点A,B
,Cに対応する周波数および利得分離における制約がプラスマイナス20%だけ
変化するのであれば受け入れることができる。理想的な仕様からこのような変位
がある場合であっても、最適な結果よりもすくないものの、所要のステレオ増強
効果を生み出す。

0036

図2に見られるように、125Hzより下の差信号周波数は、たとえあるとし
ても知覚曲線70の適用を通して減少したブースト量を受ける。この減少は、非常
に低い周波数すなわち低音の周波数の過度の増幅を避けるためである。多くのオ
ーディオ再生システムによりこの低い周波数レンジにおけるオーディオ差信号を
増幅すると、多すぎる低音応答を有する不愉快で非現実的な音像を生み出す。こ
れらのオーディオ再生システムの中には、家庭用ステレオシステムとともに、マ
ルチメディアコンピュータシステムのような近接または低いパワーのオーディオ
システムが含まれる。

0037

本発明により提供されるステレオ増強は、高品質ステレオ記録の利点を得るよ
うに独特に構成されている。特に、以前のアナログテープビニールレコードア
ルバムの記録とは異なり、今日のデジタル的に記憶されている音の記録には、低
音の周波数を含むより広い周波数スペクトルにわたって、差信号すなわちステレ
オの情報が含まれている。したがって適切な低音応答を得るために、これらの周
波数内の差信号に対する過度の増幅は必要とされない。

0038

現在、普通の消費者により所有されている対話型マルチメディアコンピュータ
の数はビジネスにおける場合のものと同様に急速に増加している。これらのシス
テムは、そのオーディオ・ビジュアル効果を増強するために、集積オーディオプ
ロセッサや、サウンドカードのような周辺サウンドデバイスを備えていることが
よくある。マルチメディアコンピュータや、携帯型ステレオシステムのような他
の近接オーディオシステムにより生み出される音は、このようなシステムにより
課されるパワーの制限やスピーカ配置の制限やリスニング位置の制限のために比
較的低品質である。これらの制限により、近接システムが音像増強を実行するこ
とができる候補となるが、これらの制限はまた、何らかのステレオ増強システム
により解消されなければならない独特な問題も課す

0039

特に、これらのシステムにいてパワーを多く引き出すことにより、高いブース
トの期間の間に増幅器を“クリッピング”させるか、スピーカを含むオーディオ
回路の部品を損傷させる。差信号の低音応答を制限すると、多くの近接オーディ
オに対する増強の適用においてこれらの問題を避けるのに役立つ。

0040

差信号の低音周波数が好ましい実施形態にしたがって高くブーストされないこ
とから、非常に低い周波数におけるオーディオ情報は和信号L+Rによっても提
供され、これはもちろんモノラルである。近接システムでは、和信号として1対
のスピーカに加えられる低音情報が2つのスピーカ間、正確にはリスナがいるこ
とが予想される場所に音響像を生み出すことからこれは懸念事項ではない。それ
にもかかわらず左右の信号は低音情報を供給し、対応する増幅レベルを通して近
接領域に低音の方向性キューを提供する。

0041

オーディオシステムが近接システムでない場合でさえ、すなわちオーディオシ
ステムが広く間隔があけられたスピーカと広いリスニング領域を持つ場合でさえ
図2に図示されている知覚曲線は低周波数における適切な像の増強をもたらす

特に、低音周波数は非常に長い波長を持っており、これは広がった低音音像を効
果的に知覚するために広いリスニング領域を必要とする。例えば、30Hzの周
波数は約39フィート波長を持っている。このような低音周波数の方向を知覚
しようとするリスナは、同じオーダのリスニング領域を必要とする。結果として
図2の知覚曲線で達成されるステレオ増強は、家庭のステレオや他の遠方ステ
レオシステムの適用にも適する。

0042

和信号の等化がない場合には、ステレオ増強はここで論じる音響原理にしたが
って適当な回路設計を与えると最小の部品で達成することができる。したがって
本発明は、ステレオ増強回路を収納するのに限られた利用空間しかもたないもの
を含む多くの適用において容易かつ安価に実現することができる。

0043

図3は本発明の好ましい実施形態にしたがった広がったステレオ音像を生成す
るための回路を図示している。ステレオ増強回路80は図1に示されているシステ
ム10に対応する。図3では左入力信号12は抵抗82、抵抗84およびキャパシタ86に
供給される。右入力信号14は、キャパシタ88と抵抗90,92に供給される。

0044

抵抗82は次に増幅器96の反転端子94に接続される。同じ反転端子94は抵抗92と
抵抗98にも接続されている。増幅器96は、抵抗102を通してグランドに接続され
ている正端子100を有する加算増幅器として構成されている。増幅器96の出力104
は、フィードバック抵抗106を通して正入力100に接続されている。左右の入力信
号の和を表している和信号(L+R)が出力104において生成され、そして可変
抵抗110の一端に供給され、可変抵抗110の他端はグランドに落とされている。増
幅器96による左右の入力信号の適切な和に対して、好ましい実施形態では抵抗82
,92,98,106の値は33.2キロオームであり、一方、抵抗98は16.5キロオー
ムであることが好ましい。

0045

第2の増幅器112は“差動”増幅器として構成されている。増幅器112は抵抗11
6に接続されている反転端子114を有し、抵抗116は次にキャパシタ86に直列に接
続されている。同様に、増幅器112の正端子118は、抵抗120とキャパシタ88の直
列接続を通して右入力信号を受ける。端子118は抵抗128を通してグランドにも接
続されている。増幅器112の出力端子122は、フィードバック抵抗124を通して反
転端子に接続されている。出力122は可変抵抗126にも接続されてお
り、この可変抵抗126は次にグランドに接続されている。増幅器112は“差動”増
幅器として構成されているが、その機能は負の左入力信号と右入力信号との和と
して特徴付けられる。したがって、増幅器96と112は、和信号と差信号をそれぞ
れ発生させる加算ネットワークを形成する。

0046

2つの直列に接続されているRCネットワークはそれぞれ素子86/116と88/118
を備え、左右の入力信号の非常に低いすなわち低音の周波数を減衰するハイパス
フィルタとして動作する。図2の知覚曲線70に対する適切な周波数応答を得るた
めに、ハイパスフィルタに対するカットオフ周波数Wc'すなわち−3dB周波数
は約100Hzとすべきである。したがって好ましい実施形態では、キャパシタ
86と88は0.1マイクロファラッドキャパシタンスを持ち、抵抗116,120は約
33.2キロオームのインピーダンスを持つ。そして、フィードバック抵抗124
減衰抵抗128に対する値を次のように選択することにより、出力122は2の利得
により増幅された右差信号(R−L)を表す。
R120/R128=R116/R124 (3)
入力のハイパスフィルタ処理の結果として、出力122における差信号は約125
Hzより下で減衰された低い周波数成分を持ち、これはオクターブ毎に6dBの
率で減少する。左右の入力信号を別々にフィルタするために(図1に示されてい
る)フィルタ28と30を使用する代わりに、等化器40内で差信号の低い周波数成分
をフィルタすることも可能である。しかしながら、低い周波数におけるフィルタ
リングキャパシタはかなり大きくなければならず、先行する回路の負荷を避ける
ために入力段においてこのフィルタ処理を実行することが好ましい。

0047

一方の入力チャネルすなわち左または右のいずれかには存在するが、他方のチ
ネルには存在しない情報を含んでいるオーディオ信号に差信号が関係している
ことに留意しなければならない。出力信号の最終組立てを決定する時には、差信
号の特定の位相は適切である。したがって一般的な意味において、差信号はL−
RとR−Lの両方を意味し、これらは180度位相が異なるだけである。したが
って当業者が理解できるように、左右の出力における差信号が互いに位相が異な
る限り、左出力に対する差信号(L−R)が(R−L)の代わりに出力122に現
れるように増幅器112を構成することができる。

0048

可変抵抗110と126は簡単なポテンショメータであってもよく、それぞれワイパ
接点130,132の位置により調整される。増強された出力信号に存在する差信号の
レベルは、ワイパ接点132の手動的な、遠隔的なまたは自動的な調整により制御
される。同様に、増強された出力信号に存在する和信号のレベルは、ワイパ接点
130の位置により部分的に決定される。

0049

ワイパ接点130に存在する和信号は、直列に接続された抵抗138を通して第3の
増幅器136の反転入力134に供給される。ワイパ接点130における同じ和信号は、
別の直列に接続された抵抗144を通して第4の増幅器142の反転入力140にも供給
される。増幅器136は、抵抗146を通してグランドに接続されている反転端子134
を有する差動増幅器として構成されている。増幅器136の出力148は、フィード
ック抵抗150を通して反転端子134にも接続されている。

0050

増幅器136の正端子152は、加算抵抗156のグループに接続され、そして抵抗154
を通してグランドにも接続されている共通ノードを提供する。ワイパ接点132か
らのレベル調整された差信号は、パス160,162,164を通して加算抵抗156のグルー
プに送られる。これにより、点A,B,Cにそれぞれ現れる3つの個別に調整さ
れた差信号となる。これらの調整された差信号は、示されているように抵抗166,
168,170を通して正端子152に接続される。

0051

パス160に沿った点Aにおいて、ワイパ接点132からのレベル調整された信号は
何ら周波数応答の修正を受けることなく抵抗166に送られる。したがって、点A
における信号は、抵抗166と抵抗154との間の分圧により単に減衰されるだけであ
る。理想的には、ノードAにおける減衰のレベルは、ノードBにおける0dB基
準に対して−12dBである。この減衰レベルは、100キロオームのインピ
ダンスを持つ抵抗166と27.4キロオームのインピーダンスを持つ抵抗154によ
り実現される。ノードBにおける信号は、グランドに接続されているキャパシタ
172の両端に現れるレベル調整された差信号のフィルタされたものを表している
。キャパシタ172と抵抗178のRCネットワークは、ネットワーク時定数により
決定されるカットオフ周波数を持つローパスフィルタとして動作する。好ましい
実施形態では、このローパスフィルタのカットオフ周波数すなわち−3dB周波
数は約200Hzである。したがって、抵抗178は1.5キロオームで
あり、キャパシタ172が0.47マイクロファラッドであり、駆動抵抗168が20
キロオームであることが好ましい。

0052

ノードCにおいて、ハイパスフィルタ処理された差信号は、駆動抵抗170を通
して増幅器136の反転端子152に供給される。ハイパスフィルタは、約7KHzの
カットオフ周波数とノードBに対して−6dBの相対利得を持つように設計され
ている。特に、ノードCとワイパ接点132との間に接続されているキャパシタ174
は4700ピコファラッドの値を持ち、ノードCとグランドとの間に接続されて
いる抵抗180は3.74キロオームの値を持つ。

0053

回路位置A,B,Cに存在する修正された差信号は、抵抗182,184,186をそれ
ぞれ通して増幅器142の反転端子140にも供給される。3つの修正された差信号、
和信号、右入力信号は加算抵抗188のグループに供給され、この加算抵抗188は次
に増幅器142に接続される。増幅器142は、グランドに接続されている正端子190
と、端子140と出力194との間に接続されているフィードバック抵抗192とを持つ
反転増幅器として構成されている。反転増幅器142による信号の適切な加算を達
成するために、抵抗182は100キロオームのインピーダンスを持ち、抵抗184が
20キロオームのインピーダンスを持ち、抵抗186が44.2キロオームのイン
ピーダンスを持つ。正しい増強レベルを達成するために適切な比が維持される限
り、ステレオ増強システムにおける抵抗とキャパシタの正確な値は変更してもよ
い。受動部品の値に影響を与える他の要因は、増強システム80のパワー要求と増
幅器104,122,136,142の特性である。

0054

動作において、処理された差信号からなる出力信号を発生させるために、修正
された差信号は再結合される。特に、点A,B,Cに見られる差信号成分は、差
動増幅器136の端子152と増幅器142の端子140とにおいて再結合され、処理された
差信号(L−R)pを形成する。信号(L−R)pは、図2の知覚曲線の適用を
通して等化された差信号を表している。理想的には知覚曲線は、7KHzにおい
て4dBの利得、125Hzにおいて10dBの利得、2100Hzにおいて−
2dBの利得により特徴付けられる。

0055

増幅器136と142は、処理された差信号と、和信号と、左または右のいずれかの
入力信号とを結合する混合増幅器として動作する。増幅器136の出力148にお
ける信号は、増強された左出力信号60を生成するために駆動抵抗196を通して供
給される。同様に増幅器142の出力194における信号は、増強された右出力信号62
を生成するために駆動抵抗198を通して伝わる。駆動抵抗は一般的に200オー
ムのオーダのインピーダンスを持つ。増強された左右の出力信号は上記数学式(
1)および(2)により表すことができる。式(1)および(2)におけるK1
の値は、ワイパ接点130の位置により制御され、K2の値はワイパ接点132の位置
により制御される。

0056

図3に図示されている個々の回路部品はすべて、マイクロプロセッサ上で走る
ソフトウェアを通して、あるいはデジタル信号プロセッサを通してデジタル的に
実現される。したがって個々の増幅器や等化器などは、ソフトウェアやファーム
ウェア対応部分により実現される。

0057

ステレオ増強回路80の他の実施形態が図4に図示されている。図4の回路は図
3のものと類似しており、(図2で示されている)知覚曲線70を1対のステレオ
オーディオ信号へ適用する別の方法を表している。ステレオ増強システム200は
、和信号と差信号を発生させるために別の加算ネットワーク構造を利用している

0058

他の実施形態200において、左右の入力信号12と14は最終的に混合増幅器204,2
26の負入力に供給される。しかしながら和信号と差信号を発生させるために、左
右の信号12と14はそれぞれ最初に抵抗208,210を通して第1の増幅器214の反転端
子212に供給される。増幅器214は、グランドに落とされた入力216とフィードバ
ック抵抗218を持つ反転増幅器として構成されている。和信号すなわちこの場合
には反転された和信号−(L+R)は、出力220において生成される。そして和
信号成分は、可変抵抗222によりレベル調整された後に残りの回路に供給される
。他の実施形態における和信号は反転されているので、和信号は増幅器226の非
反転入力224に供給される。したがって、非反転入力224とグランド電位との間に
置かれた電流平衡抵抗228を必要とする。同様に電流平衡抵抗230が反転入力232
とグランド電位との間に置かれる。他の実施形態における増幅器226に対するこ
れらのわずかな修正は、正しい加算を達成して右出力信号62を発生させるために
必要である。

0059

差信号を発生させるために、反転加算増幅器236は反転入力238において左入
力信号と和信号を受ける。さらに、左入力信号12は入力238に到達する前にキャ
パシタ240と抵抗242を通る。同様に出力220における反転された和信号は、キャ
パシタ244と抵抗246を通る。部品240/242と部品244/246により形成されたRCネ
トワークは、好ましい実施形態とともに説明したようにオーディオ信号の低音
周波数フィルタ処理を提供する。

0060

増幅器236はグランドに落とされた非反転入力248とフィードバック抵抗250を
持つ。差信号R−Lは、抵抗208,210,218,242に対して100キロオームのイン
ピーダンス値、抵抗246,250に対して200キロオームのインピーダンス値、キ
ャパシタ244に対して0.15マイクロファラッドのキャパシタンス、キャパシ
タ240に対して0.33マイクロファラッドのキャパシタンスで、出力252におい
て生成される。そして差信号は可変抵抗254によって調整され、残りの回路に供
給される。先に説明したことを除いて、図4の残りの回路は図3に開示されてい
る好ましい実施形態のものと同じである。

0061

図3のステレオ増強システム80全体は最小の部品を使用して、音響原理を実現
し、優良なステレオ音を発生させる。システム80は4つの能動部品だけで、一般
的に増幅器104,112,136,142に対応する演算増幅器だけで構成してもよい。これ
らの増幅器は、単一の半導体チップ上のクワッドパッケージとして容易に利用す
ることができる。ステレオ増強システム80を完全にするために必要な付加的な部
品には29個の抵抗と4個のキャパシタのみが含まれる。システム200は、クワ
ッド増幅器、4個のキャパシタ、ポテンショメータと出力抵抗を含む29個だけ
の抵抗によっても製造することができる。その独特な設計のために増強システム
80と200は、最小の部品空間を利用する最小の費用製作することができ、現在
のステレオ像を信じられない程に広げる。実際、システム80全体は単一の半導体
基板または集積回路として形成することができる。

0062

図3図4に図示されている実施形態に加えて、ステレオ信号の遠近感増強を
得るために同じ部品を相互接続する付加的な方法が考えられる。例えば、差動増
幅器として構成されている1対の増幅器が左右の信号をそれぞれ受け入れ、それ
ぞれの増幅器が和信号も受け入れてもよい。このようにして、増幅器は左差信号
L−Rと右差信号R−Lをそれぞれ発生させる。

0063

増強システム80と200から結果的に生じた差信号の遠近感修正は、非常にさま
ざまな適用および入力されたオーディオ信号に対して最適な結果を達成するため
に設計製作されている。現在、ユーザにより調整には調節回路に加えられる和信
号と差信号のレベルのみが含まれている。しかしながら、差信号の適応等化を可
能とするために抵抗178と180の代わりにポテンショメータを使用することが考え
られる。

0064

先の説明および添付図面を通して、本発明が現在のステレオ増強システムに対
して重要な利点を持っていることが示された。上記の詳細な説明を示し、本発明
の基本的で新規な特徴を説明し指摘したが、図示された装置の形態および詳細に
おいて、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、さまざまな省略、置換、変更
が当業者によってなし得ることが容易に理解できるであろう。したがって、本発
明は以下の請求の範囲によってのみその範囲が限定されるべきである。

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