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技術 ガスタービン燃焼器

出願人 株式会社日立製作所
発明者 室田知也大塚雅哉吉田正平平田義隆
出願日 1998年6月2日 (22年6ヶ月経過) 出願番号 1998-152507
公開日 1999年12月14日 (21年0ヶ月経過) 公開番号 1999-344224
状態 未査定
技術分野 ガスタービン、高圧・高速燃焼室
主要キーワード 軸対称形 発熱変動 一次元座標 燃気体 フローガイド 十センチメートル 軸対称形状 回転対称形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年12月14日)のものです。
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図面 (17)

課題

排出NOx量を低減するために希薄予混合燃焼方式を用いるガスタービン燃焼器において、燃焼振動が発生しにくく、また仮に発生したとしてもその振動レベルが低い燃焼器を提供する。

解決手段

パイロットノズル406,旋回羽根407,フローガイド407から構成される旋回流保炎器と、リング状保炎器410を、燃焼室403の中心軸404とは異なる軸405を中心として対称に配置する。

概要

背景

ガスタービン燃焼器では、排出するNOx量を低減するため、希薄予混合燃焼方式が採られることが多い。希薄予混合燃焼において火炎を安定に保炎するためには、高温の既燃焼気体を一定の場所にとどめておく必要がある。高温気体の保持には循環流が利用され、そのため燃焼器には、循環流を発生させる保炎装置が設けられている。保炎装置としては、燃焼器内の流れの中に設置され、その下流に循環領域を発生させるブラフボディなどの障害物保炎器や、旋回噴流を発生し、燃焼室内でボルテックスブレークダウンと呼ばれる現象により循環流を形成させる旋回流保炎器がある。

従来のガスタービン燃焼器では、障害物保炎器や旋回流保炎器を単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いている。旋回流保炎器を単独で用いた例としては、特願平2−215378 号出願(参照)がある。複数個の旋回流保炎器を用いたいわゆるマルチバーナーと呼ばれる方式には特開平5−322169 号公報がある。単一の旋回流保炎器と単一の障害物保炎器を組み合わせた例としては、リング状のブラフボディを用いた特開平9−33010号公報がある。複数の旋回流保炎器と単一の障害物保炎器を組み合わせた例には、コーン状の障害物保炎器を用いた特開平9−303716 号公報がある。

ここで少し、従来の技術による燃焼器を例として、請求項の内容について説明する。図1は円筒状の燃焼室1の中央に旋回流保炎器2を有し、その周囲に4つの旋回流保炎器3a〜3dを有したマルチバーナー形式の燃焼器の断面図である。図1の燃焼器では、旋回流保炎器2の中心軸は燃焼室1の中心軸と一致するように設置され、その周囲の旋回流保炎器3a〜3dは燃焼室1の中心軸から等距離に、90度間隔で配置されている。このような配置は従来の燃焼器において典型的に用いられてきたものの一つである。

図1(a)を燃焼室1の中心軸を中心として45度回転移動したのが図1(b)であり、90度回転移動したのが図1(c)である。図1(c)をもとの形状である図1(a)に重ねたとき、それぞれの図はほぼ重なり合う。もちろん、図1(a)の旋回流保炎器3aの位置にあるのは、図1(c)では旋回流保炎器3dであり、重なり合った位置に存在するもの自体は異なる。

しかし、保炎器3a〜3dはすべて合同な形状であり、細かな部分を除けばそれぞれの区別はつけにくい。このような状況を以降では、「図1の燃焼器は、燃焼室の中心軸に対する90度の回転に関して不変である」というように表現することにする。

一方で図1(b)を図1(a)に重ねたとき、燃焼室1と中央の旋回流保炎器2はほぼ重なり合うが、周囲の旋回流保炎器3a〜3dは重なり合わない。すなわち図1の燃焼器は、燃焼室の中心軸に対する45度の回転に関しては不変ではない。90度を4倍すると360度になるので、図1の燃焼器は本発明に係る発明ではない。

請求項1では、360度を3以上の自然数で除して得られるいかなる角度に対しても、回転に関して不変となるような軸が存在しないような配置で、燃焼室および保炎装置が設置されたガスタービン燃焼器を権利の範囲としている。ちなみに請求項1の条件が満たされているとき、180度の回転に関して不変であるような燃焼器は、請求項1の権利の範囲に含まれているが、請求項2の権利の範囲には含まれない。

上述のような観点で、従来のガスタービン燃焼器における保炎装置の配置についてみてみる。従来の燃焼器では、断面形状が円形である燃焼室の上流側に保炎装置が設置されている。その設置方法は、旋回流保炎器を単独で用いた特願平2−215378号出願(参照)では、旋回流保炎器の中心軸が燃焼室の断面の中心とほぼ一致している。旋回流保炎器はほぼ軸対称形状であるため、この配置は燃焼室の中心軸に対して任意の角度の回転に関して不変なものとなっている。

マルチバーナータイプの特開平5−322169 号公報では燃焼室の中心軸と中央の旋回流保炎器の中心軸がほぼ一致する位置に旋回流保炎器を一つ設け、さらに燃焼室の中心軸が対称軸となるような位置に複数個の旋回流保炎器を配置している。この例では周囲に配置された旋回流保炎器は8つであり、燃焼室の中心軸に対して45度の回転に関して不変な配置となっている。なお45度に8を乗じると360度となる。

単一の旋回流保炎器とリング状のブラフボディ保炎器を用いた特開平9−33010号公報においても、旋回流保炎器の中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致し、軸対称形状であるリング状保炎装置の中心軸もまた、燃焼室の中心軸とほぼ一致する位置にある。この例では燃焼室の中心軸に対し、任意の角度の回転に関して不変な配置になっている。

複数の旋回流保炎器とコーン状の障害物保炎器を有する特開平9−303716 号公報でも、中央に設置された旋回流保炎器の中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致し、周囲に複数個設置された旋回流保炎器は燃焼室の中心軸を中心として対称に配置され、またコーン状の障害物はほぼ軸対称形であり、その中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致している。この例では周囲に配置された旋回流保炎器の個数については言及されていないが、その個数がN個だとすると、燃焼室の中心軸に対し、360/N度の回転に関して不変な配置となる。

以上のように、従来のガスタービン燃焼器では、断面形状が円形である燃焼室の上流側に、燃焼室の中心軸を対称軸とする配置で保炎装置を設置しており、その配置は燃焼室の中心軸に対する回転に関し不変となる角度が存在するようなものとなっていて、その形状は対称性に富んだものとなっていた。

概要

排出NOx量を低減するために希薄予混合燃焼方式を用いるガスタービン燃焼器において、燃焼振動が発生しにくく、また仮に発生したとしてもその振動レベルが低い燃焼器を提供する。

パイロットノズル406,旋回羽根407,フローガイド407から構成される旋回流保炎器と、リング状保炎器410を、燃焼室403の中心軸404とは異なる軸405を中心として対称に配置する。

目的

本発明の目的は、これらの燃焼振動が生じにくい燃焼器構造を提案することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

循環流を形成して保炎を行う保炎装置を備えたガスタービン燃焼器であり、特定の軸を中心として、3以上である自然数を乗じたときに360度となる角度だけ燃焼室と前記の保炎装置を回転移動したときの燃焼室、および保炎装置の配置が、回転移動する前の燃焼室および保炎装置の配置とほぼ等しくなるような回転の中心軸および角度が存在しないように、前記の燃焼室および保炎装置が設置されたことを特徴とするガスタービン燃焼器。

請求項2

循環流を形成して保炎を行うための保炎装置を備えたガスタービン燃焼器であり、特定の軸を中心として、2以上である自然数を乗じたときに360度となる角度だけ燃焼室と前記の保炎装置を回転移動したときの燃焼室および保炎装置の配置が、回転移動する前の燃焼室および保炎装置の配置とほぼ等しくなるような回転の中心軸および角度が存在しないように、前記の燃焼室および保炎装置が設置されたことを特徴とするガスタービン燃焼器。

技術分野

0001

本発明はガスタービン燃焼器に関わり、特に燃焼振動の発生しにくい燃焼器構造に関するものである。

背景技術

0002

ガスタービン燃焼器では、排出するNOx量を低減するため、希薄予混合燃焼方式が採られることが多い。希薄予混合燃焼において火炎を安定に保炎するためには、高温の既燃焼気体を一定の場所にとどめておく必要がある。高温気体の保持には循環流が利用され、そのため燃焼器には、循環流を発生させる保炎装置が設けられている。保炎装置としては、燃焼器内の流れの中に設置され、その下流に循環領域を発生させるブラフボディなどの障害物保炎器や、旋回噴流を発生し、燃焼室内でボルテックスブレークダウンと呼ばれる現象により循環流を形成させる旋回流保炎器がある。

0003

従来のガスタービン燃焼器では、障害物保炎器や旋回流保炎器を単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いている。旋回流保炎器を単独で用いた例としては、特願平2−215378 号出願(参照)がある。複数個の旋回流保炎器を用いたいわゆるマルチバーナーと呼ばれる方式には特開平5−322169 号公報がある。単一の旋回流保炎器と単一の障害物保炎器を組み合わせた例としては、リング状のブラフボディを用いた特開平9−33010号公報がある。複数の旋回流保炎器と単一の障害物保炎器を組み合わせた例には、コーン状の障害物保炎器を用いた特開平9−303716 号公報がある。

0004

ここで少し、従来の技術による燃焼器を例として、請求項の内容について説明する。図1円筒状の燃焼室1の中央に旋回流保炎器2を有し、その周囲に4つの旋回流保炎器3a〜3dを有したマルチバーナー形式の燃焼器の断面図である。図1の燃焼器では、旋回流保炎器2の中心軸は燃焼室1の中心軸と一致するように設置され、その周囲の旋回流保炎器3a〜3dは燃焼室1の中心軸から等距離に、90度間隔で配置されている。このような配置は従来の燃焼器において典型的に用いられてきたものの一つである。

0005

図1(a)を燃焼室1の中心軸を中心として45度回転移動したのが図1(b)であり、90度回転移動したのが図1(c)である。図1(c)をもとの形状である図1(a)に重ねたとき、それぞれの図はほぼ重なり合う。もちろん、図1(a)の旋回流保炎器3aの位置にあるのは、図1(c)では旋回流保炎器3dであり、重なり合った位置に存在するもの自体は異なる。

0006

しかし、保炎器3a〜3dはすべて合同な形状であり、細かな部分を除けばそれぞれの区別はつけにくい。このような状況を以降では、「図1の燃焼器は、燃焼室の中心軸に対する90度の回転に関して不変である」というように表現することにする。

0007

一方で図1(b)を図1(a)に重ねたとき、燃焼室1と中央の旋回流保炎器2はほぼ重なり合うが、周囲の旋回流保炎器3a〜3dは重なり合わない。すなわち図1の燃焼器は、燃焼室の中心軸に対する45度の回転に関しては不変ではない。90度を4倍すると360度になるので、図1の燃焼器は本発明に係る発明ではない。

0008

請求項1では、360度を3以上の自然数で除して得られるいかなる角度に対しても、回転に関して不変となるような軸が存在しないような配置で、燃焼室および保炎装置が設置されたガスタービン燃焼器を権利の範囲としている。ちなみに請求項1の条件が満たされているとき、180度の回転に関して不変であるような燃焼器は、請求項1の権利の範囲に含まれているが、請求項2の権利の範囲には含まれない。

0009

上述のような観点で、従来のガスタービン燃焼器における保炎装置の配置についてみてみる。従来の燃焼器では、断面形状が円形である燃焼室の上流側に保炎装置が設置されている。その設置方法は、旋回流保炎器を単独で用いた特願平2−215378号出願(参照)では、旋回流保炎器の中心軸が燃焼室の断面の中心とほぼ一致している。旋回流保炎器はほぼ軸対称形状であるため、この配置は燃焼室の中心軸に対して任意の角度の回転に関して不変なものとなっている。

0010

マルチバーナータイプの特開平5−322169 号公報では燃焼室の中心軸と中央の旋回流保炎器の中心軸がほぼ一致する位置に旋回流保炎器を一つ設け、さらに燃焼室の中心軸が対称軸となるような位置に複数個の旋回流保炎器を配置している。この例では周囲に配置された旋回流保炎器は8つであり、燃焼室の中心軸に対して45度の回転に関して不変な配置となっている。なお45度に8を乗じると360度となる。

0011

単一の旋回流保炎器とリング状のブラフボディ保炎器を用いた特開平9−33010号公報においても、旋回流保炎器の中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致し、軸対称形状であるリング状保炎装置の中心軸もまた、燃焼室の中心軸とほぼ一致する位置にある。この例では燃焼室の中心軸に対し、任意の角度の回転に関して不変な配置になっている。

0012

複数の旋回流保炎器とコーン状の障害物保炎器を有する特開平9−303716 号公報でも、中央に設置された旋回流保炎器の中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致し、周囲に複数個設置された旋回流保炎器は燃焼室の中心軸を中心として対称に配置され、またコーン状の障害物はほぼ軸対称形であり、その中心軸は燃焼室の中心軸とほぼ一致している。この例では周囲に配置された旋回流保炎器の個数については言及されていないが、その個数がN個だとすると、燃焼室の中心軸に対し、360/N度の回転に関して不変な配置となる。

0013

以上のように、従来のガスタービン燃焼器では、断面形状が円形である燃焼室の上流側に、燃焼室の中心軸を対称軸とする配置で保炎装置を設置しており、その配置は燃焼室の中心軸に対する回転に関し不変となる角度が存在するようなものとなっていて、その形状は対称性に富んだものとなっていた。

発明が解決しようとする課題

0014

従来の燃焼器においては、燃焼器の気柱共鳴に同期して発熱が変動し、それに伴って特定の周波数圧力変動振幅が卓越して大きくなる燃焼振動と呼ばれる現象が発生することがあった。燃焼振動が発生すると、燃焼室内の火炎は圧力変動によって誘起された速度変動のためにダイナミックに変形,移動する。その結果、燃焼室内壁や保炎装置などと火炎との直接的な接触が生じ、これらの燃焼器内構造物は熱的なダメージを受ける。また、火炎が保炎装置よりも上流に戻ったり、あるいは消炎したりする恐れもある。さらに、圧力振動に燃焼器が共振した場合には、燃焼器そのものが破損する恐れもある。

0015

燃焼振動は、振動のモードが形成される方向により二種類に分類できる。一つは燃焼器の流れに沿った方向にモードを持つ振動であり、一つは燃焼室内の径方向にモードを持つ振動である。流れ方向に積算した燃焼器の長さは数メートルオーダーであり、燃焼室の径は数十センチメートルのオーダーであるため、流れ方向にモードを持つ振動の周波数は相対的に低く、燃焼室の径方向にモードを持つ振動の周波数は相対的に高い。ここでは前者を低周波振動、後者を高周波振動と呼ぶ。

0016

低周波振動は一次元的な圧力変動モードを持つので、ここでは燃焼器を一次元的に考える。燃焼振動は、発熱変動に伴い生じる燃焼気体の圧縮膨張による仕事が、燃焼器内の気柱系に正のエネルギーを与えることにより維持される。気柱系に与えられるエネルギー量は、燃焼器を一次元で見たときの、発熱変動が生じている位置に応じて決まり、エネルギー量が大きいほど振動の振幅も大きくなる。燃焼器内のトータルの発熱変動量が等しいとき、発熱変動が狭い範囲に集中している場合の方が、広い範囲に分散している場合よりも気柱系に与えられるエネルギー量は大きくなりやすく、したがって振幅も大きくなりやすい傾向を持つ。発熱変動の主な要因は希薄予混合燃焼の場合、火炎と燃焼器内壁との接触位置の変動である。図2に示すように、保炎装置101で保炎された火炎102は燃焼室内壁103と位置104aで接触する。ここで流れ方向への速度変動があるとき、火炎102はそれに合わせて移動し、燃焼室内壁103との接触位置も104bから104cの間で変動する。この火炎の揺らぎにより、位置104aでは、ある瞬間には火炎が存在するので発熱があり、またある瞬間には火炎が存在しないため発熱がないことになる。このような発熱領域出現消失の繰り返しによる発熱変動は、例えば燃料濃度の変動に伴う発熱変動などに比べて大きく、したがって燃焼振動への寄与としても大きなものとなる。

0017

ところで従来のガスタービン燃焼器では、「燃焼室の中心軸に対する回転に関して不変となるような角度が存在する保炎装置の配置」で、もう少しかみくだいて言えば、燃焼室の中心軸を中心とした対称な配置で保炎装置が設置されていて、保炎装置で保炎された火炎もほぼ軸対称分布する。したがって、火炎と燃焼器内壁との接触位置の変動による発熱変動は、燃焼器の中心軸方向の一次元座標系において比較的狭い範囲で発生する。そのため従来のガスタービン燃焼器では、燃焼振動が生じたときに圧力変動の振幅が大きくなりやすく、問題であった。一方で高周波振動は、燃焼室内の径方向に振動モードを持つ。従来のガスタービン燃焼器では、火炎が燃焼室の中心軸を中心とした軸対称な形状になりやすい。これは、圧力変動を伝える媒質である未燃気体あるいは既燃気体が、燃焼室の中心軸を中心として軸対称に分布していることに相当し、したがって燃焼器内壁とこの中心軸とが圧力変動の腹となるモードが形成されやすい。このため、従来のガスタービン燃焼器では、高周波振動が生じる恐れがあった。

0018

低周波振動も、高周波振動も、その振動振幅が大きくなると燃焼器の安定な運転の妨げになり、また燃焼器の破損にもつながる恐れがあるため、そのどちらも発生を防ぐか、あるいは発生したとしても振幅があまり大きくならないようにする必要がある。

0019

本発明の目的は、これらの燃焼振動が生じにくい燃焼器構造を提案することにある。

課題を解決するための手段

0020

以上のように、従来の燃焼器では、保炎装置の配置が「燃焼室の中心軸に対する回転に関して不変となる角度が存在する配置」になっていたため、低周波振動においては振動振幅が大きくなりやすく、また、高周波振動も生じやすい構造となっていた。本発明では上記の課題を解決するため、請求項1に記載されたように保炎装置を「回転に関して不変となるような軸および角度が、3以上の自然数を乗じたときに360度となるような角度に対して存在しない」配置で設置するか、あるいは請求項2に記載されたように「回転に関して不変となるような軸および角度が、2以上の自然数を乗じたときに360度となるような角度に対して存在しない」配置で設置する。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明の実施形態について述べる。

0022

はじめに本発明による作用について、従来例と比較して説明する。図2では円筒状の燃焼室105の中心軸106上に、軸対称形状の障害物保炎器101が、その対称軸が燃焼室の中心軸106と一致するように配置されている。一方、図4では円筒状の燃焼室105内に、軸対称形状の障害物保炎器101が、その対称軸が燃焼室の中心軸106とは一致しないように配置されている。図2は従来例における燃焼室および保炎装置の配置の特徴を模式的に示したものであり、中心軸106に垂直な断面を図3に示す。図2の形状は、中心軸106を中心として任意の角度の回転に関し不変となっている。

0023

図4は本発明の保炎器配置となっており、その断面が図5に示される。図4は180度以下のいかなる角度に対しても、回転に関し不変となるような軸が存在せず、したがって請求項1および請求項2のどちらにも係る本発明の実施例の一形態である。火炎102と燃焼器内壁との平均的な接触位置は図2の場合104aであり、発熱変動は位置104aを中心とした範囲で生じる。一方図4では、保炎装置を燃焼室の中心軸からずらした位置に配置してあるので、火炎と燃焼室内壁との平均的な接触位置は周方向に一定ではなく、104dから104eの範囲をとる。したがって発熱変動はさらに広い104fから104gの範囲で生じることになる。

0024

発明が解決しようとする課題において述べたように、低周波振動は発熱変動が狭い範囲で生じている方が振幅が大きくなりやすく、これを低減するには発熱変動の発生領域を広い範囲に分散させた方がよい。本発明では図4で示したように発熱領域が広範囲に分散しており、従来の燃焼器に比べて低周波振動の振幅の低減が期待できる。

0025

次に高周波振動に対する作用について述べる。図3図2の燃焼室の中心軸に垂直な断面を示しており、図5図4の同じく中心軸に垂直な断面を示している。図3において、低温の未燃焼気体107と高温の既燃焼気体108は燃焼室の中心軸106を中心として軸対称に分布している。一方で図5では、未燃焼気体107と既燃焼気体108は中心軸106を中心とした軸対称分布にはなっていない。未燃焼気体と既燃焼気体とでは、温度が異なるために音速が異なる。燃焼振動における圧力変動は、未燃気体,既燃気体中をそれぞれの音速で伝播する。燃焼室の径方向にモードを持つ高周波振動では、圧力変動は燃焼室の内壁103で反射して燃焼室の中心軸方向に伝播する。

0026

図3のように未燃気体と既燃気体が燃焼室の中心軸106を中心に軸対称に分布しているとき、圧力変動が燃焼室内壁から中心軸まで伝播するのに要する時間は周方向に一定である。したがって、同時刻燃焼室壁面の周方向の各位置で反射した同位相圧力波は、一定時間後には同位相で燃焼室中心軸に収歛し、さらに一定時間後には反対側の壁面にやはり同位相で到達することになる。

0027

このことから、図3のような未燃気体と既燃気体の軸対称な分布においては、燃焼室内壁と燃焼室の中心軸とがどちらも圧力変動の腹となるモードの高周波振動が発生しやすい。一方で図5においては、既燃焼気体108の占める領域は燃焼室の中心軸106を中心とした分布とはなっていないので、燃焼室内壁で反射した圧力波が燃焼室の中心軸に収歛することはない。したがって図5では、燃焼室の径方向の圧力変動モードは形成されにくい。このため本発明による保炎器配置においては高周波振動が生じにくい。

0028

図6に請求項1および請求項2に係る実施の一形態を示す。図6では円筒状の燃焼室105内に、軸対称形状ではない障害物保炎器109が、燃焼室の中心軸106上に配置されている。保炎器109が軸対称形状ではないため、図2の燃焼器と同様に保炎器が中心軸106上に設置されてはいても、回転に関して不変となるような軸および角度は存在せず、請求項1及び請求項2を満たす実施例となっている。図6の燃焼器では、保炎器109が非対称な形状をしているため保炎特性が周方向に一様ではない。したがって火炎102の形状は軸対称形状にならず、図4で示した実施例と同様な燃焼振動に関する特性をもつことが期待される。

0029

図7は請求項1に係り、請求項2には係らない実施例の一形態の断面図である。本実施例の燃焼器は、その断面が楕円である燃焼室110を有し、その楕円の長軸短軸交点を通る中心軸111上に軸対称形状の障害物保炎器101が設置されている。本実施例は、軸111に対して180度の回転に関して不変であるが、それより小さい角度については、回転に関して不変となるような軸を有していない。本実施例では、燃焼室110が楕円形状であるため、火炎と燃焼室110の内壁とが接触する位置は、周方向でばらつき、発熱変動領域が広い範囲に分散する。したがって低周波振動の低減が期待できる。ただし、未燃気体107と未燃気体108の分布は比較的対称性の良いものとなっているため、図4で示した実施例ほどには高周波振動の防止効果は期待できない。

0030

図8には請求項1および請求項2に係る実施例を示す。本実施例による燃焼器では、断面形状が楕円である燃焼室110を有し、その楕円の長軸と短軸の交点を通る中心軸111とは異なる位置に軸対称形状の障害物保炎器101が設置されている。本実施例では、回転に関して不変となるような角度および軸が存在しない。本実施例では、燃焼室110が楕円形状であり、しかも保炎器101が燃焼室110の中心軸111上にはないため、火炎と燃焼室110の内壁とが接触する位置は、周方向でばらつき、発熱変動領域が広い範囲に分散する。また、未燃気体107および既燃気体108は燃焼室110の片側に偏って分布する。したがって本実施例による燃焼器には、図4で示した実施例と同様の効果が期待できる。

0031

図9は本発明による請求項1および請求項2に係る実施例の一つを示しており、図10図9のA−A矢視図である。本実施例では円筒状の外筒201の内側に円筒状の内筒202を有し、内筒202により囲まれた空間が燃焼室203となっている。この燃焼室203の中心軸204とは異なる軸205を中心としてパイロットノズル206が設けられ、パイロットノズル206の外縁には旋回流れを発生させるために旋回羽根207が設けられている。さらにその周囲にはフローガイド208が設けられている。

0032

このパイロットノズル206と旋回羽根207およびフローガイド208により、旋回流保炎器が構成されており、この旋回流保炎器は軸205を中心とした回転対称形となっている。旋回流保炎器の外周側にはメインノズル209が軸205を中心として12本設置されている。パイロットノズル206には燃料212が流入し、燃料噴口213から燃焼室203内に噴出されて拡散燃焼拡散火炎214を形成する。

0033

フロースリーブ210をとおり流入した空気211は旋回羽根207により速度に旋回成分が与えられ、旋回噴流215として燃焼室203に流入する。流入した旋回噴流215はボルテックスブレークダウン現象により、燃焼室203内で循環流216を形成する。メインノズル209に流入した燃料217は、燃料噴口218より流出し、予混合領域219において空気と混合し、予混合気体220となる。予混合気体220は循環流216で保持された高温の既燃焼気体と接触して燃焼し、予混合火炎221を形成する。

0034

本実施例において、パイロットノズル206と旋回羽根207およびフローガイド208により構成された旋回流保炎器は、燃焼室の中心軸204とは異なる軸205を中心に配置されているため、予混合火炎221の分布は燃焼室203内でやや偏ったものになる。そのため内筒202は、対称軸205に近い側ではより上流において、遠い側ではより下流において予混合火炎221との接触することになる。

0035

図11は本発明の請求項1および請求項2に係る実施例の一つであり、旋回流保炎器を複数有するマルチバーナー方式における適用例である。また図12図11のA−A矢視図である。本実施例では円筒状の外筒301の内側に円筒状の内筒302を有し、内筒302により囲まれた空間が燃焼室303となっている。この燃焼室303の中心軸304とは異なる軸305を中心としてパイロットノズル306が設けられ、パイロットノズル306の外縁には旋回流れを発生させるために旋回羽根307が設けられている。さらにその周囲にはパイロットバーナー外筒308が設けられている。

0036

このパイロットノズル306と旋回羽根307およびパイロットバーナー外筒308により、パイロットバーナー用の旋回流保炎器が構成されており、これらは軸305を中心として設置されている。パイロットバーナー用旋回流保炎器の外周側にはメインノズル309,旋回羽根310,メインバーナー外筒311から構成されるメインバーナー用の旋回流保炎装置が8個あり、それらは軸305を中心として配置されている。

0037

すなわちパイロットバーナー用旋回流保炎器およびメインバーナー用旋回流保炎器は、軸305を中心に対称に配置されている。パイロットノズル306には燃料314が流入し、燃料噴口315から燃焼室303内に噴出されて拡散燃焼し、拡散火炎316を形成する。フロースリーブ312をとおり流入した空気313は旋回羽根307により速度に旋回成分が与えられ、旋回噴流317として燃焼室303に流入する。流入した旋回噴流317はボルテックスブレークダウン現象により燃焼室303内で循環流318を形成する。

0038

メインノズル309に流入した燃料319は、燃料噴口320より流出し、予混合領域321において空気と混合し、予混合気体322となる。予混合気体322は旋回羽根310により旋回かけられ、燃焼室303内に旋回噴流323として流入し、循環流324となる。予混合気体は循環流324および循環流318で保炎され、予混合火炎325を形成する。

0039

本実施例においては、予混合火炎325は燃焼室の中心軸304を中心とした分布とはならない。図9図10で説明した実施例と同様に、予混合火炎325と内筒302の接触する位置は、内筒302の軸305に近い側の壁面では上流側に、遠い側の壁面では下流側になる。

0040

図13は本発明の請求項1および請求項2に係る実施例の一つであり、旋回流保炎器を一つもち、その周囲にリング状保炎器を有する燃焼器への適用例である。また図14図13のA−A矢視図である。本実施例では円筒状の外筒401の内側に円筒状の内筒402を有し、内筒402により囲まれた空間が燃焼室403となっている。この燃焼室403の中心軸404とは異なる軸405を中心としてパイロットノズル406が設けられ、パイロットノズル406の外縁には旋回流れを発生させるために旋回羽根407が設けられている。さらにその周囲にはフローガイド408が設けられている。

0041

このパイロットノズル406と旋回羽根407およびフローガイド408により、旋回流保炎器が構成されており、この旋回流保炎器は軸405を中心軸とした回転対称形となっている。旋回流保炎器の外周側にはメインノズル409が複数本設置され、その下流側にはリング状保炎器410が設置されている。リング状保炎器は軸対称形状であり、その中心は軸405と一致させてある。パイロットノズル406には燃料413が流入し、燃料噴口414から燃焼室403内に噴出されて拡散燃焼し、拡散火炎415を形成する。フロースリーブ411をとおり流入した空気412は旋回羽根407により速度に旋回成分が与えられ、旋回噴流416として燃焼室403に流入する。

0042

流入した旋回噴流416はボルテックスブレークダウン現象により燃焼室403内で循環流417を形成する。メインノズル409に流入した燃料418は、燃料噴口419より流出し、予混合領域420において空気と混合し、予混合気体421となる。燃焼室403に流入した予混合気体421はリング状保炎器410の下流に形成された循環流422および旋回流保炎器により形成された循環流417によって保持された高温気体と反応して燃焼し、予混合火炎423を形成する。本実施例においても予混合火炎423は燃焼室の中心軸404を中心とした分布とはならない。

0043

図15は本発明の請求項1および請求項2に係る実施例の一つであり、旋回流保炎器を複数有し、さらにコーン状保炎器を有する燃焼器での適用例である。また図16図15のA−A矢視図である。本実施例では円筒状の外筒501の内側に円筒状の内筒502を有し、内筒502により囲まれた空間が燃焼室503となっている。この燃焼室503の中心軸504とは異なる軸505を中心としてパイロットノズル506が設けられ、パイロットノズル506の外縁には旋回流れを発生させるために旋回羽根507が設けられている。さらにその周囲には回転対称な形状のコーン状保炎器508が設けられている。

0044

このパイロットノズル506と旋回羽根507およびコーン状保炎器508により、パイロットバーナー用の旋回流保炎器が構成される。このパイロットバーナー用の旋回流保炎器は軸505を中心とした回転対称形となっている。さらに外周側にはメインノズル509が8数本設置され、メインノズル509の外縁には旋回羽根510が設けられている。更にその周囲には円筒状のメインバーナー外筒511が設けられている。メインノズル509,旋回羽根510,メインバーナー外筒511からメインバーナー用の旋回流保炎器が構成される。

0045

メインバーナー用の旋回流保炎装置は8個あり、それらは軸505を中心として対称に配置されている。パイロットノズル506には燃料514が流入し、燃料噴口515から燃焼室503内に噴出されて拡散燃焼し、拡散火炎516を形成する。フロースリーブ512をとおり流入した空気513は旋回羽根507により速度に旋回成分が与えられ、旋回噴流517として燃焼室503に流入する。流入した旋回噴流517はボルテックスブレークダウン現象により燃焼室503内で循環流518を形成する。メインノズル509に流入した燃料519は、燃料噴口520より流出し、旋回羽根510で旋回を与えられた空気と、予混合領域521において混合する。予混合領域521における流れは旋回流522となっており、燃料と空気の混合が促進される。メインバーナー外筒511より燃焼室503に流入した予混合気体は、コーン状保炎器508により形成された流れと干渉し、循環流523を形成する。この循環流523により予混合火炎524が保炎される。本実施例においても予混合火炎524は燃焼室の中心軸504を中心とした分布とはならない。

発明の効果

0046

以上説明したように、本発明の請求項1によるガスタービン燃焼器では、回転に関して不変となるような軸および角度が、3以上の自然数を乗じたときに360度となるような全ての角度に対して存在しないように保炎装置と燃焼室が配置される。このような配置により、燃焼室内の火炎は燃焼室の中心軸を中心とした対称な分布とはならず、発明の実施の形態の項において述べた理由により低周波振動が低減され、高周波振動は発生しにくくなる。請求項2によるガスタービン燃焼器においては、回転に関して不変となるような軸および角度が、2以上の自然数を乗じたときに360度となるような全ての角度に対して存在しないように保炎装置と燃焼室が配置され、請求項1に係る燃焼器と同様の効果が期待できる。

図面の簡単な説明

0047

図1(a)ないし(c)は従来技術における保炎装置の燃焼室の中心軸を中心に回転した時の各断面図である。
図2従来のモデル燃焼器の縦断面図。
図3図2横断面図。
図4本発明の実施例であるモデル燃焼器の縦断面図。
図5図4の横断面図。
図6本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の縦断面図。
図7本発明の請求項1の一実施例である燃焼器の横断面図。
図8本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の横断面図。
図9本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の縦断面図。
図10図9の燃焼器のA−A矢視図。
図11本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の縦断面図。
図12図11の燃焼器のA−A矢視図。
図13本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の縦断面図。
図14図13の燃焼器のA−A矢視図。
図15本発明の請求項1および請求項2の一実施例である燃焼器の縦断面図。
図16図15の燃焼器のA−A矢視図。

--

0048

1…円筒状燃焼室、2…中央の旋回流保炎器、3a〜3d…周囲の旋回流保炎器、101…軸対称形状の保炎装置、102…火炎、103…燃焼室内壁、104a〜104g…燃焼室内壁への火炎の接触位置、105,203,303,503…燃焼室、106,204,304,404,504…燃焼室中心軸、107…未燃焼気体、108…既燃焼気体、109…軸対称形状でない保炎装置、110…断面が楕円形状である燃焼室、111…燃焼室110の中心軸、201,301,401,504…外筒、202,302,402,502…内筒、205,305,405,505…保炎装置の対称配置の中心軸、206,306,406,506…パイロットノズル、207,307,310,323,407,507,510…旋回羽根、208,408…フローガイド、209,309,409,509…メインノズル、210,312,411,512…フロースリーブ、211,313,412,513…空気、212,217,314,319,413,418,514,519…燃料、213,218,315,320,414,419,515,520…燃料噴口、214,316,415,516…拡散火炎、215,317,416,517…旋回噴流、216,318,324,417,422,518,523…循環流、219,321,420,521…予混合領域、220,322,421…予混合気体、221,325,423…予混合火炎、308…パイロットバーナー外筒、311…メインバーナー内筒、403…燃料室、404…燃料室中心軸、410…リング状保炎器、508…コーン状保炎器、511…メインバーナー、522…旋回流。

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