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課題

内方向における位相差が均一であり、色むらのない均一かつ高品位な表示を可能とし、さらに異物混入がなく外観正常が良好な位相差板を効率良く製造し得る方法を提供する。

解決手段

熱可塑性樹脂を第1の押出機1にて溶融押出し、引き続きフィルタ2を用いて熱可塑性樹脂をフィルトレーションして異物を除去し、フィルトレーション後に第2の押出機3において熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押し出し、熱可塑性樹脂フィルムを得、得られた熱可塑性樹脂フィルムを延伸する、位相差板の製造方法。

概要

背景

従来、TN(ツイテッドマティック)液晶表示装置やSTN(スーパーツイステッドネマティック)液晶表示装置などが、種々のOA機器等において広く用いられている。

液晶表示装置では、液晶で生じる位相差により、表示画像が着色し、完全な白黒表示を行い難いという問題があった。そこで、液晶表示セルの表面に、位相差フィルムを貼り合わせ、位相差を補償することにより、上記着色を解消することが試みられている。すなわち、延伸された熱可塑性樹脂フィルム複屈折性を利用することにより、位相差の解消が図られている。

ところで、位相差フィルムにおける位相差補償性能は、位相差で表される。位相差は、樹脂フィルム屈折率差(すなわち、複屈折性)をΔn、樹脂フィルムの肉厚をdとしたときに、Δn×dで表される。

他方、液晶表示装置などにおいては、表示部分の全面にわたり色むらコントラストむらが小さいことが強く求められている。従って、このような均一な表示を可能とするには、液晶表示セルに貼り合わされる位相差フィルムにおいては、上記位相差が全面にわたり均一であることが求められる。

そこで、位相差が均一な位相差フィルムの製造方法として、特開平8−122526号公報には、ポリアリレート及び/またはポリスフォン溶液溶剤キャスティング法にて原反フィルムを得、この原反フィルム中の溶剤含有量固形分基準で0.5〜7重量%に調整した後、延伸して位相差フィルムを製造する方法が提案されている。この場合、溶剤としては、メチレンクロライドトルエンキシレンテトラヒドロフランなどを用い得る旨が示されている。

上記先行技術に記載の製造方法では、溶剤キャスティング法により得られた原反フィルムにおいて、延伸に先立ち、溶剤含有量を上記特定の範囲に調整することにより、幅方向位相差分布が均一な位相差フィルムが得られるとされている。

概要

内方向における位相差が均一であり、色むらのない均一かつ高品位な表示を可能とし、さらに異物混入がなく外観正常が良好な位相差板を効率良く製造し得る方法を提供する。

熱可塑性樹脂を第1の押出機1にて溶融押出し、引き続きフィルタ2を用いて熱可塑性樹脂をフィルトレーションして異物を除去し、フィルトレーション後に第2の押出機3において熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押し出し、熱可塑性樹脂フィルムを得、得られた熱可塑性樹脂フィルムを延伸する、位相差板の製造方法。

目的

本発明の目的は、上述した先行技術の欠点を解消し、面内方向において位相差がほぼ均一化されており、色むらのない均一かつ高品位な表示を可能とする位相差フィルムを、安価な設備を用いて高い生産性をもって製造し得る方法、及び該位相差板の製造装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

熱可塑性樹脂可塑剤とを含む熱可塑性樹脂組成物よりなる位相差板の製造方法であって、熱可塑性樹脂を溶融押出する第1の押出工程と、第1の押出工程に引き続き熱可塑性樹脂をフィルトレーションするフィルトレーション工程と、フィルトレーション後に熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押出す、第2の押出工程と、前記第2の押出工程に続き、得られた熱可塑性樹脂フィルム延伸する工程とを備えることを特徴とする位相差板の製造方法。

請求項2

第2の押出工程で膜状に押し出された熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む混合物からなる組成物冷却ロールまたは冷却ベルトで冷却されるまでの間に可塑剤を膜面から揮発させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の位相差板の製造方法。

請求項3

熱可塑性樹脂と、可塑剤とからなる位相差板の製造装置であって、熱可塑性樹脂を溶融押出するための第1の押出機と、第1の押出機の押出端に配置されたフィルタと、フィルタの後段に接続されており、かつ可塑剤供給部を有する第2の押出機と、押し出された熱可塑性樹脂フィルムを引取る引取機と、熱可塑性樹脂フィルムを延伸するための延伸機とを備えることを特徴とする位相差板製造装置

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性樹脂フィルム延伸してなる位相差板の製造方法及び位相差板製造装置に関し、より詳細には、例えば液晶表示装置などの光学装置において位相差板を補償するのに用いられる位相差板の製造方法及び製造装置に関する。

背景技術

0002

従来、TN(ツイテッドマティック)液晶表示装置やSTN(スーパーツイステッドネマティック)液晶表示装置などが、種々のOA機器等において広く用いられている。

0003

液晶表示装置では、液晶で生じる位相差により、表示画像が着色し、完全な白黒表示を行い難いという問題があった。そこで、液晶表示セルの表面に、位相差フィルムを貼り合わせ、位相差を補償することにより、上記着色を解消することが試みられている。すなわち、延伸された熱可塑性樹脂フィルムの複屈折性を利用することにより、位相差の解消が図られている。

0004

ところで、位相差フィルムにおける位相差補償性能は、位相差で表される。位相差は、樹脂フィルム屈折率差(すなわち、複屈折性)をΔn、樹脂フィルムの肉厚をdとしたときに、Δn×dで表される。

0005

他方、液晶表示装置などにおいては、表示部分の全面にわたり色むらコントラストむらが小さいことが強く求められている。従って、このような均一な表示を可能とするには、液晶表示セルに貼り合わされる位相差フィルムにおいては、上記位相差が全面にわたり均一であることが求められる。

0006

そこで、位相差が均一な位相差フィルムの製造方法として、特開平8−122526号公報には、ポリアリレート及び/またはポリスフォン溶液溶剤キャスティング法にて原反フィルムを得、この原反フィルム中の溶剤含有量固形分基準で0.5〜7重量%に調整した後、延伸して位相差フィルムを製造する方法が提案されている。この場合、溶剤としては、メチレンクロライドトルエンキシレンテトラヒドロフランなどを用い得る旨が示されている。

0007

上記先行技術に記載の製造方法では、溶剤キャスティング法により得られた原反フィルムにおいて、延伸に先立ち、溶剤含有量を上記特定の範囲に調整することにより、幅方向位相差分布が均一な位相差フィルムが得られるとされている。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記先行技術に記載の方法では、得られたフィルムを液晶表示装置に組み込んだ場合に色むらなどが生じる等、必ずしも上記位相差が全面にわたり均一化されるとは限らないという問題があった。

0009

すなわち、色むらやコントラストむらは、前述したように、位相差フィルムを液晶表示装置に組み込んだ際に位相差フィルムの位相差のばらつきにより生じる画質不良である。色むらやコントラストむらを抑制するには、位相差のばらつきを抑制することが必須であるが、位相差は上述したようにΔn×dで表される。

0010

従って、上記先行技術に記載の製造方法により得られた位相差フィルムでは、屈折率差Δnが幅方向に均一化されていたとしても、フィルムの厚みdがばらついていると、位相差Δがばらつくことになり、色むらやコントラストむらを解消することができなかった。

0011

液晶表示装置に位相差フィルムを用いる場合、位相差のばらつきは1cm隔てた2点間の位相差の差が3nm以下であれば色むらとして認識されないと言われており、より好ましくは1nm以下であることが求められている。従って、厚みが70μm、位相差の平均値が700nmの位相差フィルムを製造した場合、厚みむらは70±0.3μm以下、望ましくは70±0.1μm以下の範囲であることが求められる。しかしながら、溶剤キャスティング法によりこのように厚み精度の高いフィルムを成形することは、非常に困難である。従って、上記先行技術に記載の方法により、位相差が均一な位相差フィルムを得ることは実際には非常に難しかった。

0012

加えて、上記先行技術に記載の方法では、溶剤キャスティング法を用いているため、成膜に必要な設備が高価であり、生産性が悪いという問題もあった。もっとも、上記溶剤キャスティング法に代えて、溶融押出法を用いることも考えられるが、上記先行技術に記載の方法において溶剤キャスティング法に代えて押出成膜法を用いることは非常に困難である。すなわち、溶剤を押出成膜時に混入することは非常に危険であり、かつ押出中に溶剤が完全に揮発しがちとなるため、押出成膜法を用いることは現実には非常に困難であった。

0013

本発明の目的は、上述した先行技術の欠点を解消し、面内方向において位相差がほぼ均一化されており、色むらのない均一かつ高品位な表示を可能とする位相差フィルムを、安価な設備を用いて高い生産性をもって製造し得る方法、及び該位相差板の製造装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂可塑剤とを含む熱可塑性樹脂組成物よりなる位相差板の製造方法であって、熱可塑性樹脂を溶融押出する第1の押出工程と、第1の押出工程に引き続き熱可塑性樹脂をフィルトレーションするフィルトレーション工程と、フィルトレーション後に熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押出す、第2の押出工程と、前記第2の押出工程に続き、得られた熱可塑性樹脂フィルムを延伸する工程とを備えることを特徴とする。

0015

請求項2に記載の発明では、第2の押出工程で膜状に押し出された熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む混合物からなる組成物冷却ロールまたは冷却ベルトで冷却されるまでの間に可塑剤を膜面から揮発させる。

0016

請求項3に記載の発明は、熱可塑性樹脂と、可塑剤とからなる位相差板の製造装置であって、熱可塑性樹脂を溶融押出するための第1の押出機と、第1の押出機の押出端に配置されたフィルタと、フィルタの後段に接続されており、かつ可塑剤供給部を有する第2の押出機と、押し出された熱可塑性樹脂フィルムを引取る引取機と、熱可塑性樹脂フィルムを延伸するための延伸機とを備えることを特徴とする。

0017

以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明前提となった未だ公知ではない先行技術)上述した先行技術の欠点を解消するために未だ公知ではないが、本願出願人は、特願平9−332112号において、熱可塑性樹脂と揮発性可塑剤とを押出機で混練し、金型から吐出させると同時に可塑剤を揮発させ、所定の厚みのフィルムに成膜し、しかる後延伸する方法を提案した。この方法では、金型から熱可塑性樹脂組成物を吐出し、熱可塑性樹脂フィルムを得るにあたり、フィルム表面全体から可塑剤が均一に揮発することになる。従って、相対的に厚みの厚い部分では、厚み方向の平均可塑剤濃度が高くなり、相対的に厚みの薄い部分では、厚み方向の平均可塑剤濃度が低くなる。

0018

他方、可塑剤含有熱可塑性樹脂フィルムを延伸し、屈折率差を熱可塑性樹脂フィルムに与えた場合、可塑剤濃度が高い程屈折率差が小さく、可塑剤濃度が低い程屈折率差が大きくなる。これは、可塑剤の可塑化効果により、同一温度では、可塑剤濃度が高い方が分子配向が弱くなり、可塑剤濃度が低くなると分子の配向が強くなるためである。

0019

また、前述したとおり、位相差は屈折率差と厚みとの積であるため、フィルムの厚い部分の屈折率差が小さくなり、薄い部分の屈折率差が大きくなると、全体としてのフィルムの厚みのばらつきが屈折率差の差により相殺され、全体として均一な位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。

0020

ところが、押出成膜では、原料として用いられている熱可塑性樹脂ぺレット異物が含有されているため、成膜により得られた熱可塑性樹脂フィルムにも異物が混入しがちであった。ここで、異物とは、ぺレット製造時の未反応物作業環境中塵埃や埃、作業着などの糸屑、ぺレタイズ時の輸送時に樹脂擦れ合って発生する粉など様々なものを含むが、このような異物の混入は現実には避けることができない。上記異物のうち、ぺレタイズ時の未反応物は、成膜後には、ゲル状となったり、炭化したりする。また、他の異物も、炭化したり、そのまま溶融せずにフィルム中に残存し異物となる。

0021

成膜により得られた位相差板フィルムに上記異物が混入していると、外観正常が低下するだけでなり、位相差むらの原因ともなる。また、液晶表示装置などの光学装置に用いられ位相差板において、目視で確認し得る異物が存在してはならず、従って粒径50μmを超えるような大きさの異物の除去が求められる。

0022

ところで、異物を除去する方法としては、フィルタによりフィルトレーションする方法が考えられる。しかしながら、上記のような要求品質を実現するには、比較的大きな容積のフィルタを用いなければならず、製造装置が大型化するという問題が生じる。加えて、フィルタ容積が大きくなると、可塑剤のフィルタ中における滞留時間が長くなり、フィルトレーションに際して可塑剤が分解し、発泡したり、位相差板の外観不良が生じたりとするという問題が生じた。

0023

そこで、本願発明者らは、上記異物の混入による品質の低下を抑制すべく鋭意検討した結果、可塑剤を混合する前に熱可塑性樹脂をフィルトレーションすれば、このような問題点を解決し得ることを見出し、本発明をなすに至った。

0024

(位相差板の製造方法)本発明に係る位相差板の製造方法では、まず、第1の押出工程において熱可塑性樹脂を溶融押出する。熱可塑性樹脂としては、延伸して位相差板として要求される位相差、例えば100〜1000nmを実現し得る限り、任意の熱可塑性樹脂を用いることができる。

0025

特に限定されるわけではないが、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂塩化ビニル系樹脂ポリカーボネートアクリロニトリル系樹脂スチレン系樹脂ポリオレフィンポリサルフォンポリエーテルサルフォン、ポリアリレートなどを好適に用いることができる。中でも、透明性に優れ、かつ光の波長分散性が良好であるポリカーボネートやポリサルフォンがより好ましく用いられる。さらに好ましくは、光の波長分散性が液晶に近い特性であるため、ポリサルフォンを用いることが望ましい。

0026

なお、上記波長分散性が良好であるということは、液晶によって各波長で異なる楕円偏光となった光の位相を良好に補償することができ、液晶表示装置におけるコントラストを高め得ることを意味する。

0027

本発明に係る製造方法では、上記熱可塑性樹脂をまず溶融押出するが、この溶融押出に際しては、熱可塑性樹脂の融点以上の温度に熱可塑性樹脂を加熱することにより行われる。

0028

また、上記第1の押出工程に引き続き、熱可塑性樹脂をフィルトレーションするフィルトレーション工程を実施する。このフィルトレーションについては、熱可塑性樹脂から前述した異物を除去し得る適宜のフィルタを用いることができる。このようなフィルタとしては、特に限定されるわけではないが、例えば、不織布を用いたもの、あるいは折り込み積層タイプのものなどを用いることができ、特に、空孔率が高くかつ透過効率に優れた不織布を用いたフィルタが好適に用いられる。

0029

上記フィルタの形状については、透過面積を大きくし、圧力損失を小さくすることが望ましいため、リーフディスク形状、キャンドル形状、またはカートリッジ形状のものなどを好適に用いることができ、中でも、ろ過面積が大きくかつケースのサイズを小さくし得るため、リーフディスク形状のフィルタがより好ましい。

0030

上記フィルトレーション工程により、熱可塑性樹脂中に含有されていた異物が除去される。しかる後、第2の押出工程において、フィルトレーションされた熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押出し、熱可塑性樹脂フィルムを得る。

0032

特に、熱可塑性樹脂としてポリサルホンを用いた場合には、上記可塑剤の中でも、フタル酸エステルまたはスルホンアミド系可塑剤を用いることが好ましい。フタル酸エステル及びスルホンアミドは、ポリサルホンとの相溶性が高く、位相差フィルムの透明性を損ない難く、かつ沸点が高いので成形過程における発泡や沸騰が生じ難く、位相差フィルムの品質安定性を高め得る。

0033

上記フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジメチルフタル酸ジエチルフタル酸ジヘプチル、フタル酸ジエチルヘキシルフタル酸ジイソノニルフタル酸ジイソデシルフタル酸ブチルベンジルフタル酸ジオクチルなどを挙げることができる。

0034

本発明に係る位相差板の製造方法では、上記可塑剤を熱可塑性樹脂に混合するが、この混合割合については、特に限定されるわけではないが、通常、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.3〜10重量部程度とされる。可塑剤の含有割合が0.3重量部未満では、位相差を均一にする効果が十分に得られないことがなり、10重量部を超えると、所望の位相差が発現し難くなる。

0035

上記可塑剤の混合は、第2の押出工程において、フィルトレーション後の熱可塑性樹脂を押出機に投入する前に熱可塑性樹脂と混合してもよいが、好ましくは、第2の押出工程に用いられる押出機として、可塑剤供給部を有する押出機を用い、押出機内に可塑剤を直接圧入する方法が用いられる。

0036

第2の押出工程により、上記熱可塑性樹脂及び可塑剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂フィルムが得られる。押出に際しての温度は、熱可塑性樹脂の種類に応じて調整すればよい。また、押出成膜により得られる熱可塑性樹脂フィルムの厚みについても、特に限定されるわけではないが、通常、50〜150μm程度とされる。

0037

本発明に係る位相差板の製造方法では、上記のようにして得られた熱可塑性樹脂フィルムを延伸する。この場合、第2の押出工程に引き続いて連続して延伸を行ってもよく、あるいは押出成膜後熱可塑性樹脂フィルムを一旦巻き取り、しかる後ロールから熱可塑性樹脂フィルムを引き出し、延伸してもよい。

0038

なお、延伸とは、延伸に先立って行われる予熱ゾーンと、予熱ゾーンの後で実際に延伸を施す延伸ゾーンの双方のゾーンにおける工程を含むものとする。第2の押出工程で得られた膜からの可塑剤の揮散は以下のようにして行われる。すなわち、押出時の熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む混合組成物の温度が可塑剤の沸点に近いため、混合物の膜表面から可塑剤が揮散する。また、第2の押出機金型内高圧下で封入されていた可塑剤が金型から出ると直ちに大気圧下におかれるためもあって、可塑剤が膜表面から単に揮散する。

0039

延伸の具体的な方法については、特に限定されず、任意である。すなわち、縦一軸延伸横一軸延伸または縦横二軸延伸など任意の方法を採用することができ、好ましくは、液晶表示装置に位相差フィルムを組み込んだ場合の視野角を広げ得るため、縦一軸延伸が用いられる。

0040

(位相差板製造装置)本発明に係る位相差板製造装置は、上述した位相差板の製造方法に用いられるものであり、熱可塑性樹脂を溶融押出するための第1の押出機と第1の押出機の押出端に配置されたフィルタと、フィルタの後段に接続されており、かつ可塑剤供給部を有する第2の押出機とを備える。この場合、第1の押出機については、特に限定されるものではなく、従来より熱可塑性樹脂フィルムを得るのに用いられる適宜の押出機を用いることができる。同様に、第2の押出機についても、可塑剤供給部、すなわち可塑剤を押出機内に投入し得る工程を備えた適宜の熱可塑性樹脂用押出機を用いることができる。

0041

また、上記フィルタとしては、前述した製造方法の説明において述べたフィルタを用いることができる。第2の押出工程に用いられる第2の押出機は、単軸であっても、二軸のものであってもよいが、可塑剤の熱可塑性樹脂に対する混練性を高めるには、二軸押出機を用いることが望ましい。可塑剤供給部については、可塑剤を押出機内に圧入する形式のものが好適に用いられる。可塑剤供給部は、第2の押出機の熱可塑性樹脂が充填されている部分に可塑剤を注入し得る限り、いずれの部分に設けられていてもよい。熱可塑性樹脂が充填されていない部分に可塑剤が供給されると、可塑剤が揮発し、所定量の可塑剤を混入することができなかったり、あるいは可塑剤が気泡となり、目的とする位相差フィルムを得られなかったりすることがある。

0042

第2の押出機の後端には、通常、ギアポンプなどの定量吐出装置が備えられ、それによって厚みがより均一な熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。また、上記のようにして、得られた熱可塑性樹脂フィルムを用いて、前述した延伸方法により熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより位相差板を得ることができる。この場合の延伸装置についても、縦一軸装置、横一軸装置または縦横二軸延伸装置などの任意の延伸装置を用いることができる。もっとも、好ましくは、液晶表示装置に操作板を組み込んだ際の視野角を広げ得るため、縦一軸延伸装置が好適に用いられる。

0043

(作用)請求項1に記載の発明に係る位相差板の製造方法では、熱可塑性樹脂を第1の押出工程により溶融押出し、フィルトレーション工程により該熱可塑性樹脂をフィルトレーションする。従って、熱可塑性樹脂中に含まれていた前述した各種異物が確実に除去される。

0044

この場合、可塑剤は未だ混合されていないため、十分にフィルトレーションしたとしても、可塑剤の分解等は生じ難い。次に、第2の押出工程において、フィルトレーションされた熱可塑性樹脂に可塑剤が混合され、かつ押出され、熱可塑性樹脂フィルムが得られる。従って、異物の混入がなく、可塑剤の分解による発泡や外観不良がほとんどない熱可塑性樹脂フィルムが得られる。従って、該熱可塑性樹脂フィルムを延伸して得られた位相差フィルムでは、異物が混入していないので、位相差むらが生じ難い。

0045

また、請求項2に記載の発明では、上記のようにして押出成膜により得られた良好な品質の熱可塑性樹脂フィルムにおいて、厚みむらが存在しても、前述のように、厚みむらが厚み方向に沿う平均可塑剤濃度により相殺されるので、延伸工程後に均一な位相差の位相差フィルムを得ることができる。

0046

請求項2に記載の発明に係る位相差板製造装置は、第1の押出機、フィルタ、第2の押出機、引取機及び延伸機を備えるため、前述した請求項1に記載の発明に係る位相差板の製造方法に従って位相差フィルムを得ることができる。すなわち、第1の押出機により熱可塑性樹脂を押出し、次に、フィルタによりフィルトレーションすることにより、熱可塑性樹脂中の異物が確実に除去される。また、フィルタの後段に第2の押出機が接続されており、該第2の押出機において熱可塑性樹脂に可塑剤が混合され、しかる後第2の押出機から押出成膜により熱可塑性樹脂フィルムが得られる。従って、異物の混入がなく、可塑剤の発泡などに起因する外観不良のない熱可塑性樹脂フィルムが得られる。

0047

よって、延伸により、熱可塑性樹脂フィルムに屈折率差が与えられ、異物がなく、外観不良が良好な位相差フィルムが得られる。

発明を実施するための最良の形態

0048

図1は、本発明に係る位相差板製造装置の一例の要部を示す概略構成図である。図1に示すように、この位相差板製造装置は、第1の押出機1、フィルタ2及び第2の押出機3を備える。第1の押出機1には、熱可塑性樹脂を供給するための熱可塑性樹脂供給部1aが設けられている。第1の押出機1については、従来より公知の押出機を用いることができ、特に限定されるわけではないが、例えば、GMエンジニアリング社製、品番:GM−50(L/D=28)を用いることができる。

0049

上記フィルタ2は、第1の押出機1の押出端に接続されている。このフィルタ2としては、前述したとおり、熱可塑性樹脂から異物を除去し得る適宜の材料からなるものを用いることができる。本構造例では、フィルタ2は、日本精線社製、品番:NF2M−06D2により構成されている。このフィルタ2は、フィルタ材料として焼結ステンレス鋼からなる不織布を用いたリーフディスク形状のものであり、ろ過面積は0.0256m2 /枚であり、ディスク枚数は35枚とされている。

0050

また、第2の押出機3は、フィルタ2の後段に接続されており、複数のバレルa〜jを有する。この第2の押出機3としても、従来より押出成膜に用いられる適宜の押出機を用いることができるが、本構造例では、同方向二軸押出機である日本製鋼所社製、品番:TEX−44(L/D=35)が用いられている。

0051

また、この第2の押出機3のバレルiには、プランジャーポンプからなる可塑剤供給部3aが接続されている。このプランジャーポンプは、可塑剤を第2の押出機3内において熱可塑性樹脂に圧入するための設けられている。

0052

また、第2の押出機3の吐出端側には、アダプター4及びネック部5を介して金型6が備えられいる。金型6は、熱可塑性樹脂フィルムを成膜するために用いられているものであり、本構造例では、コートハンガータイプの面長500mmの金型(EDI社製)が用いられている。

0053

また、図2に側面図で示すように、金型6から熱可塑性樹脂フィルム7が垂下されて成膜され、下方のドラム8に接触される。もっとも、熱可塑性樹脂フィルム7は、金型6から垂下されて成膜される必要は必ずしもなく、金型出口が横方向に押し出されてもよい。

0054

なお、図1では、特に図示はしないが、本発明に係る位相差板製造装置では、上記第2の押出機3から吐出され、金型6を経て成膜された熱可塑性樹脂フィルムを延伸するために、前述した適宜の延伸装置が用いられる。延伸装置については、第1,第2の押出機1,3及びフィルタ2とは別の装置として用意されるが、金型6から吐出された熱可塑性樹脂フィルムを連続的に延伸するように延伸装置を金型6に連結してもよい。

0055

次に、具体的な実施例及び比較例を説明することにより、本発明を具体的に説明する。

0056

(実施例1)図1に示した位相差板製造装置を用い、以下の要領で位相差板を得た。まず、第1の押出機1の熱可塑性樹脂供給部1aから熱可塑性樹脂としてポリサルフォンぺレット(帝人アモコエンジニアリングプラスチック社製、品番:P−1700)100重量部を供給し、第1の押出機1内で溶融混練し、次にフィルタ2によりフィルトレーションし、第2の押出機3に供給した。なお、第2の押出機3は、第1の押出機1に対して平面視した場合、直角方向に配置されている。また、フィルタ2は、第2の押出機3のバレルfに接続されている。

0057

次に、第2の押出機3内において、可塑剤としてフタル酸ジエチル(大八化学工業社製、沸点296℃)をバレルiの位置でプランジャーポンプよりなる可塑剤供給部3aから熱可塑性樹脂100重量部に対し5重量部の割合で供給した。しかる後、バレルa〜jで熱可塑性樹脂及び可塑剤を混練し、アダプター4及びネック部5を経由して金型6から吐出させ、吐出された熱可塑性樹脂組成物を表面温度145℃の面長600mmの金属ロールゴムロールとでニップ冷却し、82.5μmの厚みの未延伸のポリサルフォンフィルムを得た。

0058

なお、上記第1,第2の押出機及び金型6を用いた成形に際しての各部分の温度条件は以下のとおりとした。

0059

0060

上記のようにして得たポリサルフォンフィルム中の異物を目視により観察したところ、異物は確認できなかった。また、発泡や外観不良も認められなかった。次に、上記のようにして得たポリサルフォンフィルムをロール延伸機により、予熱ゾーンの温度を140℃、延伸ゾーンの温度を168℃とし、可塑剤の一部を揮発させつつ、延伸倍率1.4倍で延伸し、平均厚み75.6μmの位相差板を得た。

0061

得られたフィルムの中央から幅200mm及び長さ1000mmの位相差フィルムサンプルを切り出し、633nmにおける位相差を幅方向及び長さ方向共1cm間隔で測定したところ、位相差の平均値は430nmであり、1cm離れた2点間の位相差の差の最大値は1nmであった。

0062

(比較例1)比較のために、図3に示した比較例1の製造装置を用意した。すなわち、図1に示した本発明に係る位相差板製造装置から第1の押出機1及びフィルタ2を除去し、第2の押出機3以下の構造のみを用い、熱可塑性樹脂フィルムを成形した。第2の押出機3、可塑剤供給部3a、アダプター4、ネック部5及び金型6については、図1に示した装置と全く同様に構成した。なお、原料としてのポリサルフォンは、第2の押出機3のバレル1から投入した。

0063

比較例1の位相差板製造装置を用い、熱可塑性樹脂として実施例1と同様にポリサルフォンを用い、該ポリサルフォン100重量部に対し、可塑剤供給部3aから可塑剤としてのフタル酸ジエチル5重量部を混合し、成膜した。なお、第2の押出機のバレルa〜g、バレルh、バレルi,j及びアダプター4、ネック部5及び金型6の各成形温度については、表1に示した条件と同様とした。

0064

すなわち、図3に示した装置を用いたことを除いては、実施例1と同様にしてポリサルフォンフィルムを成形した。得られたポリサルフォンフィルムでは、目視により、80μm程度の異物の存在することが目視により認められた。

0065

(比較例2)図4に示した装置を用い、その他の点は実施例1と同様にしてポリサルフォンフィルムを得た。図4に示す装置では、図1に示した装置に比べて、第1の押出機1が除かれており、第2の押出機3に熱可塑性樹脂が供給されるように構成されていること、並びにフィルタ2が第2の押出機3の後段に接続されている点において異なる。また、各部分の成形温度は、表1に示した値と同様とした。

0066

上記のようにして得たポリサルフォンフィルムを目視により観察したところ、小さい気泡が無数に発生しており、位相差フィルムの製造には用いることができないものであった。

発明の効果

0067

請求項1に記載の発明に係る位相差板の製造方法では、熱可塑性樹脂を予めフィルトレーションし、熱可塑性樹脂中の異物が除去されているため、該フィルトレーション後の熱可塑性樹脂に可塑剤を混合し、押し出すことにより、押出成膜法により異物が混入していない熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。しかも、可塑剤混合前にフィルトレーションを行うため、可塑剤の発泡や分解も生じ難い。

0068

従って、異物の混入がなく、外観性も良好な熱可塑性樹脂フィルムを押出成膜法を用いて効率良く製造することができる。よって、該熱可塑性樹脂フィルムを用い、延伸することにより、異物の混入がないため、位相差むらの少ない、良好な品質の位相差板を得ることができる。

0069

加えて、請求項2に記載の発明では、第2の押出工程で膜状に押し出された熱可塑性樹脂と可塑剤とを含む混合物からなる組成物が冷却ロールまたは冷却ベルトで冷却されるまでの間に可塑剤を膜面から揮発させる工程を含むため、相対的に厚みの厚い部分の厚み方向の平均可塑剤濃度が相対的に厚みの薄い部分に比べて高くなり、その状態で延伸されることにより、より一層位相差の均一な位相差フィルムを提供することが可能となる。

0070

請求項3に記載の発明に係る位相差板製造装置は、第1の押出機、フィルタ、フィルタの後段に接続された第2の押出機、引取機及び延伸機を備えるため、請求項1,2に記載の発明に係る位相差板の製造方法を、該位相差板製造装置を用いて実施することができ、従って異物の混入がなく、位相差むらが少ない外観性に優れた位相差フィルムを効率良くかつ容易に提供することができる。また、上記フィルタでは、熱可塑性樹脂のみがフィルトレーションされるため、大型のフィルタを用い、十分にフィルトレーションを行ったとしても、可塑剤の発泡や分解が生じないので、より確実に異物の混入を防止することができる。

図面の簡単な説明

0071

図1本発明に係る位相差板製造装置の一構造例の要部を説明するための概略構成図。
図2図1に示した位相差板製造装置における金型以降の部分の要部を示す側面図。
図3比較例1で用意した製造装置を説明するための概略構成図。
図4比較例2で用意された製造装置の要部を説明するための概略構成図。

--

0072

1…第1の押出機
2…フィルタ
3…第2の押出機
3a…可塑剤供給部
6…金型

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