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技術 耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金および銅合金薄板

出願人 三菱伸銅株式会社三菱マテリアル株式会社
発明者 森哲人鈴木竹四榊原直男前義治野上敬司古柴豊
出願日 1999年2月23日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 1999-044322
公開日 1999年11月26日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 1999-323464
状態 特許登録済
技術分野 IC用リードフレーム
主要キーワード 円形チップ 小型ダイ 打抜き金型 ベークライト製 銅合金薄板 リフローはんだ 打抜き加工性 コアレス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月26日)のものです。
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図面 (1)

課題

打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金および銅合金薄板を提供する。

解決手段

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上:0.0007〜0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金であって、この銅合金に含まれるNb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限したことを特徴とする。

概要

背景

一般に、ICやLSIなどの半導体装置用リードフレーム、各種電気電子部品端子またはコネクタは、銅合金薄板を切断して条とし、これを打抜き加工プレス加工、、曲げ加工などの金属加工を施すことにより作製される。得られたリードフレーム半導体装置において、多くの場合、熱硬化性樹脂樹脂パッケージされた状態で使用され、さらに端子またはコネクタも熱硬化性樹脂で樹脂パッケージされた状態で使用されることが多い。

この樹脂パッケージされた状態で使用される半導体装置のリードフレームを製造するための銅合金薄板として、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%、Zn:0.05〜5重量%およびSn:0.05〜5重量%の内の1種または2種を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%を含有し、さらにMg、Co、Pb、Zr、Cr、Pb,Mn、Al、Ni、Si、InおよびBの内の1種または2種以上を総量で0.01〜2重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%、Zn:0.05〜5重量%およびSn:0.05〜5重量%の内の1種または2種を含有し、さらにMg、Co、Pb、Zr、Cr、Mn、Al、Ni、Si、InおよびBの内の1種または2種以上を総量で0.01〜2重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、などが知られている(特開平9−296237号公報参照)。

概要

打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金および銅合金薄板を提供する。

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上:0.0007〜0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金であって、この銅合金に含まれるNb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限したことを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金

請求項2

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.001〜0.02重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金。

請求項3

請求項1または2記載の銅合金において、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限したことを特徴とする耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金。

請求項4

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上を合計で0.0007〜0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項5

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Mg:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項6

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Si:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項7

Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Mg:0.0007〜0.5重量%、Si:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項8

請求項4、5、6または7記載の銅合金において、C含有量は0.001〜0.02重量%であることを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項9

請求項4、5、6、7または8記載の銅合金において、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限したことを特徴とする耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金。

請求項10

請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の銅合からなる銅合金薄板

技術分野

0001

この発明は、打ち抜きに際して金型摩耗が少ない特性(以下、この特性を耐打抜き金型摩耗性という)の銅合金、または耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金および銅合金薄板に関するものである。

背景技術

0002

一般に、ICやLSIなどの半導体装置用リードフレーム、各種電気電子部品端子またはコネクタは、銅合金薄板を切断して条とし、これを打抜き加工プレス加工、、曲げ加工などの金属加工を施すことにより作製される。得られたリードフレーム半導体装置において、多くの場合、熱硬化性樹脂樹脂パッケージされた状態で使用され、さらに端子またはコネクタも熱硬化性樹脂で樹脂パッケージされた状態で使用されることが多い。

0003

この樹脂パッケージされた状態で使用される半導体装置のリードフレームを製造するための銅合金薄板として、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%、Zn:0.05〜5重量%およびSn:0.05〜5重量%の内の1種または2種を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%を含有し、さらにMg、Co、Pb、Zr、Cr、Pb,Mn、Al、Ni、Si、InおよびBの内の1種または2種以上を総量で0.01〜2重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、Fe:0.05〜3.5重量%、P:0.01〜0.4重量%、Zn:0.05〜5重量%およびSn:0.05〜5重量%の内の1種または2種を含有し、さらにMg、Co、Pb、Zr、Cr、Mn、Al、Ni、Si、InおよびBの内の1種または2種以上を総量で0.01〜2重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板、などが知られている(特開平9−296237号公報参照)。

発明が解決しようとする課題

0004

近年、ICやLSIなどの半導体装置用リードフレームは、そのピン数が200ピン以上のものが多く造られるようになり、そのピンの間隔も益々狭ピッチ化しており、さらに各種電気・電子部品の高性能化に伴って小型化、薄型化した高精度の端子またはコネクタが数多く使用されるようになってきた。これら小型化、薄型化した高精度の端子またはコネクタを作製するには、打抜き加工材の寸法精度、バリの大きさが非常に重要な要素の1つになっている。打抜き加工に際して加工材打抜き加工性が悪いと、金型が短時間の使用で摩耗し、金型が摩耗すると寸法精度が悪くなり大きなバリが発生するからである。従来の銅合金薄板はこれを打抜き加工すると、金型の摩耗が激しく、短時間の使用で金型を交換しなければならなくなってコストがかかり、コスト削減のためには一層耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金薄板が求められていた。

0005

さらに、ICやLSIなどの半導体チップは約200℃あるいはそれ以上の温度でダイボンディングワイヤボンディングが行われ、その後、それを外部環境から保護するために樹脂パッケージが行われている。この樹脂パッケージのモールディングは160℃以上の温度で行われるが、樹脂とリードフレームとの密着性が悪いと、樹脂とリードフレームの間に剥離が起こり、剥離を起こしたデバイスでは水分の吸湿が起こり、後工程のリフローはんだめっきの際に、水分の蒸気圧によってパッケージ破壊されることがあり、近年の厳しい信頼性要求に応じることができなかった。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、これら課題を解決すべく研究を行っていたところ、(a)半導体装置用リードフレーム、各種電気・電子部品の端子またはコネクタを製造するための銅にFe、Zn、Pを含むFe−Zn−P系銅合金において、炭素および炭化物が耐打抜き金型摩耗性に大きく影響を及ぼし、特に従来のFe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有するFe−Zn−P系銅合金に、C:0.0005〜0.02重量%(好ましくは、C:0.001〜0.02重量%)を添加すると、耐打抜き金型摩耗性が従来よりも一層向上する、(b)前記(a)に記載のFe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%を含有し、さらにC:0.0005〜0.02重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有した耐打抜き金型摩耗性に優れたFe−Zn−P系銅合金に、さらにAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上を合計で0.0007〜0.5重量%添加すると樹脂密着性が従来よりも一層向上する、(c)前記Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種をそれぞれ0.0007〜0.5重量%添加すると樹脂密着性が一層向上するが、その中でもMgおよびSiを添加することが最も好ましく、MgおよびSiの場合はMg:0.0007〜0.5重量%およびSi:0.0007〜0.5重量%をそれぞれ単独で添加しても、またMg:0.0007〜0.5重量%およびSi:0.0007〜0.5重量%を共存させても良い。(d)前記(a)〜(c)のC:0.0005〜0.02重量%(好ましくは、C:0.001〜0.02重量%)を添加したFe−Zn−P系銅合金に、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMo(以下、これらの元素炭化物形成元素と総称する)の内の1種または2種以上を合計で0.01重量%以上含有すると、炭素添加による耐打抜き金型摩耗性を向上させる作用を軽減させるところから、炭化物形成元素の含有量は合計で0.01重量%未満に制限することが好ましい、などの知見を得たのである。

0007

この発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであって、(1)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金、(2)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.001〜0.02重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金、(3)前記(1)または(2)記載の銅合金において、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限した耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金、に特徴を有するものである。

0008

前記C:0.0005〜0.02重量%を含有する耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金に、さらにAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種をそれぞれ単独でAl:0.0007〜0.5重量%、Ca:0.0007〜0.5重量%、Be:0.0007〜0.5重量%、Cr:0.0007〜0.5重量%、Mg:0.0007〜0.5重量%またはSi:0.0007〜0.5重量%を添加すると樹脂密着性が向上する。さらにAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の2種以上を合計で0.0007〜0.5重量%を含有しても良い。Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの中でもMgおよびSiを添加することが好ましく、Mg:0.0007〜0.5重量%、Si:0.0007〜0.5重量%をそれぞれ単独で含有ことが好ましい。しかし、MgおよびSiの場合はMg:0.0007〜0.5重量%およびSi:0.0007〜0.5重量%を共存させることができる。

0009

したがって、この発明は、(4)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上を合計で0.0007〜0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、(5)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Mg:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、(6)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Si:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、(7)Fe:1.5〜2.4重量%、P:0.008〜0.08重量%、Zn:0.01〜0.50重量%、C:0.0005〜0.02重量%を含有し、さらに、Mg:0.0007〜0.5重量%、Si:0.0007〜0.5重量%、を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、(8)前記(4)、(5)、(6)または(7)記載の銅合金において、C含有量は0.001〜0.02重量%である耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、(9)前記(4)、(5)、(6)、(7)または(8)記載の銅合金において、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMoの内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満に制限した耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金、に特徴を有するものである。

0010

前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)記載の銅合金は、薄板として使用される。したがって、この発明は、前記(1)、(2)、(3)(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)記載の銅合金からなる銅合金薄板、に特徴を有するものである。

0011

この発明の耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金およびその薄板は、まず、高純度電気銅、炭化物形成元素を含有する鉄合金あるいは銅合金、Cu−Zn母合金およびCu−P母合金を用意し、これら原料還元性雰囲気誘導溶解炉を用いて黒鉛製坩堝の中で溶湯表面黒鉛製固形物で覆いながら溶解し、得られた溶湯に必要に応じてCuと各元素を含む母合金をAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上:0.0007〜0.5重量%となるように添加し、最後にFe−C母合金を添加して成分調整した後、黒鉛製モールド半連続鋳造して銅合金鋳塊を製造し、この銅合金鋳塊を還元性雰囲気中、温度:750〜980℃で焼鈍後熱圧延し、水冷したのち面削し、その後、40〜80%の冷間圧延と400〜650℃の中間焼鈍を繰り返し行い、最終冷間圧延し、250〜350℃の歪み取り焼鈍などを施して薄板とすることにより製造する。

0012

つぎに、この発明の耐打抜き金型摩耗性または耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れた銅合金の成分組成を上記のごとく限定した理由について説明する。
(a)Fe
Feは、Cuの素地に固溶すると共にPと化合物造り、強度および硬さを向上させる作用があるが、その含有量が1.5重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、2.4重量%を越えて含有すると、表面欠陥に基づくめっき性が著しく低下し、さらに導電率および加工性の低下をもたらすので好ましくない。したがって、Feの含有量は、1.5〜2.4重量%に定めた。一層好ましい範囲は、1.8〜2.3重量%である。

0013

(b)P
Pは、脱酸作用があるほか、Feと化合物を生成して強度を向上させる作用があるが、0.008重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、0.08重量%を越えて含有すると導電率および加工性の低下をもたらすところから、Pの含有量は0.008〜0.08重量%に定めた。一層好ましい範囲は、0.01〜0.05重量%である。

0014

(c)Zn
Znは、Cuの素地に固溶してはんだ耐熱剥離性を向上させる作用があるが、その含有量が0.01重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、0.50重量%を越えて含有してもその効果が飽和するところから、Znの含有量は0.01〜0.50重量%に定めた。一層好ましい範囲は、0.05〜0.35重量%である。

0015

(d)C
Cは、銅に対して非常に固溶しにくい元素であるが、極微量に含まれることにより、結晶粒微細化させ、熱間圧延工程での粒界割れを抑制する作用があり、さらに耐打抜き金型摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が0.0005重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、0.02重量%を越えて含有すると、熱間圧延工程での粒界割れを発生させるので好ましくない。したがって、C含有量は、0.0005〜0.02重量%に定めた。一層好ましい範囲は、0.001〜0.02重量%であり、さらに一層好ましい範囲は、0.001〜0.008重量%である。

0016

(e)Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSi
これら成分は脱酸作用を有し、溶湯表面に酸化防止膜を生成させてCの消耗を抑える作用があり、さらにFe−Zn−P系銅合金の樹脂密着性を向上させる作用を有するところから、必要に応じて添加するが、Al、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上が合計で0.0007重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、0.5重量%を越えて含有すると、導電率が低下すると共に、大きな酸化物析出物が生成しやすくなり、さらに表面の清浄性を損なうようになるので好ましくない。したがって、これら成分の含有量は、0.0007〜0.5重量%に定めた。一層好ましい範囲は0.001〜0.15重量%である。これら成分の内でもMg、Siが最も好ましく、つぎにBe、そのつぎにAl、Ca、Crが好ましい。

0017

(f)炭化物形成成分(Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、W、VおよびMo)これら成分は炭化物を生成し易い元素であるところから、これらの含有量を規制しないと溶湯中のCと反応して硬い炭化物を形成するためにCの耐打抜き金型摩耗性を向上させる作用を消失してしまうことになる。したがって炭化物形成成分の内の1種または2種以上の含有量を合計で0.01重量%未満(より好ましくは0.001重量%未満)に制限した。

0018

なお、Mn、Co、Agは最大0.5重量%まで、Sb、Bi、Pbは最大0.03重量%まで含まれていてもこの発明の趣旨を損なうものではない。

発明を実施するための最良の形態

0019

実施例1
原料として、高純度電気銅、炭化物形成元素を含有する鉄合金あるいは銅合金、Cu−Zn母合金、Cu−P母合金、Fe−C母合金および純鉄を用意し、まず、前記高純度電気銅、炭化物形成元素を含有する鉄合金あるいは銅合金および純鉄をCO+N2ガス雰囲気にてコアレスタイプの誘導溶解炉を用い、黒鉛製坩堝の中で溶湯表面を黒鉛製の固形物で覆いながら溶解し、続いて、Cu−P母合金を添加して脱酸を行い、Cu−Zn母合金を添加し、さらにFe−C母合金を添加することによって成分調整した後、得られた溶湯を黒鉛製ノズルおよび黒鉛製モールドを用いて厚さ:160mm、幅:450mm、長さ:1600mmの鋳塊を鋳造し、表1〜表3に示される成分組成を有する本発明銅合金1〜16、比較銅合金1〜3および従来銅合金1の鋳塊を製造した。

0020

これら本発明銅合金1〜16、比較銅合金1〜3および従来銅合金1の鋳塊を860℃で熱間圧延して厚さ:11mmの熱延板とし、ついで水冷後、熱延板の上下両面を厚さ:0.5mmづつ両側端面を0.5mmづつ面削して厚さ:10mmとし、これに圧延率:84%の冷間圧延を施して厚さ:1.60mmの冷延板とし、さらに温度:530℃に1時間保持の中間焼鈍と圧延率:69%の冷間圧延を施して厚さ:0.50mmの冷延板とし、引続いて温度:460〜500℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の中間焼鈍を施した後、酸洗を加え、さらに圧延率:50%の冷間圧延を施して厚さ:0.25mmの冷間圧延板とし、最終的に300℃、2分間保持の歪み取り焼鈍を施すことにより本発明銅合金1〜16、比較銅合金1〜3および従来銅合金1からなる薄板条を作製した。

0021

得られた本発明銅合金1〜16、比較銅合金1〜3および従来銅合金1からなる薄板条を小型ダイインマシン装置(能率機械LEM3201型)を用い、金型は市販のCo:16重量%、WC:残りからなる組成を有するWC超硬合金製のものを用い、厚さ:0.25mm、幅:25mmのCu合金条を連続打抜き加工により直径:5mmの円形チップ100万個打抜き、打抜き加工開始から20個の穴径と100万個打抜き加工終了直前の20個の穴径をそれぞれ測定し、それぞれの20個の穴径の平均値から変化量を求めて金型の摩耗量とし、表3の従来銅合金1の金型の摩耗量を1としてこれに対する相対値として表わした値を表1〜表2に示し、耐打抜き金型摩耗性を評価した。

0022

0023

0024

0025

表1〜表3に示される結果から、本発明銅合金1〜16からなる薄板は、いずれも従来銅合金1からなる薄板よりも耐打抜き金型摩耗性に優れていることが分かる。さらにC含有量が0.0005%未満の比較銅合金1および炭化物形成元素の合計が0.01%以上の比較銅合金3はいずれも耐打抜き金型摩耗性が十分でなく、またC含有量が0.02%を越えて含有する比較銅合金2は熱間圧延時に粒界割れが発生するので好ましくないことが分かる。

0026

実施例2
実施例1と同様の方法でFe,P,Znについて所望の組成に近い溶湯を溶製し、続いてAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上をCuと各元素を含む各種の母合金の形で添加して溶湯表面に酸化防止膜を生成させた後、Fe−C母合金を添加することにより表4〜表7に示される成分組成の本発明銅合金17〜38、比較銅合金4〜6および従来銅合金2を作製した。これら本発明銅合金17〜38、比較銅合金4〜6および従来銅合金2を実施例1と同様にして厚さ:0.25mmの冷間圧延板とし、最終的に300℃、2分間保持の歪み取り焼鈍を施すことにより本発明銅合金17〜38、比較銅合金4〜6および従来銅合金2からなる薄板条を作製した。

0027

これら薄板条を用い、実施例1と同様にして表8の従来銅合金2の金型の摩耗量を1としてこれに対する相対値として表わした値を表8〜表9に示し、耐打抜き金型摩耗性を評価した。

0028

つぎに、本発明銅合金17〜38、比較銅合金4〜6および従来銅合金2からなる薄板条を25mm×150mmの寸法に切断して図1に示される合金試験片1を作製した。

0029

この合金試験片1の上端に、図1に示されるように、スタッド3を有する接着面積:1.0cm2 の円錐台状のエポキシ樹脂2(住友ベークライト製EME−6300H)を6個モールディング接着し、その後175℃に8時間保持してキュアーすることによりテストピースを作製した。このテストピースのスタッド3を引張り試験機で引っ張ることにより合金試験片1とエポキシ樹脂2との密着強度を測定し、その平均値を表8〜表9に示し、本発明銅合金17〜38、比較銅合金4〜6および従来銅合金2からなる薄板条に対する樹脂密着性を評価した。

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0035

0036

表4〜表9に示される結果から、Cを0.0005〜0.02重量%含有し、さらにAl、Be、Ca、Cr、MgおよびSiの内の1種または2種以上を合計で0.0007〜0.5重量%含む本発明銅合金17〜38からなる薄板条は、従来銅合金2からなる薄板条よりも耐打抜き金型摩耗性および樹脂密着性に優れていることがわかる。さらにC含有量が0.0005%未満の比較銅合金4、並びに炭化物形成元素の合計が0.01%以上の比較銅合金6はいずれも耐打抜き金型摩耗性が十分でないことがわかる。またC含有量が0.02%を越えて含有する比較銅合金5は熱延時に粒界割れが発生するので好ましくないことが分かる。

発明の効果

0037

上述のように、この発明の耐打抜き金型摩耗性に優れた銅合金は、従来の銅合金よりも耐打抜き金型摩耗性に優れており、さらに樹脂密着性にも優れているところから、電子産業発展に大いに貢献し得るものである。

図面の簡単な説明

0038

図1テストピースの斜視図である。

--

0039

1合金試験片
2エポキシ樹脂
3 スタッド

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