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技術 接着性樹脂組成物

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 鈴田昌由古沢伸夫梅山浩関根徳政
出願日 1998年5月20日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1998-138838
公開日 1999年11月26日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-323038
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物 接着剤、接着方法
主要キーワード 高温加工性 ポリスチレンペーパー ブラベンダータイプ 変成ポリオレフィン 高分子弾性体 カップラーメン 接着機構 共重合タイプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月26日)のものです。
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課題

高温加工性に優れ、極性基反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供することを目的とする。

解決手段

(1)エチレンーαオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJISK7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂組成物である。(2)(1)の接着性樹脂組成物に対して低密度ポリエチレンを配合したことを特徴とする接着性樹脂組成物である。(3)(1)または(2)の接着性樹脂組成に対して該接着性樹脂と非相溶の高分子化合物を配合したことを特徴とする接着性樹脂組成物である。

概要

背景

接着性樹脂天然高分子熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂ゴム系樹脂ホットメルト、など多岐にわたっている。そして、その性能、使用用途に応じて様々な接着性樹脂を選択することが可能であり、異種材料間を接着させることで、様々な機能を付与した製品を得ることが可能である。

例えば、食品包装分野では、カップもしくはトレー容器蓋材シーラントとして、接着性樹脂を使用している。これらの容器材質としては、カップラーメンの容器に代表される発砲ポリスチレンや、ゼリーヨーグルトといった内容物に対する容器としてポリスチレン、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。

一般に、接着性樹脂の接着機構としては粘着分子間相互作用水素結合など)、反応性官能基による反応によって異種材料間を接着させることが挙げられる。このような接着性樹脂としては、エチレンー酢酸ビニル共重合体エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸無水マレイン酸共重合体、エチレンーアクリル酸ーメタクリル酸グリシジルなどの主鎖共重合タイプや、ポリエチレンポリプロピレン無水マレイン酸グラフト共重合したタイプなど様々な種類が挙げられる。

しかしながら、上述したポリスチレンなどは、極性基、反応性官能基を構造上に持たないため、上述した接着性樹脂を用いても良好な接着性を得ることが困難である。そこで、ポリスチレンのような基材に対して良好な接着性を得るために、粘着付与剤を用いた系での接着性樹脂の開発が行われてきた。

これらの例としては、エチレンー酢酸ビニル共重合体中に粘着付与剤を添加した樹脂組成物や、変成ポリオレフィンにエチレンー酢酸ビニル共重合体および脂肪族系石油樹脂を配合したポリオレフィン組成物、エチレンーα、β不飽和カルボン酸共重合体脂環族系炭化水素樹脂を配合した接着性樹脂が提案されている。

しかしながら、このような接着性樹脂組成物はポリスチレンとの良好な接着性を有するとは言い難く、さらに色相耐候性にも劣るという課題がある。また、このような接着性樹脂は耐熱性にも問題を抱えており、Tダイ法により押出ラミネート時にも、加工温度を高く設定できないのが現状である。

概要

高温加工性に優れ、極性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供することを目的とする。

(1)エチレンーαオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJISK7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂組成物である。(2)(1)の接着性樹脂組成物に対して低密度ポリエチレンを配合したことを特徴とする接着性樹脂組成物である。(3)(1)または(2)の接着性樹脂組成に対して該接着性樹脂と非相溶の高分子化合物を配合したことを特徴とする接着性樹脂組成物である。

目的

本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、高温加工性に優れ、ポリスチレンのような極性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

エチレンーαオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂組成物

請求項2

請求項1記載の接着性樹脂組成物5〜99wt%に対し、低密度ポリエチレン樹脂1〜95wt%配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹脂組成物。

請求項3

請求項1または2記載の接着性樹脂組成物100重量部に対し、該接着性樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶の高分子化合物1〜50重量部配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹脂組成物。

請求項4

請求項1または2記載の接着性樹脂組成物の溶融粘度とこれらに配合する前記高分子化合物の溶融粘度との比であるηの値が、温度190〜300℃、せん断速度10n (1/sec)(0≦n≦2)の条件で、下記式1を満たすことを特徴とする請求項3記載の接着性樹脂組成物。

請求項

ID=000002HE=005 WI=027 LX=0465 LY=1650式1(ただし、η=ηa/ηb、ηaは前記高分子化合物の溶融粘度を表わし、ηbは前記接着性樹脂組成物の溶融粘度を表わす。)

請求項5

前記エチレンーαオレフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成されたことを特徴とする請求項1乃至4記載の何れかの接着性樹脂組成物。

請求項6

前記エチレンーαオレフィン共重合体が、ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1、4−メチルーペンテンー1から選択されるコモノマーエチレンとの共重合物であることを特徴とする請求項1乃至5記載の何れかの接着性樹脂組成物。

請求項7

前記エチレンーαオレフィン共重合体の密度が0.860〜0.925g/cm3 であることを特徴とする請求項1乃至6記載の何れかの接着性樹脂組成物。

請求項8

前記石油樹脂が、脂環族系石油樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7記載の何れかの接着性樹脂組成物。

請求項9

前記石油樹脂の軟化点温度が、70〜150℃であることを特徴とする請求項1乃至8記載の何れかの接着性樹脂組成物。

請求項10

前記石油樹脂の水素添加の割合が、10〜100%であることを特徴とする請求項1乃至9記載の何れかの接着性樹脂組成物。

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性エラストマーのような高分子弾性体粘着付与剤とからなる接着性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、エラストマーとしてエチレンーαオレフィン共重合体と粘着付与剤として脂環族系石油樹脂とをからなる接着性樹脂組成物に関するものである

背景技術

0002

接着性樹脂天然高分子熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂ゴム系樹脂ホットメルト、など多岐にわたっている。そして、その性能、使用用途に応じて様々な接着性樹脂を選択することが可能であり、異種材料間を接着させることで、様々な機能を付与した製品を得ることが可能である。

0003

例えば、食品包装分野では、カップもしくはトレー容器蓋材シーラントとして、接着性樹脂を使用している。これらの容器材質としては、カップラーメンの容器に代表される発砲ポリスチレンや、ゼリーヨーグルトといった内容物に対する容器としてポリスチレン、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。

0004

一般に、接着性樹脂の接着機構としては粘着分子間相互作用水素結合など)、反応性官能基による反応によって異種材料間を接着させることが挙げられる。このような接着性樹脂としては、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸無水マレイン酸共重合体、エチレンーアクリル酸ーメタクリル酸グリシジルなどの主鎖共重合タイプや、ポリエチレンポリプロピレン無水マレイン酸グラフト共重合したタイプなど様々な種類が挙げられる。

0005

しかしながら、上述したポリスチレンなどは、極性基、反応性官能基を構造上に持たないため、上述した接着性樹脂を用いても良好な接着性を得ることが困難である。そこで、ポリスチレンのような基材に対して良好な接着性を得るために、粘着付与剤を用いた系での接着性樹脂の開発が行われてきた。

0006

これらの例としては、エチレンー酢酸ビニル共重合体中に粘着付与剤を添加した樹脂組成物や、変成ポリオレフィンにエチレンー酢酸ビニル共重合体および脂肪族系石油樹脂を配合したポリオレフィン組成物、エチレンーα、β不飽和カルボン酸共重合体脂環族系炭化水素樹脂を配合した接着性樹脂が提案されている。

0007

しかしながら、このような接着性樹脂組成物はポリスチレンとの良好な接着性を有するとは言い難く、さらに色相耐候性にも劣るという課題がある。また、このような接着性樹脂は耐熱性にも問題を抱えており、Tダイ法により押出ラミネート時にも、加工温度を高く設定できないのが現状である。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、高温加工性に優れ、ポリスチレンのような極性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題は、本発明の下記の手段によって解決できるものである。

0010

請求項1記載の発明は、エチレンーαオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂組成物である。

0011

請求項2記載の発明は、請求項1記載の接着性樹脂組成物5〜99wt%に対し、低密度ポリエチレン樹脂1〜95wt%配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹脂組成物である。

0012

請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の接着性樹脂組成物100重量部に対し、該接着性樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶の高分子化合物1〜50重量部配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹脂組成物である。

0013

請求項4記載の発明は、請求項3記載の接着性樹脂組成物において、請求項1または2記載の接着性樹脂組成物の溶融粘度とこれらに配合する前記高分子化合物の溶融粘度との比であるηの値が、温度190〜300℃、せん断速度10n (1/sec)(0≦n≦2)の条件で、下記式1を満たすことを特徴とする。

0014

ID=000003HE=005 WI=027 LX=0465 LY=2250
式1(ただし、η=ηa/ηb、ηaは前記高分子化合物の溶融粘度を表わし、ηbは前記接着性樹脂組成物の溶融粘度を表わす。)

0015

請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーαオレフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成されたことを特徴とする接着性樹脂組成物である。

0016

請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーαオレフィン共重合体が、ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1、4−メチルーペンテンー1から選択されるコモノマーエチレンとの共重合物であることを特徴とする。

0017

請求項7記載の発明は、請求項1乃至6記載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーαオレフィン共重合体の密度が0.860〜0.925g/cm3 であることを特徴とする。

0018

請求項8記載の発明は、請求項1乃至7記載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂が脂環族系石油樹脂であることを特徴とする。

0019

請求項9記載の発明は、請求項1乃至8記載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂の軟化点温度が70〜150℃であることを特徴とする。

0020

請求項10記載の発明は、請求項1乃至9記載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂の水素添加の割合が10〜100%であることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0021

本発明の実施の形態について、以下詳細に説明する。

0022

本発明の接着性樹脂組成物は、エチレンーαオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特徴とする。

0023

本発明に用いられるエチレンーαオレフィン共重合体は、チグラ触媒シングルサイト系触媒より合成されるものであり、好ましくはシングルサイト系触媒より合成されたものが好ましい。また、上記シングルサイト系触媒は特に限定されるものではないが、シクロペンタジエニルコノセン誘導体を例とする、Zr、Ti、Hfなどの遷移金属シクロペンタジエニル環インデニル環などの不飽和環からなるメタロセン触媒が挙げられる。

0024

また、シングルサイト系触媒の他の例として、従来型のチグラー・ナッター系触媒を改良してシングルサイト化したもので、その重合体重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が2.5以下、好ましくは2.0以下のものも使用することが可能である。

0025

本発明におけるエチレンーαオレフィン共重合体のコモノマーとしては、ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1、4−メチルーペンテンー1などから選ばれたものならよく、特に、ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1をコモノマーとしたエチレンーαオレフィン共重合体が安価なため好ましい。

0026

本発明におけるエチレンーαオレフィン共重合体の密度は、0.860〜0.925g/cm3 が好ましい。0.860g/cm3 より小さいと耐熱性が損なわれ、さらに加工性も低下する。また、0.925g/cm3 以上になると、ポリスチレンなどの基材との接着性が低下する恐れがある。好ましくは、0.880〜0.920g/cm3 、さらに好ましくは、0.890〜0.910g/cm3 の基範囲から選択した方がよい。

0027

本発明における石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂から選ばれたものならばよく、特に脂環族系石油樹脂が好ましい。また、ロジン重合ロジン水素添加ロジンロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類を目的を損なわない範囲で添加することができるが、石油樹脂に対して0.1〜10wt%程度が好ましい。

0028

上記石油樹脂の水素添加の割合は、好ましくは10〜100%とするのが好ましく、さらに好ましくは、30〜100wt%である。10wt%以下であると分解しやすく、変色を伴うので好ましくない。

0029

本発明の接着性樹脂組成物は、上記エチレンーαオレフィン共重合体と石油樹脂を配合することで作成される。一般に、石油樹脂はその分子量が1000〜5000程度と考えられるため、エチレンーαオレフィン共重合体に低分子量の石油樹脂を添加すると、その添加量が多くなるにしたがい、接着強度は向上するが、系全体の分子量が低下する。上述した系における分子量の低下は、接着性樹脂組成物の加工性の低下、機械的強度の低下を伴う恐れがあるので、エチレンーαオレフィン共重合体中に配合する石油樹脂の添加量は1〜50wt%、そしてJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70が好ましい。

0030

また、本発明の接着性樹脂組成物は、請求項1記載の接着性樹脂組成物5〜99wt%に対し、低密度ポリエチレン樹脂1〜95wt%配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする。

0031

本発明に用いられる低密度ポリエチレンとは、高圧ラジカル重合法による高圧法低密度ポリエチレンが好ましく、その密度は0.910〜0.930g/cm3 で、JIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜30g/10minの範囲にあるものから選択される。

0032

さらに、本発明の接着性樹脂組成物は、請求項1または2記載の接着性樹脂組成物100重量部に対し、該接着性樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶の高分子化合物1〜50重量部配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを特徴とする。

0033

上記高分子化合物は、上述した接着性樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶であるものであれば種類は問わない。例を挙げると、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートポリアミドなど様々に選択することができるが、できるだけ安価なものが好ましい。

0034

上述した接着性樹脂組成物に、該接着性樹脂組成物と完全非相溶、あるいは部分非相溶の高分子化合物も添加することが可能である。一般に粘着付与剤である石油樹脂の添加量が多ければ多いほど接着性は向上するが、上述したように添加量が多すぎると加工性の低下、機械的強度の低下を引き起こす可能性がある。本発明の接着性樹脂組成物における低密度ポリエチレン、エチレンーαオレフィン共重合体、石油樹脂の系は相溶系であるため、接着性樹脂組成物中においては、低密度ポリエチレン、エチレンーαオレフィン共重合体中に均一に石油樹脂が分散している。そこで、これらの成分と完全非相溶あるいは部分非相溶の高分子化合物を添加することで、本発明の接着性樹脂組成物をマトリックス、高分子化合物をドメインとした海島構造を形成することが可能である。

0035

海島構造を形成させることで以下の利点を得ることが可能である。まず、単位体積あたりの接着性樹脂組成物に分散している石油系樹脂の濃度と、海島構造を形成した接着性樹脂組成物の濃度を比較すると、実際の石油樹脂の濃度には変化はないが、海島構造を形成することで、見かけ上の石油樹脂の濃度を上げることが可能である。この内容は、少量の石油樹脂添加量でも、それ以上の接着強度を得ることが可能であり、石油樹脂添加量増大に伴う加工性の低下や強度物性の低下を防ぐことができることを意味している。

0036

上記高分子化合物の溶融粘度と接着性樹脂組成物の溶融粘度との比η(=ηa/ηb)の値が、温度が190〜300℃、せん断速度が10n (1/sec)(0≦n≦2)の条件で、0.5以上で、かつ2以下の範囲を満たすことを特徴とする。

0037

上述したような非相溶系のポリマーブレンドは、その加工性などは、マトリックスとドメインの溶融粘度比、マトリックスとドメインの界面接着性などに影響される。非相溶系のポリマーブレンドの場合、マトリックスとドメインの溶融粘度比ηが1に近ければ好ましいが、それ以上でも以下でも構わない。実際に溶融粘度は、この接着性樹脂組成物の加工温度とせん断速度(1/sec)によって変化するが、上記したように、温度が190〜300℃、せん断速度が10n (0≦n≦2)において、溶融粘度比ηの値が、0.5以上で、かつ2以下の範囲を満たせば良い。好ましくは0.7以上で、かつ1.4以下の範囲が良い。溶融粘度比ηの値が、0.5より小さく、あるいは2より大きくなると、加工性が低下する恐れがある。また、マトリックスとドメインの界面接着性を向上させることも加工性を向上させる方法の一つであるため、必要に応じて相溶化剤を添加しても構わない。

0038

この時の混練方法としては、特に制限はないが、ドライブレンド簡易的である。しかし、物性の安定性を考慮すると、単軸押出機二軸押出機ブラベンダータイプ混練機ニーダー熱ロールなどを利用して溶融混合をさせた方が好ましい。

0039

エチレンーαオレフィン共重合体と石油樹脂とのブレンド物のMIが40を超える場合、この樹脂をTダイなどの手法で押出ラミネートを行うと、ドローダウン性の低下など加工性を低下させる可能性がある。その場合は、上述した接着性樹脂組成物を単独で利用するのではなく、この接着性樹脂組成物をマスターバッチとして、上述した低密度ポリエチレンに配合することも可能である。その際、この系におけるMIは加工性を考慮して0.1〜40にした方が好ましい。この系における加工方法は、前記接着性樹脂組成物と低密度ポリエチレン樹脂をドライブレンドしたものを溶融混練を行い、Tダイにてフィルム状に製膜することが可能である。

0040

また、加工性、熱安定性などを考慮して、必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑剤アンチブロッキング剤帯電防止剤、防剤、粘着調整剤、充填剤着色剤などの添加剤を加えることも可能である。

0041

以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例に限られるものではない。

0042

<実施例1>ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム(25μm)上に低密度ポリエチレンを厚さ20μmで押出ラミネートにより積層させたものを基材として使用した。エチレンーαオレフィン共重合体(d=0.902g/cm3、MI=7.5)に、軟化点温度140℃の脂環族系石油樹脂を配合比15wt%で二軸押出機により混練を行い、接着性樹脂組成物を作成した。この時のMIは、11g/10min.であった。この接着性樹脂組成物をTダイ法によりフィルム状に押出し、上記基材の低密度ポリエチレン側に、厚さ25μm、加工温度300℃で押し出した。その際、押し出したフィルムは発泡サージングドローセゾナンスが起こることなく、冷却ロールからの離ロール性に優れ、良好に基材上に積層ができた。この積層体発泡倍率12倍のポリスチレンペーパーおよびポリスチレンシートとをシール温度130〜150℃でヒートシールを行った。このヒートシール物を幅15mmの短冊状にサンプリングし、90度剥離試験を行った。その時の接着強度を表に示す。

0043

<実施例2>実施例1において石油樹脂の配合比を50wt%にしたところ、得られた接着性樹脂組成物のMIは49g/10min.であった。この接着性樹脂組成物をマスターバッチとして、低密度ポリエチレン(d=0.919g/cm3、MI=5)に配合比40wt%で添加した。結果的に石油樹脂の濃度は20wt%である。この時の接着性樹脂組成物のMIは14g/10minであった。この接着性樹脂組成物も加工性は優れるものである。実施例1と同様に、ポリスチレンペーパー、ポリスチレンシートとの接着強度を表に示す。

0044

<実施例3>実施例2の構成に、この接着性樹脂組成物と非相溶性のポリスチレンを、接着性樹脂組成物100重量部に対しポリスチレンを20重量部添加した(結果として、低密度ポリエチレン52wt%、エチレンーαオレフィン共重合体16wt%、ポリスチレン16wt%、石油樹脂16wt%)。この構成におけるMIは10〜16g/10min.の範囲であった。あらかじめ、実施例2における接着性樹脂組成物とポリスチレンの、温度300℃、せん断速度10(1/sec)における溶融粘度比ηを測定したところ、η=0.8であった。この接着性樹脂組成物も加工性に優れるものである。実施例1、2と共にポリスチレンペーパー、ポリスチレンシートとの接着強度を表に示す。

0045

0046

表1の結果から分るように、実施例1〜3に示す接着性樹脂組成物は、石油樹脂の添加量および接着性樹脂組成物のMIをコントロールすることで高温加工性、加工安定性を兼ね備えているだけでなく、ポリスチレンペーパーやポリスチレンシートとの接着性も極めて良好である。また、実施例1および2の結果から、石油樹脂の添加量を増加させることで、ポリスチレンペーパーやポリスチレンシートの接着強度を向上させることが可能であることが分かるが、実施例3のように、接着性樹脂組成物と完全非相溶であるポリスチレンを配合することで、実際の石油樹脂の含有量は、実施例2よりも少ないが、接着強度は実施例2のものより向上させることが可能であることが分かる。石油系樹脂は、その価格、食品物に対する衛生性、加工性などの点を考慮すると、できるだけ添加量を抑えたいのが現状であるが、実施例3のような、接着性樹脂組成物と非相溶系で値段も安価なポリスチレンを添加することで、少ない石油系樹脂の添加量でも、ポリスチレンペーパーやポリスチレンシートと十分接着強度が得られていることが分かる。

発明の効果

0047

本発明により、高温加工性に優れ、ポリスチレンペーパーやポリスチレンシートとの接着性が極めて良好な接着性を有し、またポリスチレンのような極性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供できる。食品包装分野において、例えばカップもしくはトレー容器の蓋材のシーラントとしての用途等に幅広活用が期待できる。

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