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技術 発泡性熱可塑性樹脂粒子ならびにこれを用いた予備発泡粒子および発泡成形体

出願人 積水化成品工業株式会社
発明者 迫田康宏高橋弘行
出願日 1998年5月12日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1998-129296
公開日 1999年11月26日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-322995
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 高分子組成物
主要キーワード 飲食器 食品コンテナ 漏洩状態 常温気体 含フッ素ブロック共重合体 流通在庫 アイスボックス 金属腐食防止効果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月26日)のものです。
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課題

発泡性熱可塑性樹脂粒子によって成形された容器への油分の浸透を防止し、発泡成形体生産性を向上させることを課題とする。

解決手段

発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体由来含フッ素ビニル型重合体セグメント親油性ビニル単量体由来の親油性ビニル型重合体セグメントとから構成される含フッ素ブロック共重合体および融着促進剤被覆または含有させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子により、上記の課題を解決する。

概要

背景

従来、発泡性熱可塑性樹脂粒子は、例えばポリスチレン樹脂粒子に、これを僅かに膨潤させる揮発性脂肪族炭化水素、例えばn−ペンタン等を水性懸濁液中で含浸させる方法、またはポリスチレン樹脂粒子に対して溶解性を有するトルエンシクロヘキサン等の溶剤を少量含有する水性懸濁液中で、常温気体ブタンプロパン等の発泡剤をポリスチレン樹脂粒子に含浸させる方法により製造される。

このようにして得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子を、予め予備発泡して予備発泡粒子とする。次いで、この予備発泡粒子を成形機金型内充填した後、水蒸気注入して予備発泡粒子の軟化点以上に加熱すれば、各予備発泡粒子がそれぞれ融着一体化して金型通り成形体を得ることができる。しかし、得られる成形体中の粒子が完全に融着一体化されていないため、例えば成形体を容器として使用する場合、収納される内容物によっては、内容物の成分が容器外壁あるいは成形体内部に浸透する恐れがある。この浸透を防止するためには、成形体を構成する個々の粒子の表面エネルギーを小さくする方法、すなわち浸透する内容物に対し成形体表面の接触角を大きくする方法が過去に提案されている。

例えば、特公平4−53890号公報では含フッ素ビニル型単量体親水性ビニル単量体とのランダムブロックまたはグラフト共重合体による表面被覆、特開平1−210435号公報ではパーフルオロアルキルスルホンアミドリン酸アンモニウムによる表面被覆、特開平3−190941号公報では親水性成分エチレンオキサイド基あるいはプロピレンオキサイド基)を含んだフッ素含有ビニル系単量体親油性単量体とのランダム共重合体による表面被覆等がそれぞれ提案されている。これらの公報に記載の表面改質剤は、いずれも、親水性成分あるいは親水性基を含んだフッ素系の表面改質剤である。

概要

発泡性熱可塑性樹脂粒子によって成形された容器への油分の浸透を防止し、発泡成形体生産性を向上させることを課題とする。

発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体由来含フッ素ビニル型重合体セグメント親油性ビニル型単量体由来の親油性ビニル型重合体セグメントとから構成される含フッ素ブロック共重合体および融着促進剤被覆または含有させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子により、上記の課題を解決する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体由来含フッ素ビニル型重合体セグメント親油性ビニル単量体由来の親油性ビニル型重合体セグメントとから構成される含フッ素ブロック共重合体融着促進剤とを、被覆または含有させたことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項2

融着促進剤が、一般式R−CONH2(Rは炭素数が10〜22の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素)で表される脂肪酸アミドである請求項1記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項3

融着促進剤が、炭素数7〜22の脂肪酸トリグリセライドである請求項1記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子を予備発泡して得られる予備発泡粒子

請求項5

請求項4に記載の予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体

技術分野

0001

本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子ならびにこれを用いた予備発泡粒子および発泡成形体に関する。さらに詳しくは、この発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に特定の含フッ素ブロック共重合体および融着促進剤被覆または含有させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子ならびにこれを用いた予備発泡粒子およびその発泡成形体に関する。

0002

この発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、各種の成形体の材料として用いられるが、油脂成分を含有する飲食品、例えば、即席麺フライドチキン脂肪含有食品レギュラーコーヒーや、特に発泡成形体に対する浸透性が高いカレー等の容器発泡成形材料として用いるのが好適である。その他、家庭用エアーコンディショナー等に用いられるドレンパン受け皿)、界面活性剤水溶液の容器あるいは携帯用アイスボックス等の発泡成形材料としても有用である。

背景技術

0003

従来、発泡性熱可塑性樹脂粒子は、例えばポリスチレン樹脂粒子に、これを僅かに膨潤させる揮発性脂肪族炭化水素、例えばn−ペンタン等を水性懸濁液中で含浸させる方法、またはポリスチレン樹脂粒子に対して溶解性を有するトルエンシクロヘキサン等の溶剤を少量含有する水性懸濁液中で、常温気体ブタンプロパン等の発泡剤をポリスチレン樹脂粒子に含浸させる方法により製造される。

0004

このようにして得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子を、予め予備発泡して予備発泡粒子とする。次いで、この予備発泡粒子を成形機金型内充填した後、水蒸気注入して予備発泡粒子の軟化点以上に加熱すれば、各予備発泡粒子がそれぞれ融着一体化して金型通りの成形体を得ることができる。しかし、得られる成形体中の粒子が完全に融着一体化されていないため、例えば成形体を容器として使用する場合、収納される内容物によっては、内容物の成分が容器外壁あるいは成形体内部に浸透する恐れがある。この浸透を防止するためには、成形体を構成する個々の粒子の表面エネルギーを小さくする方法、すなわち浸透する内容物に対し成形体表面の接触角を大きくする方法が過去に提案されている。

0005

例えば、特公平4−53890号公報では含フッ素ビニル型単量体親水性ビニル単量体とのランダムブロックまたはグラフト共重合体による表面被覆、特開平1−210435号公報ではパーフルオロアルキルスルホンアミドリン酸アンモニウムによる表面被覆、特開平3−190941号公報では親水性成分エチレンオキサイド基あるいはプロピレンオキサイド基)を含んだフッ素含有ビニル系単量体親油性単量体とのランダム共重合体による表面被覆等がそれぞれ提案されている。これらの公報に記載の表面改質剤は、いずれも、親水性成分あるいは親水性基を含んだフッ素系の表面改質剤である。

発明が解決しようとする課題

0006

ところが、親水性成分あるいは親水性基を含んだフッ素系の表面改質剤を使用しても、油脂成分および界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能や予備発泡後の粒子輸送時に生じるべとつきの点で必ずしも満足できるものではなかった。まず、浸透防止性能について説明する。発泡性熱可塑性樹脂粒子によって成形された容器は、その経済性保温性等により前記のような幅広い用途を有しており、例えば即席麺やフライドチキン等の油性食品を内容物とする容器に使用されている。その場合、流通在庫中に収納物が温度や湿度の影響を受け、油脂分やスープカップ外壁へにじみ出るという油分の浸透が問題となる。また、表面張力の低い界面活性剤水溶液を内容物とした場合には、短時間のうちに内容物が容器に浸透してしまうという問題がある。これらの対策として前記のような提案がなされているが、いずれの提案によっても遮蔽性は十分でなかった。

0007

次に、べとつきの問題について説明する。親水性成分または親水性基は油漏れ防止のために導入されているが、表面改質剤中の親水性成分が吸水して、粒子表面をべたつかせてしまうという問題がある。このような粒子を予備発泡させた場合、予備発泡後の粒子がべとつき、流動性が悪化する傾向がある。そのため、予備発泡時の合着粒を取り除くために使用される網上に粒子が滞留し通過しなくなるという問題や粒子移送パイプ中での粒子輸送に時間がかかるという問題があった。

0008

このように、従来の親水性成分あるいは親水性基を含んだフッ素系の表面改質剤を使用しても、油脂成分及び界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能、予備発泡時のべとつき、成形時間の点で必ずしも満足できるものではなかった。そこで例えば、粒子の融着向上を目的として脂肪酸アミド脂肪酸トリグリセライドを被覆または含有させることが知られているが(特開昭53−64277号、特公昭42−7715号、特公昭47−10540号及び特開昭60−202134号)、この方法では成形時間の短縮はできても、油脂成分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能をかえって悪化させる傾向があった。

0009

他方、油脂成分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能を向上させるには、フッ素系の表面改質剤を増量する必要があるが、そうすると成形時に粒子が融着しにくくなり成形時間を長びかせるという問題がある。このように、成形時間の短縮と、油脂成分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能の向上とは相反する関係にあった。

課題を解決するための手段

0010

この発明の発明者らは、発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体由来含フッ素ビニル型重合体セグメント親油性ビニル型単量体由来の親油性ビニル型重合体セグメントとから構成される含フッ素ブロック共重合体を被覆または含有させることにより、含フッ素ブロック共重合体中の含フッ素ビニル型重合体セグメントが油脂分や界面活性剤水溶液の浸透を効果的に防止し、さらに親油性ビニル型重合体セグメントが粒子のべとつきを大幅に減少させ、長期にわたり安定した性能を維持する発泡性熱可塑性樹脂粒子が得られることを見出した。

0011

そしてさらに研究を重ねた結果、発泡性熱可塑性樹脂粒子に、上記含フッ素ブロック共重合体と融着促進剤とを被覆または含有させることにより、油脂成分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性能を悪化させることなく、成形時間の短縮ができ、さらに予備発泡時のべとつきも改善できることを見出し、この発明を完成するに至った。

0012

かくして、この発明によれば、発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体由来の含フッ素ビニル型重合体セグメントと親油性ビニル型単量体由来の親油性ビニル型重合体セグメントから構成される含フッ素ブロック共重合体と融着促進剤とを、被覆または含有させてなる発泡性熱可塑性樹脂粒子と、それから得られる発泡粒子および発泡成形体が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、この発明の実施の形態について、より詳細に説明する。この発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子には、含フッ素ビニル型重合体セグメントと親油性ビニル型重合体セグメントから構成される含フッ素ブロック共重合体および融着促進剤が被覆または含有されている。

0014

この発明において、発泡性熱可塑性樹脂粒子の基材となる熱可塑性樹脂としては、無機または有機の発泡剤により発泡可能な樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン耐衝撃性ポリスチレンスチレン−(メタアクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、AS樹脂等の芳香族ビニル系樹脂メタクリル酸エステル系樹脂塩化ビニリデン樹脂ポリエチレンポリプロピレンエチレン酢酸ビニル共重合体等のオレフィン単独重合体および共重合体樹脂ポリフェニレンエーテルおよびポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの混合樹脂等の単独物やこれらの混合物、あるいはポリオレフィンの一部にビニル単量体グラフト共重合している複合樹脂等が挙げられる。なかでも芳香族ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリスチレン系樹脂が特に好ましい。

0015

発泡性熱可塑性樹脂粒子は、上記のような樹脂を基材として、発泡剤、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンシクロペンタン等の脂肪族炭化水素、フレオン11、フレオン12等のフレオン化合物二酸化炭素窒素等の無機化合物のような常温液体または気体である発泡剤を、一種または二種類以上、熱可塑性樹脂粒子に対して2〜20重量%含浸させたものである。発泡剤の含浸には公知の方法を採用でき、例えば、発泡剤を水性懸濁液として、オートクレーブ内で熱可塑性樹脂粒子に含浸させる方法が挙げられる。

0016

これらの発泡性熱可塑性樹脂粒子には、所望により難燃剤着色剤、溶剤(例えばトルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等)など、通常の添加剤をこの発明の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。この発明の含フッ素ビニル型重合体セグメントを構成する含フッ素ビニル型単量体としては、例えば下記の一般式(A)〜(G)で表わされるものが挙げられ、これら単量体は、単独でも、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
一般式(A):
ID=000008HE=015 WI=058 LX=1210 LY=2150
一般式(B):
ID=000009 HE=015 WI=070 LX=1150 LY=2350
一般式(C):
ID=000010 HE=015 WI=067 LX=1165 LY=2550
一般式(D):
ID=000011 HE=015 WI=077 LX=0215 LY=0300
一般式(E):
ID=000012 HE=025 WI=077 LX=0215 LY=0500
一般式(F):
ID=000013 HE=015 WI=077 LX=0215 LY=0800
一般式(G):
ID=000014 HE=035 WI=050 LX=0350 LY=1000
(式中、Rfは炭素数3〜21のポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルケニル基、R1 は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2 は炭素数1〜10のアルキレン基、R3 は水素原子またはメチル基、Arは置換基を有してもよいアリレン基である)
上記の一般式における、Rfのポリフルオロアルキル基としては、プロピルブチルペンチル、ヘキシルヘプチルオクチル、ノニルデシルウンデシルドデシルトリデシルテトラデシルペンタデシル、ヘキサデシルヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル等を構成する水素原子の所望数をフッ素原子置換した基が挙げられる。通常は、パーフルオロアルキル基であるのが好ましい。

0017

また、Rfのポリフルオロアルケニル基としては、プロペニルブテニルペンテニルヘキセニル、ヘプテニルオクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘニコセニル等を構成する水素原子の所望数をフッ素原子で置換した基が挙げられる。通常は、パーフルオロアルケニル基であるのが好ましい。

0018

上記のポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルケニル基は、炭素数6〜10であることが好ましい。炭素数2以下の単量体が用いられると、それから得られる含フッ素ブロック共重合体が油脂分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性発現し難く、また炭素数が22を超えるとかなり長鎖になるため、含フッ素ブロック共重合体への重合転化率が低下するので好ましくない。

0019

上記の一般式における、R1 のアルキル基としては、メチルエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イソプロピルイソブチルイソペンチルイソヘキシル、イソオクチル、イソノニル等が挙げられる。これらアルキル基のうち、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。炭素数が10を超えると、長鎖になるため重合転化率が低下するので好ましくない。

0020

上記の一般式における、R2 のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメチレンペンタメチレンヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン等が挙げられる。これらアルキレン基のうち、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。炭素数が10を超えると長鎖になるため重合転化率が低下するので好ましくない。

0021

上記の一般式における、Arのアリレン基としては、フェニレンナフチレン等が挙げられる。これらアリレン基は置換基を有していてもよく、そのような置換基の例としてはヒドロキシ基等が挙げられる。好ましいアリレン基としては、フェニレン、ヒドロキシフェニレン等が挙げられる。一般式(A)〜(G)で表わされる含フッ素ビニル型単量体の具体例としては、次のものが挙げられる。
1)一般式(A)の群:
F(CF2 )6 (CH2 )2 OCOCH=CH2 (a−1)
F(CF2 )8 (CH2 )2 OCOCH=CH2 (a−2)
F(CF2 )10(CH2 )2 OCOCH=CH2 (a−3)
H(CF2 )8 CH2 OCOCH=CH2 (a−4)
(CF3 )2 CF(CF2 )6 (CH2 )2 OCOCH=CH2 (a−5)
(CF3 )2 CF(CF2 )8 (CH2 )2 OCOCH=CH2 (a−6)
F(CF2 )6 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2 (a−7)
F(CF2 )8 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2 (a−8)
F(CF2 )10(CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2 (a−9)
H(CF2 )8 CH2 OCOC(CH3 )=CH2 (a−10)
(CF3 )2 CF(CF2 )6 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
(a−11)
(CF3 )2 CF(CF2 )8 (CH2 )2 OCOC(CH3 )=CH2
(a−12)
2)一般式(B)の群:
F(CF2 )8 SO2 N(CH3 )CH2 CH2 OCOCH=CH2
(b−1)
F(CF2 )8 SO2 N(CH3 )(CH2 )4 OCOCH=CH2
(b−2)
F(CF2 )8 SO2 N(CH3 )(CH2 )10OCOCH=CH2
(b−3)
F(CF2 )3 SO2 N(C2 H5 )C−(*)
(*)−(CH2 CH3 )HCH2 OCOCH=CH2 (b−4)
F(CF2 )8 SO2 N(CH3 )CH2 CH2 OCOC(CH3 )=CH2
(b−5)
F(CF2 )3 SO2 N(C2 H5 )CH2 CH2 OCOC(CH3 )=CH2
(b−6)
F(CF2 )3 SO2 N(C3 H7 )CH2 CH2 OCOC(CH3 )=CH2
(b−7)
3)一般式(C)の群:
F(CF2 )2 CON(C2 H5 )CH2 OCOCH=CH2 (c−1)
F(CF2 )3 CON(CH3 )CH(CH3 )CH2 OCOCH=CH2
(c−2)
F(CF2 )8 CON(CH2 CH2 CH3 )−(*)
(*)−CH2 CH2 OCOC(CH3 )=CH2 (c−3)
F(CF2 )8 CON(C2 H5 )CH2 OCOC(CH3 )=CH2
(c−4)
4)一般式(D)の群:
F(CF2 )8 CH2 CH(OH)CH2 OCOCH=CH2 (d−1)
(CF3 )2 CF(CF2 )2 CH2 −CH(OH)CH2 OCOCH=CH2
(d−2)
F(CF2 )8 CH2 CH(OH)CH2 OCOC(CH3 )=CH2
(d−3)
(CF3 )2 CF(CF2 )2 CH2 −(*)
(*)−CH(OH)CH2 OCOC(CH3 )=CH2 (d−4)
5)一般式(E)の群:
(CF3 )2 CF(CH2 )6 CH2 −(*)
(*)−CH(OCOCH3 )CH2 OCOCH=CH2 (e−1)
(CF3 )2 CF(CH2 )6 CH2 −(*)
(*)−CH(OCOCH3 )CH3 OCOC( CH3 )=CH2
(e−2)
6)一般式(F)の群:

0022

0023

7)一般式(G)の群:
F(CF2 )8 (CH2 )2 OCOCH2

F(CF2 )8 (CH2 )2 OCOC=CH2 (g−1)
(A)〜(G)の含フッ素ビニル型単量体以外の単量体としては、例えば、以下の含フッ素ビニル型単量体も用いられる。
F(CF2 )6 CH2 OCH=CH2
F(CF2 )8 CH2 OCH=CH2
F(CF2 )10CH2 OCH=CH2
F(CF2 )6 CH2 OCF=CF2
F(CF2 )8 CH2 OCF=CF2
F(CF2 )10CH2 OCF=CF2
F(CF2 )6 CH=CH2
F(CF2 )8 CH=CH2
F(CF2 )10CH=CH2
F(CF2 )6 CF=CF2
F(CF2 )8 CF=CF2
F(CF2 )10CF=CF2
CH2 =CF2
CF2 =CF2
これらの含フッ素ビニル型単量体は、単独でも、複数組み合わせて使用してもよい。

0024

前記全ての含フッ素ビニル型単量体のうち、一般式(A)で示される単量体が重合転化率が高いため好ましい。なお、一般式(B)、(C)および(D)の単量体中には、親水性成分〔例えば一般式(B)にはスルホンアミド基、一般式(C)にはアミド基、一般式(D)にはヒドロキシ基〕が存在するため、得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子に若干のべとつきが生じることがある。また、重合転化率は、一般式(A)で表わされる単量体が他の単量体と比較して高く、特に好ましい単量体は(a−2)、(a−8)、(a−11)および(a−12)である。

0025

さらに、油脂分や界面活性剤水溶液の浸透防止性を低下させない程度に、一般式(A)〜(G)で表わされる含フッ素ビニル型単量体以外の単量体(例えば、HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、MMA:メチルメタアクリレートSMA:メタクリル酸ステアリル等)と前記の(A)〜(G)で表わされる含フッ素ビニル型単量体とを共重合させてもよい。その場合、(A)〜(G)以外の単量体の配合量は、含フッ素ビニル型重合体セグメント中に3重量%以下が適当である。

0026

この発明の親油性ビニル型重合体セグメントは、親油性ビニル型単量体から得られる。親油性ビニル型単量体とは、フッ素原子を含まない親油性ビニル型単量体を意味し、具体的には下記の一般式
(H):R4 −OCOCR5 =CH2
(R4 は炭素数8〜22のアルキル基、炭素数6〜15のシクロアルキル基またはフェニル基であり、これらはそれぞれ置換基を有してもよく、R5 は水素原子またはメチル基である)で表される単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独でも、組み合わせて使用してもよい。

0027

上記の一般式中、R4 のアルキル基としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル等が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシルシクロヘプチルシクロオクチル等が挙げられる。

0028

R4 のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル基は、それぞれ置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、炭素数1〜3の低級アルキル基フェニル等のアリール基等が挙げられる。前記の一般式(H)で表わされる単量体の具体例(以下、アクリル酸エステルメタクリル酸エステルとを合わせて(メタ)アクリル酸エステルと略記する)としては、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。

0029

上記の親油性ビニル型単量体のうち、特に粒子のべとつきの発生がなく、さらに含フッ素ビニル型重合体セグメントの水や油の漏れ防止性能を低下させないものとしては、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等が挙げられる。

0030

この発明では、これらの親油性ビニル型単量体から得られる親油性ビニル型重合体セグメントを用いて含フッ素ブロック共重合体を形成するのが好ましい。さらに、親油性ビニル型単量体以外の単量体を用いて親油性ビニル型重合体セグメントを得ることもできる。そのような単量体としては、一般式(I)
ID=000015HE=015 WI=070 LX=1150 LY=0600
(式中、R6 は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキレン基、R7 は水素原子またはメチル基である)で示される単量体を使用することができる。

0031

前記の一般式(I)で表わされる単量体の具体例としては、次の式(i−1)〜(i−6)で表わされる単量体が挙げられる。
ID=000016HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1150
ID=000017 HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1300
ID=000018 HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1450
ID=000019 HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1600
ID=000020 HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1750
ID=000021 HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1900
このような親油性ビニル型単量体以外の単量体の配合量は、親油性ビニル型重合体セグメント中に3重量%以下であるのが適当である。

0032

一般式(I)の単量体を親油性ビニル型単量体と共重合させたものを使用することにより、発泡成形時金型に生じる腐食を防ぐことができ、したがって一般式(I)の単量体は、得られる含フッ素ブロック共重合体の金属腐食防止効果に寄与するものと考えられる。この発明における含フッ素ブロック共重合体中の含フッ素ビニル型重合体セグメントと親油性ビニル型重合体セグメントとの割合は、重量比で20/80〜80/20であるのが好ましく、50/50〜70/30であるのがさらに好ましい。含フッ素ビニル型重合体セグメントが20重量%未満では、樹脂粒子表面におけるフッ素原子で置換されたアルキル基の配列が不十分で油脂分や界面活性剤水溶液の漏れ防止性が十分でなくなる傾向があるので好ましくない。また、含フッ素ビニル型重合体セグメントが80重量%を超えると、発泡性熱可塑性樹脂粒子表面に含フッ素ブロック共重合体を均一に被覆しにくくなり、このような樹脂粒子を用いると、発泡成形過程で含フッ素ブロック共重合体が成形物全体に行きわたらず、この発明の効果が十分に発揮され難いため好ましくない。

0033

含フッ素ブロック共重合体の分子量範囲は、東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置HLC−8020を使用して、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として、ポリスチレン換算で求めると、重量平均分子量が3000〜300000のものが適しており、通常は10000〜50000の範囲のものが使用される。重量平均分子量が3000未満であると、十分な撥油性が発揮されず、逆に300000を超えると粘度が高くなり、発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面への造膜性含浸性が低下するので好ましくない。

0034

次に、含フッ素ブロック共重合体の製造方法を説明する。含フッ素ブロック共重合体は、例えば、ポリメリックペルオキシド重合開始剤として、一種または二種以上の親油性ビニル型単量体を重合させ、ペルオキシ結合含有重合体とする。得られたペルオキシ結合含有重合体を重合開始剤として用い、含フッ素ビニル型単量体の一種または二種以上を含む含フッ素ビニル型単量体混合物を重合させる。このような重合方法は、公知の製造方法(例えば特公平5−41668号公報、特公平5−59942号公報記載)を適用することができる。

0035

上記の含フッ素ブロック共重合体の製造時に用いられるポリメリックペルオキシドとは、1分子中に2個以上のペルオキシ結合をもつ化合物である。ポリメリックペルオキシドとしては、特公平5−59942号公報に記載されている各種ポリメリックペルオキシドを、この発明でも同様に使用することができる。また、ポリメリックペルオキシドは、一種でまたは複数種を組み合わせて使用してもよい。

0036

ポリメリックペルオキシドとしては、例えば次の下記一般式(1)〜(3)で表わされるものを使用できる。
一般式(1):
ID=000022HE=015 WI=073 LX=1135 LY=0850
一般式(2):
ID=000023 HE=015 WI=108 LX=0510 LY=1100
一般式(3):
ID=000024 HE=015 WI=092 LX=0590 LY=1300
(式中、nは2〜20の整数である)
含フッ素ブロック共重合体は、前記のポリメリックペルオキシドを用いて、溶液重合法塊状重合法懸濁重合法あるいは、エマルション重合法によって容易に得られる。

0037

溶液重合法の場合、この発明における含フッ素ブロック共重合体として第一工程で親油性ビニル型重合体セグメントを、第二工程で含フッ素ビニル型重合体セグメントを形成する場合を例にとると、次のように説明することができる。すなわち、まずポリメリックペルオキシドを重合開始剤として用い、親油性ビニル型重合体セグメントを形成する前記親油性ビニル型単量体を溶液有機溶剤等)中で重合することにより、連鎖中にペルオキシ結合が導入されたペルオキシ結合含有親油性ビニル型重合体が得られる。次に、第二工程において、第一工程の生成溶液中に含フッ素ビニル型単量体を加えて重合を行うと、ペルオキシ結合含有親油性ビニル型重合体中のペルオキシ結合で開裂し、効率よく含フッ素ブロック共重合体が得られる。

0038

なお、上記のような二段階重合において、第一工程の親油性ビニル型単量体を第二工程に、そして第二工程の含フッ素ビニル型単量体を第一工程に用いてもよい。この発明における含フッ素ブロック共重合体製造の第一工程で用いるポリメリックペルオキシドの量は、親油性ビニル型単量体あるいは含フッ素ビニル型単量体100重量部に対して通常0.5〜20重量部であり、そのときの重合温度は40〜130℃、重合時間は2〜12時間程度である。また、第二工程での重合温度は通常40〜140℃、重合時間は3〜15時間程度である。

0039

得られた含フッ素ブロック共重合体は、次に示す有機溶剤中に溶解または分散させたもの、あるいは界面活性剤等を添加して水に分散させてエマルション溶液としたものを使用することができ、微粉末状の形態でも使用できる。前記の有機溶剤としては、含フッ素ブロック共重合体を溶解または分散できる有機溶剤であれば特に限定されないが、例えばメタノールエタノールプロパノール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブエチルセロソルブアセトン2−ブタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ペンタノン3−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロペンタノンシクロヘキサノン2−ヘプタノン3−ヘプタノン4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル酢酸イソプロピル酢酸ブチルトリメチル酢酸メチル、酢酸イソブチル酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル酢酸イソアミルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチルプロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルプロピオン酸イソブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル酪酸エチル酪酸プロピル、酪酸イソプロピルイソ酪酸メチルイソ酪酸エチル、2−メチル−酪酸メチル、カプロン酸メチルベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサンイソヘキサンイソヘキセンヘプタンオクタンイソオクタンノナンイソノナンデカンウンデカンドデカントリデカンイソパラフィン系溶剤日本油脂社製:NAS−3,NAS−4,NAS−5H)、ホルムアミドアセトアミドジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドアセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,1,2,−トリフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、テトラクロルジフルオロエタンメチルクロロホルムヘキサフルオロイソプロパノール、(メタ)パラキシレンヘキサフロライドパーフルオロヘキサンパーフルオロヘプタン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。

0040

これらの有機溶剤の中で、含フッ素ブロック共重合体を溶解または分散させるのに特に良好な溶媒としては、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘキセン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、イソパラフィン系溶剤(日本油脂社製NAS−3)等が挙げられる。

0041

この発明による含フッ素ブロック共重合体は、上記の有機溶剤等で希釈して、発泡性熱可塑性樹脂粒子に被覆または含有させられる。その方法としては、例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシエルミキサーレーデイゲミキサー等の混合器で十分に混合することにより樹脂粒子表面を被覆させる方法、または樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際に含フッ素ブロック共重合体を添加して、樹脂粒子表層に含有させる方法が挙げられる。

0042

また、含フッ素ブロック共重合体を粉末状として用いるときには、液状ポリエチレングリコール液状ポリブテン等の展着剤を予め発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に被覆させておき、ついで粉末状の含フッ素ブロック重合体を被覆させてもよい。この発明において、含フッ素ブロック共重合体は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に対し、0.003〜2重量%被覆、または樹脂粒子中に含有させるのが好ましく、より好ましいのは0.005〜0.5重量%である。被覆もしくは含有させる量が0.003重量%未満では、油脂分や界面活性剤水溶液の浸透防止に十分な効果が得られ難く、2重量%を超えると、成形時の各発泡粒の融着を阻害する傾向を示すため好ましくない。

0043

この被覆の際に含フッ素ブロック共重合体の他に従来公知の被覆剤成分を併用してもよい。そのような被覆剤成分としては、例えば、ステアリン酸ラウリン酸ミリスチン酸等の高級脂肪酸亜鉛マグネシウムカルシウムアルミニウム塩等の高級脂肪酸金属塩が挙げられこれらのうちステアリン酸亜鉛が特に好ましい。この高級脂肪酸金属塩は予備発泡時の集塊化防止、成形金型からの離型、成形体の滑り易さの改善、食品容器等での内容物の浸透防止効果を示す。

0044

含フッ素ブロック共重合体と高級脂肪酸金属塩とを併用する場合の、高級脂肪酸金属塩の使用量は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に対し、0.05〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.35重量%である。この発明の特徴は、発泡性熱可塑性樹脂粒子から成形された発泡体が、油脂分や界面活性剤水溶液の浸透防止性を発現し、樹脂粒子の成形時に融着を阻害しないことにある。かかる効果は、含フッ素ブロック共重合体中のパーフルオロアルキル基の配列、特に先端CF3 基の発泡性樹脂粒子表面での均一配列が表面エネルギーの著しい低下をもたらして撥水・撥油性を付与するものと考えられる。

0045

この発明で使用される融着促進剤としては、例えば一般式R−CONH2(Rは炭素数が10〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素)で表わされる脂肪酸アミドまたは炭素数7〜22の脂肪酸トリグリセライドが挙げられる。上記一般式中、Rの脂肪族炭化水素としては、ラウリル、ステアリル等が挙げられる。

0046

そして、上記一般式で表される脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミドオレイン酸アミドエルカ酸アミドパルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドが挙げられる。また、米糠油のアミドや硬化油脂アミドなどの天然脂肪酸アミド化したものも含まれる。これらの脂肪酸アミドは単独で、または複数種を組み合わせて使用してもよい。

0047

また、炭素数7〜22の脂肪酸のトリグリセライドとしては、グリセリンと各種脂肪酸とのエステル化反応で合成された脂肪酸のトリグリセライドや天然のトリグリセライド等が使用でき、合成された脂肪酸のトリグリセライドとしては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ミリスチン酸トリグリセライド、ベヘン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド等が挙げられる。また、天然のトリグリセライドとしては、例えば、大豆硬化油牛脂硬化油ナタネ硬化油椰子硬化油硬化ヒマシ油等が挙げられる。

0048

これらのトリグリセライドは、単独でまたは複数種組み合わせて使用してもよい。さらに、融着促進剤としての脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドとを併用してもよい。この発明の融着促進剤の使用量は、その種類によっても異なるが、例えば、脂肪酸アミドでは、発泡性熱可塑性樹脂粒子に対して0.002〜0.2重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%使用される。0.002重量%未満では融着促進効果が得られ難く、0.2重量%を超えると含フッ素ブロック共重合体の使用量が多くなり、コスト高となって好ましくない。

0049

また、脂肪酸トリグリセライドの使用割合は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に対して0.002〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.1重量%である。0.002重量%未満では融着促進効果が得られ難く、0.5重量%を超えると含フッ素ブロック共重合体の使用量が多くなり、コスト高となって好ましくない。この発明における含フッ素ブロック共重合体と融着促進剤としての脂肪酸アミドまたは脂肪酸トリグリセライドとの使用割合は次の式を満足するのが好ましい。

0050

15b≧a≧b
5c≧a≧c
(aは含フッ素ブロック共重合体、bは脂肪酸アミド、cは脂肪酸トリグリセライドの重量をそれぞれ意味する)
aが15bまたは5cを超えると、融着促進効果よりも融着阻害効果が大きくなり好ましくない。また、aがbまたはc未満では、油脂分や界面活性剤水溶液の浸透防止に十分な効果が得られ難い。

0051

発泡性熱可塑性樹脂粒子は、公知の方法、例えば、回転撹拌予備発泡装置で、水蒸気を用いて加熱することにより予備発泡粒子とすることができる。また予備発泡粒子は、公知の方法、例えば、所望の形状の金型内に、発泡性熱可塑性樹脂粒子を充填し、水蒸気等を用いて加熱することにより発泡成形体とすることができる。

0052

この発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子から成形された飲食器等の食品容器および食品コンテナ等の発泡成形体は、これに牛脂大豆油ナタネ油等の植物油類ラード即席麺類シチューマヨネーズドレッシングソースカレールウバターマーガリンホワイトソースヨーグルト類アイスクリームドーナツハンバーガー、フライドチキン等の油性食品や脂肪食品直接包装しても、あるいは界面活性剤水溶液を入れても、各発泡粒子間より外部への油脂または水溶液または色素等の浸透を長時間にわたり抑制することができる。そのため、従来使用できなかった用途に使用範囲を拡大することが可能となる。

0053

同様に、界面活性剤の容器、家庭用エアーコンディショナーのドレンパン、携帯用簡易アイスボックス、鮮魚箱等の商品価値を向上させることもできる。また、この発明の発泡成形体は、短い加熱時間で製造され、生産性も向上する。以下実施例により、この発明をさらに詳細に説明する。

0054

実施例1
[含フッ素ブロック共重合体の合成例]温度計滴下フロート窒素ガス導入管および攪拌装置を取り付けた500mlの四つ口フラスコ窒素ガスを導入した後、イソパラフィン(日本油脂(株)製NAS−3)を175g入れ、70℃に加温した。その後、親油性ビニル型単量体としてメタクリル酸ステアリル39g、一般式(1)で表されるポリメリックペルオキシド5gおよびイソパラフィン50gの混合物を2時間で滴下した。その後、70℃で4時間反応を続けた。次いで、式(a−2)の含フッ素ビニル型単量体58.5gを1時間かけて滴下した。その後、70℃で5時間反応を行った。

0055

イソパラフィン溶液中の30重量%が含フッ素ブロック共重合体であり、得られた含フッ素ブロック共重合体は、含フッ素ビニル型重合体セグメントが60重量%で親油性ビニル型重合体セグメントが40重量%からなっていた。

0056

[発泡成形体の製造例]発泡剤として5.5重量%のn−ペンタンを含有する直径0.3mm〜0.5mmの発泡性ポリスチレン樹脂粒子1000gと、上記含フッ素ブロック共重合体のイソパラフィン溶液0.8g(純分0.24g、発泡性ポリスチレン樹脂粒子に対して0.024重量%)と融着促進剤として脂肪酸アミド:商品脂肪酸アマイドT(花王株式会社製)0.05g(発泡性ポリスチレン樹脂粒子に対して0.005重量%)とポリエチレングリコール0.2gとジンクステアレート2.3gをヘンシェルミキサーに加えて攪拌し、前記共重合体と脂肪酸アミドで表面被覆された発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得た。これを回転攪拌式予備発泡装置で約90℃の常圧飽和水蒸気中で全体を均一に加熱し、カサ容積が100g/リットルになるように5分間発泡させて、予備発泡粒子を得た。この発泡直後の予備発泡粒子についてべとつき試験を行った。

0057

この予備発泡粒子を30℃の恒温室で6時間熟成乾燥した後、内容積量500cc、肉厚2mmのコップ状金型内に充填し、2.0kg/cm2 の水蒸気を用いて、4秒間、5秒間または6秒間加熱し、冷却後、金型により成形されたポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。この発泡成形体について融着試験、油脂浸透試験および界面活性剤水溶液浸透試験を行った。結果を表5に示す。

0058

〔融着試験〕コップ状の発泡成形体を手で割り破断面の融着状況を目視で判断した。すなわち、発泡粒子自身が破断しているときを融着しているとし、発泡粒子が表面で剥離しているときを融着していないと判断した。評価基準を表1に示す。

0059

0060

なお界面融着割合は以下の式で表される。
ID=000025HE=015 WI=114 LX=0480 LY=0650

0061

〔油脂浸透試験〕即席麺に使用されているカレー粉を含む調味料およびかやくをコップに約8分目入れ、次にコップ全体を延伸ポリプロピレン樹脂フィルム包み密閉して、60℃のオーブン中に48時間放置後に、カレー粉の油脂分および黄色色素のコップ外面へ漏洩状態を評価した。評価基準を表2に示す。

0062

0063

〔界面活性剤水溶液浸透試験〕水1リットルにノニオン界面活性剤(花王エマルゲン810)1.0g、エリオクロムブラックT0.05gを溶解分散させた着色液をコップに入れ、1時間常温で放置して、コップ外面への界面活性剤の漏洩状態を目視にて評価した。評価基準を表3に示す。

0064

0065

〔べとつき試験〕予備発泡直後の予備発泡粒子を直径80mm、高さ70mmの円柱の容器に入れ、容器を上げたときにできる山の直径Dを測定し評価した。評価基準を表4に示す。

0066

0067

含フッ素ブロック共重合体の組成および添加量、融着促進剤を表5に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表5に示す。

0068

0069

表5に示されているように、この発明の発泡性樹脂粒子を用いると、わずか4秒の加熱時間で発泡成形体を製造することができ、得られる発泡成形体は融着性、油脂/界面活性剤水溶液浸透防止性およびべとつき性において良好な効果が得られる。

発明の効果

0070

この発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、発泡性熱可塑性樹脂粒子に、含フッ素ビニル型単量体から形成される含フッ素ビニル型重合体セグメントと親油性ビニル型単量体から形成される親油性ビニル型重合体セグメントから構成される含フッ素ブロック共重合体および融着促進剤を被覆または含有させることにより、油脂分や界面活性剤水溶液等の外部への浸出の防止に優れた発泡成形体を得ることができるとともに発泡成形体の成形時間を短縮することができ、生産性を向上させる。

0071

また、発泡性熱可塑性樹脂粒子は、任意の密度に予備発泡させた際に、予備発泡粒子のべとつきが抑えられ、予備発泡粒子の輸送時間や予備発泡粒子の乾燥時間の短縮が可能となり、生産性を向上させる。

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