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技術 感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム

出願人 帝人株式会社
発明者 水谷圭西郷孝長谷川欣治
出願日 1998年5月15日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-133083
公開日 1999年11月24日 (20年7ヶ月経過) 公開番号 1999-321132
状態 拒絶査定
技術分野 複写材料及びその取扱い 熱転写、熱記録一般
主要キーワード 伸縮パターン 内固定部材 溶融焼結 固定ガイドピン 昇華特性 リサイクル回収 ズレ幅 冷却乾燥
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月24日)のものです。
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図面 (2)

課題

耐削れ性、フィルム製膜スリット時の巻取り性製品リボンスリット時の巻取り性、及びインク乾燥バックコート乾燥、印字中受熱時の寸法安定性が向上しリボンの印字特性も向上できる感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。

解決手段

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、特定の表面粗さを持ち、エア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、端面ずれ幅が0〜500μmであり、かつTMAにて測定して得られるフィルムの伸縮率(y、%)が、測定温度(x、℃)が30〜230の領域において、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

y<0.0167x+1・・・(1)

y>−0.0167x−1・・(2)

概要

背景

感熱転写プリンター用リボンに用いられるポリエステルフィルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭62−299389号公報、特開昭62−299389号公報)や、材質縦方向ヤング率を規定したもの(特開昭62−111719号公報)、二軸配向ポリエステルフィルムの横方向の温度寸法変化について規定したもの(特開平4−41297号公報)が知られている。

これらのフィルムは、フィルムの滑り性感熱転写リボンとして用いる際の耐熱性を改良させたものであり、プリンター走行系内での耐削れ性やフィルム製造時の巻取り性製品リボンのスリット時の巻取り性に対しては考慮されていない。すなわち、プリンター内でのリボンのパス速度が遅く、また製品リボンのスリット時、スリッタ巻取り条件バックコート層インク層の改良によってある程度の巻取り性が確保されていたので、これらの問題が顕在化することがなかったためである。

しかし近年、バーコード印刷や、プリントクラブ通称プリクラ)を代表とする昇華型感熱転写ラベル印刷等においては、印刷速度の高速化に伴いプリンター内の走行系内をパスする感熱転写リボンおよび/または昇華型感熱転写リボンのパス速度が増加したり、あるいは感熱転写リボンの使用量が増加したりするため、プリンター内固定部材と感熱転写リボンが接触するときに発生する削れ粉による印刷トラブルが発生する問題がある。

特開平9−193241号公報には、上記巻取り性が改善された、主としてコンデンサに用いられるフィルムが記述されている。しかし耐削れ性が不十分であり、感熱転写リボンとして用いた場合、上記すべての問題を解決するものではない。

一方、製品のコストダウンを実現するために前述のバックコート層やインク層の薄膜化が進み、上記問題がベースフィルム表面性熱特性に一層依存する様になってきた。

概要

耐削れ性、フィルム製膜、スリット時の巻取り性、製品リボンスリット時の巻取り性、及びインク乾燥バックコート乾燥、印字中受熱時の寸法安定性が向上しリボンの印字特性も向上できる感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、特定の表面粗さを持ち、エア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、端面ずれ幅が0〜500μmであり、かつTMAにて測定して得られるフィルムの伸縮率(y、%)が、測定温度(x、℃)が30〜230の領域において、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

y<0.0167x+1・・・(1)

y>−0.0167x−1・・(2)

目的

本発明の目的は、感熱転写リボンとして用いた場合、耐削れ性に優れ、かつ巻取り性および寸法安定性に優れた感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

さらに詳しくは、本発明の目的は、プリンター走行系内で削れ粉の発生しない、製品リボンを高速スリットしても安定した巻取り性を示し、感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムの高速領域での安定した巻取り性を示し、かつバックコート層やインク層を形成させる工程における乾燥工程や印字中にヘッドから受ける熱による熱変形の少ない(寸法安定性に優れた)感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであり、かつTMAにて測定して得られるフィルムの伸縮率(y、%)と測定温度(x、℃)との関係が、測定温度(x、℃)が30〜230の領域において、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。y<0.0167x+1・・・(1)y>−0.0167x−1・・(2)

請求項2

二軸配向ポリエステルフィルムが、平均粒径0.3〜1.0μmの不活性粒子Aを0.05〜1.0重量%および平均粒径0.5〜5.0μmの不活性粒子Bを0.005〜0.5重量%含有し、かつ不活性粒子Aの平均粒径(dA)と不活性粒子Bの平均粒径(dB)がdA<dBの関係を満足する請求項1記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項3

リサイクル回収前のフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa(1))と、リサイクル回収されたフィルムのみから製造されたフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa(2))の関係が下記式(3)を満足する請求項1または2記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。0.8≦SRa(2)/SRa(1)≦1.2・・・(3)

請求項4

請求項1に記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムの片方の面にインク層を設け、さらにその反対の面にバックコート層を設けた感熱転写リボン

技術分野

0001

本発明は感熱転写プリンター用転写材に用いられる二軸配向ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくはプリンター内部の部品に対する耐削れ性が良好であり、フィルム生産時のロール巻取りの際だけでなくインク層バックコート層が付与された後の製品リボンスリットの際の巻取り性も極めて良好である二軸配向ポリエステルフィルムに関する。特にインク層やバックコート層を付与する工程において乾燥時に受ける熱、あるいはプリンター内部で印字中に受ける熱による寸法変化が小さい二軸配向ポリエステルフィルムに関する。

0002

そして、熱転写によりインク層と受像体が接触し熱転写される感熱転写リボン用としてだけではなく、インク層と受像体が非接触で熱転写印刷する昇華型感熱転写リボン用としても適用可能な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。

背景技術

0003

感熱転写プリンター用リボンに用いられるポリエステルフィルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭62−299389号公報、特開昭62−299389号公報)や、材質縦方向ヤング率を規定したもの(特開昭62−111719号公報)、二軸配向ポリエステルフィルムの横方向の温度寸法変化について規定したもの(特開平4−41297号公報)が知られている。

0004

これらのフィルムは、フィルムの滑り性感熱転写リボンとして用いる際の耐熱性を改良させたものであり、プリンター走行系内での耐削れ性やフィルム製造時の巻取り性、製品リボンのスリット時の巻取り性に対しては考慮されていない。すなわち、プリンター内でのリボンのパス速度が遅く、また製品リボンのスリット時、スリッタ巻取り条件やバックコート層やインク層の改良によってある程度の巻取り性が確保されていたので、これらの問題が顕在化することがなかったためである。

0005

しかし近年、バーコード印刷や、プリントクラブ通称プリクラ)を代表とする昇華型感熱転写ラベル印刷等においては、印刷速度の高速化に伴いプリンター内の走行系内をパスする感熱転写リボンおよび/または昇華型感熱転写リボンのパス速度が増加したり、あるいは感熱転写リボンの使用量が増加したりするため、プリンター内固定部材と感熱転写リボンが接触するときに発生する削れ粉による印刷トラブルが発生する問題がある。

0006

特開平9−193241号公報には、上記巻取り性が改善された、主としてコンデンサに用いられるフィルムが記述されている。しかし耐削れ性が不十分であり、感熱転写リボンとして用いた場合、上記すべての問題を解決するものではない。

0007

一方、製品のコストダウンを実現するために前述のバックコート層やインク層の薄膜化が進み、上記問題がベースフィルム表面性熱特性に一層依存する様になってきた。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、感熱転写リボンとして用いた場合、耐削れ性に優れ、かつ巻取り性および寸法安定性に優れた感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

0009

さらに詳しくは、本発明の目的は、プリンター走行系内で削れ粉の発生しない、製品リボンを高速スリットしても安定した巻取り性を示し、感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムの高速領域での安定した巻取り性を示し、かつバックコート層やインク層を形成させる工程における乾燥工程や印字中にヘッドから受ける熱による熱変形の少ない(寸法安定性に優れた)感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、かかる目的を達成するため、次の構成からなる。すなわち、互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであり、かつTMAにて測定して得られるフィルムの伸縮率(y、%)と測定温度(x、℃)との関係が、測定温度(x、℃)が30〜230の領域において、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムである。
y<0.0167x+1・・・(1)
y>−0.0167x−1・・(2)

0011

本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪酸グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に溶融成形による形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸イソフタル酸ナフタレンジカルボン酸ジフェノキシエタンジカルボン酸ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコールトリメチレングリコールテトラメチレングリコールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコールデカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。

0012

これらの中、アルキレンテレフタレートアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートポリエチレン−2,6−ナフタレートをはじめとし、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。

0013

その際、全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の前記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の前記グリコールであることができ、また例えばハイドロキノンレゾルシン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニルプロパン等の如き芳香族ジオールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコールポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。

0014

また、本発明におけるポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは結合するものも包含される。

0015

さらに本発明におけるポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。

0016

上記ポリエステルは、それ自体公知であり、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。前記ポリエステルとしては、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定してもとめた固有粘度が約0.4〜0.9のものが好ましい。

0017

本発明のフィルムは互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含ませることにより、プリンター内部材との接触により発生する削れ粉の発生を抑制し、更にフィルムをロールに巻き取る際の巻取り性と製品リボンの巻取り性を同時に向上できる表面性を得ることができる。

0018

ポリエステルに添加する不活性粒子は、それぞれ岩石解砕粉砕しただけの天然品でもよいし、あるいは鉱物などを溶融合成し粒径を調整した合成品でもよいが、フィルム品質を安定化する点で溶融合成品が好ましい。

0019

さらに溶融合成品の合成方法はどのような方法でも特に左右されることはなく、本発明の目的を達する合成方法ならば良い。溶融合成の例としては、天然の長石珪石砂を適量調合したものを更に各成分均一化させるために混合機により充分混合し、得られた混合物を連帯炉、もしくはタンク炉中で溶融し、冷却乾燥後に合成原石を得る。この合成原石をサンドグラインダー等により開砕し、必要に応じてデカンター処理を行ない目的とする粒径、及び粒度分布を得る。又合成原石の開砕は乾式開砕法、又は湿式開砕法、及び両者の併用により実施できるが、いずれの方法でも目的とする粒径や粒子形状を再現する事は可能である。

0020

また添加する不活性粒子が複合酸化物粒子の場合も、天然品より溶融合成品あるいは溶融焼結品の方が粒径や粒度分布等、品質の安定するのでが好ましい。この場合の合成、焼結の方法については一般的に炉内焼結法が挙げられるが特に限定されるものではない。

0021

本発明における2種以上の不活性粒子は、それぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含む。これらの元素の酸化物および/または炭酸塩であれば、不活性粒子を大量にかつ安価に製造することが可能である。

0022

不活性粒子の好ましい例としては、具体的に以下のものが挙げられる。すなわち二酸化珪素水和物、ケイ砂石英等を含む)、各種結晶形態のアルミナ、SiO2分を30重量%以上含有する珪酸塩(例えば非晶質あるいは結晶質粘土鉱物)、アルミノシリケート焼成物や水和物を含む)、温石綿ジルコンフライアッシュ等、Ca、およびMgの炭酸塩、MgAl2O4等のスピネル型酸化物やアルミナと他の酸化物からなる変性スピネル型酸化物等が挙げられる。

0023

更に好ましくはSi、Alの1種以上よりなる酸化無機不活性粒子(例えばSiO2、Al2O3、SiO2−Al2O3)が挙げられ、フィルムの製造コスト下げて特性を確実に確保できる点において、SiO2と多孔質シリカ、及び/又はその凝集粒子、アルミノシリケートであるカオリンが特に好ましい。

0024

更に本発明においては、不活性粒子が2種(A、B)であって、片方の不活性粒子Aの平均粒径が0.3〜1.0μm、他方の不活性粒子Bの平均粒径が0.5〜5.0μmでかつ不活性粒子Aの平均粒径(dA)と不活性粒子Bの平均粒径(dB)との間にdA<dBの関係を満足することが好ましい。

0025

平均粒径が相対的に小さい不活性粒子Aはフィルムの地肌突起を形成の粒子となり、特にプリンター内の削れ粉の発生を抑制する効果を持つ。

0026

不活性粒子Aの平均粒径が0.3μm未満であると、フィルムの耐削れ性が低下し、他方平均粒径が1.0μmを超えると、プリンター印字性が低下する。

0027

また不活性粒子Aの添加量としては0.05〜1.0重量%添加することが望ましい。かかる添加量は、更に好ましくは0.1〜0.7重量%、特に好ましくは0.2〜0.5重量%である。不活性粒子Aの添加量が0.05重量%未満になると二軸配向ポリエステルフィルムの表面性が極めて平坦化し、フィルム−フィルム間のエア抜けが悪くなると同時に、不活性粒子Aにより達成される耐削れ性が低くなり、プリンター内走行中にスクラッチ白粉を発生し、製品リボンとしては不良品となるため好ましくない。また他方、添加量が1.0重量%を超えると、フィルムの表面が過剰に粗くなり製品リボンにて印字するときには高いエネルギーを必要となり、この高いエネルギーによってフィルム切断現象を誘発させるため好ましくない。またフィルム表面付近の不活性粒子が脱落しやすくなりプリンタ−のヘッドの先端に粉となって溜まってしまい印字不良部を多く発生させてしまうため好ましくない。

0028

不活性粒子Bは主としてフィルムの巻取り性を発現する効果を示す。かかる不活性粒子Bは、リボンがプリンター内を走行した時、ポリエステルフィルムに設けた突起が受けるダメージを小さくするため、粒子硬度(または突起硬度)が高い不活性粒子が好ましい。

0029

不活性粒子Bの平均粒径は0.5〜5.0μmであることが好ましい。平均粒径が0.5μmを下回るとエア抜け速度が急激に減小するため安定した巻取り性が確保できないし、他方不活性粒子Bの平均粒径が5.0μmを超えるとフィルム表面の突起がバックコート層、またはインク層を突き破って、印字不良の原因となる。

0030

また不活性粒子Bのポリエステルに対する添加量は、0.005〜0.5重量%の間にあることが望ましい。不活性粒子Bの添加量が0.005重量%未満になるとフィルムの巻取り性が低下し、他方添加量が0.5重量%を超えると製品リボンの印刷性が低下する。

0031

本発明のフィルムは表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmである必要がある。

0032

中心線平均粗さ(SRa)が10nm未満であるか10点平均粗さ(SRz)が700nm未満であると、フィルムの巻取り性が低下するため好ましくなく、他方中心線平均粗さ(SRa)が80nmを超えるか10点平均粗さ(SRz)が1500nmを超えると耐削れ性が低下するので好ましくない。

0033

また本発明のフィルムはフィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロールの巻取り速度が250m/minのときの端面ずれ幅が0〜500μmであることが必要である。

0034

エア抜け速度またはフィルムロールの端面ずれ幅の何れかが、上記範囲を外れるとフィルムの巻取り性が低下するので好ましくない。

0035

さらに、本発明のフィルムは、TMAにて測定して得られる伸縮率(y、%)と測定温度(x、℃)との関係が、測定温度(x、℃)が30〜230の領域おいて、下記式(1)および(2)を満足することが必要である。
y<0.0167x+1・・・(1)
y>−0.0167x−1・・(2)

0036

伸縮率と測定温度との関係が、下記式(1)および(2)の範囲内に入らないと伸縮による切れや皺が発生し、インク層やバックコート層の形成工程における乾燥工程で生産性を著しく悪化させる。また感熱転写リボンとして使用したときも印字欠落やプリンターを故障させてしまう原因になる可能性が大きいため好ましくない。

0037

中心線平均粗さ(SRa)、10点平均粗さ(SRz)、フィルム−フィルム間のエア抜け速度、端面ずれ幅およびTMAパターンの全てが上記範囲を満足することにより、耐削れ性、巻取り性および寸法安定性を満足する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。

0038

本発明のフィルムは、従来から知られている方法で製造できる。かかる製造方法としては、逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法が挙げられる。特に好ましい製造方法の例として逐次二軸延伸法による製造方法を以下に記述する。

0039

すなわちポリエステルを170℃で3時間乾燥後、290℃でダイ(例えばTダイ、Iダイ等)より溶融押出しを行い、冷却ロールで冷却して未延伸シートを作成し、該シートを90℃で3.6倍に縦延伸し、120℃で3.9倍二軸方向に延伸し、更に熱固定することによって製造することができる。

0040

本発明のフィルムは、リサイクル回収をすることができる。すなわち、新しいポリエステルまたはリサイクル回収されたフィルムから得られるポリエステルから製造されたフィルムをポリエステルに代えて原料としてリサイクルフィルムを製造することができる。

0041

但しかかる方法で製造されたリサイクルフィルムは、リサイクル回収前のフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa(1))と回収されたフィルムのみから製造されたフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa(2))の関係が下記式(3)を満足することが好ましい。
0.8≦SRa(2)/SRa(1)≦1.2・・・(3)

0042

本発明のフィルムの厚みは、1〜10μmが好ましい。厚みが1μm未満となるとプリンター内で印字中に皺が発生し、巻き取りがスムーズに行われない。また印字中のリボンの切断が多発するので好ましくない。一方厚みが10μmを超えると、印字するためにヘッドにかけるエネルギーを強化しなければならないので好ましくない。

0043

本発明のフィルムの片方の面にインク層を設け、さらにその反対面にバックコート層を設けることにより感熱転写リボンを製造することができる。なお本発明のフィルムには必要に応じてコロナ放電処理アンダーコートなどの前処理を行ってもよい。

0044

本発明のフィルムの片面に設けるインク層を構成する熱接触転写インクは、特に限定されるものではなく、周知のものを用いることができる。具体的にはバインダー成分と着色成分を主成分とし、必要に応じ柔軟剤、可撓剤、融点調節剤平滑化剤、分散剤などを添加成分として構成される。これらの成分は周知の材料を適宜組み合わせて構成される。

0045

上記バインダー成分の具体例としては、パラフィンワックスカルナウバワックスエステルワックスなどのワックス類低融点の各種高分子が挙げられる。

0046

また、上記着色成分の具体例としては、カーボンブラックや各種に有機あるいは無機顔料ないし染料が挙げられる。なおこれらの着色成分には昇華型のものも含まれる。

0047

インキ層を本発明のフィルムに設ける方法としては、周知の方法、例えばホットメルトコーティング法、溶剤を添加した状態でのグラビアコート法リバースコート法、スリットダイコート法などが挙げられる。

0048

また熱昇華型転写インクとしては、昇華性染料樹脂バインダーに分散したものを用いることができる。

0049

昇華性染料としては、転写温度付近の比較的狭い温度で急激に昇華するものが理想的である。熱転写に適用できる染料は、大部分が分子量230〜370の範囲の染料で、この範囲の染料で昇華特性が染色に適しているばかりでなく、被染物の内部に拡散しやすい大きさでもある。構造的には、スルホン酸カルボキシル基などのイオン性基は含まず、水酸基アミノ基、ニトロ基スルホン基などの極性基を適宜に有する構造となっているものが好ましい。

0050

また、樹脂バインダーとしては、染料分子がより良く昇華しやすいものであることと、染料が均一に分散しやすいものであることが好ましい。この様なバインダーとしては、セルロース系樹脂アクリル系樹脂ポリビニルアルコールポリアミドなどがあるが、これらに限定されるものではない。

0051

更に、本発明のフィルムは、通常、インク層を付与した面とは反対の面に設けられるバックコート層は、サーマルヘッドと接する際に、熱によるスティッキングを防止する目的で付与されるもので、これには従来知られている公知のものを使用することができる。例えば、ワックス類、高級脂肪酸、およびその誘導体シリコン系化合物フッ素系化合物などの潤滑剤を主成分としたもの、あるいは無機粒子架橋有機粒子フッ素樹脂粒子に潤滑剤を併用したものなどを用いることができる。またこのバックコート層をポリエステルフィルムに付与する方法としては、フィルムの製膜工程内水溶性、または水分散体として塗布したあと、乾燥・延伸・熱固定を行う方法を用いても良いし、配向結晶化が完了したフィルムに水系あるいは有機溶剤系の塗布を行った後、乾燥して設ける方法を用いてもよい。

0052

以下、実施例をあげて本発明をさらに説明する。なお、フィルムの物性値および特性値は、以下の如く測定されたものであり、かつ定義される。

0053

(1)粒子の平均粒径
島津製作所株式会社製CP−50型セントリフィグルパーティクルサイズアナライザー(Centrifugal Paticle Size Analyzer)を用いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその残存量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読みとり、この値を上記平均粒径とした(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247参照)。

0054

(2)不活性粒子が凝集粒子の場合の平均粒径
不活性粒子が1次粒子凝集による2次粒子の場合は(1)に示す方法での平均粒径測定で得られた粒径は実際の平均粒径より小さくなる場合があるため、下記方法を採用した。粒子を含有したフィルムを断面方向に厚さ100nmの超薄切片とし、透過電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM−1200EX)を用いて、1万倍程度の倍率で凝集粒子(2次粒子)を観察し写真撮影を行った。この写真を用いて個々の粒子の円面積相当の直径を画像解析装置等を用いて粒子1000個について測定し、数平均した粒子径を平均粒径とした。なお、粒子種の同定はSEM−XMA、ICPによる金属元素定量分析などを使用して行うことができる。平均1次粒径は透過電子顕微鏡の倍率を10万〜100万倍にて撮影するほかは平均2次粒径粒径測定の方法に準じて測定した。

0055

(3)不活性粒子個別の添加量
回収前のポリエステルフィルム100gを白金るつぼ中で1000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、るつぼ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成し、そのプレートを波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値を予め作成してある元素毎の検量線より換算し粒子の添加量を決定した。蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4kWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更した。ただし異なる不活性粒子が同一元素を含む場合は、透過電子顕微鏡より得られた粒子像より相対的添加量を求めた。そのとき基となる不活性粒子全量の添加量は下記方法(4)より測定した。

0056

(4)不活性粒子全量の添加量
フィルム100gを白金るつぼ中で1000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、るつぼ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成し、そのプレートを波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値を予め作成してある元素毎の検量線より換算し粒子の添加量を決定した。蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4kWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更した。

0057

(5)フィルムの表面粗さ(SRa、SRz)
中心線平均粗さ(SRa)はJIS−B0601で定義される値、及び10点平均粗さ(SRz)はJIS−B0602で定義される値であり、本発明では(株)小坂研究所の触針式表面粗さ計(SURFCORDER SE-30C)を用いて測定した。測定条件等は次の通りである。
(a)触診先端半径:2μm
(b)測定圧力:30mg
(c)カットオフ:0.25mm
(d)測定長:2.5mm
(e)データのまとめ方:同一試料について6回繰り返し測定し最も大きい値を1つ除き、残り5つのデーター平均値で表示した。

0058

(6)TMAにて測定して得られるフィルムの伸縮率
セイコー電子(株)製、TMA520Cを使用し、フィルム(製品リボンの場合は、あらかじめ製品リボンのインク層をセロテープにて剥離する。但し、剥離時に皺や伸びが発生していないかどうかは剥離する前の原長を測定して確認する。)について、チャックスパン15mm、幅4mmのフィルムを長手方向、及び幅方向に5℃/分昇温荷重5g(一定)にて30℃から280℃まで測定した。これをフィルムの長手方向と幅方向の2回実施し、30〜230℃の範囲の伸縮率と測定温度のパターンが下記式(1)および(2)の範囲と比較し、下記基準で評価した。
y<0.0167x+1・・・(1)
y>−0.0167x−1・・(2)
<基準>
○:長手方向のパターン、幅方向のパターンとも(1)および(2)式の範囲内を満たす。
△:どちらか一方のパターンのみ(1)および(2)式の範囲内を満たす。
×:長手方向のパターン、幅方向のパターンとも(1)および(2)式の範囲内を満たさない。

0059

フィルムの巻取り性は、フィルム同士が重なった時の空気の抜け時間、及び巻きあがりのフィルムロールの端面のズレ幅で表す。

0060

(7)フィルムのエア抜け速度
あらかじめ8cm×5cmに切り取ったのフィルム片を20枚重ね、うち下19枚には中央に1辺2mmの正三角形の穴を明け、デジタルベック平滑度試験機(東洋精機製)を用いて単位時間あたり何mmHg低下するかを測定した。

0061

(8)二軸配向ポリエステルフィルムの端面ずれ幅
温度25℃、湿度40%に調湿した部屋で直径8cm、巻取り部幅2cmのアルミ製のコアに1/2インチにスリットしたポリエステルフィルム400mをしわの入らない程度に50gの張力、30m/minのスピードで巻取り、その巻取ったフィルムを平行に中心間距離が300mmになるように設置した同じアルミ製のコアに50gの張力、250m/minのスピードで300m巻き返し、その巻き返し中のフィルムの端面ずれ幅をキーエンス製レーザー測長機にて測定した値をn=10で測定して、最大値最小値を除く8回分の値の平均値を端面ずれ幅(μm)とした。

0062

(9)フィルムの耐削れ性(白粉、スクラッチ)
温度20℃、湿度60%の環境で、幅1/2インチに裁断したフィルムをSUS焼結板を円柱形曲げ表面仕上げが不十分な(表面粗さRa=0.15nm)固定ガイドピンに角度θ=(60/180)πラジアン接触させて毎分250mの速さ、入りテンションT1=50gで走行(摩擦)させた。フィルムが200m走行した後固定ガイドピン上に付着した削れ粉(白粉)および走行した後のフイルムのスクラッチの本数を下記の基準で評価した。

0063

<削れ粉(白粉)判定>
◎:削れ粉が全くみられない
○:うっすらと削れ粉がみられる
△:削れ粉の存在が一見して判る
×:削れ粉がひどく付着している
<スクラッチ判定>
◎:スクラッチが全くみられない
○:1〜5本のスクラッチが見られる
△:6〜15本のスクラッチが見られる
×:16本以上のスクラッチが見られる

0064

(10)製品リボンのスリット時の巻取性
cm幅にスリットした製品リボンを4cm幅、厚み3mmtの巻き取り部分のある外周3インチのアルミコアに巻き取り、張力100gにて1000m巻き取るとき、巻き取り速度を20m/minから20m/min単位で速度が増加するように設定して、1000mの製品リボンがズレないで巻き取ることができる最高速度を測定し、下記の基準で評価した。
×:100m/min未満
△:100m/min以上200m未満
○:200m/min以上300m未満
◎:300m/min以上

0065

[実施例1〜9、比較例1〜8]ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、さらに滑剤として表3、4に示す粒子を添加して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.56のポリエチレンテレフタレートを得た。これらのポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で3時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し単層ダイを用いて押出し、表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み約65μmの未延伸積層フィルムを得た。このようにして得られた未延伸積層フィルムを75℃に予熱し、更に低速、高速ロール間で15mm上方より800℃の表面温度のIRヒーター1本にて加熱して表1、2に示す倍率で延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、120℃にて横方向に表1、2に示す倍率に延伸した。得られた二軸配向フィルムを表1、2に示す温度で幅方向に表1、2に示す分だけ弛緩しながら2秒間熱固定し、厚み4.6μmの熱固定二軸配向ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム厚みは押出機回転数を変え、未延伸シートの厚みを変えることにより調節した。これらの二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表3、4に示す。

0066

次に上記フィルムの片面に、バックコート剤グラビアコーティング法により乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布した後乾燥し、次に下記組成からなる転写インク塗剤加熱ロールによるホットメルトコーティング法により、塗膜の厚みが5μmとなる様に塗布し転写インク層を設けた。得られたフィルム(製品リボン)のスリット時の巻き取り性、印字品質、を表3、4に、伸縮パターン図1、2に示す。
[インク層組成]
カルナウバワックス100重量部
マイクロクリスタリンワックス25重量部
酢酸ビニルエチレン共重合体20重量部
カーボンブラック25重量部

0067

0068

0069

0070

発明の効果

0071

本発明によれば、耐削れ性、フィルム製膜、スリット時の巻取り性、製品リボンスリット時の巻取り性、及びインク乾燥バックコート乾燥、印字中の受熱時の寸法安定性が向上しリボンの印字特性も向上できる感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。

図面の簡単な説明

0072

図1実施例1〜9の伸縮率と測定温度のパターン(測定温度に対して伸縮率をプロットした散布図)。
図2比較例1〜8の伸縮率と測定温度のパターン(測定温度に対して伸縮率をプロットした散布図)。

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