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技術 拡張アンカー並びに該拡張アンカーを用いた部材固定具及び車止め装置

出願人 株式会社サイコン工業
発明者 岩崎昭一
出願日 1998年5月6日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-139165
公開日 1999年11月16日 (20年7ヶ月経過) 公開番号 1999-315814
状態 特許登録済
技術分野 乗り物を格納するための建築物 ジベル
主要キーワード 拡張素子 媒介部材 部材固定具 軸線方向下向き 有頭ねじ 車輪転動面 着脱部品 円筒部品
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月16日)のものです。
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図面 (11)

課題

被固定物固定作業を容易かつ迅速に行うことができるようにする。

解決手段

拡張スリーブ20aを母材Sに形成された受け穴25に挿入し、前記拡張スリーブ20aの内ねじ部20bとねじ結合するねじ棒部28を有する被固定物または固定用媒介部材19を前記拡張スリーブ20aにねじ込むことにより、前記拡張スリーブ20a内の拡張素子22を押圧して進出させ、該拡張素子22によって前記拡張スリーブ20aの拡張部21を拡張せしめ、前記母材Sに対する前記拡張スリーブ20aの固定と、該拡張スリーブ20aに対する前記被固定物または前記固定用媒介部材19の固定とが、単一の動作で同時に達成されるようにした。

概要

背景

拡張アンカー一種として、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有する拡張スリーブと、該拡張スリーブ内でその軸線方向に進出して前記拡張部を拡張せしめる拡張素子と、を備えてなるものが知られている。こうした拡張アンカーの固定方法は、例えば、次の通りである。

まず、母材となる地面や壁面や天井面等に、前記拡張スリーブがちょうど嵌り込むような大きさの受け穴を形成し、該受け穴に、前記拡張スリーブを挿入する。次に、適当な打撃力伝達棒を介して、前記拡張スリーブの外部から、該拡張スリーブ内の前記拡張素子に突進力を付与する。すると、該拡張素子は、前記拡張スリーブ内でその軸線方向に進出し、前記拡張スリーブの前記拡張部を前記受け穴内で強制的に拡張させる。これにより、該拡張部は、前記受け穴の内壁に食い込み、前記拡張スリーブが地面や壁面や天井面等にしっかりと固定される。

そこで、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒部を有する被固定物を前記拡張スリーブに直接螺着したり、または、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒部を有する固定用媒介部材を前記拡張スリーブに螺着し、前記固定用媒介部材と被固定物とを互いに結合せしめる等していた。

概要

被固定物の固定作業を容易かつ迅速に行うことができるようにする。

拡張スリーブ20aを母材Sに形成された受け穴25に挿入し、前記拡張スリーブ20aの内ねじ部20bとねじ結合するねじ棒部28を有する被固定物または固定用媒介部材19を前記拡張スリーブ20aにねじ込むことにより、前記拡張スリーブ20a内の拡張素子22を押圧して進出させ、該拡張素子22によって前記拡張スリーブ20aの拡張部21を拡張せしめ、前記母材Sに対する前記拡張スリーブ20aの固定と、該拡張スリーブ20aに対する前記被固定物または前記固定用媒介部材19の固定とが、単一の動作で同時に達成されるようにした。

目的

本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、その解決課題は、被固定物の固定作業を容易かつ迅速に行うことができる拡張アンカーと、該拡張アンカーを用いた部材固定具と、前記拡張アンカーを用いた車止め装置と、該車止め装置を構成する車止めブロックの固定方法と、前記拡張アンカーの固定方法と、前記拡張アンカーを使用して行う被固定物の固定方法と、を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有して母材(S)に形成された受け穴(25)に挿入される拡張スリーブ(20a)と、該拡張スリーブ(20a)内でその軸線方向に進出して前記拡張部(21)を拡張せしめる拡張素子(22)と、前記拡張スリーブ(20a)に形成されて前記母材(S)と係合することにより前記受け穴(25)内での前記拡張スリーブ(20a)の回転を阻止する回転防止部(30)と、を備えてなる、拡張アンカー

請求項2

前記回転防止部を、前記拡張スリーブ(20a)の外周面塑性変形により形成された少なくとも一つの凸部(30)としてなる、請求項1に記載の拡張アンカー。

請求項3

前記拡張スリーブ(20a)に、前記母材(S)に当接して前記受け穴(25)への前記拡張スリーブ(20a)の挿入深さを規制する挿入深さ規制部(31)を設けてなる、請求項1または2に記載の拡張アンカー。

請求項4

内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有して母材(S)に形成された受け穴(25)に挿入される拡張スリーブ(20a)と、該拡張スリーブ(20a)内でその軸線方向に進出して前記拡張部(21)を拡張せしめる拡張素子(22)と、を有する拡張アンカー(20)と、該拡張アンカー(20)と被固定物(2)との間で固定作用上の仲立ちをする固定用媒介部材(19)と、を備え、該固定用媒介部材(19)は、前記拡張スリーブ(20a)の前記内ねじ部(20b)とねじ結合することにより前記拡張素子(22)を押圧して該拡張素子(22)に進出力を付与するねじ棒部(28)と、前記被固定物(2)への係合部(5)と、を備えてなる、部材固定具

請求項5

前記拡張スリーブ(20a)への前記固定用媒介部材(19)のねじ込み操作により、前記母材(S)に対する前記拡張アンカー(20)の所定強度での固定と、前記被固定物(2)への前記固定用媒介部材(19)の前記係合部(5)の係合とが、同時に達成されるようにせしめてなる、請求項4に記載の部材固定具。

請求項6

前記被固定物(2)に取り付けられて前記固定用媒介部材(19)と係合する受け部材(7)を備え、該受け部材(7)と前記固定用媒介部材(19)との間に、前記拡張スリーブ(20a)への前記固定用媒介部材(19)のねじ込み操作により互いに適合して前記被固定物(2)を前記母材(S)に不動状態に固定せしめる嵌合部(6,5)を対にして備えてなる、請求項4に記載の部材固定具。

請求項7

前記拡張アンカーを、請求項1,2または3に記載の拡張アンカー(20)とせしめてなる、請求項4,5または6に記載の部材固定具。

請求項8

車輪転動面(S)上に設置されて該面(S)上を転動する車輪(W)を受け止めるブロック(2)と、該ブロック(2)を前記車輪転動面(S)上に固定する固定手段と、を備えてなる車止め装置であって、前記ブロック(2)は、上下方向に貫通する貫通孔(1)を有し、前記固定手段は、互いにねじ結合する拡張アンカー(20)と固定用媒介部材(19)とを備え、前記拡張アンカー(20)は、内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有して前記車輪転動面(S)に形成された受け穴(25)に挿入される拡張スリーブ(20a)と、該拡張スリーブ(20a)内でその軸線方向に進出して前記拡張部(21)を拡張せしめる拡張素子(22)と、を備え、前記固定用媒介部材(19)は、前記拡張スリーブ(20a)の前記内ねじ部(20b)とねじ結合することにより前記拡張素子(22)を押圧して該拡張素子(22)に進出力を付与するねじ棒部(28)と、前記ブロック(2)と互いに係合する係合部(5)と、を備えてなる、車止め装置。

請求項9

前記拡張スリーブ(20a)に、前記受け穴(25)の内壁と係合することにより前記受け穴(25)内での前記拡張スリーブ(20a)の回転を阻止する回転防止部(30)を設けてなる、請求項8に記載の車止め装置。

請求項10

前記拡張スリーブ(20a)に、前記受け穴(25)への前記拡張スリーブ(20a)の挿入深さを規制する挿入深さ規制部(31)を設けてなる、請求項8または9に記載の車止め装置。

請求項11

前記ブロック(2)の底面(2a)に、前記貫通孔(1)の一部を構成する広がり孔部(17)を設けてなる、請求項8,9または10に記載の車止め装置。

請求項12

前記固定用媒介部材(19)と前記ブロック(2)との間に、前記拡張スリーブ(20a)への前記固定用媒介部材(19)のねじ込み操作により互いに適合して前記ブロック(2)を不動状態に固定せしめる嵌合部(5,6)を対にして設けてなる、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の車止め装置。

請求項13

前記固定用媒介部材(19)側の前記嵌合部(5)を前記固定用媒介部材(19)に着脱自在にせしめてなる、請求項12に記載の車止め装置。

請求項14

前記固定用媒介部材(19)が前記拡張アンカー(20)に螺入するときに前記固定用媒介部材(19)側の前記嵌合部(5)を前記ブロック(2)側の前記嵌合部(6)へと案内する案内面(6b)を設けてなる、請求項12または13に記載の車止め装置。

請求項15

前記嵌合部をテーパー状部(5,6)としてなる、請求項12または13に記載の車止め装置。

請求項16

車輪転動面(S)上に車止めブロック(2)を置き、該車止めブロック(S)を上下方向に貫通する貫通孔(1)にドリル(24)を挿通して前記車輪転動面(S)に受け穴(25)を形成し、前記ドリル(24)を前記貫通孔(1)から抜いて、互いに一部量だけねじ結合した固定用媒介部材(19)と拡張アンカー(20)とからなる固定具(3)を前記拡張アンカー(20)の側から前記貫通孔(1)に挿通し、前記拡張アンカー(20)を前記受け穴(25)に挿入した後に、前記拡張アンカー(20)に対する前記固定用媒介部材(19)のねじ結合量を増大させて該固定用媒介部材(19)によって前記拡張アンカー(20)の拡張素子(22)を押圧して進出させ、該拡張素子(22)によって前記拡張アンカー(20)の拡張部(21)を拡張せしめて前記受け穴(25)内に前記拡張アンカー(20)を固定するとともに、前記固定用媒介部材(3)と前記ブロック(2)とを該ブロック(2)が不動状態となるように互いに係合せしめる、車止めブロックの固定方法

請求項17

前記固定用媒介部材(3)と前記ブロック(2)との間に対にして設けられた嵌合部(5,6)を、前記拡張アンカー(20)に対する前記固定用媒介部材(19)のねじ込み操作により互いに適合せしめることにより、前記固定用媒介部材(19)と前記ブロック(2)とを互いに係合せしめる、請求項16に記載の車止めブロックの固定方法。

請求項18

内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有する拡張スリーブ(20a)を母材(S)に形成された受け穴(25)に挿入し、前記拡張スリーブ(20a)の前記内ねじ部(20b)とねじ結合するねじ棒(19)を前記拡張スリーブ(20a)にねじ込むことにより、前記拡張スリーブ(20a)内の拡張素子(22)を押圧して進出させ、該拡張素子(22)によって前記拡張スリーブ(20a)の前記拡張部(21)を拡張せしめるようにしてなる、拡張アンカーの固定方法。

請求項19

前記ねじ棒(19)を前記拡張スリーブ(20a)にねじ込むときに、該拡張スリーブ(20a)に形成された回転防止部(30)が前記母材(S)と係合して前記受け穴(25)内での前記拡張スリーブ(20a)の回転が阻止されるようにせしめてなる、請求項18に記載の拡張アンカーの固定方法。

請求項20

内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有する拡張スリーブ(20a)を母材(S)に形成された受け穴(25)に挿入し、前記拡張スリーブ(20a)の前記内ねじ部(20b)とねじ結合するねじ棒部(28)を有する被固定物を前記拡張スリーブ(20a)にねじ込むことにより、該被固定物で前記拡張スリーブ(20a)内の拡張素子(22)を押圧して進出させ、該拡張素子(22)によって前記拡張スリーブ(20a)の前記拡張部(21)を拡張せしめて、前記拡張スリーブ(20a)と前記被固定物とを前記母材(S)に固定する、部材固定方法

請求項21

内ねじ部(20b)と拡張自在な拡張部(21)とを有する拡張スリーブ(20b)を母材(S)に形成された受け穴(25)に挿入し、前記拡張スリーブ(20a)の前記内ねじ部(20b)とねじ結合するねじ棒(19)を前記拡張スリーブ(20a)にねじ込むことにより、前記ねじ棒(19)で前記拡張スリーブ(20a)内の拡張素子(22)を押圧して進出させ、該拡張素子(22)によって前記拡張スリーブ(20a)の前記拡張部(21)を拡張せしめて前記拡張スリーブ(20a)を前記母材(S)に固定するとともに、前記ねじ棒(19)と被固定物(2)とを互いに係合せしめる、部材固定方法。

請求項22

前記ねじ棒(19)に前記被固定物(2)への係合部(5)を設け、前記拡張スリーブ(20a)に対する前記ねじ棒(19)のねじ込み操作によって、前記係合部(5)を前記被固定物(2)に係合せしめる、請求項21に記載の部材固定方法。

請求項23

母材(S)に被固定物(2)を添わせて、該被固定物(2)に形成された固定用孔(1)にドリル(24)を挿通して前記母材(S)に受け穴(25)を形成し、前記ドリル(24)を前記固定用孔(1)から抜いて、互いに一部量だけねじ結合した固定用媒介部材(19)と拡張アンカー(20)とからなる固定具(3)を前記拡張アンカー(20)の側から前記固定用孔(1)に挿通し、前記拡張アンカー(20)を前記受け穴(25)に挿入した後に、前記拡張アンカー(20)に対する前記固定用媒介部材(19)のねじ結合量を増大させて該固定用媒介部材(19)によって前記拡張アンカー(20)の拡張素子(22)を押圧して進出させ、該拡張素子(22)によって前記拡張アンカー(20)の拡張部(21)を拡張せしめて前記受け穴(25)内に前記拡張アンカー(20)を固定するとともに、前記固定用媒介部材(19)と前記被固定物(2)とを互いに係合せしめる、部材固定方法。

請求項24

前記固定用媒介部材(19)に前記被固定物(2)への係合部(5)を設け、前記拡張アンカー(20)に対する前記固定用媒介部材(19)のねじ込み操作によって、前記係合部(5)を前記被固定物(2)に係合せしめる、請求項23に記載の部材固定方法。

技術分野

0001

本発明は、拡張アンカーと、該拡張アンカーを用いた部材固定具と、前記拡張アンカーを用いて構成されて、例えば、駐車場等の地面に設置されて該地面を転動する車輪を受け止め、駐車時における車両の移動を阻止する車止め装置等と、に関するものである。

背景技術

0002

拡張アンカーの一種として、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有する拡張スリーブと、該拡張スリーブ内でその軸線方向に進出して前記拡張部を拡張せしめる拡張素子と、を備えてなるものが知られている。こうした拡張アンカーの固定方法は、例えば、次の通りである。

0003

まず、母材となる地面や壁面や天井面等に、前記拡張スリーブがちょうど嵌り込むような大きさの受け穴を形成し、該受け穴に、前記拡張スリーブを挿入する。次に、適当な打撃力伝達棒を介して、前記拡張スリーブの外部から、該拡張スリーブ内の前記拡張素子に突進力を付与する。すると、該拡張素子は、前記拡張スリーブ内でその軸線方向に進出し、前記拡張スリーブの前記拡張部を前記受け穴内で強制的に拡張させる。これにより、該拡張部は、前記受け穴の内壁に食い込み、前記拡張スリーブが地面や壁面や天井面等にしっかりと固定される。

0004

そこで、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒部を有する被固定物を前記拡張スリーブに直接螺着したり、または、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒部を有する固定用媒介部材を前記拡張スリーブに螺着し、前記固定用媒介部材と被固定物とを互いに結合せしめる等していた。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、前記従来構成の拡張アンカーおよびその固定方法によれば、前記拡張スリーブを前記母材に固定する工程と、前記拡張スリーブに前記被固定物または前記固定用媒介部材を取り付ける工程と、を分けて行っていたので、前記母材に対する前記被固定物の固定作業に手間を要する等の問題がある。

0006

本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、その解決課題は、被固定物の固定作業を容易かつ迅速に行うことができる拡張アンカーと、該拡張アンカーを用いた部材固定具と、前記拡張アンカーを用いた車止め装置と、該車止め装置を構成する車止めブロックの固定方法と、前記拡張アンカーの固定方法と、前記拡張アンカーを使用して行う被固定物の固定方法と、を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明による共通の課題解決理念は、母材に対する拡張アンカーの固定工程と、該拡張アンカーに対する被固定物または固定用媒介部材の取付工程とを、単一の作業で完了せしめるようにすることにある。

0008

すなわち、請求項1に記載の本発明に係る拡張アンカーは、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有して母材に形成された受け穴に挿入される拡張スリーブと、該拡張スリーブ内でその軸線方向に進出して前記拡張部を拡張せしめる拡張素子と、前記拡張スリーブに形成されて前記母材と係合することにより前記受け穴内での前記拡張スリーブの回転を阻止する回転防止部と、を備えたものである。

0009

前記拡張アンカーは、例えば、次のようにして、前記母材に固定される。

0010

まず、前記母材へ固定される被固定物自体に、または、前記拡張アンカーと前記被固定物との間で固定作用上の仲立ちをする固定用媒介部材に、あらかじめ、前記拡張スリーブの前記内ねじ部と互いにねじ結合するねじ棒部を形成しておく。

0011

次に、前記母材の前記受け穴に前記拡張スリーブを挿入し、前記被固定物自体または前記固定用媒介部材の前記ねじ棒部を、前記拡張スリーブにねじ結合させる。このとき、前記拡張スリーブには前記回転防止部を設けているので、前記拡張スリーブが共回りすることはない。前記ねじ棒部は、前記拡張スリーブ内に螺入することにより、該拡張スリーブ内の前記拡張素子を押圧して進出せしめる。該拡張素子は、前記拡張スリーブの軸線方向に進出することにより、前記拡張スリーブの前記拡張部を強制的に押し開き、該拡張部は、前記受け穴の内壁に食い込んで、前記拡張スリーブに所定の引き抜き抵抗を付与し、該拡張スリーブを前記母材にしっかりと固定する。同時に、前記ねじ棒部を介して、前記被固定物または前記固定用媒介部材が、前記拡張スリーブに対してしっかりと固定される。該拡張スリーブに前記固定用媒介部材を固定した場合には、さらに、該固定用媒介部材に対して被固定物を固定せしめる。

0012

このように、請求項1に記載の本発明によれば、前記被固定物または前記固定用媒介部材の前記ねじ棒部を前記拡張スリーブにねじ込むという単一の作業で、前記母材への前記拡張スリーブの固定作業と該拡張スリーブへの前記被固定物または前記固定用媒介部材の取付作業とが同時に遂行されるので、従来のものに比べて、前記被固定物の固定作業を容易かつ迅速に行うことができる。

0013

また、前記拡張スリーブの前記拡張部を強制的に拡張せしめる力は、前記拡張スリーブに対して前記被固定物または前記固定用媒介部材をねじ込むことによって付与されるので、強力な拡張力が得られる。

0014

さらに、前記拡張スリーブ内の前記拡張素子は、前記拡張スリーブとねじ結合した前記被固定物または前記固定用媒介部材の前記ねじ棒部で常時押圧されているので、前記拡張スリーブの前記拡張部によって押し戻される等の問題もない。このため、前記被固定物に動的荷重が連続的に負荷される等しても、その固定強度が低下する等の不都合はない。

0015

請求項2に記載の本発明に係る拡張アンカーは、請求項1に記載のものにおいて、前記回転防止部を、前記拡張スリーブの外周面塑性変形により形成された少なくとも一つの凸部としたものである。このようにすれば、前記回転防止部を簡単かつ迅速に形成することができるので、前記拡張アンカーの製造が容易であり、コストも低減する等の利点がある。

0016

請求項3に記載の本発明に係る拡張アンカーは、請求項1または2に記載のものにおいて、前記拡張スリーブに、前記母材に当接して前記受け穴への前記拡張スリーブの挿入深さを規制する挿入深さ規制部を設けたものである。

0017

このようにすれば、前記拡張スリーブは、計画された所定量しか前記受け穴内へ入り込まないので、前記受け穴を形成するときにその掘削深さに対して神経質になる必要がなく、前記被固定物の固定作業を一層容易かつ迅速に行うことができる。

0018

請求項4に記載の本発明に係る部材固定具は、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有して母材に形成された受け穴に挿入される拡張スリーブと、該拡張スリーブ内でその軸線方向に進出して前記拡張部を拡張せしめる拡張素子と、を備えてなる拡張アンカーと、該拡張アンカーと被固定物との間で固定作用上の仲立ちをする固定用媒介部材と、を備え、該固定用媒介部材は、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合することにより前記拡張素子を押圧して該拡張素子に進出力を付与するねじ棒部と、前記被固定物への係合部と、を備えてなるものである。前記固定用媒介部材と前記被固定物との間の係合の態様は、前記固定用媒介部材に対して前記被固定物を固定できるようなものであれば、どのような態様であってもよい。

0019

請求項4に記載の本発明によれば、前記受け穴に挿入された前記拡張スリーブの前記内ねじ部に前記固定用媒介部材の前記ねじ棒部をねじ結合せしめることによって、前記母材に対する前記拡張スリーブの固定と該拡張スリーブに対する前記固定用媒介部材の固定とが同時に行われる。その後、前記固定用媒介部材の前記係合部と前記被固定物とを互いに係合させればよい。

0020

請求項5に記載の本発明に係る部材固定具は、請求項4に記載のものにおいて、前記拡張スリーブへの前記固定用媒介部材のねじ込み操作により、前記母材に対する前記拡張アンカーの所定強度での固定と、前記被固定物への前記固定用媒介部材の前記係合部の係合とが、同時に達成されるようにせしめたものである。

0021

このようにすれば、前記拡張スリーブに前記固定用媒介部材をねじ込むだけで、前記母材に対する前記拡張アンカーの固定と、該拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材の固定と、該固定用媒介部材に対する前記被固定物の固定と、が共に完了するので、作業性が極めて良好である。

0022

請求項6に記載の本発明に係る部材固定具は、請求項4に記載のものにおいて、前記被固定物に取り付けられて前記固定用媒介部材と係合する受け部材を備え、該受け部材と前記固定用媒介部材との間に、前記拡張スリーブへの前記固定用媒介部材のねじ込み操作により互いに適合して前記被固定物を前記母材に不動状態に固定せしめる嵌合部を対にして備えたものである。

0023

このようにすれば、前記固定用媒介部材と前記被固定物との間の係合状態が密となるので、例えば、該被固定物に横方向からの動的荷重が負荷されても、該被固定物が位置ずれする等の問題はない。また、請求項5に記載のものと同様に、前記拡張スリーブに前記固定用媒介部材をねじ込むだけで、前記母材に対する前記拡張アンカーの固定と、該拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材の固定と、該固定用媒介部材に対する前記被固定物の固定と、が共に完了するので、作業性が極めて良好である。

0024

請求項7に記載の本発明に係る部材固定具は、請求項4,5または6に記載のものにおいて、前記拡張アンカーを、請求項1,2または3に記載の拡張アンカーとせしめたものである。

0025

請求項8に記載の本発明に係る車止め装置は、車輪転動面上に設置されて該面上を転動する車輪を受け止めるブロックと、該ブロックを前記車輪転動面上に固定する固定手段と、を備えてなる車止め装置であって、次のように構成したものである。

0026

前記ブロックは、上下方向に貫通する貫通孔を有し、前記固定手段は、互いにねじ結合する拡張アンカーと固定用媒介部材と、を備えている。

0027

そして、前記拡張アンカーは、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有して前記車輪転動面に形成された受け穴に挿入される拡張スリーブと、該拡張スリーブ内でその軸線方向に進出して前記拡張部を拡張せしめる拡張素子と、を備え、前記固定用媒介部材は、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合することにより前記拡張素子を押圧して該拡張素子に進出力を付与するねじ棒部と、前記ブロックと互いに係合する係合部と、を備えている。

0028

請求項7に記載の本発明に係る車止め装置の場合、作業者は、前記ブロックを前記車輪転動面へ、例えば、次のようにして固定する。

0029

前記ブロックを前記車輪転動面上に置き、前記貫通孔にドリル挿通して、前記車輪転動面に前記受け穴を形成する。このとき、前記ドリルは、前記貫通孔の内周面に案内されながら、前記車輪転動面に穿孔する。よって、前記受け穴を真っ直ぐに容易に形成することができる。

0030

該受け穴ができたら、互いに一部量だけねじ結合せしめた前記拡張スリーブと前記固定用媒介部材とを、前記拡張スリーブの側から前記ブロックの前記貫通孔に挿入し、さらに、該拡張スリーブを、前記車輪転動面に形成した受け穴へと挿入する。次に、前記拡張スリーブへの前記固定用媒介部材のねじ結合量を増大させる。すると、該固定用媒介部材で前記拡張スリーブ内の前記拡張素子が押圧されて進出し、該拡張素子によって前記拡張スリーブの前記拡張部が拡張される。これにより、前記車輪転動面へ前記拡張スリーブが固定され、同時に、該拡張スリーブに対する前記固定用媒介部材の取付作業も完了する。そこで、前記固定用媒介部材の前記係合部を前記ブロックへと係合せしめれば、前記ブロックの固定作業が終了する。

0031

請求項9に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項8に記載のものにおいて、前記拡張スリーブに、前記受け穴の内壁と係合することにより前記受け穴内での前記拡張スリーブの回転を阻止する回転防止部を設けたものである。このようにすれば、前記受け穴内の前記拡張スリーブに前記固定用媒介部材をねじ込むときに、前記拡張スリーブが共回りすることがなく、好適である。

0032

請求項10に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項8または9に記載のものにおいて、前記拡張スリーブに、前記受け穴への前記拡張スリーブの挿入深さを規制する挿入深さ規制部を設けたものである。このようにすれば、前記拡張スリーブは、計画された所定量しか前記受け穴内へ入り込まないので、前記受け穴を形成するときにその掘削深さに対して神経質になる必要がなく、前記ブロックの固定作業を一層容易かつ迅速に行うことができる。

0033

請求項11に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項8,9または10に記載のものにおいて、前記ブロックの底面に、前記貫通孔の一部を構成する広がり孔部を設けたものである。このようにすれば、前記車輪転動面上に前記ブロックを設置した後に該ブロックの前記貫通孔にドリルを挿通して前記車輪転動面に前記受け穴を形成する場合に、前記車輪転動面下から前記ドリルの掘削屑として上がってくる舗装材料等が前記広がり孔部内に逃されて留まるので、前記ドリルを引き抜く時に、前記ドリルによる掘削屑が前記受け穴へ戻ってしまう等の問題がない。

0034

請求項12に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項8乃至11のいずれかに記載のものにおいて、前記固定用媒介部材と前記ブロックとの間に、前記拡張スリーブへの前記固定用媒介部材のねじ込み操作により互いに適合して前記ブロックを不動状態に固定せしめる嵌合部を対にして設けたものである。

0035

このようにすれば、前記固定用媒介部材と前記ブロックとの間の係合状態が密となるので、該ブロックに車輪が繰り返し当接しても、前記ブロックが位置ずれする等の問題がないほか、前記拡張スリーブに対する前記固定用媒介部材のねじ込み操作だけで前記車輪転動面に対する前記ブロックの固定作業が終了するので、作業性が極めて良好である。

0036

請求項13に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項12に記載のものにおいて、前記固定用媒介部材側の前記嵌合部を前記固定用媒介部材に着脱自在にせしめたものである。このようにすれば、例えば、前記固定用媒介部材として既成有頭ねじ棒を用い、前記嵌合部を有する部品のみを特別に作製して、前記既成の有頭ねじ棒に装着して使用することができる。よって、前記嵌合部を一体に備えた固定用媒介部材を特別に作製する場合に比べて、コストを低減せしめることができる。

0037

請求項14に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項12または13に記載のものにおいて、前記固定用媒介部材が前記拡張アンカーに螺入するときに前記固定用媒介部材側の前記嵌合部を前記ブロック側の前記嵌合部へと案内する案内面を設けたものである。この場合、前記固定用媒介部材を前記拡張アンカーにねじ込むと、前記案内面の案内作用で、前記嵌合部同士が自然に嵌り合う。よって、前記固定用媒介部材と前記ブロックとを互いに係合せしめるための特別な配慮が不要であり、前記ブロックの固定作業を一層容易かつ迅速に行うことができる。

0038

請求項15に記載の本発明に係る車止め装置は、請求項12または13に記載のものにおいて、前記嵌合部をテーパー状部としたものである。このようにすれば、前記固定用媒介部材を前記拡張アンカーにねじ込むことにより、前記固定用媒介部材側のテーパー状部と前記ブロック側のテーパー状部とが隙間なくぴったりと接触するので、前記ブロックの固定作業を容易かつ迅速に行うことができるほか、前記ブロックの横移動を確実に防止することができる。

0039

請求項16に記載の本発明に係る車止めブロックの固定方法は、次の作業工程を含むものである。

0040

車輪転動面上に車止めブロックを置く。該車止めブロックを上下方向に貫通する貫通孔にドリルを挿通して、前記車輪転動面に受け穴を形成する。前記ドリルを前記貫通孔から抜く。互いに一部量だけねじ結合した固定用媒介部材と拡張アンカーとからなる固定具を前記拡張アンカーの側から前記貫通孔に挿通し、前記拡張アンカーを前記受け穴に挿入する。前記拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材のねじ結合量を増大させて、該固定用媒介部材によって前記拡張アンカーの拡張素子を押圧して進出させ、該拡張素子によって前記拡張アンカーの拡張部を拡張せしめて前記受け穴内に前記拡張アンカーを固定するとともに、前記固定用媒介部材と前記ブロックとを該ブロックが不動状態となるように互いに係合せしめる。

0041

請求項16に記載の本発明方法によれば、前記ブロックを前記車輪転動面上に置いてから、前記ブロックの前記貫通孔を通して、前記車輪転動面に前記受け穴を形成するようにしているので、該受け穴をまっすぐにあけ易いほか、該受け穴の形成位置に誤りが生ずることがない。また、前記拡張アンカーへ前記固定用媒介部材をねじ込むことで、地面に対する前記拡張アンカーの固定と該拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材の固定とが同時に遂行されるので、作業性がよい。

0042

請求項17に記載の車止めブロックの固定方法は、請求項16に記載の方法において、前記固定用媒介部材と前記ブロックとの間に対にして設けられた嵌合部を、前記拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材のねじ込み操作により互いに適合せしめることにより、前記固定用媒介部材と前記ブロックとを互いに係合せしめるものである。

0043

請求項18に記載の拡張アンカーの固定方法は、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有する拡張スリーブを母材に形成された受け穴に挿入し、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒を前記拡張スリーブにねじ込むことにより、前記拡張スリーブ内の拡張素子を押圧して進出させ、該拡張素子によって前記拡張スリーブの前記拡張部を拡張せしめるようにしたものである。

0044

請求項19に記載の拡張アンカーの固定方法は、請求項18に記載の方法において、前記ねじ棒を前記拡張スリーブにねじ込むときに、該拡張スリーブに形成された回転防止部が前記母材と係合して前記受け穴内での前記拡張スリーブの回転が阻止されるようにせしめたものである。

0045

請求項20に記載の部材固定方法は、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有する拡張スリーブを母材に形成された受け穴に挿入し、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒部を有する被固定物を前記拡張スリーブにねじ込むことにより、該被固定物で前記拡張スリーブ内の拡張素子を押圧して進出させ、該拡張素子によって前記拡張スリーブの前記拡張部を拡張せしめて、前記拡張スリーブと前記被固定物とを前記母材に固定するものである。

0046

請求項21に記載の部材固定方法は、内ねじ部と拡張自在な拡張部とを有する拡張スリーブを母材に形成された受け穴に挿入し、前記拡張スリーブの前記内ねじ部とねじ結合するねじ棒を前記拡張スリーブにねじ込むことにより、前記ねじ棒で前記拡張スリーブ内の拡張素子を押圧して進出させ、該拡張素子によって前記拡張スリーブの前記拡張部を拡張せしめて前記拡張スリーブを前記母材に固定するとともに、前記ねじ棒と被固定物とを互いに係合せしめるものである。

0047

請求項22に記載の部材固定方法は、請求項21に記載の方法において、前記ねじ棒に前記被固定物への係合部を設け、前記拡張スリーブに対する前記ねじ棒のねじ込み操作によって、前記係合部を前記被固定物に係合せしめるものである。このようにすれば、前記拡張スリーブに前記ねじ棒をねじ込むだけで、前記母材に対する前記拡張スリーブの固定と、該拡張スリーブに対する前記ねじ棒の固定と、該ねじ棒に対する前記被固定物の固定と、が共に完了するので、作業性が極めて良好である。

0048

請求項23に記載の部材固定方法は、母材に被固定物を添わせて、該被固定物に形成された固定用孔にドリルを挿通して前記母材に受け穴を形成し、前記ドリルを前記固定用孔から抜いて、互いに一部量だけねじ結合した固定用媒介部材と拡張アンカーとからなる固定具を前記拡張アンカーの側から前記固定用孔に挿通し、前記拡張アンカーを前記受け穴に挿入した後に、前記拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材のねじ結合量を増大させて該固定用媒介部材によって前記拡張アンカーの拡張素子を押圧して進出させ、該拡張素子によって前記拡張アンカーの拡張部を拡張せしめて前記受け穴内に前記拡張アンカーを固定するとともに、前記固定用媒介部材と前記被固定物とを互いに係合せしめるものである。

0049

請求項23に記載の方法によれば、前記母材に前記被固定物を添わせた状態で、該被固定物の前記固定用孔を通して前記母材に前記受け穴を形成するものであるから、該受け穴の形成位置にずれが生じる余地がない。

0050

請求項24に記載の部材固定方法は、請求項22に記載の方法において、前記固定用媒介部材に前記被固定物への係合部を設け、前記拡張アンカーに対する前記固定用媒介部材のねじ込み操作によって、前記係合部を前記被固定物に係合せしめるものである。

発明を実施するための最良の形態

0051

以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施の形態を説明する。

0052

まず、本発明の一実施形態に係る拡張アンカーおよびその固定方法を、図1乃至図4を参照して説明する。

0053

本発明の一実施形態に係る拡張アンカー20は、前記従来のものと同様に、拡張スリーブ20aと、拡張素子22と、を備えている。

0054

図4において、前記拡張スリーブ20aは鋼製のものであり、その上半部に内ねじ部20bを有し、その下半部に拡張自在な拡張部21を有している。

0055

前記内ねじ部20bは、図1に示すように、被固定物自体または被固定物と前記拡張アンカー20との間で固定作用上の仲立ちをする固定用媒介部材に形成されたねじ棒部28と、互いにねじ結合する。該ねじ棒28を有する前記被固定物の典型例としては、例えば、壁面や天井面に沿って配管を行う場合の配管ホルダーや、フック等があり、前記固定用媒介部材の典型例としては、ボルト等がある。

0056

図2および図3に示すように、前記拡張スリーブ20aの外周面には、外方への小さな凸部30が二つ形成されている。該凸部30は、前記拡張アンカー20の固定場所となる地面や壁面や天井面等(母材S)と係合することにより、受け穴25内での前記拡張スリーブ20aの回転を阻止する回転防止部として作用する。

0057

ここでは、最も簡易な方法として、前記凸部30を、塑性変形により形成し、また、安定的な回転防止作用が得られるように、前記二つの凸部30を、前記拡張スリーブ20aの直径の延長線上に形成している。しかし、前記凸部30の数および形成方法は、任意である。前記凸部30は、図2に示すように、前記拡張部21の外周面に形成するのが望ましい。該拡張部21が拡張することにより、回転防止作用がより強力となるからである。

0058

図4に示すように、前記拡張スリーブ20aの上端には、フランジ31を形成している。該フランジ31は、図1に示すように、前記母材Sに穿設される前記受け穴25への前記拡張スリーブ20aの挿入深さを規制する挿入深さ規制部として作用する。

0059

一方、前記拡張スリーブ20aの前記拡張部21は、図2および図3に示すように、前記拡張スリーブ20aの下端から上向きに形成された四本のスリット20cによって、互いに同形同大の四つのフラップ21として形成されている。該フラップ21の数は四つには限定されず、六つまたは八つ等であってもよい。前記拡張部21の内周面は、図4に示すように、下向きに縮小するテーパー状となっている。

0060

図4に示すように、前記拡張スリーブ20a内には、前記拡張素子22が挿入されている。該拡張素子22の外周面は、前記拡張部21の内周面に適合するテーパー状となっている。前記拡張素子22の上部には、上向きに突出する棒状の被押圧部22aが形成されている。図1に示すように、前記拡張素子22は、前記被押圧部22aに荷重を受けることにより、前記拡張スリーブ20aの軸線方向下向きに押し進められ、該拡張スリーブ20aの前記拡張部21を強制的に押し開く。

0061

作業者は、前記拡張アンカー20を、例えば次のようにして、前記母材Sに固定する。

0062

まず、ドリルを用いて、前記母材Sに、前記拡張アンカー20を固定するための前記受け穴25を形成する。該受け穴25の直径は、前記拡張スリーブ20aの直径よりわずかに大きい程度とするが、前記受け穴25の深さは、最低で、前記拡張スリーブ20aの全長受け入れることができる深さであればよく、それより深くなっても全く支障はない。よって、前記作業者は、前記受け穴25の形成作業に当って、振れが生じないように前記ドリルを操作する等して、前記受け穴25の直径についてのみ注意を払えばよく、その深さについては、さほど神経を使う必要がない。

0063

次に、前記母材Sの前記受け穴25に、前記拡張スリーブ20aを挿入する。このとき、該拡張スリーブ20aの前記フランジ31が前記受け穴25の入口の周囲に当接するので、前記拡張スリーブ20aは、その全長が前記受け穴25内に納まったところで、それ以上入らなくなる。よって、前記拡張スリーブ20aの前記受け穴25への挿入深さに神経を使う必要がなく、作業を容易かつ迅速に行うことができる。

0064

前記作業者は、前記被固定物自体または前記固定用媒介部材の前記ねじ棒部28を、前記受け穴25内の前記拡張スリーブ20aにねじ結合させる。このとき、前記受け穴25が理想的な大きさに形成されていれば、前記凸部30がなくても、前記拡張スリーブ20aの共回りは生じない。しかし、前記ドリルを操作する作業者の熟練度合いには個人差があるから、前記受け穴25が常に理想的な大きさに形成されるとは限らない。この点、前記拡張アンカー20によれば、前記拡張スリーブ20aの前記凸部30が前記受け穴25の内壁に係合しているので、前記受け穴25の径が理想的な径より多少大きくても、前記拡張スリーブ20aが共回りすることはない。

0065

前記ねじ棒部28は、前記拡張スリーブ20a内に螺入することにより、該拡張スリーブ20a内の前記拡張素子22を押圧して、該拡張素子22を図4に示す初期位置から下方へ進出せしめる。これにより、該拡張素子22は、図1に示すように、前記拡張スリーブ20aの前記拡張部21を強制的に押し開き、該拡張部21は、前記受け穴25の内壁に食い込んで、前記拡張スリーブ20aに所定の引き抜き抵抗を付与し、該拡張スリーブ20aを前記母材Sにしっかりと固定する。同時に、前記ねじ棒部28を介して、前記被固定物または前記固定用媒介部材が、前記拡張スリーブ20aに対してしっかりと固定される。

0066

前記拡張スリーブ20aに前記固定用媒介部材を固定した場合には、さらに、該固定用媒介部材に対して被固定物を固定せしめる。

0067

なお、前記拡張素子22が前記拡張スリーブ20a内で所定の最終位置まで進出して前記拡張アンカー20の固定強度が所定値に達したことを作業者に知覚せしめるためには、前記拡張スリーブ20aの前記内ねじ部20bの深さをあらかじめ所定値に設定しておき、前記ねじ棒部28のねじ込み操作がそれ以上不能となるようにせしめることが望ましい。

0068

また、あらかじめ前記拡張アンカー20と前記ねじ棒部28とを一部量だけ互いにねじ結合せしめ、前記拡張アンカー20を前記受け穴25に挿入して、前記拡張アンカー20に対する前記ねじ棒部28のねじ結合量を増大せしめるようにすることもできる。

0069

次に、前記拡張アンカー20の具体的な使用方法として、該拡張アンカー20を用いた車止め装置および車止めブロックの固定方法を説明する。

0070

本発明の一実施形態に係る車止め装置は、図5に示すように、上下方向に延びる貫通孔1を有する車止めブロック2と、該ブロック2を母材となる車輪転動面(地面)Sに固定するための固定手段3,4と、を備えている。

0071

ここでは、該固定手段として、固定具3と、接着材4と、を使用する。前記固定具3は、前記拡張アンカー20と、前記固定用媒介部材としてのボルト19と、から構成されている。一方、前記接着材4は、前記ブロック2と地面Sとの間に仮止め材として介装される。前記ボルト19と前記ブロック2との間には、互いに適合して前記ブロック2を不動状態に固定せしめる嵌合部5,6が対にして設けられている。

0072

前記ブロック2は、車輪転動面である駐車場の地面Sに左右方向に対にして横長に設置されて、該地面S上を移動する自動車左右一対の車輪Wを受け止め、駐車位置画定するものである。前記ブロック2は、地面Sに密着する平坦な底面2aを備えるとともに、車輪Wが当接する傾斜面2bを備えている。

0073

前記ブロック2の前記貫通孔1は、前記ブロック2の平坦な上面2cから前記底面2aへと垂直に延びている。前記貫通穴1は、前記ブロック2内に埋設された筒部材7と、前記ブロック2の前記底面2aに開口する広がり穴部17とで構成されている。該広がり穴部17は、図5に示すように、上向きに縮小するテーパー状の窪みであり、例えば、地面S側の大径部が前記ボルト19の径の二倍以上の径を有する大きさに形成されている。

0074

前記貫通孔1は、図6に示すように、前記ブロック2の長さ方向両端寄りの位置にそれぞれ設ける等、地面Sへの必要固定強度を案して、その個数および形成位置を適宜に決定することができる。

0075

前記筒部材7は、図5に示すように、上下方向に真っ直ぐに延びて前記ボルト19をわずかな遊びをもって挿通し得る程度の内径を有する筒本体部7aと、該筒本体部7aの上部に一体に形成された四角形の皿状部7bとを備えている。前記筒部材7は、例えば、ポリプロピレンポリエチレン等のプラスチック成形される。前記筒本体部7aと前記皿状部7bとの間には、前記ブロック2側の前記嵌合部を構成する嵌合受部としてのテーパー状凹部6が形成されている。該テーパー状凹部6の内部は、前記皿状部7bの内部と前記筒本体部7aの内部とにともに連通していて、それらと前記広がり穴部17とにより、前記貫通孔1が形成されている。

0076

前記筒部材7の前記皿状部7bには、前記ブロック2の固定作業が終了した後に、反射機能付のキャップ8が取り付けられる。該キャップ8は、前記貫通孔1の上端を閉塞して該貫通孔1への雨水の侵入を防止するとともに、自動車のテールランプ等を反射して夜間の視認性を向上せしめる。

0077

一方、前記ボルト19には、該ボルト19側の前記嵌合部として、その六角頭部16の下部に、下向きに細くなるテーパー状部5が形成されている。前記ボルト19の長さは、前記テーパー状部5が前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6に適合すると同時に、前記拡張アンカー20が受け穴25内で最も強力なアンカー作用を奏するように、前記ブロック2の厚みに応じてあらかじめ最適な寸法に設定されている。

0078

前記ブロック2の地面Sへの固定方法は、例えば、次の通りである。

0079

まず、前記ブロック2の設置面Sに、前記接着材として、例えば、ドライモルタル乳液を添加して練り合わせ接着モルタル4を薄く塗り、この接着モルタル4が固まる前に、該接着モルタル4上に前記ブロック2を置く。これにより、前記ブロック2の前記底面2aと地面Sとが密着するとともに、前記ブロック2が地面S上に仮止めされる。

0080

次に、図7に示すように、前記筒部材7にインパクトドリル装置23のドリル24を挿通して、地面Sに受け穴25を形成する。このとき、作業者は、前記筒部材7の前記筒本体部7aを基準として前記ドリル24を垂直に保持することができるので、前記受け穴25を真っ直ぐに容易に形成することができるほか、前記受け穴25の形成位置にずれが生ずる等の問題がない。また、前記ドリル24の穿孔作用により舗装材料の掘削屑18が発生するが、この掘削屑18は、前記ブロック2の前記広がり孔部17に自然に収容されるので、前記掘削屑18で押し上げられて前記ブロック2が位置ずれしたり、前記ドリル24を抜くときに前記掘削屑18が前記受け穴25を塞いでしまう等の問題はない。

0081

前記受け穴25ができたら、ねじ結合部に余りを残して一部量だけ互いにねじ結合せしめた前記ボルト19と前記拡張アンカー20とからなる前記固定具3を、図8に示すように、前記拡張アンカー20を下にして前記筒部材7内に挿通し、該拡張アンカー20を前記受け穴25へ挿入する。このとき、前記拡張アンカー20には前記フランジ31が形成されているので、作業者は、これ以上入らないというところまで前記固定具3を押し下げれば、前記拡張アンカー20の全長が前記受け穴25内に納まったことになる。よって、作業者は、前記ブロック2で前記拡張アンカー20が見えなくても、該拡張アンカー20の前記受け穴25への適正な挿入状態を知覚することができる。

0082

そこで、作業者は、前記ボルト19をねじ回し、前記テーパー状部5が前記ブロック2側のテーパー状凹部6に適合するまで、前記アンカー部材20に対する前記ボルト19のねじ結合量を増大させる。このとき、該ボルト19の下端で前記拡張アンカー20の前記拡張素子22が押し下げられ、前記拡張スリーブ20aの前記拡張部21が拡張して、前記拡張アンカー20が地中にしっかりと固定される。

0083

ここで、前記拡張アンカー20が前記受け穴25内でわずかに傾いていても、前記ボルト19を前記拡張アンカー20にねじ込むと、前記ボルト19は、そのテーパー状部5を前記テーパー状凹部6の斜面6bで案内されながら、最終的に、該テーパー状凹部6にぴったりと嵌り込む。

0084

前記ブロック2の固定状態においては、前記ボルト19側の前記テーパー状部5と前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6とが密に嵌り合っているので、前記ブロック2に車輪Wが繰り返し衝突しても、前記ブロック2が位置ずれする等の問題はない。

0085

なお、前記ボルト19側の前記テーパー状部5は、前記ボルト19と一体形成しておく必要はなく、図9に示すように、テーパー状部5を有する部品11を既成のボルト19aに着脱自在にせしめることもできる。前記着脱部品11は、その中央部にボルト挿通孔12を有していて、座金13とともに、前記既成のボルト19aに装着される。このようにすれば、ボルトは既成品で足り、特別に作製する必要があるのは前記着脱部品11のみであるので、前記テーパー状部5を一体に備えた前記ボルト19を作製する場合に比べて、コストを低減せしめることができる。

0086

また、前記ボルト19側の前記嵌合部と前記ブロック2側の前記嵌合部の双方をテーパー状としておく必要はなく、例えば、図10に示すように、既成のボルト19bに、前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6の円形底部6aに適合する底部10aを有する円筒部品10を装着するようにしてもよい。この場合、前記拡張アンカー20が前記受け穴25内でわずかに傾いていても、前記ボルト19bを前記拡張アンカー20にねじ込むと、前記円筒部品10は、前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6の斜面6bに案内されながら、該テーパー状凹部6の前記円形底部6aに隙間なく嵌り込む。

0087

すなわち、この例では、前記円筒部品10の前記底部10aと前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6の前記円形底部6aとが互いに隙間なく嵌り合うことにより、前記ブロック2が不動状態に固定されて、その位置ずれが防止される。また、前記ブロック2側の前記テーパー状凹部6の斜面6bは、前記ボルト19bが前記拡張アンカー20に螺入するときに、前記円筒部品10を前記テーパー状凹部6の前記円形底部6aへと案内する案内面として作用する。

図面の簡単な説明

0088

図1本発明の一実施形態に係る拡張アンカーの固定状態を示す縦断面図である。
図2図1の拡張アンカーの外観図である。
図3図2のIII−III矢視図である。
図4図3のIV−IV矢視図である。
図5本発明の一実施形態に係る車止め装置の固定状態を示す縦断面図である。
図6図5中の車止めブロックの全体斜視図である。
図7図5の車止めブロックの固定方法の説明図である。
図8図5の車止めブロックの固定方法の説明図である。
図9固定具の第一変形例を示す縦断面図である。
図10固定具の第二変形例を示す縦断面図である。

--

0089

1貫通孔
2ブロック
2a ブロックの底面
3固定具
5テーパー状部(係合部,嵌合部)
6 テーパー状凹部(嵌合部)
6b 案内面
17広がり孔部
19ボルト,ねじ棒(固定用媒介部材)
20拡張アンカー
20a拡張スリーブ
20b内ねじ部
21拡張部
22拡張素子
24ドリル
25 受け孔
28 ねじ棒部
30 凸部(回転防止部)
31フランジ(挿入深さ規制部)
S車輪転動面,地面(母材)
W 車輪

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