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技術 液体収納容器用開閉弁、開閉弁付き液体収納容器、インクジェットカートリッジ、液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 日南淳松本英久石永博之
出願日 1998年4月28日 (22年4ヶ月経過) 出願番号 1998-119353
公開日 1999年11月9日 (20年9ヶ月経過) 公開番号 1999-309869
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 略多角柱 略多角柱形状 変形面 大さい 開閉弁部材 中央近傍領域 初期空間 初期空気量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月9日)のものです。
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図面 (20)

課題

物流時などの初期段階での液体収納容器の開口部のシール性を向上させると共に、簡単な構成で確実に、かつ安定して開閉する液体収納容器用開閉弁を実現する。

解決手段

インクタンクの開口部に取り付けられる弁57は、可動部5と、可動部5の周囲に4つの弾性支持部6が設けられるように形成された破断可能な薄肉部4とを有している。インクタンクをタンクホルダに装着する際、タンクホルダに設けられた連通管71の先端部分が可動部5に突き当たり、可動部5が連通管71により押圧されることで薄肉部4が破断して弁57が開封される。開封された弁57では可動部5が4つの弾性支持部6により支持される。インクタンクをタンクホルダから取り外した際、連通管71が弁57から引き抜かれることで、弾性支持部6のねじり弾性変形の復元力により可動部5が当接部21と当接し、弁57が密閉される。

概要

背景

従来のインクジェット記録装置では、インク吐出する記録ヘッドと、その記録ヘッドに供給するインクを保持する液体収納容器としてのインクタンクとを備えたインクジェットカートリッジが用いられている。また、インクジェットカートリッジとしては、記録ヘッドとインクタンクとが分離可能になっているものが用いられている。

このようなインクジェット記録装置では、インクジェットカートリッジに記録ヘッドおよびインクタンクが備えられていることにより、インクタンクのインク収納部から記録ヘッドのノズルまでのインク供給経路が短いため、記録装置の小型化が容易であるという利点がある。

また、インクジェットカートリッジとして、記録ヘッドとインクタンクとが分離可能となっているものを用いた場合、インクがなくなった際に、インクを収納するタンクのみを交換するため、ランニングコストが低いという利点がある。

上記のような構成をとるためにインクタンクの結合部には、物流時などの初期段階でインクタンクを記録ヘッドと接続するまでの間にシール性の確保が要求される。また、インクタンクを一度装着した後にインクタンクの着脱を繰り返す場合、結合部の開口部からインクが漏れることを防ぐために、その開口部の確実な開閉動作の実現が要求される。

従来より、インクタンクの開口部を密閉するための結合部の構造として、ボールと、そのボールを付勢するばね部材とを用いた弁機構が知られている。このような弁機構により構成された液体収納容器用開閉弁は、ばね部材の弾性力により開閉可能となっており、インクタンクのインク収納部内にインクが直接収納されている形態で特に有効なものである。ボールおよびばね部材を用いた弁機構は、インクタンクをタンクホルダなどに装着する際に開かれる。この際、インクタンクをタンクホルダなどに押し付け、タンクホルダに備えられた連通管などによりボールが押圧されて移動することにより弁が開く。

概要

物流時などの初期段階での液体収納容器の開口部のシール性を向上させると共に、簡単な構成で確実に、かつ安定して開閉する液体収納容器用開閉弁を実現する。

インクタンクの開口部に取り付けられる弁57は、可動部5と、可動部5の周囲に4つの弾性支持部6が設けられるように形成された破断可能な薄肉部4とを有している。インクタンクをタンクホルダに装着する際、タンクホルダに設けられた連通管71の先端部分が可動部5に突き当たり、可動部5が連通管71により押圧されることで薄肉部4が破断して弁57が開封される。開封された弁57では可動部5が4つの弾性支持部6により支持される。インクタンクをタンクホルダから取り外した際、連通管71が弁57から引き抜かれることで、弾性支持部6のねじり弾性変形の復元力により可動部5が当接部21と当接し、弁57が密閉される。

目的

本発明の目的は、液体収納容器から外部への液体供給において、液体供給の信頼性が高く、また正確な開閉動作および、物流時などの初期段階での液体収納容器内の液体封止時に液体収納容器の開口部のシール性を向上させることができる液体収納容器用開閉弁、その液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられて成る開閉弁付き液体収納容器、その開閉弁付き液体収納容器を有するインクジェットカートリッジや、液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法を提供することにある。

また、本発明の他の目的は、簡単な構成で低コストであり、確実にかつ安定して開閉動作を行うことができる液体収納容器用開閉弁、その液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられて成る開閉弁付き液体収納容器、その開閉弁付き液体収納容器を有するインクジェットカートリッジや、液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

液体密閉収納する液体収納容器液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁において、押圧されることで破断可能な薄肉部で周囲が構成されている開閉可能な弁部を複数有しており、前記薄肉部が破断された後に前記薄肉部の、破断された部分は押圧が解除されることで弾性により閉じることを特徴とする液体収納容器用開閉弁。

請求項2

液体を密閉収納する液体収納容器の液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁において、可動部および、該可動部を支持する弾性支持部を用いて前記液体供給口を開閉し、かつ、押圧されることで破断可能な薄肉部を複数備えて前記液体供給口を実質密閉するシート部材を有し、前記薄肉部の、破断された部分の少なくとも1つから前記液体を前記液体収納容器の外部に供給可能としたことを特徴とする液体収納容器用開閉弁。

請求項3

前記弾性支持部は、前記薄肉部が破断されることで形成されるものである請求項2に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項4

前記薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部と、該可動部を支持する弾性変形可能な弾性支持部とをさらに有しており、前記弾性支持部のねじり動作により開閉可能とする請求項2に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項5

前記弾性支持部は、前記可動部が回転しつつ移動するようにねじり弾性変形可能とする請求項3または4に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項6

前記可動部は、前記弾性支持部のねじり弾性変形により前記液体収納容器の前記液体供給口の開口面に対して垂直な方向に移動可能となっている請求項5に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項7

前記可動部が、2つ以上の前記弾性支持部により支持されている請求項2〜6のいずれか1項に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項8

前記弾性支持部が均等な間隔で配置されている請求項7に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項9

前記可動部の一面が接触する当接部をさらに有しており、前記弾性支持部材を用いて前記可動部の一面および前記当接部同士を接触させることによりシール性を有する請求項2〜8のいずれか1項に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項10

前記液体収納容器用開閉弁の材料として樹脂が用いられている請求項2〜9のいずれか1項に記載の液体収納容器用開閉弁。

請求項11

液体を密閉収納する液体収納容器と、該液体収納容器液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁とを有する開閉弁付き液体収納容器において、前記液体収納容器用開閉弁が、可動部および、該可動部を支持する弾性支持部を用いて前記液体供給口を開閉し、かつ、押圧されることで破断可能な薄肉部を複数備えて前記液体供給口を実質密閉するシート部材を有し、前記薄肉部の、破断された部分の少なくとも1つから前記液体を前記液体収納容器の外部に供給可能としたことを特徴とする開閉弁付き液体収納容器。

請求項12

前記液体収納容器用開閉弁の前記弾性支持部は、前記薄肉部が破断されることで形成されるものである請求項11に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項13

前記液体収納容器が、前記薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部と、該可動部を支持する弾性変形可能な弾性支持部とをさらに有しており、前記弾性支持部のねじり動作により前記液体収納容器用開閉弁を開閉可能とする請求項11に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項14

前記液体収納容器用開閉弁と前記液体収納容器の材質として樹脂が用いられている請求項11〜13のいずれか1項に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項15

前記液体収納容器用開閉弁と前記液体収納容器の材質として同一のものが用いられている請求項11〜13のいずれか1項に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項16

外部に液体を供給するための液体供給部および、大気と連通する大気連通口を備えた筐体と、該筐体の内部に備えられ、内部に収容される液体の導出に伴い変形し負圧発生可能な液体収納部とから前記液体収納容器が構成されている請求項11〜15のいずれか1項に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項17

前記液体収納部は、弾性変形可能な壁面により構成されている請求項16に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項18

前記液体収納部に液体が充填されており、前記液体収納容器用開閉弁が開封される前の前記液体収納部の大気に対する内圧が負である請求項16または17に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項19

前記液体収納部は略多角柱形状であり、前記液体収納部を構成する壁の厚さは前記略多角柱形状の各面の中央域より角部を構成する部分のほうが薄い請求項16〜18のいずれか1項に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項20

前記液体収納部を構成する壁の、前記多角柱表面積が最大となる部分を除いた部分には、前記壁を前記筐体の壁面により支持するためのピンチオフ部が形成されている請求項19に記載の開閉弁付き液体収納容器。

請求項21

請求項11〜20のいずれか1項に記載の開閉弁付き液体収納容器と、該開閉弁付き液体収納容器から供給される液体を吐出する記録ヘッドとを有するインクジェットカートリッジ

請求項22

前記開閉弁付き液体収納容器と前記記録ヘッドとが分離可能である請求項21に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項23

前記記録ヘッドが取り付けられた容器ホルダをさらに有しており、前記開閉弁付き液体収納容器が前記容器ホルダに対して着脱自在に交換可能となっている請求項21に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項24

前記記録ヘッドに液体を供給するための液体供給路および、大気と連通する大気連通口を備え内部に液体を保持する毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材収納室を、前記容器ホルダが備えている請求項23に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項25

前記容器ホルダに前記開閉弁付き液体収納容器が装着された際に前記開閉弁付き液体収納容器の内部を毛管力発生部材収納室と連通させる円筒状の連通部が前記容器ホルダにさらに備えられており、かつ、前記連通部の前記開閉弁付き液体収納容器側の先端部分に、前記連通部の中心軸からずれた突起部が設けられている請求項24に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項26

前記毛管力発生部材収納室を構成する壁面の、前記連通部の近傍の部分には、該部分と前記毛管力発生部材との間に配置され、前記壁面の途中から前記連通部に向かって延びて前記連通部と連通する大気導入溝が形成されている請求項25に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項27

前記毛管力発生部材収納室の前記大気連通口の近傍に、液体が充填されない領域を有する請求項24〜26のいずれか1項に記載のインクジェットカートリッジ。

請求項28

液体を保持する液体収納容器の開口部を密閉し、かつ、破断可能な薄肉部を有する液体収納容器用開閉弁の開封方法であって、前記液体収納容器用開閉弁の所定の部分を押圧して前記薄肉部を破断させることにより開封する液体収納容器用開閉弁の開封方法。

請求項29

液体を保持する液体収納容器の内部と連通させるための連通管を備えた容器ホルダに前記液体収納容器を装着する際に、前記液体収納容器の開口部を密閉すると共に破断可能な薄肉部を有する液体収納容器用開閉弁を開封するための液体収納容器用開閉弁の開封方法であって、前記容器ホルダの前記連通管の先端部を前記液体収納容器用開閉弁に突き当てて前記薄肉部を破断させることにより開封する液体収納容器用開閉弁の開封方法。

請求項30

前記連通管の形状が円筒であり、前記連通管の先端部分に、前記連通管の中心軸からずれた突起部を設け、該突起部を前記液体収納容器用開閉弁に突き当てる請求項29に記載の液体収納容器用開閉弁の開封方法。

請求項31

破断可能な薄肉部および、該薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部を備える板状の弁体部と、該弁体部の前記可動部が当接する当接部を一方の面に備えた板状の弁座部とを有する液体収納容器用開閉弁の製造方法であって、前記弁体部と前記弁座部とが一平面内で並列に接続されて成る開閉弁部材一体成形により製作する工程と、前記弁体部の可動部が前記弁座部の当接部に接触すると共に、前記弁体部の、前記薄肉部および前記可動部を除く部分の少なくとも一部が、前記弁座部の、前記当接部を除く部分に接触するように、前記弁座部と前記当接部との接続部で前記開閉弁部材を折り曲げる工程と、前記可動部と前記当接部の接触部を除く、前記弁体部と前記弁座部の互いの接触面同士を接合する工程とを有する液体収納容器用開閉弁の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、液体を保持する液体収納容器に取り付けられる開閉可能な液体収納容器用開閉弁、その液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられて成る開閉弁付き液体収納容器、その開閉弁付き液体収納容器を有するインクジェットカートリッジ、前記液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法に関する。

背景技術

0002

従来のインクジェット記録装置では、インク吐出する記録ヘッドと、その記録ヘッドに供給するインクを保持する液体収納容器としてのインクタンクとを備えたインクジェットカートリッジが用いられている。また、インクジェットカートリッジとしては、記録ヘッドとインクタンクとが分離可能になっているものが用いられている。

0003

このようなインクジェット記録装置では、インクジェットカートリッジに記録ヘッドおよびインクタンクが備えられていることにより、インクタンクのインク収納部から記録ヘッドのノズルまでのインク供給経路が短いため、記録装置の小型化が容易であるという利点がある。

0004

また、インクジェットカートリッジとして、記録ヘッドとインクタンクとが分離可能となっているものを用いた場合、インクがなくなった際に、インクを収納するタンクのみを交換するため、ランニングコストが低いという利点がある。

0005

上記のような構成をとるためにインクタンクの結合部には、物流時などの初期段階でインクタンクを記録ヘッドと接続するまでの間にシール性の確保が要求される。また、インクタンクを一度装着した後にインクタンクの着脱を繰り返す場合、結合部の開口部からインクが漏れることを防ぐために、その開口部の確実な開閉動作の実現が要求される。

0006

従来より、インクタンクの開口部を密閉するための結合部の構造として、ボールと、そのボールを付勢するばね部材とを用いた弁機構が知られている。このような弁機構により構成された液体収納容器用開閉弁は、ばね部材の弾性力により開閉可能となっており、インクタンクのインク収納部内にインクが直接収納されている形態で特に有効なものである。ボールおよびばね部材を用いた弁機構は、インクタンクをタンクホルダなどに装着する際に開かれる。この際、インクタンクをタンクホルダなどに押し付け、タンクホルダに備えられた連通管などによりボールが押圧されて移動することにより弁が開く。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上述したボールおよびばね部材を用いた液体収納容器用開閉弁では、液体供給のための開閉部が1つの液体供給管に対して1つであり、前記開閉部が固着や目詰まりなどをした場合には、液体供給路が断たれることがある。その結果、液体収納容器の外部への適切な液体供給が不可能となる恐れがあり、液体供給の信頼性の点で不安が残る。

0008

また、液体供給のための開口面積を確保するためにボールを移動させる突き当て部材の径を小さくした場合には、ボールの動作抵抗突き当て位置などの関係によりボールが開閉動作の空間内で引っかかるなど、確実かつ速やかな動作ができない場合もある。この場合、液体収納容器を結合した際の液体の供給不良や、液体収納容器を取り外した際のインク漏れが生じるという恐れがある。また、正確な動作のために突き当て部を大きくした場合には開口面積が小さくなる。よって、開口面積の確保と、開閉動作の信頼性がトレードオフとなっている。

0009

さらに、ボールおよびばね部材を用いた弁では、弁を構成する部品点数が多く、それ故にシール性に関与するパラメータがボール、座面、ばね押圧力など多数にわたり、最終的な組み立て精度許容範囲が狭くなるという問題点がある。特に、弁の構成部品をそれぞれ別の材質製作した場合、コストが高くなってしまい、また、各構成部品の組み込み性および耐インク性を考慮しながら各構成部品の材料を選択する必要性が生じてしまう。

0010

本発明の目的は、液体収納容器から外部への液体供給において、液体供給の信頼性が高く、また正確な開閉動作および、物流時などの初期段階での液体収納容器内の液体の封止時に液体収納容器の開口部のシール性を向上させることができる液体収納容器用開閉弁、その液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられて成る開閉弁付き液体収納容器、その開閉弁付き液体収納容器を有するインクジェットカートリッジや、液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法を提供することにある。

0011

また、本発明の他の目的は、簡単な構成で低コストであり、確実にかつ安定して開閉動作を行うことができる液体収納容器用開閉弁、その液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられて成る開閉弁付き液体収納容器、その開閉弁付き液体収納容器を有するインクジェットカートリッジや、液体収納容器用開閉弁の開封方法および製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、本発明の液体収納容器用開閉弁は、液体を密閉収納する液体収納容器の液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁において、押圧されることで破断可能な薄肉部で周囲が構成されている開閉可能な弁部を複数有しており、前記薄肉部が破断された後に前記薄肉部の、破断された部分は押圧が解除されることで弾性により閉じることを特徴とする。

0013

また、本発明の液体収納容器用開閉弁は、液体を密閉収納する液体収納容器の液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁において、1つの液体供給管に対して複数の開閉可能な液体供給開口部を設けること、また、前記液体供給管を接続する際に、対応する開閉可能な複数の開口部を開閉可能とすることを特徴とする。

0014

上記の通りの発明では、1つの液体供給管に対して複数の開閉可能な液体供給開口部を設けることで、たとえ1つの開閉部がゴミや固着などの目詰まりなどによって液体供給が困難となった場合でも液体の供給を可能とする。

0015

さらに、前記開口部に取付けられた初期段階で破断されておらず、押圧されることにより破断される薄肉部を有していることを特徴とする。

0016

上記の発明では、押圧されることにより破断される薄肉部を液体収納容器用開閉弁が有しており、液体収納容器用開閉弁が液体収納容器の開口部に取り付けられた初期段階で薄肉部が破断されていないことにより、薄肉部の破断により液体収納容器用開閉弁が開封されるまでの初期段階で液体収納容器が液体収納容器用開閉弁により確実に密閉される。従って、物流時などの初期段階での液体収納容器の開口部のシール性が向上し、液体収納容器の内部に確実に液体を保持することができる。

0017

また、前記弾性支持部は、前記薄肉部が破断されることで形成されるものであることが好ましく、あるいは、前記薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部と、該可動部を支持する弾性変形可能な弾性支持部とをさらに有しており、前記弾性支持部のねじり動作により開閉されることが好ましい。

0018

上記のように、可動部を揺動可能に支持する弾性変形可能な弾性支持部のねじり動作により可動部が開口部の開口面に対して垂直な方向に移動することで液体収納容器用開閉弁が開閉されることにより、液体収納容器用開閉弁の開閉動作が安定して確実に行われる。また、従来のボールを用いた液体収納容器用開閉弁と比較して、小さいスペースで液体収納容器用開閉弁の開口面積を充分に確保することができ、さらに、液体収納容器用開閉弁の開閉動作の応答性が高くなる。

0019

さらに、前記弾性支持部は、前記可動部が回転しつつ移動するようにねじり弾性変形可能とすることが好ましい。

0020

上記のように、弾性支持部が、可動部が回転しつつ移動するようにねじり弾性変形することにより、液体収納容器用開閉弁が開く際の可動部の移動が安定し、また、ねじり弾性変形した弾性支持部の復元力により、液体収納容器用開閉弁が閉じる際の可動部の復元性が向上する。

0021

さらに、前記可動部が、2つ以上の弾性変形可能な弾性支持部により支持されていることや、前記弾性支持部が均等な間隔で配置されていることが好ましい。

0022

上記のように、可動部を支持する複数の弾性支持部が均等な間隔で配置されていることによって、それぞれの弾性支持部により可動部に均等に力がかかり、液体収納容器用開閉弁の開閉動作が安定する。

0023

さらに、前記可動部の一面が接触する当接部をさらに有しており、前記弾性支持部材を用いて前記可動部の一面および前記当接部同士を接触させることによりシール性を有することが好ましい。

0024

上記のように、可動部の一面および当接部の互いの接触面によりシール性が確保されることによって、液体収納容器用開閉弁が閉じた際に面同士の接触によるシール性により液体収納容器用開閉弁の密閉性が充分に得られる。

0025

さらに、前記液体収納容器用開閉弁の材料として樹脂が用いられていることが好ましい。

0026

上記のように、液体収納容器用開閉弁の材料として樹脂を用いることで、例えば射出成形により薄肉部、可動部および弾性支持部を有する液体収納容器用開閉弁を一体で製作することができる。

0027

さらに、本発明の開閉弁付き液体収納容器は、液体を密閉収納する液体収納容器と、該液体収納容器液体供給口を形成する液体収納容器用開閉弁とを有する開閉弁付き液体収納容器において、前記液体収納容器用開閉弁が、可動部および、該可動部を支持する弾性支持部を用いて前記液体供給口を開閉し、かつ、押圧されることで破断可能な薄肉部を複数備えて前記液体供給口を実質密閉するシート部材を有し、前記薄肉部の、破断された部分の少なくとも1つから前記液体を前記液体収納容器の外部に供給可能としたことを特徴とする。

0028

上記の発明では、前述した液体収納容器用開閉弁が液体収納容器に取り付けられており、液体収納容器用開閉弁の薄肉部が破断されることにより液体収納容器が開封されるまでの初期段階で液体収納容器が液体収納容器用開閉弁により確実に密閉される。従って、物流時などの初期段階での液体収納容器の開口部のシール性が向上し、液体収納容器の内部に確実に液体が保持される。

0029

さらに、前記液体収納容器用開閉弁の前記弾性支持部は、前記薄肉部が破断されることで形成されるものであることが好ましく、さらに、前記液体収納容器用開閉弁が、前記薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部と、該可動部を支持する弾性変形可能な弾性支持部とをさらに有しており、前記弾性支持部のねじり動作により前記液体収納容器用開閉弁を開閉可能とすることが好ましい。

0030

上記のように、可動部を揺動可能に支持する弾性変形可能な弾性支持部のねじり動作により液体収納容器用開閉弁が開閉されることにより、液体収納容器用開閉弁の開閉動作が安定して確実に行われる。また、従来のボールを用いた液体収納容器用開閉弁と比較して、小さいスペースで開閉弁の開口面積を充分に確保することができ、開閉弁付き液体収納容器を小型化することができる。さらに、液体収納容器用開閉弁の開閉動作の応答性が高くなる。

0031

さらに、前記液体収納容器用開閉弁と前記液体収納容器の材質として樹脂が用いられていることや、前記液体収納容器用開閉弁と前記液体収納容器の材質として同一のものが用いられていることが好ましい。

0032

上記のように、液体収納容器用開閉弁と液体収納容器の材質として同一のものが用いられていることにより、リサイクルする際に液体収納容器用開閉弁と液体収納容器とを分離させる手間がなくなり、開閉弁付き液体収納容器をリサイクルしやすくなる。

0033

具体的には、外部に液体を供給するための液体供給部および、大気と連通する大気連通口を備えた筐体と、該筐体の内部に備えられ、内部に収容される液体の導出に伴い変形し負圧発生可能な液体収納部とから前記液体収納容器が構成されていることが好ましい。この場合、前記液体収納部は、弾性変形可能な壁面により構成されていることが好ましい。

0034

さらに、前記液体収納部に液体が充填されており、前記液体収納容器用開閉弁が開封される前の前記液体収納部の大気に対する内圧が負であることや、前記液体収納部は略多角柱形状であり、前記液体収納部を構成する壁の厚さは前記略多角柱形状の各面の中央域より角部を構成する部分のほうが薄くなっていることが好ましい。

0035

さらに、前記液体収納部を構成する壁の、前記多角柱表面積が最大となる部分を除いた部分には、前記壁を前記筐体の壁面により支持するためのピンチオフ部が形成されていることが好ましい。

0036

さらに、本発明のインクジェットカートリッジは、上記の開閉弁付き液体収納容器と、該開閉弁付き液体収納容器から供給される液体を吐出する記録ヘッドとを有する。

0037

前記開閉弁付き液体収納容器と前記記録ヘッドとが分離可能であり、例えば、前記記録ヘッドが取り付けられた容器ホルダをさらに有しており、前記開閉弁付き液体収納容器が前記容器ホルダに対して着脱自在に交換可能となっていてもよい。

0038

上記の場合、前記記録ヘッドに液体を供給するための液体供給路および、大気と連通する大気連通口を備え内部に液体を保持する毛管力発生部材を収納する毛管力発生部材収納室を、前記容器ホルダが備えていることが好ましい。

0039

さらに、前記容器ホルダに前記開閉弁付き液体収納容器が装着された際に前記開閉弁付き液体収納容器の内部を毛管力発生部材収納室と連通させる円筒状の連通部が前記容器ホルダにさらに備えられており、かつ、前記連通部の前記開閉弁付き液体収納容器側の先端部分に、前記連通部の中心軸からずれた突起部が設けられていることが好ましい。

0040

さらに、前記毛管力発生部材収納室を構成する壁面の、前記連通部の近傍の部分には、該部分と前記毛管力発生部材との間に配置され、前記壁面の途中から前記連通部に向かって延びて前記連通部と連通する大気導入溝が形成されていてもよい。また、前記毛管力発生部材収納室の前記大気連通口の近傍に、液体が充填されない領域を有することが好ましい。

0041

上記の通りの発明のインクジェットカートリッジでは、液体収納部内の液体の一部を接続時に毛管力発生部材収納室に移動させることで、弾性変形可能な液体収納部は液体導出に伴い変形しているので、環境変化に伴い液体収納部内部の空気などが膨張したとしても液体収納部が元の形状に戻ることでその影響を緩和することができる。さらに、毛管力発生部材収納容器の、液体収納容器への連通部近傍が液体を保持していなくても、液体収納容器から液体が移動することで、安定した液体供給を行なうことができる。

0042

さらに、本発明の液体収納容器用開閉弁の開封方法は、液体を保持する液体収納容器の開口部を密閉し、かつ、破断可能な薄肉部を有する、弾性により開閉可能な液体収納容器用開閉弁の開封方法であって、前記液体収納容器用開閉弁の所定の部分を押圧して前記薄肉部を破断させることにより開封する。

0043

さらに、本発明の液体収納容器用開閉弁の開封方法は、液体を保持する液体収納容器の内部と連通させるための連通管を備えた容器ホルダに前記液体収納容器を装着する際に、前記液体収納容器の開口部を密閉すると共に破断可能な薄肉部を有する液体収納容器用開閉弁を開封するための液体収納容器用開閉弁の開封方法であって、前記容器ホルダの前記連通管の先端部を前記液体収納容器用開閉弁に突き当てて前記薄肉部を破断させることにより開封する。

0044

なお、前記連通管の形状が円筒であり、前記連通管の先端部分に、前記連通管の中心軸からずれた突起部を設け、該突起部を前記液体収納容器用開閉弁に突き当てることが好ましい。

0045

さらに、本発明の液体収納容器用開閉弁の製造方法は、破断可能な薄肉部および、該薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部を備える板状の弁体部と、該弁体部の前記可動部が当接する当接部を一方の面に備えた板状の弁座部とを有する液体収納容器用開閉弁の製造方法であって、前記弁体部と前記弁座部とが一平面内で並列に接続されて成る開閉弁部材一体成形により製作する工程と、前記弁体部の可動部が前記弁座部の当接部に接触すると共に、前記弁体部の、前記薄肉部および前記可動部を除く部分の少なくとも一部が、前記弁座部の、前記当接部を除く部分に接触するように、前記弁座部と前記当接部との接続部で前記開閉弁部材を折り曲げる工程と、前記可動部と前記当接部の接触部を除く、前記弁体部と前記弁座部の互いの接触面同士を接合する工程とを有する。

発明を実施するための最良の形態

0046

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

0047

なお、本発明のインクジェットカートリッジに用いられる液体として、以下の実施形態ではインクを例にとって説明を行っているが、適用可能な液体としてはインクに限ることなく、例えばインクジェット記録分野にあっては記録媒体に対する処理液などを含むことはいうまでもない。

0048

図1は、本発明の一実施形態の液体収納容器用開閉弁によりインクが封止されたインクタンクを有するインクジェットカートリッジについて説明するための図であり、インクタンクをタンクホルダに装着する前の断面図を示す。また、図2は、図1に示したインクタンクとタンクホルダとのインク通路に関する接続部の拡大図である。

0049

液体収納容器としてのインクタンク50は、ヘッド付きホルダ30に対して着脱自在に設けられたもので、内部にインクを収納する液体収納部としてのインク収納部53、インク収納部53の液体を後述する毛管力発生部材収納室10へ導出するための液体供給部としてのインク供給部52を備えている。また、インクタンク50は、筐体を構成する外壁51と、外壁51の内面と同等もしくは相似形の内面を有し、インク収納部53を構成する内壁54とにより構成される。

0050

インク供給部52はインクタンク50の一端側に位置しており、外壁51の、インク供給部52が位置する側の壁面には、ラッチ爪81を有するラッチレバー80が一体的に設けられている。インクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着する前はインク供給部52の開口部が、液体収納容器用開閉弁としての、後述するような弁57で封止され、インク収納部53は大気に対して密閉状態となっている。弁57の材料としてはポリプロピレンなどの樹脂が用いられており、弁57は、溶着によってインク供給部52の先端面に接合されている。これにより、インクタンク50と弁57とから開閉弁付き液体収納容器が構成されている。また、外壁51の、ラッチレバー80側と反対側の壁面におけるインク供給部52側の部分には、抜け止め爪82が設けられている。

0051

内壁54は可撓性を有しており、インク収納部53は、内部に収納されたインクの導出に伴い変形可能である。また、内壁54は溶着部(ピンチオフ部)56を有し、この溶着部56で内壁54は外壁51に係合する形で支持されている。また、外壁51には大気連通口55が設けられており、内壁54と外壁51との間に大気を導入可能となっている。

0052

一方、ヘッド付きホルダ30は、インクタンク50を保持する容器ホルダとしてのタンクホルダ11と、タンクホルダ11の底部に設けられた毛管力発生部材収納室10と、インク(処理液などの液体を含む)を吐出口61から吐出して被記録媒体に記録を行う記録ヘッド60とを有し、これらが一体となった構造となっている。

0053

毛管力発生部材収納室10は、ポリウレタンフォームなどの多孔質部材、またはポリエチレンやポリプロピレンなどからなる繊維状部材から構成される毛管力発生部材13を収納している。毛管力発生部材収納室10には、インクタンク50のインク供給部52と接続しインク収納部53と連通する連通部としての連通管71が上壁に備えられると共に、下壁には記録ヘッド60にインクを供給するための液体供給部としてのインク供給路12が開口している。インク供給路12の開口は連通管71の下方に位置している。つまり、連通管71およびインク供給路12の開口は、いずれも毛管力発生部材収納室10の一端部に設けられている。連通管71の内部には、毛管力を有するインク誘導体75が設けられている。なお、インク供給路12の開口にはフィルタ70が設けられており、記録ヘッド60への異物侵入を防止している。

0054

毛管力発生部材収納室10はさらに、大気導入溝17および大気連通口15を備えている。大気導入溝17は、後述する気液交換を促進するためのものであり、連通管71の近傍の上壁面内側に、毛管力発生部材収納室10の他端側に延びて形成され、連通管71の内部と連通している。大気連通口15は、毛管力発生部材13と外気とを連通させるためのものであり、毛管力発生部材収納室10の他端壁に形成されている。毛管力発生部材収納室10の、大気連通口15の近傍は、毛管力発生部材13が存在しないバッファ部16となっている。従って、バッファ部16は、インクが充填されない領域となっている。本実施形態においては、連通管71は、毛管力発生部材13と当接すると共に、その端部は大気導入溝17とも連続しており、後述する液体供給動作をスムーズに実現することが可能となっている。

0055

毛管力発生部材13は、上記のような多孔質部材または繊維状部材の毛管力によるインクの吸引現象を利用してインクを保持するものであるが、この毛管力発生部材13によるインクの吸引しやすさは全体にわたって均一ではなく、連通管71と当接する一端部から他端部に向かって連続的または断続的に、吸引しにくくなる構造となっている。このような構造は、例えば、毛管力発生部材13をそれぞれ毛管力の異なる複数の部材で構成したり、毛管力発生部材13の毛管力自体を一端部から他端部に向かって変えたり、毛管力発生部材収納室10の壁面構造を工夫することによって達成することが可能である。

0056

タンクホルダ11の、連通管71側の部分には、インクタンク50のラッチ爪81が係合する係合穴8が形成されている。タンクホルダ11の、連通管71側と反対側の部分には、インクタンク50の抜け止め爪82が嵌合する抜け止め穴84が形成されている。

0057

なお、図1を含め以下の各断面図において、毛管力発生部材13がインクを保持している領域については斜線部で示す。また、インク収納部53や大気導入溝17などのような空間内に収納されているインクを網線部で示す。

0058

ここで、インクタンク50のインク供給部52の近傍、およびヘッド付きホルダ30の連通管71の近傍の構造について、図2を参照して説明する。

0059

図2に示すように、タンクホルダ11の連通管71が設けられた部分には、連通管71の周囲を囲むように、密閉部材としてのベローズ74が取り付けられている。ベローズ74は、連通管71にインクタンク50のインク供給部52を接続させる際、インクの漏れを防ぐものであり、ベローズ74の代わりにOリングなどの弾性体を用いてもよい。また、連通管71の側壁スリットを設けるなどして、ベローズ74内に溜まったインクを、そのスリットを通してインク誘導体75に回収してもよい。連通管71の先端部には、突出部である突き当て部72が形成されており、突き当て部72は、円筒状の連通管71の中心軸からずれた位置に配置されている。

0060

ベローズ74は連通管71の先端よりも高くなっており、タンクホルダ11にインクタンク50を装着する際、連通管71の先端よりも先に弁57にベローズ74が当接するようになっている。初期段階で弁57はインク供給部52を封止するものであり、タンクホルダ11にインクタンク50を装着する際、連通管71の突き当て部72が弁57に突き当たって弁57が押圧されることにより、後述するように弁57の薄肉部が破断して弁57が開封される。弁57が開封された後も弁57は開閉可能となっている。

0061

再び図1戻り、本実施形態のインクタンク50は、略直方体形状をなす6つの平面から構成され、円筒状のインク供給部52が曲面として付加されたものであり、この直方体形状の最大面積面は、図1上で間接的に表示されている。そして、内壁54の厚さは、直方体の各面の中央域より頂点部分(頂点部分が微小曲面形状をなす場合も含め、以下、角部と称する)を構成する部分の方が薄く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐々に減少しており、インク収納部内側に凸の形状を有している。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じであり、後述する変形を促進させる効果を有する。

0062

また、内壁54の角部は3面により構成されているので、結果として内壁54の角部全体の強度は中央域の強度に比べ相対的には強くなっている。また、面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは薄いので後述する面の移動を許容する。この内壁54の角部を構成する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであることが望ましい。

0063

なお、図1は模式的概略図であるため、インクタンク50の外壁51と内壁54とは接触しているように描かれているが、実際は分離可能な状態になっていればよく、内壁54と外壁51が接触していても、微小な空間を隔てて配置されるように構成されていてもよい。ただし、インクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着する前、すなわちインクタンク50の使用前においては、内壁54は外壁51の内面形状に沿って、少なくとも外壁51の角部に内壁54の角部がくるように成形されている(この状態を、初期状態と称する)。

0064

このとき、インク収納部53内については、弁57を開封した際にインク供給部52がわずかに負圧となるよう、インク収納部53に収納可能なインク量よりわずかに少ないインクを収納しておくと、外力温度変化気圧の変化から弁57の開封時にインクが外部に漏出することをより確実に防ぐことができる。

0065

また、このような環境変化に対する観点から、接続前のインク収納部53に収納される空気の量は極めて少ないことが望ましい。インク収納部53内に収納される空気量を減らすためには、例えば特願平9−200126明細書に開示されるような液体注入方法を用いればよい。

0066

一方、毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13は、通常はその一部にインクを保持している。

0067

ここで、毛管力発生部材13に収納されるインク量は、後述するインクタンク50の交換時に毛管力発生部材13に収納されていたインク量によるので、多少のばらつきがあってもよい。また、大気導入溝17及び連通管71に関しては、必ずしも液体で充填されている必要はなく、図1に示すように空気を含んでいてもよい。

0068

図3は、図1および図2に示した弁57の断面図および平面図である。図3(a)が弁57の断面図であり、図3(b)が図3(a)のA矢視図である。

0069

図3(a)および図3(b)に示すように、弁57は、一体的に成形された、外形楕円シート状の弁座部1および弁体部2とを重ね合わせたものである。弁座部1および弁体部2のそれぞれの一方の端部は屈曲部24を介して接続されている。弁体部2の他方の端部における弁座部1側の面からは位置決めボス7が突出している。また、弁座部1の他方の端部には、位置決めボス7が嵌合する位置決め穴23が形成されている。弁座部1の中央部の弁体部2側の面からは円筒状の当接部21が突出している。当接部21の弁体部2側の先端面は弁体部2と当接しているだけであり、弁体部2とは接合されていない。従って、当接部21の先端面は弁体部2から離間可能となっている。弁座部1の、当接部21の内側の部分には開口部22が形成されている。

0070

一方、弁体部2の中央部は可動部5となっている。可動部5の弁座部1側の部分は円柱状に突出しており、突出した部分が開口部22の内部に入り込んでいる。また、弁体部2の、可動部5の周囲の部分には、4つの弾性支持部6が設けられるように、破断可能な薄肉部4が複数形成されている。4つの弾性支持部6は、弾性変形可能であり、後述するように薄肉部4が破断した際に可動部5を揺動可能に支持するためのものである。また、4つの弾性支持部6は全て同じ形状をしており、それぞれが弾性支持部6が等間隔で可動部5の周囲に配置されている。可動部5および、複数の弾性支持部6のそれぞれが、薄肉部4が破断された後に開閉可能となる弁部を構成している。

0071

弁体部2の、可動部5、弾性支持部6および薄肉部4を除く部分が弁座部1と接触しており、弁体部2と弁座部1の互いの接触面同士が溶着により接合されている。ただし、前述したように、当接部21と弁体部2の互いの接触面同士は接合されておらず、分離可能となっている。

0072

次に、本実施形態の弁の動作について、図4図7を参照して説明する。

0073

図4〜6のそれぞれは、図1および図2に示したインク供給部52の弁57にタンクホルダ11の連通管71を突き当て、連通管71により弁57を押圧しつつ弁57を開封した時の変化を順に説明するための概略説明図である。図4図7のそれぞれの(a)は斜視図、図4図7のそれぞれの(b)は側面図であり、それらの(b)では弁57が断面で示されている。

0074

図4の(a),(b)は、インクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着して弁57を開封する前の状態を示している。この状態では、インクタンク50がタンクホルダ11に一度も装着されたことがなく、インクタンク50は、未開封の初期段階ものであり、図3(a),(b)に示した薄肉部4は破断されていない。従って、インクタンク50のインク供給部52は、薄肉部4を備えたシート部材から成る弁57により封止され、インク収納部53が実質密閉されている。

0075

インクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着する際、弁57の可動部5に連通管71の突き当て部72が突き当てられる。図5(a),(b)に示すように、可動部5の弁座部1側の面に突き当て部72が突き当たり、連通管71によって可動部5が押圧されると、突き当て部72が連通管71の中心軸からずれていることにより、突き当て部72が寄った側の薄肉部4が破断し、可動部5が押し上げられる。この状態では、突き当て部72が寄った側とは反対側の薄肉部4が破断されておらず、可動部5の連通管71側の面が連通管71先端の斜面と接している。このようにして、薄肉部4が徐々に破断するのに従って弁57が徐々に開封されていく。

0076

ここでは、上述したように突き当て部72が円筒状の連通管71の中心軸からずれているので、突き当て部72が可動部5に当接する際に突き当て部72の、可動部5に対する不均一な当接力分布により、局所的に薄肉部4の破断強度以上の応力集中が起こり、弁57の開封性が向上されている。このように薄肉部4に局所的に応力集中を起こさせることで、弁57の開封力が低減化する。また、突き当て部72を、連通管71の中心軸とは異なる所定の位置に配置し、薄肉部4の所定の部分に応力集中を起こさせることで、薄肉部4のどの部分から破断させるかの破断順序が規定され、弁57の開封動作の信頼性が向上する。

0077

図6(a),(b)に示すように、可動部5が連通管71によってさらに押圧されると、薄肉部4が全て破断し、可動部5がさらに押し上げられる。このとき、可動部5は、ねじり弾性変形する4つの弾性支持部6により支持されることで回転しつつ押し上げられて、弁57が開封される。可動部5は4つの弾性支持部6によって揺動可能に支持され、弾性支持部6の弾性力によって可動部5が連通管71側に付勢されている。このようにして弁57が連通管71によって完全に開封されることで、連通管71がインクタンク50のインク供給部52と接続され、連通管71が弁57の開口部22を介してインク収納部53と連通する。

0078

このように、弾性支持部6のねじり弾性変形により可動部5が回転しつつ移動することで弁57の開閉動作が行われ、小さいスペースで弁57の開口面積を確保することができる。

0079

図7(a),(b)は、弁57を開封した後にインクタンク50をタンクホルダ11から取り外して弁57が閉じた状態について説明するための図である。インクタンク50をタンクホルダ11から取り外すと、弁57の開口部22から連通管71が引き抜かれ、図7(a),(b)に示すように、弾性支持部6のねじり弾性変形の復元力、すなわち弾性支持部6の弾性力によって可動部5が開口部22の内部に入り込む。前述した開封動作で薄肉部4が破断されており、弁57の、破断している部分が、図7(a)で斜線で示されている。

0080

この際、可動部5の縁部の弁座部1側の面が弁座部1の当接部21の先端面と当接し、弁57が閉じた状態となる。この状態では、弾性支持部6の弾性力によって可動部5の縁部と当接部21の互いの接触面同士が圧接してシール性が確保されており、そのシール性によってインク収納部53の内部が密閉される。従って弁57が開封された後は、可動部5が、インク供給部52の開口面に対して垂直な方向、すなわち上下方向に移動することでインク供給部52の開口部の開閉がなされる。

0081

このようにインクタンク50をタンクホルダ11から取り外した際に弁57が閉じるように弾性支持部6の弾性力が調整されており、その弾性支持部6の弾性力はインク収納部53内の負圧よりも大きい。さらに、本実施形態では、インクタンク50の下側に連通管71があり、弁57がインクタンク50の底面側に接合されているので、インクの水頭を利用して弁57の密閉性が向上されている。

0082

上記のように、それぞれの弾性支持部6のねじり弾性変形の復元力によって、弁57が閉じる動作が行われており、可動部5の初期時の位置への復元性および、弁57の当接部21への圧接力が向上している。従って、弁53が一旦開封された後にインクタンク50内にインクが収納されている状態でインクタンク50を取り外しても、インクタンク50内のインクがもれることがない。よって、タンクホルダ11に対して、インクをもらすことなく、何回でも繰り返してインクタンク50を着脱することができる。

0083

次に、弁57の製造方法および、弁57をインクタンク50に接合する工程について図8図13を参照して説明する。

0084

図8は、弁57を製造する工程および、弁57をインクタンク50に接合する工程を示すフローチャートである。本発明における弁57は、弁体部1と弁座部2を一体的に成形し、その一体成形品屈曲させて接合した後に液体収納容器に接合するものであり、わずか4工程で、かつ高精度な加工を必要としない簡便な工程で必要な機能を発揮することを可能とする。図9は、図1および図2に示した弁57の弁座部1および弁体部2を有する開閉弁部材を示す平面図である。図10は、図9に示した開閉弁部材の断面図であり、図10(a)が図9のA−A’線断面図、図10(b)が図9のB−B’線断面図である。

0085

図9および図10(a),(b)に示すように、同一平面内に配置される板状の弁座部1および弁体部2が屈曲部24を介して接続されて成る開閉弁部材が、射出成形などにより一体成形で製作される。この開閉弁部材の材質として、すなわち弁57の材質としては、樹脂などの弾性変形可能なものを用いる。この一体成形品では、弁座部1の当接部21側の面と、弁体部2の、可動部5が突出している面とが同じ側になっている。

0086

図11は、図9および図10(a),(b)に示した開閉弁部材を折り曲げる工程について説明するための図である。図11に示すように、弁座部1の当接部21側の面と、弁体部2の、可動部5が突出する方向側の面とが内側になるように、一体成形品を屈曲部24で折り曲げる。

0087

そして、図3に示したように、可動部5の、突出した部分を弁座部1の開口部22に入り込ませると共に、弁座部1の位置決め穴23に弁体部2の位置決めボス7を嵌合させて、弁座部1と弁体部2とを接触させる。そして、当接部21の先端面と可動部5との接触部を除いて、弁座部1と弁体部2の接触面同士を溶着により接合して、弁57が製作される。

0088

弁座部1と弁体部2との溶着としては、熱、超音波振動またはねじり振動のいずれかのものを利用して接合することができる。また、溶着の代わりに、接着剤を用いて弁座部1と弁体部2とを接合してもよい。あるいは、弁座部1と弁体部2との接合部をシールすることができる両面テープなどを用いて接合してもよい。

0089

図12は、弁57をインクタンク50のインク供給部52に取り付けた状態を示す側面図である。図13は、図12のA矢視図である。

0090

図12に示すように、インク供給部52の開口面側の先端面に、上述した製造工程で製作された弁57の弁体部2側の面が溶着により接合されて、インク供給部52に弁57が取り付けられている。

0091

インク供給部52の先端面と弁57との溶着としては、弁座部1と弁体部2との溶着と同様に、熱、超音波、振動またはねじり振動のいずれかのものを利用して接合することができる。また、溶着の代わりに、接着剤を用いて弁57とインクタンク50とを接合してもよい。あるいは、弁57とインクタンク50との接合部をシールすることができる両面テープなどを用いて接合してもよい。

0092

また、弁57をインクタンク50に接合する前にインクタンク50のインク収納部53内にインクが収納されていても、収納されていなくともよい。インク収納部53にインクが収納されていない状態で弁57をインクタンク50を接合した場合、インク注入用の開口部を、インクタンク50の、インク供給部53とは異なる部分に予め形成しておき、そのインク注入用の開口部からインク収納部53内にインクを注入すればよい。そして、インク収納部53にインクを充填した後に、インク注入用の開口部を封止すればよい。

0093

図14は、図1に示したタンクホルダに、弁が取り付けられたインクタンクを装着した状態を示す断面図である。図14に示すように、インクタンク50をタンクホルダ11に装着することにより、弁57の可動部5が連通管71により押圧され、上述したような弁57の開封動作を経て弁57が開いた状態となる。従って、インクタンク50がタンクホルダ11に装着されていると、弁57は常に開いた状態にあり、インクタンク50のインク収納部53が弁57を介して連通管71と連通している。

0094

図14に示した状態からインクタンク50がタンクホルダ11から取り外されると、図7に基づいて説明したように弁57が閉じてインクタンク50のインク収納部53が密閉される。

0095

図15および図16は、上述した弁57の変形例について説明するための平面図である。図17は、図15に示した変形例の弁が開封された状態を示す斜視図であり、図18は、図16に示した変形例の弁が開封された状態を示す斜視図である。

0096

図15および図17に示すように、可動部5が2つの弾性支持部6aによって支持されるように、薄肉部4aが形成されていてもよく、また、図16および図18に示すように、可動部5が3つの弾性支持部6bによって支持されるように薄肉部4bが形成されていてもよい。このように、弁57の薄肉部が破断された後に可動部5が2つ以上の弾性支持部で支持されることによって、弾性支持部のねじり弾性変形による弁57の移動で弁57の開閉を行うことができる。弁57の安定した動作を行うためには、弾性支持部が3つ以上あることが望ましい。また、それぞれの弾性支持部が同じ形状であり、同じ間隔で配置されることにより、可動部5に均等に力が加わり、弁57の開閉動作が安定する。

0097

さらに、弁57の材質、弁57のそれぞれの部分の肉厚、弾性支持部の幅などによって、弾性支持部の弾性変形力、すなわち弁57の開閉力を調整することができる。

0098

上述したように、本実施形態の弁57は、インク供給部52の開口部に取り付けられた初期段階で破断されておらず、可動部5が連通管71により押圧されて破断される薄肉部4を有している。これにより、薄肉部4の破断により弁57が開封されるまでの初期段階でインク収納部53が弁57で確実に密閉される。従って、物流時などの初期段階でのインク供給部52のシール性が向上し、インクタンク50の内部に確実に液体を保持することができる。

0099

また、弁57では、薄肉部4が破断された後に可動部5を揺動可能に支持する弾性支持部6のねじり動作によって開閉されるので、弁57の開閉動作が安定して確実に行われる。また、従来のボールを用いた液体収納容器用開閉弁と比較して、小さいスペースで弁57の開口面積を充分に確保することができ、さらに、弁57の開閉動作の応答性が高くなる。弁57のためのスペースを小さくできることにより、インクタンク50に弁57を取り付けて成る開閉弁付き液体収納容器を小型化することができる。

0100

さらに、弾性支持部6のねじり弾性変形により可動部5が回転しつつ移動することで弁57の開閉動作が行われ、弁57が開く際の可動部5の移動が安定し、また、ねじり弾性変形した弾性支持部6の復元力により、弁57の閉じる際の可動部5の復元性(位置および圧接力)が向上する。弁57が閉じた際には、可動部5と当接部21の互いの面同士の接触によりシール性が確保されており、弁57の密閉性が充分に得られる。

0101

弁57は一体成形品を折り曲げて製作されており、ボールおよびばね部材を用いた従来の液体収納容器用開閉弁と比較して構成部品が少なく、簡単な構成であるので、弁57のコストを低くすることができる。従って、低コストで確実に、かつ安定して開閉動作を行うことができる液体収納容器用開閉弁が得られる。さらに、インクタンク50および弁57の材質として樹脂などの同じ材質を用いることにより、リサイクルする際にインクタンク50と弁57とを分離させる手間がなくなり、インクタンク50および弁57のリサイクル性が向上する。

0102

本実施形態の弁57は、弾性変形可能な内壁54を有するインクタンク50以外の液体収納容器にも適用することができる。毛管力発生部材13と同様なものが内部に収容された液体収納容器に、本実施形態の液体収納容器用開閉弁を取り付けてもよい。ただし、インクを吸収させる毛管力発生部材などを収容した液体収納容器よりも、インクを内部に直接収納している液体収納容器で本実施形態の液体収納容器用開閉弁用いることによって液体収納容器用開閉弁の効果が良好に得られる。

0103

次に、インクジェットカートリッジのインクの液体供給動作について、図19図24を用いて説明する。図19図23のそれぞれは、図1および図2に示すインクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着し、記録ヘッド60からインクを吐出したときの変化を図19図23の順に示す概略説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’線断面図を示している。また、図24は、図1に示すインク供給口O(毛管力発生部材収納室10へのインク供給路12の開口部)からのインク導出量とインク供給口部の負圧の関係を示す説明図であり、横軸はインク供給口Oからの外部へのインク導出量、縦軸はインク供給口部の負圧(静負圧)である。図24では、図19図23に示す負圧の変化の状態を矢印で示している。

0104

図19(a),(b)は、インクタンク50をヘッド付きホルダ30に装着した直後の、インクタンク50内のインクが毛管力発生部材収納室10へ導出される前の状態を示している。

0105

インクタンク50のヘッド付きホルダ30への装着は、ヘッド付きホルダ30の上方からインクタンク50をタンクホルダ11の開口内に挿入することで行われる。これにより、インクタンク50の抜け止め爪82がタンクホルダ11の抜け止め穴84に嵌合すると共に、ラッチレバー80のラッチ爪81がタンクホルダ11の係合穴8に係合し、インクタンク50がタンクホルダ11に保持される。また、これにより、図14に示したように、毛管力発生部材収納室10の連通管71が、弁57を押圧してインク供給部52内に侵入し、インクタンク50のインク収納部53と毛管力発生部材収納室10とが連通する。この際、ベローズ74が先に弁57に接して連通管71の周囲を密閉した後、インクタンク50の挿入に伴ってベローズ74が圧縮されて連通管71が弁57を開封するので、弁57の開封時にインクがベローズ74の外部に流出することはない。

0106

インクタンク50がヘッド付きホルダ30に装着されると、インクタンク50内のインクは連通管71を通って毛管力発生部材収納室10に供給される。このとき、毛管力発生部材収納室10内では、図20(a),(b)に示すように、毛管力発生部材収納室10とインクタンク50の圧力が等しくなるまで、図20(a)の矢印のようにインクが移動し、インク供給口Oにおける圧力が負となる状態で平衡状態になる(この状態を、使用開始状態と称する。)。

0107

そこで、この平衡状態となるためのインク移動について、詳細に説明する。

0108

インクタンク50のインク供給部52に毛管力発生部材収納室10の連通管71を挿入すると、インク収納部53内のインクが連通管71へ流れて毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13との間にインクパスが形成される。また、図1(a)で示す状態で空気が連通管71内に存在する場合、空気はインク収納部53へと移動する(なお、図20においてはこの空気を省略している。)。

0109

インクパスが形成されると、毛管力発生部材13の毛細管力により、インク収納部53から毛管力発生部材13へのインク移動が開始される。このとき、内壁54は、インク収納部53の体積が減少する方向に、面積最大の面の中央部から変形をはじめる。

0110

ここで、外壁51は内壁54の角部の変位を抑制する働きをするため、インク収納部53はインク消費による変形の作用力と初期状態(図1)の形状に戻ろうとする作用力とが働き、急激な変化をすることなく、変形の度合いに応じた負圧を発生するようになる。なお、内壁54と外壁51の空間は、大気連通口55を介して外気に連通しているので、上記変形に応じて内壁54と外壁51との間に空気が導入される。また、大気導入溝17へのインク導入については、本実施形態のようにインク収納部53の発生する負圧より大気導入溝17の毛管力が大きい場合はインクが充填される。

0111

インク移動が開始され、毛管力発生部材13にインクが充填されていくと、大気導入溝17の先端部(図示右端部)より大気連通口15側にもインクが充填されるようになり、大気導入溝17は大気とは連通しなくなる。すると、インクタンク50は毛管力発生部材収納室10を介してのみインク及び大気のやり取りを行なうようになるため、インクタンク50の気液交換通路における静負圧と、毛管力発生部材収納室10の連通路71における静負圧とが等しくなるように、更なるインクの移動が行なわれる。

0112

すなわち、このときの毛管力発生部材収納室10側の負圧がインクタンク50側の負圧より大いので、両者の負圧が等しくなるまで、インクタンク50から毛管力発生部材収納室10へ更なるインク移動が行なわれ、それに伴い毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13が保持するインク量が増大する。このように、インクタンク50から毛管力発生部材収納室10へのインクの移動においては、インクタンク50に毛管力発生部材13を介した気体の導入をすることなく行われる。平衡状態となった時のインクタンク50および毛管力発生部材収納室10の静負圧は、インク供給路12に接続されている記録ヘッド60からインクが漏れ出ないよう、記録ヘッド60の種類に応じて適切な値(図24のα)となるように設定すればよい。

0113

インクタンク50から移動可能なインク量の下限は、毛管力発生部材13の上面で大気導入溝17の先端位置(後述する気液界面)まで毛管力発生部材13をインク充填する時のインク量であり、上限は毛管力発生部材13を完全にインク充填する時のインク量となる。従って、接続前に毛管力発生部材13に保持されるインク量のばらつきを考慮したうえで、これらの上限、下限のインク量から毛管力発生部材13へ移動するインク量を決定すると、このインク量と平衡状態での負圧の値αをもとに毛管力発生部材13に対応したインク収納部53の材料、厚さを適切に選択することができる。

0114

また、接続前に毛管力発生部材13に保持されるインク量のばらつきが存在するため、平衡状態に達した場合でも、毛管力発生部材13の大気連通口15側にインクが充填されない領域が残っていることがある。この領域は、バッファ部16とあわせ、後述する温度や圧力の変化に対するバッファ領域として利用することができる。

0115

逆に、ばらつき量の影響により、平衡状態に達した時のインク供給口部の圧力が正になってしまう恐れのある時は、液体吐出記録装置本体に設けられる吸引回復手段により吸引回復を行ない、若干のインクを流出させることで対応してもよい。

0116

なお、接続時における連通管71内でのインクパスの形成は、接続時の衝撃を利用して行なってもよく、接続時にインク収納部53を外壁51ごと押圧するなど、インク収納部53を加圧することにより行なってもよい。また、接続前のインク収納部53をごく僅かな負圧状態にしておき、この負圧を利用して連通管71内の気体をインク収納部53へ移動させることを促進させてもよい。

0117

次に、図21に示すように、記録ヘッド60によりインクを吐出し、インクの消費を開始する。このとき、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方の発生する静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつつ、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方に保持されたインクが消費される。(第1のインク供給状態、と称する。)
すなわち、記録ヘッド60からインクが消費されると、毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13の液面位置が図示左方向すなわちインク供給口Oに向かって移動すると共に、インク収納部53がさらに変形し、インク収納部53の中央部分が内方に向かう安定した潰れかたが維持される。

0118

ここで、溶着部56も、内壁54の変形規制部分となり、最大面積を有する面に隣接する面について、相対的に溶着部56を有する領域より、溶着部56を有していない部分が先に変形を始め、内壁54が外壁51から離間する。なお、本実施形態では表面積最大の対向する面が、ほぼ同時に変形を行うため、より安定した変形を実現している。

0119

なお、図21に示す状態でのインク供給口Oからのインク導出量に対する静負圧の変化は、図24のAに示す領域のように、インク導出量に比例して静負圧が少しずつ増大する形となる。この第1のインク供給状態においても、インク収納部53には連通管71を経由して空気が入ることがない。

0120

インク供給口Oからのインクの導出がさらに進むと、図22に示すように、インク収納部53に気体が導入されるようになる(以下、気液交換状態、または第2のインク供給状態と称する。)。

0121

このとき、毛管力発生部材13の液面位置は大気導入溝17の先端部でほぼ一定(気液界面)であり、大気連通口15から大気導入溝17及び連通管71を経由した空気がインクタンク50に入ることで、インクタンク50からインクが連通管71のインク誘導体75を通じて毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13へと移動する。

0122

従って、液体吐出記録手段としての記録ヘッド60によりインクが消費されてもその消費量に応じてインクが毛管力発生部材13に充填され、毛管力発生部材13は一定量のインクを保持し、また、インク収納部53も空気が導入されることで、気液交換時の形状をほぼ維持したままインクタンク50の負圧をほば一定に保つので、記録ヘッド60へのインク供給が安定する。図22に示す状態でのインク供給部52からのインク導出量に対する静負圧の変化は、図24のBに示す領域のように、インク導出量に対し、ほば一定の値となる。

0123

さらにインク供給口Oからのインクの導出がさらに進むと、図23に示すように、インク収納部53のインクはほば完全に消費され、毛管力発生部材収納室10内に残存するインクを消費するようになる。図23に示す状態でのインク供給口Oからのインク導出量に対する負圧の変化は、図24のCに示す領域のように、インク導出量に比例して負圧が増大する形となる。このような状態になったら、インクタンク50を取り外して、新たなインクタンクと交換すればよい。

0124

図1に示す実施形態におけるインクタンクの液体供給動作は以上の通りである。

0125

すなわち、インクタンク50を毛管力発生部材収納室10と接続させると、毛管力発生部材収納室10とインクタンク50の圧力が等しくなるまでインクが移動して使用開始状態となり、その後、記録ヘッド60によりインクの消費が開始されると、まずはインク収納部53と毛管力発生部材13の双方の発生する静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつつ、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方に保持されたインクが消費される。その後、インク収納部53に気体が導入されることで毛管力発生部材13が気液界面を保ちながらインクの導出に対しほぼ一定の負圧を保持する気液交換状態を経て、毛管力発生部材収納室10内に残存するインクを消費するようになる。

0126

このように、本発明では、インク収納部へ外気を導入することなくインク収納部のインクを使用する工程を有するため、このインク供給工程(第1のインク供給状態)においてインクタンクの内容積の制限は、結合時においてインク収納部53に導入された空気のみを考慮すればよいことになる。すなわち、インクタンク内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能であるという利点がある。

0127

また、本発明によれば、インクタンク内のインクをはぼ完全に消費することができるだけでなく、交換時に連通路に空気を含んでいてもよく、毛管力発生部材のインク保持量によらずインクタンクの交換が可能であるので、従来技術のように残量検出機構を設けなくとも、インクタンクを交換可能とすることができる。さらに、インクタンク50は毛管力発生部材10の上方に位置しているので、インクタンク50からインク供給口Oまでのインクの供給方向重力に従う方向とすることができ、常に安定した供給状態を維持することができる。

0128

特に、本発明の弁を有することで、誤って液体収納容器(インクタンク)の使用途中でインクタンクを取り外したとしても、インクタンク内部の液体は外部に漏れ出ることがなく、かつ、袋(内壁)の変形が元に戻ることもない。

0129

なお、図24に示すようにインク導出量に比例して負圧が増大し(Aの領域)、その後一定の値を保ち(Bの領域)、さらにその後インク導出量に比例して負圧が増大する(Cの領域)ためには、インク収納部の対向する変形面が互いに接するようになる前に、大気導入が行なわれる、すなわちAの領域からBの領域に移行することが望ましい。これは、対向する最大面積面が接触する前後で、インク収納部におけるインク導出量に対する負圧の変化の割合が異なるためである。

0130

さらに、本願発明の構成によれば、第2のインク供給状態など、インク収納部に空気を含む場合においても、従来の方法とは異なる解決方法により、環境の変化に対応することが可能な構成となっている。

0131

そこで、次に、図1に示すインクタンクの、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメカニズムについて図25を用いて説明する。

0132

図25(a),(b)は毛管力発生部材のバッファ吸収体としての機能、及びインク収納部のバッファ作用を説明する説明図であり、図22の状態(気液交換状態)から大気圧減圧ないしは気温の上昇などによるインク収納部内の空気の膨張した時のインクタンク内での変化を示している。

0133

すなわち、大気圧の減圧(あるいは気温の上昇)により、インクタンク50内の空気が膨張すると、インク収納部53を構成する壁面(図25(a),(b)の)及び液面(図25(a)の)が押圧され、インク収納部53の内容積が増加すると共に、一部のインクは連通管71を介してインク収納部53内から毛管力発生部材収納室10側へと流出する。ここで、インク収納部53の内容積が増加するために、毛管力発生部材13へ流出するインク量(図25(a)のに示される毛管力発生部材13の液面の移動)はインク収納部53が変形不能な場合に比べ大幅に少ないものとなる。

0134

ここで、連通管71を通じて流出するインク量は、インク収納部53内の空気が膨張する際に壁面を押圧してインク収納部53の内容積を増加させる時の壁面の変形に伴う抵抗力と、インクを移動させて毛管力発生部材13に吸収させるための抵抗力との大ささによって決定される。特に、本構成の場合、毛管力発生部材13の流抵抗が内壁54の復元に対する抵抗より大きいので、空気の膨張にともない、まずインク収納部53の内容積が増加し、この増加分の上限より空気の膨張による体積の増加が大きい場合、連通管71を介してインク収納部53内から毛管力発生部材収納室10側へインクが流出するようになる。従って、インク収納部53の壁面が環境変化に対するバッファとしての機能を果たすため、毛管力発生部材13内のインクの移動が緩やかになり、インク供給路部における負圧特性が安定する。

0135

なお、本実施形態では毛管力発生部材収納室10に流出したインクは毛管力発生部材13で保持されるようにしている。この場合、毛管力発生部材収納室10のインク量が一時的に増加して気液界面が図示右方向へ移動するので、使用初期と同様にインク内圧安定期より一時的にやや正側の内圧になるが、記録ヘッド60の吐出特性への影響は小さく、実使用上の問題はない。また、大気圧が減圧前のレベル回復(1気圧に戻る)した場合(あるいは元の温度に戻った場合)は、毛管力発生部材収納室10に漏出して毛管力発生部材13に保持されていたインクが再びインク収納部53に戻ると共にインク収納部53の内容積が元の状態へと戻るようになる。

0136

本発明における、毛管力発生部材13のインク吸収量とインクタンク50との関係については、前述の減圧ないしは温度変化時の大気連通口15などからのインクの漏れを防止するという観点から、インクタンク50からの最悪条件下でのインク流出量と、インクタンク50からのインク供給時に毛管力発生部材収納室10に保持させるインク量とを考慮して毛管力発生部材収納室10の最大インク吸収量を決め、少なくともその分の毛管力発生部材13を収納するだけの容積を毛管力発生部材収納室10に持たせれば良い。

0137

図25(c)に、仮に図25(a),(b)のインク収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しないと仮定し、減圧前のインクタンク50の初期空間体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関係を一点鎖線で示した。

0138

このグラフから明らかなように、このときのインク導出量△Vは、減圧時の圧力をP(0<P<1)、インクタンク50の初期空気量の割合をa(0≦a≦1)、膨張前のインク収納部53の体積をVBとすると、おおよそ以下の式で表される。

0139

(1)0≦a<Pの時
減圧下で膨張するインクタンク50内の空気は、残余インク量が少ないほど大きくなり大量のインクが押し出されるため、インク導出量△Vは初期空気量に比例し、
△V=((1−P)/P)×a×VB (式1)
で表わされる。

0140

(2)P≦a≦1の時
インクタンク50内のインク量以上に流出することはないため、初期に収納されていたインク量に依存し、
△V=(1−a)×VB (式2)
で表わされる。

0141

従って、インクタンク50からのインク流出量の最悪条件での見積は、例えば、大気圧の最大減圧条件を0.7気圧とした場合、インクタンク50からのインク流出量が最大となるのはインクタンク50の容積VBの30%のインクがインクタンク50に残余している場合であり、インク室壁下端部より下のインクも毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材13に吸収されるとすれば、インクタンク50に残余している全てのインク(VBの30%)が漏出すると考えれば良い。

0142

ところが、実際はインク収納部53が空気の膨張に対して変形するので、膨張前のインク収納部53の内容積に対し、膨張後のインク収納部53の内容積は増加するため、減圧前のインクタンク50の初期空間体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関係は実線のようになる。

0143

すなわち、このときの膨張の割合をt(t>1)とし、tが定数であるすると、インク導出量△Vは、おおよそ以下の式で表される。

0144

(3)0≦a<P×tの時
インク導出量△Vは初期空気量に比例するが、インク収納部53の膨張により、
△V=(((1−P)/P)×a−(t−1))×VB (式3)
ただし、上記の式3において、△V<0の場合は△V=0となる。すなわち、この状態の時は連通管71を介したインクの移動は起こらず、インク収納部53の内容積の膨張だけが行なわれる。

0145

(4)P×t≦a≦1の時
インクタンク50内のインク量以上に流出することはないため、初期に収納されていたインク量に依存し、
△V=(1−a)×VB (式4)
で表わされる。

0146

この図25から明らかなように、インクタンク50からのインク流出量の最悪条件での見積は、インク収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しないと仮定した場合よりも小さくすることができる。例えば、大気圧の最大減圧条件を0.7気圧、t=1.2とした場合、インクタンク50からのインク流出量が最大となるのはインクタンク50の容積VBの16%のインクがインクタンク50に残余している場合であり、その流出量はインク収納量の容積VBの16%となる。

0147

なお、実際にはtは連通管71を移動するインクの流抵抗との関係があるため、実際にはaの関数となり、一定の値とはならないことも起こりうるが、その場合でもインク収納部53が変形しない場合よりは流出するインク量が小さいことは言うまでもない。また、tの上限は、図25(a)に示す状態での、外壁51の内面の大きさと、インク収納部53の気体の膨張前の内容積とによって決めることができる。

0148

上記の現象は温度変化の場合でも同様であるが、50deg程度の温度上昇があっても流出量は上記減圧時よりも少ない。

0149

このように、本発明によれば、インク収納部の外形形状が外壁の内面の形状と実質的に等しくなるまで復元するので、このインク収納部の復元によるバッファ作用により、インク収納部のインク収納量を大幅に増大しても環境変化に対応可能なインクジェットカートリッジを提供することができる。従って、使用する毛管力発生部材13及びインク収納部の材料を適宜選択することで、毛管力発生部材収納室10とインク収納部との体積割合を任意に決定することができ、1:2より大きな場合でも、実用上使用することができる。

0150

インクタンク50のバッファ効果を重視する場合には、弾性変形可能な範囲内で使用開始状態に対する気液交換状態でのインク収納部の変形量を大きくするようにすればよい。

0151

なお、上述のインク収納部のバッファ効果を有効に機能させるためには、インク収納部の変形が少ない状態でインク収納部内に存在する空気量が少ないこと、すなわち、接続後、気液交換状態の前にインク収納部内に存在する空気の量はなるべく少ないことが望ましい。

0152

以上、本発明の一実施形態を用いて、本発明の要部について説明を行なったが、本発明を適用可能な他の実施形態について、以下に説明する。なお、以下の各実施形態、及び上述の実施形態について、組み合わせ可能な要素については任意の組み合わせが可能であることは言うまでもない。

0153

なお、図6図17図18に示す弁の形態は、インクタンクを装着する際に、ワンアクションで破断可能な薄肉部を破断して複数の開閉部を1つの供給管で開閉し、かつ複数の弾性支持部の変形による安定した開閉動作を実現している。さらに加えて、物流時などの初期段階で完全シールを実現している。

0154

液体供給の信頼性の観点からは、図26および図27に示す構成の弁も有効である。図26は、図1および図2に示した弁57の変形例について説明するための図であり、図26では、1つの供給管が弁に当接する時にワンアクションで薄肉部を破断して複数の開閉部を開閉する弁の破断開封前の状態を示す。

0155

図26(a),(b)に示す弁57cには、並列に並ぶ2つの可動部5cが設けられるように2つの薄肉部4cが形成されている。そして、連通管71の先端には、後述するように2つの可動部5cのそれぞれを押圧するための突き当て部72cが2つ形成されている。

0156

図27は、図26に示す弁が破断して開封された連結後の状態について説明するための図である。

0157

図27に示すように、それぞれの可動部5cに、それぞれの可動部5cが対応する突き当て部72cを突き当て、可動部5cを突き当て部72cを押圧することにより、薄肉部4cが破断され、弁57cが開封される。ここで、開閉部となる可動部5cはそれぞれ、弁57cに片持梁状に支持されている。

0158

図26および図27に示す弁では、開閉部は2個所であるが、その数および配置は設計仕様により任意に決定可能である。図26および図27に示す弁57cにおける開閉部の配置の変形例のいくつかを図28に示す。

0159

図28(a)に示す弁の形態では、4つの開閉部5dが並列配置のみでなく中央に集約されている。このような開閉弁5dを設けるように薄肉部4dが形成されている。図28(b)に示す弁の形態では、2つの開閉部5eの開閉方向を互い違いとなるように薄肉部4eが形成されている。ここでは、開閉部5eの変形方向に開閉部5eの変形を阻害する障害物がある場合などを想定している。図28(c)に示す弁の形態では、2つの開閉部5fの平面形状が、開閉部5fを除く部分よりも小さくなるように薄肉部4fが形成されている。

0160

<その他の実施形態>以上、本発明の実施形態について説明を行なったが、以下に各実施形態に適用可能なその他の実施形態及び各実施形態の変形例についての説明を行なう。なお、以下の説明では、特に断りのない限りは、上述の各実施形態に適用可能である。

0161

<毛管力発生部材収納室の構造>まずはじめに、上述の実施形態における毛管力発生部材収納室の構造について、補足説明を行なう。

0162

毛管力発生部材収納室(毛管力発生部材収納容器)に収納される毛管力発生部材としては、ポリウレタンフォームなどの多孔質部材の他、繊維をフェルト状にしたものや繊維塊熱成形したものなどを用いることができる。

0163

連通管については、管状のもので説明したが、気液交換状態において気液交換を阻害するものでなければ、どのような形態のものを用いていも良い。

0164

上述の実施形態ではタンクホルダの内面に大気導入溝を設けているが、必ずしも設ける必要はない。

0165

ただし、気液交換を促進する構造としての大気導入溝を設けることによって、前述した気液界面を容易に形成することができるので、より一層安定したインク供給を実現することができるという利点がある。すなわち、記録ヘッドなど外部への液体供給動作が安定するだけではなく、毛管力発生部材とインク収納部との設計には上述したように第1の供給状態、第2の供給状態など各状態における条件があるので、これらの条件を考慮することも気液界面が形成されることでより一層容易となる。

0166

また、上述の実施形態では毛管力発生部材がない空間(バッファ部)を連通管とは反対側の端部近傍に設けているが、これを無くし、かわりに通常の状態では液体を保持していない毛管力発生部材を充填していても良い。このようにバッファ空間に液体を保持しない毛管力発生部材が存在することで、前述の環境変化の際に毛管力発生部材収納室へ移動したインクを保持することが可能となる。

0167

<インクタンクの構造>次に上述の実施形態におけるインクタンクの構造について、補足説明を行なう。

0168

上述の実施形態のインクタンクは、ダイレクトブロー製造方法によって形成される。すなわち、互いに分離可能な筐体(外壁)とインク収納部(内壁)とは、略多角柱の型に対して円筒状のパリソンエアーブローによって均一に膨張させることで形成されるものである。これにかわり、例えば可撓性の袋内に金属製のばね等を備えることで、インクの導出に伴い負圧を発生させるようにしてもよい。

0169

しかし、ブロー成形を用いることで、タンクホルダの内面形状と同等あるいは相似形の外面形状を有するインク収納部を容易に製造することができるだけでなく、インク収納部を構成する内壁の材料、厚みを変えることで容易に発生する負圧を設定できる利点がある。さらに、内壁、及び外壁の材料に熱可塑性樹脂を利用することで、リサイクル性に富んだインクタンクを提供することができる。

0170

ここで、前述した実施形態における「外壁」の構造および「外壁」が「内壁」に対して及ぼす結果的な構造について補足説明する。

0171

前述した実施形態では、インクタンクはブロー成形により製造されるため、内壁は、容器を構成する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの方が薄く形成されている。また外壁も同様に、容器を構成する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの方が薄く形成されている。さらに、外壁に対して内壁は、各面の中央部から各面の角部に向かって徐々に減少する厚み分布を有する外壁に積層されることで形成されている。

0172

この結果、上記内壁は外壁の内面に対して一致する外面を有することになる。この内壁の外面は、外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成するインク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の内面は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一層インク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、最大面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明としては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部で存在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm以下で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形状は、小面積部では測定誤差範囲内になることもあるが、略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位をもたらす1つの要因となるので、本発明にとって好ましい条件の1つとなる。また、ピンチオフ部は、内壁の表面積が最大となる部分を除いた部分に形成されている。

0173

加えて、外壁の構造について補足する。前述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制することをあげたが、この機能を発揮する構造としては、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであればよい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよい。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造で、この面構造を金属等の棒で結合するようなものでも良い。さらに外壁は、メッシュ構造でも良い。

0174

なお、本発明の実施形態においては、インク収納部は略多角柱形状となっているが、この形態に限定されるものではなく、少なくともインクの導出に伴い変形可能で、この変形により負圧を発生可能であるものならば、どのような形態であっても本発明の目的を達成することが可能である。

0175

さらに前述したインク収納部によるバッファ効果を得るためには、インク収納部が弾性変形可能であり、内部の収容物の膨張によりインク収納部が変形前の形状に戻ることができること、すなわち弾性変形の範囲内で変形することが求められる。もし、インク導出による変形にともなう負圧の変化の割合が急激に変わる状態が存在する場合(例えば変形部分同士が当接する場合など)には、弾性変形の範囲内であっても、この急激に変わる状態になる前に第1のインク供給状態を終え、第2のインク供給状態が開始されるようになっていることが望ましい。

0176

また、本発明の液体収納容器に使用される材料としては、内壁と外壁とが分離可能なものであればよく、内壁又は外壁にそれぞれ複数の材料を用いて、多層により構成してもよい。また、外壁を単独で負圧発生型液体収納容器として使用する場合より、内壁としては弾性の高いものを使用することが可能となっている。内部に収容されるインクなどに対する影響を考慮すれば、例えばポリエチレン樹脂ポリプロビレン樹脂などが好適に適用可能である。

0177

<液体供給動作及びインクジェットカートリッジ>次に、液体供給動作及びインクジェットカートリッジに関する補足説明を行なう。

0178

上述した実施形態のインクジェットカートリッジにおけるインク供給動作については、インクタンクと毛管力発生部材収納室とが接続されていない初期状態から、接続させた際の使用開始状態、第1及び第2のインク供給状態を経るものとなっている。

0179

ここで、上述した実施形態の第1の変形例として、気液交換状態、すなわち第2のインク供給状態がないインクジェットカートリッジについても、インク収納部へ外気を導入することなくインク収納部のインクを使用する工程を有するため、液体収納容器の内容積の制限は、結合する際においてインク収納部に導入された空気のみを考慮すればよいことになる。すなわち、インクタンク内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能であるという利点があり、本発明の目的を達成し得る構成となっている。ただし、インク収納部の使用効率を考慮するならば、上述の実施形態のように第1のインク供給状態のあとに気液交換状態を有する方が、より容易にインク収納部のインクを消費することができる。

0180

第2の変形例としては、記録ヘッドからインクを消費する際の消費スピードが、極めて大さい場合がある。このときは、第1の供給状態において、両者の負圧が常時バランスを取るのではなく、両者の負圧の差がある所定の値以上になるまでは毛管力発生部材収納室のインクが優先的に消費され、負圧の差が一定以上になった時、インク収納部のインクが毛管力発生部材収納室側へ移動するようになることが起こりうる。

0181

なお、上述した2室が常時一体のインクタンクでは、使用開始時には使用開始状態が終了した段階になっているだけで、それ以外の各供給動作についての効果は本変形例においても実施形態の効果をそのまま適用可能である。

0182

<液体吐出記録装置>最後に、図1に示した本発明の一実施形態にかかるインクジェットカートリッジを搭載して記録を行うインクジェット記録装置の説明を行う。図29に、本発明の一実施形態にかかるインクジェットカートリッジを搭載するインクジェット記録装置の概略図を示す。

0183

図29において、タンクホルダ4010及びインクタンク4100は、インクジェット記録装置本体のキャリッジに不図示の位置決め手段によって固定支持されるとともに、該キャリッジに対してそれぞれ着脱可能な形で装着される。

0184

駆動モータ5130の正逆回転駆動伝達ギア5110、5090を介してリードスクリュー5040に伝達され、これを回転させ、またキャリッジHCはリードスクリュー5040の螺旋溝5050に係合するピン(不図示)を有する。これによって、キャリッジHCは装置長手方向往復移動される。

0185

5020は記録ヘッドの前面をキャップするキャップであり、不図示の吸引手段によりキャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引回復を行うために用いられる。キャップ5020はギア5080等を介して伝達される駆動力により移動して記録ヘッドの吐出口面を覆うことができる。キャップ5020の近傍には、不図示のクリーニングブレードが設けられ、このブレードは図の上下方向に移動可能に支持されている。ブレードは、この形態に限られず、周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。

0186

これらのキャッピングクリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジションに移動したときにリードスクリュー5040の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適応できる。

発明の効果

0187

以上説明したように本発明は、液体収納容器の開口部に取り付けられる開閉可能な液体収納容器用開閉弁において、液体供給のための開閉部が1つの液体供給管に対して複数の開閉可能な開口部を設けることで、たとえ1つの開閉部がゴミや固着などにより目詰まりを起こした場合においても安定した液体供給を可能とする。

0188

また、上記のような構成の液体収納容器用開閉弁の開閉を、液体収納容器と液体供給管の連結時のワンアクションで行う構成とすることで容易に信頼性の高い連結を行うことを可能としている。

0189

また、初期段階で破断されておらず、押圧されることにより破断される薄肉部を有していることによって、薄肉部の破断により液体収納容器用開閉弁が開封されるまでの初期段階で液体収納容器が液体収納容器用開閉弁により確実に密閉される。従って、物流時などの初期段階での液体収納容器の開口部のシール性が向上し、液体収納容器の内部に確実に液体を保持することができるという効果がある。

0190

さらに、液体収納容器用開閉弁は、前記薄肉部が破断された後に揺動可能に支持される可動部と、その可動部を支持する弾性変形可能な弾性支持部とを有しており、前記弾性支持部のねじり動作により開閉されるので、液体収納容器用開閉弁の開閉動作が安定して確実に行われる。また、従来のボールおよびばね部材を用いた液体収納容器用開閉弁と比較して、小さいスペースで液体収納容器用開閉弁の開口面積を充分に確保することができ、さらに、弁の開閉動作の応答性が高くなるという効果がある。

0191

また、本発明の液体収納容器用開閉弁は、弁座部と弁体部を一体的に成形し、それらを屈曲させて接合することで構成される。これにより、従来のボールおよびばね部材を用いた構成の液体収納容器開閉弁と比較して、構成が簡単で生産性が高くなると同時に低コスト化を可能とするという効果がある。

0192

さらに、本発明の開閉弁付き液体収納容器では、上述した液体収納容器用開閉弁が取り付けられていることにより、小さいスペースで液体収納容器用開閉弁の開口面積を充分に確保することができ、開閉弁付き液体収納容器を小型化することができるという効果がある。

0193

さらに、本発明の開閉弁付き液体収納容器において、液体収納容器および液体収納容器用開閉弁の材質として樹脂などの同じ材質を用いることにより、リサイクルする際に液体収納容器と液体収納容器用開閉弁とを分離させる手間がなくなり、開閉弁付き液体収納容器のリサイクル性が向上するという効果がある。

図面の簡単な説明

0194

図1本発明の一実施形態の弁によりインクが封止されたインクタンクを有するインクジェットカートリッジについて説明するための図である。
図2図1に示したインクタンクとタンクホルダとのインク通路に関する接続部の拡大図である。
図3図1および図2に示した弁の断面図および平面図である。
図4図1に示したインクタンクをヘッド付きホルダに装着して弁を開封する前の状態について説明するための図である。
図5図1に示したインクタンクをヘッド付きホルダに装着して弁を開封する動作について説明するための図である。
図6図1に示したインクタンクをヘッド付きホルダに装着して弁を開封した後の状態について説明するための図である。
図7図1および図2に示した弁を開封した後にインクタンクをタンクホルダから取り外して弁が閉じた状態について説明するための図である。
図8図1および図2に示した弁を製造する工程および、弁をインクタンクに接合する工程を示すフローチャートである。
図9図1および図2に示した弁の弁座部および弁体部を有する開閉弁部材を示す平面図である。
図10図9のA−A’線断面図およびB−B’線断面図である。
図11図9および図10に示した開閉弁部材を折り曲げる工程について説明するための図である。
図12図1および図2に示した弁をインクタンクのインク供給部に取り付けた状態を示す側面図である。
図13図12のA矢視図である。
図14図1に示したタンクホルダに、弁が取り付けられたインクタンクを装着した状態を示す断面図である。
図15図1および図2に示した弁の変形例について説明するための平面図である。
図16図1および図2に示した弁の変形例について説明するための平面図である。
図17図15に示した変形例の弁が開封された状態を示す斜視図である。
図18図16に示した変形例の弁が開封された状態を示す斜視図である。
図19図1に示すインクタンクの使用開始前の状態を説明する説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’断面図である。
図20図1に示すインクタンクのインク導出時の状態を説明する説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’断面図である。
図21図1に示すインクタンクのインク消費の状態を説明する説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’断面図である。
図22図1に示すインクタンクの気液交換状態を説明する説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’断面図である。
図23図1に示すインクタンクの交換前の状態を説明する説明図であり、(a)は、図1と同じ断面による断面図、(b)は、図1のA−A’断面図である。
図24図1に示すインクタンクのインク導出量とインク供給口部の負圧の関係を示す説明図である。
図25(a)および(b)は、図1に示すインクタンクの、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメカニズムの説明図、(c)は減圧時のインク流出量を説明する説明図である。
図26図1および図2に示した弁の変形例について説明するための図である。
図27図26に示す弁が破断して開封された連結後の状態について説明するための図である。
図28図26および図27に示した弁における開閉部の配置の変形例について説明するための図である。
図29図1に示したインクジェットカートリッジを適用可能な液体吐出記録装置の一例の概略図である。

--

0195

1弁座部
2弁体部
3 接続部
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f薄肉部
5、5c可動部
5d、5e、5f開閉部
6、6a、6b弾性支持部
7位置決めボス
8係合穴
10毛管力発生部材収納室
11タンクホルダ
12インク供給路
13 毛管力発生部材
15大気連通口
16バッファ部
17大気導入溝
21 当接部
22 開口部
23位置決め穴
24屈曲部
25突き当て面
30ヘッド付きホルダ
50インクタンク
51内壁
52インク供給部
53インク収納部
54 内壁
55 大気連通口
56溶着部
57、57c 弁
60記録ヘッド
61吐出口
70フィルタ
71連通管
72、72c 突き当て部
74ベローズ
75 インク誘導体
80ラッチレバー
81ラッチ爪
82 抜け止め爪
84 抜け止め穴
4010 タンクホルダ
4100 インクタンク
5020キャップ
5040リードスクリュー
5050螺旋溝
5080ギア
5090、5110駆動伝達ギア
5130駆動モータ
HCキャリッジ
O インク供給口

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