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技術 甘藷ジュース含有飲料の製造方法

出願人 カゴメ株式会社
発明者 深谷哲也入江康子村岡明高
出願日 1998年4月24日 (22年8ヶ月経過) 出願番号 1998-131229
公開日 1999年11月2日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-299465
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 果実・野菜の大量処理装置及び飼料調整装置
主要キーワード 二軸回転 グレーダー スクリーン孔 失活温度 色素含量 低下処理 ピーラー 分離防止
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年11月2日)のものです。
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課題

パルプ分澱粉粒の分離を生じない、したがって外観が良く、また均質でのどごしの良い、飲用に好適な甘藷ジュース含有飲料歩留まり良く製造できる方法を提供する。

解決手段

甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼ活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機によ所定条件下で圧搾搾した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料に、そのpHとの関係で、カラギーナン、或は特定粒径セルロース及び/又はセルロース製剤を所定濃度となるよう加えた。

概要

背景

従来、甘藷ジュースの製造方法として、甘藷を加熱処理し、ジューサーで搾する方法が提案されている(名古屋子大学紀要41巻,93〜100頁,1995年)。近年、高色素含量の甘藷が種々提供されており、この従来法でも、これら高色素含量の甘藷が検討されている。ところが、この従来法には、歩留まりが著しく低いという欠点がある。そこで従来、新たな甘藷ジュースの製造方法として、甘藷を所定の条件下で加熱処理し、圧搾汁機で搾汁する方法が提案されている(特開平9−275949)。この従来法でも、高色素含量の甘藷が検討されている。ところが、この従来法には、相応に歩留まりを向上できるという利点がある反面、もともと得られる甘藷ジュースの漿液粘度が低く、また相当量澱粉粒が含まれてくることもあって、パルプ分や澱粉粒の分離を生じるという欠点がある。

概要

パルプ分や澱粉粒の分離を生じない、したがって外観が良く、また均質でのどごしの良い、飲用に好適な甘藷ジュース含有飲料を歩留まり良く製造できる方法を提供する。

甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼ活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機によ所定条件下で圧搾搾汁した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料に、そのpHとの関係で、カラギーナン、或は特定粒径セルロース及び/又はセルロース製剤を所定濃度となるよう加えた。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼ活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機により下記の式1を満足する条件下で圧搾搾した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料にカラギーナンを加え、全体のpHが5.5<pH≦6.7で且つカラギーナンの含有濃度が0.01〜1重量%となるようにすることを特徴とする甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項

0.10≦log(P/S)≦2.0{式1において、P:圧搾式搾汁機の出口圧力(kgf/cm2)であって、0.10〜20の範囲内の数値S:圧搾式搾汁機に装着したスクリーンの孔径(mm)であって、0.050〜1.0の範囲内の数値}

請求項2

甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機により下記の式1を満足する条件下で圧搾搾汁した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料に平均粒径25μm以下のセルロース及び/又はセルロース製剤を加え、全体のpHが3.5≦pH≦5.5で且つセルロース及び/又はセルロース製剤の含有濃度が0.05〜1重量%となるようにすることを特徴とする甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項

0.10≦log(P/S)≦2.0{式1において、P:圧搾式搾汁機の出口圧力(kgf/cm2)であって、0.10〜20の範囲内の数値S:圧搾式搾汁機に装着したスクリーンの孔径(mm)であって、0.050〜1.0の範囲内の数値}

請求項3

マルトース含量が3.0〜8.0重量%となるように加熱処理する請求項1又は2記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項4

圧搾式搾汁機がスクリュープレス又は搾汁用二軸回転エクストルーダーである請求項1、2又は3記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項5

0.30≦log(P/S)≦1.5を満足する条件下で圧搾搾汁する請求項1、2、3又は4記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項6

圧搾搾汁した甘藷ジュースを更に粘度低下処理し、そして粘度低下処理した甘藷ジュースを含む飲料にカラギーナンを加える請求項1、3、4又は5記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項7

圧搾搾汁した甘藷ジュースを更に粘度低下処理し、そして粘度低下処理した甘藷ジュースを含む飲料にセルロース及び/又はセルロース製剤を加える請求項2、3、4又は5記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項8

粘度低下処理が遠心分離処理である請求項6又は7記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項9

全体のpHが5.5<pH≦6.0となるようにする請求項1、3、4、5、6又は8記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項10

全体のpHが3.5≦pH≦4.6となるようにする請求項2、3、4、5、7又は8記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

請求項11

平均粒径10μm以下のセルロース及び/又はセルロース製剤を加える請求項2、3、4、5、7、8又は10記載の甘藷ジュース含有飲料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は甘藷ジュース含有飲料の製造方法、更に詳しくはパルプ分澱粉粒等の分離を生じない、したがって外観が良く、また均質でのどごしの良い、飲用に好適な甘藷ジュース含有飲料を歩留まり良く製造する方法に関する。

背景技術

0002

従来、甘藷ジュースの製造方法として、甘藷を加熱処理し、ジューサーで搾する方法が提案されている(名古屋子大学紀要41巻,93〜100頁,1995年)。近年、高色素含量の甘藷が種々提供されており、この従来法でも、これら高色素含量の甘藷が検討されている。ところが、この従来法には、歩留まりが著しく低いという欠点がある。そこで従来、新たな甘藷ジュースの製造方法として、甘藷を所定の条件下で加熱処理し、圧搾汁機で搾汁する方法が提案されている(特開平9−275949)。この従来法でも、高色素含量の甘藷が検討されている。ところが、この従来法には、相応に歩留まりを向上できるという利点がある反面、もともと得られる甘藷ジュースの漿液粘度が低く、また相当量の澱粉粒が含まれてくることもあって、パルプ分や澱粉粒の分離を生じるという欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明が解決しようとする課題は、従来法では、歩留まりが著しく低いか、或は歩留まりは相応に向上できても、得られる甘藷ジュースがパルプ分や澱粉粒の分離を生じる点である。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、甘藷に特定の加熱処理及び圧搾搾汁を組み合わせて施し、得られた甘藷ジュースを含む飲料に、pHとの関係で特定の増粘安定剤を所定濃度となるよう加えると、パルプ分や澱粉粒の分離を生じない、したがって外観が良く、また均質でのどごしの良い、飲用に好適な甘藷ジュース含有飲料を歩留まり良く製造できることを見出した。

0005

すなわち本発明は、甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼ活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機により下記の式1を満足する条件下で圧搾搾汁した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料にカラギーナンを加え、全体のpHが5.5<pH≦6.7で且つカラギーナンの含有濃度が0.01〜1重量%となるようにすることを特徴とする甘藷ジュース含有飲料の製造方法に係る。

0006

また本発明は、甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%となるように加熱処理し、そしてスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機により下記の式1を満足する条件下で圧搾搾汁した後、圧搾搾汁した甘藷ジュースを含む飲料に平均粒径25μm以下のセルロース及び/又はセルロース製剤を加え、全体のpHが3.5≦pH≦5.5で且つセルロース及び/又はセルロース製剤の含有濃度が0.05〜1重量%となるようにすることを特徴とする甘藷ジュース含有飲料の製造方法に係る。

0007

0.10≦log(P/S)≦2.0
{式1において、
P:圧搾式搾汁機の出口圧力(kgf/cm2)であって、0.10〜20の範囲内の数値
S:圧搾式搾汁機に装着したスクリーンの孔径(mm)であって、0.050〜1.0の範囲内の数値}

0008

本発明において、原料として用いる甘藷は、黄色系のベニアズマ、橙系のヘルシレッドジェーレッド、ベニハヤト、紫系の山川紫、知覧紫等、その品種を制限されない。本発明では、かかる甘藷を加熱処理する。加熱処理は、甘藷中に含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%、好ましくは3.0〜8.0重量%となるように行なう。ポリフェノールオキシダーゼはアミラーゼよりも失活温度が低く、その基質であるポリフェノールの殆どが甘藷の表層部に集中しているので、加熱処理の温度及び時間を選定することにより、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活する一方で、アミラーゼを活性化することができる。ポリフェノールオキシダーゼを失活することにより良好な色調の甘藷ジュースを得ることができ、またアミラーゼを活性化することにより澱粉糖化を促して糖度が高い甘藷ジュースを得ることができる。

0009

本発明では、上記のように、甘藷をこれに含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%、好ましくは3.0〜8.0重量%となるように加熱処理する。ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活し、その一方でアミラーゼを活性化する条件下であっても、アミラーゼの作用で澱粉の糖化により生成するマルトース含量が1.0重量%未満となるような加熱処理では、糖度が低い甘藷ジュースしか得ることができない。逆にマルトース含量が10重量%超となるような加熱処理では、澱粉が膨潤するためと推察されるが、搾汁が難しくなって、歩留まりが悪くなる。加熱処理それ自体は、甘藷を熱水中に浸漬する方法、甘藷に水蒸気噴霧する方法等、公知の方法を適用でき、エネルギー効率的には甘藷を70〜80℃の熱水中に10〜20分間浸漬する方法を適用できるが、合目的的には甘藷を80〜100℃未満の熱水中に5〜20分間浸漬する方法を適用するのが好ましい。

0010

本発明では、かくして加熱処理した甘藷をスクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した圧搾式搾汁機により圧搾搾汁する。搾汁機には、パルパー、ギナー、デカンター等の遠心分離式のものと、フィルタープレススクリュープレス、搾汁用二軸回転エクストルーダー等の圧搾式のものとがあるが、本発明では後者の圧搾式のうちで、スクリューと該スクリューを包囲するスクリーンとを装着した搾汁機により圧搾搾汁する。なかでも、スクリュープレス又は搾汁用二軸回転型エクストルーダーにより圧搾搾汁するのが好ましい。糖度が高く且つパルプ含量が低い、したがってのどごしの良い飲用に好適な甘藷ジュースを歩留まり良く得ることができるからである。

0011

本発明では、加熱処理した甘藷を上記のような圧搾式搾汁機で圧搾搾汁するとき、前記の式1を満足する条件下で圧搾搾汁する。前記したように、式1中のPは圧搾式搾汁機の出口圧力(kgf/cm2)であって、0.10〜20の範囲内の数値であり、またSは圧搾式搾汁機に装着したスクリーンの孔径(mm)であって、0.050〜1.0の範囲内の数値である。圧搾搾汁の条件が式1を満足しないと、また式1を満足していても式1中のP又はSが上記の範囲から外れると、得られる甘藷ジュースのパルプ含量や歩留まりに問題を生じる。

0012

本発明でも、圧搾搾汁の前の段階で、具体的には加熱処理の前の段階又は加熱処理の後であって圧搾搾汁の前の段階で、甘藷を剥皮するのが好ましい。より色調の良好な苦味の少ない甘藷ジュースを得ることができるからである。剥皮方法には、機械的剥皮方法、化学的剥皮方法、これらを組み合わせた剥皮方法等、公知の剥皮方法を適用できるが、合目的的には加熱を伴わない機械的剥皮方法、例えばピーラーで剥皮する方法が好ましい。また圧搾搾汁の前の段階で、加熱処理した甘藷を破砕又は切断するのが好ましい。搾汁を円滑に行なって搾汁率をより高くし、歩留まりをより良くするためである。更に圧搾搾汁は、0.30≦log(P/S)≦1.5を満足する条件下で行なうのが好ましく、圧搾式搾汁機に装着するスクリューとスクリーンとの間のクリアランス(スクリューの径方向外周端面とスクリーンの径方向内周端面との間の隙間)を1.0mm以下に設定して行なうのが好ましい。搾汁率をより高くして歩留まりをより良くするためである。更にまた圧搾搾汁は品温(圧搾搾汁に供する加熱処理した甘藷の中心温度)が75℃以下で行なうのが好ましい。澱粉の糊化を防止して搾汁率をより高くし、歩留まりをより良くするためである。

0013

以上説明したような甘藷の加熱処理及び圧搾搾汁により甘藷ジュースを得る。本発明では、この甘藷ジュースを含む飲料に、そのpHとの関係で、増粘安定剤としてカラギーナン、或はセルロース及び/又はセルロース製剤を加える。本発明において、甘藷ジュースを含む飲料は、甘藷ジュースをベースとする飲料を意味し、甘藷ジュースそれ自体の他に、pHを調整する目的で、或はまた香味を調整する目的で、炭酸ナトリウム炭酸カルシウム等の炭酸塩クエン酸リンゴ酸等の有機酸レモン果汁レモンジュース)、オレンジジュースリンゴジュース等の果実ジューストマトジュースニンジンジュース等の野菜ジュース、或はこれらの希釈物濃縮物等を加えたものを意味する。

0014

先に、カラギーナンを加える場合について説明する。甘藷ジュースを含む飲料にカラギーナンを加える場合、全体のpHが5.5<pH≦6.7、好ましくは5.5<pH≦6.0で、且つカラギーナンの含有濃度が0.01〜1重量%となるようにする。全体のpH或はカラギーナンの含有濃度が上記の範囲を外れると、得られる甘藷ジュース含有飲料のパルプ分や澱粉粒の分離防止を充分に図れなくなったり、或は粘度が高くなり過ぎて飲用に不適なものとなる。甘藷ジュースによってはpHを調整する必要のない場合もあるが、そのpHを調整する場合には、前述したように、甘藷ジュースに炭酸塩、有機酸、果実ジュース、野菜ジュース、或はこれらの希釈物や濃縮物を適宜に加えて、そのpHを5.5<pH≦6.7、好ましくは5.5<pH≦6.0に調整する。かかるpHの調整は、カラギーナンを加える前、加えると同時、或は加えた後のいずれで行なってもよいが、作業の便宜上、カラギーナンを加える前に行なうのが好ましい。カラギーナンは、甘藷ジュースを含む飲料を撹拌しながら、そのまま徐々に加えることもできるが、予め同じ甘藷ジュースを含む飲料の一部にカラギーナンを高濃度で分散乃至溶解状態にしておき、これを徐々に加えるのが好ましい。

0015

増粘安定剤としては、カラギーナンの他に、ペクチンローストビーンガムグアガムキサンタンガム、セルロース、セルロース製剤等、各種が知られているが、5.5<pH≦6.7、好ましくは5.5<pH≦6.0の範囲内にて、甘藷ジュース含有飲料のパルプ分や澱粉粒の分離防止を充分に図るためには、カラギーナンこそが有効である。

0016

次に、セルロース及び/又はセルロース製剤を加える場合について説明する。甘藷ジュースを含む飲料にセルロース及び/又はセルロース製剤を加える場合、平均粒径25μm以下、好ましくは10μm以下のセルロース及び/又はセルロース製剤を用い、全体のpHが3.5≦pH≦5.5、好ましくは3.5≦pH≦4.6で、且つセルロース及び/又はセルロース製剤の含有濃度が0.05〜1重量%となるようにする。セルロース及び/又はセルロース製剤の平均粒径、全体のpH、或はセルロース及び/又はセルロース製剤の含有濃度が上記の範囲を外れると、得られる甘藷ジュース含有飲料のパルプ分や澱粉粒の分離防止を充分に図れなくなったり、或は粘度が高くなり過ぎて飲用に不適なものとなる。pHを調整する場合には、前述したように、甘藷ジュースに有機酸、果実ジュース、野菜ジュース、或はこれらの希釈物や濃縮物を適宜に加えて、そのpHを3.5≦pH≦5.5、好ましくは3.5≦pH≦4.6に調整する。かかるpHの調整は、セルロース及び/又はセルロース製剤を加える前、加えると同時、或は加えた後のいずれで行なってもよいが、作業の便宜上、セルロース及び/又はセルロース製剤を加える前に行なうのが好ましい。セルロース及び/又はセルロース製剤は、甘藷ジュースを含む飲料を撹拌しながら、そのまま徐々に加えることもできるが、予め同じ甘藷ジュースを含む飲料の一部にセルロース及び/又はセルロース製剤を高濃度で分散乃至溶解状態にしておき、これを徐々に加えるのが好ましい。

0017

増粘安定剤としては、セルロースやセルロース製剤の他に、ペクチン、カラギーナン、ローストビーンガム、グアガム、キサンタンガム等、各種が知られているが、3.5≦pH≦5.5、好ましくは3.5≦pH≦4.6の範囲内にて、甘藷ジュース含有飲料のパルプ分や澱粉粒の分離防止を充分に図るためには、セルロース及び/又はセルロース製剤こそが有効である。

0018

本発明で用いるセルロースやセルロース製剤は、その平均粒径が25μm以下、好ましくは10μm以下であれば、その種類は特に制限されない。セルロースとしては食物繊維を主成分とする市販のアビセル(旭化成工業株式会社の登録商標FDシリーズのうちでグレードFD−F20を分粒したものを使用することができ、またセルロース製剤としてはこれも食物繊維を主成分とする市販のアビセルRCシリーズのうちでグレードRC−591やCL−611を分粒したものを使用することができる。

0019

本発明では、以上説明したように、甘藷を所定条件下で加熱処理及び圧搾搾汁し、得られた甘藷ジュースを含む飲料に、そのpHとの関係で、カラギーナン、或はセルロース及び/又はセルロース製剤を加えるが、甘藷ジュースを予め粘度低下処理しておくのが好ましい。本発明において、粘度低下処理は、甘藷ジュース中に含まれる澱粉粒に起因する粘度を低下させるような処理を意味する。かかる粘度低下処理としては、澱粉粒を除去する遠心分離処理、澱粉粒を破壊するホモジナイズ処理、澱粉粒を分解する酵素処理等が挙げられるが、作業の便宜上、遠心分離処理が好ましい。また本発明では、カラギーナン、或はセルロース及び/又はセルロース製剤を加えた後に、甘藷ジュースを含む飲料を加熱し、ホモジナイズ処理するのが好ましい。これらの処理によって、得られる甘藷ジュース含有飲料のパルプ分及び澱粉粒の分離防止をより確実に図ることができるからである。

発明を実施するための最良の形態

0020

本発明の実施形態としては、下記の1)〜6)が挙げられる。
1)黄色系甘藷のベニアズマを90℃の熱水中に10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルトースを5.0重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、スクリュープレスで圧搾搾汁する。圧搾搾汁を、出口圧力P=5.0kgf/cm2、スクリーン孔径S=0.40mm、log(P/S)=1.1、クリアランス=0.50mm、品温=70℃の条件下で行ない、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースに、予め同じ甘藷ジュースの一部に炭酸カルシウムを高濃度で分散させておいたものを加えて、そのpHを6.0に調整した後、同様に予め同じ甘藷ジュースの一部にカラギーナンを高濃度で分散させておいたものを加えて、カラギーナン濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHを調整してカラギーナンを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0021

2)橙系甘藷のジェーレッドを、前記1)の場合と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理したものに、更に前記1)の場合と同様に炭酸カルシウム及びカラギーナンを加え、そのpHを6.0に調整し、カラギーナン濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHを調整してカラギーナンを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0022

3)紫系甘藷の山川紫を、前記1)の場合と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理する。遠心分離処理したものはpH5.7であったので、特にpH調整することなく、このものに更に前記1)の場合と同様にカラギーナンのみを加え、そのpHが5.7で、カラギーナン濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHが5.7でカラギーナンを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0023

4)黄色系甘藷のベニアズマを、前記1)の場合と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースに、クエン酸を加えて、そのpHを4.3に調整した後、予め同じ甘藷ジュースの一部に平均粒径5μmのセルロース(前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20を分粒したもの)を高濃度で分散させておいたものを加えて、セルロース濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHを調整してセルロースを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0024

5)橙系甘藷のジェーレッドを、前記1)の場合と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理したものに、更に前記1)の場合と同様にレモン果汁及び平均粒径10μmのセルロース(前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20を分粒したもの)を加え、そのpHを3.8に調整し、セルロース濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHを調整してセルロースを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0025

6)紫系甘藷の山川紫を、前記1)の場合と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得る。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理したものに、更に前記1)の場合と同様にオレンジ果汁及び平均粒径10μmのセルロース製剤(前述したアビセルRCシリーズのうちでグレードCL−611を分粒したもの)を加え、そのpHを4.3に調整し、セルロース濃度が0.5重量%となるようにする。かくしてpHを調整してセルロースを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造する。

0026

試験区分1(甘藷の加熱処理及び圧搾搾汁)
試験例1
橙系甘藷のジェーレッドを60℃の熱水中に10分間浸漬して、マルトースを0.50重量%含有する加熱処理物を得た。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、スクリュープレスで圧搾搾汁した。圧搾搾汁を、出口圧力P=5.0kgf/cm2、スクリーン孔径S=0.40mm、log(P/S)=1.1、クリアランス=0.50mm、品温=70℃の条件下で行ない、甘藷ジュースを得た。甘藷ジュースの糖度は11重量%、SV量(パルプ含量の指標として用いた遠沈量)は18容量%、歩留まりは62重量%であった。

0027

・試験例2
橙系甘藷のジェーレッドを80℃の熱水中に8.0分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルトースを3.0重量%含有する加熱処理物を得た。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、スクリュープレスで圧搾搾汁した。圧搾搾汁は試験例1と同じ条件下で行ない、甘藷ジュースを得た。甘藷ジュースの糖度は15重量%、SV量は19容量%、歩留まりは60重量%であった。

0028

・試験例3〜5
圧搾搾汁条件は試験例1と同じにし、加熱処理条件を変えて、試験例1又は2と同様に橙系甘藷のジェーレッドを加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。試験例1及び2も含め、各例の加熱処理条件、圧搾搾汁条件、各例で得た甘藷ジュースの糖度、SV量、歩留まりを表1にまとめて示した。

0029

0030

表1において、
マルトース:液体クロマトグラフィーで測定した。
糖度:糖度計で測定した。
SV量:甘藷ジュース10mlを遠心沈澱管(長さ105mm)にとり、遠心分離回転半径14.5mm、回転数3000rpm、時間10分)して、自然静置した直後の沈澱物目盛(ml)を10倍した値。
歩留まり:原料に対する歩留まり。
これらは以下同じ。

0031

・試験例6
橙系甘藷のジェーレッドを90℃の熱水中に10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルトースを5.0重量%含有する加熱処理物を得た。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、スクリュープレスで圧搾搾汁した。圧搾搾汁を、出口圧力P=0.80kgf/cm2、スクリーン孔径S=0.70mm、log(P/S)=0.058、クリアランス=0.50mm、品温=70℃の条件下で行ない、甘藷ジュースを得た。甘藷ジュースの糖度は16重量%、SV量は28容量%、歩留まりは48重量%であった。

0032

・試験例7〜12
加熱処理条件は試験例6と同じにし、圧搾搾汁条件を変えて、試験例6と同様に橙系甘藷のジェーレッドを加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。試験例6も含め、各例の加熱処理条件、圧搾搾汁条件、各例で得た甘藷ジュースの糖度、SV量、歩留まりを表2にまとめて示した。

0033

0034

試験区分2(カラギーナンを加えた甘藷ジュース含有飲料の製造)
・実施例1
黄色系甘藷のベニアズマを試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。この甘藷ジュースに、予め同じ甘藷ジュースの一部に炭酸カルシウムを高濃度で分散させておいたものを加えて、そのpHを6.0に調整した後、同様に予め同じ甘藷ジュースの一部にカラギーナンを高濃度で分散させておいたものを加えて、カラギーナン濃度が0.5重量%となるようにした。かくしてpHを調整してカラギーナンを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造した。甘藷ジュース含有飲料の粘度は158cps分離度(パルプ分や澱粉粒の分離状態の指標として用いた液面から分離界面までの距離)は0mmであった。

0035

・実施例3
橙系甘藷のジェーレッドを試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理したものに、実施例1の場合と同様に炭酸カルシウム及びカラギーナンを加え、そのpHを6.0に調整し、カラギーナン濃度が0.5重量%となるようにした。かくしてpHを調整してカラギーナンを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造した。甘藷ジュース含有飲料の粘度は135cps、分離度は0mmであった。

0036

・実施例2,4〜7及び比較例1〜10
表3又は4に記載した品種の甘藷を試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、各例の甘藷ジュースを得た。これらの甘藷ジュースを、pH調整や増粘安定剤の種類及びその濃度を変えて実施例1又は3と同様に処理し、各例の甘藷ジュース含有飲料を製造した。実施例1及び3も含め、各例の処理条件、各例で製造した甘藷ジュースの粘度及び分離度を表3及び4にまとめて示した。

0037

0038

0039

表3及び4において、
*1:平均粒径10μmのセルロース製剤{前述したアビセルRCシリーズのうちでグレードCL−611(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。尚、分粒はふるい分け法で行ない、その平均粒径はレーザー解析散光粒度分布測定装置で測定した。
粘度(cps):20℃における粘度をB型回転粘度計で測定した。
分離度(mm):甘藷ジュース含有飲料を内径50mmで容量200mlのガラス瓶に満注、密栓し、後殺菌して冷却した後、20℃で1週間放置したときの、液面から分離界面までの距離で示した。
**:底部に白色沈澱を生じた。
これらは以下同じ。

0040

試験区分3(セルロース及び/又はセルロース製剤を加えた甘藷ジュース含有飲料の製造)
実施例8
黄色系甘藷のベニアズマを試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。この甘藷ジュースに、クエン酸を加えて、そのpHを4.3に調整した後、予め同じ甘藷ジュースの一部に平均粒径5μmのセルロース(前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20を分粒したもの)を高濃度で分散させておいたものを加えて、セルロース濃度が0.5重量%となるようにした。かくしてpHを調整してセルロースを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造した。甘藷ジュース含有飲料の粘度は162cps、分離度は0mmであった。

0041

・実施例9
橙系甘藷のジェーレッドを試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、甘藷ジュースを得た。この甘藷ジュースを、3000G×10分、遠心分離処理したものに、実施例9の場合と同様にレモン果汁及び平均粒径10μmのセルロースを加え、そのpHを3.8に調整し、セルロース濃度が0.5重量%となるようにした。かくしてpHを調整してセルロースを加えたものを95℃達温に加熱し、150kgf/cm2でホモジナイズ処理して、甘藷ジュース含有飲料を製造した。甘藷ジュース含有飲料の粘度は131cps、分離度は0mmであった。

0042

・実施例10〜14及び比較例11〜20
表5又は6に記載した品種の甘藷を試験区分1の試験例8と同様に加熱処理し、圧搾搾汁して、各例の甘藷ジュースを得た。これらの甘藷ジュースを、pH調整や増粘安定剤の種類及びその濃度等を変えて実施例8又は9と同様に処理し、各例の甘藷ジュース含有飲料を製造した。実施例8及び9も含め、各例の処理条件、各例で製造した甘藷ジュースの粘度及び分離度を表5及び6にまとめて示した。

0043

0044

0045

表5及び6において、
*2:平均粒径5μmのセルロース{前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。
*3:平均粒径10μmのセルロース{前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。
*4:平均粒径15μmのセルロース{前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−F20(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。
*5:平均粒径20μmのセルロース{前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−101(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。
*6:平均粒径10μmのセルロース製剤{前述したアビセルRCシリーズのうちでグレードRC−591(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。
*7:平均粒径35μmのセルロース{前述したアビセルFDシリーズのうちでグレードFD−101(旭化成工業株式会社製)を分粒したもの}。

発明の効果

0046

既に明らかなように、以上説明した本発明には、パルプ分や澱粉粒の分離を生じない、したがって外観が良く、また均質でのどごしの良い、飲用に好適な甘藷ジュース含有飲料を歩留まり良く製造できるという効果がある。

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