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技術 きのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法

出願人 デンカ株式会社一般社団法人長野県農村工業研究所
発明者 石田秀朗平野健吉
出願日 1998年4月20日 (22年8ヶ月経過) 出願番号 1998-109465
公開日 1999年11月2日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-299347
状態 特許登録済
技術分野 きのこの栽培 微生物、その培養処理
主要キーワード 含水硫酸 鉄くず 小規模生産 無水硫酸アルミニウム メリライト くらげ 人工培養基 卵殻粉末
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この項目の情報は公開日時点(1999年11月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

きのこを高収率で得ることが可能となる、きのこの人工培養基とそれを用いたきのこの人工栽培方法を提供すること。

解決手段

人工培養基100重量部中、平均粒径100μm以下のスラグ粉を0.01〜15重量部、又はさらに、硫酸塩0.01〜15重量部を含有してなるきのこの人工培養基、該人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法を構成とする。人工培養基としては、鋸屑もみ殻コーンコブバガスパルプ廃材ビート粕、及びデンプン粕等の基材に、米ぬか、もろこし粉砕物、及びフスマ等の栄養源一種又は二種以上を混合したものを使用することが可能である。栄養源の使用量は、鋸屑100重量部に対して、10〜150重量部混合したものが、きのこを高収率で得る面からより好ましい。

概要

背景

概要

きのこを高収率で得ることが可能となる、きのこの人工培養基とそれを用いたきのこの人工栽培方法を提供すること。

人工培養基100重量部中、平均粒径100μm以下のスラグ粉を0.01〜15重量部、又はさらに、硫酸塩0.01〜15重量部を含有してなるきのこの人工培養基、該人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法を構成とする。人工培養基としては、鋸屑もみ殻コーンコブバガスパルプ廃材ビート粕、及びデンプン粕等の基材に、米ぬか、もろこし粉砕物、及びフスマ等の栄養源一種又は二種以上を混合したものを使用することが可能である。栄養源の使用量は、鋸屑100重量部に対して、10〜150重量部混合したものが、きのこを高収率で得る面からより好ましい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

人工培養基100重量部中、平均粒径100μm以下のスラグ粉を0.01〜15重量部含有してなるきのこの人工培養基。

請求項2

人工培養基100重量部中、平均粒径100μm以下のスラグ粉0.01〜15重量部と硫酸塩0.01〜15重量部を含有してなるきのこの人工培養基。

請求項3

請求項1又は2記載の人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法

技術分野

0001

本発明は、きのこの人工培養基及びそれを用いたきのこの人工栽培方法に関する。

0002

従来、きのこの栽培は、くぬぎ、ぶな、及びなら等の原木を利用した、ほだ木栽培がほとんどであり、そのため、気象条件により収穫が左右されることが多いという課題があった。

0003

また、最近では、ほだ木栽培用の原木切り出しのための労働力不足していることなどによって原木の入手が困難になりつつあるという課題があった。さらに、ほだ木栽培では栽培期間が長いこと、即ち、種菌接種からきのこの収穫までに1年半から2年も要することにより、生産コストが相当高くつくのが実情である。

0004

近年、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、及びしいたけ等は、鋸屑米糠を配合した培養基を用い、瓶又は箱で栽培を行う菌床人工栽培方法が確立され、一年を通して、四季に関係なく安定してきのこが収穫できるようになっている。即ち、従来は農家での副業的性格が強く、小規模生産に頼っていたきのこ栽培が、現在では大規模専業生産が可能となり、かつ、原料が入手しやすい菌床人工栽培方法に移りつつある。しかしながら、菌床人工栽培方法においても、きのこを大量に連続栽培するには、いまだ収率も低く、かつ、栽培期間がかなり長いため、その生産コストは安価とはいえず、今後これら生産性の改善が切望されている。例えば、(Al2O3) X (SiO2)(ただし、式中のX は1以上の数)で示される化合物を上記の人工培養基に含有させたものや、(MgO) W (Al2O3) X (SiO2)y (ただし、式中のW は1〜3の数、X は1〜5の数、y は0〜3の数)で示される化合物を上記の人工培養基に含有させたものがあるが、充分な収率できのこを生産することができていないのが現状である(特開平 3−210126号公報、特開平 3− 58716号公報)。

0005

一方、スラグキノコ栽培基体として用いることが提案されている(特許掲載公報第 2668061号)。しかしながら、培養基中のスラグの含有量が20〜90%と多いことから、pH値が必要以上に上昇してしまい、必ずしもきのこの収率が向上する結果が得られないという課題があった。

0006

本発明者は、きのこの人工栽培における従来の方法の課題を解決するため、誠意検討を重ねた結果、スラグを特定の粒度及び特定の割合で人工培養基中に配合することにより、きのこを高収率で栽培できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

課題を解決するための手段

0007

即ち、本発明は、人工培養基100重量部中、平均粒径100μm以下のスラグ粉を0.01〜15重量部含有してなるきのこの人工培養基であり、さらに、硫酸塩0.01〜15重量部を含有してなるきのこの人工培養基であり、該人工培養基を用いてなるきのこの人工栽培方法である。

0008

以下、本発明をさらに詳しく説明する。

0009

本発明で使用する人工培養基としては、鋸屑、もみ殻コーンコブバガスパルプ廃材ビート粕、及びデンプン粕等の基材に、米ぬか、もろこし粉砕物、及びフスマ等の栄養源一種又は二種以上を混合したものを使用することが可能である。きのこの種類、栽培環境、及び条件等に応じて、基材や栄養源の種類、両者の配合割合は任意に変化するもので特に限定されるものではないが、栄養源の使用量は、鋸屑 100重量部に対して、10〜150重量部混合したものが、きのこを高収率で得る面からより好ましい。

0010

本発明で使用するスラグ粉は、高炉スラグ及び/又は製鋼スラグ粉末で、鉄鋼の製造工程で副生するものである。高炉スラグは、主原料である鉄鉱石中の不要成分や、副原料であるコークス中の灰分などは主にSiO2やAl2O3 であり、これらが石灰石(CaO) やマグネシア(MgO) などのフラックス溶融反応して、銑鉄トン当たり約 300kgの高炉スラグが生成する。この高炉スラグは、溶融スラグ高圧水噴射して急冷粒状化する方法によって製造される高炉水砕スラグと、溶融スラグを冷却ヤードに流して空冷又は空冷と散水との組合せによって固化冷却することによって製造される高炉徐冷スラグに分かれるが、高炉水砕スラグの方が好ましい。製鋼スラグは、銑鉄を製鋼する際発生するものである。銑鉄は、炭素ケイ素リン、及びイオウ等の鋼材として不要な成分を4〜5重量%程度含んでいるため硬くてもろいものである。これらの成分を製鋼炉で除去して、靱性加工性のある鋼にするのが製鋼工程であり、製鋼炉としては転炉電気炉がある。製鋼工程においては、銑鉄と鉄くずの主原料のほか副原料として、生石灰(CaO) 、石灰石(CaCO3) 、及びドロマイト(CaCO3・MgCO3)等が用いられ、不要成分をスラグとして捕集溶鋼から分離する。この際生成するのが製鋼スラグであり、転炉スラグの場合、粗鋼1トン当たり約 130kg生成する。高炉スラグの鉱物組成としては、メリライトゲーレナイトアケルマナイト固溶体)、ケイ酸石灰、及びケイ酸二石灰等があるが、特に、溶融物を急冷して得られる非晶質のものがより好ましい。製鋼スラグの具体的な化合物としては、ケイ酸三石灰、ケイ酸二石灰、ウスタイトダイカルシウムフェライト、及び遊離石灰等がある。スラグ粉は、高炉スラグ及び/又は製鋼スラグを、ボールミルジェット粉砕機、ローラーミルロッドミルハンマーミル、及びジョークラッシャー等により粉砕したもので、平均粒径を 100μm以下とすることが必要であり、50μm以下とすることが好ましく、10μm以下とすることがより好ましい。平均粒径が 100μmを超えるときのこの収率の向上が認められない場合がある。スラグ粉の配合量は、人工培養基100重量部中、0.01〜15重量部が好ましく、0.1 〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満ではきのこが成長する時に分泌する酸性物質により、人工培養基のpH値が低下してしまい、15重量部を超えるとpH値が必要以上に上昇してしまい、ともにきのこの収率の向上がみられない場合がある。

0011

本発明において、さらに硫酸塩を併用することにより、きのこの収率がさらに向上する。硫酸塩としては、無水セッコウ半水セッコウ二水セッコウ無水硫酸アルミニウム、6、10、16、又は18水塩等の含水硫酸アルミニウム無水硫酸ナトリウム、7又は10水塩などの含水硫酸ナトリウム無水硫酸マグネシウム、1、6、又は7水塩等の含水硫酸マグネシウム無水硫酸リチウム、及び硫酸リチウム1水塩等が好ましく、特に、無水セッコウが好ましい。硫酸塩の粒度は、少量の配合量できのこの収率が向上することから細かいほど好ましい。具体的には、平均粒径は 100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下が最も好ましい。平均粒径が 100μmを越えるときのこの収率の向上が認められない場合がある。硫酸塩の配合量は、人工培養基100重量部中、0.01〜15重量部が好ましく、0.1 〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満あるいは15重量部を超えるときのこの収率の向上がみられない場合がある。

0012

本発明により、きのこを栽培するには、各々の環境や状況などに応じて任意に変えることができるので特に限定されるものではないが、通常、スラグ粉又はスラグ粉と硫酸塩を配合した人工培養基に水を加えて、人工培養基の水分含有量を50〜70重量%に調整し、必要に応じて殺菌・冷却後、菌を接種し、各々のきのこについて通常採用されている培養工程や生育条件に従って行うとよい。例えば、ほんしめじ栽培の場合は、菌を接種した人工培養基を22〜26℃で約30日間培養後、25〜30℃で40〜50日間熟成し、菌かき後に温度14〜17℃、湿度95〜100 %で20〜25日間育成を行って、ほんしめじを栽培し収穫する。また、しいたけ栽培の場合は、菌を接種した人工培養基を20〜25℃で約30日間培養後、26〜30℃で40〜50日間熟成し、その後温度13〜17℃で1〜3日間低温処理し、温度17〜20℃、湿度90〜95%で約10日間発生を行ってきのこを収穫し、この際に第1回目収穫後に再び発生にかけて第2回目の収穫を行うこともできる。

0013

本発明では、前述の基材や栄養源の他にも、必要に応じて人工培養基において使用されている、例えば、炭酸カルシウム卵殻粉末貝殻粉末、及び消石灰等の成分を併用することができる。

0014

本発明で栽培されるきのこは人工栽培できるきのこであり、例えば、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけ、きくらげ、さるのこしかけ、及びしいたけ等が挙げられる。

0015

以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0016

実施例1
表1に示すスラグをボールミルで、平均粒径10μmに粉砕した。広葉樹鋸屑250g、針葉樹鋸屑250g、米糠500g、及び水 140mlをビニール袋に入れ充分に混合し、含水率65%の人工培養基を調製した。調製した人工培養基 100重量部中、3重量部となるようにスラグ粉を配合混合した人工培養基250gをプラスチック製 850mlの広口瓶に圧詰めした。広口瓶の中央に直径約1cmの穴を開け、打栓後、120 ℃で90分間殺菌した。冷却後、ひらたけの鋸屑種菌を植菌し、暗所、温度25℃、湿度55%の条件下で30日間培養し(菌まわし行程)、さらに、30日間培養を続けて熟成させた。次に、栓を外して人工培養基の上部から約1cm菌かきして菌糸層を除いた後、水20mlを添加して充分に吸水させた。4時間放置後、上部に残った水を取り除いて、温度15℃、湿度95%、照度20ルックスの条件下で、4日間培養して子実体原基を形成させ、さらに照度を 200ルックスに上げて、10日間培養を続け、きのこの子実体収量を測定した。結果を表2に示す。

0017

使用材料
スラグ粉A:高炉スラグ、新日本製鐵社製
スラグ粉B:転炉スラグ、新日本製鐵社製
スラグ粉C:電炉スラグ、日新製鋼社製
広葉樹鋸屑:ぶな材の鋸屑
針葉樹鋸屑:すぎ材の鋸屑
米糠:市販品

0018

測定方法
コントロール対比:(スラグ粉+硫酸塩)配合の子実体収量(g)/(スラグ粉+硫酸塩)無配合の子実体収量(g) ×100 (%)

0019

0020

0021

表2から明らかなように、人工培養基に、スラグ粉を0.01〜15重量部の範囲内で配合することにより、ひらたけの収率が向上した。

0022

実施例2
表3に示すようにスラグ粉の平均粒径を変えたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、スラグ粉の配合量は人工培養基100重量部中、3重量部とした。結果を表3に併記する。

0023

0024

表3から明らかなように、スラグ粉の平均粒径が小さくなるほど、ひらたけの収率が向上した。

0025

実施例3
表4に示すスラグ粉と硫酸塩を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に併記する。

0026

<使用材料>
硫酸塩a :無水硫酸アルミニウム、試薬級品、平均粒径10μm
硫酸塩b :硫酸アルミニウム18水塩、試薬1級品、平均粒径10μm
硫酸塩c :無水硫酸ナトリウム、試薬1級品、平均粒径10μm
硫酸塩d :無水硫酸マグネシウム、試薬1級品、平均粒径10μm
硫酸塩e :二水セッコウ、試薬1級品、平均粒径10μm
硫酸塩f :無水セッコウ、試薬1級品、平均粒径10μm

0027

0028

表4から明らかなように、人工培養基にスラグ粉と硫酸塩を併用することにより、ひらたけの収率が増大した。

0029

実施例4
広葉樹鋸屑350g、針葉樹鋸屑350g、米糠300g、及び水 135mlをビニール袋に入れ充分に混合し、含水率63重量%の人工培養基を調製した。調製した人工培養基250gに、平均粒径10μmの表5に示すスラグ粉と硫酸塩を配合混合し、プラスチック製 850ml広口瓶に圧詰めした。各々の中央に直径約1cmの穴を開け、打栓後、120 ℃で90分間殺菌した。冷却後、ほんしめじの種菌を植菌し、温度23℃にて30日間培養後、さらに、26℃にて45日間熟成を行った。次に、菌かきをした後、温度15℃、湿度95%の条件下で生育を行い、21日後にほんしめじを収穫した。結果を表5に併記する。

0030

0031

表5から明らかなように、人工培養基にスラグ粉又はスラグ粉と硫酸塩を配合することにより、ほんしめじの収率が増大した。

0032

実施例5
広葉樹鋸屑300g、針葉樹鋸屑300g、米糠40g、フスマ60g、もろこし粉砕物30g、及び水 400mlをビニール袋に入れ充分に混合し、含水率65%の人工培養基を調製した。調製した人工培養基250gに、表6に示す平均粒径10μmのスラグ粉Aと硫酸塩fを配合混合し、プラスチック製 850ml広口瓶に圧詰めした。中央に直径約1cmの穴を開け、打栓後、120 ℃で90分間殺菌した。冷却後、しいたけの種菌を植菌し、温度23℃にて30日間培養後、さらに、30℃にて50日間熟成を行った。その後、15℃で2日間低温処理した後、温度18℃、湿度95%にて育成を行った。10日間で収穫を行った後、再び生育を行い、2回目の収穫を行い、合計量をしいたけの子実体収量とした。結果を表6に併記する。

0033

0034

表6で明らかなように、人工培養基に、スラグ粉又はスラグ粉と硫酸塩を配合することにより、しいたけの収率が増大した。

発明の効果

0035

以上詳細に説明したとおり、本発明による栽培方法によれば、きのこを高収率で得ることが可能となった。

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