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技術 貯蔵設備及び貯蔵方法

出願人 堂腰仁堂腰純株式会社土谷特殊農機具製作所
発明者 堂腰純
出願日 1999年1月12日 (21年5ヶ月経過) 出願番号 1999-005257
公開日 1999年10月29日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 1999-294919
状態 特許登録済
技術分野 収穫物の貯蔵 冷凍機械と関連しない装置
主要キーワード 断熱外 上下シャフト 水表面積 低温高湿度 横断面形 両スペース 壁面部材 貯蔵環境
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

大量の電力を必要とせず、良好な貯蔵環境を維持する。

解決手段

水を収容自在な貯氷水槽4を断熱外殻1の内部空間Vに形成した貯氷水槽配置スペース5に配置し、内部に貯蔵スペース3を設けるとともに、外気取り入れ自在な外気導入口1aを断熱外殻1の下部に設け、内気を排出自在な内気排出口1bを断熱外殻1の上部に設ける。

概要

背景

この種の従来の貯蔵設備、及び、貯蔵方法は、直冷式冷凍サイクルのを用いたものがあり、例えば、特開平5−26557の様に、直冷式冷凍サイクルを用いた野菜貯蔵用に関するものがあった。基本的には、貯蔵庫の内部に貯蔵した野菜の呼吸熱を奪って、温度を低温に保つシステムである。従って、このシステムでは、内部は低温化のために、湿度を保つために透湿膜を用いたり(特開平6−74646)、新たに加湿装置を設けて(特開平8−42960)強制的に湿度を高める工夫がなされている。

小規模な貯蔵では、古来から一般に使われてきた、氷室(ひむろ)という方式がある。これは、降雪地帯で、地面に穴を掘り、野菜を導入した後、ござを曳いて、その上にをかけ貯蔵した例である。近年、特許公報第2598574にみられるように、熱交換パイプを用いて農産物貯蔵庫内冷やす貯蔵設備・貯蔵方法、期間の寒気伝熱特性の優れたヒートパイプ人工凍土を作り冷熱源とする貯蔵設備・貯蔵方法など寒冷地での取り組みがなされている(特開平7−218080)。

また、予冷に関しては、特公平7−99991に見られるようにプラスチック製の袋に密封し、冷却する貯蔵設備・貯蔵方法がある。

概要

大量の電力を必要とせず、良好な貯蔵環境を維持する。

水を収容自在な貯氷水槽4を断熱外殻1の内部空間Vに形成した貯氷水槽配置スペース5に配置し、内部に貯蔵スペース3を設けるとともに、外気取り入れ自在な外気導入口1aを断熱外殻1の下部に設け、内気を排出自在な内気排出口1bを断熱外殻1の上部に設ける。

目的

従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、大量の電力を必要とせず、多目的にしかも、貯蔵対象物に対する良好な貯蔵環境を維持した状態で貯蔵できる貯蔵設備・貯蔵方法を提供するところにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

内部空間を断熱自在な断熱外殻を設け、水を収容自在な貯氷水槽を、前記断熱外殻の内部空間に形成した貯氷水槽配置スペースに配置すると共に、前記断熱外殻の内部空間に、貯蔵対象物収納自在な貯蔵スペースを設け、前記断熱外殻の内部空間へ外気取り入れ自在な外気導入口を、前記断熱外殻の下部に設け、前記断熱外殻の内部空間から外方へ内気を排出自在な内気排出口を、前記断熱外殻の上部に設け、前記貯蔵スペースへの前記貯蔵対象物の出し入れ口を、前記断熱外殻の上部に設けてある貯蔵設備

請求項2

内部空間を断熱自在な断熱外殻を設け、水を収容自在な貯氷水槽を、前記断熱外殻の内部空間に形成した貯氷水槽配置スペースに配置すると共に、前記断熱外殻の内部空間に、貯蔵対象物を収納自在な貯蔵スペースを設け、前記断熱外殻の内部空間へ外気を取り入れ自在な外気導入口を、前記断熱外殻の下部に設け、前記断熱外殻の内部空間から外方へ内気を排出自在な内気排出口を、前記断熱外殻の上部に設け、前記貯氷水槽配置スペースは、前記貯蔵スペースを取り囲む状態に配置してある貯蔵設備。

請求項3

内部空間を断熱自在な断熱外殻を設け、水を収容自在な貯氷水槽を、前記断熱外殻の内部空間に形成した貯氷水槽配置スペースに配置すると共に、前記断熱外殻の内部空間に、貯蔵対象物を収納自在な貯蔵スペースを設け、前記断熱外殻の内部空間へ外気を取り入れ自在な外気導入口を、前記断熱外殻の下部に設け、前記断熱外殻の内部空間から外方へ内気を排出自在な内気排出口を、前記断熱外殻の上部に設け、前記断熱外殻は、円筒形状に形成してある貯蔵設備。

請求項4

前記断熱外殻は、円筒形状に形成してある請求項1又は2に記載の貯蔵設備。

請求項5

前記貯氷水槽配置スペースは、前記貯蔵スペースを取り囲む状態に配置してある請求項1又は4に記載の貯蔵設備。

請求項6

前記貯蔵対象物を前記出し入れ口を通して移送自在な荷役設備を設けてある請求項1又は4又は5の何れか一項に記載の貯蔵設備。

請求項7

内部空間を断熱自在な断熱外殻を設け、前記断熱外殻の内部空間に、貯蔵対象物を収納自在な貯蔵スペースを設け、水を収容自在な貯氷水槽を、前記断熱外殻の内部空間で前記貯蔵スペースを取り囲む状態に形成した貯氷水槽配置スペースに配置すると共に、前記断熱外殻の内部空間へ外気を取り入れ自在な外気導入口と、前記断熱外殻の内部空間から外方へ内気を排出自在な内気排出口とを、前記断熱外殻に設け、前記貯蔵スペースへの前記貯蔵対象物の出し入れ口を、前記断熱外殻の上部に設け、前記外気導入口から前記貯氷水槽配置スペースへ外気を取り入れる外気導入状態と、前記貯氷水槽配置スペースと前記貯蔵スペースとの間で空気を循環させる内気循環状態とに駆動切り替え自在な送風手段を設けてある貯蔵設備。

請求項8

請求項1又は請求項4〜6の何れか一項に記載の貯蔵設備を予め設けておき、前記貯氷水槽に水を充填し、外気温度氷点下になるに、前記外気導入口、及び、前記内気排出口を流通可能な状態にすることで前記貯氷水槽配置スペース内に外気を取り入れ、その外気の冷熱で前記水を凍結させて前記貯蔵スペースの雰囲気温度冷蔵状態に保った後、前記外気導入口を閉塞状態にした状態で、前記出し入れ口を通して前記貯蔵対象物を前記貯蔵スペースに収納する貯蔵方法

技術分野

〈6〉 前記断熱外殻1は、先の実施形態で説明した円筒形状のものに限るものではなく、例えば、ドーム形状や、球形、平面形状が多角形のもの等、種々変更することが可能である。

背景技術

0001

この発明は、貯蔵設備、及び、その貯蔵設備を用いた貯蔵方法に関し、例えば、貯蔵対象物(例えば、じゃがいもや野菜果物等の農作物)の低温高湿度貯蔵や、野菜の予冷に係る貯蔵設備、及び、その貯蔵方法に関する。

0002

この種の従来の貯蔵設備、及び、貯蔵方法は、直冷式冷凍サイクルのを用いたものがあり、例えば、特開平5−26557の様に、直冷式冷凍サイクルを用いた野菜貯蔵用に関するものがあった。基本的には、貯蔵庫の内部に貯蔵した野菜の呼吸熱を奪って、温度を低温に保つシステムである。従って、このシステムでは、内部は低温化のために、湿度を保つために透湿膜を用いたり(特開平6−74646)、新たに加湿装置を設けて(特開平8−42960)強制的に湿度を高める工夫がなされている。

0003

小規模な貯蔵では、古来から一般に使われてきた、氷室(ひむろ)という方式がある。これは、降雪地帯で、地面に穴を掘り、野菜を導入した後、ござを曳いて、その上にをかけ貯蔵した例である。近年、特許公報第2598574にみられるように、熱交換パイプを用いて農産物貯蔵庫内冷やす貯蔵設備・貯蔵方法、期間の寒気伝熱特性の優れたヒートパイプ人工凍土を作り冷熱源とする貯蔵設備・貯蔵方法など寒冷地での取り組みがなされている(特開平7−218080)。

発明が解決しようとする課題

0004

また、予冷に関しては、特公平7−99991に見られるようにプラスチック製の袋に密封し、冷却する貯蔵設備・貯蔵方法がある。

0005

上述した従来の技術では、製氷装置に大型な冷凍機を使用するため多大な電力を必要としていた。また、従来の貯蔵設備においても、熱源として冷凍サイクルを用いるため、電力を大量に消費するという問題点がある。さらに、このような冷凍サイクルを用いた方法では、野菜の貯蔵庫内を低温に保つため、野菜の呼吸熱を奪うだけでなく、結果として野菜の脱水が著しい。そのため、加湿装置などを用いる必要があるが、これによっても電力の消費が増加するという問題点がある。

0006

また、前記冷凍サイクルによる電力消費の問題点を解消するために、氷室(ひむろ)と呼ばれる雪を用いることが上げられるが、雪の密度は、約0.27と小さな値であり、当該装置・方法に適応させるには、非常に大量の雪が必要であると共に、それらの雪を収容しておける大きな規模施設を用意する必要があり、雪の運搬や施設の建設に多大なコストが必要となる問題点がある。また、積雪の無い寒冷地では、遠方から雪を運搬する必要があり、特にコストが高くなるという問題点もある。

課題を解決するための手段

0007

従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、大量の電力を必要とせず、多目的にしかも、貯蔵対象物に対する良好な貯蔵環境を維持した状態で貯蔵できる貯蔵設備・貯蔵方法を提供するところにある。

0008

請求項1の発明の特徴構成は、図4〜6・9に例示するごとく、内部空間Vを断熱自在な断熱外殻1を設け、水を収容自在な貯氷水槽4を、前記断熱外殻1の内部空間Vに形成した貯氷水槽配置スペース5に配置すると共に、前記断熱外殻1の内部空間Vに、貯蔵対象物2を収納自在な貯蔵スペース3を設け、前記断熱外殻1の内部空間Vへ外気取り入れ自在な外気導入口1aを、前記断熱外殻1の下部に設け、前記断熱外殻1の内部空間Vから外方へ内気を排出自在な内気排出口1bを、前記断熱外殻1の上部に設け、前記貯蔵スペース3への前記貯蔵対象物2の出し入れ口7を、前記断熱外殻1の上部に設けてあるところにある。

0009

請求項1の発明の特徴構成によれば、外気の温度が氷点下環境になることによって、前記外気導入口から貯氷水槽配置スペース内に外気が入り、その空気が貯氷水槽に入れた水から潜熱を奪い、前記水を凍結させることができる。更には、貯氷水槽に接触した空気は前記水から潜熱を奪うことによって温度が上昇し、それに伴う密度の低下で前記断熱外殻の内部空間を上方へ浮上し、前記内気排出口から外部に排出される。従って、前記断熱外殻の内部空間においては、前記水の凍結に伴う潜熱の授受によって上昇気流が発生し、前記貯氷水槽配置スペースへの外気の導入、及び、排出を自動的に継続しておこさせることが可能となる。その結果、送風駆動装置や冷凍機を使用せずに、地球の天然資源である寒冷地の冷熱源を利用して貯氷水槽の水を凍結させることが可能となり、安価に製氷することができることに加えて、省エネルギーでもあり、地球の炭酸ガス排出削減にも多大に貢献することができるものである。そして、貯氷水槽配置スペースで製氷されたからの冷熱によって貯蔵スペースを冷蔵状態(概ね0℃)に保つことが可能となり、前記貯蔵スペースに貯蔵対象物を収納して貯蔵することが可能となる。しかも、貯氷水槽の水表面からの飽和水蒸気圧によって前記貯蔵スペースを高湿度に保つことが可能となるから、低温高湿度環境による貯蔵対象物の貯蔵を実現させることが可能となる。従って、例えば、農作物(ジャガイモや野菜や果物や生花類等)の貯蔵に好適な環境を提供することが可能となる。更には、貯蔵スペースを概ね0℃の温度に保つことができるから、氷点下に凍結した冷凍品解凍収納にも使用することが可能となる。また、空気の温度と密度との関係(温度が低いほど密度が高い)から、貯蔵スペースへの貯蔵対象物の出し入れに伴って前記出し入れ口を開けた状態にしても、外気温度が貯蔵スペースの内気温度より高い場合には、外気が断熱外殻の内部空間に入るのを最小限に抑えることが可能となる。従って、貯蔵スペースの冷気が外部へ漏れるのを最小限に抑えることが可能となり、貯蔵スペースの温度維持を図り易い効果がある。

0010

上述の潜熱を利用した水の凍結について、図1(イ)を使用して説明する。冷凍庫内に氷の入ったバットをおいて、時間軸に対するその温度変化を記録したものである。冷凍庫の温度が0℃以下になると、氷バット内の氷の温度は、ほぼ0℃を保ったままである。しかし、暫くすると氷となり、0℃以下になっていく。しかし、図1(ロ)のようにバットに入った潜熱を出さない物質の温度は、冷凍庫の温度に追従してしまう。この実験事実は、図2によって示される。外部温度が下がってきてB点に近づくと水の温度は0℃になって、少し水から氷の状態に変化する。この時に水が出すエネルギーを潜熱という。この潜熱は、水が完全に凍るA点に到達するまでに水1Kgあたり80Kcalのエネルギーを放出する。潜熱を出し切った段階からもっと冷やすと氷は0℃以下になってゆくのである。この現象は、可逆的である。逆に、氷に熱を与えて0℃になると氷は熱を貰うが1Kgあたり80Kcalのエネルギーを貰うまで、0℃を保ったままである。受熱する熱も潜熱と呼ばれる。本発明は、図2のA点とB点の間を主に使用する。水と氷の大きな熱容量が0℃の環境保持に大きく役立っている。つまり、外部気温の影響を受けにくい。

0011

請求項2の発明の特徴構成は、図4・5・9に例示するごとく、内部空間Vを断熱自在な断熱外殻1を設け、水を収容自在な貯氷水槽4を、前記断熱外殻1の内部空間Vに形成した貯氷水槽配置スペース5に配置すると共に、前記断熱外殻1の内部空間Vに、貯蔵対象物2を収納自在な貯蔵スペース3を設け、前記断熱外殻1の内部空間Vへ外気を取り入れ自在な外気導入口1aを、前記断熱外殻1の下部に設け、前記断熱外殻1の内部空間Vから外方へ内気を排出自在な内気排出口1bを、前記断熱外殻1の上部に設け、前記貯氷水槽配置スペース5は、前記貯蔵スペース3を取り囲む状態に配置してあるところにある。

0012

請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明と同様に、送風駆動装置や冷凍機を使用せずに、地球の天然資源である寒冷地の冷熱源を利用して貯氷水槽の水を凍結させることが可能となり、安価に製氷することができることに加えて、省エネルギーでもあり、地球の炭酸ガス排出削減にも多大に貢献することができると共に、前記貯蔵スペースに貯蔵対象物を収納して、低温高湿度環境による貯蔵対象物の貯蔵を実現させることが可能となる。また、貯蔵スペースと外部との間に前記貯氷水槽配置スペースが位置することとなり、前記貯氷水槽配置スペースは、貯蔵スペースに対して冷熱を提供すると共に貯蔵スペースをガードすることが可能となり、前記貯蔵スペースに対する外気の環境変化の影響をより少なくすることができる。従って、より好ましい状態での貯蔵対象物の貯蔵を、長期にわたって維持することが可能となる。従って、例えば、農作物(ジャガイモや野菜や果物や生花類等)の貯蔵に好適な環境を提供することが可能となる他、冷凍品の解凍収納にも使用することが可能となる。

0013

請求項3の発明の特徴構成は、図4・5・9に例示するごとく、内部空間Vを断熱自在な断熱外殻1を設け、水を収容自在な貯氷水槽4を、前記断熱外殻1の内部空間Vに形成した貯氷水槽配置スペース5に配置すると共に、前記断熱外殻1の内部空間Vに、貯蔵対象物2を収納自在な貯蔵スペース3を設け、前記断熱外殻1の内部空間Vへ外気を取り入れ自在な外気導入口1aを、前記断熱外殻1の下部に設け、前記断熱外殻1の内部空間Vから外方へ内気を排出自在な内気排出口1bを、前記断熱外殻1の上部に設け、前記断熱外殻1は、円筒形状に形成してあるところにある。

0014

請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明と同様に、送風駆動装置や冷凍機を使用せずに、地球の天然資源である寒冷地の冷熱源を利用して貯氷水槽の水を凍結させることが可能となり、安価に製氷することができることに加えて、省エネルギーでもあり、地球の炭酸ガス排出削減にも多大に貢献することができると共に、前記貯蔵スペースに貯蔵対象物を収納して、低温高湿度環境による貯蔵対象物の貯蔵を実現させることが可能となる。また、特に、断熱外殻を円筒形にすることによって、横断面形状が円形となり、所定の内部空間容積を確保するのに、断面が矩形形状のものに比べて壁面積をより少なくすることが可能となり、その結果、壁面を通した熱損失を少なくでき、暖候期の解氷を少なく抑えることができる。そのため、断熱材の使用量は最低伝熱面積は2次元的であるが氷水の量は3次元的である。そのため、大型程、氷の量が少なくて済み、また断熱材の厚さも少なくできる。つまり、単位貯蔵量当たりの建設コストを低減できるという効果がある。更には、壁面に作用する風圧等の外力に対しても抵抗の少ない円形であることと、前記外力は壁面に沿った力に分散され、壁面部材圧縮応力で受けることが可能となることから、力学的に合理的であり、建造構造物の簡素化によって、建設コストを低減できるという効果がある。

0015

請求項4の発明の特徴構成は、図4・5・9に例示するごとく、前記断熱外殻1は、円筒形状に形成してあるところにある。

0016

請求項4の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2に記載の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、断熱外殻の横断面形状が円形となり、所定の内部空間容積を確保するのに、断面が矩形形状のものに比べて壁面積をより少なくすることが可能となり、その結果、壁面を通した熱損失を少なくでき、暖候期の解氷を少なく抑えることができる。そのため、断熱材の使用量は最低、伝熱面積は2次元的であるが氷水の量は3次元的である。そのため、大型程、氷の量が少なくて済み、また断熱材の厚さも少なくできる。つまり、単位貯蔵量当たりの建設コストを低減できるという効果がある。更には、壁面に作用する風圧等の外力に対しても抵抗の少ない円形であることと、前記外力は壁面に沿った力に分散され、壁面部材の圧縮応力で受けることが可能となることから、力学的に合理的であり、建造構造物の簡素化によって、建設コストを低減できるという効果がある。

0017

請求項5の発明の特徴構成は、図4・5・9に例示するごとく、前記貯氷水槽配置スペース5は、前記貯蔵スペース3を取り囲む状態に配置してあるところにある。

0018

請求項5の発明の特徴構成によれば、請求項1又は4に記載の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、貯蔵スペースと外部との間に前記貯氷水槽配置スペースが位置することとなり、前記貯氷水槽配置スペースは、貯蔵スペースに対して冷熱を提供すると共に貯蔵スペースをガードすることが可能となり、前記貯蔵スペースに対する外気の環境変化の影響をより少なくすることができる。従って、より好ましい状態での貯蔵対象物の貯蔵を、長期にわたって維持することが可能となる。尚、貯蔵スペースを取り囲む状態とは、貯蔵スペースの側方のみを囲む状態や、下方も含めて囲む状態や、貯蔵スペースの上下・側方すべてを囲む状態等、様々な適応があげられる。

0019

請求項6の発明の特徴構成は、図4・5・9に例示するごとく、前記貯蔵対象物2を前記出し入れ口7を通して移送自在な荷役設備6を設けてあるところにある。

0020

請求項6の発明の特徴構成によれば、請求項1又は4又は5に記載の発明による作用効果を、より好ましい状態で叶えることができる。即ち、貯蔵対象物の出し入れをスピーディーに効率よく実施することができるようになり、貯蔵対象物の出し入れ時の前記出し入れ口の開口時間をより短時間にすることができ、貯蔵設備内の冷気の無駄な流出をより減少させ、貯蔵スペースの温度維持をより図り易くすることが可能となる。

0021

請求項7の発明の特徴構成は、図7・8に例示するごとく、内部空間Vを断熱自在な断熱外殻1を設け、前記断熱外殻1の内部空間Vに、貯蔵対象物2を収納自在な貯蔵スペース3を設け、水を収容自在な貯氷水槽4を、前記断熱外殻1の内部空間Vで前記貯蔵スペース3を取り囲む状態に形成した貯氷水槽配置スペース5に配置すると共に、前記断熱外殻1の内部空間Vへ外気を取り入れ自在な外気導入口1aと、前記断熱外殻1の内部空間Vから外方へ内気を排出自在な内気排出口1bとを、前記断熱外殻1に設け、前記貯蔵スペース3への前記貯蔵対象物2の出し入れ口7を、前記断熱外殻1の上部に設け、前記外気導入口1aから前記貯氷水槽配置スペース5へ外気を取り入れる外気導入状態と、前記貯氷水槽配置スペース5と前記貯蔵スペース3との間で空気を循環させる内気循環状態とに駆動切り替え自在な送風手段Wを設けてあるところにある。

0022

請求項7の発明の特徴構成によれば、外気が低温状態である場合に前記送風手段を前記外気導入状態とすることによって、前記外気導入口から貯氷水槽配置スペース内に外気が入り、その空気が貯氷水槽に入れた水から潜熱を奪い、前記水を凍結させることができる。従って、地球の天然資源である寒冷地の冷熱源を利用して貯氷水槽の水を凍結させることが可能となり、安価に製氷することができることに加えて、省エネルギーでもあり、地球の炭酸ガス排出削減にも多大に貢献することができるものである。そして、貯氷水槽配置スペースで製氷された氷からの冷熱によって貯蔵スペースを冷蔵状態(概ね0℃)に保つことが可能となり、前記貯蔵スペースに貯蔵対象物を収納して貯蔵することが可能となる。しかも、貯氷水槽の水表面からの飽和水蒸気圧によって前記貯蔵スペースを高湿度に保つことが可能となるから、低温高湿度環境による貯蔵対象物の貯蔵を実現させることが可能となる。従って、例えば、農作物(ジャガイモや野菜や果物や生花類等)の貯蔵に好適な環境を提供することが可能となる。更には、貯蔵スペースを概ね0℃の温度に保つことができるから、氷点下に凍結した冷凍品の解凍収納にも使用することが可能となる。また、空気の温度と密度との関係(温度が低いほど密度が高い)から、貯蔵スペースへの貯蔵対象物の出し入れに伴って前記出し入れ口を開けた状態にしても、外気温度が貯蔵スペースの内気温度より高い場合には、外気が断熱外殻の内部空間に入るのを最小限に抑えることが可能となり、貯蔵スペースの温度維持を図り易い効果がある。更には、貯氷水槽配置スペースを、前記貯蔵スペースを取り囲む状態に配置してあるから、貯蔵スペースと外部との間に前記貯氷水槽配置スペースが位置することとなり、前記貯氷水槽配置スペースは、貯蔵スペースに対して冷熱を提供すると共に貯蔵スペースをガードすることが可能となり、前記貯蔵スペースに対する外気の環境変化の影響をより少なくすることができる。従って、より好ましい状態での貯蔵対象物の貯蔵を、長期にわたって維持することが可能となる。一方、前記送風手段を前記内気循環状態とすることによって、前記貯氷水槽に蓄えられた冷熱を前記貯蔵スペースに供給し、貯蔵スペースの冷蔵状態を維持することが可能となる。従って、寒い時季や暖かい時季があっても、一年中を通じて貯蔵対象物の冷蔵保存を継続的に実施することが可能となる。

0023

請求項8の発明の特徴構成は、請求項1又は請求項4〜6の何れか一項に記載の貯蔵設備を予め設けておき、前記貯氷水槽4に水を充填し、外気温度が氷点下になるに、前記外気導入口1a、及び、前記内気排出口1bを流通可能な状態にすることで前記貯氷水槽配置スペース5内に外気を取り入れ、その外気の冷熱で前記水を凍結させて前記貯蔵スペース3の雰囲気温度を冷蔵状態に保った後、前記外気導入口1aを閉塞状態にした状態で、前記出し入れ口7を通して前記貯蔵対象物2を前記貯蔵スペース3に収納するところにある。

0024

請求項8の発明の特徴構成によれば、請求項1又は請求項4〜6の何れか一項に記載の発明による作用効果を、より好ましい状態で叶えることができる。即ち、自然環境を利用することで大量の電力を必要とせず、少量、大量を問わず多目的に氷を製氷できると共に、その氷によって貯蔵スペースの雰囲気温度を冷蔵状態に保ち、貯蔵スペースに配された貯蔵対象物を、安定的に低温高湿度環境で貯蔵することが可能となる。また、製氷する氷の量を、季、夏期季の外部気温の高い期間の受熱を受けても完全に溶けないだけの量を確保できる設計しておけば、前記春季・夏季・秋季を通じて前記貯氷水槽には水と氷の共存状態が存在するため、図2に示したように、周年野菜を低温で貯蔵することが可能である。そして、貯蔵対象物の出し入れに伴う熱損失を最小限に抑え、より長期に安定した冷蔵環境を維持した状態で貯蔵対象物の貯蔵を叶えることが可能となる。

0025

尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。

0026

以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

0027

〔第一実施形態〕図4(イ)・図4(ロ)は、本発明の貯蔵設備の一例品(以後、単に貯蔵設備という)T1を示すもので、前記貯蔵設備T1は、内部空間Vを断熱自在なコンクリート構造の断熱外殻1を設け、その内部空間Vの中央に農作物(貯蔵対象物の一例)2を収納自在な貯蔵スペース3を設けると共に、貯蔵スペース3を囲む範囲に、コンテナ(貯氷水槽の一例)4を配置する貯氷水槽配置スペース5を設け、前記断熱外殻1の内部空間Vへの物品の出し入れを行う荷役設備6を、前記断熱外殻1の側方に立設状態に設けて構成してある。前記貯蔵設備T1は、春から秋にかけての収穫時の前記農作物2の保存、予冷を主の目的として形成してあり、約1トンの農作物(当該実施形態では野菜)2を貯蔵できるように構成してある。

0028

前記断熱外殻1は、外周壁部1Aを円筒形状(外径は概ね6m程度)に形成してあり、その上部に傘形状の屋根部1Bを一体的に設けてある。そして、前記外周壁部1Aの下端部には、周方向に間隔をあけて複数の外気導入口1aを開閉自在に形成してある。また、前記屋根部1Bの頂点部分には、複数の内気排出口1bを開閉自在に形成してあると共に、その内気排出口1bの側方には、前記内部空間Vへ前記荷役設備6で物品を出し入れする際の出し入れ口7が、開閉自在に形成してある。

0029

前記貯蔵スペース3は、直径が約3m、高さが約4m程度の規模に設定してあり、パレット又は収納フレーム等に農作物2を載置したものが収納される。この場合、前記収納フレーム内に農作物2を入れた農作物バスケット2Aを使用すれば、縦横段積み状態に収納することができるので、収納効率を向上させることが可能となる。因みに、収納フレームは、貯蔵スペース3の内気と農作物2との熱交換や、農作物2の呼吸障害となり難いように、前記内気が流通自在に形成してある。

0030

前記貯氷水槽配置スペース5は、前記断熱外殻1と貯蔵スペース3との間の範囲に設定してあり、多数の前記コンテナ4が縦横に段積みしてある。前記コンテナ4は、プラスチック製で、内部に水を充填してある。そして、このコンテナ4は、前記水の表面が露出するように、上面を開口させて形成してある。従って、前記水からの水蒸気で前記内部空間Vを高湿度に保つことができると共に、前記水が凍結した状態においては、前記内部空間Vの空気との熱交換によって前記内部空間の空気を冷却して冷蔵環境を作ることが可能となる。

0031

前記荷役設備6は、揚重装置、及び、コンベヤ等で構成してあり、前記内部空間Vへの前記出し入れ口7を通した物品(農作物バスケット2Aやコンテナ4等)の搬入搬出を自在に実施できるように構成してある。即ち、前記内部空間Vへの物品の吊り降ろしや吊り上げは、前記揚重装置によって実施でき、前記物品の横移動はコンベヤによって実施することができる。

0032

因みに、前記貯蔵設備T1の内、前記断熱外殻1、及び、貯氷水槽配置スペースに載置されたコンテナ4をもって製氷装置Sが構成されている。

0033

次に、当該製氷装置Sによる水の製氷について図3に示す概念モデルを使用して説明する。前記外気導入口1a・内気排出口1bを共に開状態にしておく。これによって、冬の寒冷地においては、マイナス温度の風(外気)が入り、前記内部空間Vの温度も低下する。それに伴って、一番下部のコンテナ4の水が潜熱を出しながら凍り出す。これは、図2のB点の部分である。そして、徐々に図2のA点に移っていく。この時、コンテナ4の水面層近傍は0℃、外気導入口1aではマイナス温度であるため、温度勾配ができ、貯氷水槽配置スペース5内は、負圧となり、外部の空気がより流入しやすくなる。つまり、上昇気流ができる。このようにして、下段より潜熱がますます放出されることにより4段積みになったコンテナ4群に貯水された水が製氷されてゆく。より急速に製氷する場合は、内気排出口1bに排気ファンを取り付ければよい。全コンテナ4の水が凍ったあと、外気導入口1a・内気排出口1bを塞ぎ断熱する。完全に凍結しても、地面の熱によって氷が受熱しながら一部が水となり、コンテナ4の中においては、図2のA点とB点との間に存在することとなる。従って、貯氷水槽配置スペース5は、概ね0℃の温度になっている。また、多数のコンテナの水面と空気の接触面積が大きいため、それら水面からの蒸発によって内部空間Vは高湿度となる。このようにして、コンテナ4に製氷される。

0034

そして、前記農作物2を内部空間Vに収納するには、前記内部空間Vの温度が0℃程度であるのを確認した後、前記出し入れ口7を開けると共に、農作物2を入れた農作物バスケット2Aを前記荷役設備によって出し入れ口7上部まで移送し、前記出し入れ口7を通して貯蔵スペースへ吊り降ろし、順次、縦横に段積みすることで実施できる。

0035

この実施形態の貯蔵設備T1においては、寒候期の直前までの野菜の保存に適している。春期、夏期、秋期には、外気導入口1a・内気排出口1bは閉じられている。外部気温が上昇するが、断熱外殻1と貯氷水槽配置スペース5の氷に守られて、貯蔵スペース3の農作物2への温度の影響は少ない。熱学的には、暖候期の解氷を最小にできる円筒状の円筒形が最も合理的である。断面が円形であるため、伝熱面積が最小である。そのため、断熱材の使用量は最低である。この貯蔵方法の場合、電気エネルギーは、全く必要無く、実施可能である。

0036

〔第2実施形態〕図5は、大規模の野菜の省エネルギー冷気貯流型周年長期低温高湿度の貯蔵を可能とする貯蔵設備T2を示したものである。尚、特に説明をしない部分の構成については、前記第1実施形態と同様のものである。貯蔵設備T2の外径は、34m、内径は、28m、高さは、6mである。貯蔵設備T2の下半分は地下に下がった状態に形成されている。こうすることによって、自然の断熱作用を利用することが可能となる。また、屋根の中央部は、支柱8により支えられる構造となっている。貯蔵設備T2の内部は、貯氷水槽配置スペース5が貯蔵スペース3を取り囲む状態に配置され、両スペース5・3どうしは、断熱壁9によって区画されている。そして、貯蔵設備T2には、貯氷水槽配置スペース5の上端部分と、貯蔵スペース3の下端部分とに連通する第一流路10と、前記第一流路10を通して貯氷水槽配置スペース5上端部分の空気を貯蔵スペース3の下端部分へ送るファン11と、前記ファン11によって空気を送るに伴って貯蔵スペース3から貯氷水槽配置スペース5へ空気を逃がすためのリターン開口12とを設けてある。従って、前記ファン11を送風駆動させることによって貯氷水槽配置スペース5、及び、貯蔵スペース3の空気が循環し、貯蔵スペース3の温度上昇を抑制し、好ましい冷蔵環境を維持することが可能となる。また、屋根部分の一部には、区画された防露室13を設けてあり、貯蔵設備T2に収納された農作物2を外部に取り出す際に、急激な温度変化によって農作物の表面に結露するのを防止できるように構成してある。即ち、防露室13の温度は、貯蔵スペース3の温度と外部温度との中間に設定してあり、徐々に外部温度に近づけることができるものである。尚、前記防露室13と前記内部空間Vとの仕切部分に前記出し入れ口7が形成されている。

0037

この実施形態の貯蔵設備T2は、ジャガイモを貯蔵する場合の貯蔵重量は、千トンに設定してある。

0038

では、当該貯蔵設備T2による製氷期と寒候期と暖候期の3時期についてそれぞれの対応を説明する。尚、寒候期は、外部気温が0℃以下、暖候期は0℃以上とする。

0039

製氷期であるが、コンテナ4全てに水が貯水される。外気が0℃以下であれば、外気導入口1aと上部の内気排出口1bによって製氷が始まる。縦横に積載され水が満たされている貯氷水槽配置スペース5のコンテナ4の下部から潜熱を放出しながら水が凍っていく。貯氷水槽配置スペース5内は、氷と水の共存状態が存在するようになる。貯氷水槽配置スペース5内でできた湿り空気(温度0℃、湿度100%に近い)、ファン11によって、第一流路10に入り、貯蔵スペース3の最低部から導入される。上部には、内気排出口1bが設けられている。ファン11は、このような大規模の野菜貯蔵では非常に有効である。

0040

暖候期には、完全に外気導入口1aは閉じられ、貯氷水槽配置スペース5の空気が、その下部から、ファン11によって貯蔵スペース3内に送られる。貯氷水槽配置スペース5の上部の空気を貯蔵スペースの下段に引き込めるように成っている。第一流路10を通りファン11によって貯氷水槽配置スペース内の空気が貯蔵スペースに送り込まれる。貯蔵スペース3内の空気は、リターン開口12に戻り再利用される。外気温度が上昇しても、断熱と豊富な氷水に守られて、つまり、熱容量が大きいため、氷と水の共存状態がある限り、温度0℃、湿度100%の環境を保持できるのである。

0041

寒候期には、外気導入口1aを開け、潜熱が内気排出口1bから出てゆくため凍り始める。貯氷水槽配置スペース5上部の湿り空気は、第一流路10を通じて貯蔵スペース3内に送り込まれる。貯蔵スペース3内を通った空気は排気される。

0042

このようにして、本実施形態の貯蔵設備によれば、氷と水の共存状態を維持する限りにおいて恒久的に温度0℃、湿度90%以上の環境を提供するのである。

0043

図2に示したように、水と氷の共存状態が残っていればスペース内の温度は、0℃を保っているのである。貯蔵スペース3内の温度は、常に温度センサーにより監視されファン11により必要な0℃の空気を送風できるようにコントロールされている。野菜は、呼吸しているため熱を発生している。これと、地面が熱源になり0℃よりも少し高め、例えば、2℃程度に設定が可能である。しかし、野菜は、酸素を吸って炭酸ガスを排出しているため、貯蔵スペース3内の酸素が欠乏する。これを防ぐため、外気導入口1aからごく少量の新鮮な空気を断続的に導入する。その空気導入に伴う熱量は極めて微量であり貯蔵スペース3の温度に殆ど影響がない。本発明実施形態の貯蔵設備T2を用いれば、野菜の出荷は、周年、低温高湿度のために、いつでも、どれだけでも野菜や果物等の農作物を出荷できる。これにより、市場での野菜の価格安定化ができるという効果が期待できる。

0044

〔第3実施形態〕図6は、住宅に貯蔵設備T3を設置した一例である。尚、特に説明をしない部分の構成については、前記第1・2実施形態と同様のものである。断熱外殻1内には、外部に連通自在な第一貯氷水槽配置スペース5Aと、貯蔵スペース3と、第一貯氷水槽配置スペース5Aと貯蔵スペース3との間に配置した第二貯氷水槽配置ペース5Bとを設けて構成してある。また、前記第一貯氷水槽配置スペース5Aは、屋外に位置すると共に、前記貯蔵スペース3及び第二貯氷水槽配置スペース5Bは、屋内に位置するように断熱外殻1を形成してある。本実施形態においては、前記断熱外殻1は、立方体形状に形成してある。前記貯蔵スペース3には、氷の凍結・融解に耐えうるスチール製コンテナ4が段違いで設置されている。その上部には、水道水給水ノズル14があり、水を上部から自動的に給水できるようになっている。第一貯氷水槽配置スペース5Aの下部には、外気導入口1aが、その上部には内気排出口1bが、それぞれ開閉自在に設けられている。また、貯蔵スペースの上部には、出し入れ口7を設けてある。

0045

前記第一貯氷水槽配置スペース5Aでの製氷が終了すると、外気導入口1a、内気排出口1bは閉じられる。ファン11により第二貯氷水槽配置スペース5Bを通って0℃の空気が貯氷スペース3内に入る。貯蔵設備T3は断熱材で囲われているが、住宅の暖房熱によって貯蔵スペース3内は、暖められる方向に働く。その空気は、貯蔵スペース3の上部のリターン開口12を経由して、第一貯氷水槽配置スペース5A内に戻る。貯蔵スペース3内の温度は常に監視されており、温度コントロールは、ファン11、あるいは、給水ノズル14、第二貯氷水槽配置スペース下部に設置された冷凍機15によって実施することができる。

0046

このように、貯蔵スペース3に限りがある場合や、温暖な地域で製氷に必要な冬期間の冷熱源が不足している場合には、冷凍機15を設置して、氷の製氷を補うことも可能である。この冷凍機15の電力は、安価な深夜電力を用いて実施することができる。

0047

因みに、本実施形態によれば、貯氷水槽配置スペース5は、前記第一貯氷水槽配置スペース5Aと、第二両貯氷水槽配置スペース5Bとで構成してあるが、この構成により、前記貯蔵スペース3へ送られる空気の湿度をより高くすることが可能となると共に、製氷期において第一貯氷水槽配置スペース5A内の空気温度が氷点下の低い値であったとしても、第二貯氷水槽配置スペース5B内に送られた空気は、水の潜熱によって、0℃に近い状態に昇温させることが可能となり、より農作物の保存環境に適した冷蔵環境を維持することが可能となる。従って、本実施形態の貯蔵設備T3を用いれば、花の保存にも最適である。店舗内で、貯氷水槽配置スペースが不足している場合には、深夜電力を併用することにより、切り花、花の廃棄を極力減らすことが可能である。さらに、本発明を冬期から春先にかけてだけ使用するのであれば、貯氷水槽配置スペースには十分な冷水があるため、リターン開口12を住宅内への冷房に使用することも可能となる。

0048

〔第4実施形態〕図7・8は、大規模の野菜の省エネルギー冷気貯流型周年長期低温高湿度の貯蔵を可能とする貯蔵設備T4を示したものである。尚、特に説明をしない部分の構成については、前記第1・2・3実施形態と同様のものである。貯蔵設備T4の内部は、貯氷水槽配置スペース5が貯蔵スペース3の側方と下方とを取り囲む状態に配置され、両スペース5・3どうしは、断熱壁9によって区画されている。そして、内部空間Vの中央部には、断熱壁16によって前記貯蔵スペース3と区画された上下シャフト部17が形成してある。この上下シャフト部17の下端部は、前記貯氷水槽配置スペース5と連通状態に形成してある。また、上下シャフト部17の上端部には、開閉操作自在に内気排出口1bが形成してある。更には、上下シャフト部17の上下中間部には、ファン11が取り付けてある。このファン11は、その駆動による送風方向を正逆切り替え自在に形成してある。

0049

また、前記貯蔵スペース3の上方には、防露室13が形成してあり、貯蔵スペース3と防露室13との間の断熱壁18には、前記貯蔵スペース3内への農作物2の出し入れを行う出し入れ口7が、開閉操作自在に形成してある。

0050

一方、前記貯氷水槽配置スペース5の上端部には、外気導入口1aを開閉操作自在に形成してある。

0051

また、前記貯氷水槽配置スペース5と貯蔵スペース3との間の縦配置の断熱壁9には、上下中間部に、前記外気導入口1aから貯氷水槽配置スペース5内へ入ってきた外気の一部を、貯蔵スペース3内に取り入れ自在な第一開閉口19を設けてある。更には、貯蔵スペース3と前記上下シャフト部17との間の縦配置の断熱壁16には、貯蔵スペース3内の空気を前記上下シャフト部17へ排出自在な第二開閉口20と第三開閉口21とを、前記ファン11取り付け位置の上と下に各別に設けてある。尚、前記ファン11と第一開閉口19・第二開閉口20・第三開閉口21・外気導入口1a・内気排出口1bとで送風手段Wが構成してある。

0052

次に、当該貯蔵設備T4による製氷期と寒候期と暖候期の3時期についてそれぞれの対応を説明する。尚、寒候期は、外部気温が0℃以下、暖候期は0℃以上とする。

0053

製氷期であるが、図7に示すように、コンテナ4全てに水が貯水される。外気が0℃以下であれば、外気導入口1aと内気排出口1bとを開状態にして前記ファン11を内気を内気排出口側(以後、下手方向という)へ送る状態に駆動させることによって製氷が始まる。縦横に積載され水が満たされている貯氷水槽配置スペース5の上方のコンテナ4から潜熱を放出しながら水が凍っていく。貯氷水槽配置スペース5内は、氷と水の共存状態が存在するようになる。

0054

そして、寒候期には、図7に示すように、上述の製氷期の空気流通に合わせて、前記第一開閉口19・第三開閉口21をも開状態にすることにより、貯蔵スペース3内にもコンテナ4の水から適度に潜熱を奪い取った概ね0℃の低温空気が導入され、冷蔵状態を維持することができる。従って、この状態においては、前記外気導入口1aから内気排出口1bへ向かう空気の流れとしては、貯氷水槽配置スペース5から貯蔵スペース3を経て上下シャフト部17への流れと、貯氷水槽配置スペース5から上下シャフト部への流れとが並列に生じていることになる。尚、前記貯蔵スペース3内の温度が0℃を下回るような場合には、前記第一開閉口19・第三開閉口21を閉状態にすることによって適温を維持することが可能となる。

0055

暖候期には、図8に示すように、完全に外気導入口1a・内気排出口1bは閉じられる。そして、前記第一開閉口19・第二開閉口20とを開状態にすると共に、前記ファン11を前記下手方向とは逆方向に送風する状態に駆動させることによって、前記上下シャフト部17から貯氷水槽配置スペース5を経て0℃程度になった空気が、前記第一開閉口19から貯蔵スペース3内に供給され、貯蔵スペース3の室内温度を適度に維持することが可能となる。貯蔵スペース3内の空気は、第二開閉口20から上下シャフト部17に戻って循環する。因みに、前記ファン11の駆動によって発生する駆動熱は、微量ではあるが、前記貯氷水槽配置スペース5を通過するうちに冷却されるから、前記貯蔵スペース3内への悪影響を防止することが可能となる。従って、外気温度が上昇しても、断熱と豊富な氷水に守られて、つまり、熱容量が大きいため、氷と水の共存状態がある限り、温度0℃、湿度100%の環境を保持できるのである。また、前記ファン11による空気の流れによって、貯蔵スペース3内における温度分布の差を少なくすることができるので、特に、大規模な農作物の貯蔵に非常に有効である。

0056

このようにして、本実施形態の貯蔵設備によれば、氷と水の共存状態を維持する限りにおいて恒久的に温度0℃、湿度90%以上の環境を提供するのである。

0057

図2に示したように、水と氷の共存状態が残っていればスペース内の温度は、0℃を保っているのである。貯蔵スペース3内の温度は、常に温度センサーにより監視されファン11により必要な0℃の空気を送風できるようにコントロールされている。野菜は、呼吸しているため熱を発生している。これと、地面が熱源になり0℃よりも少し高め、例えば、2℃程度に設定が可能である。しかし、野菜は、酸素を吸って炭酸ガスを排出しているため、貯蔵スペース3内の酸素が欠乏する。これを防ぐため、外気導入口1aからごく少量の新鮮な空気を断続的に導入する。その空気導入に伴う熱量は極めて微量であり貯蔵スペース3の温度に殆ど影響がない。また、貯蔵スペース3内に入れられた農作物は、0℃環境において急速に冷蔵されるため、農作物の細胞組織収縮させると共に水分の蒸発や呼吸を抑え、品質劣化を防止することが可能となる。所謂、予冷(Pre−Cooling)を理想的に実現することが可能となる。本発明実施形態の貯蔵設備T4を用いれば、野菜の出荷は、周年、低温高湿度のために、いつでも、どれだけでも野菜や果物等の農作物を出荷できる。これにより、市場での野菜の価格安定化ができるという効果が期待できる。

0058

〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説明する。

図面の簡単な説明

0059

〈1〉 前記貯蔵対象物は、先の実施形態で説明した農作物に限るものではなく、例えば、牛肉豚肉鶏肉ブロイラー冷凍魚肉等であってもよく、それらを総称して貯蔵対象物という。また、貯蔵に関しては、冷蔵貯蔵に限らず、解凍貯蔵をも可能とするものである。
〈2〉 前記貯氷水槽は、先の実施形態で説明したプラスチック製やスチール製のコンテナに限るものではなく、他の金属や、セラミックスを使用したものや、合成樹脂袋体によって構成してあるものであってもよい。また、貯氷水槽としては、水表面積が大きくなるような形状、例えば、扁平形状に形成しておくことによって、貯蔵スペース内の空気と前記水との熱交換がし易くなり、効率よく製氷することが可能となる。
〈3〉貯蔵設備は、貯蔵スペース3内に貯蔵対象物2を収納している期間中、閉塞状態が続くことが多く、呼吸するような貯蔵対象物2を貯蔵する場合には、内部空間Vが酸欠状態になり易く、その防止策として、内部空間Vの酸素濃度自動計測し、その測定値所定値を下回る場合に新鮮外気を導入する制御機構を設けたり、タイマー制御によって定期的に新鮮外気を導入制御する制御機構を設けることが好ましい。
〈4〉 先の実施形態では、常温の貯蔵対象物2をそのまま貯蔵スペースに収納することを説明したが、例えば、図9に示すように、出し入れ口7付近に、貯蔵対象物2に低温空気や低温水を接触させて急冷を図る急冷手段Kを設けておけば、貯蔵対象物2を貯蔵スペース3に収納する前に急冷を図り、貯蔵対象物2の鮮度を維持しやすくなる。
〈5〉 前記製氷装置Sは、先の実施形態で説明したように、貯蔵設備専用に使用するものに限らず、例えば、図10に示すように、例えば、建物Bに併設し、寒候期に製氷した氷の冷熱を、暖候期の建物冷房の一つの手段として利用することも可能である。もちろん、貯氷水槽配置スペース5を広く確保できる場合には、大量の氷を製氷し、貯蔵設備と建物冷房設備との両方に、前記貯氷水槽配置スペース5の冷熱を利用することが可能となる。

--

0060

図1水の潜熱を示す説明図
図2水の熱量と温度との関係を示す説明図
図3製氷の概念を示す説明図
図4第一実施形態の貯蔵設備を示す説明図(イ)・・平面図 (ロ)・・側面視断面図
図5第二実施形態の貯蔵設備を示す説明図(イ)・・平面図 (ロ)・・側面視断面図
図6第三実施形態の貯蔵設備を示す側面視概念図
図7第四実施形態の貯蔵設備を示す側面視概念図
図8第四実施形態の貯蔵設備を示す側面視概念図
図9別実施形態の貯蔵設備を示す概念図
図10別実施形態の貯蔵設備を示す概念図

0061

1断熱外殻
1a外気導入口
1b内気排出口
2貯蔵対象物
3貯蔵スペース
4 貯氷水槽
5 貯氷水槽配置スペース
6荷役設備
7出し入れ口
V 内部空間
W送風手段

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