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技術 ジクロロスズフタロシアニン化合物および、その製造法とそれを用いた電子写真感光体

出願人 山梨電子工業株式会社
発明者 佐野正樹鈴木一小泉俊彦鈴木宏記
出願日 1998年3月31日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-103553
公開日 1999年10月19日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 1999-286618
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体 窒素含有縮合複素環(3) 染料
主要キーワード 光応答速度 被覆機 電荷移動層用塗布液 繰り返し疲労 ダイナミックモード 有機電荷移動錯体 局部電界 帯電保持率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年10月19日)のものです。
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図面 (9)

課題

解決手段

下記一般式[I]、

化1

(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子ニトロ基、又はシアノ基であり、他は水素H又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)で表される単環式化合物を主成分とする溶媒中で、スズ化合物とo-フェニレン化合物を合成し、ジクロロスズフタロシアニン化合物を得る。CuKαのX線回折は、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有している。面間隔が小さいため、取り込まれる不純物が少なくなっている。

概要

背景

数多くの有機材料のうち、色素は、長い共役π電子系から構成されており、分子電荷移動構造をとり、光機能材料としての特性を示すことが知られている。特に、フタロシアニン系化合物は、熱的、光的に安定で、合成も比較的容易な扱い易い色素であるため、活発な研究がなされている。

下記化学式(Mは金属を表す)、

概要

電子写真特性に優れたジクロロスズフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体を提供する。

下記一般式[I]、

(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子ニトロ基、又はシアノ基であり、他は水素H又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)で表される単環式化合物を主成分とする溶媒中で、スズ化合物とo-フェニレン化合物を合成し、ジクロロスズフタロシアニン化合物を得る。CuKαのX線回折は、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有している。面間隔が小さいため、取り込まれる不純物が少なくなっている。

目的

本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創作されたものであり、その目的は、高感度で、繰り返し使用時の電位定性、及び、光疲労に優れた、新規結晶性ジクロロスズフタロシアニン化合物、及びその製造法、それを用いた電子写真感光体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

CuKαのX線回折において、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であることを特徴とするジクロロスズフタロシアニン化合物

請求項2

CuKαのX線回折において、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有することを特徴とするジクロロスズフタロシアニン化合物。

請求項3

請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法であって、下記一般式[I]で表される単環式化合物を主成分とする溶媒を用いて合成することを特徴とするジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法。

請求項

ID=000004HE=030 WI=061 LX=0295 LY=1250(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子F,Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基であり、他は水素又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)

請求項4

前記単環式化合物にニトロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼンを用いることを特徴とする請求項3記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法。

請求項5

スズ化合物と、o−フェニレン化合物とを前記溶媒中で反応させることを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法。

請求項6

前記スズ化合物に四塩化スズを用い、前記o−フェニレン化合物はフタロジニトリルを用いることを特徴とする請求項5記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法。

請求項7

基体と、少なくとも前記基体上に形成された感光層とを有し、前記感光層には、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物が含有されていることを特徴とする電子写真感光体

技術分野

0001

本発明はジクロロスズフタロシアニン化合物とその製造方法、及びそのジクロロスズフタロシアニン化合物を感光層中に含有する電子写真感光体に関する。

背景技術

0002

数多くの有機材料のうち、色素は、長い共役π電子系から構成されており、分子電荷移動構造をとり、光機能材料としての特性を示すことが知られている。特に、フタロシアニン系化合物は、熱的、光的に安定で、合成も比較的容易な扱い易い色素であるため、活発な研究がなされている。

0003

下記化学式(Mは金属を表す)、

0004

0005

で表されるようなフタロシアニン化合物は、780nm前後の波長を有するレーザ光或いはLED光に対して強く安定した感度を示すことが知られており、フタロシアニン化合物を用いた有機電子写真感光体が実用に供されている。

0006

フタロシアニン化合物の場合、大環状π電子系の中心に金属イオン配位した構造であり、中心金属交換することで光機能的な特性を制御することが可能である。

0007

フタロシアニン化合物の分子構造は、リジット円盤状という単純なものであるが、分子の積み重なり方の違いにより結晶状態では多型を示し、それによっても光機能的な特性が変化する。

0008

フタロシアニン化合物の結晶型は、製造方法、熱、機械的剪断力有機溶剤硫酸などの処理により転移することが知られている。例えば、銅フタロシアニンには、α型、β型、γ型、ε型、π型、χ型、ρ型、δ型等があり、無金属フタロシアニンではτ型、χ型、ε型等がある。

0009

ジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶型に注目した発明には、特開平5−140472号公報があり、同号公報には、X線回折スペクトルが、2θ(±0.2°)=8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°、25.5°あるいは、9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°、25.3°に強い回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン化合物が記載されている。

0010

また、特開平6−228453号公報においては、2θ(±0.2°)=8.4°、10.6°、12.2°、13.8°、16.0°、16.5°、17.4°、19.1°、22.4°、28.2°、30.0°、あるいは、8.4°、11.2°、14.6°、15.6°、16.9°、18.6°、19.6°、25.7°、27.2°、28.5°に強い回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン化合物が記載されている。

0011

これらの結晶型の違いは、電子写真特性(帯電性、感度、環境変動時あるいは耐久時の電位定性など)や塗料化した場合の溶媒への分散性に大きな影響を及ぼすと考えられる。

0012

電子写真プロセスの中で、電子写真感光体に求められる電気的・光学的特性には、受容電位、電荷保持性光感度残留電位光応答速度分光感度といった基本的特性はもとより、環境変動時・繰り返し使用時の電位安定性あるいは光疲労といった品質が、画像カブリ濃度変化を防止する意味で重要であるが、上記のジクロロスズフタロシアニン化合物では、それらを満足させる有機電子写真感光体は得られていない。

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創作されたものであり、その目的は、高感度で、繰り返し使用時の電位安定性、及び、光疲労に優れた、新規結晶性ジクロロスズフタロシアニン化合物、及びその製造法、それを用いた電子写真感光体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

X線回折において、X線の波長λ(=1.54Å)、入射角θ結晶面間隔dとの間には次式成立する。
2・d・sin(θ) = λ
上式から、回折ピークが低角で観察されるほど面間隔dは大きい。

0015

従来のジクロロスズフタロシアニン化合物には、2θ=8°〜9°の範囲に最大クラスの回折ピークがある、即ち、面間隔が大きいために不純物を取り込みやすい。このような化合物を用いると、感光層を形成した段階で空位、転移といった不純物準位を形成し、キャリヤトラップすると局部電界を形成する。すると、帯電保持性が低下したり、残留電位が上昇し、画像上カブリ、濃度変化などの問題を引き起こしてしまう。

0016

それを解決する手段としては、ジクロロスズフタロシアニン化合物の精製度を高め、高純度にすることが考えられるが、より抜本的な改善方法として、面間隔を小さくし、結晶中に不純物が取り込まれないようにすることが重要であると考えられる。

0017

一方、感光体の感度は、キャリヤ発生効率が高いと増感するが、励起子解離によるキャリヤの発生は、主として顔料粒子表面近傍で起こるため、比表面積の大きい微細粒子ほど高感度になる。察するに、結晶格子を小さくすることは、粒子の比表面積を増大させ増感につながると考えられる。

0018

本発明は、上記知見に基き、鋭意研究を重ねた結果得られたものであり、請求項1記載の発明は、ジクロロスズフタロシアニン化合物であって、CuKαのX線回折において、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であることを特徴とする。

0019

請求項2記載の発明は、ジクロロスズフタロシアニン化合物であって、CuKαのX線回折において、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、かつ、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°にピークを有することを特徴とする。

0020

また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法であって、下記一般式[I]で表される単環式化合物を主成分とする溶媒を用いて合成することを特徴とする。

0021

0022

(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子F,Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基であり、他は水素又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)
前記単環式化合物には、請求項4記載の発明のように、ニトロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼンを用いることができる。

0023

更に、請求項5記載の発明のように、請求項3又は請求項4のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物の製造方法については、スズ化合物と、o−フェニレン化合物とを前記溶媒中で反応させることができる。なお、o−フェニレン化合物は、下記一般式[II]、

0024

0025

で示すことができる(R1、R2の両方とも水素ではない。)。一般式[II]の化合物として、例えば、下記化学式で表される、フタロジニトリル無水フタル酸フタルイミド等が含まれる。

0026

0027

0028

0029

それらのo−フェニレン化合物のうち、フタロジニトリルを用いる場合には、請求項6記載の発明のように、スズ化合物に四塩化スズを用いることができる。

0030

また、請求項7記載の発明のように、基体と、少なくとも前記基体上に形成された感光層とを有する電子写真感光体については、前記感光層には、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のジクロロスズフタロシアニン化合物を含有させることができる。

0031

以上説明したように、特定の高沸点かつ電子受容性溶媒中で合成することにより、2θ=5°〜9°の低角にピークを持たず、結晶格子の小さいジクロロスズフタロシアニン化合物の開発に成功しており、該ジクロロスズフタロシアニン化合物を使うことにより、高感度で、繰り返し使用時の電位安定性及び、光疲労の優れた電子写真感光体を得ることができた。

発明を実施するための最良の形態

0032

本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物の構造の一例は、下記化学式で表され、

0033

0034

それをX線回折した場合、X線回折結果は、例えば図1X線回折図で示される。特徴として2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下となっており、また、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°に明瞭なピークを有している。

0035

このようなジクロロスズフタロシアニン化合物は、高沸点でしかも電子受容性溶媒中で合成することにより得られる。その溶媒は、下記化学式、

0036

0037

(式中、R1〜R6の少なくとも1つはハロゲン原子F,Cl,Br,I、ニトロ基、又はシアノ基であり、他は水素又はベンゼン環を有さない有機化合物を表す。)で示される物質で、例えばフタロニトリル塩化スズを反応させる反応の溶媒は、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼンクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。

0038

それらを単独で用いてもよいし、溶媒の置換基組合せにより電子受容性を変えて、電子写真感光体の特性を改良することができる。またこれらの溶媒は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。原料のフタロニトリルのかわりにフタルイミドや無水フタル酸や、塩化スズのかわりに有機スズ化合物を用いることもできる。このようにして、本発明の化合物は製造できる。

0039

本発明の電子写真感光体は、特定のX線回折スペクトルを有する本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物を電荷発生物質として基体上の感光層に含有させてなるものである。

0040

図2及び図3は、本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態の構成を示す断面図である。

0041

図2の符号1は、本発明に適用可能な機能分離型の電子写真感光体を示したものであり、導電性の基体11上に、電荷発生層12と電荷移動層13とがこの順で形成されており、これら電荷発生層12と電荷移動層13とによって感光層14が構成されている。

0042

電荷発生層12の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物を電荷発生物質として用い、バインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、基体11上に塗布し、乾燥させて形成することができる。

0043

電荷移動層13は、少なくとも後述する電荷移動物質を有するものであり、この電荷移動層13は、例えば、電荷発生層12上に電荷移動剤をバインダー樹脂を用いて結着することにより形成することができる。

0044

電荷移動層13の形成方法としては、公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通常の場合、電荷移動物質をバインダー樹脂とともに適当な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、電荷発生層12上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。

0045

なお、図2において、電荷発生層12と電荷移動層13を上下逆に積層させることもできる。

0046

図3の符号2は、本発明に適用可能な単層型の電子写真感光体を示したものであり、基体21上に、電荷発生物質と電荷移動物質とを含有させた感光層24が形成されている。

0047

この電子写真感光体2は、基体21の上に本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物が電荷発生物質として用いられ、後述する電荷移動物質とバインダー樹脂と共に混合、分散された塗布液を、基体21上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができる。

0048

上述した電子写真感光体1、2に用いることができる基体11、21は、アルミニウム真鍮ステンレス鋼ニッケルクロムチタン、金、銀、銅、錫、白金モリブデンインジウム等の金属単体やその合金加工体を用いることができる。

0049

上記金属や炭素等の基体表面に、更に蒸着メッキ等により、導電性物質薄膜を形成してもよい。基体自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電性プラスチック板およびフィルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導電性を持たせてもよい。

0050

更に、基体にガラスを用いる場合、その表面に、酸化錫酸化インジウムヨウ化アルミニウム被覆し、導電性を持たせてもよい。

0051

その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使用して基体11、21を構成することができる。

0052

一般に基体11、12としては、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、またはアルミニウム管上に樹脂層を形成したものがよく用いられる。この樹脂層は接着上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂ポリカーボネート樹脂ポリウレタン樹脂塩化ビニル樹脂酢酸ビニル樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリアミド樹脂ナイロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物カーボンシリカ樹脂粉末等を分散させることもできる。更に、特性改善のために各種顔料電子受容性物質電子供与性物質等を含有させることもできる。

0053

電荷発生物質としては、適切な光感度波長や増感作用を得るために、本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物とともに、アゾ顔料オキシチタニウムフタロシアニンなどを混合させることもできる。これらは、感度の相性が良い点で望ましいが、それに限定されるものではない。その他、例えば、他のフタロシアニン顔料モノアゾ顔料ビスアゾ顔料トリスアゾ顔料ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料キナクリドン顔料ピリリウム塩等を用いることができる。

0054

感光層14、24を形成するためのバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂フラン樹脂ニトリル樹脂アルキッド樹脂ポリアセタール樹脂ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂ポリスルホン樹脂ポリエーテルスルホン樹脂ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂フェノール樹脂EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。

0055

それらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度耐摩耗性を改善できて好ましい。

0059

また、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドポリアクリロニトリルポリメタクリル酸等の高分子化合物Liイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。

0060

なお、本発明の電子写真感光体1、2を製造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤紫外線吸収剤ラジカル捕捉剤軟化剤硬化剤架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性機械特性の向上を図ることができる。さらに、分散安定剤、沈降防止剤色分かれ防止剤レベリング剤消泡剤増粘剤艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。

0061

加えて、感光層14、24の上に、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。

0062

以下、本発明を実施例と比較例により詳しく説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれに限定されるものではない。

0063

<合成例1>o−フタロニトリル50g(0.39mol)、四塩化スズ33g(0.13mol)、ニトロベンゼン200mlの混合物を190℃で3時間反応させた。室温まで冷却し、濾過後メタノールで洗浄した。ここに得られたケーキをニトロベンゼン420mlに加えて200℃で30分間熱懸洗を行い150〜160℃で温時濾過した。このケーキをN,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、メタノール及びアセトンで洗浄し、44%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物を得た。得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図1に示すようなX線回折図が得られた。

0064

そのX線回折図は、2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下となっており、また、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°に明瞭なピークを有している。

0065

また、元素分析値は次の通りであり、理論値との比較から、得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は、下記化学式で表されることが確認された。

0066

0067

0068

<合成例2>合成例1の操作において、ニトロベンゼンの代わりにo−ジクロロベンゼン、反応温度を170℃で他の操作は合成例1と同様にして、12%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。

0069

元素分析は次の通りであり、合成例1と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られていることが確認された。

0070

ID=000022HE=015 WI=070 LX=0250 LY=0700
得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図4に示すようなX線回折図が得られた。

0071

2θ(±0.2°)=10.5°に最大ピークを有し、2θ=5°〜9°の範囲のピーク強度が、2θ(±0.2°)=10.5°のピーク強度の10%以下であり、2θ(±0.2°)=17.4°、19.7°、26.7°、27.4°に明瞭なピークを有しており、合成例1と同じ結晶型であった。

0072

<比較合成例1>合成例1の操作において、ニトロベンゼンの代わりにN−メチル−2−ピロリドンを用い、他の操作は合成例1と同様にして、18%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。

0073

元素分析は次の通りであり、合成例1と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られていることが確認された。

0074

ID=000023HE=015 WI=070 LX=0250 LY=1750
得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図5に示すようなX線回折図が得られた。

0075

2θ(±0.2°)=8.4°、11.2°、14.4°、15.5°、16.9°、18.5°、19.5°、25.6°、27.0°、28.5°に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は、合成例1、2のものとは異なった結晶型であることが確認された。

0076

<比較合成例2>合成例1の操作において、ニトロベンゼンの代わりにテトラリンを用い、他の操作は合成例1と同様にして、48%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。

0077

元素分析は次の通りであり、合成例1、2と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られていることが確認された。

0078

0079

得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図6に示すようなX線回折図が得られた。

0080

2θ(±0.2°)=8.4°、10.5°、12.2°、13.8°、22.4°、28.3°に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は、合成例1、2のものとは異なった結晶型であることが確認された。

0081

<比較合成例3>合成例1の操作において、ニトロベンゼンの代わりにキノリンを用い、他の操作は合成例1と同様にして、36%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。

0082

元素分析は次の通りであり、合成例1、2と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られていることが確認された。

0083

ID=000025HE=015 WI=070 LX=1150 LY=1250
得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図7に示すようなX線回折図が得られた。

0084

2θ(±0.2°)=8.5°、10.7°、12.2°、13.8°、16.0°、17.0°、17.6°、22.4°、28.3°に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は、合成例1、2のX線回折図とは異なった結晶型であることが確認された。

0085

<比較合成例4>合成例1の操作において、ニトロベンゼンの代わりに1—クロロナフタレンを用い、他の操作は合成例1と同様にして、31%の収率でジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を得た。

0086

元素分析は次の通りであり、合成例1、2と同じ化学式のジクロロスズフタロシアニン化合物が得られていることが確認された。

0087

ID=000026HE=015 WI=070 LX=1150 LY=2250
得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は結晶性があり、その粉末をX線回折したところ、図8に示すようなX線回折図が得られた。

0088

2θ(±0.2°)=8.4°、11.2°、14.5°、16.9°、19.6°、27.2°、28.6°に明瞭なピークを有しており、得られたジクロロスズフタロシアニン化合物は、合成例1、2のものとは異なった結晶型であることが確認された。

0089

<実施例1>電荷発生物質として、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物1.0gと下記一般式、

0090

0091

で表されるアゾ顔料4.13gを、混合溶媒(クロロホルム190ml/メチルエチルケトン40ml)中で、ガラスビーズ90mlとともに、ボールミルで20時間分散した。混合溶媒は、あらかじめ結着樹脂ポリカーボネート5.0gを溶解しておいた。この分散液に、結着樹脂ポリカーボネート20g、及び電荷輸送物質として下記化学式、

0092

0093

と下記化学式、

0094

0095

で表されるアミン化合物の混合物25gを加えて溶解し、感光層形成用塗布液とした。この塗布液をアルミニウム基板上に浸漬コーティング法で塗工し、加熱乾燥し、約25μmの単層型の電子写真感光体を作成した。

0096

<実施例2>実施例1で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、他の条件は全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0097

<比較例1>実施例1の電子写真感光体を製造した条件において、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の結晶を用い、他の条件全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0098

<比較例2>実施例1の電子写真感光体を製造した条件において、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして感光体を作成した。

0099

<比較例3>実施例1の電子写真感光体を製造した条件において、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに、比較合成例3で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0100

<比較例4>実施例1の電子写真感光体を製造した条件において、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに、比較合成例4で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0101

<評価1>上記の様に作成した電子写真感光体を、以下の条件で電子写真特性を評価した(ダイナミックモード特性)。

0102

先ず、5.5kVのコロナ放電を行って正帯電せしめ、10秒間暗所放置した後の帯電保持率を測定した(初期電荷保持率)。続いて除電、帯電、露光を行い、表面電位が700vから350vに半減する露光量(半減露光量:μJ/cm2)および2.0μJ/cm2露光時の表面電位を測定した。露光波長は780nmで行った。半減露光量は、電子写真感光体の感度を示す値であり、2.0μJ/cm2露光時の表面電位は電子写真感光体の残留電位と見ることができる。引き続き、5.5kVのコロナ放電を行った後の表面電位を測定し初期帯電電位とした。更に、帯電−露光−除電を300回繰り返し疲労実験後の帯電電位、帯電保持率、感度、残留電位を測定した。結果を表1に示す。

0103

0104

電子写真の特性上、電荷保持率の値は大きいほど優れており、感度及び残留電位の値は小さいほど優れている。また、繰り返し疲労試験前後に於いては、電荷保持率の変化量や帯電の変化量が少ない程繰り返しによる劣化が少ないことになる。上記表1から分かるように、実施例1、2は、比較例1〜4に比べて変化量は明らかに少なくなっており、長寿命の電子写真感光体が得られたことが分かる。

0105

<評価2>上記の様に作成した電子写真感光体を、3000luxの白色光に10分間さらした後、帯電性を測定した。結果を表2に示す。

0106

0107

上記表2から分かるように、実施例1、2は、比較例1〜4よりも白色光暴露前後の電位変化量ΔVが明らかに小さくなっている。従って、本発明によれば、光疲労に優れた電子写真感光体が得られることが分かる。

0108

<実施例3>電荷発生物質として、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン12.6gを、あらかじめ結着樹脂ポリビニルブチラール6.3gを溶解しておいた分散溶媒シクロヘキサノン中で、ガラスビース230mlとともに、ボールミルで20時間分散し、電荷発生層用塗布液とした。

0109

その電荷移動層用塗布液は、電荷移動物質として下記化学式、

0110

0111

で表されるブタジエン化合物と、結着樹脂ポリカーボネートをクロロホルム中に溶解して得る。この塗布液をアルミニウム基板上に電荷発生層、電荷移動層の順に浸漬コーティング法で塗工し、加熱乾燥して積層型の電子写真感光体を作成した。

0112

<実施例4>実施例3で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0113

<比較例5>実施例3で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0114

<比較例6>実施例3で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例2で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0115

<比較例7>実施例3で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例3で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0116

<比較例8>実施例3で、合成例1で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物の代わりに比較合成例4で得られたジクロロスズフタロシアニン化合物を用い、全て同様にして電子写真感光体を作成した。

0117

<評価3>上記の様に作成した電子写真感光体の特性評価を<評価1>と同様に行った。但し、電荷移動物質であるブタジエン化合物が、正孔移動性であることから、帯電は負極性で行った。結果を表3に示す。

0118

0119

上記表3から分かるように、実施例1、2は、比較例1〜4に比べて、電荷保持率の変化量や帯電の変化量が明らかに少なくなっており、長寿命の電子写真感光体が得られたことが分かる。

発明の効果

0120

本発明のジクロロスズフタロシアニン化合物は、繰り返し使用での帯電の落ち込み、残留電位上昇が小さく、また高感度である。

図面の簡単な説明

0121

図1ニトロベンゼンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
図2積層型電子写真感光体の一例を示す断面図
図3単層型電子写真感光体の一例を示す断面図
図4o−ジクロロベンゼンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
図5N−メチル−2−ピロリドンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
図6テトラリンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
図7キノリンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図
図81−クロロナフタレンを溶媒に用いて合成したジクロロスズフタロシアニンのX線回折図

--

0122

1、2……電子写真感光体
11、21・・・基体
12・・・電荷発生層
13・・・電荷移動層
14、21・・・感光層

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