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技術 連続鋳造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 伊藤義起
出願日 1998年4月3日 (22年3ヶ月経過) 出願番号 1998-091151
公開日 1999年10月19日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 1999-285797
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造
主要キーワード 超音波印加装置 偏差率 厚み方向中心 シームレスパイプ 内部浸透性 熱間圧延用素材 硬鋼線材 大径鋼管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年10月19日)のものです。
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図面 (5)

課題

中心偏析センターポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片の製造が可能な連続鋳造方法の提供。

解決手段

圧下時の未凝固部厚さ、未凝固圧下ロール径等から、下記式によって求められる内部圧下比εが0.5〜3.0の範囲で未凝固圧下する鋼の連続鋳造方法。

ε=L/(η/100×R)

ここで、Lは、圧下時の未凝固厚さ(mm)、ηは、内部浸透度(%)、Rは、未凝固部圧下量(mm)

概要

背景

鋼の連続鋳造においては、鋳片の中心部に中心偏析センターポロシティ(以下、単にポロシティと記す)等の内部欠陥が発生しやすい。このような鋳片を圧延しても、内部品質の良い圧延製品は得られない。

たとえば、硬鋼線材(以下、線材と記す)の製造用鋳片の中心偏析やポロシティは、熱間圧延後の線材の中心部にも欠陥として残存する。このような線材を冷間で伸線加工すると、カッピー断線といわれる事故が発生することがある。また、このような鋳片を熱間圧延し、棒鋼(以下、棒鋼と記す)に加工した場合にも棒鋼の中心部に欠陥として残存する。この棒鋼を冷間で押し出し加工する際に、シェブロンクラックといわれる欠陥が発生することがある。

また同様に、連続鋳造から圧延工程または鍛造工程を経て、マンネスマン法シームレスパイプ(以下、単にパイプと記す)を製造する場合に、鋳片にポロシティがあれば、パイプに内面疵が発生することがある。さらに、厚板用の鋳片の中心偏析やポロシティは、製品厚板(以下、単に厚板と記す)に残存し、溶接継手に加工した際に継手部の靱性低下の原因となる場合がある。また、厚板から曲げ加工後溶接して製造されるサワーガス輸送用大径鋼管にも、その欠陥が残存し、水素誘起割れの原因となることがある。

中心偏析とは、鋳片の厚み方向中心部にC、S、PおよびMnなどの偏析成分濃化することであり、凝固の進行に伴い濃化した溶鋼が、凝固の際の収縮ロールバルジング等により最終凝固部である鋳片中心部に移動、集積し、そのまま凝固することにより発生する。

ポロシティは、最終凝固部では濃化溶鋼流動しにくいので、収縮によって生じる狭い隙間に溶鋼が補給されずに凝固が完了するために発生する。

したがって、これら中心偏析およびポロシティの防止対策として、濃化した未凝固溶鋼の移動、集積を抑制するために、最終凝固部付近をロールまたは金型などで圧下する方法等が提案されている。

代表的な方法として、鋳片の未凝固軽圧下法がある。鋳片の未凝固部にロールによる凝固収縮分相当の鋳片厚みの圧下を行う、いわゆる軽圧下を施し、凝固収縮やロール間バルジングによって生じる最終凝固部への濃化溶鋼の流動を極力抑え、中心偏析やポロシティの低減を図るものである。

特開昭61−42460号公報には、最終凝固部の鋳造方向上流側に設定した電磁攪拌装置あるいは超音波印加装置を用いて強制的に溶鋼を流動させ、凝固した柱状晶を切断することにより最終凝固部付近に等軸晶を形成させた上で、最終凝固部直前に配置した圧下ロールにより、凝固収縮相当量以上の3mmから20mm程度の圧下を与えて、強制的に凝固完了点を形成し、鋳片内部割れを発生させることなく中心偏析を防止する方法が提示されている。

また、特開平3−124352号公報には、鋳片の厚さの2〜5倍の直径を有するロールで最終凝固部を圧下し、中心偏析やポロシティを低減する方法が提示されている。

しかし、上記特開昭61−42460号公報、特開平3−124352号公報のような従来の未凝固圧下方法には、下記のような問題がある。

線材、棒鋼、パイプ、厚板等に用いる鋼では、未凝固圧下に伴う内部割れが鋳片に発生しやすく、この内部割れが製品の欠陥となる場合がある。

鋳片の内部割れの発生を防止するために、1対のロール当たりの未凝固圧下量を小さくすると、中心偏析やポロシティの低減が不十分となるばかりでなく、多数の圧下ロールを必要とするため、設備費が高くなる。

概要

中心偏析、センターポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片の製造が可能な連続鋳造方法の提供。

圧下時の未凝固部厚さ、未凝固圧下ロール径等から、下記式によって求められる内部圧下比εが0.5〜3.0の範囲で未凝固圧下する鋼の連続鋳造方法。

ε=L/(η/100×R)

ここで、Lは、圧下時の未凝固厚さ(mm)、ηは、内部浸透度(%)、Rは、未凝固部圧下量(mm)

目的

本発明は、炭素鋼ステンレス鋼高合金鋼等の連続鋳造において、中心偏析、ポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片が得られる連続鋳造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鋼の連続鋳造鋳片の未凝固部を、下記(1)式で表される内部圧下比εが0.5〜3.0となるように圧下することを特徴とする連続鋳造方法。ε=L/{(η/100)×R} ・・・(1)ここで、η=Σ(an×Sn)×(D/210)bLは、圧下時の未凝固部厚さ(mm)ηは、内部浸透度(%)Rは、未凝固部圧下量(mm)Sは、鋳片横断面における未凝固部の面積比率(%)nは、0、1、2an は、a0 、a1 、a2 でa0=24.6、a1=−0.9、a2=0.3Dは、未凝固部圧下ロール径(mm)b=0.033×{鋼のC含有率(重量%)}+0.55

請求項2

鋳片の完全凝固後、さらに圧下することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。

技術分野

0001

本発明は、炭素鋼ステンレス鋼高合金鋼等の連続鋳造方法に関し、さらに詳しくは、中心偏析センターポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片の連続鋳造方法に関する。

背景技術

0002

鋼の連続鋳造においては、鋳片の中心部に中心偏析やセンターポロシティ(以下、単にポロシティと記す)等の内部欠陥が発生しやすい。このような鋳片を圧延しても、内部品質の良い圧延製品は得られない。

0003

たとえば、硬鋼線材(以下、線材と記す)の製造用鋳片の中心偏析やポロシティは、熱間圧延後の線材の中心部にも欠陥として残存する。このような線材を冷間で伸線加工すると、カッピー断線といわれる事故が発生することがある。また、このような鋳片を熱間圧延し、棒鋼(以下、棒鋼と記す)に加工した場合にも棒鋼の中心部に欠陥として残存する。この棒鋼を冷間で押し出し加工する際に、シェブロンクラックといわれる欠陥が発生することがある。

0004

また同様に、連続鋳造から圧延工程または鍛造工程を経て、マンネスマン法シームレスパイプ(以下、単にパイプと記す)を製造する場合に、鋳片にポロシティがあれば、パイプに内面疵が発生することがある。さらに、厚板用の鋳片の中心偏析やポロシティは、製品厚板(以下、単に厚板と記す)に残存し、溶接継手に加工した際に継手部の靱性低下の原因となる場合がある。また、厚板から曲げ加工後溶接して製造されるサワーガス輸送用大径鋼管にも、その欠陥が残存し、水素誘起割れの原因となることがある。

0005

中心偏析とは、鋳片の厚み方向中心部にC、S、PおよびMnなどの偏析成分濃化することであり、凝固の進行に伴い濃化した溶鋼が、凝固の際の収縮ロールバルジング等により最終凝固部である鋳片中心部に移動、集積し、そのまま凝固することにより発生する。

0006

ポロシティは、最終凝固部では濃化溶鋼流動しにくいので、収縮によって生じる狭い隙間に溶鋼が補給されずに凝固が完了するために発生する。

0007

したがって、これら中心偏析およびポロシティの防止対策として、濃化した未凝固溶鋼の移動、集積を抑制するために、最終凝固部付近をロールまたは金型などで圧下する方法等が提案されている。

0008

代表的な方法として、鋳片の未凝固軽圧下法がある。鋳片の未凝固部にロールによる凝固収縮分相当の鋳片厚みの圧下を行う、いわゆる軽圧下を施し、凝固収縮やロール間バルジングによって生じる最終凝固部への濃化溶鋼の流動を極力抑え、中心偏析やポロシティの低減を図るものである。

0009

特開昭61−42460号公報には、最終凝固部の鋳造方向上流側に設定した電磁攪拌装置あるいは超音波印加装置を用いて強制的に溶鋼を流動させ、凝固した柱状晶を切断することにより最終凝固部付近に等軸晶を形成させた上で、最終凝固部直前に配置した圧下ロールにより、凝固収縮相当量以上の3mmから20mm程度の圧下を与えて、強制的に凝固完了点を形成し、鋳片内部割れを発生させることなく中心偏析を防止する方法が提示されている。

0010

また、特開平3−124352号公報には、鋳片の厚さの2〜5倍の直径を有するロールで最終凝固部を圧下し、中心偏析やポロシティを低減する方法が提示されている。

0011

しかし、上記特開昭61−42460号公報、特開平3−124352号公報のような従来の未凝固圧下方法には、下記のような問題がある。

0012

線材、棒鋼、パイプ、厚板等に用いる鋼では、未凝固圧下に伴う内部割れが鋳片に発生しやすく、この内部割れが製品の欠陥となる場合がある。

0013

鋳片の内部割れの発生を防止するために、1対のロール当たりの未凝固圧下量を小さくすると、中心偏析やポロシティの低減が不十分となるばかりでなく、多数の圧下ロールを必要とするため、設備費が高くなる。

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、炭素鋼、ステンレス鋼、高合金鋼等の連続鋳造において、中心偏析、ポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片が得られる連続鋳造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明の要旨は、下記の(1)および(2)に示す連続鋳造方法にある。

0016

(1)鋼の連続鋳造鋳片の未凝固部を、下記(1)式で表される内部圧下比εが0.5〜3.0となるように圧下することを特徴とする連続鋳造方法。

0017

ε=L/{(η/100)×R} ・・・(1)
ここで、η=Σ(an×Sn)×(D/210)b ・・・(2)
Lは、圧下時の未凝固部厚さ(mm)
ηは、内部浸透度(%)
Rは、未凝固部圧下量(mm)
Sは、鋳片横断面における未凝固部の面積比率(%)
nは、0、1、2
an は、a0 、a1 、a2 でa0=24.6、a1=−0.9、a2=0.3
Dは、未凝固部圧下ロール径(mm)
b=0.033×{鋼のC含有率(重量%)}+0.55
(2)鋳片の完全凝固後、さらに圧下することを特徴とする上記(1)に記載の連続鋳造方法。

0018

図5は、本発明の未凝固圧下法の概念を、断面形状が丸形状の鋳片(以下、丸鋳片と記す)により説明するための図である。同図(a)は、鋳片の圧下状態を示す縦断面図であり、同図(b)は、同図(a)中のI−I’線における鋳片の断面図である。

0019

図5(a)において、未凝固圧下装置29は、未凝固部27のある鋳片28を圧下する上下一対の未凝固圧下水平ロール32を備えている。圧下の際には、未凝固部厚さ(以下、未凝固厚と記す)Lの鋳片を、直径Dの未凝固圧下のロールを使用して未凝固部圧下量(以下、未凝固圧下量と記す)Rだけ圧下する。

0020

ここで、未凝固厚Lは、固相率が0.99以下の領域の厚さである。符号33は、固相率0.99の線である。固相率は、鋳片の各位置での温度を伝熱凝固解析により求め、その結果と、その鋼の固有液相線温度固相線温度とから求めることができる。

0021

図5(b)に示した丸鋳片では、未凝固厚Lは、ほぼ丸形の未凝固部の直径を意味する。断面が丸形以外の正方形または矩形の断面の鋳片の場合には、未凝固厚Lは、鋳片の未凝固部厚みそのものである。矩形の場合は、長辺側の固相率0.99を超える凝固殻同士の間の未凝固部厚みのことである。

0022

本発明では、内部圧下比εが0.5〜3.0の条件で圧下する。この内部圧下比εは、上記(1)式に示すとおり未凝固厚Lと、内部浸透度ηを加味した未凝固圧下量Rとの比で表される。この内部圧下比が大きい値のときは、未凝固厚みに比べて未凝固圧下量が少なく、逆に内部圧下比が小さいときは、未凝固厚みに比べて大きな未凝固圧下量を加えることになる。

0023

上記(2)式における鋳片横断面における未凝固部の面積比率S(%)は、図5(b)において、圧下時の鋳片の未凝固部面積をAL 、鋳片断面積をA0 とすると下記の式で表される。
S(%)=(AL /A0 )×100
なお、圧下時とは、未凝固圧下力が、鋳片にかかる時を意味し、圧下ロールが鋳片に接触する瞬間のことである。

0024

また、上記(2)式で表される内部浸透度ηは、外部から加えた圧下量が実際に未凝固部に伝わる割合を意味し、実験結果を基にした回帰計算によって求めた式である。ここで、内部浸透度ηは、圧下時における鋳片横断面の面積に占める未凝固部の面積の比率S、未凝固圧下ロールの直径Dと鋼のC含有率から求められる。上記(2)式におけるn、an およびbは、現象を説明するに好適な式と数値を、回帰計算から求めたものである。

0025

本発明の方法による未凝固圧下で内部割れの発生を防止できるのは、適正な内部圧下比の条件で未凝固圧下を行うことにより、圧下を受ける凝固界面応力的に圧縮状態となることに加えて、また溶鋼の流動が強められるので凝固界面近傍の柱状晶間に吸引された濃化溶鋼が、鋳造方向の上流側に絞り出されやすいためである。

0026

また、本発明の方法では、適正な未凝固圧下量の選択により鋳片が大きな変形を受ける。したがって、凝固完了後さらに圧下を行うことが望ましく、この圧下により断面形状の良好な鋳片を得ることができる。

0027

さらに、本発明の方法の場合には、1対のロール当たりに大きな圧下量を選択できるので、圧下のための設備費の低減が可能である。

発明を実施するための最良の形態

0028

図1は、本発明の方法を実施するための連続鋳造装置の1例を示す図である。ここで、浸漬ノズル21から鋳型22に溶鋼23が注入されると、鋳型内で凝固殻26が形成され、この凝固殻26は、冷却ロール群24および案内ロール群25を通過する間に徐々に厚みを増していく。そして、未凝固部27を有する鋳片28となり、この鋳片は未凝固圧下装置29および凝固後圧下装置30で圧下されてピンチロール31により引き抜かれる。

0029

なお、本発明の方法は、線材、棒鋼、パイプ等の製造に用いられる、いわゆるブルーム鋳片、または丸鋳片を含むビレット鋳片、および厚板の製造に用いられる断面が長方形スラブ鋳片の鋳造にとくに適している。

0030

未凝固圧下装置は少なくとも1対のロールがあればよく、この場合、1対のロールでも十分な圧下効果が得られる。2対以上のロール圧下装置でも構わない。

0031

図5で示した未凝固圧下ロール32は、1対の上下水平ロールである。厚板製造のための断面が長方形の鋳片の場合には、この上下水平ロール方式が、設備配置の上で適している。線材、棒鋼、パイプ等の製造用のブルームまたは丸鋳片を含むビレットの場合には、この上下水平ロール方式以外に、1対の垂直ロールであっても構わない。

0032

また、この未凝固圧下ロールの表面形状は、丸鋳片以外の形状の鋳片の場合は、フラット形状が適しているが、丸鋳片の場合は孔型形状であってもよい。なお、孔型形状ロールの場合、その平均ロール径を未凝固圧下ロール直径として計算するのがよい。

0033

本発明では、未凝固部のある鋳片を内部圧下比εが0.5〜3.0の範囲になるように未凝固圧下する必要がある。

0034

図2は、中心偏析およびポロシティに及ぼす内部圧下比εの影響を示す図である。中心偏析の有無およびポロシティの大きさは、内部圧下比が3.0以下で著しく改善されていることが分かる。

0035

図3は、未凝固圧下時の内部割れ発生に及ぼす内部圧下比εの影響を示す図である。内部割れは、内部圧下比が3を超えて7程度の値の範囲で発生しており、その内部割れ長さは、内部圧下比が5の近傍で極大となっている。また、内部圧下比が3.0以下では内部割れは発生しないことがわかる。

0036

図4は、内部圧下比と未凝固圧下ロール径が、鋳片内部割れの発生と未凝固圧下の際の圧下ロール負荷状況に及ぼす影響を示す図である。ロール径によらず、内部圧下比が3.0を超えると内部割れ等の内部欠陥が発生する。また、内部圧下比が0.5未満では、圧下ロール負荷が大きくなり、連続鋳造の操業における鋳片の引抜が困難となる。

0037

上記のように、内部圧下比εが0.5〜3.0の範囲で未凝固圧下する必要がある。内部圧下比εのさらに好ましい範囲は1.0〜2.5である。

0038

未凝固圧下ロールの直径は、100〜1000mmが望ましい。100mm未満の場合には、圧下力の内部浸透性が低いため内部欠陥の抑制が不十分となる。また、未凝固圧下ロールの直径が1000mmを超えると、大きな圧下力を必要とするので未凝固圧下装置が大型化し、設備費用が上昇する。

0039

本発明の方法を実施する場合には、内部圧下比εは次の手順で決定する。未凝固部圧下ロールの直径Dは通常上記の範囲内で設備上定まった値である。鋳造する鋼のC含有率は、レードル分析値既知であるのでbが求められる。鋳片表面等の二次冷却条件および鋳造速度等の鋳造条件を決めると、未凝固部の面積率Sが求められ、上記(2)式から圧下の時の内部浸透度ηが決まる。また、二次冷却条件と鋳造速度を決めると、未凝固厚Lも求まるので、未凝固圧下量Rを選択すれば、上記(1)式から内部圧下比εを得ることができる。このεが、目標の値となるように、鋳造速度、未凝固圧下量などを選択する。

0040

凝固完了後の圧下は、線材、棒鋼、パイプ等の製造用のブルーム、丸鋳片を含むビレットを鋳造する場合に適用するのが望ましい。たとえば、線材、棒鋼製造用の熱間圧延用素材として、ブルームを用いる場合、ブルームが未凝固圧下により大きく変形していると、その後の熱間圧延が困難である。したがって、未凝固圧下後に、変形した鋳片を適正な形状に成形することを目的に、凝固後圧下を施すのが有効である。

0041

図1には、1対の垂直ロールとその後段に1対の上下水平ロールを備えた凝固後圧下装置30を示している。凝固後圧下の効果を得るのには、少なくとも1対のロールを用いるのがよい。最初の凝固後圧下ロールを垂直にするか、水平にするかは、最後の未凝固圧下ロールが水平か垂直かで選択すればよい。すなわち、最後の未凝固圧下ロールが水平ロールであれば、最初の凝固後圧下ロールは垂直とするのがよい。

0042

凝固後圧下装置の設置位置は、未凝固圧下装置の鋳造方向に下流側で、鋳片中心部が完全凝固する位置以降である。ただし、未凝固圧下装置と距離が離れすぎると、鋳片温度が下がりすぎるため、最後の未凝固圧下装置から、最初の凝固圧下装置までの距離は2〜10m程度が望ましい。

0043

本発明の方法は、炭素鋼、ステンレス鋼、高合金鋼等の鋼に対して有効であり、そのいずれの鋼においても中心偏析、ポロシティ、内部割れ等の内部欠陥が少なく、かつ断面形状の良好な鋳片が得られる。

0044

表1に示す化学組成の鋼を用い、図1に示す構成の連続鋳造装置を用いて連続鋳造試験を行った。

0045

直径250mmの断面形状が丸形の鋳片に対して、未凝固圧下および凝固後圧下を行い直径190mmの鋳片を製造した。未凝固圧下装置は、溶鋼メニスカスから20mの位置に設置し、圧下は表面がフラットなロールを使用した上下1対の水平ロール1台で行った。ロール径は、300、600および900mmの3種類とした。凝固後圧下は、ロール表面形状が孔型のロールを使用し、1対の垂直ロールと上下1対の水平ロールの合計2台で行った。鋳片表面の二次冷却の領域は、鋳型下端から6mまでとし、比水量0.2リットル/kg・鋼で冷却を行った。

0046

0047

表2に、鋳造条件を示す。なお、鋳造速度を1.7〜2.3m/分の間で調整した。また未凝固厚は、鋳片温度の伝熱凝固解析により計算で求めるとともに、Fe−S添加による未凝固厚みの測定で確認した。

0048

0049

本発明例のNo.1〜5では、本発明で規定する内部圧下比0.5〜3.0の範囲の条件で鋳造した。

0050

これに対し、比較例のNo.6は、圧下量を小さめにして、内部圧下比が本発明で規定する範囲外の3.30と大きい例であり、比較例のNo.7は、内部圧下比が本発明で規定する範囲外の0.43と小さめの例である。

0051

鋳片の性状は、鋳造方向に100mmの間隔で採取した21個の横断面サンプルを対象に調査した。

0052

内部割れは、横断面のサルファプリントにより判定し、その割れ長さで評価した。

0053

中心偏析は、横断面サンプルの中心部のC含有率分析値C1 、とレードル分析値C0との比、すなわち偏析度比C1/C0 により評価した。

0054

ポロシティについては、横断面サンプル内のポロシティの発生個数と形状を目視観察し、さらに寸法を計測する。ポロシティ総面積は、形状を円または楕円形状に近似し、計測した寸法から1個のポロシティ面積を求め、発生個数をかけて求めた。このポロシティ総面積と鋳片横断面の面積との比をポロシティ面積率として評価した。

0055

円形偏差率(%)は、鋳片横断面の重心を求め重心から外表面への距離を周方向に30°ピッチで計測し、得られるべき目標の円半径との差を目標の円半径で除した比と定義して評価した。熱間製管圧延に用いられるビレットに許容される円形偏差率は、通常3%程度以内である。

0056

表3に調査結果を示す。

0057

0058

本発明例のNo.1〜5の鋳片は、ポロシティ面積率および偏析度比が、いずれも小さく良好であり、内部割れもないか、あっても軽微であった。円形偏差率も3%以下で良好であった。

0059

一方、内部圧下比εの値が、本発明で規定する範囲外で大きすぎる比較例のNo.6の鋳片では、ポロシティおよび中心偏析が残存し、また内部割れが発生した。その理由は、未凝固厚みに対する未凝固圧下量が小さいためである。また円形偏差率も3.7と悪く、熱間圧延用素材としては不適当と判断された。

0060

比較例のNo.7の場合には、鋳片の引抜が困難であったため、鋳造試験を途中で中止した。鋳片の中心部固相率が0.9と大きく、凝固が進行しすぎており、また内部圧下比が本発明で規定する範囲外で、小さいこと、すなわち未凝固厚みに対して未凝固圧下量が大きすぎて、圧下ロールへの荷重負荷が大きくなったためである。

発明の効果

0061

本発明の方法の適用により、中心偏析、ポロシティおよび内部割れ等の内部欠陥の少ない、かつ断面形状の良好な鋳片が得られる。したがって、本発明の方法で得られるブルーム、ビレット、スラブ等の鋳片を素材として、内部品質に優れた線材、棒鋼、パイプおよび厚板等を製造することができる。

図面の簡単な説明

0062

図1本発明の方法を実施するための連続鋳造装置の1例を示す図である。
図2センターポロシティに及ぼす内部圧下比εの影響を示す図である。
図3内部割れ長さに及ぼす内部圧下比εの影響を示す図である。
図4未凝固圧下用のロール径Dと内部圧下比εと内部欠陥および連続鋳造引き抜き可否の関係を示す図である。
図5本発明の未凝固圧下の概念を説明するための図である。

--

0063

21 浸漬ノズル22鋳型23溶鋼
24冷却ロール群25案内ロール群 26凝固殻
27 未凝固部 28 鋳片 29 未凝固圧下装置
30 凝固後圧下装置 31ピンチロール
32 未凝固圧下ロール33固相率0.99の線
L:圧下時の未凝固部厚さ R:未凝固部圧下量
D:未凝固圧下ロール径
AL :未凝固部面積A0 :鋳片断面積

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