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技術 通電加熱装置用出側押さえロールとロールの破損防止方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 山本恭裕吉田和雄広田芳明藤井芳弘長崎修司
出願日 1998年3月27日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1998-080658
公開日 1999年10月12日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-279666
状態 未査定
技術分野 熱処理 ストリップ・線材の熱処理
主要キーワード 環状ストッパー 加熱用配線 操業位置 テーパーリング 傾斜下面 通電加熱中 カーボンスリーブ 係止材
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この項目の情報は公開日時点(1999年10月12日)のものです。
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図面 (8)

課題

本発明は鋼帯焼鈍調質などの熱処理通電加熱法により行う場合、出側通電ロールと対をなす出側押さえロールを、出側通電ロールと鋼帯の密着性を高めて、出側通電ロールと鋼帯間でスパーク発生を防止できる出側押えロールと、その破損防止方法を提供するものである。

解決手段

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、カーボンスリーブの両端部の傾斜上面が、軸芯金属ロールの両端部に設けたストッパー傾斜下面によって外側から保持され、軸芯金属ロールーの外周面と、カーボンスリーブの内周面間に通電加熱温度よりも30〜50℃低い温度からシメシロが形成される、隙間を形成したことを特徴とする通電加熱用の出側押さえロールと、その破損防止方法。

概要

背景

従来から、鋼帯連続熱処理ラインでは、加熱手段として通電加熱装置が用いられている。この通電加熱装置として、例えば、特開昭56−116831号公報に開示されたものがある。この通電加熱装置は、概念的には図6に示すように、鋼帯1の連続熱処理ラインに一定の間隔をおいて配設された入側通電ロール2a、出側通電ロール2bを介して、電源3から通板中の鋼帯1に通電してジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成されものがある。

この通電加熱装置では、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の通電特性を安定確保するために、通常、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bには、それぞれ押さえロール付設され、鋼帯1を入側通電ロール2aと押さえロール4a間、出側通電ロール2bと押さえロール4b間で鋼帯1を挟持して、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の密着性を高めて通電加熱できるように構成されている。

また、上記の通電加熱装置と異なるタイプの通電加熱装置として、例えば、特開平6−293924号公報に開示されたものがある。この通電加熱装置は、概念的には図7に示すように、環状トランス5を貫通する鋼帯1の通路の前後に入側通電ロール6a、出側通電ロール6bを配置し、両通電ロール間導電性部材7で接続して鋼帯1、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bおよび導電性部材7により閉回路8を構成し、環状トランス5に外部電源10から交流電流を通電することにより前記閉回路8を2次回コイルとして誘導電流を発生させ、この誘導電流によるジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成されたものである。

この通電加熱装置では、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bと鋼帯1間の通電特性を安定確保するために、通常、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bにはそれぞれ押さえロールが付設され、鋼帯1を入側通電ロール6aと押さえロール9a間、出側通電ロール6bと押さえロール9b間で鋼帯1を挟持して、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bと鋼帯1間の密着性を高めて通電加熱できるように構成されている。

上記の各通電加熱装置を用いた場合においては、通電加熱中に鋼帯と通電ロールとの接触が不均一の場合には、鋼帯と通電ロール間でスパークが発生して、鋼帯や通電ロールが損傷したり、ロールマーク形状不良を生じ鋼帯の品質が低下することが知られている。このため、押さえロールを用いて鋼帯を通電ロール側に押し付け、通電ロールと鋼帯の密着性を高めるよにしており、低温側である入側の押さえロールとしてゴムロールを用いている例もある。

しかし、出側の押さえロールの場合は、通電加熱した鋼帯との温度差がないように、通電加熱温度まで昇温させる必要があり、内部加熱あるいは外部加熱を必要とするものであるため、ゴムロールでは耐用性に乏しいことから、入側の押さえロールのみに用いられ、高温側である出側の押さえロールとしては用いられていないのが実情である。これは、出側の押さえロールが鋼帯より温度が低い場合、鋼帯に幅方向収縮皺が発生するからである。

この出側の押さえロールとしては、耐熱性が求められることから、一般には、金属ロールが考えられるが、柔軟性に乏しく通電ロールと鋼帯の接触均一性を確保することができない。このため、鋼帯と通電ロール間でスパークが発生して、鋼帯と通電ロールが損傷したり、ロールマークや形状不良を生じ鋼帯1の品質が低下するという懸念がある。

このような観点から、出側の押さえロールとしては、耐熱性にすぐれ、鋼帯と通電ロール間の接触均一性を確保するために、表面が柔らかい材料で形成されたものが適性が高いものであると言える。現状ではカーボン材以外には、このような条件を十分に満足できるものは見当たらない。

概要

本発明は鋼帯の焼鈍調質などの熱処理通電加熱法により行う場合、出側通電ロールと対をなす出側押さえロールを、出側通電ロールと鋼帯の密着性を高めて、出側通電ロールと鋼帯間でスパーク発生を防止できる出側押えロールと、その破損防止方法を提供するものである。

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、カーボンスリーブの両端部の傾斜上面が、軸芯金属ロールの両端部に設けたストッパー傾斜下面によって外側から保持され、軸芯金属ロールーの外周面と、カーボンスリーブの内周面間に通電加熱温度よりも30〜50℃低い温度からシメシロが形成される、隙間を形成したことを特徴とする通電加熱用の出側押さえロールと、その破損防止方法。

目的

本発明は、その形状特性寿命を安定確保しながら、鋼帯と通電ロール間の密着性を高め、出側通電ロールと鋼帯間でスパーク発生を防止しながら安定した通電加熱操業を実現できる通電加熱用の出側押えロールと、その破損防止方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、カーボンスリーブの両端部の傾斜上面が、軸芯金属ロールの両端部に設けたストッパー傾斜下面によって外側から保持され、少なくとも通電加熱温度から30〜50℃低い温度域では、軸芯金属ロールの外周面と、カーボンスリーブの内周面間に隙間が形成されていることを特徴とする通電加熱用出側押さえロール

請求項2

鋼帯接触状態では鋼帯の移動によって回転し、鋼帯と非接触状態のときは、駆動装置伝達機構と連結して、回転可能な構造を備えたことを特徴とする請求項1記載の通電加熱用出側押さえロール。

請求項3

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、通電加熱温度より30〜50℃低い温度域において、軸芯金属ロールの外周面とカーボンスリーブの内周面が接触を開始するように軸芯金属ロールの外周面とカーボンスリーブの内周面間の隙間を設定することを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

請求項4

常温時における軸心金属ロール外周面とカーボンスリーブの内周面間の隙間寸法を、軸芯金属ロールを常温状態から通電加熱温度に対して30〜50℃低い温度まで昇温させたときの熱膨張による軸芯金属ロール直径増加量から、カーボンスリーブを常温から通電加熱温度に対し30〜50℃低い温度まで昇温させたときの熱膨脹によるカーボンスリーブの直径増加量を差し引いた数値の1/2にすることを特徴とする請求項3記載の通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

請求項5

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成された出側押さえロールを、常温から通電加熱温度まで昇温させて鋼帯に接触させるまでは、常時1回転/分以上の回転速度で回転させ、カーボンスリーブの各部位間の温度変化を均一にすることを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

請求項6

軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成された出側押さえロールが、通電加熱後、鋼帯と非接触状態になったとき、押さえロールを、常時1回転/分以上の回転速度で回転させて、カーボンスリーブの各部位間の温度変化を均一にすることを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

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0001

本発明は、例えば、鋼帯焼鈍調質などの熱処理を行う連続熱処理ラインにおいて、前後に押さえロールを備えた一対の通電ロールを配設し、この通電ロールを介して通板中の鋼帯に通電ジュール熱により鋼帯を加熱する通電加熱装置の押さえロールに関するものである。より具体的には、出側の通電ロールと対をなす出側押さえロールの構造およびこの出側押さえロールの破損防止方法に関するものである。

背景技術

0002

従来から、鋼帯の連続熱処理ラインでは、加熱手段として通電加熱装置が用いられている。この通電加熱装置として、例えば、特開昭56−116831号公報に開示されたものがある。この通電加熱装置は、概念的には図6に示すように、鋼帯1の連続熱処理ラインに一定の間隔をおいて配設された入側通電ロール2a、出側通電ロール2bを介して、電源3から通板中の鋼帯1に通電してジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成されものがある。

0003

この通電加熱装置では、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の通電特性を安定確保するために、通常、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bには、それぞれ押さえロールが付設され、鋼帯1を入側通電ロール2aと押さえロール4a間、出側通電ロール2bと押さえロール4b間で鋼帯1を挟持して、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の密着性を高めて通電加熱できるように構成されている。

0004

また、上記の通電加熱装置と異なるタイプの通電加熱装置として、例えば、特開平6−293924号公報に開示されたものがある。この通電加熱装置は、概念的には図7に示すように、環状トランス5を貫通する鋼帯1の通路の前後に入側通電ロール6a、出側通電ロール6bを配置し、両通電ロール間導電性部材7で接続して鋼帯1、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bおよび導電性部材7により閉回路8を構成し、環状トランス5に外部電源10から交流電流を通電することにより前記閉回路8を2次回コイルとして誘導電流を発生させ、この誘導電流によるジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成されたものである。

0005

この通電加熱装置では、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bと鋼帯1間の通電特性を安定確保するために、通常、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bにはそれぞれ押さえロールが付設され、鋼帯1を入側通電ロール6aと押さえロール9a間、出側通電ロール6bと押さえロール9b間で鋼帯1を挟持して、入側通電ロール6a、出側通電ロール6bと鋼帯1間の密着性を高めて通電加熱できるように構成されている。

0006

上記の各通電加熱装置を用いた場合においては、通電加熱中に鋼帯と通電ロールとの接触が不均一の場合には、鋼帯と通電ロール間でスパークが発生して、鋼帯や通電ロールが損傷したり、ロールマーク形状不良を生じ鋼帯の品質が低下することが知られている。このため、押さえロールを用いて鋼帯を通電ロール側に押し付け、通電ロールと鋼帯の密着性を高めるよにしており、低温側である入側の押さえロールとしてゴムロールを用いている例もある。

0007

しかし、出側の押さえロールの場合は、通電加熱した鋼帯との温度差がないように、通電加熱温度まで昇温させる必要があり、内部加熱あるいは外部加熱を必要とするものであるため、ゴムロールでは耐用性に乏しいことから、入側の押さえロールのみに用いられ、高温側である出側の押さえロールとしては用いられていないのが実情である。これは、出側の押さえロールが鋼帯より温度が低い場合、鋼帯に幅方向収縮皺が発生するからである。

0008

この出側の押さえロールとしては、耐熱性が求められることから、一般には、金属ロールが考えられるが、柔軟性に乏しく通電ロールと鋼帯の接触均一性を確保することができない。このため、鋼帯と通電ロール間でスパークが発生して、鋼帯と通電ロールが損傷したり、ロールマークや形状不良を生じ鋼帯1の品質が低下するという懸念がある。

0009

このような観点から、出側の押さえロールとしては、耐熱性にすぐれ、鋼帯と通電ロール間の接触均一性を確保するために、表面が柔らかい材料で形成されたものが適性が高いものであると言える。現状ではカーボン材以外には、このような条件を十分に満足できるものは見当たらない。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、その形状特性寿命を安定確保しながら、鋼帯と通電ロール間の密着性を高め、出側通電ロールと鋼帯間でスパーク発生を防止しながら安定した通電加熱操業を実現できる通電加熱用の出側押えロールと、その破損防止方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、下記(1)〜(6)の発明から構成される。
(1)軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、カーボンスリーブの両端部の傾斜上面が、軸芯金属ロールの両端部に設けたストッパー傾斜下面によって外側から保持され、少なくとも通電加熱温度から30〜50℃低い温度域までは、軸芯金属ロールの外周面と、カーボンスリーブの内周面間に隙間が形成されていることを特徴とする通電加熱用出側押さえロール。
(2) (1)において、鋼帯と接触状態では鋼帯の移動によって回転し、鋼帯と非接触状態のときは、駆動装置伝達機構と連結して、回転可能な構造を備えたことを特徴とする通電加熱用出側押さえロール。

0012

(3)軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成され、通電加熱温度より30〜50℃低い温度域から、軸芯金属ロールの外周面とカーボンスリーブの内周面が接触を開始するように軸芯金属ロールの外周面とカーボンスリーブの内周面間の隙間を設定することを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。
(4) (3)において、常温時における軸心金属ロール外周面とカーボンスリーブの内周面間の隙間寸法を、軸芯金属ロールを常温状態から通電加熱温度に対して30〜50℃低い温度まで昇温させたときの熱膨張による軸芯金属ロール直径増加量から、カーボンスリーブを常温から通電加熱温度に対し30〜50℃低い温度域まで昇温させたときの熱膨脹によるカーボンスリーブの直径増加量を差し引いた数値の1/2にすることを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

0013

(5)軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成された出側押さえロールを、常温から通電加熱温度まで昇温させて鋼帯に接触させるまでは、常時1回転/分以上の回転速度で回転させ、カーボンスリーブの各部位間の温度変化を均一にすることを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。
(6) 軸芯金属ロールと、その外周側に装着されたカーボンスリーブによって形成された出側押さえロールが、通電加熱操業後、鋼帯と非接触状態になったとき、押さえロールを、常時1回転/分以上の回転速度で回転させて、カーボンスリーブの各部位間の温度変化を均一にすることを特徴とする通電加熱用出側押さえロールの破損防止方法。

0014

なお、上記の(3)〜(6)の発明は、それぞれ単独でも効果があるが、(1)、(2)の発明の出側押さえロールを採用し、(3)〜(6)を全部または一部を組み合わせて用いることにより、より一層の効果を発揮するものである。なお、本発明でいう「通電加熱温度」とは、出側押さえロール(出側通電ロール)に接触する瞬間の鋼帯の温度を意味する。また、「出側押さえロールの温度」とは、カーボンスリーブの表面温度(ほぼ軸芯金属ロールの表面温度)を意味する。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明では、通電加熱用の出側押さえロール材として、耐熱性にすぐれ、鋼帯に押し疵を発生させない柔らかい材料であり鋼帯との密着性確保が容易なカーボン材に着目した。このカーボン材は、ヤング率鋼材の1/20で十分に柔らかいが機械的強度が小さく、単独材質ロールでは押付力に十分に耐えられないため、軸芯を金属ロールで形成し、この軸芯金属ロールにカーボンスリーブとして装着して用いることを前提とするものである。

0016

このような軸芯金属ロールにカーボンスリーブを装着したロールにおいては、軸芯金属ロールとカーボンスリーブ間には、熱膨脹差があるため、加熱操業時の温度上昇に伴いカーボンスリーブが破損する懸念がある。また、押さえロールと鋼帯との接触がない、昇温過程または通電加熱操業後の温度降下過程で、各部位の温度変化量が不均一となった場合にも、カーボンスリーブが破損する懸念がある。

0017

上記のカーボンスリーブの破損を防止するためには、軸心金属ロールとカーボンスリーブ間に隙間を形成することが考えられるが、この隙間が大き過ぎ、使用状態で隙間が残った場合には、スパークを発生させない押付力を付与した場合、この押付力に耐えられず圧潰・破損してしまう。

0018

そこで、本発明では、
(1)軸芯金属ロールとカーボンスリーブ間に設定隙間を、カーボンスリーブを破損を避けながら確実に形成するとともに、軸芯金属ロールからのカーボンスリーブの抜け落ちを防止する。
(2)通電加熱温度域では軸芯金属ロールとカーボンスリーブが密着して、押付力に十分に耐え、密着後に熱膨脹差によって生じる内部応力にも十分耐えられるように、軸芯金属ロールとカーボンスリーブ間に、常温状態で適度な隙間を形成して、カーボンスリーブの破損を防止する。
(3) 出側押さえロールと鋼帯との接触がない状態での各部位の温度変化を均一化して、熱曲りの発生を防止して、カーボンスリーブの破損を防止する。ことを主要な特徴としている。

0019

本発明者等は、図1(a)に示すような軸芯金属ロール11とその外周に装着したカーボンスリーブ12からなる押さえロール13を用い、カーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間に所定の隙間cを形成して、軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12間の熱膨脹差およびスパークを発生させない押付力によりカーボンスリーブ12が破損しない常温での隙間c条件について、綿密な熱膨張計算、発生応力計算とラボ実験により検証した。

0020

なお、熱膨張計算は、軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12の熱膨張計算には、次式を用いた。
A:熱膨張により変化するカーボンスリーブの内径ax
ax =(1+T×β)a (1)
ここで
β:カーボンスリーブの線膨脹係数(4.54×10-6℃)
a:カーボンスリーブの内径(常温15℃)
T:温度差(温度変化℃)
B:熱膨張により変化する軸芯金属ロールの外径bx
bx =(1+T×α)b (2)
ここで
α:軸芯金属ロールの線膨脹係数(13.39×10-6℃)
b:軸芯金属ロール外径(常温常温15℃)
T:温度差(温度変化 ℃)
c:軸芯金属ロールとカーボンスリーブの間の隙間
(常温時の隙間c)
c=(a−b)×1/2 (3)
(昇温時の隙間cx )
cx =(ax −bx )×1/2

0021

図2は、押さえロール13の通電加熱温度が420℃、スパークを発生させないための押付力200kgの場合において、軸芯金属ロール11の外径bを、例えば常温(15℃)で200mmとし、軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12間の隙間cを0.32mmに設定した場合の温度上昇とカーボンスリーブ内の応力の変化を示すものである。上記の(1)〜(3)の各式により、熱膨張により変化するカーボンスリーブ12の内径ax と熱膨張により変化する軸芯金属ロール11の外径bx と、隙間cの変化を求めることができる。

0022

設定条件
常温(15℃)時
カーボンスリーブの内径a
a=200.00mm+0.32mm×2=200.64mm=b+c×2
軸心金属ロールの外径b
b=200.00mm
軸芯金属ロールとカーボンスリーブの間の隙間(半径値)c
c=0.32mm

0023

この設定条件において、押さえロール13を昇温していくと、カーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間の隙間cは次第に小さくなり、やがて、カーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11が接触する。この接触開始温度は、熱膨脹するカーボンスリーブ12の内径ax と熱膨張する軸芯金属ロール11の外径bx がほぼ同じになり隙間(半径)cx が0になる温度で、このときの温度差は、上記(1)〜(3)式から求めると、約365℃であり、押さえロール13の温度は約380℃である。

0024

カーボンスリーブの内径ax =200.64+365×4.54×10-6×200.64=200.972mm
軸芯金属ロールの外径bx =200+365×13.39×10-6×200=200.977mm
軸芯金属ロールとカーボンスリーブの間の隙間
cx =(200.972−2000.977)×1/
2mm=−0.0025≒0(mm)

0025

これは、常温(15℃)状態で図1(a)に示すように軸芯金属ロール1とカーボンスリーブ12間に隙間cがある押さえロール13を加熱して昇温させた場合には、隙間cは次第に小さくなり、通電加熱温度域の下限温度である420℃を約40℃下回る380℃近傍で、軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12間の隙間cはほぼ0になり、軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ2が接触することを意味している。

0026

そして、ここからカーボンスリーブ12の内部応力は温度上昇に伴い大きくなってゆき、やがて強度限界(内部応力2.3kg/mm2 ℃)に達し破損するが、通電加熱温度域である420℃±20℃の温度域では、カーボンスリーブ12の内部応力は0.24〜0.65kg/mm2 であり、強度限界での内部応力2.3kg/mm2 よりはるかに低い応力領域で使用でき、500℃程度の温度域でも、軸芯金属ロール1との間の熱膨脹およびスパークを発生させない押付力の付与によりカーボンスリーブ12の破損を生じないことを示している。

0027

押さえロール13の通電加熱温度域は、400〜900℃とかなり幅があるが、いずれの場合においても、通電加熱温度域から30〜50℃低い温度でカーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11が接触を開始するように隙間cを設定すれば、通電加熱温度域で、カーボンスリーブ12の内部応力を、強度限界での内部応力2.3kg/mm2 より十分に低い応力領域で使用でき、軸芯金属ロール11の熱膨脹およびスパークを発生させない押付力の付与によりカーボンスリーブ12の破損を生じないことを確認している。

0028

なお、通電加熱温度域から50℃以上低い温度で軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12が接触を開始するようにした場合には、内部応力の増加が早期に開始することになり、カーボンスリーブ12が通電加熱温度域で破損する危険が高まる。

0029

また、通電加熱温度域から30℃未満の低い温度で軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12が接触を開始するようにした場合には、現実的な加工精度バラツキにより軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12の密着が十分でない場合も考えられ、スパーク発生させない押付力を付与した場合にカーボンスリーブ12が圧潰・破損しやすくなる。

0030

軸芯金属ロール11の熱膨脹およびスパークを発生させない押付力の付与によりカーボンスリーブ12の破損を生じないことを確認している。したがって、本発明では、通電加熱温度域から30〜50℃低い温度でカーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11が接触を開始するように隙間cを設定するものである。

0031

軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12間に設定した隙間cを形成する場合には、カーボンスリーブ12の両端部の上面を傾斜面12tとし、この傾斜面を、軸芯金属ロール11の両端部に設けた、例えば環状ストッパー14a、14bの傾斜下面14tで外側から保持することによって、常温状態で図1(a)に示すように、軸芯金属ロール11の外周面と、カーボンスリーブの内周面間に均一な隙間cを形成する構造の押さえロール13を用いることが好ましい。

0032

この環状ストッパー14a、14bは、軸芯金属ロール11からのカーボンスリーブ12の抜け落ちを防止する機能も有し、カーボンスリーブ12外周面の仕上げ加工を行う場合のカーボンスリーブ12の固定機能をもたせることもできるものであり、通電加熱操業中も取り付けたままとして支障はない。なお、カーボンスリーブ12の傾斜面12tを環状ストッパー14a、14bの傾斜下面14tで外側から保持するのは、内面側で保持する場合より有利であるからである。すなわち、内面側から保持した場合には、昇温過程で押さえロール13が膨脹してカーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間の隙間cが小さくなるのを端部で局所的に阻害し、カーボンスリーブ12を破損する恐れがあるが、外側から保持した場合はその心配はないからである。

0033

一方、前記したように、押さえロール13は、一般には、通電加熱した鋼帯1に接触することによって回転するものであり、通電加熱した鋼帯1の温度低下による幅方向の収縮がないように、通電加熱温度まで昇温させる必要があり、加熱を必要とし温度制御も必要である。押さえロール13の加熱には、内部加熱法や外部加熱法を用いることができるが、軸端から熱電対加熱用配線の取り出しが容易で、加熱のための複雑な機構を必要とせず、温度制御も容易な内部加熱を用いる方が有利な場合が多い。

0034

押さえロール13は、通電加熱操業中、鋼帯1の移動によって回転しており、押さえロール13の各部位の温度は、通電加熱温度に均一化されているが、例えば常温状態から通電加熱温度まで昇温させる過程、あるいは通電加熱後は通電加熱された鋼帯1とは非接触状態となり、駆動装置を有しないため回転しないのが通例である。

0035

この押さえロール13が停止している状態では、各部位に対する熱環境が不均一になった場合には、各部位で温度差を生じ、熱膨張率の大きい軸芯金属ロール11に熱曲りが発生し、熱膨脹率が小さく熱曲りを生じ難いカーボンスリーブ12との間で寸法干渉が起こりカーボンスリーブ12が破損することがある。これは、押さえロール13の加熱を継続している場合も同様に起こる現象である。

0036

本発明で軸芯金属ロール11とカーボンスリーブ12間に形成する隙間cレベルでは、この現象は、150℃以上の温度域で生じやすい。そこで、本発明では、押さえロール13が昇温過程あるいは通電加熱後等、鋼帯1と非接触状態にあり、押さえロール13が150℃以上である温度域において、各部位間の温度差を小さくすることにより熱曲りの発生を防止してカーボンスリーブ12の破損を防止する。

0037

その方法として、押さえロール13が鋼帯1と非接触状態にあるときは、駆動装置により押さえロール13を低速回転させる方法を採用する。この押さえロールの回転条件としては、回転数は1回転/分以上で効果がある。一回未満では、押さえロールの各部位間の温度を十分に均一化することができない。この回転数は、多い程効果があるが、設備負担バランスを考慮すれば、1〜5回転/分程度であることが好ましいと言える。

0038

この押さえロール13の低速回転は、独立に配置した駆動装置によって、または搬送ロールピンチロール)の駆動装置によってももよいが、通電加熱操業中は鋼帯の移動によって回転させるアイドルロールとするため、前記駆動装置との連結を解除できるようにする。

0039

以下に、本発明の出側押さえロールの実施例を図3〜5に基づいて説明する。ここで示した押さえロールは、図3に示すような鋼帯1の連続熱処理ラインに配置された、直接通電型の通電加熱装置の出側押さえロール13として用いるものである。

0040

図3の通電加熱装置は、基本的には、前記図5に示すように、連続熱処理ラインに配設されたN2雰囲気非酸化雰囲気)の焼鈍炉Af内において、一定の間隔で配設された入側通電ロール2a、出側通電ロール2bを介して、電源3から通板中の鋼帯1に通電してジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成されものである。

0041

この通電加熱装置では、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の通電特性を安定確保するために、入側通電ロール2aには上下動自在なゴム製の入側押さえロール4aが、出側通電ロール2bには、上下動自在な本発明の出側押さえロール13が付設されており、鋼帯1を入側通電ロール2aと押さえロール4a間、出側通電ロール2bと出側押さえロール13間で挟持して、入側通電ロール2a、出側通電ロール2bと鋼帯1間の密着性を高めて通電加熱する。

0042

本発明の出側押さえロール13は、通電加熱を開始する際(鋼帯1に接触させる際)に通電加熱温度域まで昇温させておく必要があり、ここでは、上方の退避位置spまで中心の位置を上げて退避状態とし、ここで内部加熱(加熱構造は図示省略)により昇温させた後、操業位置Lpまで下げ鋼帯1に接触させた状態で通電加熱中、出側押さえロール13は通電加熱された鋼帯1により均一加熱されるようにしている。

0043

また、出側押さえロール13は、鋼帯1と接触しない昇温過程または通電加熱操業後の例えば温度降下過程で、熱環境が不均一のため各部位の温度変化量が不均一となって熱曲りが発生してカーボンスリーブが破損することがあるので、ここでは、出側押さえロール13が鋼帯1と接触しない状態にあるときは、出側押さえロール13を低速回転して、各部位の温度変化が均一になるようにしている。すなわち、出側押さえロール13が上方の退避位置Spで退避状態にあるとき、出側押さえロール13が駆動装置Mに連結して回転できるようにしている。

0044

図3で用いている本発明の出側押さえロール13は、図4(a)に示すように、軸端部に前記の駆動装置Mに連結する歯車15を備えた、内部加熱型(ここでは、ナフタリンが軸の表面に封入してあり、均熱媒体として機能させる市販の商品名「ジャケットロール」。加熱構造は図示を省略する。)の軸芯金属ロール11とその外周に装着したカーボンスリーブ12からなり、常温状態ではカーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間に所定の隙間cを形成したものである。

0045

この隙間cは、カーボンスリーブ12の両端部の上面を傾斜面12tとし、この傾斜面を、軸芯金属ロール11の両端部に設けた、環状ストッパー14a、14bの傾斜下面14tで外側から保持することによって形成している。この際、環状ストッパー14a、14bとカーボンスリーブ12間には、耐火緩衝材16を介在させ、カーボンスリーブ12の保持を安定させるようにしている。

0046

なお、環状ストッパー14aは、軸心金属ロール11に焼き嵌めしたテーパーリング17aと、このテーパーリング17aにボルト19で締結したトルク受板18aからなっている。このトルク受板は、環状ストッパー14a、14bとカーボンスリーブ12間の回り止め用係止材として機能する。また、環状ストッパー14bは、軸心金属ロール11に嵌め込んで押し込み固定されたテーパーリング17bと、このテーパーリング17bにボルト19で締結したトルク受板18bからなっている。

0047

この出側押さえロール13では、軸芯金属ロール11の外周面と、カーボンスリーブの内周面間に均一な隙間cを形成することが重要であるため、図4(b)に示すように、テーパーリング17a(17b)に、軸芯金属ロール11の外周面とカーボンスリーブの内周面間に所定の隙間cが均一形成されているかどうか確認するための、隙間ゲージ差込み孔20が設けられている。

0048

この出側押さえロール13は、常温状態では、軸心金属ロール11とカーボンスリーブ12間には、最適な隙間cが均一形成されており、図5(a)に示すように、軸の両端部をエアシリンダー21によって上下動自在なロールチョック22に回転自在に支持されており、通電加熱前に昇温する際には、その中心の位置を上方の退避位置Spに上げ通電ロール2bから離した状態で行い、この時、軸端部の歯車15が駆動装置Mの歯車23に連結され所定の回転数で回転することにより出側押さえロール13の各部位の温度変化が均一になるようにする。

0049

出側押さえロール13の温度が通電加熱温度に達したときには、カーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間の隙間cが0になり、カーボンスリーブ12に適度の内部応力が発生している状態の出側押さえロール13を、図5(b)に示す。鋼帯1が出側通電ロール2bに到達する直前に押さえロール13を加熱操業位置Lpに下げ、鋼帯1を出側通電ロール2bとの間で挟持して密着性を十分に確保して安定した通電加熱を行うことができる。このとき、カーボンスリーブ12は密着している軸芯金属ロール11に支えられた状態で、鋼帯に押し付けられるので、十分な強度を発揮する。

0050

また、例えば最初のコイルの通電加熱後、次のコイルの通電加熱までの間、あるいは加熱操業中断(終了)の際など、出側押さえロール13は鋼帯1とは非接触で停止状態が15分以上になった場合には、前記したように、各部位に対する熱環境が不均一になり、各部位で温度差を生じ、熱膨張率の大きい軸芯金属ロール11に熱曲りが発生し、熱膨脹率が小さく熱曲りを生じ難いカーボンスリーブ12との間で寸法干渉が起こりカーボンスリーブ12が破損することがある。

0051

そこで、ここでは、出側押さえロール13が鋼帯1と非接触状態になったときには、エアシリンダー21によって出側押さえロール13を上方の退避位置Spに上げて通電ロール2bから離し、軸端部の歯車15を駆動装置Mの歯車23に連結して所定の回転数で回転することにより出側押さえロール13の各部位の温度変化を均一にする。

0052

次の通電加熱開始までの時間が長く、そのままでは出側押さえロール13の温度が通電加熱温度より大幅に降下してしまう場合には、ここで、出側押さえロール13を回転させながら加熱も行い、通電加熱温度に達してカーボンスリーブ12と軸芯金属ロール11間の隙間cが0になり、カーボンスリーブ12が密着している軸心金属ロールに支えられた状態にして、図5(b)に示すように、鋼帯1が出側通電ロール2bに到達する直前に加熱操業位置Lpに下げ、鋼帯1を出側通電ロール2bとの間で挟持して密着性を十分に確保して安定した通電加熱を行う。

0053

なお、本発明では、出側押さえロール13の温度管理が必要であり、ここでは、出側押さえロール13が加熱操業位置Lpにある時および退避位置Spにある時、出側押さえロール13の温度を測定できるように温度センサー(図示省略)を設置し、この温度センサーからの温度情報に基づいて、出側押さえロール13の加熱条件を制御(温度制御系は説明を省略)するようにしている。

0054

上記のようにして、出側通電ロール2bと対をなす出側押さえロール13の鋼帯1に接触する部分を柔らかいカーボンスリーブ12で形成して、その形状特性と寿命を安定確保しながら、出側通電ロール2bと鋼帯1の密着性を高め、出側通電ロール2bと鋼帯1間でスパーク発生を防止しながら安定した通電加熱操業を実現することができる。

0055

なお、本発明は、上記の例の構成に限定されるものではない。例えば、上記の例では、通電加熱装置として、鋼帯を水平方向に通板して通電加熱するように構成されたものを例として示したが、鋼帯の通板方向は水平方向だけではなく、通電加熱する鋼帯の通板状態に応じて垂直方向や傾斜方向にも変更されるものである。また、出側押さえロールの環状ストッパーの構造、出側押さえロールの回転構造、駆動装置の種類、駆動伝達手段、出側押さえロールの進退構造、出側押さえロールの加熱構造等については、通電加熱対象、通電加熱条件、設備規模設備レイアウト等に応じて、前記請求項を満足する範囲内で変更されるものである。

0056

[実験例1]図3図5に示したように構成した本発明の出側押さえロールを用いた直接通電加熱装置を、熱処理ラインに配置し、冷間圧延して得られた幅350mm、厚み0.1mmの鋼帯(規格SUS304)50t(コイル数10)を、400〜440℃に通電加熱して連続熱処理(焼鈍)実験を行い、出側通電ロールと鋼帯間でのスパーク発生状況、出側押さえロールの形状特性と破損状況、熱処理(焼鈍)後の鋼帯の品質等を調査した。実施条件と調査結果を比較例の場合と比較して以下に説明する。

0057

実験条件
通電加熱装置
通電ロール(鋼)
外径:250mm
有効幅ロール長):700mm
電源:交流60Hz、100kw
通電ロール間距離:1,500mm
押さえロール
入側押さえロール(フッ素ゴム
外径 :250mm
有効幅(ロール長):700mm
出側押さえロール(カーボンスリーブロール)
軸心金属ロール(鋼)
外径:200mm
カーボンスリーブ
内径:200.64mm
外径:250mm
軸心金属ロールとカーボンスリーブ間の隙間c:常温で0.32mm、380℃で0mmになるように設定
加熱構造:内部加熱(誘導加熱方式
鋼帯との非接触時間:コイル間5分×10回
押付力:200kg

0058

(1)本発明の実験例では、出側押さえロールを退避位置Spで、2回転/分で回転しながら常温状態から通電加熱温度まで昇温してから、通電加熱位置Lpに下げ鋼帯を出側通電ロール側に押し付け通電加熱を実施し、鋼帯と非接触状態になるコイル間では、退避位置Spに上げ2回転/分で回転した。その結果、出側押さえロールに曲りや窪みなどの発生はなく、良好な形状特性を維持し、破損の発生もなく、十分な寿命を確保することができた。また、出側通電ロールと鋼帯間でスパークの発生はなく、通電加熱により熱処理後の鋼帯の品質に全く問題はなかった。

0059

[実験例2]実験例1で用いた出側押さえロールについて、常温状態(15℃)から通電加熱温度(平均)420℃まで昇温させた場合について、各部位の温度を測定した。その結果を以下に説明する。
(1)退避位置で2回転/分で回転しながら昇温させた本発明の実験例では、出側押さえロールの各部位間の温度差は5℃以内と小さく、曲りの発生は全く認められなかった。
(2) 退避位置で回転しないで昇温させた比較例では、出側押さえロール各部位間の温度差は50〜80℃とかなり大きく、軽微ながら、最大で1mmの曲りの発生が認められた。この曲りは通電加熱時にスパークを発生する可能性が大である。

0060

[実験例3]実験例1で用いた出側押さえロールについて、通電加熱温度420℃から80℃まで温度降下させた場合について、各部位の温度を測定した。その結果を以下に説明する。
(1)退避位置で2回転/分で回転しながら温度降下させた本発明の実験例では、出側押さえロールの各部位間の温度差は5℃以内と小さく、曲りの発生は全く認められなかった。
(2)退避位置で回転しないで温度降下させた比較例では、各部位間の温度差は30〜40℃とかなり大きく、軽微ながら、最大で0.8mmの曲りの発生が認められた。この曲りは通電加熱時にスパークを発生する可能性が大である。

発明の効果

0061

本発明では、軸芯金属ロールとカーボンスリーブからなる出側押さえロールとし、懸念される破損を有利に防止しながら、形状特性と寿命を安定確保しつつ鋼帯との密着性を高め、出側通電ロールと鋼帯間での密着性を高めてスパークの発生を防止しながら安定した通電加熱操業を実現することができる。

図面の簡単な説明

0062

図1本発明の出側押さえロールの構造例を示す側断面説明図で、(a)図は、常温状態を、また、(b)図は、加熱操業状態を示している。
図2本発明の出側押さえロールにおける温度とカーボンスリーブの内部応力の関係を示す説明図。
図3本発明を実施する通電加熱装置例を示す側面説明図。
図4(a)図は、図3の通電加熱装置例で用いる、回転機構を備えた出側押さえロールの構造例を示す一部断面側面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視断面説明図。
図5図4の本発明の出側押さえロールの動作例を示す一部断面側面説明図で、(a)図は、通電加熱していない状態を示し、(b)図は、通電加熱中の状態を示す。
図6公知の通電加熱装置例を示す側面説明図。
図7公知の通電加熱装置の他例を示す側面説明図。

--

0063

1鋼帯
2a入側通電ロール
2b 出側通電ロール
3電源
4a 入側押さえロール
11軸心金属ロール
12カーボンスリーブ
12t傾斜上面
13 出側押さえロール
14a、14b環状ストッパー
14t傾斜下面(環状ストッパー)
15歯車
16緩衝材
17a、17bテーパーリング
18トルク受板
19ボルト
20隙間ゲージ差込み孔
21エアシリンダー
22ロールチョック
23 歯車(駆動装置側
c 隙間
M駆動装置
Lp通電加熱位置
Sp退避位置
Af 焼鈍炉

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