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技術 乳酸桿菌属細菌プロトプラスト再生法及び培地

出願人 農林水産省草地試験場長
発明者 田中治大桃定洋小林亮英
出願日 1998年3月30日 (23年6ヶ月経過) 出願番号 1998-084145
公開日 1999年10月12日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1999-276159
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理
主要キーワード 塩化マグネシウム濃度 細菌分離 発酵飼料 再生率 コロイド物質 乳酸桿菌属 再生法 サイレージ
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年10月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

従来の方法では不可能だった乳酸桿菌属細菌のプロトプラスト再生を可能にする。

解決手段

乳酸桿菌属細菌の遣伝学的な改良を目的として、高濃度ゼラチン及びポリビニルピロリドンPVP)を主成分とした培地ゼラチン培地)を用いた乳酸桿菌属細菌プロトプラストの再生方法を開発した。高濃度のゼラチンとポリビニルピロリドン(PVP)を成分として用い(水1L当たりそれぞれ300g及び100g)、また、塩化マグネシウム含量を0.1Mまで増加させた培地を用いて乳酸桿菌属細菌菌株のプロトプラストの培養を行うことによりその再生を可能にする。これにより、乳酸菌属細菌の主要菌種のプロトプラストの再生が可能になった。

概要

背景

乳酸桿菌属細菌はいわゆる乳酸菌一種であり、発酵乳製品発酵肉製品及びサイレージのような家畜発酵飼料の製造に広く用いられている細菌である。乳酸桿菌属細菌を遺伝学的に改良することを目的として、菌体細胞プロトプラスト(細胞表面を被っている細胞壁がなくなった状態の細胞)にした後に外来遣伝子を形質転換法細胞融合法等でプロトプラスト内に導人する方法がある。しかし、それを可能にするためには、外来遣伝子をプロトプラストに導入した後にそのプロトプラストを培養によって細胞壁を再生させて通常の細胞の状態に戻す操作(プロトプラストの再生)が不可欠である。

乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの再生は、従来ラフィノース等の糖類を0.3M〜0.5M、塩化マグネシウムを0.005M〜0.025M及びゼラチンを2.5%加えて高浸透圧にした寒天培地(表l参照)を用いてプロトプラストを培養することにより行われてきた。しかし、このような方法でプロトプラストの再生が可能な菌株はごく限られており、しかもそれらの再生率は多くの場合、10%以下と低い値にとどまっていることが、プロトプラストを利用した乳酸桿菌属細菌の遣伝学的改良の上ての障害となっていた。

概要

従来の方法では不可能だった乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの再生を可能にする。

乳酸桿菌属細菌の遣伝学的な改良を目的として、高濃度のゼラチン及びポリビニルピロリドンPVP)を主成分とした培地ゼラチン培地)を用いた乳酸桿菌属細菌プロトプラストの再生方法を開発した。高濃度のゼラチンとポリビニルピロリドン(PVP)を成分として用い(水1L当たりそれぞれ300g及び100g)、また、塩化マグネシウム含量を0.1Mまで増加させた培地を用いて乳酸桿菌属細菌菌株のプロトプラストの培養を行うことによりその再生を可能にする。これにより、乳酸菌属細菌の主要菌種のプロトプラストの再生が可能になった。

目的

本発明は、本発明者が新たに提案した上記の培地により、従来の方法では不可能だった乳酸桿菌属細菌菌株のプロトプラストの再生を可能にさせることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

乳酸桿菌属細菌(Lactobacillus属細菌)の細胞壁が除去された状態の細胞プロトプラスト)の細胞壁を、寒天でない培地で培養したプロトプラストを用いて再生するようにしたことを特徴とする乳酸桿菌属細菌プロトプラスト再生法

請求項2

乳酸桿菌属に属する細菌(Lactobacillus属細菌)のプロトプラストを再生するのに用いられるプロトプラストを培養する培地であって、主成分としてゼラチンポリビニルピロリドン塩化マグネシウム及びラフィノースを用いたことを特徴とする請求項1記載の乳酸桿菌属細菌プロトプラスト再生用の培地。

技術分野

0001

本発明は、乳酸桿菌属の細菌について、細胞壁がなくなった状態の細胞プロトプラスト)の細胞壁を培養によって再生させるプロトプラスト培養技術に関する。

背景技術

0002

乳酸桿菌属細菌はいわゆる乳酸菌一種であり、発酵乳製品発酵肉製品及びサイレージのような家畜発酵飼料の製造に広く用いられている細菌である。乳酸桿菌属細菌を遺伝学的に改良することを目的として、菌体細胞をプロトプラスト(細胞表面を被っている細胞壁がなくなった状態の細胞)にした後に外来遣伝子を形質転換法細胞融合法等でプロトプラスト内に導人する方法がある。しかし、それを可能にするためには、外来遣伝子をプロトプラストに導入した後にそのプロトプラストを培養によって細胞壁を再生させて通常の細胞の状態に戻す操作(プロトプラストの再生)が不可欠である。

0003

乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの再生は、従来ラフィノース等の糖類を0.3M〜0.5M、塩化マグネシウムを0.005M〜0.025M及びゼラチンを2.5%加えて高浸透圧にした寒天培地(表l参照)を用いてプロトプラストを培養することにより行われてきた。しかし、このような方法でプロトプラストの再生が可能な菌株はごく限られており、しかもそれらの再生率は多くの場合、10%以下と低い値にとどまっていることが、プロトプラストを利用した乳酸桿菌属細菌の遣伝学的改良の上ての障害となっていた。

0004

本発明者は、当初、上記のような寒天培地を用いて乳酸桿菌属細菌分離菌株のプロトプラストの再生を試みたが、それらのプロトプラストの再生は認められなかった(表2参照)。そこで、それに替わる方法として、寒天の代わりに高濃度のゼラチンとポリビニルピロリドンPVP)を主成分として用い(水1L当たりそれぞれ300g及び100g)、また、塩化マグネシウム含量を0.1Mまて増加させた培地(表l及び表2)を用いることを提案した。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、本発明者が新たに提案した上記の培地により、従来の方法では不可能だった乳酸桿菌属細菌菌株のプロトプラストの再生を可能にさせることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するために本発明は、乳酸桿菌属細菌菌株のプロトプラストの再生を可能にする方法を提供する。この方法は、上記の培地で乳酸菌属細菌のプロトプラストを培養する工程を包含する。本発明はまた、寒天の代わりに高濃度のゼラチンとポリビニルピロリドン(PVP)を成分として用い(水1L当たりそれぞれ300g及び100g)、また、塩化マグネシウム含量を0.1Mまで増加させた培地を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0007

プロトプラストの再生は、プロトプラストを培養して細胞壁を再生することにより行われるが、プロトプラストのように、細胞内容物を保護する機能を有する細胞壁を欠く細胞は低浸透圧条件下て破裂しやすいため、プロトプラストの再生用の培地は一般に、高濃度(約0.5M程度)の糖類または電解質を添加して浸透圧を高めてある。これらの糖類または電解質は浸透圧調節剤と呼ばれている。

0008

このうち、乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの再生には、浸透圧調節剤として0.3M〜0.5Mのラフィノースまたはマルトースを0.005M〜0.025Mの塩化マグネシウムとともに用いることが有効とされてきた。また、プロトプラストの再生のための培地は寒天培地のような固体培地を用いる必要があり、また、ゼラチンを2.5%程度寒天培地に添加するとプロトプラストの再生率が上昇する場合が多いことが知られている。このうち、ゼラチンの添加効果の理由は、プロトプラストのような低浸透圧条件下で破裂しやすい細胞の安定的保持には単なる高浸透圧条件だけでなく、ゼラチンのようなコロイド物質によってもたらされる浸透圧(コロイド浸透圧)が重要な役割を果たしているためと考えられている。

0009

本発明においては、これらの培地成分がプロトプラスト再生率に及ぼす効果に検討を加えた。具体的には、.従来培地を固化させるのに用いられてきた寒天の代わりにゼラチンを高濃度(水1L当たり200g〜300g)で用いて培地を固化させる効果、.培地添加用コロイド物質としてゼラチン以外にポリビニルピロリドン(PVP)を添加する効果、及び.浸透圧調節剤のうち、塩化マグネシウムの培地中濃度を上昇させる効果、について検討を行った。

0010

以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は実施例に限定されない。

0011

(実施例)本実施例では、サイレージから分離・選抜したLactobacillus 属等の乳酸桿菌属細菌菌株を用いて、それらのプロトプラストの再生方法を以下のように検討した。

0012

[再生方法]
1)供試菌:乳酸桿菌属細菌としてサイレージより分離・選抜したLactobacillus plantarum 3株、L. pentosus l株、L. casei l株、L. rhamnosus 1株を用いて、図1に示す手段により試験した。
2)乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの調製及び再生:上記の菌株をグリシンをl%及びゼラチンを0.5%添加したMR液体培地で37℃で2時間培養したものを供試菌体とした。これらの菌体を溶菌酵素溶液(N−アセチルムラミダーゼ10〜30μg/mL、リゾチーム100μg/mL、EDTA・2Na2.7mM、酢酸ナトリウム30mM、ラフィノース0.3Mまたは0.5M、MgCl2 mM、pH6.2)を用いて37℃で30〜90分間処理することによりプロトプラスト化を行った。プロトプラストの再生に用いた培地は表1及び表2に示した。

0013

(結果の概要
1)L. plantarum l株を用いてプロトプラスト再生を試みたが、従来乳酸桿菌属細菌プロトプラストの再生に用いられたものに近い組成の寒天培地(表1)では全く再生が認められなかった(表2参照)。
2)上記のL. plantarum 株のプロトプラストが再生可能な培地の組成を検討した結果、寒天を用いず、代わりに高濃度のゼラチン(水1L当たり300g)を用いて固化させた培地(ゼラチン培地)を用いると、本菌株のプロトプラストの再生が観察されるようになり、この培地にさらに、ポリビニルピロリドンを水1L当たり100g添加し、培地中の塩化マグネシウム濃度を0.1Mに上昇させたにゼラチン培地(表1)を用いて嫌気条件下で培養(23℃で7〜 10日間)することにより、90%以上のプロトプラスト再生率が得られた(表2)。この培地を用いることにより、L. plantarum 株及びL. pentosus 株の場合で88〜99%、L. rhamnosus 株の場合で30〜41%と高いプロトプラスト再生率が得られた。ただし、L. casei 株の場合のそれは5%にとどまった(表3)。

0014

以上の結果より、本発明は、L. plantarum 、L. pentosus 及びL. rhamnosusのプロトプラスト再生に有効であることが明らかになった。

発明の効果

0015

本発明は、サイレージ添加用乳酸桿菌属細菌として主要な菌種であるL. plantarum 、L. pentosus 及びL. rhamnosus のプロトプラスト再生に有効であり、形質転換法や細胞融合法等これらの菌のプロトプラスト化を利用した遺伝学的改良を行い得る。

図面の簡単な説明

0016

図1乳酸桿菌属細菌のプロトプラストの調製及びその再生の模式図である。

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