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技術 圧電共振子の製造方法

出願人 株式会社村田製作所
発明者 開田弘明
出願日 1998年3月10日 (21年6ヶ月経過) 出願番号 1998-058454
公開日 1999年9月24日 (20年0ヶ月経過) 公開番号 1999-261358
状態 特許登録済
技術分野 圧電振動子 電気機械共振器の製造 圧電・機械振動子,遅延・フィルタ回路
主要キーワード スリップ状 電極形成用マスク 各共振周波数 重なり面 閉込め PZT系圧電セラミックス PZT 周波数範囲内
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図面 (14)

課題

少ない種類のマスクを用いて様々な共振周波数で用いられる圧電共振子励振電極及び引出し電極を形成することができ、かつ各共振周波数において最適な電極重なり長を実現することができ、それによって良好な共振特性が得られる圧電共振子の製造方法。

解決手段

励振電極及び引出し電極を結ぶ方向を第1の方向としたときに第1の方向と直交する第2の方向に延ばされた帯状の第1の電極2a〜2hが形成された第1のマザー基板1を用意し、第1のマザー基板1を切断して第2のマザー基板3を得るにあたり、切断位置Bを、帯状の第1の電極2a〜2hの第1の方向に沿った長さが、目的とする共振周波数において最適な電極重なり長を実現するように選択して切断し、得られた第2のマザー基板3において、帯状の第2の電極をマスクを用いて形成し、しかる後第2のマザー基板3を切断し、圧電共振子を得る。

概要

背景

エネルギー閉込め型の圧電共振子としては、圧電板の両主面において部分的に第1,第2の励振電極をそれぞれ形成し、第1,第2の励振電極が圧電板を介して重なり合っている部分を励振部とした構造のものが知られている。また、例えば、特公平7−105686号公報に開示されているように、少なくとも1つの内部電極を有し、該内部電極と圧電体層を介して重なり合うように圧電体表面にさらに励振電極を形成してなる積層型のエネルギー閉込め型圧電共振子も知られている。

ところで、これらの圧電共振子においては、その共振周波数は、圧電体の厚みに依存する。従って、異なる共振周波数の圧電共振子を得ようとした場合、該共振周波数に応じた厚みの圧電体が用いられていた。

もっとも、圧電共振子の共振特性は、励振部を構成している励振電極間の重なり面積によって異なる。従って、ある共振周波数において、良好な共振特性を得ようとした場合、圧電体の厚みを決定した後に、励振電極の重なり面積を最適な面積となるように構成しなければならない。他方、この最適な励振電極重なり面積については、共振周波数によって異なる。

従って、ある共振周波数において良好な共振特性を実現するには、共振周波数に応じてある厚みの圧電体を用意した後、該圧電体において上記最適な重なり面積を実現するように励振電極を形成しなければならない。

しかしながら、従来、これらの圧電共振子の製造に際しては、圧電材料からなるマザー基板において、複数の励振電極が同時に形成されているのが普通である。これを図13に示す従来の厚み滑り振動モードを利用した圧電共振子70の製造方法を例にとり説明する。

圧電共振子70を得るにあたっては、先ず圧電材料になるマザー基板の上面及び下面に帯状電極所定間隔を隔てて形成する。上面の帯状の電極は、図13に示されている一方の励振電極72a及び引出し電極72bを形成するために設けられており、下面に形成されている帯状の電極は、下面に形成された励振電極72c及び引出し電極72dを形成するために設けられている。

従って、上面の帯状電極と、下面の帯状電極とが、励振電極72a,72cの重なり長Lに相当するようにマザー基板を介して重なり合わされている。次に、マザー基板を励振電極72aと引出し電極72bとを結ぶ方向及び該方向と直交する方向に切断し、圧電共振子70を得る。

圧電共振子70では、矢印P方向に分極された圧電体71において、引出し電極72bと引出し電極72dとが、励振部から逆方向に引き出されている。すなわち、引出し電極72bは端面71aに至るように、引出し電極72dは端面71bに至るように形成されている。

すなわち、上記のように、従来のエネルギー閉込め圧電共振子70の製造に際しては、マザー基板において、両面に複数の帯状の電極を同時に形成するのが普通であった。

概要

少ない種類のマスクを用いて様々な共振周波数で用いられる圧電共振子の励振電極及び引出し電極を形成することができ、かつ各共振周波数において最適な電極重なり長を実現することができ、それによって良好な共振特性が得られる圧電共振子の製造方法。

励振電極及び引出し電極を結ぶ方向を第1の方向としたときに第1の方向と直交する第2の方向に延ばされた帯状の第1の電極2a〜2hが形成された第1のマザー基板1を用意し、第1のマザー基板1を切断して第2のマザー基板3を得るにあたり、切断位置Bを、帯状の第1の電極2a〜2hの第1の方向に沿った長さが、目的とする共振周波数において最適な電極重なり長を実現するように選択して切断し、得られた第2のマザー基板3において、帯状の第2の電極をマスクを用いて形成し、しかる後第2のマザー基板3を切断し、圧電共振子を得る。

目的

本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、1種類の電極形成用マスクを用いて、最適な電極重なり長を実現することができ、かつ様々な共振周波数に応じて最適な電極重なり面積を実現し得る、従って、良好な共振特性を有する圧電共振子を製造し得る方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

圧電体と、励振部を構成するために圧電体層を介して重なり合うように形成された複数の励振電極と、各励振電極に連ねられておりかつ圧電体端部まで引き出された複数の引出し電極とを備え、第1の電位に接続される引出し電極と、第2の電位に接続される引出し電極とが逆方向に延ばされている圧電共振子の製造方法であって、前記励振電極と引出し電極とを結ぶ方向を第1の方向としたときに、第1の方向と直交する第2の方向に延ばされた複数の帯状の第1の電極が第1の方向において所定の間隔を隔てて配置された第1のマザー基板を用意する工程と、前記帯状の第1の電極の第1の方向における長さが目的とする共振周波数に応じた長さとなるように、前記第1のマザー基板を第2の方向に切断し、第2のマザー基板を得る工程と、第2のマザー基板の主面にマスクを用いて、第2の電位に接続される励振電極及び引出し電極が第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成する工程と、前記第2のマザー基板を第1の方向に沿って切断し、複数の圧電共振子を得る工程とを備えることを特徴とする、圧電共振子の製造方法。

請求項2

前記圧電体が細長スリップ状の形状を有し、該圧電体の長さ方向が前記第1の方向とされている、請求項1に記載の圧電共振子の製造方法。

請求項3

前記第1のマザー基板において、前記第1の方向に直交する方向に延ばされた複数の帯状の第1の電極が、第1のマザー基板の第1の主面に形成され、前記第2のマザー基板の主面にマスクを用いて帯状の第2の電極を形成する工程において、該帯状の第2の電極を第2のマザー基板の第2の主面に形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の圧電共振子の製造方法。

請求項4

前記第1のマザー基板が厚み方向に分極処理されており、厚み縦振動モードを利用した圧電共振子を得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電共振子の製造方法。

請求項5

前記第1のマザー基板が前記第1の方向に分極処理されており、滑りモードを利用した圧電共振子を得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電共振子の製造方法。

請求項6

前記第1のマザー基板において、前記第1の方向に直交する方向に延ばされた帯状の第1の電極が内部電極として形成されており、前記第2のマザー基板の主面にマスクを用いて第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成する工程において、該帯状の第2の電極が、第2のマザー基板の第1,第2の主面に形成され、厚み縦振動モードの高調波を利用した圧電共振子を得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の圧電共振子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば発振子などに用いられる圧電共振子の製造方法に関し、より詳細には、圧電体層を介して重なり合うように複数の励振電極を形成してなるエネルギー閉込め型の圧電共振子の製造方法に関する。

背景技術

0002

エネルギー閉込め型の圧電共振子としては、圧電板の両主面において部分的に第1,第2の励振電極をそれぞれ形成し、第1,第2の励振電極が圧電板を介して重なり合っている部分を励振部とした構造のものが知られている。また、例えば、特公平7−105686号公報に開示されているように、少なくとも1つの内部電極を有し、該内部電極と圧電体層を介して重なり合うように圧電体表面にさらに励振電極を形成してなる積層型のエネルギー閉込め型圧電共振子も知られている。

0003

ところで、これらの圧電共振子においては、その共振周波数は、圧電体の厚みに依存する。従って、異なる共振周波数の圧電共振子を得ようとした場合、該共振周波数に応じた厚みの圧電体が用いられていた。

0004

もっとも、圧電共振子の共振特性は、励振部を構成している励振電極間の重なり面積によって異なる。従って、ある共振周波数において、良好な共振特性を得ようとした場合、圧電体の厚みを決定した後に、励振電極の重なり面積を最適な面積となるように構成しなければならない。他方、この最適な励振電極重なり面積については、共振周波数によって異なる。

0005

従って、ある共振周波数において良好な共振特性を実現するには、共振周波数に応じてある厚みの圧電体を用意した後、該圧電体において上記最適な重なり面積を実現するように励振電極を形成しなければならない。

0006

しかしながら、従来、これらの圧電共振子の製造に際しては、圧電材料からなるマザー基板において、複数の励振電極が同時に形成されているのが普通である。これを図13に示す従来の厚み滑り振動モードを利用した圧電共振子70の製造方法を例にとり説明する。

0007

圧電共振子70を得るにあたっては、先ず圧電材料になるマザー基板の上面及び下面に帯状電極所定間隔を隔てて形成する。上面の帯状の電極は、図13に示されている一方の励振電極72a及び引出し電極72bを形成するために設けられており、下面に形成されている帯状の電極は、下面に形成された励振電極72c及び引出し電極72dを形成するために設けられている。

0008

従って、上面の帯状電極と、下面の帯状電極とが、励振電極72a,72cの重なり長Lに相当するようにマザー基板を介して重なり合わされている。次に、マザー基板を励振電極72aと引出し電極72bとを結ぶ方向及び該方向と直交する方向に切断し、圧電共振子70を得る。

0009

圧電共振子70では、矢印P方向に分極された圧電体71において、引出し電極72bと引出し電極72dとが、励振部から逆方向に引き出されている。すなわち、引出し電極72bは端面71aに至るように、引出し電極72dは端面71bに至るように形成されている。

0010

すなわち、上記のように、従来のエネルギー閉込め圧電共振子70の製造に際しては、マザー基板において、両面に複数の帯状の電極を同時に形成するのが普通であった。

発明が解決しようとする課題

0011

前述したように、特定の共振周波数において良好な共振特性を得るためには、圧電共振子における励振電極間の重なり面積、すなわち圧電共振子70においては励振電極72aと励振電極72cとの重なり長Lは、最適な値としなければならなかった。従って、様々な周波数の圧電共振子を得ようとした場合、帯状の電極をマザー基板に形成するに際し、各共振周波数に応じた最適の電極重なり長Lを実現し得るマスクを用意しなければならない。

0012

しかしながら、全ての共振周波数に応じて様々なマスクを用意した場合、コストが非常に高くつくことになる。そこで、実際には、幾つかの周波数範囲に分割し、一つの周波数範囲内では同じマスクを用い、マザー基板に上記帯状の電極を形成していた。

0013

従って、従来のエネルギー閉込め型圧電共振子では、その共振周波数に対して電極重なり長Lは必ずしも最適な値とはならないことがあった。すなわち、ある周波数範囲において、ある特定の共振周波数に応じて電極重なり長Lを設定した場合、該周波数範囲における他の共振周波数では、その共振周波数における最適な電極重なり長とはならず、十分良好な共振特性を実現し得ないことがあった。

0014

本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、1種類の電極形成用マスクを用いて、最適な電極重なり長を実現することができ、かつ様々な共振周波数に応じて最適な電極重なり面積を実現し得る、従って、良好な共振特性を有する圧電共振子を製造し得る方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

請求項1に記載の発明は、圧電体と、励振部を構成するために圧電体層を介して重なり合うように形成された複数の励振電極と、各励振電極に連ねられておりかつ圧電体端部まで引き出された複数の引出し電極とを備え、第1の電位に接続される引出し電極と、第2の電位に接続される引出し電極とが逆方向に延ばされている圧電共振子の製造方法であって、前記励振電極と引出し電極とを結ぶ方向を第1の方向としたときに、第1の方向と直交する第2の方向に延ばされた複数の帯状の第1の電極が第1の方向において所定の間隔を隔てて配置された第1のマザー基板を用意する工程と、前記帯状の第1の電極の第1の方向における長さが目的とする共振周波数に応じた長さとなるように、前記第1のマザー基板を第2の方向に切断し、第2のマザー基板を得る工程と、第2のマザー基板の主面にマスクを用いて、第2の電位に接続される励振電極及び引出し電極が第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成する工程と、前記第2のマザー基板を第1の方向に沿って切断し、複数の圧電共振子を得る工程とを備えることを特徴とする。

0016

請求項2に記載の発明では、上記圧電体は細長スリップ状の形状を有し、その長さ方向が上記第1の方向とされている。請求項3に記載の発明では、前記第1のマザー基板において、前記第1の方向に直交する方向に延ばされた複数の帯状の第1の電極が、第1のマザー基板の第1の主面に形成され、前記第2のマザー基板の主面にマスクを用いて帯状の第2の電極を形成する工程において、該帯状の第2の電極が第2のマザー基板の第2の主面に形成される。

0017

請求項4に記載の発明では、前記第1のマザー基板が厚み方向に分極処理されており、厚み縦振動モードを利用した圧電共振子が得られる。請求項5に記載の発明では、前記第1のマザー基板が前記第1の方向に分極処理されており、滑りモードを利用した圧電共振子が得られる。

0018

請求項6に記載の発明では、前記第1のマザー基板において、前記第1の方向に直交する方向に延ばされた帯状の第1の電極が、内部電極として形成されており、前記第2のマザー基板の主面にマスクを用いて第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成する工程において、該帯状の第2の電極が、第2のマザー基板の第1,第2の主面に形成され、それによって厚み縦振動モードの高調波を利用した圧電共振子が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。

0020

図1図4を参照して、本発明の第1の実施例を説明する。先ず、図1に斜視図で示すマザー基板1を用意する。マザー基板1は、例えばPZTセラミックスのような圧電セラミックスにより構成されており、矩形の平面形状を有する。

0021

マザー基板1は、矢印Pで示すように厚み方向に分極処理されている。マザー基板1の第1の主面すなわち上面1a上には、帯状の第1の電極2a〜2hが所定の間隔を隔てて平行に形成されている。この帯状の第1の電極の延びる方向を第2の方向とし、第2の方向と直交し、帯状の第1の電極同士を結ぶ方向を第1の方向とする。この帯状の第1の電極2aは、マザー基板1の上面1a側にマスクを配置し、蒸着スパッタリングなどの薄膜形成法により導電性材料を付与することにより形成することができる。帯状の第1の電極2a〜2hを構成する導電性材料については、Ni、Cuなどの適宜の金属材料を用いることができる。

0022

次に、第1のマザー基板1を、図1破線Aで示す切断位置で切断する。破線Aは、第2の方向と平行である。また、上記切断位置A,A間の距離は、後述するように、目的とする共振周波数に応じて最終的に得られる圧電共振子の電極重なり長Lを最適な長さとするように選ばれる。

0023

上記のようにして、切断位置A,A…で切断されて、複数の第2のマザー基板3が得られる。次に、図2に第1の方向に沿う断面図で示すように、第2のマザー基板3の上面にマスク4を、下面にマスク5を当接させて、第2のマザー基板3の下面3bに蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成法により導電性材料を付与することにより帯状の第2の電極6aを形成する。

0024

上面3a上には電極材料が付着しないように、マスク4は第2のマザー基板3の上面3aの全面を被覆するように構成されている。他方、マスク5は、窓部5aを有し、窓部5aの形状に応じて帯状の第2の電極6aが形成される。第2の電極6aを構成する材料については、第1の電極2a〜2hを構成した導電性材料と同様の導電性材料を用いることができる。

0025

この帯状の第2の電極6aは、図2紙面−紙背方向に延ばされており、すなわち第2の方向に延ばされている。また、第2の電極6aの幅、すなわち第1の方向に沿う長さXは、マスク5の窓部5aの第1の方向に沿う長さにより決定される。

0026

次に、上述した第2のマザー基板3を、図1のC−C線に対応する部分で切断し、すなわち第1の方向に沿って切断し、複数の圧電共振子を得る。このようにして得られた圧電共振子を、図4に断面図で示す。圧電共振子7では、第2のマザー基板3を切断することにより得られた細長いストリップ状の圧電体3Aの上面に電極2Aが、下面に電極6Aが形成されている。電極2Aは、帯状の第1の電極2aがC−C線に沿って切断されることにより形成されている。同様に、電極6Aは、帯状の第2の電極6aがC−C線に沿って切断されることにより構成されている。

0027

電極2A及び6Aは、圧電体3Aの長さ方向中央部分において圧電体3Aを介して重なり合っている。この電極2A,6Aのうち、圧電体3Aを介して重なり合っている部分が励振部8を構成しており、該励振部8を構成している電極部分が、それぞれ、本発明における第1の励振電極2A1 及び第2の励振電極6A1を構成している。また、電極2Aのうち、励振電極2A1 から圧電体3Aの一方端面3A1 に向かって引き出されている部分が第1の引出し電極2A2 を構成しており、電極6Aのうち、励振部8から圧電体3Aの反対側の端面3A2 に向かって引き出されている電極部分が第2の引出し電極6A2 を構成している。

0028

ところで、圧電共振子7の共振周波数は、圧電体3Aの厚みに依存する。従って、例えば、上記圧電共振子7よりも高い共振周波数の圧電共振子を得ようとした場合には、図1に示したマザー基板1として、より厚みの薄い圧電基板を用いればよい。この場合においても、図2に示したマスク5と同じマスクを用いて、第2のマザー基板3の下面に第2の励振電極及び引出し電極を得るための帯状の第2の電極6aを形成すればよい。これを、図1及び図3を参照して説明する。

0029

すなわち、より高い共振周波数を有する圧電共振子を得ようとした場合、図1に示す第1のマザー基板1の厚みを薄くすればよい。そして、上記マザー基板1を切断して第2のマザー基板を得るにあたり、切断位置A,A…を、実現しようとする共振周波数にとって最適な電極重なり長Lが得られるように選択すればよい。例えば、より高い共振周波数の圧電共振子においては電極重なり長Lをより小さくすればよいため、図1の一点鎖線A' ,A' …で示す切断位置で切断すればよい。

0030

このようにして、図3に示す第2のマザー基板13を得ることができる。この第2のマザー基板13では、切断位置A' ,A' …において切断したため、第1の主面13a上において形成されている帯状の第1の電極12bの第1の方向に沿う長さは、図2に示した帯状の第1の電極2bの第1の方向に沿う長さに比べて短くされている。

0031

従って、図3に示すように、図2に示したマスク5と同一のマスク5を用いて第2のマザー基板13の下面13b上に帯状の第2の電極6aを形成すればよい。図3から明らかなように、上記電極12b,6aの第1の方向に沿う重なり長Lは、図2に示した電極2b,6a間の第1の方向に沿う重なり長Lよりも短くされることがわかる。従って、図3に示した第2のマザー基板13を、図1の一点鎖線C,C線に相当する部分で切断することにより、より高い共振周波数においても良好な共振特性を有する圧電共振子の得られることがわかる。

0032

上記のように、本実施例においては、第1のマザー基板1を切断し第2のマザー基板3,13を得るにあたり、その切断位置A,A,A' ,A' を、最終的に得られる圧電共振子における電極重なり長Lに応じて選択することにより、所望の電極重なり長Lを有する圧電共振子を得ることができる。しかも、この場合、下面に形成される第2の電極6aとしては、共振周波数の値に係わらず、変更する必要がないため、単一のマスク5を用いて第2のマザー基板の下面に帯状の第2の電極6aを形成すればよいだけである。

0033

よって、様々な共振周波数に対して最適な電極重なり長Lを実現することができるだけでなく、第2の主面に形成される第2の電極6aのためのマスクとして、1種類のマスク5のみを用意すればよい。

0034

(第2の実施例)第1の実施例は、厚み方向に分極処理された第1のマザー基板3を用い、厚み縦振動モードを利用した圧電共振子7を得ていた。しかしながら、本発明に係る圧電共振子の製造方法は、厚み縦振動モードを利用したものに限定されず、他の振動モード、例えば厚み滑り振動モードを利用したものであってもよい。

0035

第2の実施例は、厚み滑りモードを利用したエネルギー閉込め型の圧電共振子の製造方法である。先ず、図5に示すように、例えばPZT系圧電セラミックスのような圧電材料からなる第1のマザー基板21を用意する。圧電基板21は、矩形の平面形状を有し、矢印Pで示すように、主面と平行な方向に分極されている。マザー基板21の第1の主面、すなわち上面21a上において、帯状の第1の電極22a〜22cが所定間隔を隔てて平行に形成されている。

0036

上記第1のマザー基板21を、図5に破線で示す切断位置B,Bに沿って切断することにより、第2のマザー基板23を得る。この場合、切断位置B,Bを、第1の実施例の場合と同様に所望とする共振周波数に応じて選択すればよい。

0037

このようにして、図6に示す第2のマザー基板23を得る。第2のマザー基板23では、上面23a上に、帯状の第1の電極22bが形成されている。従って、上面23a上にマスク4を当接し、下面23b上にマスク5を当接し、導電性材料を蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成方法により付与し、帯状の第2の電極6aを形成する。第2の電極6aを第2の主面としての下面23b上に形成した後、第2のマザー基板23を、図5の一点鎖線C,C線に沿う部分に相当する部分で切断し、厚み滑りモードを利用した圧電共振子を得る。

0038

すなわち、上述した第1の実施例と、第1のマザー基板21の分極方向が異ならされていることを除いては、第1の実施例と同様にして、図8に示す厚み滑りモードを利用したエネルギー閉込め型の圧電共振子25を製造することができる。なお、図8において、23Aは圧電体を、22Bは電極を示し、励振電極22B1 と第1の引出し電極22B2 とを有する。

0039

この場合においても、より高い共振周波数の圧電共振子を得ようとした場合には、第1のマザー基板21として、より厚みの薄い圧電共振子を用い、切断位置を、図5に示す切断位置B' ,B' にシフトすればよい。このようにして、図7に示す第2のマザー基板33を得ることができる。第2のマザー基板33では、上記切断位置の変更により、上面33a上に形成されている帯状の第1の電極32aの第1の方向に沿う長さが、図6に示した第1の帯状の電極22aよりも第1の方向に沿う長さよりも短くされている。

0040

次に、下面33b上にマスク5を用いて帯状の電極6aを形成し、図5の一点鎖線C,Cに相当する部分で切断することにより、圧電共振子を得ることができる。

0041

この場合においても、同じマスク5を用い、電極6aを第2のマザー基板33の下面33bに形成しているが、電極重なり長Lについては、上記切断位置Bを切断位置B' に変更することにより最適な重なり長に設定することができる。

0042

従って、第2の実施例においても、共振周波数を異ならせた場合、その共振周波数に応じた最適な電極重なり長を有する圧電共振子を確実に得ることができる。

0043

(第3の実施例)図9図12を参照して第3の実施例の圧電共振子の製造方法を説明する。先ず、図9に示す第1のマザー基板41を用意する。マザー基板41は、PZT系圧電セラミックスのような圧電材料よりなり、矩形板状の形状を有する。また、マザー基板41は、厚み方向に一様に分極処理されている。

0044

マザー基板41内には、中間高さ位置において、帯状の第1の電極として、複数の内部電極42a〜42hが形成されている。内部電極42a〜42hは、最終的に得られる圧電共振子において励振電極と引出し電極とを結ぶ第1の方向に直交する第2の方向に延ばされた帯状の形状を有する。すなわち、内部電極42a〜42hは、第1の実施例で第1のマザー基板1に形成されていた帯状の第1の電極2a〜2hと同様の平面形状を有するように構成されている。

0045

上記帯状の内部電極42a〜42hは、第2の方向に延ばされているが、第1の方向においては、所定の間隔を隔てて配置されている。内部電極42a〜42hは、適宜の導電性材料により構成することができ、かつ内部電極42a〜42hを有する第1のマザー基板41は、例えば周知のセラミック積層一体焼成技術を用いて得ることができる。

0046

第1のマザー基板41において、破線Dで示す切断位置に沿って第1のマザー基板41を切断する。このようにして、第2のマザー基板43を得る。切断位置Dは、後述するように、所望とする電極重なり長を得るように選択される。

0047

次に、図10に断面図で示すように、第2のマザー基板43の第1の主面としての上面43a及び第2の主面としての下面43b上に、マスク44,45を用いて蒸着またはスパッタリングなどにより導電性材料を付与し、帯状の第2の電極46a,46bを形成する。

0048

マスク44,45は、窓部44a,45aを有する。この場合、マスク44,45としては、同じ形状のものを用いる。従って、第2のマザー基板43の上面43a及び下面43b上に、帯状の第2の電極46a,46bが形成されることになる。

0049

上記第2の電極46a,46bは、図10の主面−主背方向、すなわち第2の方向に延びる帯状の形状を有する。次に、第2のマザー基板43を、図9の一点鎖線C,Cに相当する部分で切断し、図12に断面図で示す圧電共振子47を得る。圧電共振子47では、圧電体48内に、内部電極42Bが形成されている。内部電極42Bは、上述した帯状の内部電極42bが切断されて構成されている。

0050

また、圧電体48の上面及び下面には、上記帯状の第2の電極46a,46bが切断されて、電極46A,46Bが形成されている。電極46A,46Bは、それぞれ、内部電極42Bと厚み方向に重なり合っている励振電極部46A1 ,46B1 と、該励振電極46A1 ,46B1 に連ねられた引出し電極46A2 ,46B2 とを有する。なお、49,50は、それぞれ、接続電極を示し、上記工程後に、適宜の導電膜形成方法で形成される。

0051

従って、圧電共振子47では、励振電極46A1 ,46A2 と、内部電極42Bの励振電極部分42B1 との間に交流電圧印加することにより、厚み縦振動モードの3倍波を利用した圧電共振子として動作させることができる。なお、42B2 は引出し電極部を示す。

0052

本実施例の製造方法においても、共振周波数を低める場合には、第1のマザー基板41の厚みを薄くし、かつ良好な共振特性を得るには、最適の電極重なり長Lを得るために、切断位置Dをずらせばよい。

0053

すなわち、図9に示すように、厚みの薄い第2のマザー基板43Aを得るにあたり、図9に示す切断位置Dよりも左側の切断位置D' で切断することにより、内部電極42bの第1の方向における長さを短くすればよい。従って、図11に示すように、上記図10に示したマスク44,45と同一のマスク44,45を用いて帯状の第2の電極46a,46bを形成することにより、電極重なり長Lが小さくされた圧電共振子を得ることができる。

0054

なお、第3の実施例では、1層の内部電極のみが形成されていた圧電共振子を示したが、2層以上の内部電極が配置されている厚み縦振動モードの高調波を利用した圧電共振子にも本発明を適用することができる。

発明の効果

0055

請求項1に記載の発明に係る圧電共振子の製造方法では、励振電極と引出し電極とを結ぶ方向を第1の方向としたときに、第1の方向と直交する第2の方向に延ばされた複数の帯状の第1の電極が第1の方向において所定の間隔を隔てて配置された第1のマザー基板を用意した後、上記帯状の第1の電極の第1の方向における長さが目的とする共振周波数に応じた長さとなるように、第1のマザー基板を第2の方向に切断し、第2のマザー基板を得、該第2のマザー基板の主面にマスクを用いて第2の電位に接続される励振電極及び引出し電極が第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成し、該第2のマザー基板を第1の方向に沿って切断することにより、複数の圧電共振子が得られる。

0056

従って、第2のマザー基板を得るにあたっての切断工程において、切断位置を変更することにより、第1の電位に接続される帯状の第1の電極の第1の方向の長さが決定される。すなわち、上記第2のマザー基板を得る切断工程において、最終的に得られる圧電共振子において、第1の電位に接続される励振電極の第1の方向における長さが調整されるので、励振電極同士の重なり長を最適な大きさに容易に調整することができるので、様々な周波数において良好な共振特性を確実に得ることができる。

0057

しかも、上記第2の電位に接続される励振電極及び引出し電極が第2の方向に連ねられた帯状の第2の電極を形成するに際しては、共振周波数を変更した場合でも、同じマスクを用い得るため、使用するマスクの種類を低減することができる。

0058

請求項2に記載の発明では、圧電体が細長いストリップ状の形状を有し、その長さ方向が第1の方向とされているので、矩形の第1,第2のマザー基板を用いることにより、複数の圧電共振子を容易に量産することができる。

0059

請求項3に記載の発明では、第1のマザー基板において、第の方向に延ばされた帯状の電極が、第1のマザー基板の第1の主面に形成されており、第2のマザー基板の主面にマスクを用いて上記帯状の第2の電極が第2のマザー基板の第2の主面に形成される。従って、例えば厚み縦振動モードや厚み滑り振動モードを利用した単板型のエネルギー閉込め型圧電共振子を得ることができる。

0060

請求項6に記載の発明では、第1のマザー基板において、第1の方向に直交する方向に延ばされた帯状の第1の電極が内部電極として形成され、第2のマザー基板にマスクを用いて帯状の第2の電極を形成するにあたっては、第2のマザー基板の両主面にそれぞれ第2の電極を形成するため、厚み縦振動モードの高調波を利用したエネルギー閉込め型の圧電共振子を得ることができる。よって、小型であり、高い周波数領域で用い得る圧電共振子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0061

図1本発明の第1の実施例で用意される第1のマザー基板を説明するための斜視図。
図2第1のマザー基板から切断された第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図3第1の実施例において、共振周波数が高い圧電共振子を得るに際し、第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図4第1の実施例で得られる厚み縦振動モードを利用した圧電共振子の断面図。
図5第2の実施例で用意される第2のマザー基板を示す斜視図。
図6第2のマザー基板から切断された第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図7第2の実施例において、共振周波数が高い圧電共振子を得るに際し、第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図8第2の実施例で得られる厚み縦振動モードを利用した圧電共振子の断面図。
図9本発明の第3の実施例で用意される第1のマザー基板を説明するための斜視図。
図10第3のマザー基板から切断された第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図11第3の実施例において、共振周波数が高い圧電共振子を得るに際し、第2のマザー基板の下面に電極を形成する工程を説明するための断面図。
図12第3の実施例で得られる厚み縦圧共振子を説明するための斜視図。
図13従来のエネルギー閉込め型圧電共振子の一例を説明するための斜視図。

--

0062

1…第1のマザー基板
1a…第1の主面としての上面
1b…第2の主面としての下面
2a〜2h…帯状の第1の電極
2B…電極
2B1 …第1の励振電極
2B2 …第1の引出し電極
5…マスク
6a…帯状の第2の電極
6A…電極
6A1 …第2の励振電極
6A2 …第2の引出し電極
7…圧電共振子
13…第2のマザー基板
21…第1のマザー基板
21a…上面
21b…下面
22a〜22c…帯状の第1の電極
23a…第1の主面としての上面
23b…第2の主面としての下面
41…第1のマザー基板
42a〜42h…帯状の第1の電極としての内部電極
42B…内部電極
42B1 …励振電極
42B2 …引出し電極
43…第2のマザー基板
43a…第1の主面としての上面
43b…第2の主面としての下面
44,45…マスク
46a,46b…帯状の第2の電極
46A…電極
46A1 …励振電極
46A2 …引出し電極
46B…電極
46B1 …励振電極
46B2 …引出し電極
47…圧電共振子
48…圧電体
A,A' ,B,B' ,D,D' …切断位置

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