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技術 有機物中の臭素含有量の定量方法

出願人 東ソー株式会社
発明者 東南雅尚岡田忠司
出願日 1998年2月26日 (23年8ヶ月経過) 出願番号 1998-045053
公開日 1999年9月7日 (22年1ヶ月経過) 公開番号 1999-242008
状態 未査定
技術分野 放射線を利用した材料分析
主要キーワード 検量線式 吸収割合 統計解析手法 臭素元素 試料形態 アルミリング FP法 コンプトン散乱線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年9月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

構成

本発明の目的は、有機物中の主成分臭素含有量を迅速かつ高精度に定量できる方法を提供することにある。

解決手段

有機物中の臭素含有量をあらかじめ得られた蛍光X線強度から作成した検量線により定量する方法において、蛍光X線測定で得られた臭素α線強度、炭素Kα線強度、励起X線Kαのコンプトン散乱強度、炭素及び臭素以外の含有元素に起因する蛍光X線強度を重回帰分析して検量線を作成し、該検量線から定量することを特徴とする有機物中の臭素含有量の定量方法、及び、有機物中の臭素含有量(重量%)が炭素を除くいずれの含有量元素よりも高いことを特徴とする臭素含有量の定量方法。

概要

背景

プラスチック製品難燃化剤としてハロゲン含有有機化合物が使用されている。ハロゲンとしては塩素臭素が使用されているが、近年では難燃性の高い臭素系難燃剤が多用されている。難燃化剤中の臭素含有量は難燃化機構物性値に大きく影響するため、製品管理上正確に分析する必要がある。臭素を主成分とする有機難燃化剤中の臭素含有量は、従来酸素フラスコ燃焼イオンクロマトグラフィ−法で定量していた。この方法は、正確な臭素含有量が求まる一方、分析操作が煩雑で、時間を要するという欠点がある。

臭素の定量法としては重量法容量法吸光光度法等があるが、いずれの方法も溶液中の臭素定量法である。従って試料固体の場合、それぞれの定量法に適切な溶液化が必要となり、操作は非常に煩雑となる。

固体試料直接測定できる蛍光X線分析法で臭素が定量できることは一般に知られているが、臭素含有量が高い有機物に直接適用した例はない。唯一、中井、西下らによる実施例(X線分析の進歩 Vol.11 ,p.153,1979)があるが、試料を有機溶媒に溶解後、ろ紙へ一定量を滴下乾燥後に蛍光X線分析している。

臭素含有の有機化合物には臭素化ポリスチレンのような高分子化合物もあり、有機溶媒にも容易に溶解しないものもある。従って固体試料が直接分析できなければ、蛍光X線分析の利点は少ない。

蛍光X線分析の定量では一般に検量線法もしくはファンダメンタルパラメ−タ法(FP法)が使用される。

検量線法により臭素含有量を定量する場合、対象試料無機物もしくは微量の臭素含有量の場合は適用できるが、有機物でしかも臭素含有量が高い試料に対しては、以下の問題から適用が困難である。

検量線法では臭素含有量と臭素の特性X線であるBr−Kα線の強度からあらかじめ作成した検量線を用いて未知試料の臭素含有量を定量する。しかし、有機物の場合、Br以外の構成元素はC、H、N、O等の軽元素であるためBr−Kα線の吸収割合が小さく、Br−Kα線強度の臭素含有量依存性が低くくなる。従って検量線の傾きが小さくX線強度の変動が臭素定量値に大きく影響し、定量誤差が大きくなる。特に臭素含有量50重量%以上ではBr−Kα線強度はほぼ一定の飽和状態となって定量は不可能となる。

またFP法で有機物中の臭素含有量を定量する場合、蛍光X線分析で測定誤差が大きいC−Kα線強度と臭素含有量依存性が低いBr−Kα線強度を使用して計算することになり、定量値の信頼性は期待できない。

概要

本発明の目的は、有機物中の主成分臭素含有量を迅速かつ高精度に定量できる方法を提供することにある。

有機物中の臭素含有量をあらかじめ得られた蛍光X線強度から作成した検量線により定量する方法において、蛍光X線測定で得られた臭素Lα線強度、炭素Kα線強度、励起X線Kαのコンプトン散乱強度、炭素及び臭素以外の含有元素に起因する蛍光X線強度を重回帰分析して検量線を作成し、該検量線から定量することを特徴とする有機物中の臭素含有量の定量方法、及び、有機物中の臭素含有量(重量%)が炭素を除くいずれの含有量元素よりも高いことを特徴とする臭素含有量の定量方法。

目的

本発明の目的は上述した課題を解決し、有機物中の主成分臭素含有量を迅速かつ高精度に定量できる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

有機物中臭素含有量をあらかじめ得られた蛍光X線強度から作成した検量線により定量する方法において、蛍光X線測定で得られた臭素α線強度、炭素Kα線強度、励起X線Kαのコンプトン散乱強度、炭素及び臭素以外の含有元素に起因する蛍光X線強度を重回帰分析して検量線を作成し、該検量線から定量することを特徴とする有機物中の臭素含有量の定量方法

請求項2

請求項1記載の有機物中の臭素含有量の定量方法において、有機物中の臭素含有量(重量%)が炭素を除くいずれの含有量元素よりも高いことを特徴とする臭素含有量の定量方法。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の臭素含有量の定量方法において、検量線が数式1で表されることを特徴とする有機物中の臭素含有量の定量方法。

請求項

ID=000003HE=060 WI=128 LX=0410 LY=0700

技術分野

0001

本発明は炭化水素臭素を主成分とする有機物中臭素含有量蛍光X線分析により簡便かつ高精度に定量する方法に関する。

背景技術

0002

プラスチック製品難燃化剤としてハロゲン含有有機化合物が使用されている。ハロゲンとしては塩素、臭素が使用されているが、近年では難燃性の高い臭素系難燃剤が多用されている。難燃化剤中の臭素含有量は難燃化機構物性値に大きく影響するため、製品管理上正確に分析する必要がある。臭素を主成分とする有機難燃化剤中の臭素含有量は、従来酸素フラスコ燃焼イオンクロマトグラフィ−法で定量していた。この方法は、正確な臭素含有量が求まる一方、分析操作が煩雑で、時間を要するという欠点がある。

0003

臭素の定量法としては重量法容量法吸光光度法等があるが、いずれの方法も溶液中の臭素定量法である。従って試料固体の場合、それぞれの定量法に適切な溶液化が必要となり、操作は非常に煩雑となる。

0004

固体試料直接測定できる蛍光X線分析法で臭素が定量できることは一般に知られているが、臭素含有量が高い有機物に直接適用した例はない。唯一、中井、西下らによる実施例(X線分析の進歩 Vol.11 ,p.153,1979)があるが、試料を有機溶媒に溶解後、ろ紙へ一定量を滴下乾燥後に蛍光X線分析している。

0005

臭素含有の有機化合物には臭素化ポリスチレンのような高分子化合物もあり、有機溶媒にも容易に溶解しないものもある。従って固体試料が直接分析できなければ、蛍光X線分析の利点は少ない。

0006

蛍光X線分析の定量では一般に検量線法もしくはファンダメンタルパラメ−タ法(FP法)が使用される。

0007

検量線法により臭素含有量を定量する場合、対象試料無機物もしくは微量の臭素含有量の場合は適用できるが、有機物でしかも臭素含有量が高い試料に対しては、以下の問題から適用が困難である。

0008

検量線法では臭素含有量と臭素の特性X線であるBr−Kα線の強度からあらかじめ作成した検量線を用いて未知試料の臭素含有量を定量する。しかし、有機物の場合、Br以外の構成元素はC、H、N、O等の軽元素であるためBr−Kα線の吸収割合が小さく、Br−Kα線強度の臭素含有量依存性が低くくなる。従って検量線の傾きが小さくX線強度の変動が臭素定量値に大きく影響し、定量誤差が大きくなる。特に臭素含有量50重量%以上ではBr−Kα線強度はほぼ一定の飽和状態となって定量は不可能となる。

0009

またFP法で有機物中の臭素含有量を定量する場合、蛍光X線分析で測定誤差が大きいC−Kα線強度と臭素含有量依存性が低いBr−Kα線強度を使用して計算することになり、定量値の信頼性は期待できない。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は上述した課題を解決し、有機物中の主成分臭素含有量を迅速かつ高精度に定量できる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機物中の主成分臭素含有量をあらかじめ得られた蛍光X線強度から作成した検量線により定量する方法において、蛍光X線測定で得られた各種X線強度を用いて、統計解析手法の1つである重回帰分析により検量線を作成し有機物中の臭素含有量を定量することで、高精度な臭素含有量が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0012

すなわち本発明は、有機物中の臭素含有量をあらかじめ得られた蛍光X線強度から作成した検量線により定量する方法において、蛍光X線測定で得られた各種X線強度を用いて重回帰分析により検量線を作成し有機物中の臭素含有量を定量する方法に関し、さらに、臭素含有量を下記数式2で決定することに関する。

0013

0014

以下、本発明を詳細に説明する。

0015

本発明の方法においてその対象となる有機物は臭素含有量(重量%)が炭素を除くいずれの含有量元素よりも高いものであれば特に限定されるものではないが、臭素含有量が30重量%以上のものが望ましい。

0016

例えば臭素系難燃剤として知られているテトラブロモビスフェノ−ルA(TBA)、デカブロモジフェニルオキサイドトリブロモフェノ−ル、ヘキサブロモベンゼンヘキサブロモジフェニルエ−テル、臭素化ポリスチレン、TBAポリカ−ボネ−トオリゴマ−等に適用できる。また試料の形態も蛍光X線測定が可能な試料形態成形できれば特に限定されるものではないが、粉末状態プレス成形機により錠剤作成できるものが望ましい。

0017

蛍光X線装置は特に限定されないが、X線検出の方式が波長分散型のものが望ましい。

0018

さらに本発明の具体的態様を以下に示す。

0019

1.検量線の作成
臭素含有量既知標準試料数点についてBr−Lα線強度、C−Kα線強度、励起X線Kα線のコンプトン散乱線強度及びC,Br以外の含有元素のうち蛍光X線測定で得られるすべてのX線強度を測定する。

0020

得られたそれぞれのX線強度を説明変数、臭素含有量を目的変数として重回帰分析を実施する。

0021

重回帰分析で得られた回帰係数を先程の数式2に代入して検量線式を得る。尚、重回帰分析は通常の統計解析で用いられる手法を使用する。

0022

2.未知試料の臭素含有量定量
検量線作成時と同様の条件で各X線強度を測定し、得られたX線強度を先程の数式2に代入すれば未知試料の臭素含有量がただちに計算できる。

0023

以下本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。尚以下の実施例では臭素含有量が56〜84重量%のテトラブロモビスフェノ−ルA(TBA)、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモジフェニルエ−テル、デカブロモジフェニルオキサイドを使用した。

0024

蛍光X線測定では粉末試料を10mmΦのアルミリングを用いて7845Nで錠剤として使用した。

0025

実施例1
1)蛍光X線測定
錠剤成形した標準試料から発生するBr−Kα線、Br−Lα線、C−Kα線、Rh−Kαのコンプトン散乱線(使用した蛍光X線の励起X線がRhであるため)と他の含有元素による蛍光X線を測定。臭素化ポリスチレン試料では上記以外の蛍光X線としてCl−Kα線が検出されたためこれを測定した(臭素化ポリスチレンはC,Br以外の含有元素としてClが検出された。)。

0026

測定結果を表1に示す。

0027

0028

尚標準試料の臭素含有量はあらかじめ従来法である酸素フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフィ−法で分析した値である。

0029

2)重回帰分析
表1の臭素含有量を目的変数とし各測定X線強度を説明変数として重回帰分析を実施すると下記の数式3の検量線が得られる。

0030

0031

得られた数式3へ表1の値を代入して求めた臭素含有量(Y軸)と従来法で求めた臭素含有量(X軸)の関係を図1に示す。

0032

両者の相関関係相関係数0.996と非常に高く、良好な検量線が得られていることがわかる。

0033

比較例1
実施例1で得られた表1の臭素含有量とBr−Kα線及びBr−Lα線のX線強度との関係を図2に示す。X軸は従来法で得られた臭素含有量(重量%)、Y軸はX線強度を示しており、白三角はBr−Kα線強度、黒丸はBr−Lα線強度を示す。

0034

図2から求めた検量線式は下記数式4及び数式5となる。

0035

0036

0037

図2から明らかなようにBr−Kα線あるいはBr−Lα線のいずれのX線強度を使用しても検量線の傾きは非常に小さく、X線強度の微妙な変動が臭素含有量に大きく影響することがわかる。

0038

検量線数式4及び数式5に実施例1の表1のX線強度を代入して得られる臭素含有量(Y軸)と従来法で得られた臭素含有量(X軸)の関係を図3に示す。

0039

白三角はBr−Kα線による臭素含有量、黒丸はBr−Lα線による臭素含有量を示す。

0040

図3から明らかなように、Br−Kα線強度あるいはBr−Lα線強度のいずれを使って検量線を作成しても定量値は従来法の定量値と大きくかけ離れた値となり、臭素に関する単独の蛍光X線強度だけでは臭素含有量の高い有機物中の臭素含有量を正確に定量できないことがわかる。

0041

実施例2
濃度未知試料32点について、標準試料と同様の方法でX線強度を測定し、得られたX線強度を実施例1の検量線数式3に代入して臭素含有量を求めた。また同様な試料を従来法である酸素フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフィ−法で分析した。従来法と本法で定量した臭素含有量の定量結果図4に示す。

0042

図4から明らかな様に本法によるBr含有量と従来法の値は良く一致しており、本法により正確な臭素含有量の定量値が得られることがわかる。また本法は試料を錠剤成形し、蛍光X線測定した後は検量線式に代入して計算するだけであり、非常に簡便な分析方法である。

0043

実施例3
臭素含有量58.7(重量%)のTBA試料について、蛍光X線分析用錠剤を10点作成し、それぞれX線強度を測定。得られたX線強度と実施例1の検量線数式3から求めた臭素含有量の平均値は58.5(重量%)で相対標準偏差は0.57%となった。このことから本法の再現性が非常に高いことがわかる。

発明の効果

0044

以上詳しく説明したように本発明によれば蛍光X線測定で得られた複数のX線強度を重回帰分析して求めた検量線式により有機物中の主成分臭素含有量を迅速かつ高精度に定量することができる。

図面の簡単な説明

0045

図1実施例1において、表1のデ−タを重回帰分析して得られた検量線式により標準試料中の臭素含有量を定量した結果と従来法で得られた臭素含有量の値を比較したグラフである。

0046

1:従来法で得られた臭素含有量と本発明の重回帰分析による臭素含有量が一致する点を結んだ線
比較例1において、表1のデ−タを使用して臭素元素に起因するBr−Kα線あるいはBr−Lα線のX線強度だけで作成した検量線を示したものである。

0047

2:数式4にBr−Kα線のX線強度を代入して得られる臭素含有量の点を結んだ線
3:数式5にBr−Lα線のX線強度を代入して得られる臭素含有量の点を結んだ線
比較例1において、図2の検量線により標準試料を定量した結果を示す。X軸が臭素含有量(重量%)でY軸が従来検量線法で得られた臭素含有量(重量%)である。

0048

4:数式4及び数式5により算出した臭素含有量が従来法で得られた臭素含有量と一致する点を結んだ線
実施例2において、未知試料について従来法と本法で得られた臭素含有量の定量値を比較したグラフである。

--

0049

5:従来法による臭素含有量と蛍光X線分析による臭素含有量が一致する点を結んだ線

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