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技術 弾性表面波フィルタ装置

出願人 日本碍子株式会社
発明者 堀尾保文田中光浩鈴木健司
出願日 1998年2月19日 (22年10ヶ月経過) 出願番号 1998-037277
公開日 1999年8月27日 (21年4ヶ月経過) 公開番号 1999-234080
状態 未査定
技術分野 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード 最大開口長 通常帯域 フラット部分 伝播波長 フィルタ電極 肩下がり スプリット型 ディジタル型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年8月27日)のものです。
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課題

弾性表面波フィルタ装置の特性を、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有するようにする。

解決手段

入力側変換器4の正電極9及び負電極10の電極指弾性表面波伝播方向における幅を、全てほぼλ/12に設定するとともに、短絡型浮き電極11の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくする。出力側変換器8の正電極12及び負電極13の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくするとともに、短絡型浮き電極11の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、全てほぼλ/12に設定する。

概要

背景

従来、入力側変換器及び出力側変換器として一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置が、例えば、特開平5-347535号公報に記載されている。かかる弾性表面波フィルタ装置は、正電極負電極及び短絡型浮き電極各電極指弾性表面波伝播方向の幅をλ/12に設定した一方向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器として使用しているので、各電極の全ての電極指をλ/12又はこの整数倍配列ピッチで作成することができ、短絡型浮き電極による反射効果を有効に活用することができるので、挿入損失を低減することができ、高い有用性を有する。

概要

弾性表面波フィルタ装置の特性を、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有するようにする。

入力側変換器4の正電極9及び負電極10の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、全てほぼλ/12に設定するとともに、短絡型浮き電極11の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくする。出力側変換器8の正電極12及び負電極13の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくするとともに、短絡型浮き電極11の電極指の弾性表面波の伝播方向における幅を、全てほぼλ/12に設定する。

目的

本発明の目的は、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する、すなわち、周波数に対する挿入損失の特性の頂部が広帯域に亘ってフラット対称な特性の弾性表面波フィルタ装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を第1の一方向性変換器とし、この第1の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチ周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を第2の一方向性変換器とし、この第2の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置

請求項2

電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が並列に入力される第1フィルタ段及び第2フィルタ段とを具え、前記第1フィルタ段は、前記電気信号を弾性表面波に変換する第1入力側変換器と、前記第1入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する第1出力側変換器とを具え、前記第2フィルタ段は、前記電気信号を弾性表面波に変換する第2入力側変換器と、前記第2入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を前記第1出力側変換から出力された電気信号と合成するために外部に出力する第2出力側変換器とを具え、前記第1入力側変換器と第1出力側変換器のうちの一方を双方向性変換器とし、前記第1入力側変換器と第1出力側変換器のうちの他方を第1の一方向性変換器とし、この第1の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第2入力側変換器と第2出力側変換器のうちの一方を双方向性変換器とし、前記第2入力側変換器と第2出力側変換器のうちの他方を第2の一方向性変換器とし、この第2の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置。

請求項3

電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性変換器と、この双方向変換器の弾性表面波の伝播軸線の両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性変換器を出力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器を入力側変換器とし、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの他方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置。

請求項4

前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方の正電極の電極指及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記第1一方向性変換器と第2一方向性変換器のうちの他方の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項5

前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方の正電極の電極指及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記第1一方向性変換器と第2一方向性変換器のうちの他方の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項6

前記双方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成され、各電極指の組が前記正電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極とを具えることを特徴とする請求項2から5のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項7

前記一方向性変換器を正規型電極構造とし、前記双方向性変換器を、重み付けをした電極構造としたことを特徴とする請求項2から6のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項8

前記双方向性変換器の重み付け電極構造を、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポタイズ法によって構成したことを特徴とする請求項2から7のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項9

前記双方向性変換器の重み付け電極構造を、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが一様で、励振強度を変化させることによって重み付けを行う間引き法によって構成したことを特徴とする請求項2から7のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項10

電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を、一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を、弾性表面波の伝播軸線の両方向に弾性表面波を励振する双方向性電極構造を有する双方向性変換器部分と、弾性表面波の伝播軸線の一方向にだけ弾性表面波を励振する一方向性電極構造を有する一方向性変換器部分とを具え、これら双方向性変換器部分と一方向性変換器部分とを、これら変換器部分の伝播軸線が互いに一致するように一体的に結合した変換器とし、前記一方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波の伝播方向と反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置。

請求項11

前記一方向性変換器の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記変換器の一方向性変換器部分の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とする請求項10記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項12

前記一方向性変換器の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記変換器の一方向性変換器部分の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とする請求項10又は11記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項13

電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を、一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を、弾性表面波の伝播軸線の両方向に弾性表面波を励振する双方向性電極構造を有する双方向性変換器部分と、弾性表面波の伝播軸線の一方向にだけ弾性表面波を励振する一方向性電極構造を有する一方向性変換器部分とを具え、これら双方向性変換器部分と一方向性変換器部分とを、これら変換器部分の伝播軸線が互いに一致するように一体的に結合した変換器とし、前記一方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波の伝播方向と反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とする弾性表面波フィルタ装置。

請求項14

前記一方向性変換器の正電極及び負電極の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記変換器の一方向性変換器部分の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とする請求項13記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項15

前記一方向性変換器の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記変換器の一方向性変換器部分の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とする請求項13又は14記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項16

前記双方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した正電極と、同様に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成され、各電極指の組が、前記正電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極とを具えることを特徴とする請求項10から15のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項17

前記双方向性変換器部分は、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するように重み付けされ、前記一方向性変換器部分は、正規型電極構造を有することを特徴とする請求項10から16のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項18

前記一方向性変換器部分の電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが、前記双方向性変換器部分の電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の最大長より長いことを特徴とする請求項10から17のうちのいずれかに記載の弾性表面波フィルタ装置。

請求項19

前記圧電性基板を、水晶基板タンタル酸リチウム基板ほう酸リチウム基板又はランガサイト基板としたことを特徴とする請求項1から18のうちのいずれかに記載の記載の弾性表面波フィルタ装置。

技術分野

0001

本発明は、弾性表面波フィルタ装置、特に一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、入力側変換器及び出力側変換器として一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置が、例えば、特開平5-347535号公報に記載されている。かかる弾性表面波フィルタ装置は、正電極負電極及び短絡型浮き電極各電極指弾性表面波伝播方向の幅をλ/12に設定した一方向性変換器を入力側変換器及び出力側変換器として使用しているので、各電極の全ての電極指をλ/12又はこの整数倍配列ピッチで作成することができ、短絡型浮き電極による反射効果を有効に活用することができるので、挿入損失を低減することができ、高い有用性を有する。

発明が解決しようとする課題

0003

近年、デジタルセルラー電話のような移動通信システムデジタル化が急速に進められており、これに伴って、より広帯域で、挿入損失が低い弾性表面波フィルタ装置が要求されている。しかしながら、従来のような入力側変換器及び出力側変換器として一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置では、周波数に対する挿入損失の特性の頂部は、広帯域に亘ってフラットではなく、丸みを帯びているために、狭帯域特性を要求する場合には好適なものとなるものの、広帯域特性の要求に適合するものではない。

0004

本発明の目的は、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する、すなわち、周波数に対する挿入損失の特性の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性の弾性表面波フィルタ装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明による請求項1記載の弾性表面波フィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を第1の一方向性変換器とし、この第1の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチ周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を第2の一方向性変換器とし、この第2の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものである。

0006

比較的電気機械結合係数の低い、すなわち、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板を用いるとともに、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅をλ/12に固定したまま正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を変化させた一方向性変換器の特性を調査するために、200対の一方向性電極及び20対のスプリット電極を用いて試験した結果、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が増大するに従って一方向性が増大する。しかしながら、この幅が増大するに従って、最大の一方向性を得ることができる周波数は、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が変化することによって弾性表面波の励振中心反射中心の最適な位置関係崩れる。その結果、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅及び正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数に対して高周波側にずれ、したがって、このような一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置の周波数に対する挿入損失の特性は、頂部付近で右肩下がりの非対称な特性となる。

0007

それに対して、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を変化させながら正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅をλ/12に固定した一方向性変換器の変換特性を調査するために同様に試験した結果、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が増大するに従って一方向性が増大するが、この幅が増大するに従って、最大の一方向性を得ることができる周波数も、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が変化することによって弾性表面波の励振中心と反射中心の最適な位置関係が崩れるために、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅及び正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数に対して低周波側にずれることが確認されている。したがって、このような一方向性変換器を用いた弾性表面波フィルタ装置の周波数に対する挿入損失の特性は、頂部付近で右肩上がりの非対称な特性となる。

0008

弾性表面波フィルタ装置として得られる特性は、入力側変換器及び出力側変換器の特性が掛け合わされた特性となるため、変換器の固有の特性を考慮して適切な変換器を組み合わせることによって所望のフィルタ特性の弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。したがって、各電極指が弾性表面波の伝播方向にほぼλ/12の幅を有する正電極及び負電極並びに各電極指が弾性表面波の伝播方向にλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい幅を有する短絡型浮き電極とを具える第1の一方向性変換器と、各電極指が弾性表面波の伝播方向にλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい幅を有する正電極及び負電極並びに各電極指が弾性表面波の伝播方向にほぼλ/12の幅を有する短絡型浮き電極とを具える第2の一方向性変換器とを組み合わせることによって、これら非対称な特性が相殺され、その結果、弾性表面波フィルタ装置として得られる特性としては、頂部付近で広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。したがって、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0009

本発明による請求項2記載の弾性表面波フィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が並列に入力される第1フィルタ段及び第2フィルタ段とを具え、前記第1フィルタ段は、前記電気信号を弾性表面波に変換する第1入力側変換器と、前記第1入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する第1出力側変換器とを具え、前記第2フィルタ段は、前記電気信号を弾性表面波に変換する第2入力側変換器と、前記第2入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を前記第1出力側変換から出力された電気信号と合成するために外部に出力する第2出力側変換器とを具え、前記第1入力側変換器と第1出力側変換器のうちの一方を双方向性変換器とし、前記第1入力側変換器と第1出力側変換器のうちの他方を第1の一方向性変換器とし、この第1の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第2入力側変換器と第2出力側変換器のうちの一方を双方向性変換器とし、前記第2入力側変換器と第2出力側変換器のうちの他方を第2の一方向性変換器とし、この第2の一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものである。

0010

この場合、第1出力側変換器と第2出力側変換器のうちの一方から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性は、頂部付近で右肩下がりの非対称な特性となり、それに対して、第1出力側変換器と第2出力側変換器のうちの他方から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性は、頂部付近で右肩上がりの非対称な特性となる。第1出力側変換器から出力された電気信号及び第2出力側変換器から出力された電気信号は外部で合成されるので、これらの非対称な特性が相殺されて、周波数に対する挿入損失の特性の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0011

また、入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を双方向性変換器としているので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性を得ることができる。

0012

本発明による請求項3記載の弾性表面波フィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成された双方向性変換器と、この双方向変換器の弾性表面波の伝播軸線の両側に配置した第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性変換器を出力側変換器とする場合、前記第1の一方向性変換器及び第2の一方向性変換器を入力側変換器とし、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの他方は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものである。

0013

この場合も、第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性は、頂部付近で右肩下がりの非対称な特性となり、それに対して、第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの他方から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性の曲線は、頂部付近で右肩上がりの非対称な特性となる。第1の一方向性変換器から出力された電気信号及び第2の一方向性変換器から出力された電気信号は外部で合成されるので、これらの非対称な特性が相殺されて、周波数に対する挿入損失の特性の曲線の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0014

また、双方向性変換器を用いているので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性をえることができ、かつ、双方向性変換器で励振された全てのエネルギーを有効に利用することができるので、挿入損失を一層低減させることができる。

0015

本発明による請求項4記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方の正電極の電極指及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記第1一方向性変換器と第2一方向性変換器のうちの他方の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とするものである。

0016

このように、電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を大きくするに従って、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅及び正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数に対するずれが大きくなり、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性の頂部のフラット部分が一層広くなり、より広帯域特性の弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0017

本発明による請求項5記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記第1の一方向性変換器と第2の一方向性変換器のうちの一方の正電極の電極指及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記第1一方向性変換器と第2一方向性変換器のうちの他方の短絡型浮き電極の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とするものである。

0018

これによって、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性の頂部がほぼ完全にフラットになり、広帯域特性に対して非常に良好な弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0019

本発明による請求項6記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した正電極と、同様にλ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成され、各電極指の組が前記正電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極とを具えることを特徴とするものである。

0020

双方向性変換器として、正電極及びフィルタ電極の各電極指の幅をλ/4に設定した変換器がある。この変換器は、励振効率の面から捕らえると極めて有益である。しかしながら、電極指の端部間のピッチがλ/4となるので、電極指の各端縁で生じた反射波が互いに同相になり、この結果、1dB以上の大きなリップルが生じる。したがって、一方向性変換器と組み合わせた場合、周波数特性を満足することができない。

0021

また、各電極指の幅をλ/8にした双方向性変換器の場合、電極指の面積がλ/4型よりも少なくなるため、励振効率はλ/4型のものよりも小さくなる。また、電極指の端縁で生ずる反射波の位相が互いにずれるので、周波数特性の波形にリップルが生じる。したがって、一方向性変換器と組み合わせた場合、挿入損失及び周波数特性について満足できる特性を得ることができない。

0022

これに対して、幅がλ/8の2本の電極指を対とし、正電極及び負電極の電極指を2本の電極指対で構成したλ/8スプリット型の双方向性変換器の場合、電極指の面積はλ/4型のものと同一であり、高い励振効率が得られる。また、電極指端縁で発生する反射波は、互いに位相が反転した反射波同士だけであるので、リップルのない極めて良好な周波数特性の波形が得られる。したがって、このようなλ/8スプリット型の電極構造を有する双方向性変換器を、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅又は短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の一方向性型変換器と組み合わせると、挿入損失、周波数特性及びT.T.E.(Triple TransitEcho)減衰レベルについて各変換器が有する固有の欠点が互いに補完され、その結果、優れた特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。

0023

本発明による請求項7記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器を正規型電極構造とし、前記双方向性変換器を、重み付けをした電極構造としたことを特徴とするものである。

0024

この場合、一方向性変換器は、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の寸法が同一に設定され、重み付けされていない電極構造である正規型電極構造を有し、それに対して、双方向性変換器は、重み付けした電極構造を有する。帯域外減衰特性を大きく設定するためには、変換器に重み付けを施す必要がある。ここで、一方向性変換器の電極構造に重み付けを施すと、周波数特性が悪化する。特に、短絡型浮き電極型の一方向性変換器を重み付け電極構造とすると、短絡型浮き電極の電極指を接続する接続部が励振領域内に位置するようになり、この部分で不所望な反射波が生じたり、励起した弾性表面波に伝播速度差が生じたりするので、強いリップルが生じる。このような認識に基づいて、一方向性変換器を正規型の電極構造にするとともに、双方向性変換器に重み付けを行う。このような構成にすることによって、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0025

本発明による請求項8記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構造を、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポタイズ法によって構成したことを特徴とするものである。

0026

重み付けの方法として、電極指の間隔を変化させるバリビッチ法が既知である。しかしながら、この方法では、電極指における反射波に位相のずれが生じ、これがリップルの原因となる。それに対して、アポタイズ法では、電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さを順次変化させているので、位相ずれによるリップルの発生を防止し、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0027

本発明による請求項9記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構造を、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが一様で、励振強度を変化させることによって重み付けを行う間引き法によって構成したことを特徴とするものである。

0028

この場合も、位相ずれによるリップルの発生を防止し、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0029

本発明による請求項10記載の弾性表面波フィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を、一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を、弾性表面波の伝播軸線の両方向に弾性表面波を励振する双方向性電極構造を有する双方向性変換器部分と、弾性表面波の伝播軸線の一方向にだけ弾性表面波を励振する一方向性電極構造を有する一方向性変換器部分とを具え、これら双方向性変換器部分と一方向性変換器部分とを、これら変換器部分の伝播軸線が互いに一致するように一体的に結合した変換器とし、前記一方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波の伝播方向と反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものである。

0030

この場合も、入力側変換器及び出力側変換器の周波数に対する挿入損失の非対称な特性が相殺されて、周波数に対する挿入損失の特性の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0031

また、変換器の双方向性変換器部分によって、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性をえることができる。

0032

本発明による請求項11記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記変換器の一方向性変換器部分の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とするものである。

0033

この場合も、電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を大きくするに従って、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅及び正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数に対するずれが大きくなり、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性の頂部のフラット部分が一層広くなり、より広帯域特性の弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0034

本発明による請求項12記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記変換器の一方向性変換器部分の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とするものである。

0035

この場合も、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性の頂部がほぼ完全にフラットで対称な特性になり、広帯域特性に対して非常に良好な弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0036

本発明による請求項13記載の弾性表面波フィルタ装置は、電気機械結合係数が0.1〜1.5%の圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、電気信号が外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器と、前記圧電性基板上に形成され、前記入力側変換器で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を外部に出力する出力側変換器とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの一方を、一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、これに隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置からの伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具え、前記入力側変換器と出力側変換器のうちの他方を、弾性表面波の伝播軸線の両方向に弾性表面波を励振する双方向性電極構造を有する双方向性変換器部分と、弾性表面波の伝播軸線の一方向にだけ弾性表面波を励振する一方向性電極構造を有する一方向性変換器部分とを具え、これら双方向性変換器部分と一方向性変換器部分とを、これら変換器部分の伝播軸線が互いに一致するように一体的に結合した変換器とし、前記一方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複数の電極指を有する正電極と、同様にλのピッチで周期的に形成され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の小さい複数の電極指を有し、各電極指が前記正電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極と、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きく、かつ、λ/3より小さい複数の電極指を有し、各電極指が、隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表面波の伝播方向と反対の方向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極とを具えることを特徴とするものである。

0037

この場合も、入力側変換器及び出力側変換器の周波数に対する挿入損失の非対称な特性が相殺されて、周波数に対する挿入損失の特性の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0038

また、変換器の双方向性変換器部分によって、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性をえることができる。

0039

本発明による請求項14記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくし、前記変換器の一方向性変換器部分の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を、λ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくしたことを特徴とするものである。

0040

この場合も、電極指の弾性表面波の伝播方向の幅を大きくするに従って、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅及び正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数に対するずれが大きくなり、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性の頂部のフラット部分が一層広くなり、より広帯域特性の弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0041

本発明による請求項15記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器の正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和を、前記変換器の一方向性変換器部分の短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和にほぼ等しくしたことを特徴とするものである。

0042

この場合も、非対称な特性が相殺される際に得られる周波数に対する挿入損失の特性は、頂部がほぼ完全にフラットで対称な特性になり、広帯域特性に対して非常に良好な弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0043

本発明による請求項16記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記変換器の双方向性変換器部分は、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成した正電極と、同様に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がλ/8である2個の電極指の組をλのピッチで周期的に形成され、各電極指の組が、前記正電極の隣接する電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極とを具えることを特徴とするものである。

0044

双方向性変換器としてこのような変換器構造とすることによって、一方向に励振されるエネルギーを反対の方向に励振されるエネルギーよりも大きくすることができ、双方向性変換器による損失を低減することができ、その結果、弾性表面波フィルタ装置としての損失も低減することができる。

0045

本発明による請求項17記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記双方向性変換器部分は、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するように重み付けされ、前記一方向性変換器部分は、正規型電極構造を有することを特徴とするものである。

0046

この場合ように一方向性変換器部分及び双方向性変換器部分に重み付けを行う場合にも、一方向性変換器と双方向性変換器とを組み合わせた弾性表面波フィルタ装置と同様に、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0047

本発明による請求項18記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記一方向性変換器部分の電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが、前記双方向性変換器部分の電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の最大長より長いことを特徴とするものである。

0048

この場合も、一方向性変換器と双方向性変換器とを組み合わせた弾性表面波フィルタ装置と同様に、位相ずれによるリップルの発生を防止し、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0049

本発明による請求項19記載の弾性表面波フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板タンタル酸リチウム基板ほう酸リチウム基板又はランガサイト基板としたことを特徴とするものである。

0050

弾性表面波フィルタ装置の圧電性基板としては、通常、ニオブ酸リチウム基板(LiNbO3 )、水晶基板、タンタル酸リチウム基板(LiTaO3 )、ほう酸リチウム基板(Li2 B4 O7 )、ランガサイト基板(La3 Ga5 SiO14)等が用いられている。これら基板のうち、ニオブ酸リチウム基板は比較的大きな5.5%の電気機械結合係数(K2 )を有するので、良好な変換特性が得られるという利点を有する。しかしながら、温度特性に難点があるため、すなわち、温度変化に対する帯域幅の変化が大きくなるという不都合があり、広帯域用フィルタとしてだけ用いられてきた。このため、従来の狭帯域フィルタとしては共振型フィルタ装置だけに用いられてきた。しかしながら、共振型のフィルタは、その構造からG.D.T.が大きい不具合が強く指摘されていた。それに対して、短絡型浮き電極型の変換器を有する弾性表面波フィルタ装置は、電極の非対称構造を有効に利用しているため、挿入損失、G.D.T.を大幅に低減させることができる。したがって、非対称構造の内部反射型電極構造を温度特性に優れた圧電性基板に適用すれば、G.D.T.及び挿入損失に優れるとともに、温度変化に対する通常帯域の変化が極めて小さい弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。その結果、狭帯域フィルタとして構成した場合でも、極めて良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。

0051

このような状況を考慮すると、本発明による弾性表面波フィルタ装置によれば、周波数に対する温度特性が極めて小さく、電気機械結合係数がニオブ酸リチウム基板に比べて1桁小さく、かつ、電極指による反射係数が短絡型浮き電極に対して正の反射係数を有する圧電性基板を用いる。本発明では、このような圧電性基板として、電気機械結合係数が0.1〜1.5%である水晶基板(0.14%)、タンタル酸リチウム基板(0.64%)、ほう酸リチウム基板(1.0%)又はランガサイト基板(0.3〜0.4%)を用いる。これら基板は、温度変化に対する周波数変動微小であるので、圧電性基板としてこれら基板のうちのいずれかを用いると、温度特性に対する通過周波数帯域の変化を微小範囲に維持することができる。しかしながら、水晶タンタル酸リチウム、ほう酸リチウム及びランガサイトの電気機械結合係数はいずれも小さいので、水晶、タンタル酸リチウム、ほう酸リチウム又はランガサイトによって形成された基板上に既存の変換器をそのまま形成すると、挿入損失の観点から良好な特性の弾性表面波フィルタ装置を実現することができない。

0052

本発明者が水晶基板、タンタル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板及びランガサイト基板における挿入損失について詳細な検討を行った結果、浮き電極の反射係数の符号が挿入損失に大きく影響していることが判明した。水晶基板、タンタル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板及びランガサイト基板の場合、開放型浮き電極に比べて短絡型浮き電極の方が反射係数が大きい。したがって、浮き電極として短絡型浮き電極を用いるのが好適である。このように構成することによって、電気機械結合係数の小さい水晶基板、タンタル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイト基板を用いても挿入損失を極めて小さい範囲に抑制することができ、その結果、温度特性に優れるとともに低損失の広帯域弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0053

本発明による弾性表面波フィルタ装置を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は線形的であり、寸法通りではない。図1は、本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、圧電性基板として矩形の水晶基板1を用いる。水晶基板は、温度変化に対する帯域幅変化が微小であるので、温度変化による通過周波数帯域の変化を微小範囲に維持することができる。この水晶基板1の表面上に、電気信号が端子2及び3を通じて外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する入力側変換器4と、シールド電極5と、入力側変換器4で励振された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を端子6及び7を通じて外部に出力する出力側変換器8とを、弾性表面波の伝播方向に沿って形成する。

0054

入力側変換器4を一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、正電極9及び負電極10と、これら正電極9及び負電極10の電極指間に配置した短絡型浮き電極11とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極9及び負電極10の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極11の電極指の幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極11の電極指の幅を、全てλ/6に設定する。

0055

正電極9及び負電極10の各電極指をλのピッチでそれぞれ形成し、正電極9の電極指と隣接する負電極10の電極指との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡型浮き電極11の電極指を、これに隣接する正電極9の電極指及び負電極10の電極指との間の中間位置から、弾性表面波の伝播方向の上流側にλ/12だけ偏位するように配置して、電極の非対称構造に基づく一方向性特性を高める。

0056

入力側変換器4の正電極9及び負電極10の対数を、例えば200対に設定する。この対数は、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設定することができる。

0057

出力側変換器8も一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、正電極12及び負電極13と、これら正電極12及び負電極13の電極指間に配置した短絡型浮き電極14とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極12及び負電極13の電極指の幅を、λ/12より大きく、かつ、λ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きく、かつ、λ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極14の電極指の幅を、弾性表面波の伝播方向における正電極9及び負電極10の電極指の幅と同一に設定し、すなわち、全てλ/6に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極10の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。

0058

正電極12及び負電極13の各電極指もλのピッチでそれぞれ形成し、正電極12の電極指と隣接する負電極13の電極指との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡型浮き電極14の電極指も、これに隣接する正電極12の電極指及び負電極13の電極指との間の中間位置から、弾性表面波の伝播方向の下流側にλ/12だけ偏位するように配置して、電極の非対称構造に基づく一方向性特性を高める。

0059

出力側変換器4の正電極8及び負電極9の対数も、例えば40対に設定する。この対数も、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設定することができる。したがって、正電極12の電極指及び負電極13の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和は、短絡型浮き電極11の弾性表面波の伝播方向の幅の総和とほぼ等しくなる。

0060

本実施の形態では、入力側変換器4及び出力側変換器8において、短絡型浮き電極11及び14の配置位置を、これに隣接する正電極9及び12の電極指と負電極10及び13との中間位置から大幅に偏位させて、非対称構造に基づく一方向性伝播を一層増強させることによって、弾性表面波フィルタ装置の挿入損失を小さくしている。

0061

本実施の形態の動作を説明する。出力側変換器8のように正電極12及び負電極13の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きい一方向性変換器を二つ用い、入力側変換器及び出力側変換器として作動させた場合、周波数に対する挿入損失の特性は、図2に示すようになる。すなわち、正電極12及び負電極13の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が変化することによって弾性表面波の励振中心と反射中心との最適な位置関係が崩れるために、最大の一方向性を得ることができる周波数fa は、正電極、負電極及び短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数f0 に対して高周波側にずれ、この特性の頂部付近において、頂部付近で右肩下がり(図2に示すように中心周波数f0 における挿入損失と周波数fa における挿入損失との差をd1とすると、頂部付近で(fa −f0 )/d1の傾斜を有する。)の非対称な特性となる。

0062

それに対して、入力側変換器8のように短絡型浮き電極11の電極指の幅がλ/12より大きい一方向性変換器の周波数に対する挿入損失の特性は、図3のようになる。すなわち、短絡型浮き電極11の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅が変化することによって弾性表面波の励振中心と反射中心との最適な位置関係が崩れるために、最大の一方向性を得ることができる周波数fb は、正電極、負電極及び短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がいずれもλ/12である場合の中心周波数f0 に対して低周波側にずれ、頂部付近で右肩上がり(図3に示すように中心周波数f0 における挿入損失と周波数fb における挿入損失との差をd2とすると、頂部付近で(f0 −fb )/d2の傾斜を有する。)の非対称な特性となる。

0063

したがって、図1に示した弾性表面波フィルタ装置として得られる特性は、入力側変換器4及び出力側変換器8の特性が掛け合わされた特性となるため、図2に示す特性と図3に示す特性とが掛け合わされた特性となり、その結果、図2の非対称な特性及び図3の非対称な特性が相殺され、図4に示すように、曲線の頂部が広帯域に亘ってフラットで対称な特性になる。

0064

本実施の形態によれば、低挿入損失である一方向性変換器の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることができる。

0065

図5は、本発明による弾性表面波フィルタ装置の第2の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、水晶基板21の表面上に、電気信号が並列に入力される第1フィルタ段22及び第2フィルタ段23を形成する。

0066

第1フィルタ段22は、電気信号が端子24及び25を通じて外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する第1入力側変換器26と、シールド電極27と、第1入力変換器26で励起された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を端子28及び29を通じて外部に出力する第1出力側変換器30とを具える。この際、これら第1入力側変換器26、シールド電極27及び第1出力側変換器30を、弾性表面波の伝播方向に沿って順に形成する。

0067

第2フィルタ段23は、電気信号が端子31及び32を通じて外部から入力され、この電気信号を弾性表面波に変換する第2入力変換器33と、シールド電極34と、第2入力変換器33で励起された弾性表面波を電気信号に変換し、この電気信号を端子35及び36を通じて外部に出力する第2出力側変換器37とを具える。この際、これら第2入力側変換器33、シールド電極34及び第2出力側変換器35を、弾性表面波の伝播方向に沿って順に形成する。

0068

第1及び第2入力側変換器26及び33をそれぞれ、正電極38及び39並びに負電極40及び41を、λ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数形成したスプリット電極構造の双方向性変換器で構成し、正電極38及び39の各電極指の組が負電極40及び41の電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置するように設定する。本実施の形態では、弾性表面波の変換効率を良くするために、これら正電極38及び39並びに負電極40及び41の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅をλ/8に設定する。このように構成することによって、互いに隣接する電極指間の間隔が全てλ/8に設定されることになる。第1及び第2入力側変換器26及び33の正電極38及び39並びに負電極40及び41の対数を、例えば300対に設定するが、この対数も、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設定することができる。

0069

また、第1及び第2入力側変換器26及び33にはアポタイズ法による重み付けが行われており、正電極38及び39の電極指と負電極40及び41の電極指との交叉幅、すなわち、開口長を弾性表面波の伝播方向に沿って変化させている。

0070

第1出力側変換器30を一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、正電極42及び負電極43と、これら正電極42及び負電極43の電極指間に配置した短絡型浮き電極44とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極42及び負電極43の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極44の電極指の幅を、λ/12より大きくλ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きくλ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極44の電極指の幅を、全てλ/6に設定する。

0071

正電極42及び負電極43の各電極指をλのピッチでそれぞれ形成し、正電極42の電極指と隣接する負電極43の電極指との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡型浮き電極44の電極指を、これに隣接する正電極42の電極指及び負電極43の電極指との間の中間位置から、弾性表面波の伝播方向の下流側にλ/12だけ偏位するように配置して、電極の非対称構造に基づく一方向性特性を高める。

0072

入力側変換器30の正電極42及び負電極43の対数を、例えば40対に設定する。この対数も、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設定することができる。

0073

第2出力側変換器37も一方向性変換器とし、この一方向性変換器は、正電極45及び負電極46と、これら正電極45及び負電極46の電極指間に配置した短絡型浮き電極47とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極45及び負電極46の電極指の幅を、λ/12より大きくλ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きくλ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極47の電極指の幅を、弾性表面波の伝播方向における正電極45及び負電極46の電極指の幅と同一に設定し、すなわち、全てλ/6に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極10の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。

0074

正電極45及び負電極46の各電極指もλのピッチでそれぞれ形成し、正電極45の電極指と隣接する負電極46の電極指との間の中心間距離をλ/2に設定する。また、短絡型浮き電極47の電極指も、これに隣接する正電極45の電極指及び負電極46の電極指との間の中間位置から、弾性表面波の伝播方向の下流側にλ/12だけ偏位するように配置して、電極の非対称構造に基づく一方向性特性を高める。

0075

第2出力側変換器37の正電極45及び負電極46の対数も、例えば40対に設定する。この対数も、要求されるフィルタ特性に応じて適宜最適条件に設定することができる。したがって、正電極45の電極指及び負電極46の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅の総和は、短絡型浮き電極47の弾性表面波の伝播方向の幅の総和とほぼ等しくなる。

0076

本実施の形態では、水晶基板21上の第1フィルタ段22と第2フィルタ段23との間に(図5において破線で示す)吸音部材48を塗布し、一方のフィルタ段で発生した弾性表面波が他方のフィルタ段の変換器に入射するのを防止する。このように吸音部材48を塗布することによって、ノイズの発生を防止して減衰特性を改善することができる。

0077

このように、第1及び第2入力側変換器26及び33として双方向性変換器を用いるとともに第1及び第2出力側変換器30及び37として一方向性変換器を用いる場合、端子28,29及び35,36から出力される電気信号の周波数特性は、一方向性変換器の特性と双方向性変換器の特性とが掛け合わされた特性となる。したがって、トランスバーサル型の弾性表面波フィルタ装置において、一方向性変換器と双方向性変換器とを組み合わせることによって、周波数特性については双方向性変換器の良好な特性が活用され、挿入損失及びT.T.Eレベルについては一方向性変換器の特有な特性が生かされた弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。その結果、周波数特性、挿入損失及びT.T.Eレベルの要件を全て満足する弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。

0078

本実施の形態でも、第2出力側変換器37から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性の曲線は、図2に示すように頂部付近において右肩下がりの非対称な特性となり、それに対して、第1出力側変換器30から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性の曲線は、図3に示すように頂部付近において右肩上がりの非対称な特性となる。これら第1及び第2出力側変換器30及び37から出力された電気信号は外部で合成されるので、これらの傾斜が相殺され、図4に示すように周波数に対する挿入損失の特性の曲線の頂部がフラットとなる。その結果、低挿入損失である一方向性の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることかできる。

0079

また、第1及び第2入力側変換器26及び33として双方向性変換器を用いているので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性を得ることができる。

0080

また、本実施の形態では、幅がλ/8の2本の電極指を対とし、正電極38及び負電極39の電極指を2本の電極指対で構成したλ/8スプリット型の双方向性変換器26及び33を用いているので、高い励振効率を得ることができる。また、電極指端縁で発生する反射波は、互いに位相が反転した反射波同士だけであるので、リップルのない極めて良好な周波数特性の波形を得ることができる。したがって、双方向性変換器である第1及び第2入力側変換器26及び33を、一方向性変換器である第1及び第2出力側変換器30及び37と組み合わせると、挿入損失、周波数特性及びT.T.E.減衰レベルについて各変換器が有する固有の決定が互いに補完され、その結果、優れた特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。

0081

また、一方向性変換器を正規型の電極構造にするとともに、双方向性変換器に重み付けを行うことによって、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0082

さらに、双方向変換器の電極の重み付けをアポタイズ法によって行っているので、位相ずれによくリップルの発生を防止し、リップルのない良好な周波数特性の波形が得られるようになる。

0083

図6は、本発明による弾性表面波フィルタ装置の第3の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、水晶基板51の中央部に入力側変換器52を配置し、その両側に第1及び第2出力側変換器53及び54をそれぞれ配置する。入力側変換器52として、図5に示す双方向性変換器26及び33と同一構造の変換器を用いる。

0084

また、第1出力側変換器53として、図1に示す一方向性変換器としての入力変換器4と同一構造の変換器を用いるとともに、第2出力側変換器54として、図5に示す一方向性変換器としての第2出力側変換器37と同一構造の変換器を用いる。入力側変換器52の対数を、例えば、300対とし、第1及び第2出力側変換器53及び54の対数をそれぞれ、例えば、40対とする。入力側変換器52によって励起された弾性表面波は、第1出力側変換器53及び第2出力側変換器54に向かって互いに等しいエネルギー量で伝播し、第1及び第2出力側変換器53及び54によってそれぞれ電気信号に変換される。このような構成によって、入力側変換器52としての双方向性変換器によって励振された全ての弾性表面波を有効に利用することができ、その結合、挿入損失を一層低減することができる。

0085

本実施の形態でも、第2出力側変換器54から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性の曲線は、図2に示すように頂部付近において右肩下がりの非対称な特性となり、それに対して、第1出力側変換器30から出力される電気信号の周波数に対する挿入損失の特性の曲線は、図3に示すように頂部付近において右肩上がりの非対称な特性となる。これら第1及び第2出力側変換器53及び54から出力された電気信号は外部で合成されるので、これらの非対称な特性が相殺され、図4に示すように周波数に対する挿入損失の特性としては、頂部付近で広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることかできる。

0086

また、入力側変換器52として双方向性変換器を用いているので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性を得ることができ、かつ、双方向性変換器で励振された全てのエネルギーを有効に利用することができるので、挿入損失を一層低減させることができる。

0087

図7は、本発明による弾性表面波フィルタ装置の第4の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、水晶基板61の表面上に、入力側変換器62及び出力側変換器63を、弾性表面波の伝播方向に沿って形成する。

0088

入力側変換器62として、図1に示す一方向性変換器としての入力側変換器4と同一構造の変換器を用いる。出力側変換器63は、弾性表面波の伝播方向が互いに一致するように水晶基板61上に形成されたインタディジタル型の第1及び第2双方向性変換器部分64a及び64bと、一方向性変換器部分65とを具える。これら第1及び第2双方向性変換器部分64a及び64bは、図5に示す第1及び第2入力側変換器26及び33の電極構造と基本的に同一であり、一方向性変換器部分65は、図5に示す第2出力側変換器の電極構造と基本的に同一である。

0089

第1双方向性変換器部分64aは、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、中心間距離をλ/4にして配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数形成した正電極66aと、同様にλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、各電極指の組が正電極66aの電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極67aとを具える。これら正電極66a及び負電極67aの各電極指の弾性表面波の伝播方向における幅をそれぞれλ/8とする。正電極66aの電極指とこの電極指に対向する負電極67aの電極指との交叉幅を、弾性表面波の伝播方向に沿って重み付けしている。

0090

第2双方向性変換器部分64bは、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、中心間距離をλ/4にして配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数形成した正電極66bと、同様にλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、各電極指の組が正電極66bの電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極67bとを具える。これら正電極66b及び負電極67bの各電極指の弾性表面波の伝播方向における幅をそれぞれλ/8とする。正電極66bの電極指とこの電極指に対向する負電極67bの電極指との交叉幅を、弾性表面波の伝播方向に沿って重み付けしている。

0091

一方向性変換器部分65は、正電極68及び負電極69と、これら正電極68及び負電極69との間に配置した短絡型浮き電極70とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極68及び負電極69の電極指の幅を、λ/12より大きくλ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きくλ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における正電極68及び負電極69の電極指の幅を、全てλ/6に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極70の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。この一方向性変換器部分65を、第1双方向性変換器部分64a及び第2双方向性変換器部分64bの電極指の最大交叉幅の部分に隣接するように第1双方向性変換器部分64aと第2双方向性変換器部分64bとの間に配置する。また、この一方向性変換器部分65を正規型電極構造とし、一方向性変換器部分65の開口長を、双方向性変換器部分64a及び64bの最大開口長よりも大きくする。

0092

本実施の形態では、短絡型浮き電極70の電極指を、弾性表面波の伝播方向にλ/12偏位させる。このように変換器63を一方向性変換器としての入力側変換器62と組み合わせることによって、挿入損失を更に改善することができる。

0093

本実施の形態でも、出力側変換器63から出力される電気信号の図2に示すような非対称な特性は、入力側変換器62から出力される電気信号の図3に示すような非対称な特性によって相殺されるので、図4に示すように周波数に対する挿入損失の特性としては、頂部付近で広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることかできる。

0094

また、出力側変換器63が双方向性変換器部分64a及び64bを有するので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性を得ることができる。

0095

図8は、本発明による弾性表面波フィルタ装置の第5の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、水晶基板71の表面上に、入力側変換器72及び出力側変換器73を、弾性表面波の伝播方向に沿って形成する。

0096

入力側変換器72として、短絡型浮き電極の電極指を弾性表面波の伝播方向と正反対の方向にλ/12偏位させた点を除いて図1に示す一方向性変換器としての入力側変換器8と同一構造の変換器を用いる。出力側変換器73は、弾性表面波の伝播方向が互いに一致するように水晶基板71上に形成されたインタディジタル型の第1及び第2双方向性変換器部分74a及び74bと、一方向性変換器部分75とを具える。これら第1及び第2双方向性変換器部分74a及び74bは、図5に示す第1及び第2入力側変換器26及び33の電極構造と基本的に同一であり、一方向性変換器部分75は、図5に示す第1出力側変換器の電極構造と基本的に同一である。

0097

第1双方向性変換器部分74aは、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、中心間距離をλ/4にして配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数形成した正電極76aと、同様にλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、各電極指の組が正電極76aの電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極77aとを具える。これら正電極76a及び負電極77aの各電極指の弾性表面波の伝播方向における幅をそれぞれλ/8とする。正電極76aの電極指とこの電極指に対向する負電極77aの電極指との交叉幅を、弾性表面波の伝播方向に沿って重み付けしている。

0098

第2双方向性変換器部分74bは、λを基本弾性表面波の伝播波長とした場合に、中心間距離をλ/4にして配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に複数形成した正電極76bと、同様にλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、各電極指の組が正電極76bの電極指の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置する負電極77bとを具える。これら正電極76b及び負電極77bの各電極指の弾性表面波の伝播方向における幅をそれぞれλ/8とする。正電極76bの電極指とこの電極指に対向する負電極77bの電極指との交叉幅を、弾性表面波の伝播方向に沿って重み付けしている。

0099

一方向性変換器部分75は、正電極78及び負電極79と、これら正電極78及び負電極79との間に配置した短絡型浮き電極80とを具える。ここで、λを、弾性表面波フィルタ装置を伝播する基本弾性表面波の波長とする場合、弾性表面波の伝播方向における正電極78及び負電極79の電極指の幅を、全てλ/12に設定する。それに対して、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極80の電極指の幅を、λ/12より大きくλ/3より小さくし、好適にはλ/8より大きくλ/3より小さくする。本実施の形態では、弾性表面波の伝播方向における短絡型浮き電極80の電極指の幅を、全てλ/6に設定する。この一方向性変換器部分75を、第1双方向性変換器部分74a及び第2双方向性変換器部分74bの電極指の最大交叉幅の部分に隣接するように第1双方向性変換器部分74aと第2双方向性変換器部分74bとの間に配置する。また、この一方向性変換器部分75を正規型電極構造とし、一方向性変換器部分75の開口長を、双方向性変換器部分74a及び74bの最大開口長よりも大きくする。

0100

本実施の形態では、短絡型浮き電極80の電極指を、弾性表面波の伝播方向にλ/12偏位させる。このように変換器73を一方向性変換器としての入力側変換器72と組み合わせることによって、挿入損失を更に改善することができる。

0101

本実施の形態でも、入力側変換器72から出力される電気信号の図2に示すような非対称な特性は出力側変換器73から出力される電気信号の図3に示すような非対称な特性によって相殺されるので、図4に示すように頂部付近で広帯域に亘ってフラットで対称な特性となる。その結果、低挿入損失である一方向性の特性を有しながら、広帯域特性を有する弾性表面波フィルタ装置を得ることかできる。

0102

また、出力側変換器73が双方向性変換器部分74a及び74bを有するので、双方向性変換器の利点を得ることができ、すなわち、歪みのほとんどない周波数特性を得ることができる。

0103

本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、上記第1〜第5の実施の形態において、圧電性基板として水晶基板を用いたが、タンタル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板又はランガサイド基板を代わりに用いることもできる。

0104

また、第1の実施の形態において、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きい一方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きい一方向性変換器を出力側変換器として用いたが、正電極及び負電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きい一方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに、短絡型浮き電極の電極指の弾性表面波の伝播方向の幅がλ/12より大きい一方向性変換器を出力側変換器として用いることもできる。

0105

また、第2の実施の形態において、双方向性変換器を共に入力側変換器として用いるとともに一方向性変換器を共に出力側変換器として用いたが、一方向性変換器を共に入力側変換器として用いるとともに双方向性変換器を共に出力側変換器として用いることができ、かつ、一方の一方向性変換器及び一方の双方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに他方の一方向性変換器及び他方の双方向性変換器を出力側変換器として用いることもできる。

0106

また、上記第2〜5の実施の形態において、双方向性変換器を重み付けするに当たり、アポタイズ法を適用したが、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の長さが一様で、励振強度を変化させることによって重み付けを行う間引き法を適用することもできる。

0107

また、第3の実施の形態において、双方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに一方向性変換器を出力側変換器として用いたが、一方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに双方向性変換器を出力側変換器として用いることもできる。

0108

また、第4及び第5の実施の形態において、一方向性変換器を入力側変換器として用いるとともに、一方向性変換器部分及び双方向性変換器部分を有する変換器を出力側変換器として用いたが、一方向性変換器部分及び双方向性変換器部分を有する変換器を入力側変換器として用いるとともに、一方向性変換器を出力側変換器として用いることもできる。

図面の簡単な説明

0109

図1本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1の実施の形態を示す図である。
図2正電極及び負電極の電極指の幅がλ/12より大きい一方向性変換器の周波数に対する挿入損失の特性を示す図である。
図3短絡型浮き電極の電極指の幅がλ/12より大きい一方向性変換器の周波数に対する挿入損失の特性を示す図である。
図4図1の弾性表面波フィルタ装置によって得られる周波数に対する挿入損失の特性を示す図である。
図5本発明による弾性表面波フィルタ装置の第2の実施の形態を示す図である。
図6本発明による弾性表面波フィルタ装置の第3の実施の形態を示す図である。
図7本発明による弾性表面波フィルタ装置の第4の実施の形態を示す図である。
図8本発明による弾性表面波フィルタ装置の第5の実施の形態を示す図である。

--

0110

1,21,51,61,71水晶基板2,3,6,7,24,25,28,29,31,32,35,36端子4,26,33,52,62,72入力側変換器5,27,34シールド電極8,30,37,53,54,63,73出力側変換器9,12,38,39,42,45,66a,66b,68,76a,76b,78正電極10,13,40,41,43,46,67a,67b,69,77a,77b,79負電極11,14,44,47,70,80短絡型浮き電極22 第1フィルタ段23 第2フィルタ段 26 第1入力側変換器 30,53 第1出力側変換器 33 第2入力側変換器 37,54 第2出力側変換器 48吸音部材64a,74a 第1双方向性変換器部分 64b,74b 第2双方向性変換器部分 65,75一方向性変換器部分

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