図面 (/)

技術 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ

出願人 日本ケミコン株式会社
発明者 玉光賢次
出願日 1998年2月18日 (22年4ヶ月経過) 出願番号 1998-054383
公開日 1999年8月27日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 1999-233379
状態 特許登録済
技術分野 電解コンデンサのセパレータ等 電解コンデンサ
主要キーワード 最低使用温度 セラミックスコーティング層 損失角 引出し用 漬電位 長寿命特性 リン酸アンモニウム水溶液 低圧用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年8月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性が良好なアルミニウム電解コンデンサを提供する。

解決手段

溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトン混合溶媒を用い、溶質として、四級イミダゾリニウム又は四級化ピリミジニウムを用いた電解液を用いたため、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。そして、漏液することがない。

概要

背景

電解コンデンサは、一般的には、帯状高純度アルミニウム等の弁金属の箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、箔表面を拡大させるとともに、この箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度の箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回しコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は電解コンデンサ駆動用電解液含浸した後、有底筒状外装ケース収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。

陽極電極箔、陰極電極箔には、それぞれ両極電極を外部に引き出すための電極引出し手段であるリード線ステッチ超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線は、丸棒部と、両極電極箔に当接する接続部と、さらに丸棒部の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部とからなる。

コンデンサ素子に含浸される電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用される電解コンデンサの性能によって種々のものがあり、その中で、低圧用の、特に高温長寿命特性を有する電解液として、エチレングリコールアジピン酸を溶解したものが知られている。

概要

高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性が良好なアルミニウム電解コンデンサを提供する。

溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトン混合溶媒を用い、溶質として、四級イミダゾリニウム又は四級化ピリミジニウムを用いた電解液を用いたため、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。そして、漏液することがない。

目的

そこで、この発明の目的は、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好な電解コンデンサ、およびこの電解コンデンサに用いる電解液を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

溶媒として、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトン混合溶媒を用い、溶質として、四級イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いた、電解コンデンサ用電解液

請求項2

溶媒として、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、溶質として、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いてなる、電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ

請求項3

γ─ブチロラクトンの含有率が、溶媒中の20重量%以下である請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。

請求項4

γ─ブチロラクトンの含有率が、溶媒中の20重量%以下である請求項2記載の電解コンデンサ。

技術分野

0001

この発明は電解コンデンサ用電解液、特に高温寿命特性の良好な電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関する。

背景技術

0002

電解コンデンサは、一般的には、帯状高純度アルミニウム等の弁金属の箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、箔表面を拡大させるとともに、この箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度の箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回しコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は電解コンデンサ駆動用電解液含浸した後、有底筒状外装ケース収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。

0003

陽極電極箔、陰極電極箔には、それぞれ両極電極を外部に引き出すための電極引出し手段であるリード線ステッチ超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線は、丸棒部と、両極電極箔に当接する接続部と、さらに丸棒部の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部とからなる。

0004

コンデンサ素子に含浸される電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用される電解コンデンサの性能によって種々のものがあり、その中で、低圧用の、特に高温長寿命特性を有する電解液として、エチレングリコールアジピン酸を溶解したものが知られている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、近年、車載分野において、自動車性能の高機能化に伴い、高温となるエンジンルーム内での電子部品の使用の要求が高まっているが、前記電解液を用いた電解コンデンサでも、この高温使用に耐えることができなかった。また、低温特性も、最低使用温度は−25℃使用が限界であり、−40℃使用が要求される車載用途として使用に耐えることができず、この分野で使用可能な電解コンデンサ用電解液は実現されていなかった。

0006

また、従来から良好な高温特性が得られる、高沸点溶媒として、スルホラン(特開平1−124210号公報、特開平8−31699号公報)が知られているが、上記の所望の特性を得ることができなかったため、良好な高温特性と、低温特性の両者が要求される車載用途に用いることはできなかった。

0007

そこで、この発明の目的は、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好な電解コンデンサ、およびこの電解コンデンサに用いる電解液を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒として、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトン混合溶媒を用い、溶質として、四級イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いたことを特徴としている。

0009

また、本発明の電解コンデンサは、スルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを溶質とした電解液を用いることを特徴としている。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明のアルミニウム電解コンデンサの構造は図1図2に示すように、従来と同じ構造をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は高純度のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。

0011

陽極電極箔2は、純度99%以上のアルミニウム箔酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。

0012

前記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。

0013

以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。

0014

本発明においては、この電解液の溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用いる。また、他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。

0015

混合する溶媒としては、プロトン性有機極性溶媒として、一価アルコール類エタノールプロパノールブタノールペンタノールヘキサノールシクロブタノールシクロペンタノールシクロヘキサノールベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコールグリセリンメチルセロソルブエチルセロソルブメトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドンエチレンカーボネイトプロピレンカーボネイトイソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。

0016

そして、本発明の電解液の溶質として、カチオン成分として、四級化イミダゾリニウム及び四級化ピリミジニウムを用いた、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩を用いる。アニオン成分としては、フタル酸イソフタル酸テレフタル酸マレイン酸安息香酸トルイル酸エナント酸マロン酸等のカルボン酸フェノール類ほう酸りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例示される。

0017

この四級化イミダゾリニウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。

0018

また、四級化ピリミジニウムとしては、1,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−5,6−ジヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム等が挙げられる。

0019

さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液に、ほう酸系化合物、例えばほう酸、ほう酸と多糖類マンニットソルビットなど)との錯化合物、ほう酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物等、界面活性剤コロイダルシリカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかることができる。

0020

また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物リン酸亜リン酸ポリリン酸酸性リン酸エステル化合物)、オキシカルボン酸化合物等を挙げることができる。

0021

以上のような本発明の電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。

0022

また、前記の電解液において、γ─ブチロラクトンの混合溶媒中の含有率が、20重量%以下の場合は、高温寿命特性がさらに良好である。

0023

ここで、従来の四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジニウム塩を溶質とした電解液においては、溶媒としてγ─ブチロラクトンを用いていたが、この電解液では、寿命試験中に封口体9とリード線の丸棒部6の間から電解液が漏れるという問題があったが、本発明の電解液においては、漏液は発生しない。この理由は以下のようであると推察される。

0024

四級化環状アミジニウム塩を溶解した電解液が、陰極リード部より漏液するメカニズムについては次のように考えられる。すなわち、従来の電解コンデンサにおいては、陰極リード線5の自然浸漬電位の方が陰極電極箔3の自然浸漬電位よりも貴な電位を示すので、無負荷放置した場合、陰極リード線と陰極箔局部電池が構成され、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、また、直流負荷状態においては、陰極リード線に陰極箔よりも多くのカソード電流が流れることになる。このように、負荷、無負荷、双方の場合において、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、その結果、陰極リード線側で溶存酸素又は水素イオン還元反応が起こり、陰極リード線の丸棒部6と接続部7の電解液界面部分水酸イオンが生成する。

0025

そして、このような溶存酸素又は水素イオンの還元反応によって生成した水酸イオンは、四級化環状アミジニウムと反応し、四級化環状アミジニウムが開環して、二級アミンとなる。この二級アミンは揮発性が高く、しかも吸湿性が低いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に生成しても、速やかに蒸散し、漏液状態とはならないことが予想される。

0026

しかしながら、水酸イオンが発生すると、溶媒であるγ─ブチロラクトンもこの水酸イオンと反応して、γ─ヒドロキシ酪酸となる。そして、上述した二級アミンとこのγ─ヒドロキシ酪酸が混在することになり、γ─ヒドロキシ酪酸のpH低下作用によって、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩となる。そして、この四級化環状アミジニウム塩には揮発性はなく、吸湿性も高いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に再生成した四級化環状アミジニウム塩は、吸湿して漏液状態となる。以上のことは、漏液が大部分の水と四級化環状アミジニウム塩から成っているという分析結果から、推測された。

0027

これに対して、本発明においては、溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用いているので、漏液状態が抑制される。すなわち、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上は水酸イオンと反応しないので、上述したpHを低下させるような物質は生成されない。したがって、γ─ブチロラクトンからγ─ヒドロキシ酪酸のようなpH低下作用のある物質が生成されても、その作用は弱く、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩となる量は少なく、生成した二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態が抑制されているものと考えられる。

0028

さらに、本発明の電解コンデンサに、逆電圧印加された場合にも、漏液は発生しない。すなわち、逆電圧が印加されると、陽極側にカソード電流が流れることになるが、陽極箔分極抵抗は陰極箔に比べて極めて大きいので、陽極側のカソード電流の大部分は陽極タブに流れることになる。したがって、従来の電解コンデンサでは、逆電圧試験初期に漏液が発生することがあった。しかしながら、本発明の電解コンデンサにおいては、前述したような陰極側挙動と同様の挙動によって、漏液状態が抑制される。以上のように、本発明の漏液防止効果は極めて強いものである。

0029

以上のように、本願発明の構成によると、陰極リード線の丸棒部近傍で発生した水酸イオンは四級化環状アミジニウムと反応して消失し、再生成される四級化環状アミジニウムの量は少なく、生成される二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態が抑制される。

0030

また、従来の電解コンデンサにおいては、無負荷放置の際に、陰極リード線4と陽極リード線5が接触した場合には、陽極リード線と陰極電極箔3で局部電池を構成することになり、陽極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が発生し、水酸イオンを生成して、陰極リード部と同様の理由により、漏液状態となっていた。

0031

しかしながら、この場合も、本発明の構成によれば、陰極リード部で漏液が防止される理由と同様の理由によって、漏液は防止される。

0032

以上のような理由によって、本願発明においては、漏液が防止されているものと思われる。

0033

また、陰極電極箔3として、窒化チタン窒化ジルコニウム窒化タンタル窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタンジルコニウムタンタルニオブから選ばれた金属を蒸着法、メッキ法、塗布など従来より知られている方法により被覆した陰極電極箔を用いることができる。ここで、被覆する部分は陰極電極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極電極箔の一部、例えば陰極電極箔の一面のみに金属窒化物又は金属を被覆してもよい。このことによって、陰極箔の自然浸漬電位の方が陰極リード線の自然浸漬電位より貴な電位となり、さらに、カソード分極抵抗も小さくなる。したがって、過電圧が印加された際に、陰極リード線のカソード電流は微小となり、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止には、さらに好適である。

0034

また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成したり、Al2O3 、SiO2 、ZrO2 などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成することができる。このことによって、無負荷の場合に、陰極リード線と陰極箔の局部電池を構成する面積が小さくなり、また、負荷の場合には、陰極リード線に流れるカソード電流が少なくなり、双方の場合において、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止効果はさらに向上する。

0035

以下、本発明の実施例について説明する。

0036

(表1)〜 (表3) は、本発明の各実施例の電解コンデンサ用電解液の組成、及び30℃と−40℃の比抵抗を示したものである。

0037

ID=000003HE=135 WI=100 LX=0550 LY=0450
* SL :スルホラン
3-MSL :3−メチルスルホラン
GBL:γ─ブチロラクトン
EDMIP :フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム
TMAP:フタル酸テトラメチルアンモニウム
GBL の欄の( ) :γ─ブチロラクトンの混合溶媒中の重量%

0038

ID=000004HE=130 WI=100 LX=0550 LY=0300
* 2,4-DMSL:2,4−ジメチルスルホラン

0039

0040

また、実施例9として、実施例4、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で246Ω−cm、−40℃では9.6kΩ−cmであった。また、実施例18として、実施例13、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で268Ω−cm、−40℃では9.2kΩ−cmであった。また、実施例27として、実施例22、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で282Ω−cm、−40℃では8.5kΩ−cmであった。

0041

従来例として、エチレングリコール、87重量%に、アジピン酸アンモニウム、13重量%を溶解したものの比抵抗を測定したところ、30℃で320Ω−cm、−40℃では凝固した。

0042

(表1)〜(表3)から明らかなように、本発明の実施例1〜30の30℃及び−40℃の比抵抗は、良好である。特に、−40℃においても低比抵抗を保っており、−40℃使用が可能であることがわかる。これに対して、従来例においては、−40℃では凝固しており、−40℃で使用することはできない。ここで、従来例の−25℃の比抵抗は、9kΩ−cmであった。

0043

また、溶質としてフタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムを用いた実施例4、13、22は、それぞれフタル酸テトラメチルアンモニウムを用いた比較例1、2、3より、30℃、−40℃ともに、比抵抗は低く保たれている。なお、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランを単独で用いた比較例4、5、6は、−25℃でも凝固し、電解コンデンサ用電解液の溶媒としては用いることができない。

0044

次に、高温寿命特性を評価するために、実施例2、4、8、11、13、17、20、22、26の電解液、従来例の電解液を用いてアルミニウム電解コンデンサを作成した。ここで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格は、16V−47μF、ケースサイズはφ6.3mm×5mmである。そして、これらの電解コンデンサの、各試料25個に125℃の下で定格電圧を印加し、2000時間、4000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、損失角正接(tanδ)の測定を行った。結果を(表4)に示す。

0045

ID=000006HE=125 WI=092 LX=0590 LY=0300
* Cap(μF)、ΔC(%)、LC(μA)

0046

(表4)から明らかなように、実施例の電解コンデンサの高温寿命特性は、従来例よりも、良好であり、初期のtanδも低く保たれており、125℃、4000時間保証が可能となっている。特に、γ─ブチロラクトンが20重量%以下である実施例2、4、11、13、20、22は、4000時間後も良好な特性を維持している。

0047

次いで、漏液特性を評価するために、実施例4、13、22、比較例1〜3の電解液を用いた電解コンデンサ、比較例7としてγ─ブチロラクトン75重量%、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25重量%の電解液を用いた電解コンデンサについて、各試料25個に85℃、85%RHの下で定格電圧を印加し、500時間、1000時間、及び2000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表5)に示す。また、実施例4、13、22、比較例4の電解液を用いた電解コンデンサを用いて、各試料25個に85℃、85%RHの下で−1.5Vの逆電圧を印加し、250時間、500時間、及び1000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表6)に示す。

0048

0049

0050

(表5)から明らかなように、四級アンモニウム塩を用いた比較例1〜3では500時間後に、γ─ブチロラクトンを溶媒として用いた比較例7では1000時間後に漏液が発生しているが、本発明の実施例4、13、22の電解液を用いた電解コンデンサは2000時間後にも漏液はなく、良好な結果を得ている。また、(表6)から明らかなように、逆電圧試験においても、比較例7では250時間で漏液が発生しているが、本発明の実施例においては1000時間においても漏液は発生せず、漏液防止効果は極めて強い。以上のように、本発明の電解液によって、漏液防止が実現されていることがわかる。

発明の効果

0051

以上のように、この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒としてスルホラン、3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランの3種から選ばれる2種以上と、γ─ブチロラクトンの混合溶媒を用い、溶質として四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウムを用いたものである。

0052

この電解液を用いた電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。

0053

また、前記電解液において、混合溶媒中のγ─ブチロラクトンを溶媒全体の20重量%以下とすることによって、より、良好な高温寿命特性を得ることができる。

0054

さらに、本発明の電解コンデンサにおいては、漏液することがない。

図面の簡単な説明

0055

図1アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
図2コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。

--

0056

1コンデンサ素子
2陽極電極箔
3陰極電極箔
4陽極引出し用のリード線
5陰極引出し用のリード線
6丸棒部
7 接続部
8外部接続部
9封口体
10外装ケース
11 セパレータ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ