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技術 透光性アルミナの製造方法

出願人 香川県
発明者 近藤祥人
出願日 1998年2月18日 (21年6ヶ月経過) 出願番号 1998-036160
公開日 1999年8月24日 (19年11ヶ月経過) 公開番号 1999-226923
状態 未査定
技術分野 照明装置の配光に係わる部品細部及び防護 酸化物セラミックスの組成1 材料からの成形品の製造
主要キーワード 量産システム 省エネタイプ アルミナ粉末原料 サブミクロン粉末 浸透圧力 粒子径分布幅 高純度アルミナ粉末 酸化マグネシウム換算
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課題

安価な透光性アルミナの製造。特に低価格のHIDランプ発光管としての透光性アルミナ管の提供。

解決手段

成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用することを特徴とする透光性アルミナ管の製造方法。焼結法は最も安価な常圧焼結により行う。成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用すること、ならびに焼結過程において、常圧焼結を採用することを特徴とする透光性アルミナの製造方法。透光性アルミナは好ましくはHIDランプ用発光管である。

概要

背景

1965年、米国GE社により、HID(High IntensityDischarged、高輝度放電ランプ一種である高圧ナトリウムランプ市場公開された。これを実現させたのはR.L.Cobleにより発明された透光性多結晶アルミナであり、これは多結晶セラミックスが光を透過させないという当時の既成概念を打破するものであった。多結晶セラミックスが光を透過させるには、表面がなめらかで、粒界不純物層がなく、かつ粒界や粒内に光の波長より大きい気孔が残存しないことである。このため高純度原料が必要で、成形過程で大きい欠陥を作らず、かつ焼結過程でほぼ完全に残留気孔を除去することが必要である。

透光性アルミナの製造方法について、多くの研究者により技術が構築され、現在、特にHIDランプ発光管としての透光性アルミナ管について、以下の方法で製造されている。
(1)使用する原料:純度が99.9%以上の高純度アルミナ
(2)成形方法CIP(等方加圧成形、最近では鋳込み成形射出成形
(3)焼結方法真空焼結または水素雰囲気焼結、さらにHIP高温等方圧加圧)処理

従来技術の問題点について説明する。透光性アルミナ管の製造方法において、成形方法では成形体中に大きな欠陥の生成や不純物による成形体の汚染による透光性の低下、また形状付与限界、さらに焼結過程でのコスト上昇などが大きな問題となっている。まず、従来の成形方法であるCIP成形法では、成形できる形状は直管に限定されており、HIDランプに使用する際、金属ガス封着技術に多くの課題を残し、ランプの寿命に大きく影響した。このため、発光管の形状を放電部である中央部に比較して両端を細くした異形管にし、封着し易くしようとする試みがなされている。この形状であると、従来のCIP成形法は適用できない。

そこで射出成形法や鋳込み成形方法が検討されている。射出成形法ではセラミックス粉末樹脂等の混合物金型圧入して形状付与を行う。したがって、管状の成形体を作製するためには、可燃性中子が必要であり、焼成過程で中子と成形体の熱膨張の差が歩留まり低下の原因となる。さらに、射出成形機スクリューや金型からの鉄による成形体の汚染が激しく、これが透光性を低下させる。これを防止するために、成形体を900〜1000℃の温度で仮焼した後、酸処理等により成形体から鉄を除去する操作が必要となっている。鋳込み成形法は、型材として石膏が使用されていることから、成形体はカルシウムで汚染され、これが焼結後の透光性の低下の原因となるため、カルシウム除去のための成形体の仮焼と酸処理工程が必要である。また、石膏型を使用する限りにおいては、成形速度が遅く量産システムの構築が極めて困難であるだけでなく、石膏型が産業廃棄物として大量に発生する。

つぎに、透光性アルミナの焼結は、真空焼結あるいは水素雰囲気焼結法により行われている。これは、焼結過程で残留する気孔を極力少なくするために採用されている方法であり、真空、水素雰囲気焼結で残留した気孔はHIP処理により除去される。しかし、真空、水素雰囲気、いずれの方法においても、その装置が高額であり、特に水素雰囲気焼結法については、高温状態における水素腐食性に起因する炉材ヒーター等の消耗の激しさが焼結コストの低減化を妨げている。

概要

安価な透光性アルミナの製造。特に低価格のHIDランプ用発光管としての透光性アルミナ管の提供。

成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用することを特徴とする透光性アルミナ管の製造方法。焼結法は最も安価な常圧焼結により行う。成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用すること、ならびに焼結過程において、常圧焼結を採用することを特徴とする透光性アルミナの製造方法。透光性アルミナは好ましくはHIDランプ用発光管である。

目的

本発明は、カルシウムや鉄等の汚染がなく、生産性のよい鋳込み成形法で成形し、かつ最もコストのかからない常圧焼結法により焼結することにより、安価な透光性アルミナを製造し、特に低価格のHIDランプ用発光管としての透光性アルミナ管を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

成形方法として、多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用することを特徴とする透光性アルミナの製造方法。

請求項2

気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する請求項1の透光性アルミナの製造方法。

請求項3

焼結工程において、常圧焼結を採用する請求項1または2の透光性アルミナの製造方法。

請求項4

透光性アルミナがHIDランプ発光管である請求項1、2または3の透光性アルミナの製造方法。

--

0001

本発明は、安価な透光性アルミナ、特に低価格のHIDランプ発光管としての透光性アルミナ管を製造する方法に関する。

背景技術

0002

1965年、米国GE社により、HID(High IntensityDischarged、高輝度放電ランプ一種である高圧ナトリウムランプ市場公開された。これを実現させたのはR.L.Cobleにより発明された透光性多結晶アルミナであり、これは多結晶セラミックスが光を透過させないという当時の既成概念を打破するものであった。多結晶セラミックスが光を透過させるには、表面がなめらかで、粒界不純物層がなく、かつ粒界や粒内に光の波長より大きい気孔が残存しないことである。このため高純度原料が必要で、成形過程で大きい欠陥を作らず、かつ焼結過程でほぼ完全に残留気孔を除去することが必要である。

0003

透光性アルミナの製造方法について、多くの研究者により技術が構築され、現在、特にHIDランプ用発光管としての透光性アルミナ管について、以下の方法で製造されている。
(1)使用する原料:純度が99.9%以上の高純度アルミナ
(2)成形方法CIP(等方加圧成形、最近では鋳込み成形射出成形
(3)焼結方法真空焼結または水素雰囲気焼結、さらにHIP高温等方圧加圧)処理

0004

従来技術の問題点について説明する。透光性アルミナ管の製造方法において、成形方法では成形体中に大きな欠陥の生成や不純物による成形体の汚染による透光性の低下、また形状付与限界、さらに焼結過程でのコスト上昇などが大きな問題となっている。まず、従来の成形方法であるCIP成形法では、成形できる形状は直管に限定されており、HIDランプに使用する際、金属ガス封着技術に多くの課題を残し、ランプの寿命に大きく影響した。このため、発光管の形状を放電部である中央部に比較して両端を細くした異形管にし、封着し易くしようとする試みがなされている。この形状であると、従来のCIP成形法は適用できない。

0005

そこで射出成形法や鋳込み成形方法が検討されている。射出成形法ではセラミックス粉末樹脂等の混合物金型圧入して形状付与を行う。したがって、管状の成形体を作製するためには、可燃性中子が必要であり、焼成過程で中子と成形体の熱膨張の差が歩留まり低下の原因となる。さらに、射出成形機スクリューや金型からの鉄による成形体の汚染が激しく、これが透光性を低下させる。これを防止するために、成形体を900〜1000℃の温度で仮焼した後、酸処理等により成形体から鉄を除去する操作が必要となっている。鋳込み成形法は、型材として石膏が使用されていることから、成形体はカルシウムで汚染され、これが焼結後の透光性の低下の原因となるため、カルシウム除去のための成形体の仮焼と酸処理工程が必要である。また、石膏型を使用する限りにおいては、成形速度が遅く量産システムの構築が極めて困難であるだけでなく、石膏型が産業廃棄物として大量に発生する。

0006

つぎに、透光性アルミナの焼結は、真空焼結あるいは水素雰囲気焼結法により行われている。これは、焼結過程で残留する気孔を極力少なくするために採用されている方法であり、真空、水素雰囲気焼結で残留した気孔はHIP処理により除去される。しかし、真空、水素雰囲気、いずれの方法においても、その装置が高額であり、特に水素雰囲気焼結法については、高温状態における水素腐食性に起因する炉材ヒーター等の消耗の激しさが焼結コストの低減化を妨げている。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、カルシウムや鉄等の汚染がなく、生産性のよい鋳込み成形法で成形し、かつ最もコストのかからない常圧焼結法により焼結することにより、安価な透光性アルミナを製造し、特に低価格のHIDランプ用発光管としての透光性アルミナ管を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用することを特徴とする透光性アルミナ管の製造方法を要旨としている。本発明が採用する成形方法は、透光性アルミナの製造に採用されていなかった成形方法である、多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形技術により構成される。鋳込み成形は、石膏型の代わりに多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する。

0009

本発明の焼結法は最も安価な常圧焼結により行う。すなわち本発明は、成形方法として、多孔質アルミナ型、好ましくは気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用する鋳込み成形法を採用すること、ならびに焼結過程において、常圧焼結を採用することを特徴とする透光性アルミナの製造方法を要旨としている。上記透光性アルミナは、好ましくはHIDランプ用発光管としての透光性アルミナ管である。

発明を実施するための最良の形態

0010

アルミナ原料》本発明で使用するアルミナ粉末原料は、アルミナ工具や透光性アルミナ用原料として公知の3N(99.9%)以上の高純度アルミナであって、粒子径分布幅を調製して得た粒子径分布幅の極めて狭い原料粉末を使用する。粒子径分布幅の狭い原料粉末を使用することにより、ミクロ的にみて焼結過程での大きい残留気孔の生成を防止することが可能となる。一般に広い粒子径分布幅を有するアルミナ原料を使用して作製された成形体は、焼結過程において気孔の成長が起こり、焼結体中に気孔を残留させる。大きい粉末に比べ小さい粉末は大きい表面エネルギーを有し、焼結過程で小さい粉末は大きい粉末側に移動し粒成長するが、そこに気孔が残留する。そこで粒子径分布幅の狭い原料粉末を使用することにより、粉末間の表面エネルギー準位の差が小さくなり、ミクロ的にみて焼結過程での大きい残留気孔の生成を防止することが可能となる。

0011

《粒子径分布幅の極めて狭いアルミナ原料粉末の調製》粒子径分布幅の極めて狭いアルミナ原料粉末は、いかなる調整法で得られたものでもよい。これまで透光性アルミナ用原料として使用されている、3N(99.9%)以上の高純度アルミナ粉末を、水簸分級法により整粒されてもよい。また、純度PP.99%、粒子径分布対数正規分布で整理した場合、標準偏差が1.24の粒子径分布幅の狭いアルミナ粉末は、気相合成法により作製されている。さらに、これまで透光性アルミナ用原料として使用されている、3N(99.9%)以上の高純度アルミナ粉末の成形体を、焼成過程における700〜1000℃の間の適当な温度で、5〜50時間保持することにより粒子径分布幅を狭くすることが可能である。すなわち、上記700〜1000℃の間の適当な温度で、5〜50時間保持することにより粒子径分布の微小粒子が成長し、全体として粒子径分布幅が狭くなる。

0012

《成形方法(鋳込み成形法)》本発明は、透光性アルミナの製造に採用されていなかった、鋳込み成形法を採用する。鋳込み成形法は複雑・大型品の成形が可能で、かつ高密度成形品が得られていることから、アルミナ、ジルコニア窒化珪素などの成形法に関する研究が盛んにおこなわれている。本発明が採用する鋳込み成形法の基本技術は、本発明者の発明に係る特開平6−170821号に記載されている。該公報には、特定の成形型を用いることを特徴とする泥漿鋳込み成形法が記載され、該発明は、セラミックスの鋳込み成形において、成形速度が遅いという従来技術の問題点をスラリー外圧をかけるという手段ではなく、セラミックス成形型の気孔率及び気孔径を制御することにより解決するものである。すなわち、セラミックスの鋳込み成形において、石膏型の替わりに気孔率、気孔径を制御した多孔質セラミックスを使用することにより成形速度を飛躍的に向上させている。

0013

《多孔質アルミナ型》上記特開平6−170821号には、ガラス質結合剤10重量%以下を含有する粒径が2.0μ以下でかつよく整粒されたセラミックス化合物粉末原料、好ましくはアルミナ粉末原料の成形体の焼結物である気孔径が0.6μ以下で、かつ気孔率が30体積%以上である成形型を使用することが記載されている。ガラス質結合剤としては公知のアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物が用いられる。

0014

《多孔質アルミナ型の気孔径および気孔率の限定理由》本発明において、多孔質アルミナ型として気孔径0.6μm以下、気孔率15体積%以上の多孔質アルミナ型を使用する理由は以下の通りである。鋳込み成形により製造されるセラミックス粉末はサブミクロン粉末を含有するため、0.6μm以上の気孔径をもつ多孔質アルミナ型では、0.6μm以下の粒子多孔質型進入し、目詰まりを生じさせるため、多孔質型の吸水圧力毛細管力)を低下させ、成形速度を遅くする。また、気孔率については、厚肉の鋳込み成形体を作製する場合に使用する多孔質アルミナ型は、成形速度を速くする必要があり、このため気孔径を小さくして毛細管力を高め、かつ多孔質型中に吸収させた媒液を速く移動させるため、気孔率を高くする必要がある。一方、1mmあるいは2mm以下の薄い厚みの成形体を鋳込み成形する場合、成形速度が速すぎると、鋳込み時間による厚み制御が困難となるため、多孔質アルミナ型の気孔率を低くし、成形速度を遅くすることにより制御する必要がある。以上のような理由により、多孔質アルミナ型の気孔径は0.6μm以下、気孔率15体積%以上である必要がある。

0015

多孔質セラミックス成形型の気孔率及び気孔径の制御について説明する。多孔質セラミックスは色々な方法で製造されるが、最も簡単な方法はセラミックス原料を成形し、緻密な焼結体が得られる焼結温度より100〜400℃低い温度で焼結することにより得られる。多孔質セラミックスの最も重要な因子である気孔率は、成形密度および焼結温度により決定され、成形密度および焼結温度が低いほど気孔率は高くなる。また、気孔径の制御については、よく整粒されたセラミックス原料を使用すれば、その平均粒子径の約1/3の気孔径に制御することが可能である。使用される型材としての多孔質アルミナは、整粒されたアルミナにガラス質結合剤を0〜10wt%添加し、気孔径および気孔率を制御する方法で製造されたものである。よく整粒されたアルミナ粉末とは粒度分布の狭い粉末のことで、対数正規分布式の標準偏差σが1.0〜2.0の範囲にあるものである。

0016

《鋳込み成形型としての気孔径制御の意味》セラミックスの鋳込み成形において、スラリーを加圧した場合、圧力が高くなればなるほど成形速度は早くなる。親水性多孔体における液体浸透圧力△Pは、常圧での鋳込み成形では液体のぬれ効果によるものであることから、式Iで表すことができる。
ID=000003HE=015 WI=080 LX=0200 LY=0700
ここで、γLcosθはぬれの自由エネルギー、rは気孔半径である。式Iより、水とのぬれの自由エネルギーが大きい材質ほど、また気孔径が小さい多孔質セラミックスほど浸透圧力は大きくなり、鋳込み成形における成形速度は速くなることがわかる。また、セラミックス原料は微粒子化すすみ、スラリー中に分散されたセラミックス粉末は、鋳込み型の気孔径が大きいと気孔中入り、目詰まりの原因ともなることから、気孔径が制御できることは意味あることである。

0017

《多孔質アルミナと石膏の型材としての性能比較》従来の石膏型を使用する鋳込み成形法の問題点は、(1)成形速度が遅い、(2)石膏型の摩耗・溶解による成形体のCa汚染および寸法精度の低下等である。石膏型の摩擦・溶解に対しては樹脂型等、脱石膏型化が検討されているが、型材質が疎水性のため加圧の必要性がある。また、焼結したセラミックス化合物焼結体からなる細孔直径が1μm以下である成形型も開発されているが、半永久的に使用できるという脱石膏型化の検討がなされているだけである(特開昭62−244603号公報)。鋳込み成形における成形速度は均一な組織を有する成形体を得るためには重要な因子である。すなわち、スラリー中に分散されたセラミックス原料は時間の経過とともに凝集するため、成形時間が経過するとともに成形体密度は低下する。この凝集の現象はセラミックス原料が微粒子になるほど強くなる。鋳込み成形速度は石膏型の吸水圧力および吸水速度に支配されることから、スラリーに外圧をかけることにより成形速度を早くすることが試みられている。石膏型としては、ファインセラミックスの鋳込み成形に一般的に使用されているα石膏100部に対して水45部を加え、5分間攪拌し、5分間静置した後、石膏型とした(型1という。)。一方、多孔質アルミナについては、平均粒子径が20μm、3μm、1.3μmの各アルミナを30Mpaの圧力でプレス成形し、20μmのアルミナについては1650℃、3μmおよび1.3μmについては1400℃で焼結し多孔体とした(型2〜型4という。)。さらに、平均粒子径1.3μmについては、3つの試験体について、60Mpaの圧力でプレス成形し、焼結温度を変えて(1400℃、1500℃、1550℃)多孔体とした(型5〜型7という。)。石膏および多孔質アルミナの物理特性、すなわち平均気孔径(水銀ポロシーメータ法)、気孔率(水中重量法)および水に対するぬれの自由エネルギー(浸透速度法)を表1に示す。

0018

─────────────────────────────────
平均気孔径気孔率ぬれの自由エネルギー
型試験体μm % mN/m
─────────────────────────────────
1石膏4.39 43.5 0.92
2アルミナ20μm 7.46 45.1 7.98
3 アルミナ3μm 1.12 43.4 11.87
4 アルミナ1.3μm 0.56 40.4 14.37
5 アルミナ1.3μm 0.47 36.6 14.90
6 アルミナ1.3μm 0.45 30.3 14.82
7 アルミナ1.3μm 0.42 24.0 8.59
─────────────────────────────────

0019

表1において、型1の石膏の平均気孔径が4.4μmであるのに対して、多孔質アルミナの平均気孔径は型2〜型4と使用した原料の平均粒子径が小さくなるとともに減少しており、使用した原料の平均粒子径のほぼ1/3となっている。型4と型5とは成形密度だけが異なっており、型5と型6とは焼結温度だけが異なっており、気孔率は成形密度および焼結温度によって決定されることが裏付けられている。多孔質アルミナのぬれの自由エネルギーは、平均気孔径が小さくなるほど大きくなり、一定の値を示していない。これは気孔の形状および気孔表面の状態に左右されたものと考えられるが、いずれにしても多孔質アルミナのぬれの自由エネルギーは石膏に対して8〜14倍の大きい値を示している。したがって、式 から、石膏に比較して多孔質アルミナは平均気孔径が小さくなるほどぬれ効果による浸透圧力は大きくなるといえる。

0020

表1に示した7種類の多孔体、型1〜型7についてアルミナの鋳込み成形試験を実施した。平均粒子径0.6μmのアルミナ100部に対して、水30部、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩0.4部、アクリル系バインダー1.5部を加えて作製したアルミナスラリーについて、鋳込み時間tに対する着肉厚さLを測定し、着肉速度定数(L2/t)を算出した。図1に水の浸透圧力△Pと着肉速度定数との関係を示す。図1において、石膏の着肉速度定数はアルミナ20μmより少し大きい値を示しているが、多孔質アルミナの平均気孔径が小さくなるとともに着肉速度定数は増大し、石膏に比較してアルミナ1.3μmの着肉速度定数は最大約12倍の値を示している。この事実は、水に対するぬれの自由エネルギーが大きい材質で、かつ平均気孔径が極力小さい多孔質セラミックスをセラミックスの鋳込み成形用型として使用すれば、石膏型に比較して飛躍的に成形速度が速くなることを教示するものである。

0021

《常圧焼結》粒子径分布幅の極めて狭い高純度アルミナ原料を使用し、成形過程で大気孔のない成形体を作製すれば、常圧焼結法でも透光性アルミナを製造することが可能である。本発明の焼結法は最も安価な常圧焼結により行う。一般に、ある粒子径分布幅を有するアルミナ原料を使用して作製された成形体は、焼結過程、特に焼結初期中期過程において気孔の成長が起こり、焼結体中の気孔を残留させる。粒子径の大きい粉末に比較して、小さい粉末は表面エネルギーが大きく、焼結過程で小さい粉末は大きい粉末側に移動して、そこに気孔が残留する。そこで粒子径分布幅の狭い原料粉末を使用することにより、粉末間の表面エネルギー準位の差が小さくなり、ミクロ的にみて焼結過程での大きい残留気孔の生成を防止することが可能となる。したがって、粒子径分布幅の極めて狭い高純度アルミナを使用し、成形過程で大気孔のない成形体を作製すれば、常圧焼結でも透光性を有する高純度アルミナ焼結体を製造することが可能である。また、これまで透光性アルミナ用原料として使用されている、3N(99.9%)以上の高純度アルミナ粉末の成形体を、焼成過程における700〜1000℃の間の適当な温度で、5〜50時間保持することにより粒子径分布幅を狭くすることが可能である。すなわち、上記700〜1000℃の間の適当な温度で、5〜50時間保持することにより粒子径分布の微小粒子が成長し、全体として粒子径分布幅が狭くなる。結果として、粒子径分布幅の狭い原料粉末を使用した場合と、同様の効果が得られ、結果として、常圧焼結により透光性を有する高純度アルミナ焼結体を製造することが可能である。

0022

《HIDランプ用発光管》高圧低圧ナトリウムランプ水銀灯メタルハライドランプなどのHID(高輝度放電、High Intensity Discharged)ランプは、低電力高輝度を得られる省エネルギー型のランプとして、その効率の良さと演色性の良さから、最近急激に利用範囲が拡大される傾向にある。これまで、高圧・低圧ナトリウムランプの発光管として透光性アルミナ発光管が、水銀灯及びメタルハライドランプの発光管には石英ガラス発光管が使用されてきた。しかし、さらにエネルギー効率のよい省エネルギー型のメタルハライドランプを商品化し普及させるためには、発光管の温度を上げることにより高輝度化を達成し、かつ長寿命化を可能にする発光管を安価に供給することの開発が不可欠となっている。近年、このような要求に応える発光管として透光性アルミナがクローズアップされ、検討され始めたところである。本発明は透光性アルミナ管の安価な製造技術を提供し、省エネルギー型のHIDランプの製造コストの低減化に寄与し、HIDランプの普及を図ることにより、省エネルギー対策に貢献することが可能である。

0023

本発明は、石膏型の代わりに気孔径0.6μm以下、気孔率15%以上の多孔質アルミナ型を使用した鋳込み成形法を採用することにより、カルシウム汚染のない高密度成形体が得られ、かつ多孔質アルミナ型は石膏型に比較して毛細管力、すなわち吸引力が大きく、成形速度がはるかに速いことから、低コストで高密度のアルミナ管の成形が可能となる。また、多孔質アルミナ型は半永久的に使用することが可能であり、石膏型のような産業廃棄物の発生はない。

0024

本発明の焼結法は最も安価な常圧焼結により行う。一般にある粒子径分布幅を有するアルミナ原料を使用して作製された成形体は、焼結過程において気孔の成長が起こり、焼結体中に気孔を残留させる。大きい粉末に比べ小さい粉末は大きい表面エネルギーを有し、焼結過程で小さい粉末は大きい粉末側に移動し、そこに気孔が残留する。そこで粒子径分布幅の狭い原料粉末を使用することにより、粉末間の表面エネルギー単位の差が小さくなり、ミクロ的にみて焼結過程での大きい残留気孔の生成を防止することが可能となる。したがって、粒子径分布幅の極めて狭い高純度アルミナ原料を使用し、成形過程で大気孔のない成形体を作製すれば、常圧焼結法でも透光性アルミナを製造することが可能である。

0025

本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。

0026

実施例1
粒子径分布幅の狭い高純度アルミナ原料を使用し、多孔質アルミナ型を使用して鋳込み成形後、常圧焼結により作製したアルミナ焼結体の一製造方法と特性を示す。純度99.99%、平均粒子径0.45μm、粒子径分布を対数正規分布で整理した場合の標準偏差1.24のアルミナ粉末100gに対して、酸化マグネシウム換算で0.03mass%、分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)0.225mass%、バインダーアクリル系)1.5mass%、蒸留水43.8mass%を加え、プラスチックポット及びボールを使用してスラリーを作製した。

0027

これを平均気孔径0.4μ、気孔率19%(A)及び29%(B)の多孔質アルミナ型を使用して鋳込み成形した。60秒後の成形体の厚みは、型Aで1.9mm、型Bで2.2mmであった。乾燥後、1650℃で5時間焼結させたところ、得られた焼結体はいずれも白色で、透光性を示し、かさ比重3.98、相対密度99.8%の高密度焼結体が得られた。本焼結体は、従来の水素雰囲気焼結等により作製された焼結体と、同等以上の高密度焼結体であった。

発明の効果

0028

本発明は安価に透光性アルミナを製造することができる。最終製品である省エネタイプのHIDランプの社会的必要性が高いことから考えて、本発明は安価にHIDランプ用発光管を提供することができる。

図面の簡単な説明

0029

図1水の浸透圧力△Pと着肉速度定数との関係を示す。

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