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技術 溝付き裏当て材

出願人 株式会社三井E&Sホールディングス
発明者 小森充手塚則雄岩崎徹福田和廣
出願日 1998年2月16日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 1998-032508
公開日 1999年8月24日 (21年8ヶ月経過) 公開番号 1999-226785
状態 拒絶査定
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 アーク溶接一般 処理全般、補助装置、継手、開先形状 溶接材料およびその製造
主要キーワード 溝間距離 撥水力 ノズル内筒 上り斜面 ノズル外筒 膜体構造 溝つき 陸上構造物
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この項目の情報は公開日時点(1999年8月24日)のものです。
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図面 (8)

課題

深い水中で行なう水カーテン湿式水中溶接に用いるのに好適な、撥水性を有し良好な裏ビードを形成できる溝付き裏当て材を提供する。

解決手段

溝付き裏当て材は、表面側に深さ0.5mm、溝ピッチ1mmの三角形細溝を設けたセラミック板(例:32mm長、28mm幅、9mm厚)で、その外表面全体を、疎水基を有する表面処理剤で処理したシリカ粒子と、樹脂と、溶媒とを混合したスラリ状撥水処理剤中に浸漬し、乾燥したものであり、水中では細溝により、平らな面によるより厚い空気膜を安定して形成し、この厚い空気膜と溶接シールドガスで水カーテン中に水分のない良好な溶接雰囲気をつくる。

概要

背景

従来、湿式水中溶接では裏当て材は、被溶接部材と同じ材料(共金)を用いており、被溶接部材と一緒溶接される。取り外し可能な湿式水中溶接用裏当て材としては、これまで銅製の裏当て金を用いる方法が研究されているのみである。一方、溶接用裏当て材としては例えばセラミック製のものがある。これは、通常は短尺もので、溶接線に沿って複数配列して使用する。この裏当て材は、通常、炉中で乾燥させた後に使用し、湿度の高い場所や雨中では使用できない。

概要

深い水中で行なう水カーテン式湿式水中溶接に用いるのに好適な、撥水性を有し良好な裏ビードを形成できる溝付き裏当て材を提供する。

溝付き裏当て材は、表面側に深さ0.5mm、溝ピッチ1mmの三角形細溝を設けたセラミック板(例:32mm長、28mm幅、9mm厚)で、その外表面全体を、疎水基を有する表面処理剤で処理したシリカ粒子と、樹脂と、溶媒とを混合したスラリ状撥水処理剤中に浸漬し、乾燥したものであり、水中では細溝により、平らな面によるより厚い空気膜を安定して形成し、この厚い空気膜と溶接シールドガスで水カーテン中に水分のない良好な溶接雰囲気をつくる。

目的

本発明の目的は、特に水深の深い水中で行う湿式水中溶接のために用い、良好な裏ビートを形成できる溝付き裏当て材を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

被溶接部材溶接開先間の裏側に取り付ける裏当て材において、溶接開先の裏側と対向する表面側に複数の溝を形成した基材に、撥水処理を施すことにより、水中に没したときに空気膜保持可能なコーティング層を少なくとも表面側に形成したことを特徴とする溝付き裏当て材。

請求項2

被溶接部材の溶接開先間の裏側に取り付ける裏当て材において、溶接開先の裏側に対向する表面側に複数の溝を形成した基材に、疎水性粒子及び樹脂溶媒に混合・分散したスラリをコーティングすることにより、水中に没したときに空気膜を保持可能なコーティング層を少なくとも表面側に形成したことを特徴とする溝付き裏当て材。

請求項3

疎水性粒子は、無機酸化物粒子表面を疎水基を有する表面処理剤で処理してなる請求項2記載の溝付き裏当て材。

請求項4

無機酸化物がシリカであり、表面処理剤が疎水基を有するシラン化合物である請求項3記載の溝付き裏当て材。

請求項5

疎水性粒子は、有機材料ポリテトラフルオロエチレンPTFE)からなる請求項2記載の溝付き裏当て材。

請求項6

被溶接部材の溶接開先間の裏側に取り付けられる裏当て材において、溶接開先の裏側に対向する表面に複数の溝を形成した基材を、疎水基を有する表面処理剤で処理することにより、水中に没したときに空気膜を保持可能なコーティング層を少なくとも表面側に形成したことを特徴とする溝付き裏当て材。

技術分野

0001

本発明は、石油生産施設荷役施設貯蔵施設洋上空港、海上備蓄基地船舶沈埋トンネル波力潮流温度差発電施設海洋牧場等の水中あるいは水上構造物や、上で雨水、水滴水しぶき等にさらされる製油プラント化学プラント橋梁等の陸上構造物において、部材同士接合補修溶接メンテナンス等に用いるのに好適な溝付き裏当て材に関する。

背景技術

0002

従来、湿式水中溶接では裏当て材は、被溶接部材と同じ材料(共金)を用いており、被溶接部材と一緒溶接される。取り外し可能な湿式水中溶接用裏当て材としては、これまで銅製の裏当て金を用いる方法が研究されているのみである。一方、陸上溶接用裏当て材としては例えばセラミック製のものがある。これは、通常は短尺もので、溶接線に沿って複数配列して使用する。この裏当て材は、通常、炉中で乾燥させた後に使用し、湿度の高い場所や雨中では使用できない。

発明が解決しようとする課題

0003

湿式水中溶接用裏当て材として共金裏当てを用いた場合、溶接後に裏当て材が残るため、特に海中構造物などで、被溶接部材と裏当て材との隙間で生じる隙間腐食が問題となる。また共金裏当て材付き溶接継ぎ手は、セラミック裏当て材などの溶接後取りはずし可能な裏当て材による完全溶け込み裏波溶接継ぎ手に比べ80%程度の疲労強度であるため、疲労強度部材に共金裏当てを用いると、材料費製作コスト共に上がるという問題があった。

0004

湿式水中溶接で銅製の裏当て材を用いた場合、溶接後取りはずし可能であるが、形成される裏ビート表面はやや荒れた形状となるため、溶接部の疲労強度が低下するという問題がある。また銅製の裏当て材は、内部に冷却水流路を設けるなどから通常は長尺で、フレキシビリティーがないため、溶接開先目違いや変形に対応できず、裏ビート形状が不良になりやすい。従って、被溶接部材同士の合わせ精度が厳しく、施工準備に時間とコストがかかる。

0005

湿式水中溶接で市販の陸上溶接用裏当て材を用いた場合、市販のセラミック製裏当て材は、正方形の板に近い短尺ものを複数配列して使用するので、裏当て全体にはフレキシビリティーがあり、また溶融金属とのなじみがよく、裏ビードの形状も良好であり陸上では多用される。しかし、この種の裏当て材は多孔質であるため、水中で使用すると吸湿し、内部の吸湿水分溶接アーク熱により分解して多量の水素ガスを発生し、アーク乱れ溶接ができない。

0006

特開昭48−49号公報に示された「片面溶接における裏当て用フラックス及びその製造方法は、溶接金属とフラックスとの密着性を良くすることを目的として、フラックス成分中にコールタールを0.5〜8%添加するものである。これは、貯蔵中の吸湿防止の効果はあったが、雨天時や水の飛散する場所では、撥水性の程度が低いため、水に濡れると吸湿し、乾燥処理を行わなければ、溶接することができない。

0007

本発明の目的は、特に水深の深い水中で行う湿式水中溶接のために用い、良好な裏ビートを形成できる溝付き裏当て材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本発明による溝付き裏当て材は、セラミック粉体固化成形して溶接開先の裏側と対向する表面側に複数の溝を並行に形成した基材に、撥水処理を施すことにより、水中に没したときに空気膜保持可能なコーティング層を少なくとも表面側に形成したことを特徴とする。

0009

本発明の溝付き裏当て材は、水中に没したときに空気膜を保持可能なコーティング層を有するので、溝付き裏当て材の外表面に付着した水は空気膜にはばまれて基材内に形成された気孔に侵入することなく表面に留まる。また、この溝付き裏当て材を大気中から水中に持ち込んだ場合、大気中で溝付き裏当て材の外表面近傍滞留していた空気が持ち込まれて外表面近傍に空気膜を形成し保持される。そして溝付き裏当て材が水に接触しても、複数の溝中に滞留する空気は水中に放散しにくいので、溝付き裏当て材の表面にはより安定した空気膜を平均的に厚く形成し保持されることになる。そして、この空気膜は、ガスシールド溶接で用いるシールドガス、または被覆アーク溶接で生じる溶接アークと相俟って、溶接開先中に入ろうとする水の排除を、容易にする。

0010

以下、水中に没したときに空気膜を保持可能なコーティング層を形成する方法及びその作用について説明する。空気膜を保持させるために、2つの条件が必要であることを見いだした。1つは材料の撥水性であり、もう一つは空気膜を保持させるための表面の微細凹凸構造である。前者の撥水性は水との接触角で言うと90度以上が望ましい。90度以下では空気膜を長期間保持することができない。後者の表面の微細な凹凸は水中に没したときに空気を保持するために必要な空間である。この凹凸があるため、表面が水と接触したときにこの部分に空気を保持し、表面に空気膜を保持することが可能になる。材料と水が直接接することを防止する働きがある。

0011

表面の微細な凹凸の形状は、断面が三角形半球状あるいは不定形突起、または凹みを連続的にまたは不規則に配置したものでよい。凹凸の寸法は、凹部と凹部の間隔または凸部と凸部の間隔(以下、単に凹凸の間隔という)は、2nm〜200μmが好ましい。さらに好ましく20nm〜50μmが好ましい。20nm以下では空気の保持できる空間の大きさが小さく、水中に没したときに空気膜の容積が小さくなってしまうこと、200μm以上では、凹凸の間隔が広くなり、空気の保持が悪くなるからである。

0012

凹凸の高さは、20nm以上が好ましい。これ以下だと空気膜の保持性能が悪い問題がある。上限は空気膜の形成に関しては特に制限はないが、溶接時に作業がやりにくくならない、寸法精度悪くならない範囲である。1mm以下が好ましい。

0013

具体的なコーティング方法としては、硬化後に上記の撥水性と、空気層を保持させるための凹凸構造が構成されるようにあらかじめ調整されたコーティング液を、開先加工部等の溶接部表面に塗布する方法が利用できる。

0014

コーティング液は、疎水性粒子および樹脂溶媒に混合・分散したスラリー、あるいは疎水性基を有する表面処理剤の液を用いる。

0015

疎水性粒子は、無機酸化物粒子表面を疎水基を有する表面処理剤で処理したもの、有機材料ポリテトラフルオロエチレン粒子を用いることが出来る。粒子は空気膜を保持するための凹凸構造を構成するものであるので、粒径は、平均粒径で2nm〜200μmが好ましい。さらに好ましくは20nm〜50μmが好ましい。20nm以下では空気の保持できる空間の大きさが小さく、水中での空気膜の容積が小さくなってしまうこと、200μm以上では、凹凸の間隔が広くなり、水中での空気の保持が悪くなるからである。

0016

処理を行う無機酸化物粒子の種類は、シリカアルミナ酸化チタン酸化鉄などを挙げることが出来る。特に、無機質酸化物粒子の中では多孔性の粒子が好ましい。本出願人が、特開平7−17476号公報で、構造物没水表面に空気膜を形成する方法および没水表面の膜体構造として開示したように、粒子表面がポーラスであることによって、水中での優れた空気保持機能を有し、超撥水性能を発揮する。

0017

疎水基を有する表面処理剤は、アルキル基フッ素置換疎水性基を有するシランクロロシランシラザンのいわゆるシラン化合物や、ジメチルポリシロキサン、アルキル基を有するチタネートカップリング剤アルミニウム系カップリング剤を使用する。

0018

アルキル基を有するシラン化合物として、メチル基を有するもので、例えばメチルメトキシシランCH3Si(OCH3)3、ジメチルジメトキシシラン(CH3)2Si(OCH3)2、トリメチルメトキシシラン(CH3)3Si(OCH3)、メチルトリエトキシシランCH3Si(OC2H5)3、ジメチルジエトキシシラン(CH3)2Si(OC2H5)2、トリメチルエトキシシラン(CH3)3Si(OC2H5)、ヘキサメチルジシラザンなどがあり、エチル基を有するものでは、エチルトリメトキシシランC2H5Si(OCH3)3、ジエチルジメトキシシラン(C2H5)2Si(OCH3)2、トリエチルメトキシシラン(C2H5)3Si(OCH3)、エチルトリエトキシシランC2H5Si(OC2H5)3、ジメチルジエトキシシラン(C2H5)2Si(OC2H5)2、トリエチルエトキシシラン(C2H5)3Si(OC2H5)などがあり、プロピル基を有するもので、プロピルトリメトキシシランC3H7Si(OCH3)3、ジプロピルジメトキシシラン(C3H7)2Si(OCH3)2、トリプロピルメトキシシラン(C3H7)3Si(OCH3)、プロピルトリエトキシシランC3H7Si(OC2H5)3、ジプロピルジエトキシシラン(C3H7)2Si(OC2H5)2、トリプロピルエトキシシラン(C3H7)3Si(OC2H5)などがあり、長鎖アルキルシランとしてn−オクタデシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン等がある。

0019

上記のような炭素数1〜20のアルキル基を1〜3個有するアルコキシシランに、クロルシラン又はシラザンの単独又は複数種を混合して使用することができる。但し、本発明の金属アルコキシドは以上の例示化合物に限定されない(以下同様)。

0020

フッ素置換疎水性基を有するシラン化合物は、例えばパーフルオロオクチルエチルトリエトキシシランCF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3、パーフルオロイソプロピルエチルトリエトキシシラン(CF3)2CF(CH2)2Si(OC2H5)3などのほかに、パーフルオロメチルエチルトリメトキシシランパーフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルメチルジメトキシシランなどの炭素数1〜20の、好ましくは1〜10のパーフルオロアルキル基を有するアルコキシシランなどが挙げられる。

0021

チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネートなどが挙げられる。

0022

アルミニウム系カップリング剤としてはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げられる。

0023

上記処理をしたセラミック裏当て材は、水にまったくあるいは殆ど濡れない性質となる。水中に没した場合は、表面に薄い空気の膜を生じる性質となる。この空気の膜は、光を当てると、銀色に反射することで確認できる。また、セラミック内部も撥水処理がなされているため、たとえ水中に没しても内部への水の浸入もなく完全に水にぬれることがないため、この裏当て材を当てた開先部の溶接において、溶接ノズル直下の局部空洞中ではシールドガスにより完全に水が排除され水のない状態で溶接可能となり安定な溶接と良好な裏波ビードを得ることができる。

0024

ここで、上記の各表面処理剤により形成されたコーティング層が、水中に没したときに空気膜を保持可能となるような性質について、図5、6、7を参照して説明する。図5に示すように、表面の一部に撥水処理により、水中に没したときに空気膜保持可能なコーティング層21を形成した平板20(金属、セラミックあるいは合成樹脂等の板)を空気中から水23中に入れた際、コーティング層21表面に接していた空気が保持された状態で水中に持ち込まれ、層21表面部に空気膜22が形成される。そして、例えば、この空気膜22に細管24を通じて少量の空気を送りこむと、空気はこの空気膜22内に取り込まれて、膜22は点線で示すように膨らむ。このようにコーティング層21は、水中で表面上に薄い空気膜22を保持し、外部から供給された空気を空気膜22中に取り込むという特有の性質がある。

0025

この空気を取り込む性質について、さらに、図6(A)、(B)を用いて説明する。まず、図6(A)に示すように、表面全体にコーティング層21を形成した平板20を水中で傾斜させて、細管24を通じて板表面に空気を連続的に供給した時は、空気がコーティング層21表面に保持された空気膜22に取り込まれ、板20の傾斜面にそって上昇し、そして空気膜22端から気泡27となって浮上する。図6(B)は、図6(A)での平板20を上り斜面の正面寄りからみた図であり、図示のように、空気25が上り斜面にそって広がりながら流れ、上端空気溜り26となり、そこから気泡27となって浮上する。これと比べて、本コーティング層がない、例えば生地表面を露出した平板20を若干傾斜させて水中に浸漬し、金属板表面に細管を通じて空気を送りこんだ時、図7に示すように空気は板表面に接すると、直ちに板表面から離れ、気泡となって浮上する。なお、コーティング層上では溶接用シールドガスであるCO2、O2、Ar、He等の各ガスも空気と同じ挙動を示し、これらのガスと空気またはそれらの混合ガスは同等である。

発明を実施するための最良の形態

0026

まず、本発明の溝付き裏当て材を用いる水中溶接方法、すなわち水カーテン式湿式水中溶接法を図1により説明しておきたい。水カーテン式湿式水中溶接法は、ガスメタルアーク溶接方法を用いて行うもので、原理的には、被溶接部材1、1間に形成された溶接開先2に対向し該開先2の長手方向に移動させる溶接用ノズル3先端部を二重筒構造とし、内外両筒3a、3bの間隙から溶接開先2を含む被溶接部材1上に水を噴射させてラッパ状の水カーテン4を作り、内筒3aからシールドガス5をながして水カーテン4内部に空洞6を形成することにより、内筒3aの軸中心に配置されたコンタクトチップ3cを通じて供給される溶接ワイヤ7と被溶接部材との間に発生するアーク8、及びこのアーク8により溶接開先2中に形成される溶融池を、周辺の水から保護して溶接する方法である。通常、図1に示すような突合せ開先2には裏当て材9を取り付ける。この方法によれば、被溶接部材が水にぬれていても、水カーテン及びシールドガスにより被溶接部材上から水を排除して、シールドガスに満たされた局部的空洞を形成することができ、溶接すべき箇所を乾燥した状態にする事ができるので、安定した溶接が行える。また陸上用裏当て材として用いる場合、溶接法は通常のガスメタルアーク溶接法である。図2は、本発明にかかる溝付き裏当て材を溶接開先の裏側に取り付けた様子を示す図である。この裏当て材10は、小片溝つき裏当て材11(または12)の複数をその長手方向に並べて用いる。

0027

次に本発明の実施の形態となる溝付き裏当て材について説明する。図3図4に示す2種類の形状の溝つき裏当て材を試作した。図3に示す小片の溝つき裏当て材11は、セラミック粉体を固化成形した四角形セラミック板11aからなり、表面側の中央部には浅い皿状断面の一つの大きな溝11c(2点鎖線で示す溝)が縦方向に延びて設けられ、さらに大きな溝11c表面を含んで表面側全面にわたって三角形状断面の多くの細溝11bが縦方向に形成されている。溝つき裏当て材の縦方向は、溶接開先の長手方向に対応する。溝つき裏当て材11のサイズは、市販の陸上用セラミック製裏当てと同じく、32mm長×28mm幅×9mm厚とし、そして本発明を特徴づける細溝11は、形状が三角形で、細溝深さ:0.5mm、隣合う溝間距離(細溝ピッチ)1mmとした。なお、細溝深さは5μm〜1mmの範囲で、細溝ピッチは5μm〜2mmの範囲で加工のしやすい寸法の細溝とすればよいが、細溝の深さ及びピッチは、塗布する撥水剤撥水力、つまり水との接触角で限度が決まる。例えば、水との接触角が130°以上の超撥水性を示すコーティング層の場合は、細溝の深さ及びピッチともに2mm程度まで許容される。また細溝の形状は、三角形に限らず、台形、四角形、正弦波形でもよく、その他、並行溝の代わりに縦横に溝を設けたような凹凸模様を採用してもよい。

0028

図4に示す溝付き裏当て材12は、縦横が同じ程度の寸法の四角形の板12aでなり、表面側は平らで、表面側全面にわたって三角形状断面の多くの細溝12bが縦方向に形成されている。溝つき裏当て材12のサイズ、細溝の深さ及び細溝ピッチは図3に示すものと同じである。

発明の効果

0029

本発明によれば、溝付き裏当て材は、開先裏面と対向する表面側に細溝を設け、撥水処理を施して、水中に没したときに空気膜を保持可能なコーティング層を表面にをもつものとしたので、特に細溝のある表面側に、滑らかな表面をもつ裏当て材に比べて水中ではより厚い空気膜を形成することができ、より深い水中での水カーテン式湿式水中溶接法による水中溶接に用いることができる。すなわち、厚い空気膜と溶接用シールドガスにより水カーテン中により安定した空洞をつくることができ、空洞での溶接性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0030

図1水カーテン式湿式水中溶接法を原理的に説明する図である。
図2水カーテン式湿式水中溶接における本発明の溝付き裏当て材の配置を示す図である。
図3本発明の溝付き裏当て材の形状を示す図である。
図4本発明の溝付き裏当て材の別の形状を示す図である。
図5水中で空気膜を表面に保持するコーティング層を説明する図である。
図6板面に形成されたコーティング層が空気膜を保持し、該空気膜に取り込まれた空気がコーティング層の面にそって移行することを説明する図である。
図7処理されてない板を水中に浸漬し、板表面に空気を送りこんだ時、空気は直ちに気泡となって浮上する様子を示す図である。

--

0031

1被溶接部材
2溶接開先
3溶接用ノズル
3aノズル内筒
3bノズル外筒
3cコンタクトチップ
4水カーテン
5シールドガス
6 空洞
7溶接ワイヤ
8アーク
9裏当て材
10撥水性裏当て材
11溝付き裏当て材
12 溝付き裏当て材
20平板
21コーティング層
22 空気膜

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