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技術 ホルムアルデヒド吸収材

出願人 三井農林株式会社
発明者 高垣晶子南条文雄深井克彦原征彦
出願日 1998年3月4日 (21年7ヶ月経過) 出願番号 1998-067654
公開日 1999年8月24日 (20年1ヶ月経過) 公開番号 1999-226100
状態 特許登録済
技術分野 ピラン系化合物 空気の消毒,殺菌または脱臭 固体収着剤及びろ過助剤 家具の細部 建築環境
主要キーワード 規制基準値 冷暖房器 シート形成材料 空気洗浄器 室内空気汚染物質 ホルムアルデヒド吸収 壁紙用接着剤 ヘパフィルター
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重要な関連分野

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課題

ホルムアルデヒドとの反応性に優れ、しかも人体無害物質を有効成分とし、室内や建築材料自体から放出されるホルムアルデヒドを捕捉する資材を提供すること。

解決手段

植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用もしくは家具用材料並びに植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有するフィルター

概要

背景

近年、住宅が高気密高断熱化されるに伴い、様々な揮発性ガスによる室内空気汚染が重大な問題になっている。特に、ホルムアルデヒドは、建材内装材家具暖房器具などから室内に放出され、目、など人体刺激したり、アレルギー等の原因物質の1つと言われていることから、重要な室内空気汚染物質として注目されている。このような現状に鑑み、最近住宅室内で発生するホルムアルデヒドの規制基準値が決められ、その対策が急務とされている。

このようなホルムアルデヒドによる室内空気汚染が注目される以前から、合板などの木質材料からホルムアルデヒドを除去する方法が様々提案されている。これらは、ホルムアルデヒドの反応性を利用したものであり、例えば亜硫酸ナトリウム亜硫酸カルシウム亜硫酸水素ナトリウムピロ亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩とホルムアルデヒドを反応させて除去する方法(特開昭49-66804号公報)、尿素チオ尿素あるいはこれらの誘導体と亜硫酸塩の混合物を用いてホルムアルデヒドを除去する方法(特公昭51-19003号公報)やアゾジカルボンアミドおよびその分解促進剤を含有する処理剤を用いてアンモニアを発生させ、ホルムアルデヒドと反応させることによって除去する方法(特公昭59-15049号公報)等がある。

また、ホルムアルデヒドと容易に反応する結合剤としては、上記のアミド類の他、クレゾールキシレノールレゾルシンピロガロール等のフェノール類アルブミン小麦粉大豆などのタンパク質メタノールアミンエタノールアミンなどのアミン類塩化アンモニウム硫酸アンモニウムリン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩等が知られている。しかし、これらを用いたホルムアルデヒド除去剤は、ホルムアルデヒドを十分に除去することができなかったり、揮発性の高いものでは、その使用量を間違えると、該除去剤による二次汚染を引き起こすという欠点がある。

概要

ホルムアルデヒドとの反応性に優れ、しかも人体に無害物質を有効成分とし、室内や建築材料自体から放出されるホルムアルデヒドを捕捉する資材を提供すること。

植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用もしくは家具用材料並びに植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有するフィルター

目的

本発明の目的は、ホルムアルデヒドとの反応性に優れ、しかも人体に無害の物質を有効成分とし、室内や建築材料、家具自体等から放出されるホルムアルデヒドを吸収することができる資材を提供することにある。本発明者らは、天然物の中から揮発性がなく、しかもホルムアルデヒドとの反応性が高い物質を検索すべく検討を重ねた。その過程で、従来から木材用接着剤として用いられているタンニン−ホルムアルデヒド縮重合体に着目した。タンニンはホルムアルデヒドと縮重合して樹脂を形成するが、このように高分子化しないでホルムアルデヒドと反応する物質を種々の植物抽出物の中から検索した結果、各種植物由来ポリフェノール類がホルムアルデヒドと反応することを見出した。すなわち、、ケブラチオ、ミモザ、リンゴブドウおよびローズマリー由来の植物ポリフェノール類が室温においてもホルムアルデヒドとの反応性に富み、その中でも特に茶などに含まれるフラバン−3−オールおよびその誘導体が反応性が高いことを見出し、本発明に到達した。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
14件

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請求項1

植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用もしくは家具用材料。

請求項2

建築用もしくは家具用材料が、シート形成物である請求項1記載の材料。

請求項3

建築用もしくは家具用材料が、木質材料である請求項1記載の材料。

請求項4

建築用もしくは家具用材料が、接着剤である請求項1記載の材料。

請求項5

植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有するフィルター

請求項6

植物ポリフェノール類が、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体である請求項1記載の材料。

請求項7

植物ポリフェノール類が、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体である請求項5記載のフィルター。

請求項8

植物ポリフェノール類が、茶由来ポリフェノール類である請求項1記載の材料。

請求項9

植物ポリフェノール類が、茶由来のポリフェノール類である請求項5記載のフィルター。

請求項10

植物ポリフェノール類が、ケブラチオ、ミモザ、リンゴブドウおよびローズマリーの中から選ばれた植物由来のものである請求項1記載の材料。

請求項11

植物ポリフェノール類が、ケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウおよびローズマリーの中から選ばれた植物由来のものである請求項5記載のフィルター。

請求項12

植物ポリフェノール類の含量が、シート状形成物および木質材料の場合は1〜500g/m2 、接着剤の場合は0.1〜10%(w/w)である請求項1記載の材料。

請求項13

植物ポリフェノール類の含量が、フィルターの場合は1〜500g/m2 である請求項5記載のフィルター。

請求項14

茶由来のポリフェノール類が、エピカテキンガレートおよび/またはエピガロカテキンガレートである請求項8の材料。

技術分野

0001

本発明は、ホルムアルデヒド吸収材に関し、詳しくは植物ポリノール類を有効成分として含有し、ホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用もしくは家具用材料またはフィルターに関する。

背景技術

0002

近年、住宅が高気密高断熱化されるに伴い、様々な揮発性ガスによる室内空気汚染が重大な問題になっている。特に、ホルムアルデヒドは、建材内装材家具暖房器具などから室内に放出され、目、など人体刺激したり、アレルギー等の原因物質の1つと言われていることから、重要な室内空気汚染物質として注目されている。このような現状に鑑み、最近住宅室内で発生するホルムアルデヒドの規制基準値が決められ、その対策が急務とされている。

0003

このようなホルムアルデヒドによる室内空気汚染が注目される以前から、合板などの木質材料からホルムアルデヒドを除去する方法が様々提案されている。これらは、ホルムアルデヒドの反応性を利用したものであり、例えば亜硫酸ナトリウム亜硫酸カルシウム亜硫酸水素ナトリウムピロ亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩とホルムアルデヒドを反応させて除去する方法(特開昭49-66804号公報)、尿素チオ尿素あるいはこれらの誘導体と亜硫酸塩の混合物を用いてホルムアルデヒドを除去する方法(特公昭51-19003号公報)やアゾジカルボンアミドおよびその分解促進剤を含有する処理剤を用いてアンモニアを発生させ、ホルムアルデヒドと反応させることによって除去する方法(特公昭59-15049号公報)等がある。

0004

また、ホルムアルデヒドと容易に反応する結合剤としては、上記のアミド類の他、クレゾールキシレノールレゾルシンピロガロール等のフェノール類アルブミン小麦粉大豆などのタンパク質メタノールアミンエタノールアミンなどのアミン類塩化アンモニウム硫酸アンモニウムリン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩等が知られている。しかし、これらを用いたホルムアルデヒド除去剤は、ホルムアルデヒドを十分に除去することができなかったり、揮発性の高いものでは、その使用量を間違えると、該除去剤による二次汚染を引き起こすという欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、ホルムアルデヒドとの反応性に優れ、しかも人体に無害物質を有効成分とし、室内や建築材料家具自体等から放出されるホルムアルデヒドを吸収することができる資材を提供することにある。本発明者らは、天然物の中から揮発性がなく、しかもホルムアルデヒドとの反応性が高い物質を検索すべく検討を重ねた。その過程で、従来から木材用接着剤として用いられているタンニン−ホルムアルデヒド縮重合体に着目した。タンニンはホルムアルデヒドと縮重合して樹脂を形成するが、このように高分子化しないでホルムアルデヒドと反応する物質を種々の植物抽出物の中から検索した結果、各種植物由来ポリフェノール類がホルムアルデヒドと反応することを見出した。すなわち、、ケブラチオ、ミモザ、リンゴブドウおよびローズマリー由来植物ポリフェノール類が室温においてもホルムアルデヒドとの反応性に富み、その中でも特に茶などに含まれるフラバン−3−オールおよびその誘導体が反応性が高いことを見出し、本発明に到達した。

課題を解決するための手段

0006

請求項1記載の本発明は、植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用もしくは家具用材料である。請求項5記載の本発明は、植物ポリフェノール類を含有することを特徴とするホルムアルデヒド捕捉能を有するフィルターである。請求項6記載の本発明は、植物ポリフェノール類が、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体である請求項1記載の材料である。請求項7記載の本発明は、植物ポリフェノール類が、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体である請求項5記載のフィルターである。請求項8記載の本発明は、植物ポリフェノール類が、茶由来ポリフェノールである請求項1記載の材料である。請求項9記載の本発明は、植物ポリフェノール類が、茶由来のポリフェノールである請求項5記載のフィルターである。請求項10記載の本発明は、植物ポリフェノール類がケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウおよびローズマリーの中から選ばれた植物由来のものである請求項1記載の材料である。請求項11記載の本発明は、植物ポリフェノール類がケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウおよびローズマリーの中から選ばれた植物由来のものである請求項5記載のフィルターである。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明における植物ポリフェノール類とは、同一のベンゼン環に2つ以上の水酸基を持つ物質群を意味する。植物内で、これらは二次代謝産物として広く分布しており、多くは糖と結合した配糖体として存在している。本発明で用いるフラバン−3−オールおよびその誘導体とは、下記の式Iで表される基本構造を有している。ここで、誘導体としてはメチル化物、硫酸エステル、配糖体などがある。

0008

0009

植物ポリフェノールである、これらフラバン−3−オールやその誘導体の具体例としては、緑茶に含まれる(+)−カテキン、(−)−エピカテキンエピガロカテキンエピカテキンガレートエピガロカテキンガレートおよびそれらの立体異性体である(−)−カテキン、(+)−エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレートガロカテキンガレート等や紅茶に含まれる前記カテキン類酸化2量体であるテアフラビン類、さらにはカテキン類やテアフラビン類を構成単位とする多量体(T. Ozawaら、Biosci. Biotec. Biochem., vol.60, 2023-2027(1996))などを挙げることができる。

0010

上記の植物ポリフェノール類は、茶の他にケブラチオ、ミモザ、リンゴ、ブドウやローズマリーなどの植物に含まれるものである。本発明においてはこれらの葉,木部樹皮,根,実,種子やこれらの混合物もしくはそれらの粉砕物、さらにはそれらの水、熱水有機溶媒含水有機溶媒、これらの混合物等により抽出したものを用いることができ、液体固体粉末を含む)の別を問わない。このうち、茶とは茶樹(Camellia sinensis)から得られるものであり、飲用茶葉を用いるのが一般的である。また、茶の種類としては、紅茶,プアール茶などの発酵茶ウーロン茶,包種茶などの半発酵茶、緑茶,煎り緑茶,ほうじ茶などの不発酵茶あるいはこれらの混合物がある。

0011

さらに、茶由来のポリフェノールとは、該ポリフェノールを含有する茶自体や茶抽出物、あるいはこれらの混合物であってもよい。茶抽出物は、茶生葉あるいはその乾燥物から水,熱水,有機溶媒,含水有機溶媒、これらの混合物等を用いて抽出したものを意味し、液体,固体(粉末を含む)の別を問わない。茶ポリフェノールは、茶抽出物を精製したものであり、特公平1-44232 号公報、同2-12474 号公報、同2-22755 号公報、特開平4-20589 号公報、同5-260907号公報、同8-109178号公報などに記載された方法により製造することができ、例えば茶葉を上記の溶媒で抽出して得た抽出物を、有機溶媒分画吸着樹脂などを用いて所望の程度に精製することができる。茶以外の植物から植物ポリフェノール類を抽出する場合も、茶と同様の方法により実施すればよい。

0012

本発明の植物ポリフェノール類は様々な態様で使用することができ、例えばシート形成材料、木質材料などの建築用材料もしくは家具用材料やフィルター等に含有させる際に、原料に含ませる他、直接含浸、塗布あるいは噴霧する。また、接着剤にはこれらを混合して用いることもできる。本発明において、シート形成物とは、藺、七島藺、植物繊維化学繊維天然ゴム合成樹脂ガラス繊維およびこれらの混合物からなる厚さ0.01〜50mmの紙、畳表ござ、板、織布、不織布、フィルム、シートを指し、建築用材料として用いるものとしては防水防湿、気密を目的とした建装用シート、壁紙、ふすま紙などの壁装材・内装材、カーテンカーペットテーブルクロス、各種敷き紙、断熱材などがある。また、木質材料としては木材、木材チップ、植物繊維を原料に用いた合板、化粧合板パーティクルボードファイバーボードチップボード集成材パネルなどがある。

0013

次に、接着剤とは、紙、織布、不織布、合成樹脂、金属、ガラス、木材、木質材料、グラスウールロックウール等に使用する建装用および木工用の接着剤、結合剤、などを指す。具体例を挙げれば、合板、パーティクルボード、家具、食器棚などの製造時や建物建築時に使用される尿素樹脂メラミン樹脂、尿素・メラミン樹脂、アミノホルムアルデヒド樹脂フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルレゾルシノール樹脂ウレタン樹脂酢酸ビニルエマルジョン系樹脂酢酸ビニル溶剤系樹脂アクリル系樹脂合成ゴム系樹脂等の接着剤、結合剤や壁紙施工時に使用する澱粉系接着剤(糊)などがある。また、本発明におけるフィルターとは、空気洗浄器加湿器換気扇冷暖房器掃除機集塵機などに用いる不織布状の集塵フィルターヘパフィルターなどを意味し、その材質を問わない。

0014

植物ポリフェノール類の使用量は、使用目的、材料の種類などを考慮して適宜決定すればよいが、例えばシート状形成物、木質材料およびフィルターに用いる場合は、材質とその厚さ、使用期間、使用場所等も考慮しなければならないが、通常は1〜1000g/m2 、好ましくは1〜500g/m2 が適当である。また、接着剤の場合も、その成分、使用場所や接着する対象物の材質、接着強度などを考慮する必要があるけれども、通常は0.05〜20%(w/w)、好ましくは0.1〜10%(w/w)が適当である。いずれの場合も、上限を超えて使用しても、それに見合う効果が期待できなかったり、コスト高となる。一方、下限未満であると、目的とする効果が十分には得られない。なお、必要に応じて、賦形剤増量剤、その他の補助成分を適宜加えることもできる。本発明の植物ポリフェノール類は、安全性が高く、人体に対する副作用心配がないので、各材料に対して可及的に多量を配合することにより、ホルムアルデヒドを捕捉する効果を長期間にわたり持続させることができる。

0015

以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
製造例1
緑茶1Kgを90℃の熱水10Lに加え、ときどき撹拌しながら30分間抽出した。次いで、濾過により茶葉残渣を除去した後、抽出液固形分が約30〜35%となるまで減圧下に濃縮した。得られた緑茶抽出液噴霧乾燥し、粉末状の緑茶抽出物(緑茶抽出物1)を約300g得た。この緑茶抽出物1の茶ポリフェノール含量を、エチルガレート標準とした酒石酸−鉄法により測定したところ32.8%であった。

0016

製造例2
製造例1で得られた緑茶抽出物1の150gを水500mlに溶かした。これに酢酸エチル300mlを加え、激しく撹拌した後、静置して酢酸エチル層を分離した。この操作をさらに続けて2回行い、合計3回の抽出操作で得られた酢酸エチル層を合一した。次いで、減圧下に酢酸エチルを留去した後、残渣を水に溶解させ、これを凍結乾燥により粉末化し、緑茶抽出物2(48g)を得た。このものについて、製造例1と同様にして茶ポリフェノール含量を調べたところ、60.3%であった。

0017

製造例3
インド産紅茶300gを90℃の熱水3Lに加え、ときどき撹拌しながら30分間抽出した。次いで、濾過により茶葉残渣を取り除き、抽出液を固形分が約30〜35%となるまで減圧下に濃縮した。得られた紅茶抽出液を噴霧乾燥し、粉末状の紅茶抽出物を約90g得た。この紅茶抽出物の茶ポリフェノール含量を、製造例1と同様の方法で調べたところ、29.4%であった。

0018

製造例4
中国産ウーロン茶300gを90℃の熱水3Lで、ときどき撹拌しながら30分間抽出した。続いて、濾過により茶葉残渣を取り除き、抽出液を固形分が約30〜35%となるまで減圧下に濃縮した。得られたウーロン茶抽出液を噴霧乾燥し、粉末状のウーロン茶抽出物を90g得た。このウーロン茶抽出物の茶ポリフェノール含量を、製造例1と同様にして測定したところ、28.4%であった。

0019

実施例1
上記製造例で得た緑茶抽出物1、緑茶抽出物2、紅茶抽出物およびウーロン茶抽出物並びに粉砕した煎茶ミモザ抽出物(川通商(株)製)、ケブラチオ抽出物(川村通商(株)製)、チェストナッツ抽出物(川村通商(株)製)、リンゴポリフェノール(ニッカウイスキー(株)製)、ブドウ種子抽出物(キッコーマン(株)製)およびローズマリー抽出物(田辺製薬(株)製)について、ホルムアルデヒドとの反応性を以下の手順により検討した。なお、製造例で得た試料以外のものについても、製造例1に示した方法と同様にしてポリフェノール含量を測定した。

0020

まず、各試料を植物ポリフェノールの最終濃度が300ppmとなるように水溶液に調製し、これにクエン酸リン酸緩衝液(pH6.0)を加えて全量9mlとした。この溶液に、1000ppmのホルムアルデヒド溶液0.05mlを加えて十分に撹拌後、25℃で15分間反応を行った。この反応液に、2,4-ジニトロフェニルヒドラジンDNPH)の溶液(2.4mg/ml、30% HClO)1mlを加えて混合した後、メンブランフィルターで濾過した。得られた濾液のうち0.01mlを高速液体クロマトグラフィーHPLC)にて分析し、反応液中に残存するホルムアルデヒド量を測定した。この値から、ホルムアルデヒド減少率を求めた。HPLCの測定条件は、カラムとしてカプセルパックAG-120ODS S-5 (4.5× 250mm、資生堂(株)製)、移動相として50%アセトニトリル水溶液を用い、流速:1ml/min、カラム温度:40℃、検出:UV355nmにて行った。なお、対照として植物ポリフェノール類無添加の水溶液を用いた。結果を第1表に示す。

0021

表から明らかなように、緑茶抽出物1、緑茶抽出物2、紅茶抽出物、ウーロン茶抽出物および粉末緑茶では、ホルムアルデヒドの減少率が大きく、優れたホルムアルデヒド捕捉能があることが明らかになった。また、ケブラチオ抽出物、ミモザ抽出物、リンゴ抽出物、ブドウ種子抽出物およびローズマリー抽出物においても、ホルムアルデヒドが減少したことからホルムアルデヒド捕捉能が認められた。

0022

0023

実施例2
製造例2で得た緑茶抽出物2の5%または10%水溶液を調製した。この水溶液40mlを濾紙(直径150mm、厚さ1mm)にまんべんなく含浸させた後、40℃で一晩乾燥させた。このとき、濾紙1枚に吸着した茶ポリフェノール類含量を測定したところ、5%水溶液では250mg、10%水溶液では580mgであった。こうして得た緑茶抽出物を付着させた濾紙を用いて、ホルムアルデヒドの該濾紙への移行量を測定した。まず、デシケーター内径180mm)に蒸留水200mlの入った結晶皿を入れ、上記で作製した濾紙5枚を重ならないように入れた。続いて、1%ホルムアルデヒド水溶液1mlを染み込ませた濾紙片1枚を、前記した5枚の濾紙と接触しないように入れて蓋をした。この状態でデシケーターを20℃で24時間放置した後、蒸留水に移行したホルムアルデヒド量を次のようにして測定した。この蒸留水1mlに、実施例1で用いたDNPHのHClO溶液4mlおよびクエン酸−リン酸緩衝液(pH6.0)5mlを加えてよく撹拌した後、この溶液0.01mlを試料として用い、HPLC分析を行った。対照として、1%ホルムアルデヒド水溶液を染み込ませた濾紙を用いた区(対照1)および緑茶抽出物の代わりに蒸留水を含浸させた濾紙5枚を用いた区(対照2)を設けて同様に実施した。なお、HPLCの条件は実施例1と同じである。結果を第2表に示す。

0024

0025

表から明らかなように、ホルムアルデヒドを染み込ませた濾紙(対照1)をデシケーター中に入れた場合と比較して、緑茶抽出物を付着させた濾紙を入れた場合は、該濾紙にホルムアルデヒドが吸着したために、ホルムアルデヒドの蒸留水への移行量は、5%緑茶抽出液付着濾紙で対照1の13%、10%緑茶抽出液付着濾紙では対照1の9.3%にまで抑制された。

0026

実施例3
蒸留水または10%緑茶抽出液を付着させた濾紙を用いて、実施例2と同様にしてホルムアルデヒドに曝した。その後、密閉したデシケーター中に20℃で3日間放置し、濾紙から放出されるホルムアルデヒド量を、実施例2と同様にHPLC分析により測定した。結果を第3表に示す。表から明らかなように、蒸留水を付着させた濾紙の場合、一旦濾紙に付着したホルムアルデヒドが再放出されるのに対して、緑茶抽出物を付着させた濾紙の場合、吸着したホルムアルデヒドの再放出が殆どないことが分かった。したがって、植物ポリフェノール類は優れたホルムアルデヒド捕捉能を有しており、しかも一旦吸着したホルムアルデヒドをそのまま保持し、再放出しない特性を有している。

0027

0028

実施例4
不織布(15×10cm、厚さ1mm)に、緑茶抽出物(商品名:ポリフェノン60、茶ポリフェノール含量60%、三井農林(株)製)の水溶液を含浸させた後、40℃で一晩乾燥させた。このとき、不織布へ添着した茶ポリフェノール量を測定したところ、2.1g/m2 であった。次に、デシケーター(内径180mm)の底部に蒸留水300mlの入った結晶皿を置いた。さらに、中板の上には1%ホルムアルデヒド水溶液1mlを染み込ませた濾紙(直径90mm)を置き、デシケーター蓋部から上記の不織布2枚を吊るした。この状態でデシケーターを20℃で24時間放置した後、蒸留水に移行したホルムアルデヒド量を実施例2と同様にHPLC分析で測定した。さらに、ホルムアルデヒドを染み込ませた濾紙を除去した後、上記の不織布をデシケーター内にて20℃で24時間放置し、その間に不織布から蒸留水に移行したホルムアルデヒドを再度実施例2と同様に測定した。対照として、不織布を入れない区と茶ポリフェノールを添着させていない不織布を用いた区についても同様に試験を行った。結果を第4表に示す。表から明らかなように、茶ポリフェノールを含浸させた不織布は、ホルムアルデヒドを吸収するだけでなく、吸収したホルムアルデヒドを再放出しないことが明らかとなった。

0029

0030

実施例5
ホルムアルデヒドを放出する合板(F2規格、5×10cm)10枚に、各種濃度の緑茶抽出物(商品名:ポリフェノンG、茶ポリフェノール含量32〜33%、三井農林(株)製)を塗布し、室温で90分間放置した。次に、デシケーター(内径180mm)の底部に300mlの蒸留水を入れた結晶皿を置き、中板上に上記の合板を置いた。この状態で、デシケーターを20℃で24時間放置した後、蒸留水に移行したホルムアルデヒド量を実施例2と同様にHPLC分析した。結果を第5表に示す。表から明らかなように、合板からのホルムアルデヒドの放出量は、緑茶抽出物の塗布量が増加するに従って減少することが明らかとなった。さらに、緑茶抽出物の添加量が15g/m2 以上では、F1規格の合板に適合するレベル(放出量0.5ppm以下)まで減少した。

0031

0032

実施例6
各種ポリフェノールを10mMとなるように蒸留水またはメタノールに溶解し、これをポリフェノール溶液とした。このポリフェノール溶液1ml、1000ppmのホルムアルデヒド50μlおよびリン酸クエン酸緩衝液(pH6.0)8mlを試験管に加えて攪拌した後、25℃で15分間放置した。次に、実施例1で用いたDNPH溶液1mlを加えて混合した後、実施例1と同様にしてHPLCによりホルムアルデヒドを測定した。この値から、ホルムアルデヒド減少率を求めた。なお、ポリフェノールを溶解する際にメタノールを使用した場合には、ポリフェノール溶液1mlに、リン酸−クエン酸緩衝液(pH6.0)4mlおよびメタノール4mlを加え、蒸留水の場合と同様に測定を行った。結果を第6表に示す。

0033

0034

表から明らかなように、各種ポリフェノールのうちホルムアルデヒドの減少率は、フラバン−3−オール誘導体であるエピカテキンガレート(ECg)とエピガロカテキンガレート(EGCg)で高く、放出されたホるムアルデヒドの95%以上を捕捉した。さらに、フラバン−3−オールであるエピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、カテキン(C)もホルムアルデヒドの除去に有効であった。これに対して、没食子酸没食子酸メチル没食子酸エチル没食子酸プロピルカテコール,ピロガロール等の他のポリフェノール類では、ホルムアルデヒドはほとんど減少しないか、減少してもその量は僅かであった。すなわち、ホルムアルデヒド捕捉作用をほとんど持たないことが明らかとなった。このように、各種ポリフェノールの中でも、特にフラバン−3−オールおよびその誘導体は、優れたホルムアルデヒド捕捉能を有することが明らかとなった。

0035

実施例7
ホルムアルデヒドを含まない畳床用ファイバーボード(15×15cm、厚さ1.5cm、三井農林(株)製)の両面に、種々の濃度の緑茶抽出物(商品名:ポリフェノンG、茶ポリフェノール含量32〜33%、三井農林(株)製)を塗布した。次に、デシケーター(内径240mm)の底部に蒸留水300mlを入れた結晶皿(直径12cm、高さ6cm)を置き、中板の上に上記の畳床用ファイバーボード2枚を置いた。さらに、3%ホルムアルデヒド溶液1mlを滴下した濾紙を入れたシャーレを中板の上に置き、デシケーターを密封した。この状態で20℃にて24時間放置した後、蒸留水に移行したホルムアルデヒド量(吸収時)を実施例2と同様にHPLCにより測定した。続いて、濾紙を入れたシャーレを取り除いた後、さらに蒸留水を新しいものに取り替え、再びデシケーターを密封し、20℃で96時間放置した。この間に畳床用ファイバーボードから蒸留水に移行したホルムアルデヒド量(放出時)を上記と同様に測定した。結果を第7表に示す。表から明らかなように、茶ポリフェノールを塗布した畳床用ファイバーボードはホルムアルデヒドをよく吸収し、かつ一旦吸収したホルムアルデヒドを放出させない性質を有することが明らかとなった。なお、蒸留水へのホルムアルデヒドの移行量は、茶ポリフェノールの使用量に従って減少していた。

0036

0037

実施例8
市販メラミンユリア共縮合樹脂(商品名:MU−037、(株)ホーネンコーポレーション製)に、緑茶ポリフェノール(商品名:ポリフェノンG、茶ポリフェノール含量32〜33%、三井農林(株)製)を1%(w/w)添加したものを接着剤として用いて3プライ合板を作成し、実施例5と同様に蒸留水に移行したホルムアルデヒド量をHPLCにより測定した。対照として緑茶ポリフェノールを含まない接着剤を用いて合板を作成し、同様に試験した。なお、合板作成条件は次の通りである。
つき板ラワン剤(厚さ:心材1.5mm、表面材1mm)
接着剤調製:主材に対し小麦粉3部および20%塩化アンモニウム溶液1部
接着剤塗布量:30g/尺2
熱圧条件:120℃、7Kgf/cm2 で3分間
養生時間開放状態で7〜10日間養生を行った後の合板を試験に使用
その結果、緑茶ポリフェノールを添加した接着剤を用いた合板の場合、ホルムアルデヒド濃度は10.0ppmであったのに対し、無添加の接着剤を用いた合板の場合は15.1ppmを示した。このことから、合板作成の際に用いる接着剤に茶ポリフェノールを添加することにより、合板から発生するホムアルデヒド量を減少できることが明らかとなった。

0038

実施例9
変性澱粉および合成樹脂を主成分とする市販壁紙用接着剤(商品名:ロリアンカベ紙のりA、(株)アサペン製)に、緑茶ポリフェノール(商品名:ポリフェノンG、茶ポリフェノール含量32〜33%、三井農林(株)製)が5%(w/w)となるように混合した。この接着剤3.4gをガラス板(15×15cm、厚さ2mm)の片面に塗布した後、10分間放置した。デシケーター(内径240mm)の底部に蒸留水300mlを入れた結晶皿(直径12cm、高さ6cm)を置き、中板の上に接着剤を塗布したガラス板2枚を入れて密封し、20℃で24時間放置した。その後、蒸留水に移行したホルムルデヒド量を実施例2と同様にHPLCで測定した。なお、対照として緑茶ポリフェノールを添加しない接着剤についても同様に測定した。この結果、緑茶ポリフェノール無添加の接着剤を用いた際のホルムアルデヒド放出量を100とした場合、緑茶ポリフェノールを添加した接着剤を用いた場合の放出量は36であった。このことから、壁紙を接着する際の接着剤(糊)に、緑茶ポリフェノールを添加することにより、接着剤の放出するホルムアルデヒドを大幅に減少できることが明らかとなった。

0039

実施例10
15cm×15cmの大きさに切断した畳表の片面に、製造例1で得られた緑茶抽出物の水溶液を塗布し、乾燥させた。畳表に塗布する茶抽出物の量は、1畳(約1.7m2)あたり38g、75g、150gとした。次に、デシケーター(内径240mm)の底部に蒸留水300mlを入れた結晶皿(直径12cm、高さ6cm)を置き、2%ホルムアルデヒド水溶液1mlを染み込ませた濾紙(直径90mm)をシャーレに入れて中板の上に置き、デシケーター蓋部から上記の畳表2枚を吊るした。この状態でデシケーターを20℃で1日間放置した後、蒸留水に移行したホルムルデヒド量を実施例2と同様にHPLCで測定した。さらに、ホルムアルデヒドを染み込ませた濾紙を除去した後、上記の畳表をデシケーター内にて20℃で1日間放置し、その間に畳表から蒸留水に移行したホルムアルデヒドを再度実施例2と同様に測定した。対照として、茶ポリフェノールを塗布していない畳表を用いた区についても同様に試験を行った。結果を第8表に示す。表から明らかなように、緑茶抽出物を塗布した畳表は、ホルムアルデヒドを吸収するだけでなく、吸収したホルムアルデヒドを再放出しないことが明らかとなった。

0040

発明の効果

0041

本発明の建築用もしくは家具用材料およびフィルターは、優れたホルムアルデヒド捕捉能を有しており、これら自体から発生するホルムアルデヒドを吸収して外部への放出を抑制する他、その他の原因で室内等に放出されたホルムアルデヒドを吸収することができる。したがって、ホルムアルデヒドを発生する各種材料は勿論のこと、ホルムアルデヒドを発生しないものに対しても、本発明にしたがい植物ポリフェノールを含有させることによって、ホルムアルデヒドを効率よく吸収、除去することができる。しかも、本発明は天然物に含まれる植物ポリフェノールを利用しているため、人体に対する安全性も確保されており、建材、内装材等の各種材料や空気清浄器などの身の回りの製品に応用するのに非常に好適である。

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