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技術 油脂組成物

出願人 株式会社ADEKA
発明者 田中克佳入江文子藪下哲成長谷川啓介宗像良治
出願日 1998年2月4日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 1998-023534
公開日 1999年8月17日 (21年4ヶ月経過) 公開番号 1999-221017
状態 特許登録済
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法 食用油脂
主要キーワード 最大配合量 澱粉粉体 可塑化機 繊維質分解酵素 中心部温度 アミラーゼ力価 イオン交換処理水 使用機種
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年8月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

パン本来の良好な風味と「サクさ」のある食感を有し、かつ電子レンジ加熱を行っても、食感や外観の悪化のない、電子レンジ加熱に適したパン類を製造できる油脂組成物を提供すること。

解決手段

水で膨潤させた化工澱粉プロテアーゼ油脂中に分散しており、乳化物でない油脂組成物。

概要

背景

近年、ハンバーガーホットドックなどの温めて食するパン製品冷蔵または冷凍流通保管し、店頭家庭にて電子レンジ再加熱して食することが行われるようになっている。しかし、通常のパンを電子レンジで加熱すると、パンの表面にシワがより、外観が悪化するばかりでなく、「ヒキ」が強く歯切れの悪い食感となり、パン本来の美味しさを味わうことは出来なかった。特に、ハンバーガーやホットドックのようにパン具材サンドまたはフィリングしたものは、パン部分に比べ具材であるハンバーグソーセージ部分温度上昇が遅いため、具材を十分に加熱するまで電子レンジ加熱を行った場合、パン部分が過剰に加熱され、食感の悪化がより顕著になるという問題点があった。一方、パン部分の食感を悪化させないために加熱時間を短縮すると、具材の加熱が不足し本来の美味しさを感じることが出来ないため、具材が十分に加熱するまで電子レンジ加熱を行っても食感が変化しないパンが求められていた。

この問題を解決するため、パン生地中の油脂量を10〜30%と多量に添加し、更に切りを行う方法(特開昭63—287435号公報)、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤小麦粉に対して1〜6%と多量に配合する方法(特開平2—222639号公報)、α化処理澱粉および保水性を有する食物繊維を添加する方法(特開平4—36140号公報)、液晶状態の乳化剤およびプロテアーゼ類アミラーゼ類保水剤を混合した組成物を配合する方法(特開平5—68466号公報)、小麦粉の一部を米粉置換し、更にバイタルグルテンを添加し、小麦粉由来タンパク質量を調整する方法(特開平5—15298号公報)などが提案されている。

概要

パン本来の良好な風味と「サクさ」のある食感を有し、かつ電子レンジ加熱を行っても、食感や外観の悪化のない、電子レンジ加熱に適したパン類を製造できる油脂組成物を提供すること。

水で膨潤させた化工澱粉プロテアーゼ油脂中に分散しており、乳化物でない油脂組成物。

目的

従って、本発明の目的は、パン本来の良好な風味と「サクさ」のある食感を有し、かつ電子レンジ加熱を行っても、食感や外観の悪化のない、電子レンジ加熱に適したパン類を製造できる油脂組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

水で膨潤させた化工澱粉プロテアーゼ油脂中に分散しており、乳化物でないことを特徴とする油脂組成物

請求項2

水で膨潤させた化工澱粉が、水で膨潤する前の化工澱粉100重量部に対し、水20〜500重量部を配合し膨潤させたものであることを特徴とする請求項1記載の油脂組成物。

請求項3

請求項1または2記載の油脂組成物を用いることを特徴とするパン生地

請求項4

請求項3記載のパン生地を焼成し、さらに電子レンジ加熱を行うことを特徴とするパン類

技術分野

0001

本発明は、水で膨潤させた化工澱粉プロテアーゼを含有するパン練り込み用油脂組成物に関するものであり、特に電子レンジ加熱に適したパン類を製造することができる油脂組成物に関するものである。

背景技術

0002

近年、ハンバーガーホットドックなどの温めて食するパン製品冷蔵または冷凍流通保管し、店頭家庭にて電子レンジ再加熱して食することが行われるようになっている。しかし、通常のパンを電子レンジで加熱すると、パンの表面にシワがより、外観が悪化するばかりでなく、「ヒキ」が強く歯切れの悪い食感となり、パン本来の美味しさを味わうことは出来なかった。特に、ハンバーガーやホットドックのようにパン具材サンドまたはフィリングしたものは、パン部分に比べ具材であるハンバーグソーセージ部分温度上昇が遅いため、具材を十分に加熱するまで電子レンジ加熱を行った場合、パン部分が過剰に加熱され、食感の悪化がより顕著になるという問題点があった。一方、パン部分の食感を悪化させないために加熱時間を短縮すると、具材の加熱が不足し本来の美味しさを感じることが出来ないため、具材が十分に加熱するまで電子レンジ加熱を行っても食感が変化しないパンが求められていた。

0003

この問題を解決するため、パン生地中の油脂量を10〜30%と多量に添加し、更に切りを行う方法(特開昭63—287435号公報)、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤小麦粉に対して1〜6%と多量に配合する方法(特開平2—222639号公報)、α化処理澱粉および保水性を有する食物繊維を添加する方法(特開平4—36140号公報)、液晶状態の乳化剤およびプロテアーゼ類アミラーゼ類保水剤を混合した組成物を配合する方法(特開平5—68466号公報)、小麦粉の一部を米粉置換し、更にバイタルグルテンを添加し、小麦粉由来タンパク質量を調整する方法(特開平5—15298号公報)などが提案されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特開昭63—287435号公報に記載の方法では、十分な電子レンジ加熱耐性を付与することは出来ず、また麩切りを行うため適用できるパン製品が限定されてしまう。また、特開平2—222639号公報に記載の方法では、乳化剤を多量に使用するため、食感がネチャつき、更に乳化剤の味によりパン本来の風味が損なわれてしまう。また、特開平4—36140号、特開平5—68466号および特開平5—15298号の各公報に記載の方法も、ある程度の電子レンジ加熱耐性は得られるが、ハンバーガーやホットドックの具材を十分に温めるまで電子レンジ加熱した場合には上述した食感の悪化や表面のシワの発生などの欠点があった。

0005

従って、本発明の目的は、パン本来の良好な風味と「サクさ」のある食感を有し、かつ電子レンジ加熱を行っても、食感や外観の悪化のない、電子レンジ加熱に適したパン類を製造できる油脂組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記目的を、水で膨潤させた化工澱粉とプロテアーゼが油脂中に分散しており、乳化物でないことを特徴とする油脂組成物を提供することにより達成したものである。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下に、本発明の油脂組成物について詳述する。本発明で使用する油脂としては、特に限定されないが、例えばパーム油パーム核油ヤシ油コーン油綿実油大豆油ナタネ油米油ヒマワリ油サフラワー油牛脂乳脂豚脂カカオ脂魚油鯨油などの各種植物油脂動物油脂並びにこれらを水素添加分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においてはこれらの油脂を単独で用いることもでき、または二種以上を組み合わせて用いることもできる。上記油脂の配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは20〜90重量%(以下、%と略記する)、さらに好ましくは40〜80%である。

0008

本発明で用いられる化工澱粉としては、特に限定されないが、生澱粉表面構造を保持しており、その結果、酵素による分解を受け難く、耐老化性を有し、しかも水膨潤力を有する化工澱粉であることが好ましい。上記性質を有するものであれば、市販のものを使用することができる。上記化工澱粉としては、プロピレンオキサイドによるヒドロキシプロピルエーテル化処理および酸架橋処理を施した澱粉を、生澱粉の表面構造を保持した状態になるようにアルファ化処理し乾燥させた、アルファ化変性澱粉および/または部分アルファ化澱粉であることが好ましい。澱粉をプロピレンオキサイドによるヒドロキシプロピルエーテル化処理および酸架橋処理を施す方法としては、特に限定されず、公知のいかなる方法によっても実施することができる。

0009

本発明の油脂組成物中の化工澱粉は、上記化工澱粉を水で膨潤させたものである。この化工澱粉を水で膨潤させる方法としては、例えば、粉体混合機中に化工澱粉の粉末投入し、攪拌しながら水を噴霧して化工澱粉を水で膨潤させる方法や、油脂組成物を製造する際、油脂中に化工澱粉を粉末のまま添加し、分散させ、該油脂に水を添加することにより、油脂中の化工澱粉を水で膨潤させる方法がある。

0010

化工澱粉を膨潤させるのに用いる水としては、特に限定されず、通常の水道水ミネラルウォーターイオン交換処理水蒸留水などのいずれを使用してもよく、これらの2種以上を混合して使用してもよい。また、水についてはそのpHや塩濃度糖濃度などの水分活性を調整したり、各種保存料を添加することによって細菌やカビに対する安定性を向上させることも可能である。

0011

水の配合量は、化工澱粉100重量部(以下、部と略記する)に対して、好ましくは20〜500部、さらに好ましくは22〜300部、最も好ましくは25〜200部である。水の配合量が20部未満では、化工澱粉が油脂組成物中で吸水膨潤せず、澱粉の粉体成分配合槽内や配管内に沈降しやすくなり、不都合が生じたり、油脂中に硬い粉体成分が含まれるため、冷却可塑化工程での製造機内部の摩耗を早めてしまうなどの問題を生じることがある。一方、500部より多いと、油脂組成物中の水分含量が高くなりすぎ、上記化工澱粉に保持できる水分量の限界を超えるため、いわゆる乳化物になってしまい、油中水型乳化状態となってしまったり、また外相油相とした油脂組成物の安定性が低下したり、水分離などの弊害が生じやすいので、上記範囲内とするのが好ましい。水の最大配合量は、本発明に使用する化工澱粉が有する最大保水力吸水力)である。通常の澱粉粉体には5〜15%程度の既存の水分が含まれるが、本発明を実施するためにはそれだけの水分では不十分である。また、水の配合量にその既存の水分を加算してよい。

0012

上記の水で膨潤させた化工澱粉の配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは0.3〜80%、さらに好ましくは3〜50%である。上記の水で膨潤させた化工澱粉の配合量が0.3%未満では、練り込み用油脂としてパン生地に用い、焼成したパンを電子レンジ加熱したときにパンの食感が悪化してしまうことがある。また、80%より多いと、練り込み用油脂として使用した場合、パン生地の延びが悪くなってしまうことがある。

0013

本発明の油脂組成物においては、上記化工澱粉は澱粉粒子を保持したまま吸水膨潤した状態で外相となる油脂中に分散している。その結果、適度に膨潤した化工澱粉の澱粉粒子が外相となる油脂にコーティングされるため、生地に添加し、混捏した場合でも、化工澱粉の急激な吸水が起こらず、通常の混捏条件によって、グルテンが十分に吸水することができ、良好な生地が形成される。

0014

本発明で用いられるプロテアーゼとしては、ペプシンパパイントリプシンなどがあげられ、これらの中でもトリプシンを用いるのが好ましい。本発明では、酵素としてプロテアーゼを用いることにより、パンの材料である小麦粉中の蛋白質が適度に分解され、焼成したパンを電子レンジ加熱したときのグルテンの硬化を抑制し、またパン生地にプロテアーゼがゆっくり作用するためパン生地がだれてしまうことがない。上記プロテアーゼの配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.25〜0.5%、最も好ましくは0.3〜0.4%である。

0015

また、本発明の油脂組成物中に配合するプロテアーゼを力価換算すると、好ましくは0.66〜3.3AU単位、さらに好ましくは0.825〜1.65AU単位、最も好ましくは0.99〜1.32AU単位である。この力価の測定方法は、M/25リン酸緩衝液でpH7.5に調整した環境下でヘモグロビン基質とし、酵素溶液を1ml加えて、25℃の温度にて10分間反応させたとき、1分間に1μgのチロシンに相当する275nmの吸光度をTCA可溶成分として遊離する活性量を1AU単位とした。

0016

本発明の油脂組成物には、電子レンジ加熱耐性を付与するために、必要により、ベーカリー生地のグルテンを強化する乳化剤、グルテンを酸化することによって強固なグルテン膜を形成する酸化剤、プロテアーゼ以外のグルテン膜の伸びを改良する酵素などを添加することもできる。

0017

上記乳化剤としては、特に限定されないが、例えばモノグリセリン脂肪酸エステル(MG)、蔗糖脂肪酸エステル(SE)、ソルビタン脂肪酸エステル(SOE)、プロピレングリコール脂肪酸エステルPGME)、レシチン(LC)、有機酸モノグリセリド有機酸MG)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGE),ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)、ステアロイル乳酸ナトリウムSSL)などをあげることができる。本発明においては、これらの乳化剤を1種または2種以上用いることができ、好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステルと有機酸モノグリセリドを併用して用いるのがよく、さらに好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステルとコハク酸モノグリセリドおよび/またはジアセチル酒石酸モノグリセリドを用いるのがよい。上記乳化剤の配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0〜20%、最も好ましくは0〜8%である。乳化剤の配合量が30%よりも多いと、最終製品における風味の劣化や食感の悪化など乳化剤の悪影響が現れてしまう。

0018

また、上記酸化剤としては、特に制限はなく、例えばアルコルビン酸アスコルビン酸ナトリウムアスコルビン酸カリウム臭素酸カリウムヨウ素酸カリウムなどをあげることができる。これらの酸化剤は単独でも2種以上を組み合わせてもよく、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウムを用いることが好ましい。上記酸化剤の配合量は、本発明の油脂組成物中、好ましくは0.001〜1%、さらに好ましくは0.01〜0.5%である。酸化剤の配合量が0.001%よりも少ないと、酸化剤による生地改良効果が現れず、1%よりも多いと、酸化剤が過度に作用し、生地が締まりすぎ硬くなってしまい、作業性や品質の悪い生地となってしまうので好ましくない。

0019

上記のプロテアーゼ以外の酵素としては、セルラーゼヘミセルラーゼペントサナーゼなどの繊維質分解酵素などの中から選ばれる1種または2種以上の酵素をあげることができる。また、本発明の油脂組成物には、必要により、糖類、乳製品香料調味料などの呈味成分色素類、酸化防止剤pH調整剤などを添加してもよい。

0020

次に本発明の油脂組成物の製造方法について説明する。1つめの方法として、油脂を加熱し、必要により乳化剤をこれに添加し、溶解し、油相とする。一方、化工澱粉に水をスプレーし、膨潤化工澱粉を調製しておく。この調製した膨潤化工澱粉を油相に添加分散させる。そしてこれを加熱殺菌し、冷却可塑化する。熱安定性欠ける酸化剤や酵素類などは、急冷可塑化し、冷却した後に、添加混合し、本発明の油脂組成物とする。

0021

2つめの方法として、油脂を加熱し、必要により乳化剤をこれに添加し、溶解し、油相とする。これに化工澱粉を粉末のまま添加、分散させる。そして、この油相を攪拌しながら、水を徐々に添加する。添加した水により油相に分散した化工澱粉が吸水膨潤した状態となる。そしてこれを加熱殺菌し、冷却可塑化する。熱安定性に欠ける酸化剤や酵素類などは、急冷可塑化し、冷却した後に、添加混合し、本発明の油脂組成物とする。このようにして得られた本発明の油脂組成物は、すべての水が化工澱粉に吸収されているため、乳化物(油中水型乳化の状態)ではない。

0022

本発明の油脂組成物をパン生地に使用する場合のパン生地への添加量としては、パン生地に使用する小麦粉100部に対して、好ましくは5〜35部、より好ましくは8〜25部、さらに好ましくは10〜20部である。5部よりも少ないと、電子レンジ加熱を行った際に十分な電子レンジ加熱耐性が得られないので好ましくなく、35部よりも多いと、生地配合バランス崩れ、作業性が悪化し、結果として良好な製品が得られない。なおこのとき添加量の基準となる小麦粉とはパン生地を製造するときに使用する小麦粉すべてのことであり、中種工程のあるパン生地の場合、中種工程で使用する小麦粉と本捏工程で使用する小麦粉とをあわせたものである。

0023

そして本発明の油脂組成物を用いたパン類の製造方法は以下の通りである。ストレート法の場合は、本発明の油脂組成物をパンの製造工程中、パン生地混捏時に添加すればよい。中種法の場合は、本発明の油脂組成物を中種、本捏のどちらの時点で添加しても構わないが、本捏工程で本発明の油脂組成物を添加するほうが好ましい。このようにして得られた本発明のパン生地を常法により焼成することにより、本発明のパン類を得ることができる。パン類の種類としては、小麦粉を主体とするパン類であればどのようなものでも構わない。例えば、食パン菓子パンデニッシュクロワッサンフランスパンなどをあげることができる。

0024

本発明の油脂組成物を使用したパン類は、そのまま食することもできるが、電子レンジの加熱による食感の悪化や表面のシワが発生しないパン類となる。つまり、焼成したパン類、パン生地を冷蔵または冷凍した後に焼成したパン類、あるいは焼成したパン類を冷蔵または冷凍したパン類などを、電子レンジで加熱しても、食感の悪化や表面のシワの発生がないパン類とすることができる。

0025

次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。

0026

(実施例1)下記〔表1〕に示す配合にて、次のような製造方法で本発明の油脂組成物を製造した。約60℃に加熱した各原料油脂混合槽にて混合し、これに化工澱粉を粉末のまま添加、分散させた。乳化剤をこの加熱した配合油中に添加し、攪拌、溶解させた。そして、配合油を攪拌しながら、食用精製塩を溶解した水を徐々に添加した。化工澱粉は徐々に吸水、膨潤し、膨潤化工澱粉が油脂に分散した油脂組成物となった。 そして、上記の膨潤化工澱粉が油相中に分散した油脂組成物を掻き取り式殺菌機にて加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑化機などを用いて急冷可塑化し、油脂組成物を得た。酸化剤や酵素類の安定性に欠けるものについては、組成物が冷却されたあとに添加し、混合した。得られた油脂組成物は、乳化物ではなかった。

0027

(実施例2および3)下記〔表1〕に示す配合にて、次のような製造方法で本発明の油脂組成物を製造した。約60℃に加熱した各原料油脂を混合槽にて混合し、油相を得た。乳化剤をこの加熱混合した油相に添加し、攪拌した。一方、粉体混合機中に化工澱粉を投入し、攪拌をしながら、水を化工澱粉にスプレーし、膨潤化工澱粉とした。得られた膨潤化工澱粉を、先に調製した油相中に添加、分散させた。そして、上記の膨潤化工澱粉が油相中に分散した油脂組成物を掻き取り式殺菌機にて加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑化機などを用いて急冷可塑化し、油脂組成物を得た。酸化剤や酵素類の安定性に欠けるものについては、組成物が冷却されたあとに添加し、混合した。得られた油脂組成物は、乳化物ではなかった。

0028

(比較例1)下記〔表1〕に示す配合にて、実施例1と同様の製造方法で油脂組成物を製造した。得られた油脂組成物は、乳化物ではなかった。

0029

(比較例2)下記〔表1〕に示す配合にて、次のような製造方法で油脂組成物を製造した。約60℃に加熱した各原料油脂を混合槽にて混合し、乳化剤をこの加熱した配合油中に添加し、攪拌、溶解させた。そして、配合油を攪拌しながら、食用精製塩を溶解した水を徐々に添加した。そして、この油脂組成物を掻き取り式殺菌機にて加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑化機などを用いて急冷可塑化し、油脂組成物を得た。酸化剤や酵素類の安定性に欠けるものについては、組成物が冷却されたあとに添加し、混合した。得られた油脂組成物は、自由水が存在し、油中水型の乳化状態であった。

0030

(比較例3)下記〔表1〕に示す配合にて、次のような製造方法で油脂組成物を製造した。約60℃に加熱した各原料油脂を混合槽にて混合し、これに化工澱粉を粉末のまま添加、分散させた。乳化剤をこの加熱した配合油中に添加し、攪拌、溶解させた。そして、配合油を攪拌しながら、水を徐々に添加した。化工澱粉は徐々に吸水、膨潤し、膨潤化工澱粉が油脂に分散した油脂組成物となった。そして、上記の膨潤化工澱粉が油相中に分散した油脂組成物を掻き取り式殺菌機にて加熱殺菌し、チューブ式冷却可塑化機などを用いて急冷可塑化し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物は、乳化物ではなかった。

0031

0032

上記〔表1〕において、1)〜12)を付した配合成分は、下記の通りである。
化工澱粉A1):アルファ化変性澱粉(5倍の水の保持力を有し、吸水後も生澱粉粒の表面構造を保持するもの)
化工澱粉B2): 部分アルファ化澱粉(5倍の水の保持力を有し、吸水後も生澱粉粒の表面構造を保持するもの)
MG3):モノグリセリド
LC4):レシチン
コハク酸MG5):コハク酸モノグリセリド
DATEM6):ジアセチル酒石酸モノグリセリド
PGE7):ポリグリセリン脂肪酸エステル
PGPR8):ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
CSL9):ステアロイル乳酸カルシウム
SSL10) :ステアロイル乳酸ナトリウム
トリプシン製剤11) : トリプシン力価3.3AU単位の市販酵素製剤
アミラーゼ製剤12) :アミラーゼ力価800単位の市販酵素製剤

0033

使用試験例)実施例1〜3および比較例1〜3の油脂組成物を用い、以下のような配合、製法プルマン型食パンを製造した。
「配合」
[中種配合] (部)
強力粉70
イースト2.2
イーストフード0.1
水 40
[本捏配合] (部)
強力粉 30
上白糖
食塩1.8
脱脂粉乳
油脂組成物 10
水 28
「プルマン型食パンの製法」
〔中種〕
ミキシングL2M2
上温度24℃
発酵条件28℃ 85%RH 4時間
[本捏]
ミキシング L3M2H1(油脂を投入)L3M2H2
捏上温度 28℃
フロアタイム20分
分 割 220g
ベンチタイム20分
成 型モルダー成型
220g×6個(U字詰め)
ホイロ 38℃ 85%RH 40分
焼 成 200℃ 40分

0034

評価方法」実施例1〜3および比較例1〜3の油脂組成物を用いて得られたプルマン型食パンを20℃で24時間保存した後に、プルマン型食パンを3cm厚に切断した。そして電子レンジ加熱前後のクラムのヒキの強さを次のようにして測定した。電子レンジ加熱は、高周波出力500Wの家庭用電子レンジを用い60秒加熱した。加熱後のパン中心部温度は80〜90℃となった。クラムのヒキの強さは、上記の3cm厚に切断したプルマン型食パンをさらに7cm×2cmに切断して7cm×2cm×3cmの短冊状にクラム部分をつくり、レオメーターを用いて、以下の測定条件にて試料が完全にちぎれるまでの時間(秒)及び抵抗(g)から測定した。この際のレオメーターのチャート波形図1に示すようなものとなり、試料の「ヒキ」は斜線部分の面積となる。斜線部分の面積は近似的に、時間(秒)×抵抗(g)/2で求めることができ、この計算式で計算した値を試料の「ヒキ」とした。その結果を下記〔表2〕に示した。
(測定条件)
使用機種NRM−2005J型 (不動工業株式会社製)
使用アダプターNo17(食品引っ張り用)
試料引っ張り速度 30cm/分

0035

また、上記のプルマン型食パンの食感についてパネルテストも実施した。その結果を下記〔表2〕に示した。食感はパネラー5名にて、以下のように評価した。
○:電子レンジ加熱後の食感が、電子レンジ加熱前と同様に「ヒキ」がなくソフトで歯切れの良い状態。
△:電子レンジ加熱後の食感が、電子レンジ加熱前に比べ「ヒキ」が強くなることを感じるが、ソフトな状態。
×:電子レンジ加熱後の食感が、電子レンジ加熱前に比べ著しく「ヒキ」が強くゴム様の食感となった状態。

0036

発明の効果

0037

本発明の油脂組成物によれば、パン本来の良好な風味と「サクさ」のある食感を有し、かつ電子レンジ加熱を行っても、食感や外観の悪化のない、電子レンジ加熱に適したパン類を製造できる。

図面の簡単な説明

0038

図1図1は、レオメーターを用いてクラムのヒキの強さを測定した際のレオメーターのチャート波形の概略図である。

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