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技術 構造要素の冷却方法、冷却用流路付構造要素および冷却用流路付ガスタービン翼

出願人 株式会社東芝
発明者 大友文雄内田竜朗前田秀幸
出願日 1998年1月14日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1998-005748
公開日 1999年7月27日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 1999-200805
状態 未査定
技術分野 タービンロータ・ノズル・シール ガスタービン、高圧・高速燃焼室 タービンロータ・ノズル・シール
主要キーワード 隔壁要素 インサートプレート リターンフロー 縦断面形 冷却媒体流量 耐熱応力性 サイクル熱効率 冷却流量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年7月27日)のものです。
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図面 (8)

課題

冷媒温度上昇流量不足によって引き起こされる冷却不足を解消でき、局所的な対流冷却効果を大にして冷却効率を高めることができる構造要素冷却方法冷却流路付構造要素および冷却用流路ガスタービン翼を提供する。

解決手段

冷却用流路102の途中に該冷却用流路を分断するように隔壁106を複数設け、これら隔壁106に冷却用流路102の壁面に向けて冷媒を送り出す対流冷却促進用のインピンジメント冷却孔110を設け、さらに各隔壁106に冷却用流路102の延びる方向に向けて冷媒を送り出して冷媒温度を制御する流量調整用の孔111を設けている。

概要

背景

一般に、ガスタービンでは、燃焼ガスにより駆動されるタービン自身が燃焼器へ空気を供給するための送風機または圧縮機を駆動する自立的駆動方式を採用している。このため、ガスタービンの出力効率を高める最も有効な方法は、タ一ビン入口における燃焼ガス温度を高めることである。

しかし、この燃焼ガス温度の上限は、タ一ビン、特に第一段動翼静翼を構成している材料の耐熱応力性高温下での酸化腐食等の耐性によって制限される。

そこで従来は、図6および図7に示すように、タービン翼を内側から冷却空気強制的に冷却するリターンフロータイプの翼を用いるようにしている。なお、これらの図は動翼の一例を示すもので、図6は翼の縦断面図を示し、図7は同じく翼の横断面図を示している。

この動翼は、翼本体1と、この翼本体1を支持する翼根部2と、プラットホーム部3とから構成されている。翼根部2内と翼本体1内には、翼本体1の高さ方向に延びる2つの冷却流路11、12が仕切壁13によって形成されており、これら冷却流路11、12の翼根部2内に位置する端部は図示しない回転軸に設けられた冷却空気供給路に接続されている。

冷却流路11は、翼根部2から翼本体1の先端部近傍まで延びるように仕切壁13と前縁部14側に設けられた仕切壁15とによって形成された流路16と、仕切壁15と前縁部14との間に形成された空洞17と、仕切壁15に複数設けられた小孔18と、空洞17と前縁部14との間に存在する前縁壁19に複数設けられたフィルム冷却用噴出し孔20と、流路16を構成する壁で腹側および背側の壁21、22に複数設けられたフィルム冷却用の噴出し孔23で構成されている。

したがって、この冷却流路11に供給された冷却空気は、翼根部2から流入し、流路16を翼の高さ方向に流れて先端壁付近に達し、その間に、一部が噴出し孔23から翼外に噴き出して翼本体1における前縁部の腹側表面および背側表面をフィルム冷却する。また、残りの冷却空気が仕切壁15に設けられた複数の小孔18から空洞17内に噴射流入して前縁壁19に衝突し、この前縁壁19の内面インピンジメント冷却し、さらに前縁壁19に設けられた複数の噴出し孔20を通過して、翼外部に流出して前縁部14の表面をフィルム冷却する。

この冷却流路11の冷却性能は、主に、流路16における対流冷却効果と、流路16から小孔18を通過して前縁壁19の内面に噴流として衝突することによるインピンジメント冷却効果と、噴出し孔20を介して翼外に噴き出した冷却空気が翼本体1の前縁部14ならびに前縁部の背側、腹側に沿って流れることによるフィルム冷却効果と、噴出し孔23を介して翼外に噴き出した冷却空気が翼本体1の背側、腹側に沿って流れることによるフィルム冷却効果との相乗効果で与えられる。

一方、冷却流路12は、仕切壁13と仕切壁24との間に形成されて翼本体1の先端壁近傍まで延びた流路25と、この流路25に続いて一旦、後縁部26側回りにリターンしてプラットホーム部3の近くまで延びた後に再び後縁部26側回りにリターンして先端壁の近傍まで延びる屈折流路27と、この屈折流路27の最終流路部分の壁28に複数設けられた噴出し孔29と、この噴出し孔29から噴き出された冷却空気と接触する複数のピンフィン30を備えた冷却路31と、屈折流路27を構成する腹側の壁21に複数設けられた噴出し孔32(図6参照)とを主体にして構成されている。

したがって、この冷却流路12に導かれた冷却空気は、流路25内を翼根部2から翼本体1の先端部へ向けて流れた後、後縁部26側回りにリターンして屈折流路27を流れ、壁28に設けられた噴出し孔29から冷却路31へと流れる。また、屈折流路27を流れる間に、一部が屈折流路27を構成する腹側の壁21に設けられた噴出し孔32から翼外へと流れる。なお、図7中、33は乱流促進リブを示している。

この冷却流路12の冷却性能は、屈折流路27での対流冷却効果と、噴出し孔29、32内での対流冷却効果と、噴出し孔32から吹出した冷却空気が翼の腹側外面に沿って流れることによるフィルム冷却効果と、ピンフィン30による対流冷却効果との相乗作用として与えられる。

このような冷却構造であると、主流ガス温度(燃焼ガス温度)が1200℃級のガスタービンの場合、主流ガス流量の数パーセント冷却空気量でタービン翼の表面平均温度を850℃程度に保つことが可能である。

しかしながら、最近では出力効率を一層向上させるために、主流ガス温度を1300℃〜1500℃級、もしくはそれ以上に高めることが望まれている。このような高温条件、たとえば主流ガス温度が1300℃級の条件で従来のガスタービン翼を用いた場合、翼の温度を設計条件に抑え込むことはできるが、抑え込むために多量の冷却空気が必要となる。このため、システム全体の出力効率を著しく低下させてしまい、主流ガス温度を上昇させた意味がなくなる。なお、最近では冷却空気を抽気して強制冷却することも考えられているが、この方式でも1500℃級もしくはそれ以上の超高温ガスタービンの冷却設計を満たすことは極めて困難である。

さらに、翼の平均温度最高局所温度の設計条件を満たしている1200℃級程度のガスタービン翼にあっても、翼面温度分布不均一性が翼本体の寿命に大きく影響することが文献(ASME94−GT−65)等によって明らかとなっており、次世代の高温ガスタービンの翼だけではなく、従来のガスタービン翼においても翼面温度の均一化が冷却設計上重要な問題となっている。これは、特に冷却媒体通過流量が少なくなる翼先端部や翼外面熱伝達率が高くなる翼後縁腹側において冷却が不充分になり易く、局所的に高温になるためである。

いずれにしても、従来の冷却構造を採用したガスタービン翼では充分な熱伝達が得られず、対流冷却や冷却媒体噴出しによる冷却を十分に発揮できないという問題があった。

さらに、ガスタービン用部材として使用できる耐熱性超合金材料限界温度は、現在のところ800〜900℃程度である。最近のガスタービンにおけるタービン入口温度は先に説明したように、約1300℃にも達しており、耐熱性超合金材料の限界温度を遥かに越えている。圧縮機から吐出された空気の一部で翼を冷却する空冷方式は、冷却媒体として空気を使っているので本質的に冷却特性が低い。このため、ガスタービン入口温度が1300℃を越えるものでは翼の冷却に必要な冷却空気流量が著しく増大する。しかも、翼内部での対流冷却だけでは十分な冷却効果が得られず、翼有効部の翼表面に形成した小孔から翼外に向けて冷却用空気を噴出すフィルム冷却方式を併用せざるを得ない。このフィルム冷却方式を採用すると、噴出された冷却空気と主流ガスとが混合するため、主流ガスの温度が低下する。このため、燃焼器の出口温度をより高い温度にするための設計を余儀なくされるばかりか、高温度場でも低NOx型の新たな燃焼器の開発も要求され、しかも燃焼器で消費される空気と燃料の増大は免れない。

このように、ガスタービン翼を空気冷却する方式では、ガスタービンの熱効率の低下を招き、これが原因して複合発電システム全体の熱効率の低下を招くという問題があった。また、不純物が混在するような粗悪燃料に対しては、翼表面に形成した小孔に目詰まりの生じる恐れがあるため適用できない問題もあった。

そこで、このような不具合を解消するために、最近、特公昭63−40244号公報や、特開平4−124414号公報に示されているように、空気に較べて比熱が約2倍と大きい蒸気を冷却媒体として使用することが考えられている。すなわち、蒸気タービン系で用いる蒸気の一部をガスタービン翼に設けられている冷却流路に通流させて翼を冷却するように構成している。

しかしながら、蒸気を冷却媒体として使用する方式を採用したものにあっても冷却効率の面では十分とはいえない問題があった。このように、より少ない冷媒流量で効率良く冷却でき、そのうえ翼の冷却に用いた冷媒回収して別の熱機関熱回収が図れ、また主流ガスの温度を低下させることがなく、燃焼器での燃料および空気の増加を抑制でき、しかも粗悪燃料にも対応でき、また多様化した冷却媒体にも対応でき、かつ良好な冷却性能を得ることができるガスタービン翼の冷却方式出現が強く望まれている。

これは、ガスタービン燃焼器の開発に関しても同様である。上述の背景からも分かるように、サイクル熱効率向上の観点から燃焼器出口温度が益々高くなってきており、燃焼器ライナ燃焼器尾筒等について高冷却特性を発揮できる新たな冷却構造の出現が強く望まれている。

概要

冷媒の温度上昇流量不足によって引き起こされる冷却不足を解消でき、局所的な対流冷却効果を大にして冷却効率を高めることができる構造要素冷却方法、冷却流路付構造要素および冷却用流路付ガスタービン翼を提供する。

冷却用流路102の途中に該冷却用流路を分断するように隔壁106を複数設け、これら隔壁106に冷却用流路102の壁面に向けて冷媒を送り出す対流冷却促進用のインピンジメント冷却孔110を設け、さらに各隔壁106に冷却用流路102の延びる方向に向けて冷媒を送り出して冷媒温度を制御する流量調整用の孔111を設けている。

目的

そこで本発明は、内部を対流冷却する過程において、冷却媒体の温度上昇や冷却媒体の流量不足によって引き起こされる冷却不足を解消でき、冷却媒体が通過することによる局所対流冷却効果を大きくして冷却効率を高めることができ、また冷却媒体温度の流れ方向の均一化を図ることができ、システム全体の熱効率向上に寄与できるとともに多様化する冷却媒体や燃料の違いにも対応できる構造要素の冷却方法、冷却流路付構造要素および冷却用流路付ガスタービン翼を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
6件

この技術が所属する分野

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請求項1

構造要素体内冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒通流させて前記構造要素本体を冷却するに当たり、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の冷媒案内部を設けて冷媒を通流させることを特徴とする構造要素の冷却方法

請求項2

構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するに当たり、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の第1の冷媒案内部と、この第1の冷媒案内部と対をなして前記冷却用流路の延びる方向に上記冷媒を送り出して冷媒温度を制御する冷媒流調整用の第2の冷媒案内部とを設けて冷媒を通流させることを特徴とする構造要素の冷却方法。

請求項3

前記対流冷却促進用の冷媒案内部は、インピンジメント冷却に供されることを特徴とする請求項1または2に記載の構造要素の冷却方法。

請求項4

構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するようにした冷却用流路付構造要素において、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路を分断するように設けられた隔壁と、この隔壁に設けられて前記冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の冷媒案内部とを具備してなることを特徴とする冷却流路付構造要素。

請求項5

構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するようにした冷却流路付構造要素において、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路を分断するように設けられた隔壁と、この隔壁に設けられて前記冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の第1の冷媒案内部と、前記隔壁に設けられて前記冷却用流路の延びる方向に前記冷媒を送り出して冷媒温度を制御する冷媒流量調整用の第2の冷媒案内部とを具備してなることを特徴とする冷却流路付構造要素。

請求項6

前記隔壁は、前記構造要素本体に形成された隔壁要素と、前記構造要素本体とは別体に形成されて該構造要素本体内に挿設されたインサートプレートとの組合せで構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の冷却流路付構造要素。

請求項7

前記第1の冷媒案内部は、インピンジメント冷却機能を発揮するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の冷却流路付構造要素。

請求項8

本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記翼素本体を冷却するようにした冷却流路付ガスタービン翼において、前記翼本体の後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて前記翼本体の後縁側を腹側翼壁部と背側翼壁部とに区分する空隙部と、この空隙部の最奥部で前記腹側翼壁部の基端と前記背側翼壁部の基端とを繋ぐ壁に設けられて前記冷却用流路を介して導かれた前記冷媒を前記腹側翼壁部の内面に向けて吹き付ける複数のインピンジメント冷却孔とを具備してなることを特徴とする冷却流路付ガスタービン翼。

請求項9

翼本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記翼素本体を冷却するようにした冷却流路付ガスタービン翼において、前記翼本体の後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて前記翼本体の後縁側を腹側翼壁部と背側翼壁部と先端側翼壁部とに区分する空隙部と、この空隙部の最奥部で前記腹側翼壁部の基端と前記背側翼壁部の基端とを繋ぐ壁に設けられて前記冷却用流路を介して導かれた前記冷媒を少なくとも前記先端側翼壁部の内面に向けて吹き付ける複数のインピンジメント冷却孔とを具備してなることを特徴とする冷却流路付ガスタービン翼。

技術分野

0001

本発明は、冷却効率の向上を図れるようにした構造要素冷却方法冷却用流路付構造要素および冷却用流路付ガスタービン翼に関する。

背景技術

0002

一般に、ガスタービンでは、燃焼ガスにより駆動されるタービン自身が燃焼器へ空気を供給するための送風機または圧縮機を駆動する自立的駆動方式を採用している。このため、ガスタービンの出力効率を高める最も有効な方法は、タ一ビン入口における燃焼ガス温度を高めることである。

0003

しかし、この燃焼ガス温度の上限は、タ一ビン、特に第一段動翼静翼を構成している材料の耐熱応力性高温下での酸化腐食等の耐性によって制限される。

0004

そこで従来は、図6および図7に示すように、タービン翼を内側から冷却空気強制的に冷却するリターンフロータイプの翼を用いるようにしている。なお、これらの図は動翼の一例を示すもので、図6は翼の縦断面図を示し、図7は同じく翼の横断面図を示している。

0005

この動翼は、翼本体1と、この翼本体1を支持する翼根部2と、プラットホーム部3とから構成されている。翼根部2内と翼本体1内には、翼本体1の高さ方向に延びる2つの冷却流路11、12が仕切壁13によって形成されており、これら冷却流路11、12の翼根部2内に位置する端部は図示しない回転軸に設けられた冷却空気供給路に接続されている。

0006

冷却流路11は、翼根部2から翼本体1の先端部近傍まで延びるように仕切壁13と前縁部14側に設けられた仕切壁15とによって形成された流路16と、仕切壁15と前縁部14との間に形成された空洞17と、仕切壁15に複数設けられた小孔18と、空洞17と前縁部14との間に存在する前縁壁19に複数設けられたフィルム冷却用噴出し孔20と、流路16を構成する壁で腹側および背側の壁21、22に複数設けられたフィルム冷却用の噴出し孔23で構成されている。

0007

したがって、この冷却流路11に供給された冷却空気は、翼根部2から流入し、流路16を翼の高さ方向に流れて先端壁付近に達し、その間に、一部が噴出し孔23から翼外に噴き出して翼本体1における前縁部の腹側表面および背側表面をフィルム冷却する。また、残りの冷却空気が仕切壁15に設けられた複数の小孔18から空洞17内に噴射流入して前縁壁19に衝突し、この前縁壁19の内面インピンジメント冷却し、さらに前縁壁19に設けられた複数の噴出し孔20を通過して、翼外部に流出して前縁部14の表面をフィルム冷却する。

0008

この冷却流路11の冷却性能は、主に、流路16における対流冷却効果と、流路16から小孔18を通過して前縁壁19の内面に噴流として衝突することによるインピンジメント冷却効果と、噴出し孔20を介して翼外に噴き出した冷却空気が翼本体1の前縁部14ならびに前縁部の背側、腹側に沿って流れることによるフィルム冷却効果と、噴出し孔23を介して翼外に噴き出した冷却空気が翼本体1の背側、腹側に沿って流れることによるフィルム冷却効果との相乗効果で与えられる。

0009

一方、冷却流路12は、仕切壁13と仕切壁24との間に形成されて翼本体1の先端壁近傍まで延びた流路25と、この流路25に続いて一旦、後縁部26側回りにリターンしてプラットホーム部3の近くまで延びた後に再び後縁部26側回りにリターンして先端壁の近傍まで延びる屈折流路27と、この屈折流路27の最終流路部分の壁28に複数設けられた噴出し孔29と、この噴出し孔29から噴き出された冷却空気と接触する複数のピンフィン30を備えた冷却路31と、屈折流路27を構成する腹側の壁21に複数設けられた噴出し孔32(図6参照)とを主体にして構成されている。

0010

したがって、この冷却流路12に導かれた冷却空気は、流路25内を翼根部2から翼本体1の先端部へ向けて流れた後、後縁部26側回りにリターンして屈折流路27を流れ、壁28に設けられた噴出し孔29から冷却路31へと流れる。また、屈折流路27を流れる間に、一部が屈折流路27を構成する腹側の壁21に設けられた噴出し孔32から翼外へと流れる。なお、図7中、33は乱流促進リブを示している。

0011

この冷却流路12の冷却性能は、屈折流路27での対流冷却効果と、噴出し孔29、32内での対流冷却効果と、噴出し孔32から吹出した冷却空気が翼の腹側外面に沿って流れることによるフィルム冷却効果と、ピンフィン30による対流冷却効果との相乗作用として与えられる。

0012

このような冷却構造であると、主流ガス温度(燃焼ガス温度)が1200℃級のガスタービンの場合、主流ガス流量の数パーセント冷却空気量でタービン翼の表面平均温度を850℃程度に保つことが可能である。

0013

しかしながら、最近では出力効率を一層向上させるために、主流ガス温度を1300℃〜1500℃級、もしくはそれ以上に高めることが望まれている。このような高温条件、たとえば主流ガス温度が1300℃級の条件で従来のガスタービン翼を用いた場合、翼の温度を設計条件に抑え込むことはできるが、抑え込むために多量の冷却空気が必要となる。このため、システム全体の出力効率を著しく低下させてしまい、主流ガス温度を上昇させた意味がなくなる。なお、最近では冷却空気を抽気して強制冷却することも考えられているが、この方式でも1500℃級もしくはそれ以上の超高温ガスタービンの冷却設計を満たすことは極めて困難である。

0014

さらに、翼の平均温度最高局所温度の設計条件を満たしている1200℃級程度のガスタービン翼にあっても、翼面温度分布不均一性が翼本体の寿命に大きく影響することが文献(ASME94−GT−65)等によって明らかとなっており、次世代の高温ガスタービンの翼だけではなく、従来のガスタービン翼においても翼面温度の均一化が冷却設計上重要な問題となっている。これは、特に冷却媒体通過流量が少なくなる翼先端部や翼外面熱伝達率が高くなる翼後縁腹側において冷却が不充分になり易く、局所的に高温になるためである。

0015

いずれにしても、従来の冷却構造を採用したガスタービン翼では充分な熱伝達が得られず、対流冷却や冷却媒体噴出しによる冷却を十分に発揮できないという問題があった。

0016

さらに、ガスタービン用部材として使用できる耐熱性超合金材料限界温度は、現在のところ800〜900℃程度である。最近のガスタービンにおけるタービン入口温度は先に説明したように、約1300℃にも達しており、耐熱性超合金材料の限界温度を遥かに越えている。圧縮機から吐出された空気の一部で翼を冷却する空冷方式は、冷却媒体として空気を使っているので本質的に冷却特性が低い。このため、ガスタービン入口温度が1300℃を越えるものでは翼の冷却に必要な冷却空気流量が著しく増大する。しかも、翼内部での対流冷却だけでは十分な冷却効果が得られず、翼有効部の翼表面に形成した小孔から翼外に向けて冷却用空気を噴出すフィルム冷却方式を併用せざるを得ない。このフィルム冷却方式を採用すると、噴出された冷却空気と主流ガスとが混合するため、主流ガスの温度が低下する。このため、燃焼器の出口温度をより高い温度にするための設計を余儀なくされるばかりか、高温度場でも低NOx型の新たな燃焼器の開発も要求され、しかも燃焼器で消費される空気と燃料の増大は免れない。

0017

このように、ガスタービン翼を空気冷却する方式では、ガスタービンの熱効率の低下を招き、これが原因して複合発電システム全体の熱効率の低下を招くという問題があった。また、不純物が混在するような粗悪燃料に対しては、翼表面に形成した小孔に目詰まりの生じる恐れがあるため適用できない問題もあった。

0018

そこで、このような不具合を解消するために、最近、特公昭63−40244号公報や、特開平4−124414号公報に示されているように、空気に較べて比熱が約2倍と大きい蒸気を冷却媒体として使用することが考えられている。すなわち、蒸気タービン系で用いる蒸気の一部をガスタービン翼に設けられている冷却流路に通流させて翼を冷却するように構成している。

0019

しかしながら、蒸気を冷却媒体として使用する方式を採用したものにあっても冷却効率の面では十分とはいえない問題があった。このように、より少ない冷媒流量で効率良く冷却でき、そのうえ翼の冷却に用いた冷媒回収して別の熱機関熱回収が図れ、また主流ガスの温度を低下させることがなく、燃焼器での燃料および空気の増加を抑制でき、しかも粗悪燃料にも対応でき、また多様化した冷却媒体にも対応でき、かつ良好な冷却性能を得ることができるガスタービン翼の冷却方式出現が強く望まれている。

0020

これは、ガスタービン燃焼器の開発に関しても同様である。上述の背景からも分かるように、サイクル熱効率向上の観点から燃焼器出口温度が益々高くなってきており、燃焼器ライナ燃焼器尾筒等について高冷却特性を発揮できる新たな冷却構造の出現が強く望まれている。

発明が解決しようとする課題

0021

上述の如く、特にガスタービンシステム及びこれに関連するシステムでは、システムを構成する構造要素に対して高冷却性能を発揮できる新たな冷却構造の出現が強く望まれている。

0022

そこで本発明は、内部を対流冷却する過程において、冷却媒体の温度上昇や冷却媒体の流量不足によって引き起こされる冷却不足を解消でき、冷却媒体が通過することによる局所対流冷却効果を大きくして冷却効率を高めることができ、また冷却媒体温度の流れ方向の均一化を図ることができ、システム全体の熱効率向上に寄与できるとともに多様化する冷却媒体や燃料の違いにも対応できる構造要素の冷却方法、冷却流路付構造要素および冷却用流路付ガスタービン翼を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0023

上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するに当たり、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の冷媒案内部を設けて冷媒を通流させるようにしている。

0024

上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明では、構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するに当たり、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の第1の冷媒案内部と、この第1の冷媒案内部と対をなして前記冷却用流路の延びる方向に上記冷媒を送り出して冷媒温度を制御する冷媒流量調整用の第2の冷媒案内部とを設けて冷媒を通流させるようにしている。

0025

なお、対流冷却促進用の冷媒案内部は、インピンジメント冷却に供されるものであることが好ましい。上記目的を達成するために、請求項4に係る発明では、構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて構造要素本体を冷却するようにした冷却用流路付構造要素において、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路を分断するように設けられた隔壁と、この隔壁に設けられて前記冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の冷媒案内部とを具備してなることを特徴としている。

0026

上記目的を達成するために、請求項5に係る発明では、構造要素本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記構造要素本体を冷却するようにした冷却流路付構造要素において、前記冷却用流路の途中の少なくとも一箇所に該冷却用流路を分断するように設けられた隔壁と、この隔壁に設けられて前記冷却用流路の壁面に向けて前記冷媒を送り出す対流冷却促進用の第1の冷媒案内部と、前記隔壁に設けられて前記冷却用流路の延びる方向に前記冷媒を送り出して冷媒温度を制御する冷媒流量調整用の第2の冷媒案内部とを具備してなることを特徴としている。

0027

なお、請求項4または5の冷却流路付構造要素において、前記隔壁は、前記構造要素本体に形成された隔壁要素と、前記構造要素本体とは別体に形成されて該構造要素本体内に挿設されたインサートプレートとの組合せで構成されていてもよい。

0028

また、請求項4または5の冷却流路付構造要素において、前記第1の冷媒案内部は、インピンジメント冷却機能を発揮するものであることが好ましい。上記目的を達成するために請求項8に係る発明は、翼本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記翼素本体を冷却するようにした冷却流路付ガスタービン翼において、前記翼本体の後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて前記翼本体の後縁側を腹側翼壁部と背側翼壁部とに区分する空隙部と、この空隙部の最奥部で前記腹側翼壁部の基端と前記背側翼壁部の基端とを繋ぐ壁に設けられて前記冷却用流路を介して導かれた前記冷媒を前記腹側翼壁部の内面に向けて吹き付ける複数のインピンジメント冷却孔とを具備してなることを特徴としている。

0029

上記目的を達成するために請求項9に係る発明は、翼本体内に冷却用流路を設け、該冷却用流路に冷媒を通流させて前記翼素本体を冷却するようにした冷却流路付ガスタービン翼において、前記翼本体の後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて前記翼本体の後縁側を腹側翼壁部と背側翼壁部と先端側翼壁部とに区分する空隙部と、この空隙部の最奥部で前記腹側翼壁部の基端と前記背側翼壁部の基端とを繋ぐ壁に設けられて前記冷却用流路を介して導かれた前記冷媒を少なくとも前記先端側翼壁部の内面に向けて吹き付ける複数のインピンジメント冷却孔とを具備してなることを特徴としている。

0030

上記のように、本発明では、基本的には冷却用流路を分断するように設けられた隔壁に、対流冷却促進用の冷媒案内部と冷媒温度を制御する冷媒流量調整用の冷媒案内部とを設けた構成を採用しているので、より少ない冷媒流量で局所対流冷却効果を大きくでき、また冷媒温度の流れ方向の均一化を実現でき、この結果、例えばガスタービン翼の冷却効率を高めたり、システム全体の熱効率を向上させることが可能となる。また、多様化する冷却媒体やガスタービン燃料の違いにも対応でき、かつ翼面温度均一化によって翼本体の長寿命化にも寄与できる。なお、膜吹き出しを伴う膜冷却法と組み合わせることにより、少ない冷却流量でより一層効果的な冷却を実施できる。勿論、ガスタービン翼の冷却だけに限らず、燃焼器ライナや燃焼器尾筒等の冷却にも適用できる。

発明を実施するための最良の形態

0031

以下、図面を参照しながら発明の実施形態を説明する。図1には本発明の第1の実施形態に係る冷却流路付構造要素、ここには本発明を冷却流路付ガスタービン翼100に適用した例を局部的に取り出した断面図が示されている。

0032

同図において、101は翼本体を示している。翼本体101内には冷却用流路102が形成されている。この冷却用流路102は、外面が高温ガスに触れる翼形状形成壁103に沿って設けられている。冷却用流路102の一端側104は冷媒としての蒸気を供給する図示しない冷媒供給系に接続され、他端側105は蒸気を回収する図示しない冷媒回収系に接続される。

0033

冷却用流路102内には、この流路の途中の少なくとも一箇所、この例では上流側から下流側にかけて所定間隔毎複数箇所を分断する形に隔壁106がそれぞれ設けられている。これら隔壁106は、翼形状形成壁103の内面側から上記内面に対して例えばほぼ直角に冷媒用流路102の中央部近傍まで延びた部分107と、この部分107の先端から翼形状形成壁103と例えばほぼ平行に下流側に向けて延びる部分108と、この部分108の先端部から翼形状形成壁103の内面に対して例えばほぼ直角に延びる部分109とで構成されている。すなわち、この例の場合、隔壁106は、翼形状形成壁103に最も近い部分107が上流側で、かつ翼形状形成壁103に対してほぼ直角に位置し、翼形状形成壁103に最も遠い部分109が部分107より下流側で、かつ翼形状形成壁103に対してほぼ直角に位置するように、縦断面がクランク状をなすように設けられている。

0034

各隔壁106の部分108には軸心線の延びる方向が翼形状形成壁103の内面に向かうように対流冷却促進用の冷媒案内部としてのインピンジメント冷却孔110が複数設けられており、また各隔壁106の部分109には軸心線の延びる方向が翼形状形成壁103の内面とほぼ平行、つまり軸心線を冷却用流路102の延びる方向に向けて流量の調整で冷媒温度を制御する冷媒案内部としての比較的大径な孔111が設けられている。

0035

なお、孔111は、下流側に向かうにしたがって例えば徐々に小径となるように設けられている。また、翼形状形成壁103には、膜冷却用の小孔112が必要に応じて設けられている。

0036

このような構成であると、冷却用流路102の一端側104から冷媒113が供給されると、この冷媒113は図中実線矢印で示すように、その一部114が隔壁106の部分108に設けられたインピンジメント冷却孔110を通して翼形状形成壁103の内面に衝突して対流冷却を行う。衝突冷却後の冷媒は、一部が翼形状形成壁103に設けられた小孔112から翼形状形成壁103の外面に噴出して膜冷却を行う。しかし、衝突冷却後の大部分の冷媒115は、下流側に位置している隔壁106における部分109の上流側へと流れる。

0037

一方、隔壁106の部分109には孔111が設けられているので、この孔111を通して残りの冷媒116が下流側へと流れる。孔111は、軸心線が翼形成壁103とほぼ平行に形成されている。このため、孔111を通過する冷媒116は、格別な対流冷却は行わず、低温に保たれる。孔111を通して流れた低温の冷媒116は先に説明した衝突冷却後の冷媒115と混合する。

0038

混合した冷媒は、下流に設けられている隔壁106まで流れ、上記と同様な冷却過程を複数回経て、最終的に冷却用流路102の他端側105を介して回収される。

0039

このように、冷却用流路102を分断するように隔壁106を設け、この隔壁106に対流冷却促進用のインピンジメント冷却孔110を設け、これらインピンジメント冷却孔110を使って翼形状形成壁103の内面を衝突対流冷却するようにしているので、より少ない冷媒流量で局所対流冷却効果を大きくできる。また、隔壁106に流量調整で冷媒温度を制御する孔111を設け、この孔111から対流冷却を行わない冷媒を対流冷却後の冷媒に混合するように流しているので、冷媒温度の上昇を極力抑制することが可能となり、この結果、翼形状形成壁103の温度を均一化することができる。

0040

図2には本発明の第2の実施形態に係る冷却流路付構造要素、ここには本発明をリターンフロータイプの冷却流路付ガスタービン翼100aに適用した例を局部的に取り出した断面図が示されている。

0041

なお、この図では図1同一機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。この例に係る冷却流路付ガスタービン翼100aでは、翼本体101内に冷却用流路102aがリターンフロー形態に形成されている。この冷却用流路102aは、外面が高温ガスに触れる翼形状形成壁103と該翼形状形成壁103の中心部に設けられた仕切壁120との間に設けられており、翼本体101の根元部に一端側104を位置させ、この一端側104から翼本体101の先端部側に一旦延びた後に先端部側で折り返して翼本体101の根元部に他端側105を位置させている。そして、冷却用流路102aの一端側104は冷媒としての蒸気を供給する図示しない冷媒供給系に接続され、他端側105は蒸気を回収する図示しない冷媒回収系に接続される。

0042

冷媒用流路102a内には、先の例と同様に、上流側から下流側にかけて所定間隔毎に複数箇所を分断する形に隔壁106がそれぞれ設けられている。これら隔壁106は、翼形状形成壁103の内面側から上記内面に対して例えばほぼ直角に冷媒用流路102aの中央部近傍まで延びる部分107と、この部分107の先端から翼形状形成壁103と例えばほぼ平行に下流側に向けて延びる部分108と、この部分108の先端部から翼形状形成壁103の内面に対して例えばほぼ直角に延びる部分109とで構成されている。すなわち、この例の場合、隔壁106は、翼形状形成壁103に最も近い部分107が上流側で、かつ翼形状形成壁103に対してほぼ直角に位置し、翼形状形成壁103に最も遠い部分109が部分107より下流側で、かつ翼形状形成壁103に対してほぼ直角に位置するように、縦断面がクランク状をなすように設けられている。

0043

各隔壁106の部分108には軸心線の延びる方向が翼形状形成壁103の内面に向かうように対流冷却促進用の冷媒案内部としてのインピンジメント冷却孔110が複数設けられており、また各隔壁106の部分109には軸心線の延びる方向が翼形状形成壁103の内面とほぼ平行するように流量調整で冷媒温度を制御する冷媒案内部としての比較的大径な孔111が設けられている。ただし、最下流側に位置している隔壁106には孔111は設けられていない。

0044

このような構成であると、図1の例と同様な冷却作用が行われ、図1の例と同様の効果が得られる。図3には本発明の第3の実施形態に係る冷却流路付構造要素、ここにも本発明を冷却流路付ガスタービン翼100bに適用した例を局部的に取り出した断面図が示されている。

0045

なお、この図では図1と同一機能部分が同一符号で示されている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。この例は、基本的には図1の構成を採用し、製作性を改善したものである。図1に示す例では、隔壁の縦断面形状がクランク状をなしており、この隔壁にインピンジメント冷却孔等が設けられている。この形状は、製作に長時間を要する。この製作性の問題を解決したのが、この例に係る冷却流路付ガスタービン翼100bである。

0046

すなわち、この例に係る冷却流路付ガスタービン翼100bでは、図1に示される隔壁106の部分107,109に相当する部分107a,109aを翼本体101側に一体的に形成し、隔壁106の部分108に相当する部分をインサートプレート130として翼本体101とは別体に形成し、このインサートプレート130を部分107a,109a間に装着している。したがって、インサートプレート130には、インピンジメント冷却孔に相当する孔131及びインピンジメント冷却後の冷媒を隣接する部分109a間に導くための孔132が設けられている。そして、インサートプレート130は、部分107a,109aと支持壁133とによって固定されている。

0047

このような構成であると、前記各例と同様の効果が得られるとともに、翼本体101の製作の容易化を図ることができる。図4(a)には本発明の第4の実施形態に係る冷却流路付構造要素、ここにも本発明を冷却流路付ガスタービン翼100cに適用した例を局部的、特に後縁部を取り出した横断面図が示されている。

0048

翼本体140の内部で中央部には翼本体140の高さ方向に延びる冷却用流路141が設けられている。この冷却用流路141は図示しない冷媒供給源に通じている。一方、翼本体140の後縁部142には、後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて翼本体140の後縁側を腹側翼壁部143と背側翼壁部144とに区分する空隙部145が設けられている。なお、空隙部145は、腹側翼壁部143の後端部と背側翼壁部144との間に翼本体140の高さ方向に延びるスリット部146が形成されるように設けられている。そして、空隙部145の最奥部で腹側翼壁部143の基端と背側翼壁部144の基端とを繋ぐ壁147には、冷却用流路141を介して導かれた冷媒を腹側翼壁部143の内面に向けて吹き付けるインピンジメント冷却孔148が翼本体140の高さ方向に所定の間隔で複数設けられている。

0049

このような構成であると、冷却用流路141に導かれた冷媒は、壁147に設けられたインピンジメント冷却孔148を介して腹側翼壁部143の内面に向かって吹き付けられ、衝突冷却による強制対流冷却に供される。衝突冷却後の冷媒は、空隙部145内で拡散される。拡散された冷媒は最終的にスリット部146からシート状の膜噴流149となって翼外部へと流出する。

0050

このように、翼本体140の後縁部142を空隙部145によって腹側翼壁部143と背側翼壁部144とに区分し、高温となる腹側翼壁部143に対して複数のインピンジメント冷却孔148を介して冷媒を吹き付け、衝突冷却し、その後に膜噴流149で背側翼壁部144を冷却するようにしている。したがって、翼本体の後縁部に冷媒噴出し孔を翼本体の高さ方向に複数設けて対流冷却するようにしたものとは違って、少ない冷却媒体流量で効率よく冷却できる。すなわち、衝突冷却による熱伝達率増大とシート状の膜噴流149による良好なフィルム冷却とが行えるため、図4(b)に示すように、後縁部142における腹側翼壁部143及び背側翼壁部144の温度を低下させることができるとともに、これらの高さ方向の温度を均一化することが可能となる。また、噴き出し噴流の後流ウエーク幅も小さくなり、空気力学的損失も低く抑えることが可能となる。

0051

図5(a)には本発明の第5の実施形態に係る冷却流路付構造要素、ここにも本発明を冷却流路付ガスタービン翼100dに適用した例を局部的、特に先端部を取り出した縦断面図が示されている。

0052

翼本体150の内部で中央部には、冷媒を翼本体150の根元部から高さ方向の先端部近傍まで導く冷却用流路151と、この冷却用流路151に繋がるとともに後縁部側回りに折り返して冷媒を根元部へと導く冷却用流路152とが形成されている。なお、冷却用流路152を介して根元部まで導かれた冷媒は、ピンフィン153を有した後縁冷却用流路154を介して翼後縁155ら翼外に噴出される。上記構成から判るように、後縁冷却用流路154は、翼本体150の後縁端から前縁端側に向けて所定の深さ延びて翼本体150の後縁側を腹側翼壁部156(図5(b)参照)と、背側翼壁部157と、先端側翼壁部158とに区分する空隙部と同じ機能を果たしている。

0053

一方、冷却用流路152と後縁冷却用流路154とを仕切る仕切159の翼先端近傍位置には冷却用流路152を通流する冷媒の一部を先端側翼壁部158の内面に向けて噴き付けるインピンジメント冷却孔160が複数形成されている。

0054

このような構成であると、冷却用流路151,152,後縁冷却用流路154を冷媒が通流することによって対流冷却が行われる。このとき、冷媒の一部がインピンジメント冷却孔160を介して先端部翼壁部158の内面に向けて噴出し、この内面を衝突冷却によって強制対流冷却する。

0055

このような構成であると、冷媒流量の不足や冷媒温度の上昇に起因する、冷却性能低下を未然に防止でき、先端翼壁部158を効率よく冷却することが可能となる。また、この例のように、インピンジメント冷却孔160の噴き出し方向を種々の方向、つまり先端翼壁部158の内面側ばかりでなく、腹側翼壁部156や背側翼壁部157へも向けることによって、これらも良好に冷却することができる。

0056

なお、上述した各例は、本発明を冷却流路付ガスタービン翼に適用した例であるが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、ガスタービンシステムで用いられる燃焼器ライナや燃焼器尾筒等の冷却を必要とする構造要素にも適用できる。

発明の効果

0057

以上のように、本発明によれば、少ない冷媒量で、局所冷却効率を向上でき、しかも温度分布の均一化を実現できる。

図面の簡単な説明

0058

図1本発明の第1の実施形態に係るガスタービン翼を局部的に示す断面図
図2本発明の第2の実施形態に係るガスタービン翼を局部的に示す断面図
図3本発明の第3の実施形態に係るガスタービン翼を局部的に示す断面図
図4(a)は本発明の第4の実施形態に係るガスタービン翼を局部的に示す横断面図で、(b)は同翼における各部の温度分布等を示す図
図5(a)は本発明の第5の実施形態に係るガスタービン翼を局部的に示す縦断面図で、(b)は(a)におけるA−A線切断矢視図
図6内部に冷却用流路を備えた従来のガスタービン翼の縦断面図
図7同ガスタービン翼の横断面図

--

0059

100,100a、100b、100c、100d…ガスタービン翼
101,140,150…翼本体
102,102a,141,151,152…冷却用流路
106…隔壁
107,107a,108,109,109a…部分
110,131,148,160…インピンジメント冷却孔
111…流量調整で冷媒温度を制御する孔
112…膜冷却用の小孔
130…隔壁の一部を構成するインサートプレート
131…インピンジメント冷却用の孔
142…後縁部
143, 156…腹側翼壁部
144,157…背側翼壁部
145…空隙部
153…ピンフィン
154…後縁冷却用流路
159…仕切壁

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