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技術 脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 田中秀栄小松喜美菊池一郎新井学小平悟史
出願日 1997年12月29日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1997-369554
公開日 1999年7月21日 (21年5ヶ月経過) 公開番号 1999-193413
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 高炉休風 非定常的 マスバランス 時間配分 燐含有量 MgO濃度 焼石灰 平衡条件
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年7月21日)のものです。
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図面 (7)

課題

予め精錬容器溶銑脱燐精錬した後他の転炉において脱炭精錬を行って鋼を生産するに際して、脱燐精錬後の燐含有量を、脱炭精錬における溶鋼のP含有量の変化を考慮して所定のP含有量となるように精錬する。

解決手段

下記の工程を備えたことを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法である。

(a)精錬容器で、終点の燐含有量([P]fwt%)が式[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2([P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)Δ1:この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量による燐の増加量(wt%)、Δ2:取鍋における溶鋼の復燐量(wt%))に従うように溶銑を脱燐精錬し、

(b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行う。

概要

背景

伝統的転炉製鋼法においては、同一の転炉において溶銑脱燐精錬脱炭精錬とを行なって、製鋼作業を行っていた。しかし、近年の鋼材品質に対する要求が高くなる一方、連続鋳造の拡大や、真空脱ガス取鍋精錬等の溶鋼二次精錬が普及するに伴い、転炉における出鋼温度が上昇し、転炉に於ける脱燐能力が低下してきた。この理由は、脱燐反応高温ほど不利に進行するからである。

そこで、転炉に装入する溶銑を予め処理して、特に燐成分をある程度除去してから転炉に装入する溶銑予備処理法が発展してきた。この方法は例えば、溶銑鍋又は一の転炉等の精錬容器において溶銑の脱燐精錬を行ない、この脱燐された溶銑を他の転炉に移動して脱炭精錬を行なう製鋼方法である。

かかる技術として、特開平2−200715号公報、特公平2−14404号公報、特公昭61−23243号公報の提案がある。また、本願の発明者も既に従来の製鋼工場改造し、復数の転炉のそれぞれの炉前作業床に作業床開口部を設け、一の転炉で溶銑の脱燐精錬をした溶湯受湯に受け、この受湯鍋を前記作業床開口部を通して他の一の転炉に運搬し、この転炉に装入し、ここで脱炭精錬を行なう精錬方法を開発している(特開平6−41624号公報)。

上記製鋼方法において、一の転炉等における脱燐精錬において終点のP含有量を通常の粗鋼成分のP含有量(所謂鋼の成分規格値、通常0.02wt%以下)まで精錬し、他の転炉において実質的に脱炭精錬を行なうと、この脱炭精錬においてマンガン鉱石を装入することが可能となり、より経済的に鋼の生産が可能となった。

概要

予め精錬容器で溶銑を脱燐精錬した後他の転炉において脱炭精錬を行って鋼を生産するに際して、脱燐精錬後の燐含有量を、脱炭精錬における溶鋼のP含有量の変化を考慮して所定のP含有量となるように精錬する。

下記の工程を備えたことを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法である。

(a)精錬容器で、終点の燐含有量([P]fwt%)が式[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2([P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)Δ1:この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量による燐の増加量(wt%)、Δ2:取鍋における溶鋼の復燐量(wt%))に従うように溶銑を脱燐精錬し、

(b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行う。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

下記の工程を備えたことを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法。(a)精錬容器で、終点燐含有量([P]fwt%)が下式(1) に従うように溶銑脱燐精錬し、[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2−−−(1)ここで、[P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)Δ1:この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量による燐の増加量(wt%)、Δ2:取鍋における溶鋼の復燐量(wt%)(b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行う。

請求項2

前記[P]fwt%が、式(1)に代えて下式(2)に従うように脱燐精錬することを特徴とする請求項1記載の脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法。[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2−Δ3−−(2)ここで、Δ3: 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記転炉に混入することによる溶鋼の燐増加量(wt%)

請求項3

前記取鍋における溶鋼の復燐量( Δ2)は、取鍋におけるスラグからの復燐量及び添加する合金鉄からの復燐量の合計量であることを特徴とする請求項1又は2記載の脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法。

請求項4

前記脱燐精錬を行う精錬容器が転炉であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法。

技術分野

0001

本発明は、予め転炉等の精錬容器において溶銑脱燐精錬を行い、この脱燐精錬された溶銑を他の転炉において脱炭精錬を行い、鋼を生産するに際して、脱燐精錬後の燐(以下、Pとも記載する)含有量を、脱炭精錬における溶鋼のP含有量の変化を脱燐精錬にフィードフォワードして所定のP含有量となるように精錬する方法に関する。

背景技術

0002

伝統的転炉製鋼法においては、同一の転炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行なって、製鋼作業を行っていた。しかし、近年の鋼材品質に対する要求が高くなる一方、連続鋳造の拡大や、真空脱ガス取鍋精錬等の溶鋼の二次精錬が普及するに伴い、転炉における出鋼温度が上昇し、転炉に於ける脱燐能力が低下してきた。この理由は、脱燐反応高温ほど不利に進行するからである。

0003

そこで、転炉に装入する溶銑を予め処理して、特に燐成分をある程度除去してから転炉に装入する溶銑予備処理法が発展してきた。この方法は例えば、溶銑鍋又は一の転炉等の精錬容器において溶銑の脱燐精錬を行ない、この脱燐された溶銑を他の転炉に移動して脱炭精錬を行なう製鋼方法である。

0004

かかる技術として、特開平2−200715号公報、特公平2−14404号公報、特公昭61−23243号公報の提案がある。また、本願の発明者も既に従来の製鋼工場改造し、復数の転炉のそれぞれの炉前作業床に作業床開口部を設け、一の転炉で溶銑の脱燐精錬をした溶湯受湯に受け、この受湯鍋を前記作業床開口部を通して他の一の転炉に運搬し、この転炉に装入し、ここで脱炭精錬を行なう精錬方法を開発している(特開平6−41624号公報)。

0005

上記製鋼方法において、一の転炉等における脱燐精錬において終点のP含有量を通常の粗鋼成分のP含有量(所謂鋼の成分規格値、通常0.02wt%以下)まで精錬し、他の転炉において実質的に脱炭精錬を行なうと、この脱炭精錬においてマンガン鉱石を装入することが可能となり、より経済的に鋼の生産が可能となった。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、転炉等の精錬容器において脱燐精錬し、終点のP含有量を粗鋼成分のP含有量(所謂鋼の成分規格値、通常0.02wt%以下)まで精錬し、転炉において脱炭精錬すると、溶鋼中のPが種々の原因により変動し、脱炭精錬における終点のP含有量が粗鋼成分のP含有量(所謂鋼の成分規格値)を超える場合があり、問題となる。

0007

上記原因としては、この溶銑を脱炭精錬する転炉における、先行する脱炭精錬における終点の溶鋼中の燐及び転炉炉内残留したスラグからの燐のピックアップ及び取鍋における流出スラグからの復燐等がある。そこで、上記原因による復燐の量を予め考慮して、所定のP含有量となるように、脱燐精錬を制御することが必要になる。

課題を解決するための手段

0008

上記課題について種々研究した結果、下記の発明をするに至った。第1の本発明は、下記の工程を備えたことを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法である。
(a)精錬容器において、溶銑の終点の燐含有量([P]fwt%)が下式(1) に従うように脱燐精錬し、
[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2---(1)
ここで、[P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)
Δ1:この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬後の炉内に残留するスラグ量による燐の増加量(wt%)、
Δ2:取鍋における溶鋼の復燐量(wt%)
(b)前記脱燐精錬された溶銑を転炉に装入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行う。

0009

更に、第2の発明は、前記[P]fwt%が、式(1)に代えて下式(2)に従うように脱燐精錬された脱燐溶銑を使用することを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼である。
[P]fwt%≦[P]k wt%−Δ1−Δ2−Δ3--(2)
ここで、Δ3: 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記転炉に混入することによる増加量(wt%)

0010

第3の発明は、上記取鍋における溶鋼の復燐量( Δ2)は、取鍋におけるスラグからの復燐量及び添加する合金鉄からの復燐量の合計量とすることを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法である。

0011

第4の発明は、前記脱燐精錬を行う精錬容器が転炉であることを特徴とする脱燐溶銑を使用する転炉製鋼方法。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、精錬容器である転炉における溶銑の脱燐精錬を図5において説明する。図5は溶銑340tonの転炉2における溶銑4の脱燐精錬の状況を概念的に示す。溶銑装入後、ランス12から酸素を吹錬し、所定量の焼石灰等を装入し、CaO、SiO2 、FeO等を主成分とするスラグ6を生成させ、溶銑から燐を除去する。溶銑の脱燐精錬が終了すると倒炉して出鋼口8を介して溶銑取鍋に出湯を行う。

0013

本発明前の溶銑の脱燐精錬の概要図6に示す。スクラップ装入に続いて[Si]が0.3から0.5wt%の溶銑340tonを装入後、造滓材としての焼石灰(6ton/ch),ホタル石(0.6ton/ch)、場合により生ドロマイト等を装入しながら、酸素吹錬を約13分間行う。その後、溶銑とスラグの分離を行うためリンスを3分間程度行い、スラグフォーミング鎮静化のため約4分を待ち、その後出湯する。図に示すように脱燐精錬時間は約36分である。

0014

本発明の前提となる脱燐精錬を説明すると以下の通りである。340ton転炉における脱燐精錬の概要を図1に、また精錬時間配分図3に示す。本発明では望ましくは0.3wt%以下の溶銑を使用すると安定して低燐溶銑が得られ、更にスラグフォーミングが少ないという効果もある。

0015

非定常的操業高炉休風後等)ではSiが0.3wt%を超えることがあるが、このような場合には溶銑鍋等で予め脱珪素を行うことが望ましい。なお、本発明においては必ずしもSiが0.3wt%以下であることは必須の条件ではない。

0016

本発明の前提となる精錬においては、望ましくは、Si0.3wt%以下の溶銑を使用するため、スラグ量は20〜40kg/tonで(後述する図4参照)、図3に示すように精錬中におけるスラグフォーミングも少ないので鎮静時間をほとんど要せず、また出鋼後の排滓時間は1分程度である。そこで、図1に示すように脱燐精錬時間は29分となり、脱炭精錬時間と同程度である。

0017

また、溶銑Siが低いと略同一の塩基度で、より少ないスラグ量で脱燐精錬を行っているにもかかわらず、本発明の前提となる脱燐精錬においてはPが通常粗鋼で要求されている(規格値)0.02wt%以下に精錬される。スラグ量が少ないために円滑なスラグ生成が行われたためと推定される。この為脱炭精錬においてはPを精錬する必要がない。

0018

また、溶銑のSiが少ないと通常の脱燐精錬においては溶銑中のPがスラグ中のFeOと反応してスラグに吸収される。そこで、脱燐精錬を促進するためにはスラグ中のFeO濃度を高くする。このため、吹錬中に鉄鉱石或いはミルスケールを装入する(図1参照)。上記は転炉における脱燐精錬の例を述べたが、本発明においては転炉における脱燐精錬に限定されず、取鍋における脱燐精錬を行ってもよい。

0019

次に、図2に脱炭精錬の状況を示す。この精錬においては主に脱炭精錬を目的とするため、吹錬する酸素量を多くする。溶銑のP含有量は少なくとも規格値(0.02wt%)以下となっているため、従来使用している焼石灰等の造滓材は原則として装入しない。

0020

従って、上記脱炭精錬においてはスラグの増加は少ないが、溶銑装入に先立ち軽焼ドロマイト等を炉体寿命延長のために装入することがあるので、スラグ量がある程度増加することがある。このような場合には必要に応じて炉内スラグを排出する。その結果、炉内に生成するスラグ量は後述する図4に示すように10〜30kg/tonと少ない。しかも、出鋼後において原則として炉内に残留させるため排出するスラグ量は従来(25〜35kg/ton)と比較し大きく減少する。

0021

次に、本発明の前提となる脱炭精錬においてマンガン鉱石(例えば、Mn約50wt%,Fe約10wt%以下,SiO2 約10wt%以下)を可能な範囲で装入する。高炉溶銑Mn含有量は通常0.2〜0.3wt%であり、脱燐精錬された溶銑のMn含有量は、通常0.05〜0.15wt%である。そこで、マンガン鉱石を精錬中に添加すると効率よく還元され、溶鋼のMn含有量を最大、粗鋼のMn含有量の上限値まで高めることができ、より経済的に製鋼作業が可能となる。

0022

更に、本発明の前提となる精錬では、脱燐溶銑を脱炭精錬炉に装入するに先立ち予め軽焼ドロマイト及び/又は生ドロマイトを添加すると、脱炭精錬中において十分スラグに溶解し、MgO濃度を高める作用がある。このようなスラグはスラグ自体がMgOを溶解度限まで含有しているため、炉体煉瓦損耗を抑制し、炉体寿命延長させる効果がある。

0023

以上が本発明の前提となる脱燐精錬と脱炭精錬の概要である。所で、脱燐精錬における終点のP含有量は、転炉における脱炭精錬において下記の原因により変化する。
(1)この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬の残留スラグからの復燐
(2)取鍋における復燐
(3)更に、脱燐精錬において発生したスラグが脱炭精錬炉に混入することによる復燐

0024

以下、順にこれらの影響を考察する。以下の考察に次の記号を使用する。
[P]fwt%:精錬容器における脱燐精錬の終点の燐含有量
[P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)
Δ1: この溶銑を脱炭精錬する転炉における先行する脱炭精錬の炉内に残留したスラグによる燐の増加量
Δ2:取鍋における復燐量
Δ3: 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記脱炭精錬する転炉に混入することによる復燐量

0025

Y0 kg/ton:先行する脱炭精錬における脱炭炉に残留するスラグ量
[P]0 wt% :上記終点のP含有量
(P)0 wt% :上記スラグのP含有量
X1 ton :脱燐溶銑の転炉への装入量
[P]1 wt% :脱燐溶銑のP含有量
(P)1 wt% :脱燐精錬スラグのP含有量
X2 ton :脱炭炉の終点の溶鋼量
Y2 kg/ton: 脱炭炉の終点のスラグ量
[P]2 wt% : 脱炭炉の終点の溶鋼のP含有量
(P)2 wt% : 脱炭炉の終点のスラグのP含有量

0026

脱燐平衡条件は、(P)0 /[P]0 = k( 約200)、(P)2 /[P]2= k( 約200)、脱炭精錬における燐のマスバランスは、
入り側=1000*X1 *[P]1 /100+ X1 *Y0 * (P)0 /100
出側 =1000*X2 *[P]2 /100+ X2 *Y2 *(P)2 /100
ここで*は乗算を意味する。現実の操業においては、X1 はX2 と実質的に同量である。そこで、
[P]2 = ( 1000*[P]1+Y0 *k*[P]0 ) /( 1000 +Y2 *k)

0027

ここで、Y2 = 30kg/ton ,Y0 = 15kg/ton, k= 200の場合は、
[P]2 = (0.14*[P]1 + 0.42*[P]0 )
例えば、[P]1 = 0.1wt%で、[P]0 = 0.010wt%, 0.015wt%, 0.020wt%で、kが一定であれば、それぞれ、[P]2 = 0.018wt%, 0.020wt%, 0.022wt%となる。なお、Y2 が0の場合には、[P]2 = 0.014wt%である。

0028

以上の計算から明らかなように、脱炭炉に残留スラグがない場合には、[P]2 = 0.014wt%であり、残留スラグが15kg/tonである場合には[P]2 は大きな影響を受ける。この例において、例えば、[P]k wt%=0.020wt%の場合には、[P]fwt%は0.016wt%以下, 0.014wt%以下,0.012wt%以下となる。即ち、Δ1= 0.004wt%、0.006wt%、0.008wt%である。即ち、脱燐精錬においては少なくともΔ1に相当する量だけ低めに脱燐精錬する必要がある。

0029

Δ2:溶鋼の取鍋における復燐量は、取鍋内に転炉から流出したスラグ組成、量、鋳造までの時間、出鋼時に添加した保温材の種類と量等の影響により変化するので、予め計算することはできないが、上記工程が一定である場合には経験的に予想することができる。経験上、Δ2は0.002wt%以下である。

0030

Δ3: 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記転炉に混入することによる復燐量であるが、予め推定することが困難である。しかし、一定の作業においては経験上0.002wt%以下である。

0031

以上の点を予め考慮して[P]fwt%を定めて脱燐精錬容器として転炉を用いて脱燐精錬を行い、他の転炉において焼石灰等の造滓材を添加せず約50チャージを脱炭精錬した。比較として、脱燐精錬の終点においてP含有量は0.03から0.04wt%とし、脱炭精錬において更に脱燐精錬も行う精錬を行い約50チャージ行った。その結果を図4に示す。

0032

本発明においては脱燐精錬において脱炭精錬における復燐量(0.002から0.004wt%)を考慮して規格値(通常0.020wt%以下)よりも低めに脱燐精錬し、その溶銑を脱炭精錬した。その結果、粗鋼のP含有量はいずれの場合も規格値(通常0.020wt%以下)を満足することができた。 しかし、従来の脱炭精錬においては、焼石灰を溶銑1t当たり約16kg装入しないと終点のP含有量を規格値(通常0.020wt%以下)以下とすることができなかった。

発明の効果

0033

本発明においては、転炉等の精錬容器で溶銑の燐含有量を少なくとも、脱炭精錬におけるP含有量の変化を推定し、粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)を考慮したP含有量以下に精錬し、この溶銑を転炉に装入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行うことができる。従って、脱炭精錬を行う転炉において、マンガン鉱石を装入し、粗鋼で要求されているMn規格値の上限以内においてMn含有量を高めることが可能となり、極めて経済的な製鋼方法が実現できる。また、この製鋼方法は発生するスラグを最小に抑えることができるので、省資源の効果もある。よって本発明の産業上の効果は著しい。

図面の簡単な説明

0034

図1本発明における脱燐精錬工程を示す図である。
図2本発明における脱炭精錬工程を示す図である。
図3本発明における溶銑の脱燐精錬時間を従来例(比較例)と共に示す図である。
図4本発明と従来例(比較例)における溶銑及び溶鋼の成分組成の変化を示す図である。
図5転炉における精錬反応の状況を示す図である。
図6従来の転炉における溶銑の脱燐精錬の状況を示す図である。

--

0035

転炉型精錬容器
4溶銑
6スラグ
8 出鋼口
10炉口
12 ランス

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