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技術 汚泥の嫌気性消化方法

出願人 田代榮一
発明者 菅原正孝田代榮一
出願日 1998年9月28日 (21年1ヶ月経過) 出願番号 1998-291546
公開日 1999年7月21日 (20年3ヶ月経過) 公開番号 1999-192500
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 汚泥処理
主要キーワード 運転エネルギー 反応促進作用 フィトステリン 動力コスト 酸性発酵 ストレス緩和作用 メタン含有量 シャボン
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この項目の情報は公開日時点(1999年7月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

下水処理場屎尿処理場等で発生する汚泥の大量消化を、効率良く行なう。

解決手段

汚泥の嫌気性消化工程中にシャボンの木の抽出液を添加することにより処理を効率化する場合において、消化に供する汚泥の濃縮度合いに応じて、シャボンの木の抽出液濃度を増減させる。

概要

背景

下水処理場屎尿処理場等に流入する排水や屎尿は、最終的に処理水汚泥に分離され、処理水は河川等に放流される。一方汚泥は、脱水焼却埋め立て処分されることもあるが、未だ多くの有機物を含有しているので脱水後の容積を減少させるために、汚泥消化槽等で嫌気性細菌により分解してBOD成分を減少させ、その後に脱水して焼却や埋め立てされる場合が多い。これに対し、生屎尿の場合は、BOD成分が1万ppm 以上も含まれているので、これを嫌気性消化してBOD成分を減少させてから曝気槽に送ることが一部で行なわれている。

以下、主として下水処理場で発生する汚泥の消化について説明する。嫌気性消化とは、上記したように汚泥或いは生屎尿中の有機物を嫌気性細菌や微生物の働きによって、酵素触媒として、酸性発酵期、酸性減退期アルカリ性発酵期の3段階を経て分解することを言う。この有機物分解を消化と言い、は主として糖類、溶解性澱粉繊維素、溶解性窒素化合物が分解し、有機酸硫化水素、大量の炭酸ガス窒素及び重炭酸塩を生成し、pHは6.8〜5.1程度まで低下する。の段階では、窒素化合物が分解し、酸度が減少するとともにアンモニア性窒素が増加し、pHが6.6〜6.8程度まで上昇する。の段階では、主として蛋白質アミノ酸、油脂等の難分解質が分解し、pHが上昇して7.0〜7.4程度に達し、ガス中メタン含有量が多くなり、汚泥は安定した粗粒となる。最終ガス発生量の90%のガスが発生するまでの汚泥消化に要する日数は、消化温度によって異なる。消化温度が40℃以下を中温消化帯、40℃以上を高温消化帯と言い、両者の差異は主として消化に与かる嫌気性菌や微生物の違いによる。

概要

下水処理場や屎尿処理場等で発生する汚泥の大量消化を、効率良く行なう。

汚泥の嫌気性消化工程中にシャボンの木の抽出液を添加することにより処理を効率化する場合において、消化に供する汚泥の濃縮度合いに応じて、シャボンの木の抽出液濃度を増減させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

汚泥嫌気性消化工程中にシャボンの木の抽出液を添加する場合において、消化に供する汚泥の濃縮度に応じてシャボンの木の抽出液濃度を増加させることを特徴とする、汚泥の嫌気性消化方法

請求項2

シャボンの木の抽出液とともに、スギナの抽出液を添加するものである、請求項1記載の汚泥の嫌気性消化方法。

技術分野

0001

本発明は、下水処理場屎尿処理場等で発生する汚泥や、屎尿処理場へ搬入される生屎尿消化を促進させる方法に係わり、濃縮汚泥嫌気性消化処理する場合に、シャボンの木の抽出液、或いはシャボンの木の抽出液とスギナ抽出液濃度を濃縮度に応じて増加させるものに関する。

背景技術

0002

下水処理場や屎尿処理場等に流入する排水や屎尿は、最終的に処理水と汚泥に分離され、処理水は河川等に放流される。一方汚泥は、脱水焼却埋め立て処分されることもあるが、未だ多くの有機物を含有しているので脱水後の容積を減少させるために、汚泥消化槽等で嫌気性細菌により分解してBOD成分を減少させ、その後に脱水して焼却や埋め立てされる場合が多い。これに対し、生屎尿の場合は、BOD成分が1万ppm 以上も含まれているので、これを嫌気性消化してBOD成分を減少させてから曝気槽に送ることが一部で行なわれている。

0003

以下、主として下水処理場で発生する汚泥の消化について説明する。嫌気性消化とは、上記したように汚泥或いは生屎尿中の有機物を嫌気性細菌や微生物の働きによって、酵素触媒として、酸性発酵期、酸性減退期アルカリ性発酵期の3段階を経て分解することを言う。この有機物分解を消化と言い、は主として糖類、溶解性澱粉繊維素、溶解性窒素化合物が分解し、有機酸硫化水素、大量の炭酸ガス窒素及び重炭酸塩を生成し、pHは6.8〜5.1程度まで低下する。の段階では、窒素化合物が分解し、酸度が減少するとともにアンモニア性窒素が増加し、pHが6.6〜6.8程度まで上昇する。の段階では、主として蛋白質アミノ酸、油脂等の難分解質が分解し、pHが上昇して7.0〜7.4程度に達し、ガス中メタン含有量が多くなり、汚泥は安定した粗粒となる。最終ガス発生量の90%のガスが発生するまでの汚泥消化に要する日数は、消化温度によって異なる。消化温度が40℃以下を中温消化帯、40℃以上を高温消化帯と言い、両者の差異は主として消化に与かる嫌気性菌や微生物の違いによる。

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、嫌気性細菌は好気性細菌と異なり有機物分解速度が極めて遅く、消化には数十日(設計では50日、現実は35日程度)を要する。一方、発生する汚泥量は極めて多く、下水道の場合、1万人規模で10〜20m3 /日、100万人規模の都市では2000〜4000m3 /日も発生すると言われている。従って、汚泥を完全に消化するには、極めて大型の消化槽を多数必要とする。現在、消化効率の良い卵型消化槽が開発され、また40℃以上に加温する高温消化法が採用されるなど種々改良が加えられているが、改良は頭打ちの状態にある。

0005

この問題に対して、本発明者らは、シャボンの木の抽出液を汚泥等に添加することにより、嫌気性細菌や微生物の活性を向上させて消化効率を向上させることに成功した。ただ、シャボンの木の抽出液は添加濃度によっては反応を逆に阻害する傾向にある。また、その添加によっても汚泥の物性はあまり変化は見られなかいばかりが、逆に粘度が増大して攪拌に要する動力コスト増をもたらした。

課題を解決するための手段

0006

そこで、本発明者らは更に研究を続け、消化効率を向上させるための適性なシャボンの木の抽出液の添加濃度を明らかにするとともに、スギナ抽出液を加えることにより汚泥の物性を変化させて汚泥の攪拌に要する動力の低減を図ることに成功した。

0007

キラヤサポニンは、トルノイサポニン一種で、シャボンの木をアルコールで抽出したものに約2%(天然サポニンとして約4%)含まれている。この抽出液には、20%程度の糖類と1%強の粗蛋白が含まれている。キラヤサポニンは、その生理活性により、微生物の反応促進作用ストレス緩和作用を示すとともに、油脂分解作用酸素溶解効率向上効果をもたらす。尚、好気処理では、排水の2%程度の添加で十分な効果が生じている。これは、好気処理には極めて重要なことである。一方、嫌気処理では、酸素溶解は不要であるし、汚泥中には油脂分も少ない。結局、キラヤサポニンの生理活性作用が重要と思われる。しかし、サポニンは抗菌作用を有している。従って、あまり高濃度だと、逆に細菌の活性を削ぐおそれがある。

0008

本発明者らの研究の結果、通常の汚泥(BODが約5,000〜1.5万ppm )の場合には、シャボンの木の抽出液(キラヤサポニン2%含有物、以下同じ)を20ppm 以上加えると阻害効果発現し、10ppm 程度が最も望ましいが、汚泥濃度が2.7倍程度の濃縮汚泥では、20ppm 程度が最も望ましく、25ppm になると阻害効果が現出してくる。

0009

ここで、望ましいとは、ガス発生量がピークになることを言い、濃度が必要以上に高くなると、ガス発生量は無添加の場合と同様或いはそれ以下になる。汚泥の性状や微BOD濃度に応じたシャボンの木の抽出液の添加が望まれる。

0010

このように、濃縮汚泥が問題になるのは、大量に流入する汚泥の処理に対応するために、予め下水汚泥遠心濃縮機によって高濃度に濃縮したものを使用する施設があることによる。

0011

一方、スギナを水、アルコール或いはその混合物で抽出した液を、シャボンの木の抽出液とともに少量添加したところ、消化時に発生するガス量が更に増加した。スギナは、トクサ科の緑性シダの一種の栄養(土はその胞子茎)であり、各地の原野道端に普通に見られるありふれた植物であり、又ずば抜けた繁殖力を示す。このスギナは、無水珪酸の他、エキセトニン(サポニンの一種)、エキセチンアルカロイドの一種)、フラノボイドビタミンC脂肪フィトステリンを含み、煎じて民間薬として広く利用されている。

0012

本発明では、スギナをアルコールと水の混合溶媒加熱抽出した抽出液を使用した。このスギナ抽出液(全量中、アルコール9.8%、水約62%)には、スギナサポニン(エキセトニン)が約0.5%(天然サポニンとして約1%)、粗蛋白1.3%、糖分が4.1%、灰分が4.3%含まれている。灰分の大部分は、シリカである。スギナの場合、サポニンや糖分の含有率はシャボンの木に比べて低いが、粗蛋白は同等以上含まれている。従って、スギナの抽出液は、シャボンの木の抽出液とほぼ同等の消化促進効果を示す。

0013

このスギナ抽出液は、ガス発生量の増大とともに、各種の物性値、殊に粘度の低減に大きな効果を示す。即ち、汚泥にシャボンの木の抽出液を添加すると、特に濃縮汚泥の場合には、嫌気処理後の汚泥濃度がシャボンの木抽出液が無添加の場合に比べて大幅に増大し、攪拌の動力コストを増大させる。ところが、スギナを加えると、シャボンの木の抽出液無添加の場合よりも粘度が低くなる。

0014

(実施例 1)以下、本発明を実施例により詳細に説明する。容量5L(リットル、以下同じ)の実験用嫌気性消化槽に、下水処理場から採取した生汚泥を2.7倍に濃縮した濃縮汚泥0.8Lと消化槽から採取した消化汚泥3.2Lを投入し、37℃に保って時々攪拌した。尚、これに上記のシャボンの木の抽出液を、汚泥全量に対してそれぞれ10mg/L、20mg/L、25mg/L加えたものと無添加のものについて、発生するガス発生量を28日間測定し、加積量を求めた。その結果、図1に示すように、20mg/Lのものは2日程度で加積量が15Lを越え、約10日で20Lを越え、22L程度で増加が見られなくなった。また、10mg/Lの場合、3日目に10Lを越えその後余り増加せずに12L程度で増加しなくなった。これに対し、無添加の場合と25mg/Lの場合には、ガス発生量は約4割程度にすぎなかった。25mg/L添加の場合、サポニン濃度が高すぎて、ガス発生を阻害したものと考えられる。即ち、2.7倍の濃縮汚泥の場合には、ガス発生量がピークになる濃度が、約2倍になっている。尚、この場合10mg/L添加の加積量は20mg/L添加の加積量に追いつかない。このことは、サポニンの役割が嫌気性消化速度を早めるのではなく、分解できる範囲を広げていると見ることができる。

0015

尚、上記消化汚泥からのガス発生量は0である。従って、生汚泥の濃縮度が1.5倍の時は、シャボンの木の抽出液を15ppm 前後、濃縮度が2倍の時はシャボンの木の抽出液を約17ppm 前後の添加で、ガス発生量がピークになることになる。また、発生ガス中のメタンガスの割合は、無添加の場合は約60%であるが、シャボンの木の抽出液を添加した場合は約70%になる。従って、回収した発生ガスを燃料にした場合の総発熱量は、シャボンの木の抽出液を添加した場合の方が遙かに大きくなる。

0016

一方、28日経過後に各処理汚泥の粘度(mPa・秒)を測定したところ、10mg/L添加で16,200、20mg/L添加で13,000、25mg/L添加で14,400に対し、無添加では2,800と大きな差がでた。この原因は今のところ不明である。尚、本例で使用した濃縮汚泥の性状は、以下の表1の通りである。
表 1
分析項目濃縮汚泥消化汚泥
pH 5.52 7.29
アルカリ640 4,390
TS (%) 4.89 2.40
VTS (%) 0.85 0.87
SS(mg/L) 50,350 24,100
VSS(mg/L) 8,750 8,500
BOD(mg/L) 24,000 10,400
COD(mg/L) 11,000 7,000
TOC(mg/L) 1,580 630
T−P(mg/L) 60 110
T−N(mg/L) 200 710
CST(mg/L) 1,895 3,238

0017

(実施例 2)実施例1と同様に、容量5Lの実験用嫌気性消化槽を2組用意し、これに、下水処理場から採取した生汚泥を2.7倍に濃縮した濃縮汚泥0.72Lと消化槽から採取した消化汚泥2.88Lの合計3.6Lを投入し、37℃に保って時々攪拌した。尚、一方の消化槽には、シャボンの木の抽出液とスギナ抽出液を2対1の割合で混合した添加物を、10mg/Lの割合で添加し、他の消化槽には何も加えなかった。10mg/L添加のものは、ガス加積量が10日で9L、15日で12L、25日で14Lになったのに対し、無添加では10日で2L:20日で2.5L30日で約4Lに過ぎなかった。この結果を、実施例1の場合と比較すると、使用した濃縮汚泥の量は実施例2の方が少なく、またシャボンの木の抽出液の添加量も少ないのにガス加積量は多くなっている。しかも、本例の場合、消化終了後の処理汚泥の粘度は、10mg/L添加が960mPa・秒であるのに対し、無添加では980と僅かながらも添加の方が低い値となった。

0018

尚、本例で使用した濃縮汚泥の性状は、以下の表2の通りである。
表 2
分析項目濃縮汚泥消化汚泥
pH 5.24 7.27
総アルカリ200 4,820
TS (%) 4.59 2.83
VTS (%) 1.07 1.52
SS(mg/L) 45,100 26,700
VSS(mg/L) 7,700 9,500
BOD(mg/L) 26,910 9,230
COD(mg/L) 25,000 12,150
TOC(mg/L) 2,100 639
T−P(mg/L) 60 110
T−N(mg/L) 230 900
CST(mg/L) 1,730 3,900

発明の効果

0019

以上詳述したように、本発明の汚泥の嫌気性消化方法は、汚泥を濃縮した状態で嫌気性消化する場合において、シャボンの木の抽出液、或いはシャボンの木の抽出液とスギナ抽出液の濃度を、濃縮度に応じて増加させるものである。

0020

そのため、消化時に発生するメタンガス量が無添加の場合に比べて倍以上も増加し、消化が大幅に促進されたことが判る。また、スギナを添加したものにあっては、シャボンの木の抽出液が少なくて済むしシャボンの木の抽出液添加による処理汚泥の粘度の低下不足も解消され、攪拌の運転エネルギーの低減が図れる。しかも、消化槽その他の装置及び処理操作は従来と全く同じであり、コストは添加剤のみであり、トータル処理費用は大幅に減少するなど、多くの利点がある。

図面の簡単な説明

0021

図1シャボンの木の抽出液添加量の違いによる、ガス発生の変化を示すグラフである。

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