図面 (/)

技術 小片状加熱瀝青質用添加剤

出願人 花王株式会社
発明者 富岡慶一郎玉置良市磯部和雄
出願日 1997年12月25日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1997-356900
公開日 1999年7月6日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 1999-181293
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 ポリエーテル
主要キーワード 粉塵飛散性 酸性有機リン化合物 剥離防止性 石油缶 剥離抵抗性 微風状態 ポリエチレン製ボトル 石英斑岩
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年7月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

剥離防止性が優れており、取り扱いが容易で安全性の高い小片状加熱瀝青質用添加剤を得る。

解決手段

一般式:[RO(CaHaO)b]c-P(=O)-(OH)d(式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキル基を有するアルキルフェニル基を示し、aは2〜4の数を示し、bは0〜10の数を示し、cは1又は2を示し、dは1又は2を示し、cとdはc+d=3の関係を満たす数を示す)で表される酸性有機リン酸エステル化合物を含有する、常温固体表面積が3〜300cm2/gのものである小片状加熱瀝青質用添加剤。小片状であるため取り扱いが容易で、溶融瀝青質への溶解性もよいため、作業が容易となる。

概要

背景

原油又は石炭から得られるアスファルトタールピッチのような瀝青質は、道路舗装材料ルーフィング材料、防水材料等に使用されるが、その中でも特に道路舗装材料としての需要が大きい。アスファルト道路舗装に際しては、骨材とアスファルトを加熱混合して施工するが、無極性疎水性のアスファルトは親水性の骨材との付着性が充分ではなく、降雨地下水等の水との接触により、アスファルトと骨材とが剥離するという性質を潜在的に有している。よって、アスファルトによる道路舗装の性能向上の要請のため、アスファルト等の瀝青質と骨材との剥離防止性を改善するための提案が色々となされてきている。

例えば特開昭49−34519号公報には、アスファルトに高級脂肪族ポリアミンやその誘導体を配合する方法が提案され、特開昭57−51745号公報には、シラン化合物を添加して剥離防止性を改善する方法が提案され、特開昭51−149312号公報には、五酸化二リンポリリン酸五硫化リン等のリン化合物からなるアスファルト改質用添加剤が提案されている。しかし、これらの技術は、剥離防止効果が不十分であったり、取り扱い時の安全性や作業性に問題があったりするため、満足できるものではない。

また、USP2693425には、特定の物理的性質を有する結合剤と5価のリン原子を含む酸性有機リン化合物からなるアスファルト組成物が提案されている。しかし、このアスファルト組成物は、剥離防止性の改善とともに取り扱い時の安全性や作業性も改善するという点においては、実用上不十分であり、やはり満足できるものではない。

概要

剥離防止性が優れており、取り扱いが容易で安全性の高い小片状加熱瀝青質用添加剤を得る。

一般式:[RO(CaHaO)b]c-P(=O)-(OH)d(式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキル基を有するアルキルフェニル基を示し、aは2〜4の数を示し、bは0〜10の数を示し、cは1又は2を示し、dは1又は2を示し、cとdはc+d=3の関係を満たす数を示す)で表される酸性有機リン酸エステル化合物を含有する、常温固体表面積が3〜300cm2/gのものである小片状加熱瀝青質用添加剤。小片状であるため取り扱いが容易で、溶融瀝青質への溶解性もよいため、作業が容易となる。

目的

本発明は、作業時における取り扱い性及び安全性が優れ、保存安定性も優れており、瀝青質と骨材に対して優れた剥離防止効果を付与することができる小片状加熱瀝青質用添加剤を提供することを目的とする。また、本発明は、小片状加熱瀝青質用添加剤を用いた、優れた剥離防止性を有する加熱瀝青質組成物の製造方法を提供することを他の目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、炭素数8〜26のアルキルフェノール又はこれらのアルキレンオキシド付加物酸性有機リン酸エステル化合物を含有する、常温固体比表面積が3〜300cm2/gのものであることを特徴とする小片状加熱瀝青質用添加剤

請求項2

酸性有機リン酸エステル化合物が、下記の一般式(I):[RO(CaH2aO)b]c-P(=O)-(OH)d (I)(式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキルフェニル基を示し、aは2〜4の数を示し、bは0〜10の数を示し、cは1又は2を示し、dは1又は2を示し、cとdはc+d=3の関係を満たす数を示す)で表されるものである請求項1記載の小片状加熱瀝青質用添加剤。

請求項3

酸性有機リン酸エステル化合物の融点が、40〜170℃である請求項1又は2記載の小片状加熱瀝青質用添加剤。

請求項4

熱溶融状態の瀝青質と請求項1、2又は3記載の小片状加熱瀝青質用添加剤とを混合することを特徴とする加熱瀝青質組成物の製造方法。

請求項5

瀝青質がJIS K2207で規定する25℃における針入度が10〜400である請求項4記載の加熱瀝青質組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、小片状であるため作業時における取り扱いが非常に容易でかつ安全性が高く、しかも優れた剥離防止効果を付与することができる小片状加熱瀝青質用添加剤に関する。また、本発明は、小片状加熱瀝青質用添加剤を用いた加熱瀝青質組成物の製造方法に関する。

背景技術

0002

原油又は石炭から得られるアスファルトタールピッチのような瀝青質は、道路舗装材料ルーフィング材料、防水材料等に使用されるが、その中でも特に道路舗装材料としての需要が大きい。アスファルト道路舗装に際しては、骨材とアスファルトを加熱混合して施工するが、無極性疎水性のアスファルトは親水性の骨材との付着性が充分ではなく、降雨地下水等の水との接触により、アスファルトと骨材とが剥離するという性質を潜在的に有している。よって、アスファルトによる道路舗装の性能向上の要請のため、アスファルト等の瀝青質と骨材との剥離防止性を改善するための提案が色々となされてきている。

0003

例えば特開昭49−34519号公報には、アスファルトに高級脂肪族ポリアミンやその誘導体を配合する方法が提案され、特開昭57−51745号公報には、シラン化合物を添加して剥離防止性を改善する方法が提案され、特開昭51−149312号公報には、五酸化二リンポリリン酸五硫化リン等のリン化合物からなるアスファルト改質用添加剤が提案されている。しかし、これらの技術は、剥離防止効果が不十分であったり、取り扱い時の安全性や作業性に問題があったりするため、満足できるものではない。

0004

また、USP2693425には、特定の物理的性質を有する結合剤と5価のリン原子を含む酸性有機リン化合物からなるアスファルト組成物が提案されている。しかし、このアスファルト組成物は、剥離防止性の改善とともに取り扱い時の安全性や作業性も改善するという点においては、実用上不十分であり、やはり満足できるものではない。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明者の一人は、先に特定の酸性有機リン化合物を用いることにより、骨材の種類を問わずに優れた剥離防止効果を得ることができ、熱安定性も優れている加熱瀝青質用添加剤を提案している(特開昭60−188462号公報)。しかし、この加熱瀝青質用添加剤も作業時における取り扱い性及び安全性といった点において改善の余地がある。例えば、加熱瀝青質用添加剤を瀝青質のレシーブタンクタンクローリーに添加する際、攪拌装置を備えた溶解設備が必要となり、溶解にも長時間を要する。また、塊状物の形態で投入した場合、加熱溶融された瀝青質が跳ね返って投入口から飛び出してくるおそれがある。さらに、粉体の形態で投入した場合、粉体が周囲に飛散するおそれがあるため、作業者が粉体を経口吸引したり、皮膚に付着させたりすることにより健康を損なったり、作業現場周辺環境に悪影響を与えたりするという問題がある。また、粉体の場合には、表面積が大きくなるため、保存時に吸水してケーキングを起こすという問題もある。

0006

本発明は、作業時における取り扱い性及び安全性が優れ、保存安定性も優れており、瀝青質と骨材に対して優れた剥離防止効果を付与することができる小片状加熱瀝青質用添加剤を提供することを目的とする。また、本発明は、小片状加熱瀝青質用添加剤を用いた、優れた剥離防止性を有する加熱瀝青質組成物の製造方法を提供することを他の目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究の結果、まず、添加剤の剤型が塊状又は粉体状である場合の作業時の取り扱い性及び安全性の問題点を、添加剤の剤型を小片状にすることにより解決することができることを見出した。その後、この知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、剤型を小片状にすることに加えて、その比表面積所定範囲に規定することにより、作業時の取り扱い性及び安全性をより向上させることができ、しかも保存安定性もあわせて向上できることを見出し、本発明を完成したものである。

0008

即ち本発明は、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、炭素数8〜26のアルキルフェノール又はこれらのアルキレンオキシド付加物酸性有機リン酸エステル化合物を含有する、常温固体で比表面積が3〜300cm2/gのものであることを特徴とする小片状加熱瀝青質用添加剤を提供するものである。

0009

また本発明は、熱溶融状態の瀝青質と前記の小片状加熱瀝青質用添加剤とを混合することを特徴とする加熱瀝青質組成物の製造方法を提供するものである。

0010

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤における「小片状」とは、定形及び不定形を問わず、一定の形状を保持しているものを意味するものである。よって、ゲル状のような一定の形状を保持していないものは本発明には含まれない。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、小片状であれば形状は特に限定されるものではなく、例えば、フレーク状(又は板状)、半球状、円柱状、角柱状立方体状、ビーズ状(球状)、リング状、ハニカム状タブレット状星形状、繊維状、フィルム状等のほか、不定形の破砕物状、ペレット状等の所望の形状にすることができる。これらは必要に応じて多孔質状にすることもできる。本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、常温で固体のものであるが、使用時において溶解又は溶融させることは何等さしつかえない。

0012

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、比表面積が3〜300cm2/gであり、好ましくは6〜150cm2/gであり、さらに好ましくは15〜60cm2/gである。比表面積をこの範囲内に保つことにより、保存時におけるケーキングを防止することができ、計量が容易で作業時における粉体飛散が防止でき、作業に適度な流動性を確保することもできる。さらに、加熱溶融された瀝青質に添加した場合、格別な攪拌手段を適用することなく、均一に分散させ、短時間で溶解させることができ、酸性リン酸エステル化合物と骨材との接触が充分になされ、加熱瀝青質組成物に、均一で優れた剥離防止性を与えることができる。

0013

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、前記形状で、かつ前記比表面積の範囲内において、所望の大きさにすることができる。具体的な寸法は形状により異なるが、その例を挙げると次のとおりである。フレーク状の場合には、厚みが約0.1〜1mmが好ましく、約0.5〜1mmがさらに好ましい。ビーズ状の場合には、粒子径が約0.5〜15mmが好ましく、約1〜8mmがさらに好ましい。円柱状の場合には、直径が約2〜10mmが好ましく、約3〜7mmがさらに好ましく、長さが約3〜30mmが好ましく、約5〜15mmがさらに好ましい。板状の場合には、厚みが約1〜10mmが好ましく、約1〜5mmがさらに好ましい。これらの中でもフレーク状のものが製造が容易である点で特に好ましい。

0014

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、酸性有機リン酸エステル化合物のみから構成されていてもよく、必要に応じて、さらに他の成分を配合することもできる。

0015

小片状加熱瀝青質用添加剤に含有されている酸性有機リン酸エステル化合物は、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、炭素数8〜26のアルキルフェノール又はこれらのアルキレンオキシド付加物である。このような酸性有機リン酸エステル化合物としては、次の一般式(I):
[RO(CaH2aO)b]c-P(=O)-(OH)d (I)
(式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキル基を有するアルキルフェニル基を示し、aは2〜4の数を示し、bは0〜10の数を示し、cは1又は2を示し、dは1又は2を示し、cとdはc+d=3の関係を満たす数を示す)で表されるものを挙げることができる。

0016

式中、Rで示される炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルキル基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、ドデシルヘキサデシルオクタデシルオクタデセニル等を挙げることができる。また、Rで示される炭素数8〜26のアルキルフェニル基としては、アルキル基部分は直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、オクチルフェニルノニルフェニルトリデシルフェニル等を挙げることができる。

0017

式中、aは2が好ましく、bは0〜4が好ましく、cは1が好ましく、dは2が好ましい。

0018

本発明で用いる酸性有機リン酸エステル化合物としては、炭素数12〜18の脂肪族アルコールのリン酸エステルが好ましく、セチルアルコール又はステアリルアルコールのリン酸エステルがさらに好ましい。

0019

また、本発明で用いる酸性有機リン酸エステル化合物は、瀝青質への溶解性を良好にし、夏季のような高温雰囲気の保存時におけるケーキングを防止するため、さらには溶融瀝青質への溶解性を高めるため、融点が40〜170℃のものが好ましく、55〜120℃のものがさらに好ましい。

0020

このような酸性有機リン酸エステル化合物は、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール又は炭素数8〜26のアルキルフェノールと、無水リン酸(P2O5)、オキシ三塩化リン(POCl3)、三塩化リン(PCl3)、ポリリン酸等のリン酸化合物との反応により、製造することができる。

0021

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤には、さらに脂肪族アミンを配合することができる。この脂肪族アミンは、分子中に窒素原子を有することにより、初期における瀝青質の骨材への濡れ性を向上させることができるものである。脂肪族アミンとしては、牛脂プロピレンジアミンに代表される高級脂肪族ポリアミン又はその誘導体、アルキルヒドロキシアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。脂肪族アミンの配合量は、小片状加熱瀝青質用添加剤中において50〜70重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがさらに好ましい。

0022

次に、本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法について説明する。本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法は、熱溶融状態の瀝青質と上記した小片状加熱瀝青質用添加剤とを混合することにより、剥離防止性の優れた加熱瀝青質組成物を得るものである。

0023

本発明で用いる瀝青質としては、石油ストレートアスファルトセミブローンアスファルトカットバックアスファルト天然アスファルト石油タール、ピッチ、溶剤脱瀝から生成した瀝青質を道路舗装用アスファルト規格に適するように軟化剤を入れて製造したアスファルト等を挙げることができる。

0024

また、瀝青質は、そのコンシステンシーを高めるため、ゴム類熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の改質剤を配合して、改質アスファルト透水性アスファルト、排水性アスファルトにすることができる。ゴム類としては、天然ゴムのほか、スチレンブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンスチレンゴムクロロプレンゴムアクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、メタクリル酸メチル・ブタジエンゴム等の合成ゴムを挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、エチレンプロピレン酢酸ビニルアクリル酸エステル、スチレン、塩化ビニリデンプロピオン酸ビニル等のモノマー単独重合体又は2種以上の組み合わせからなる共重合体を挙げることができ、これらの中でもエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂ウレタン樹脂等を挙げることができる。このような改質剤の配合量は、瀝青質と改質剤の合計量中、好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜15重量%である。また、本発明で用いる瀝青質としては、JIS K2207で規定する25℃における針入度が10〜400のものが好ましい。

0025

本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法において、瀝青質に対する小片状加熱瀝青質用添加剤の混合割合は、充分な剥離防止性を付与するため、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%である。

0026

本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法においては、用途に応じて、さらに炭酸カルシウム消石灰セメント活性炭等の無機充填材有機充填材石油樹脂、低分子ポリエチレン等の石油系軟化剤オレイン酸等の植物油系軟化剤、可塑剤イオウ等を配合することができる。

0027

以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。

0028

実施例1〜5及び比較例1〜5
リン酸モノセチル(融点60℃)とリン酸モノステアリル(融点72℃)との混合物重量比で2:8)を用い、ドラムフレーカー(玉川機械金属(株)製)により成形し、表1に示した比表面積の異なるフレーク状又は板状の加熱瀝青質用添加剤を得た。これらのフレーク状又は板状の加熱瀝青質用添加剤各々75gを、24×24×35cmの鉄製広口石油缶に投入し、そこへ150℃に加熱溶融したアスファルト15kgを投入した。その後、直ちに150℃に設定した熱風恒温器に入れ、3時間静置したのち、取り出した。その後、石油缶の上部、中心部及び底部からそれぞれ500gのアスファルト組成物(針入度60〜100)を採取し、下記の剥離抵抗性試験(Boiling-Test)により剥離防止性を評価するとともに、フレーク状又は板状の加熱瀝青質用添加剤の溶解性も評価した。また、下記の方法により、保存安定性も評価した。結果を表1に示す。

0029

(1)剥離抵抗性試験(Boiling-Test)
宝塚産(石英斑岩)の6号砕石100gを300mlの金属製容器に入れ、これを155℃に設定した恒温乾燥器に入れて、1時間放置した。次に、金属製容器を取り出し、そこへ150℃のアスファルト組成物5.5g入れ、アスファルト組成物が砕石の表面を被覆するように、約2分間ヘラでよく攪拌した。その後、砕石を直径10cmのいの上に広げて、室温になるまで放冷した。次に、篩いごと砕石を沸騰水中に30分間浸漬したのち取り出し、約20℃の水中に浸漬した。この状態で上方から肉眼で観察して、砕石表面から剥離したアスファルト組成物の皮膜面積を求め、その百分率剥離面積%)を求めた。

0030

(2)保存安定性(ケーキング性)試験
実施例及び比較例の各フレーク状又は板状の加熱瀝青質用添加剤10kgをナイロン製袋に入れ、温度40℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に7日間静置したのち、ケーキングの状態を観察し、下記の基準で判定した。
○:変化がまったく認められない
△:一部にケーキングの発生が認められた
×:全体にケーキングの発生が認められた

0031

0032

表1から明らかなとおり、実施例1〜5は優れた剥離防止性を示した。また、攪拌操作をしなかったにもかかわらず、上部、中心部及び底部から採取したアスファルト組成物は、いずれもほぼ同等の剥離防止性を示していた。この結果から、本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤の溶解性が優れており、溶融アスファルト中に、容易に均一に分散されることが確認された。このように溶解性が優れているため、酸性有機リン酸エステル化合物と骨材との接触が十分になされるようになり、それが剥離防止性の向上にも大きく影響しているものと推察される。さらに、溶解性が優れているために作業時間を短縮することができるほか、攪拌操作を不要とするため、攪拌による溶融アスファルトの飛散等の問題が生じることがなく、安全性を高めることもできる。これに対して、比較例1〜5は、採取場所によって剥離防止性に大きなばらつきが見られた。底部における剥離防止性がよいのは添加剤が沈降していったためであり、この結果から、比表面積が本発明で規定する範囲外である場合には、攪拌操作が必須であることが確認された。

0033

また、実施例1〜5は、いずれもケーキングが生じることがなく、保存安定性が優れていた。これに対して、比表面積が本発明で規定する上限値を超える比較例2、3においては、著しいケーキングが発生した。このケーキングが発生した添加剤を用いて、再度、同様にして剥離抵抗性試験を行った(結果を表1の比較例2、3の括弧内に示す)。その結果、上部及び中心部から採取したものの剥離防止性は低下していた。底部の剥離防止性が低下していないのは、やはり添加剤の沈降が生じたためである。

0034

実施例6〜12及び比較例6〜9
リン酸モノセチル(融点60℃)とリン酸モノステアリル(融点72℃)との混合物(重量比で2:8)を用い、ロードフォーマー造粒機サンドビック社製)又は金型により、ビーズ状、板状又はペレット状(円柱状)に成形し、表2に示した比表面積の異なる小片状の加熱瀝青質用添加剤を得た。これらの加熱瀝青質用添加剤を用い、実施例1と同様にして、剥離抵抗性試験及び保存安定性試験をした。また、下記の方法により流動性、計量性及び粉塵飛散性を試験した。結果を表2に示す。

0035

(1)流動性
小片状にした試料3kgを高さ42cm、直径20cm、間口7cmのポリエチレン製ボトルに採取し、ポリエチレン製ボトルを約60゜傾斜させて内容物が円滑に取り出せるかを調べ、下記の基準で流動性を評価した。
○:ポリエチレン製ボトルを傾斜させるだけで内容物を取り出せる
△:ポリエチレン製ボトルを少し手で振動すれば内容物を取り出せる
×:ポリエチレン製ボトルを傾斜させても内容物が取り出せず、手で激しく振動を加えなければ取り出せない。

0036

(2)計量性
リットルビーカーに小片状試料を入れて300.0gの計量を試み、下記の基準で計量精度を評価した。
○:計量誤差±0.3%以内
△:計量誤差±1〜3%以内
×:計量誤差±5%以上。

0037

(3)粉塵飛散性
小片状にした試料5kgを1.5mの高さから少量ずつ落下させ、肉眼で粉塵飛散性を観察し、下記の基準で評価した。試験は、微風状態屋外で行った。
○:粉塵の飛散がない
△:粉塵の飛散が少しある
×:粉塵の飛散が多い

0038

0039

実施例6〜12と比較例6〜9の剥離防止性及びケーキング性については、表1の場合と同様の結果が得られた。実施例6〜12は、流動性、計量性及び粉塵飛散性のいずれについても優れていた。よって、実施例6〜12の添加剤を用いることにより、作業時間を短縮することができ、作業者の負担を軽減することもできる。これに対して、比表面積が本発明で規定する下限値未満の比較例8、9は、流動性、計量性が劣っており、比表面積が本発明で規定する上限値を超える比較例6、7は、粉塵飛散性が劣っていた。よって、比較例6〜9の添加剤を用いた場合は作業性が悪く、作業時間が長くかかるだけでなく、飛散した粉塵による作業者及び周辺環境への悪影響も認められた。

発明の効果

0040

本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、優れた剥離防止性を有するとともに、従来に比べて取り扱いが容易で作業性を著しく改善することができ、安全性も高い。よって、作業時間の短縮ができ、作業者の負担も軽減することができるようになる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ