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技術 瓦屋根の施工方法および瓦屋根構造

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 迫田博美
出願日 1997年12月15日 (22年6ヶ月経過) 出願番号 1997-345482
公開日 1999年6月29日 (20年11ヶ月経過) 公開番号 1999-172856
状態 未査定
技術分野 屋根ふき要素(小片) 屋根ふき・それに関連する装置または器具
主要キーワード 裏面周囲 軽量瓦 裏面形状 薄板鋼板 耐風性 墨付け 釘固定 瓦屋根構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年6月29日)のものです。
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図面 (15)

課題

浮き上がりなどを確実に防止する。

解決手段

先に葺設された下段の瓦1の棟側端縁部の略中央部の座17cに瓦固定金具4Aを釘固定した後、一の瓦1の軒側端縁部を該一の瓦1の下段に葺設された隣接する一対の瓦1,1の棟側端縁部に跨がって重ね合わせるとともに、一の瓦1の重合部を先に葺設された隣接する他の瓦1の被重合部11に重ね合わせ、一の瓦1の棟側端縁部の左右両端部の釘座17a,17bの少なくとも一方の釘座および被重合部11の下端近傍の釘座18を通して釘固定し、瓦固定金具4Aの係止片42を折り曲げて一の瓦1および該一の瓦1に隣接する他の瓦1との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止する。

概要

背景

一般に、は、セメント骨材補強繊維などに水を加えて混合した組成物を所定の形状に成型した後、養生して製造され、肉厚が薄く、面積が比較的大きいにも関わらず軽量であって、容易に瓦屋根施工することができるものである。例えば、図13に示すように、瓦1は、右側端縁部の表面に被重合部11が形成されるとともに、左側端縁部の裏面に被重合部11の凹凸を逆にして重ね合わせ可能な重合部12(図14参照)が形成され、また、棟側端縁の表面に堤防部13が形成されるとともに、軒側端縁の裏面に棟側端縁部に載置可能な突出部14(図14参照)が形成され、さらに、棟側端縁部および被重合部11の下端近傍複数個座15,16がそれぞれ形成されたものである。

このような瓦1を用いて瓦屋根を施工する場合は、まず、一の瓦1を所定位置に配置し、その棟側端縁部に形成された釘座15および被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。次いで、一の瓦1の被重合部11に、一の瓦1の右隣に葺設される他の瓦1の重合部12を重ね合わせ、同様に、他の瓦1の棟側端縁部に形成された釘座15およびその被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。以下、同様に、右側の妻側に向かって順に瓦1を重ねながら固定する。

一段目の瓦1の葺設が終了したならば、その上段に二段目の瓦1を葺設する。具体的には、一の瓦1および該一の瓦1の右隣の他の瓦1との棟側端縁部に跨がって上段に葺設される瓦1の軒側端縁部を載せ、瓦1の棟側端縁部に形成された釘座15および被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。この際、上段の瓦1の裏面側棟側端縁が野地板に接地した状態でその裏面側軒側端縁に形成された突出部14が下段の瓦1の棟側端縁部に接地し、また、上段の瓦1の軒側端縁近傍の裏面が下段の瓦1の棟側端縁に形成された堤防部13に載置されている。

以下、同様にして右側の妻側に向かって二段目の瓦1を固定した後、棟側に向かって三段目、四段目の順に瓦1を葺設するものである。

概要

瓦の浮き上がりなどを確実に防止する。

先に葺設された下段の瓦1の棟側端縁部の略中央部の釘座17cに瓦固定金具4Aを釘固定した後、一の瓦1の軒側端縁部を該一の瓦1の下段に葺設された隣接する一対の瓦1,1の棟側端縁部に跨がって重ね合わせるとともに、一の瓦1の重合部を先に葺設された隣接する他の瓦1の被重合部11に重ね合わせ、一の瓦1の棟側端縁部の左右両端部の釘座17a,17bの少なくとも一方の釘座および被重合部11の下端近傍の釘座18を通して釘固定し、瓦固定金具4Aの係止片42を折り曲げて一の瓦1および該一の瓦1に隣接する他の瓦1との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止する。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、瓦の浮き上がりなどが発生することのない瓦屋根を簡単に施工することのできる瓦屋根の施工方法を提供するものである。

また、本発明は、瓦の浮き上がりなどを確実に防止することのできる瓦屋根構造を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

先に葺設された下段棟側端縁部の略中央部の座に瓦固定金具釘固定した後、一の瓦の軒側端縁部を該一の瓦の下段に葺設された隣接する一対の瓦の棟側端縁部に跨がって重ね合わせるとともに、一の瓦の重合部を先に葺設された隣接する他の瓦の被重合部に重ね合わせ、一の瓦の棟側端縁部の左右両端部の釘座の少なくとも一方の釘座および被重合部の下端近傍の釘座を通して釘固定し、さらに、瓦固定金具の係止片を折り曲げて一の瓦および該一の瓦に隣接する他の瓦との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とする瓦屋根施工方法

請求項2

軒先に固定された瓦受け部を有する板金軒先水切りと、この板金製軒先水切りの瓦受け部に軒側端縁部が載置され、左右一側端縁部の表面に被重合部が形成されるとともに、左右他側端縁部の裏面に被重合部と重ね合わせ可能な重合部が形成され、また、棟側端縁部の表面に堤防部が形成される一方、棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部、被重合部の下端近傍にそれぞれ釘座が形成された瓦と、係止片を有して前記板金製軒先水切りの瓦受け部に載置された瓦固定金具と、からなり、瓦固定金具は、軒先に葺設された隣接する一対の瓦の重ね合わせ部の軒側端縁部に臨んで軒先に釘固定され、その係止片を介して軒先に葺設された隣接する一対の瓦の重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とする瓦屋根構造

請求項3

左右一側端縁部の表面に被重合部が形成されるとともに、左右他側端縁部の裏面に被重合部と重ね合わせ可能な重合部が形成され、また、棟側端縁部の表面に堤防部が形成される一方、棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部、被重合部の下端近傍にそれぞれ釘座が形成された瓦と、係止片を有して瓦の棟側端縁部に配置された瓦固定金具と、からなり、瓦固定金具は、一の瓦の下段に葺設された瓦の棟側端縁部の略中央部の釘座に釘固定され、その係止片を介して一の瓦および該一の瓦に隣接する他の瓦との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とする瓦屋根構造。

請求項4

前記瓦は、その表面の左右両端部および中央部に軒側端縁部から棟側に向かって徐々に幅狭となるとともに、ほぼ同一高さの頂点を有する山形状堤防が形成され、また、これらの山形状堤防に挟まれてそれぞれ棟側から軒側端縁部に向かって徐々に幅狭となる平面状流路が棟側端縁部よりも低い位置に形成され、一の瓦の重合部を隣接する他の瓦の被重合部に重ね合わせた際、それらの左右端部の対向する山形状堤防が接合されて中央部の山形状堤防と同一の山形状堤防が形成され、また、一の瓦の軒側端縁部を該一の瓦の下段に葺設された隣接する一対の瓦の棟側端縁部に跨がって重ね合わせた際、一の瓦の左右の平面状流路が該一の瓦の下段に葺設された隣接する一対の瓦の各左右の平面状流路にそれぞれ臨むことを特徴とする請求項2もしくは請求項3記載の瓦屋根構造。

請求項5

前記瓦固定金具の係止片は、中抜きされていることを特徴とする請求項2、請求項3もしくは請求項4記載の瓦屋根構造。

技術分野

0001

本発明は、瓦屋根施工方法および瓦屋根構造に関するものである。

背景技術

0002

一般に、は、セメント骨材補強繊維などに水を加えて混合した組成物を所定の形状に成型した後、養生して製造され、肉厚が薄く、面積が比較的大きいにも関わらず軽量であって、容易に瓦屋根を施工することができるものである。例えば、図13に示すように、瓦1は、右側端縁部の表面に被重合部11が形成されるとともに、左側端縁部の裏面に被重合部11の凹凸を逆にして重ね合わせ可能な重合部12(図14参照)が形成され、また、棟側端縁の表面に堤防部13が形成されるとともに、軒側端縁の裏面に棟側端縁部に載置可能な突出部14(図14参照)が形成され、さらに、棟側端縁部および被重合部11の下端近傍複数個座15,16がそれぞれ形成されたものである。

0003

このような瓦1を用いて瓦屋根を施工する場合は、まず、一の瓦1を所定位置に配置し、その棟側端縁部に形成された釘座15および被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。次いで、一の瓦1の被重合部11に、一の瓦1の右隣に葺設される他の瓦1の重合部12を重ね合わせ、同様に、他の瓦1の棟側端縁部に形成された釘座15およびその被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。以下、同様に、右側の妻側に向かって順に瓦1を重ねながら固定する。

0004

一段目の瓦1の葺設が終了したならば、その上段に二段目の瓦1を葺設する。具体的には、一の瓦1および該一の瓦1の右隣の他の瓦1との棟側端縁部に跨がって上段に葺設される瓦1の軒側端縁部を載せ、瓦1の棟側端縁部に形成された釘座15および被重合部11の下端近傍に形成された釘座16を通して釘を打ち込み、野地板に固定する。この際、上段の瓦1の裏面側棟側端縁が野地板に接地した状態でその裏面側軒側端縁に形成された突出部14が下段の瓦1の棟側端縁部に接地し、また、上段の瓦1の軒側端縁近傍の裏面が下段の瓦1の棟側端縁に形成された堤防部13に載置されている。

0005

以下、同様にして右側の妻側に向かって二段目の瓦1を固定した後、棟側に向かって三段目、四段目の順に瓦1を葺設するものである。

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、前述したように、瓦屋根を施工した場合、瓦は、耐風性や耐地震性を考慮してその棟側端縁部および被重合部の下端近傍が釘固定されていることから、釘固定されていない重合部側の下隅部が瓦屋根の施工後の経時変化により、反って浮き上がることがある。この結果、瓦の隙間が増大し、強風を伴う降雨時において、増大した隙間から雨水が押し上げられ、左右側端部に浸入して野地板に流れ落ち雨漏りの原因となるおそれがある。このような瓦の、釘固定していない下隅部の反り変形は、肉厚が薄く、比較的面積が大きな軽量瓦に発生し易い傾向がある。

0007

また、瓦は、重合部側の下隅部が固定されていないことから、風の強い地域においては、瓦のガタツキが発生したり、強風によって瓦がめくり上げられるなど事態を招来するおそれがある。

0008

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、瓦の浮き上がりなどが発生することのない瓦屋根を簡単に施工することのできる瓦屋根の施工方法を提供するものである。

0009

また、本発明は、瓦の浮き上がりなどを確実に防止することのできる瓦屋根構造を提供するものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の瓦屋根の施工方法は、先に葺設された下段の瓦の棟側端縁部の略中央部の釘座に瓦固定金具を釘固定した後、一の瓦の軒側端縁部を該一の瓦の下段に葺設された隣接する一対の瓦の棟側端縁部に跨がって重ね合わせるとともに、一の瓦の重合部を先に葺設された隣接する他の瓦の被重合部に重ね合わせ、一の瓦の棟側端縁部の左右両端部の釘座の少なくとも一方の釘座および被重合部の下端近傍の釘座を通して釘固定し、さらに、瓦固定金具の係止片を折り曲げて一の瓦および該一の瓦に隣接する他の瓦との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とするものである。

0011

また、本発明の瓦屋根構造は、軒先に固定された瓦受け部を有する板金軒先水切りと、この板金製軒先水切りの瓦受け部に軒側端縁部が載置され、左右一側端縁部の表面に被重合部が形成されるとともに、左右他側端縁部の裏面に被重合部と重ね合わせ可能な重合部が形成され、また、棟側端縁部の表面に堤防部が形成される一方、棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部、被重合部の下端近傍にそれぞれ釘座が形成された瓦と、係止片を有して前記板金製軒先水切りの瓦受け部に載置された瓦固定金具と、からなり、瓦固定金具は、軒先に葺設された隣接する一対の瓦の重ね合わせ部の軒側端縁部に臨んで軒先に釘固定され、その係止片を介して軒先に葺設された隣接する一対の瓦の重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とするものである。

0012

さらに、本発明の瓦屋根構造は、左右一側端縁部の表面に被重合部が形成されるとともに、左右他側端縁部の裏面に被重合部と重ね合わせ可能な重合部が形成され、また、棟側端縁部の表面に堤防部が形成される一方、棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部、被重合部の下端近傍にそれぞれ釘座が形成された瓦と、係止片を有して瓦の棟側端縁部に配置された瓦固定金具と、からなり、瓦固定金具は、一の瓦の下段に葺設された瓦の棟側端縁部の略中央部の釘座に釘固定され、その係止片を介して一の瓦および該一の瓦に隣接する他の瓦との重ね合わせ部の軒側端縁部を係止することを特徴とするものである。

0013

以下、本発明の実施例の形態を図面に基づいて説明する。

0014

図1には、本発明の瓦屋根構造が示されており、この瓦屋根構造は、野地板2に配置された瓦1と、野地板2の軒先に固定された板金製軒先水切り3と、隣接する一対の瓦1,1の重ね合わせ部に臨んで野地板2に配置された瓦固定金具4,4Aとから構成されている。

0015

ここで、瓦1は、先に説明したように、右側端縁部の表面に被重合部11が形成されるとともに、左側端縁部の裏面に被重合部11の凹凸を逆にして重ね合わせ可能な重合部12が形成され、また、棟側端縁の表面に堤防部13が形成されるとともに、軒側端縁の裏面に棟側端縁部に載置可能な突出部14が形成されて構成されている。ただし、瓦1の棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部に釘座17a,17b,17cがそれぞれ形成され、また、瓦1の被重合部11の下端近傍に釘座18が形成されている。

0016

板金製軒先水切り3は、図3に示すように、断面三角形状の瓦受け部31と、瓦受け部31の前後に延設された屋根載置部32,33と、軒側の屋根載置部33の端縁から下方に向けて延設された水切り部34を有し、薄板鋼板折曲して形成されている。したがって、板金製軒先水切り3の瓦受け部31に瓦1の軒側端縁部を載置することにより、軒側端縁部を他の瓦1に載置することのできない軒先に配置される瓦1についても、軒先以外の瓦1と同様に屋根面に対して一定角度傾斜した状態で葺設することができる。

0017

また、瓦固定金具4は、軒先に配置された瓦1を固定する際に使用されるもので、図2に示すように、瓦1の軒側端縁部の裏面形状にほぼ沿うように形成された本体部41と、本体部41の前端縁から瓦1の厚みを越える高さに立ち上げられた係止片42と、本体部41の後端縁からL字状に折曲された載置部43とからなり、載置部43に形成された釘穴43aの裏面周囲にはパッキン(図示せず)が貼着されている。

0018

一方、瓦固定金具4Aは、軒先以外に配置された瓦1を固定する際に使用されるもので、図5に示すように、瓦1の棟側端縁部の表面形状にほぼ沿うように形成された本体部41と、本体部41の前端縁から瓦1の厚みを越える高さに立ち上げられた係止片42と、本体部41の後端縁から下方に折曲された係止部44とからなり、本体部41に形成された釘穴41aの裏面周囲にはパッキン(図示せず)が貼着されている。

0019

したがって、瓦固定金具4,4Aをその釘穴43a,41aを通して釘固定した際、瓦固定金具4,4Aの釘穴43a,41aの周囲を図示しないパッキンによって密封するようにしている。

0020

なお、野地板2を固定する垂木5の軒側端面には、野地板2の下方に位置してかくし6が固定されている他、鼻かくし6には、雨樋7が固定されている。

0021

このような瓦1、板金製軒先水切り3および瓦固定金具4,4Aを用いて瓦屋根を施工する場合は、まず、野地板2の軒先に板金製軒先水切り3を固定する。すなわち、野地板2の軒先端縁に軒側の屋根載置部33と水切り部34との折曲部が位置するように配置し、棟側の屋根載置部32を通して釘を打ち込んで固定する。次いで、瓦1を把持し、その軒側端縁部を板金製軒先水切り3の瓦受け部31に載置した後、その瓦1の被重合部11の軒側端縁部に臨むように瓦固定金具4を位置決めして固定する。すなわち、瓦固定金具4の係止片42を瓦1の軒側端面に沿って立ち上げるとともに、本体部41を瓦1の被重合部11の軒側端縁部裏面の直下に臨むように位置決めした後、瓦固定金具4の本体部41および載置部43を板金製軒先水切り3の瓦受け部31および棟側の屋根載置部32にかけて配置し、載置部43の釘穴43aを通して野地板2に釘固定する。なお、瓦固定金具4を釘固定する間、その釘打ち作業に支障がないように、瓦1は傍らに避けておく。

0022

この後、瓦1の棟側端縁部の左右両端部に形成された釘座17a,17bおよび被重合部11の下端近傍に形成された釘座18を通して釘を打ち込み、野地板2に固定する(図4参照)。次いで、先に固定された瓦1の右隣に葺設される瓦1を把持し、その軒側端縁部を板金製軒先水切り3の瓦受け部31に載置するとともに、その重合部12を先に固定した瓦1の被重合部11に重ね合わせる。また、新たな瓦1の被重合部11の軒側端縁部に臨むように瓦固定金具4を位置決めして固定した後、右隣の瓦1の棟側端縁部の左右両端部に形成された釘座17a,17bおよび被重合部11の下端近傍に形成された釘座18を通して釘を打ち込み、野地板2に固定する。この後、瓦固定金具4の係止片42を、先に釘固定した隣接する一対の瓦1,1の重ね合わせ部の軒側端縁部表面に沿うように折り曲げてそれらの瓦1,1を係止する。

0023

以下、同様にして、先に固定された瓦1の右隣に瓦1を順に配置するとともに、それらの重ね合わせ部に臨むように瓦固定金具4を位置決めして固定した後、瓦1を釘固定し、釘固定した隣接する一対の瓦1,1の重ね合わせ部の軒側端縁部表面を瓦固定金具4の係止片42を折り曲げて係止するものである。

0024

したがって、軒先に配置された任意の瓦1は、棟側端縁部の左右両端部および被重合部11の下端近傍がそれぞれ釘固定され、さらに、該瓦1の被重合部11とその右隣に配置された隣接する他の瓦1の重合部12との重ね合わせ部において、それらの重ね合わせ部の軒側端縁部表面が瓦固定金具4の係止片42によって係止されることから、結局、瓦1の四隅が固定されることになる。

0025

なお、前述した実施形態においては、瓦1によって瓦固定金具4を位置決めしつつその都度釘固定する場合を例示したが、野地板2に墨付けし、瓦固定金具4を設定間隔をおいて予め固定するようにしてもよい。また、瓦固定金具4の係止片42の折り曲げ作業についても、先に固定された瓦1に隣接して瓦1を固定した都度折り曲げる方式に代えて、軒先に全ての瓦1を葺設した後、全ての瓦固定金具4の係止片42を順に折り曲げるようにしてもよい。

0026

一方、軒先に瓦1を葺設したならば、二段目に葺設する瓦1を把持し、その軒側端縁部を軒先の瓦1の棟側端縁部に載置して固定する。すなわち、軒先に葺設された瓦1の棟側端縁部の略中央部に形成された釘座17cに瓦固定金具4Aの釘穴41aを合わせ、瓦固定金具4Aを釘穴41aを通して野地板2に釘固定する。この際、瓦固定金具4Aの係止部44は、瓦1の棟側端面に係止し、瓦固定具4Aが瓦1から滑落するのを防止している。次いで、軒先に葺設された隣接する一対の瓦1,1の棟側端縁部に跨がって二段目に葺設される瓦1の軒側端縁部を載せた後、その棟側端縁部の左右両端部に形成された釘座17a,17bおよびその被重合部11の下端近傍に形成された釘座18を通して釘を打ち込み、野地板2に固定する。同様に、軒先に葺設された瓦1の棟側端縁部の略中央部に形成された釘座17cに瓦固定金具4Aの釘穴41aを合わせ、瓦固定金具4Aを釘穴41aを通して野地板2に釘固定した後、先に固定された瓦1の右隣に配置される瓦1を把持し、その軒側端縁部を軒先に葺設された隣接する一対の瓦1,1の棟側端縁部に跨がって載置するとともに、その重合部12を先に固定した瓦1の被重合部11に重ね合わせた後、その棟側端縁部の左右両端部に形成された釘座17a,17bおよびその被重合部11の下端近傍に形成された釘座18を通して釘を打ち込み、野地板2に固定する。次いで、瓦固定金具4Aの係止片42を、隣接する一対の瓦1,1の重ね合わせ部の軒側端縁部表面に沿うように折り曲げてそれらの瓦1,1を係止する(図6参照)。

0027

以下、同様に、軒先に葺設された瓦1の棟側端縁部の略中央部に形成された釘座17cに瓦固定金具4Aの釘穴41aを合わせて釘固定した後、先に固定された瓦1の右隣に瓦1を順に配置して釘固定した後、隣接する一対の瓦1,1の重ね合わせ部の軒側端縁部表面を瓦固定金具4Aの係止片42を折り曲げて係止すればよいものである。

0028

さらに、三段目以降の瓦1を葺設する場合についても、軒先に葺設される瓦1を二段目の瓦1もしくは下段の瓦1に、また、二段目の瓦1を三段目の瓦1もしくは上段の瓦1にそれぞれ置き換えることで同様に施工することができる。

0029

したがって、軒先に配置された瓦1を除く任意の瓦1についても、その棟側端縁部の左右両端部および被重合部11の下端近傍が釘固定され、さらに、該瓦1の被重合部11とその右隣に配置された隣接する他の瓦1の重合部12との重ね合わせ部において、それらの重ね合わせ部の軒側端縁部表面が瓦固定金具4Aの係止片42によって係止されることから、結局、瓦1の四隅が固定されることになる。

0030

なお、前述した実施形態においては、一の瓦1を固定する際、該一の瓦1の下段に葺設された瓦1の棟側端縁部の略中央部に瓦固定金具4Aをその都度釘固定する場合を例示したが、下段に葺設された瓦1の棟側端縁部の略中央部に形成された釘座17cに予め瓦固定金具4Aを固定するようにしてもよい。また、瓦固定金具4Aの係止片42の折り曲げ作業についても、先に固定された瓦1に隣接して瓦1を固定した都度折り曲げる方式に代えて、各段の瓦1を葺設した後、各段の瓦1を係止するように全ての瓦固定金具4Aの係止片42を順次折り曲げるようにしてもよく、また、屋根面全体に瓦1を葺設した後、2段目以降の全ての瓦1を係止するように全ての瓦固定金具4Aの係止片42を順次折り曲げるようにしてもよい。

0031

この結果、軒先の瓦1を含む任意の瓦1について、瓦屋根施工後の経時変化によって反り変形が発生することを確実に防止することができるとともに、強風下においても軒先の瓦1がめくり上げられるなどの事態を確実に防止することができる。

0032

ところで、前述した実施形態の瓦1は、平板瓦で例示したが、図7に示すような瓦1Aであってもよい。すなわち、この瓦1Aは、その表面の左右端部および略中央部に、軒側端縁から棟側に向かって徐々に幅狭となるとともに、同一高さの頂点を有する山形状堤防19,20,21が形成されている他、これらの山形状堤防19,21間および21,20間に挟まれて棟側から軒側端縁に向かって徐々に幅狭となる平面状流路22,23が棟側端縁部よりも低い位置に形成されているものである。

0033

そして、略中央部の山形状堤防21を頂点から切断した際の左半部が右端部に形成された山形状堤防20と一致し、その右半部が左端部に形成された山形状堤防19と一致するものである。したがって、一の瓦1Aの被重合部11にその右隣の瓦1Aの重合部12を重ね合わせた際、対向する一の瓦1Aの右側端部の山形状堤防20と他の瓦1Aの左側端部の山形状堤防19が接合し、それらの略中央部の山形状堤防21と同一の山形状堤防が形成されるものである。

0034

また、隣接する一対の瓦1A,1Aの棟側端縁部に跨がって上段の瓦1Aの軒側端縁部を載置した際、上段の瓦1Aの平面状流路22は、その下段に葺設された隣接する一対の瓦1A,1Aのうちの左側の瓦1Aの右側の平面状流路23に臨み、また、上段の瓦1Aの平面状流路23は、その下段の隣接する一対の瓦1A,1Aのうちの右側の瓦1Aの左側の平面状流路22に臨むものである(図10参照)。

0035

なお、瓦1Aは、前述した瓦1と同様に、右側端縁部の表面に被重合部11が形成されるとともに、左側端縁部の裏面に被重合部11と重ね合わせ可能な重合部12(図示省略)が形成され、また、棟側端縁の表面に堤防部13が形成されるとともに、軒側端縁の裏面に棟側端縁部に載置可能な突出部14(図示省略)が形成されている他、瓦1の棟側端縁部の左右両端部およびその略中央部には、釘座17a,17b,17cがそれぞれ形成され、また、瓦1の被重合部11の下端近傍にも釘座18が形成されている点は、瓦1と同一である。

0036

したがって、詳細には説明しないが、瓦1と同様に、軒側から棟側に向かって、かつ、一方の妻側から他方の妻側に向かって瓦1Aを順次葺設して瓦屋根を形成した場合、その後の経時変化によって瓦1Aに反り変形が発生することがない他、強風下においても瓦1Aがめくり上げられるなどの事態を確実に防止することができるものである。

0037

この際、瓦1Aを固定する瓦固定金具4Aは、図12に示すように、係止片42がその周縁部42aを除いて中抜きされている。このため、中抜きされた係止片42を折り曲げて隣接する一対の瓦1,1の被重合部11および重合部12との重ね合わせ部の軒側端縁部表面を係止する際、その山形状堤防部19,20の傾斜面との間に隙間を発生させることなくその傾斜面に沿って折り曲げることができる。この場合、軒先に葺設された瓦1Aを固定する瓦固定金具4の係止片42についても、詳細には図示しないが、その周縁部を除いて中抜きされているものである。

0038

また、上段の瓦1Aの平面状流路22,23は、その下段に葺設された隣接する一対の瓦1A,1Aの各右側の平面状流路23および左側の平面状流路22にそれぞれ臨むとともに、各平面状流路22,23は棟側から軒側端縁部に向かって徐々に幅狭となっていることから、瓦1Aの表面を流下する雨水は、その表面に形成された山形状堤防19,20,21によって規制されるとともに、その流速は、棟側よりも軒側が速くなって風の影響を受けることがなく、確実に下段の瓦1Aの平面状流路22,23に導くことができる。このため、雨水は、隣接する瓦1A,1Aの重ね合わせ部に流下することがなく、重ね合わせ部から雨水が浸入することによる雨漏りの発生を確実に防止することができる。

0039

また、平面状流路22,23の幅は軒側よりも棟側が大きく、さらに、平面状流路22,23は棟側端縁部よりも低い位置に形成されていることから、強風時において、瓦1Aの平面状流路22,23を流下する雨水が、瓦屋根の勾配に抗して棟側に押し上げられたとしても、平面状流路22,23の、幅広となった棟側に保持されるか、棟側端縁部との段差衝突して上方に飛散し、棟側端縁部を越えてそれ以上浸入することはない。このため、雨水は、強風下であっても、瓦1の棟側端縁を越えて浸入することを確実に防止することができる。

0040

なお、前述した実施形態においては、瓦1,1Aの棟側端縁部に形成された釘座17a,17bおよび瓦固定金具4Aとともに釘座17cを釘固定する場合を例示したが、その棟側端縁部の左右両端部の釘座17a,17bについては、その略中央部の釘座17cが釘固定されることから、軒先やけらばなどを除く位置では必ずしも両方の釘座17a,17bを固定する必要はなく、そのいずれか一方の釘座を少なくとも固定すれば足りるものである。

発明の効果

0041

以上のように本発明の瓦屋根の施工方法によれば、施工後の経時変化によっても瓦に反り変形が発生することがなく、また、強風下においても瓦の浮き上がりなどが発生することのない瓦屋根を簡単に施工することができる。

0042

また、本発明の瓦屋根構造によれば、瓦屋根施工後の経時変化によって瓦に反り変形が発生することを確実に防止することができるとともに、強風下においても瓦がめくり上げられるなどの事態を確実に防止することができる。

図面の簡単な説明

0043

図1本発明の瓦屋根構造を示す断面図である。
図2軒先に葺設された瓦の瓦固定金具を示す斜視図である。
図3図2の瓦固定金具を板金製軒先水切りとともに示す斜視図である。
図4軒先の瓦屋根の施工状態を示す説明図である。
図5軒先以外に葺設された瓦の瓦固定金具を示す斜視図である。
図6軒先を除く瓦屋根の施工状態を示す説明図である。
図7本発明の瓦屋根構造に用いられる他の瓦を示す斜視図である。
図8図7のA−A線断面図である。
図9図7のB−B線断面図である。
図10図7の瓦による瓦屋根の施工状態を示す説明図である。
図11図10のX部の拡大図である。
図12軒先以外に葺設された図7の瓦の瓦固定金具を示す斜視図である。
図13従来の瓦およびその施工状態を示す斜視図である。
図14図13の瓦の裏面形状を示す斜視図である。

--

0044

1,1A瓦
11 被重合部
12 重合部
13堤防部
14 突出部
17a,17b,17c,18釘座
19,20,21山形状堤防
22,23 平面状流路
2野地板
3板金製軒先水切り
4,4A瓦固定金具
42 係止片

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