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技術 粘着剤組成物及びその利用

出願人 東洋インキSCホールディングス株式会社
発明者 塩沢公英渡辺英二
出願日 1997年12月8日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1997-336696
公開日 1999年6月29日 (21年6ヶ月経過) 公開番号 1999-172218
状態 拒絶査定
技術分野 接着剤、接着方法 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 紙セパレーター アルカリ温水 水溶性モノマ クラフト粘着テープ 混合乳化液 スティッキー 水離解性 千切り
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提供する。

解決手段

少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物。

(a)アルキル鎖炭素数1〜13の(メタアクリル酸アルキルエステルビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー

(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー

(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

概要

背景

近年、環境保全、省資源見地から古紙のリサイクルが進められいるが、雑誌等についているタックラベルシ−ト等に由来する粘着剤が紙再生工程において混入すると、粘着剤由来の汚れが原因で、抄紙機の機材からの剥離の際再生紙が破れたり、または再生紙の表面のべたつきを生じたり、滑りを損なう等再生紙の歩留まりを悪くするばかりでなく、品質も悪化させ、古紙のリサイクルを普及・発展し難くしている原因の1つとなっている。係る粘着剤の混入を防ぐためには、現在雑誌等を回収した後に、紙を再生する工程の前に予め人手でタックラベルシ−トを除去する煩雑な作業を必要とし、作業性が悪いばかりでなく、結果として再生紙の価格が高くなり、これもまた古紙のリサイクルを普及・発展し難くしている原因の1つとなっている。

また、再生紙用粘着剤は、pH10〜11及び50〜70℃のアルカリ温水中で20〜30分の長時間かけて再分散してきたが、工程の効率化の要請から、常温中性水で比較的短時間に容易に離解される粘着剤の開発が求められるようになってきた。尚、「離解」とは、紙の繊維が「ほぐれる」「ばらける」ことを意味し、粘着剤の「離解」とは粘着剤が紙の繊維と共に「ほぐれる」「ばらける」ことを意味する。

上記のような種々の開発要請に応えて、水離解性粘着剤も提案されつつあるが、水離解性と粘着物性とを両立するには至っていない。例えば特開平8−12727号公報には、カルボキシル化ロジンエステル含有モノマ−、カルボキシル基含有モノマ−、及び水溶性モノマ−を共重合して成るビニル系共重合体の粘着剤としての利用が開示されてはいるが、初期・経時・加湿後の接着力いずれも十分とは言えず、積み置きの際のアブレージョンで簡単に剥離してしまう。また保持力・加湿後の保持力も弱いという問題点もある。

また、特開平8−81661号公報には、クラフト紙の基材水溶性粘着剤層剥離層との少なくとも2層を設けるクラフト粘着テープが提案されているが、複数の塗工工程を必要とするなど工程が煩雑になり、一般紙基材用途としては展開できない。

また特開平6−184508号公報には、「アルカリ可溶性粘着剤組成物」が開示されているが、中性水では離解しない。

中性水での離解性の向上せしめるためには粘着剤の親水性を高めればよく、そのためには、親水性基の量とりわけアルコール性水酸基の量を多くすればよい。しかしながら、単に親水性基の量を多くし水に対する離解性を幾ら高めても、再生の工程において紙の原料たる繊維上に粘着剤の一部が残存し、再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布濾紙などに付着し易く紙繊維を回収することが難しく、また再生紙自体にも残りその品質を損なうものであった。

概要

再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提供する。

少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物。

(a)アルキル鎖炭素数1〜13の(メタアクリル酸アルキルエステルビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー

(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー

(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

目的

本発明は、使用時には十分な粘着強度を有しながら、古紙回収後にタックラベルシ−トを人手によって分離せずに、タックラベルシ−トが混入した状態で再生紙を製造する場合に、中性水で紙繊維と共に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤が紙繊維上に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物。(a)アルキル鎖炭素数1〜13の(メタアクリル酸アルキルエステルビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

請求項2

少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、無機粒子(Y2)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物。(a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

請求項3

基材上に請求項1又は2記載の粘着剤組成物を塗工したことを特徴とする粘着塗工物

請求項4

請求項3記載の粘着塗工物と紙との混合物を水に浸漬するか、又は前記混合物に水をかけることによって、紙繊維離解せしめ、回収し、該紙繊維から紙を再生する方法。

技術分野

0001

本発明は、使用時には従来の粘着剤シートと同様の粘着物性を示し、中性水中で熱することもなく容易に分散・離解する粘着剤、及び係る粘着剤を基材上に塗工した粘着塗工物に関し、さらには該粘着塗工物と紙との混合物を中性水中で熱することもなく容易に紙繊維を離解せしめ、これを回収し、紙を再生する方法に関する。

背景技術

0002

近年、環境保全、省資源見地から古紙のリサイクルが進められいるが、雑誌等についているタックラベルシ−ト等に由来する粘着剤が紙再生工程において混入すると、粘着剤由来の汚れが原因で、抄紙機の機材からの剥離の際再生紙が破れたり、または再生紙の表面のべたつきを生じたり、滑りを損なう等再生紙の歩留まりを悪くするばかりでなく、品質も悪化させ、古紙のリサイクルを普及・発展し難くしている原因の1つとなっている。係る粘着剤の混入を防ぐためには、現在雑誌等を回収した後に、紙を再生する工程の前に予め人手でタックラベルシ−トを除去する煩雑な作業を必要とし、作業性が悪いばかりでなく、結果として再生紙の価格が高くなり、これもまた古紙のリサイクルを普及・発展し難くしている原因の1つとなっている。

0003

また、再生紙用粘着剤は、pH10〜11及び50〜70℃のアルカリ温水中で20〜30分の長時間かけて再分散してきたが、工程の効率化の要請から、常温の中性水で比較的短時間に容易に離解される粘着剤の開発が求められるようになってきた。尚、「離解」とは、紙の繊維が「ほぐれる」「ばらける」ことを意味し、粘着剤の「離解」とは粘着剤が紙の繊維と共に「ほぐれる」「ばらける」ことを意味する。

0004

上記のような種々の開発要請に応えて、水離解性粘着剤も提案されつつあるが、水離解性と粘着物性とを両立するには至っていない。例えば特開平8−12727号公報には、カルボキシル化ロジンエステル含有モノマ−、カルボキシル基含有モノマ−、及び水溶性モノマ−を共重合して成るビニル系共重合体の粘着剤としての利用が開示されてはいるが、初期・経時・加湿後の接着力いずれも十分とは言えず、積み置きの際のアブレージョンで簡単に剥離してしまう。また保持力・加湿後の保持力も弱いという問題点もある。

0005

また、特開平8−81661号公報には、クラフト紙の基材に水溶性粘着剤層剥離層との少なくとも2層を設けるクラフト粘着テープが提案されているが、複数の塗工工程を必要とするなど工程が煩雑になり、一般紙基材用途としては展開できない。

0006

また特開平6−184508号公報には、「アルカリ可溶性粘着剤組成物」が開示されているが、中性水では離解しない。

0007

中性水での離解性の向上せしめるためには粘着剤の親水性を高めればよく、そのためには、親水性基の量とりわけアルコール性水酸基の量を多くすればよい。しかしながら、単に親水性基の量を多くし水に対する離解性を幾ら高めても、再生の工程において紙の原料たる繊維上に粘着剤の一部が残存し、再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布濾紙などに付着し易く紙繊維を回収することが難しく、また再生紙自体にも残りその品質を損なうものであった。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、使用時には十分な粘着強度を有しながら、古紙回収後にタックラベルシ−トを人手によって分離せずに、タックラベルシ−トが混入した状態で再生紙を製造する場合に、中性水で紙繊維と共に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤が紙繊維上に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

第1の発明は、少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、ガラス転移温度が100℃以上の水分散性アクリル樹脂(Y1)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物である。
(a)アルキル鎖炭素数1〜13の(メタアクリル酸アルキルエステルビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー
(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー
(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

0010

第2の発明は、少なくとも下記(a)〜(c)の3種のモノマーを共重合して成り、ガラス転移温度が−10℃以下であり、水酸基価が100以上であり、酸価が50以下である水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%、無機粒子(Y2)を10〜50重量%含有することを特徴とする粘着剤組成物である。
(a)アルキル鎖の炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニリデン芳香族モノマ−、及び共役ジエンモノマ−からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー
(b)スルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー
(c)アルコール性水酸基を有するモノマー

0011

第3の発明は、基材上に第1又は第2の発明記載の粘着剤組成物を塗工したことを特徴とする粘着塗工物である。

0012

第4の発明は、第3の発明記載の粘着塗工物と紙との混合物を水に浸漬するか、又は前記混合物に水をかけることによって、紙繊維を離解せしめ、回収し、該紙繊維から紙を再生する方法である。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明においては、ガラス転移温度(以下、Tgという)が低く、かつ親水性に富む水分散性アクリル樹脂(X)と、Tgが比較的高い水分散性アクリル樹脂(Y1)とを含有するか、又は前記(Y1)の代わりに再生紙のプレス加工時に時に軟化しないような無機粒子(Y2)を含有することが重要である。(Y1)又は(Y2)を含有せしめることによって、紙の再生工程において原料パルプに粘着剤が残ってもべたつくことがない。

0014

水分散性アクリル樹脂(X)は、粘着組成物ベースとなる部分であり、できるだけ低Tg、高水酸基価であることが好ましい。水分散性アクリル樹脂(X)のTgが−10℃を超えたり、水酸基価が100未満であると、水離解の際のスティッキー浮遊物が多くなり、かかる浮遊物が原料パルプに残りやすく,プレス乾燥後再生紙が濾紙から剥がれ難くなる。また、酸価が50以下であることを要し、50を越えると塗工物の加湿試験後(60℃−95%、3日)に塗膜が硬くなり、粘着力が著しく低下する。

0015

本発明に用いられるモノマー(a)群のうち、アルキル鎖の炭素数1から13の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ) アクリレ−ト、n−ブチル(メタ) アクリレ−ト、i−ブチル(メタ) アクリレ−ト、オクチル(メタ) アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ) アクリレ−ト、ドデシル(メタ) アクリレ−トなどが挙げられる。本発明に用いられるモノマー(a)群のうち、モノビニリデン芳香族としては、例えば、スチレンα−メチルスチレンビニルトルエンなどが挙げられ、共役ジエンモノマ−としては、例えば、1,3−ブタジエンイソプレンなどが挙げられる。

0016

上記モノマー(a)の使用量は、基材に対する接着力と水離解の際の凝集物の量、及び製造された再生紙の滑り性を考慮して選択すればよい。粘着剤組成物のTgが高いときは再生紙の滑りは良好であるが、接着力及び離解の際の凝集物生成に悪影響を及ぼす。後述するモノマー(b)(c)が多いとアクリル樹脂(X)のTgが高くなる傾向にあり、モノマー(a)の量が必要以上に少ないとアクリル樹脂(X)のTgが高くなり過ぎ、逆に多すぎると離解性、その他すべての性能が悪くなる。

0017

本発明に用いられるスルホン酸基またはスルホン酸ナトリウム基を有するモノマー(b)としては、例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム) 、アリスルホン酸(ナトリウム) 、メタリルスルホン酸(ナトリウム) 、スルホキシエチルメタクリル酸(ナトリウム)、スチレンスルホン酸(ナトリウム) などが挙げられる。モノマー(b)は、後述するアルコール性水酸基を有するモノマ−(c)を大量に使用して乳化重合する際には乳化助剤として機能し、また水/アルコ−ル溶媒中で分散重合する際には分散剤として機能する。かかるモノマー(b)は、全モノマー中通常は1〜20重量%使用することが好ましく、3〜10重量%使用することがより好ましい。乳化重合の場合は、モノマー(b)の使用量が少ないと、滴下の為のプレエマルションが形成し難くなり、モノマ−と水とが分離する傾向にある。一方、モノマー(b)の使用量が多いと、アクリル樹脂(X)のTgが著しく高くなり、また一方では基材への塗工性や転写法で粘着塗工物を得る際の剥離材に対する濡れ性が劣る傾向にある。また、分散重合の場合は、モノマー(b)の使用量が少ないと、粒径が大きくなり粘着剤組成物の粘度が低下し、所望の膜厚の粘着剤層を有する粘着塗工物が得難い。一方、モノマー(b)の使用量が多いと、粒径が小さくなり過ぎ、粘着剤組成物が高粘度化し、塗工性を損ない易く、良好な塗工性を確保するためには希釈しなければならず、この場合は乾燥性を損なうので好ましくない。尚、吸湿による粘着諸物性の低下を防止するために共重合後、モノマー(b)に由来するスルホン酸基をエチレンイミン架橋してもよい。

0018

本発明に用いられるアルコール性水酸基を含有するモノマー(c)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコールグリセロールメタクリレートなどが挙げられる。かかるモノマー(c)が、粘着剤の水への離解性を制御する。モノマー(c)を多量に使用すると高湿下において粘着剤が吸湿して、著しく軟化するために接着力、凝集力が共に低下するので、かかる粘着諸物性と水離解性とのバランスをとるべくモノマー(c)の量を選択する。また、吸湿による粘着諸物性の低下を防止するために共重合後、モノマー(c)に由来するアルコール性水酸基を硼砂で架橋してもよい。

0019

本発明においては、上記(a)〜(c)のモノマーの他にこれらと共重合し得る種々のモノマー、例えば、アクリル酸メタクリル酸マレイン酸フマル酸イタコン酸クロトン酸等の炭素数3〜9の不飽和エチレン性モノ(ジ)カルボン酸モノマーも使用することができる。かかる不飽和エチレン性モノ(ジ)カルボン酸モノマーを使用すると、粘着剤が紙基材に含まれるカルシウムと架橋して粘着剤層が硬くなるので粘着剤の吸湿による軟化を防ぎ、粘着諸物性の低下を防止することができる。

0020

さらに、水分散性アクリル樹脂(X)に、内部架橋をもたらすために不飽和二重結合を2個以上含有するモノマー、例えばジビニルベンゼンポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジアリルフタレートなども5重量%以下であれば使用することが可能である。

0021

さらにまた、水分散性アクリル樹脂(X)の分子量を調整するために連鎖移動剤、例えばオクチルチオグリコレート、t−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を1重量%以下使用したり、次亜燐酸ナトリウムを5重量%以下使用したりすることもできる。

0022

本発明において使用する水分散性アクリル樹脂(X)は、乳化重合・分散重合で製造しても良いし、溶液重合水性媒体を加えるなどして水分散体として用いても良いが、乳化重合・分散重合で製造することが好ましい。

0023

水分散性アクリル樹脂(X)を乳化重合にて製造する場合には、界面活性剤、または場合によっては水溶性保コロイドが適宜用いられる。

0024

界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤アニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤、又は両性界面活性剤等をそれぞれ単独で、又は各種組み合わせて使用することができ、共重合に供される全モノマーに対して0.1〜10重量%使用することが好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類グリセリン高級脂肪酸エステル類等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪酸塩類アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、アルキル第4級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸等が挙げられる。

0025

水溶性保護コロイドとしては、ポリビニルアルコ−ル、セルロ−ス誘導体デンプン水飴などの天然多糖類などが挙げられ、かかる水溶性保護コロイドを使用する場合には、共重合に供される全モノマーに対して30重量%以下使用することが好ましい。

0026

本発明において使用する水分散性アクリル樹脂(Y1)は、Tgが100℃以上であることを要する。即ち、水分散性アクリル樹脂(Y1)は、水分散性アクリル樹脂(X)に比較して硬い成分であり、かかる成分を分散性は水分散性アクリル樹脂(X)に添加することにより、再生パルプに残存する粘着剤全体のTgを高め、べたつきを生じないようにできたものである。かかる水分散性アクリル樹脂(Y1)は、上記水分散性アクリル樹脂(X)と同様にして得ることができる。

0027

本発明においては、水分散性アクリル樹脂(Y1)の代わりの「硬い成分」として、コロイダルシリカアルミナゾル等の無機粒子(Y2)も同様に使用することができる。

0028

本発明においては、水分散性アクリル樹脂(X)を50〜90重量%,水分散性アクリル樹脂(Y1)又は無機粒子(Y2)を10〜50重量%の割合で使用することが必要であり、(X)/(Y1)又は(Y2)は70〜80/20〜30(重量%)であることが好ましい。水分散性アクリル樹脂(X)が50重量%未満、即ち(Y1)又は(Y2)が50重量%を越えると、粘着物性が全て劣り、一方(X)が90重量%を越え、(Y1)又は(Y2)が10重量未満だと水離解性が劣り、とりわけ再生紙のすべり性が不良となる。

0029

初期接着力の向上、または特定基材への接着力の向上を目的として、本発明の粘着剤組成物には、粘着性付与剤を含有することもできる。例えば、ロジン樹脂フェノール樹脂ポリテルペンアセチレン樹脂石油系炭化水素樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体合成ゴム天然ゴム等を粘着性付与剤として粘着剤組成中に30重量%以下含有してもよい。

0030

更には、本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて種々の添加剤を含有することができる。例えば、消泡剤中和剤可塑剤湿潤剤増粘剤充填剤、架橋剤、着色剤防腐剤防黴剤溶剤等が挙げられる。

0031

本発明の粘着剤組成物は、塗工適性を考慮すると、不揮発分は30〜60%であることが好ましく、40〜50%であることがより好ましく、かかる範囲において、BL粘度計6000rpm、#4ローター使用したときの粘度は、3000〜10000cpsであることが好ましく、4000〜5000cpsであることがより好ましい。また、pHは経時保存定性作業環境性の観点から4〜9であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。

0032

本発明の粘着剤組成物は、紙・水溶性フィルムなどの基材に塗工して粘着塗工物を得ることが可能である。紙としては、上質紙スーパーコート紙、グロス紙などが挙げられ、水溶性フィルムとしてはポリビニルアルコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール共重合体フィルム等が挙げられる。本発明の粘着塗工物は、コンマコーターあるいはリバースコーター等を用いて粘着剤組成物を紙へ直接又は転写塗工するか、あるいは基材として水溶性フィルムを用いる場合には転写塗工することにより得ることができる。尚、転写塗工とは、剥離材上に粘着剤組成物を塗工し、乾燥した後に粘着剤組成物層上に基材を積層する方法である。かかる粘着塗工物上の粘着剤組成物層の塗工量乾燥重量で5〜50g/m2であることが好ましく、15〜25g/m2 であることが好ましい。

0033

本発明の粘着塗工物は、雑誌等の紙と共に古紙として回収された後、人手で分離することなくそのまま水によって離解することができる。粘着塗工物の紙基材は雑誌等の紙の繊維と共に再生され、また基材が水溶性フィルムの場合には溶解し、濾液として分離すればよい。そして、粘着塗工物上の粘着剤組成物は、紙の繊維と共に水によって離解することができる。

0034

次に実施例により本発明を説明する。
合成例1(水分散性アクリル樹脂(X1)の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 29部
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA) 12部
アリルスルホン酸ソーダ(50%水溶液)(SAS) 6部
アクリル酸(AA) 1部
アニオン系乳化剤(30%水溶液) 6部
イオン交換水14部
を混合し緩やかに攪拌してモノマー混合乳化液を調整し、滴下槽仕込む。一方反応槽に、イオン交換水:25.6部を仕込み窒素を50ml/分で吹き込みながら80℃に加熱する。過硫酸アンモニウム(5%水溶液)1.1部を反応槽に仕込む。上記のモノマー混合乳化液と、過硫酸アンモニウム(5%水溶液)3.3部とを同時にそれぞれ反応槽に3時間かけて滴下し、反応温度を60℃に下げ、パーブチルH(5%水溶液)0.9部とロンガリット1.1部を3回に分けて30分毎に添加し、反応を終了し、不揮発分47%のアクリル樹脂(X1)の水分散体を得た。

0035

合成例2〜4(水分散性アクリル樹脂(X2)〜(X4)の合成)
表1に示すモノマー処方にて合成例1と同様にして、不揮発分47%のアクリル樹脂(X2)〜(X4)の水分散体を得た。

0036

合成例5(水分散性アクリル樹脂(X5)の合成)
反応槽にイオン交換水32.4部、イソプロピルアルコール10部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みながら60℃に加熱し、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)2部添加し、
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 20部
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA) 25部
アリルスルホン酸ソーダ(50%水溶液)(SAS) 10部
混合モノマーを90分かけて滴下し、60℃で2時間反応した後、80℃に昇温してさらに2時間(この間1時間置きに過硫酸アンモニウム10%水溶液0.6部を3回に分けて添加)反応させ、不揮発分50%のアクリル樹脂(X5)の水分散体を得た。

0037

合成例6(水分散性アクリル樹脂(Y1)の合成)
メチルメタクリレート(MMA) 54部
ブチルアクリレート(BA) 3部
アクリル酸(AA) 1部
アニオン系乳化剤5部
イオン交換水15.8部
を混合し緩やかに攪拌してモノマー混合乳化液を調整し、滴下槽に仕込む。一方反応槽に、イオン交換水:19部を仕込み、窒素を50ml/分で吹き込みながら80℃に加熱し、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.7部を添加する。上記のモノマー混合乳化液と、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)1.6部とを同時にそれぞれ反応槽に3時間かけて30分毎に添加し、反応を終了し、不揮発分60%のアクリル樹脂(Y1)の水分散体を得た。

0038

上合成例1〜6の各樹脂のモノマー組成、及び得られた各アクリル樹脂のTg,水酸基価、酸価を表1に示す。

0039

実施例1(粘着剤塗工物の作製)
水分散性アクリル樹脂(X1)と水分散性アクリル樹脂(Y1)を固形分で80部と20部混合し、25%アンモニアでpHを7.5〜8.5,粘度を4000〜5000cpsに調整し、さらに消泡剤、濡れ改良剤を添加した。かかる粘着剤組成物を市販のグラシン紙セパレータ上に塗工し(塗工量:20±1g/m2 )、90℃−30秒乾燥した後、市販の上質紙<55>を張り合わせ粘着シート(粘着塗工物)を作製した。

0040

実施例2〜7
表2に示す処方にて粘着剤組成物を得、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

0041

実施例8〜9
実施例8は実施例1における水分散性アクリル樹脂(Y1)の代わりにコロイダルシリカであるルドクスAM(Du pont社(株)製)を、実施例9はアルミナゾルであるカタイドAP−3を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製した。

0042

実施例10〜13
水分散性アクリル樹脂(X1)及び水分散性アクリル樹脂(Y1)の他に、表1に示す処方にて、水飴(実施例10)、ポリイタコン酸(実施例11)、ロジンマレイン酸樹脂(実施例12)、アニオン性乳化剤(実施例13)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製した。

0043

比較例1〜5
比較例1〜5は、アクリル樹脂(X1〜X5)水分散体をそれぞれ単独で用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製した。

0044

比較例6
水分散性アクリル樹脂(X1):50部と水分散性アクリル樹脂(Y1):50部とを混合し、実施例1と同様にして粘着剤組成物,及び粘着シートを作製した。

0045

実施例1〜13、比較例1〜6で得た粘着シートについて、下記の通り粘着物性試験水離解性試験等を行い、その結果を表3に示した。
(1)初期及び24時間後の接着力の測定
試験片を25mm×100mmに切断しグラシン紙セパレーターを剥がした後、JIS Z−0237で規定される圧着装置を用いてSUS304板上に圧着し、圧着直後及び24時間後に、テンシロン引っ張り試験機を用いて、180°ピール強度を求めた(引っ張り速度:300mm/分)。

0046

(2)保持力の測定
JIS Z−0237に準じて貼付面積を25mm×25mmとして、40℃−1kgの荷重にて、粘着テープが落下するまでの時間を最大70000秒まで計測した。

0047

(3)ボールタック
JIS Z−0237に準拠したJ.Dow法により測定した。

0048

(4)水離解性試験及び再生紙抄紙試験
実施例1〜13、比較例1〜6で得た粘着シート:1.6gをできるだけ細かく千切り水道水130gと共に、家庭用ミキサー(700ml容量)で5000rpm−5分間撹拌した後、水道水を加え0.15%の濃度のスラリーを得る内径16cmの鋼管中に150メッシュ金網を固定し、該金網の下部に水を張り、金網上に希釈した上記スラリーを抄き、金網上に湿紙を得る。

0049

かかる湿紙上にほぼ同じ大きさの濾紙を重ね、さらに吸水濾紙を網の下に3枚重ねた後、この上に厚手金属板を乗せ、該金属板上をコーチロール(直径102mm、面長177.8mm、質量13kg)で5回往復する。吸水濾紙を除き、湿紙を濾紙ごと金網から剥がし、湿紙の金網に接していた方の面を金属板に接触させ、新たに濾紙上に吸水濾紙3枚を重ねて3.5kg/cm2 の圧力で5分間脱水する。最後に圧をかけずに120℃−100秒乾燥し、濾紙、吸水濾紙を剥がし再生紙を得る。一連の操作において、金網からの剥離性、濾紙からの剥離性、得られた再生紙のべたつき・滑りを評価した。

0050

尚、上記の評価試験では、紙再生に対する粘着剤組成物の混入の影響をはっきり評価すべく、紙を基材とする粘着シート(粘着塗工物)のみから紙繊維を回収し、紙を再生したものである。

0051

(金網からの剥離性)
○:良好。
×:金網にパルプが取られる。

0052

(濾紙からの剥離性)
○:スムーズに取れる。
△:剥離が重い。
×:再生紙が破れる。

0053

(再生紙のべたつき・滑り)
○:べたつきなく滑る。
△:べたつかないが湿潤感有り。
×:べたつく。

0054

0055

0056

発明の効果

0057

本発明によって、使用時には十分な粘着強度を有しながら、古紙回収後にタックラベルシ−トを人手によって分離せずに、タックラベルシ−トが混入した状態で再生紙を製造する場合においても、中性水で紙繊維と共に粘着剤を簡単に離解でき、離解した粘着剤が紙繊維上に残り難く、仮に残存しても再生紙を製造する工程において使用する抄紙機の機材,例えば網、脱水のための毛布、濾紙などからべたつくことなく容易に紙繊維を回収でき、表面がべたつかない滑りの良好な紙を再生し得る粘着剤組成物を提供することができるようになった。

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