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技術 易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料の製法

出願人 御国色素株式会社
発明者 和木稔
出願日 1997年12月15日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1997-344944
公開日 1999年6月29日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 1999-172134
状態 拒絶査定
技術分野 染料
主要キーワード ホワイトベース レジューサ 退色度合い 凝集沈殿剤 有機顔料濃度 層品質 ケント紙 マグネシウム元素
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課題

易分散性耐光性および耐熱性の良好な有機顔料を製造する。

解決手段

ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分から有機顔料を合成する際に、これらのうちの少なくとも一方に、水性液中に溶解またはコロイド状に分散させた金属化合物を含有させ、かつカップラー成分に顔料分散剤を混合溶解させたのち、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を反応させて有機顔料を合成する、または水性液中に溶解またはコロイド状に分散させた金属化合物含有液と、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散させた有機顔料含有液との少なくとも一方に顔料分散剤を混合溶解させ、前記金属酸化物含有液および有機顔料含有液を混合し、析出させる。

概要

背景

概要

易分散性耐光性および耐熱性の良好な有機顔料を製造する。

ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分から有機顔料を合成する際に、これらのうちの少なくとも一方に、水性液中に溶解またはコロイド状に分散させた金属化合物を含有させ、かつカップラー成分に顔料分散剤を混合溶解させたのち、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を反応させて有機顔料を合成する、または水性液中に溶解またはコロイド状に分散させた金属化合物含有液と、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散させた有機顔料含有液との少なくとも一方に顔料分散剤を混合溶解させ、前記金属酸化物含有液および有機顔料含有液を混合し、析出させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分から有機顔料を合成する際に、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分のうちの少なくとも一方に、水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物が含有せしめられ、かつカップラー成分に顔料分散剤が混合溶解せしめられたのち、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を反応させて有機顔料を合成することを特徴とする易分散性耐光性および耐熱性の良好な有機顔料の製法

請求項2

水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物含有液と、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散せしめられた有機顔料含有液との少なくとも一方に顔料分散剤が混合溶解せしめられており、前記金属化合物含有液および有機顔料含有液を混合し、析出させることを特徴とする易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料の製法。

請求項3

金属化合物の水性液中での溶解またはコロイド状への分散が無機酸または塩基性物質を用いて行なわれる請求項1または2記載の製法。

請求項4

有機顔料に対して、金属化合物を0.1〜30.0重量%、顔料分散剤を0.5〜50.0重量%使用する請求項1、2または3記載の製法。

請求項5

金属化合物が、チタン亜鉛、鉄、アルミニウムカルシウムバナジウムコバルトニッケル、銅、セリウム、スズ、クロム、鉛、タングステンバリウムベリリウムモリブデンケイ素マグネシウムカドミウムマンガンジルコニウムイットリウムおよびアンチモンから選ばれた金属の酸化物水和酸化物、およびそれらの塩の1種以上である請求項1、2、3または4記載の製法。

請求項6

顔料分散剤がカルボキシル基を有する酸価50〜300の水溶性樹脂であり、スチレン単位および(または)α−メチルスチレン単位を35重量%以上含有する重量平均分子量が2000〜20000の重合体である請求項1または2記載の製法。

技術分野

0001

本発明は、易分散性耐光性および耐熱性の良好な有機顔料製法に関する。

0002

従来から、塗料印刷インキ筆記具用インキ捺染プラスチックなどの用途に顔料が多く用いられてきている。しかしながら、太陽光中紫外線などに長時間耐えうる耐光性が良好な有機顔料は少なく、耐熱性も乏しいものがほとんどである。

0003

これらの欠点を解消する方法として、各種の紫外線吸収剤紫外線遮蔽剤を顔料と一緒に配合する方法が試みられている。たとえば、ベンゾトリアゾールパラアミノ安息香酸ベンゾフェノンケイ皮酸ウロカニン酸化合物サリチル酸系化合物などの有機化合物(紫外線吸収剤)や、酸化チタン酸化亜鉛などの金属酸化物(紫外線遮蔽剤)を用いる方法が試みられている。

0004

しかし、紫外線吸収剤は有機化合物であるために、それ自体耐光性がよくなく紫外線で劣化しやすく、また安全性の面でも問題があるものもある。

0005

一方、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物は紫外線遮蔽剤としてはすぐれたものであり、従来より化粧品日焼け止めなどに使用されてきている。

0006

しかし、これらは無機顔料に属しており、隠蔽性があるために有機顔料と配合したばあいの透明感に欠け、また比重が重いために分散後の安定性がわるく沈殿などが生じる。そこで、ニーダーロールミルスパイクミルなどの強力な剪断力を有する分散機分散粒子径を小さくして経時安定性を向上させることが試みられているが、無機顔料は固くてつぶれにくく、沈殿が起こりやすく、満足なものがえられていない。

0007

本来、耐光性や耐熱性などの諸物性は、顔料の化学構造に起因していることが多く、本質的にこれらの物性を改善するためには、添加剤を加えるよりも顔料粒子の表面に無機物などの物性向上剤被覆する方法が多く提案されている。

0008

たとえばヒドロキシル基を含有する中間層を介して金属酸化物を顔料粒子に被覆させる方法(特開昭64−16871号公報)や、金属アルコキシド加水分解させて顔料表面に被覆させ、耐熱性を向上させる方法(特開昭63−120766号公報および特開昭63−137966号公報)や、無機白色顔料アルミニウムレーキ黄色顔料で被覆した有機無機複合顔料の製法(特開平8−127732号公報)などが提案されている。

0009

しかし、これらの方法でえられる顔料は隠蔽性が強く透明感に欠けていたり、顔料粒子の一次粒子表面全体にかつ均一に被覆されていないために耐光性や耐熱性が充分に向上しなかったり、顔料を分散させにくいために充分な分散安定性がえられず、品質的に満足のいくところまで至っていない。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、前記のごとき実情にもとづいてなされたものであり、有機顔料の長所である高彩度および高着色性を維持し、欠点である耐光性および耐熱性を改善し、かつ分散が容易で経時安定性にすぐれた顔料を提供するためになされたものであり、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分から有機顔料を合成する際に、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分のうちの少なくとも一方に、水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物が含有せしめられ、かつカップラー成分に顔料分散剤が混合溶解せしめられたのち、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を反応させて有機顔料を合成することを特徴とする易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料の製法(請求項1)、水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物含有液と、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散せしめられた有機顔料含有液との少なくとも一方に顔料分散剤が混合溶解せしめられており、前記金属化合物含有液および有機顔料含有液を混合し、析出させることを特徴とする易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料の製法(請求項2)、金属化合物の水性液中での溶解またはコロイド状への分散が無機酸または塩基性物質を用いて行なわれる請求項1または2記載の製法(請求項3)、有機顔料に対して、金属化合物を0.1〜30.0%(重量%、以下同様)、顔料分散剤を0.5〜50.0%使用する請求項1、2または3記載の製法(請求項4)、金属化合物が、チタン亜鉛、鉄、アルミニウムカルシウムバナジウムコバルトニッケル、銅、セリウム、スズ、クロム、鉛、タングステンバリウムベリリウムモリブデンケイ素マグネシウムカドミウムマンガンジルコニウムイットリウムおよびアンチモンから選ばれた金属の酸化物水和酸化物、およびそれらの塩の1種以上である請求項1、2、3または4記載の製法(請求項5)、および顔料分散剤がカルボキシル基を有する酸価50〜300の水溶性樹脂であり、スチレン単位および(または)α−メチルスチレン単位を35%以上含有する重量平均分子量が2000〜20000の重合体である請求項1または2記載の製法(請求項6)に関する。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明では、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を反応させて有機顔料が製造される。

0012

前記ジアゾ成分またはテトラゾ成分としては、モノアゾ系有機顔料またはジスアゾ系有機顔料の製造に使用されるものであればとくに限定なく使用しうる。たとえばm−ニトロ−p−トルイジン、p−クロロ−o−ニトロアニリン、m−ニトロ−o−アニシジン、2,4−ジニトロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、m−クロロアニリン、o−クロロアニリン、o−クロロ−p−ニトロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、p−ニトロ−o−トルイジン、3,3′−ジクロロベンジジンダイアニシジン、α−ナフチルアミンのごときアミノ化合物鉱酸塩の形にさせた冷水溶液亜硝酸ソーダ溶液を加えてジアゾ化またはテトラゾ化させたものが具体例としてあげられる。前記ジアゾ成分またはテトラゾ成分は、一般に濃度1〜10%程度の溶液として使用される。

0013

前記カップラー成分も、モノアゾ系有機顔料またはジスアゾ系有機顔料の製造に使用されるものであればとくに限定なく使用しうる。たとえばアセト酢酸アニリドアセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、β−ナフトールナフトールAS、ナフトールAS−BS、ナフトールAS−TR、1−フェニル−3−メチル−5−ビラゾロン、1−フェニル−3−カルボキシエチル−5−ピラゾロンベンズイミダゾロンのごとき化合物を水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどの液に溶解させたものが具体例としてあげられる。前記カップラー成分は一般に濃度0.5〜5%程度の液として使用される。

0014

前記ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分からの有機顔料の製造は、これら2つの成分をカップリング反応させることにより行なわれるが、反応は通常ゆっくりと行なうのが好ましく、カップラー成分の中にジアゾ成分またはテトラゾ成分を滴下させるか、別の水の中に両成分を同時に滴下していくのが好ましい。

0015

前記ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分の混合割合は、等モルで反応させるのが望ましく、反応温度は概して15〜50℃の範囲であればよい。

0016

反応後、モノアゾ系有機顔料またはジスアゾ系有機顔料は、濾過水洗されたのち、ペースト状態で使用されるか、乾燥して粉末にして用いられる。

0017

前記モノアゾ系有機顔料の具体例としては、たとえばファストイエローG(C.I.PY−1)、ファストイエロー10G(C.I.PY−3)、ファストイエロー5G(C.I.PY−5)、ブリリアントスカレット(C.I.PR−22)、ブリリアントカーミンBS(C.I.PR−114)などがあげられ、前記ジスアゾ系有機顔料の具体例としては、たとえばジスアゾイエローG(C.I.PY−12)、ジスアゾイエローHR(C.I.PY−83)、ピラゾロンオレンジ(C.I.PO−13)、バルカンオレンジ(C.I.PO−16)、ピラゾロンレッドB(C.I.PR−38)などがあげられる。

0018

本発明では、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分から有機顔料を製造する際に、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分のうちの少なくとも一方に、水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物が含有せしめられ、かつカップラー成分に顔料分散剤が混合溶解せしめられたのち、ジアゾ成分またはテトラゾ成分およびカップラー成分を混合することにより、易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料(以下、改質顔料(1)ともいう)が合成される。

0019

前記金属化合物は、ジアゾ成分またはテトラゾ成分とカップラー成分のいずれか一方または両方のどこに含有されていてもよいが、作業効率の点から、どちらか一方に含有されているのが好ましい。

0020

前記金属化合物は、主としてえられる改質顔料(1)の耐光性および耐熱性を良好にするために使用される成分であり、また、前記顔料分散剤は、主としてえられる改質顔料(1)の分散性を良好にするために使用される成分である。

0021

なお、前記易分散性とは、後述するように、本発明の製法による顔料を一定の条件で分散機で分散させたときの粒子平均粒子径を測定し、同一の化学構造をもつ従来の顔料と比較して微細な平均粒子径になり、つぶれやすいことをいう。

0022

また、前記耐光性が良好とは、後述するように、カーボンアークフェードメーターで耐光性促進試験を行ない、本発明の製法による顔料が同一の化学構造をもつ従来の顔料と比較して、ブルースケール判定基準にしたがって変退色が少ないことをいう。

0023

さらに、前記耐熱性が良好とは、後述するように、オーブン中で200℃、30分間放置し、色相の変化の度合い(色差ΔE)を測定したばあいに、本発明の製法による顔料が同一の化学構造をもつ従来の顔料と比較して色差の値が小さいことをいう。

0024

前記金属化合物の例としては、チタン、亜鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、セリウム、スズ、クロム、鉛、タングステン、バリウム、ベリリウム、モリブデン、ケイ素、マグネシウム、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、イットリウム、アンチモンの1種または2種以上の酸化物、水和酸化物、およびそれらの塩があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。これらのうちではチタン、亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウムを金属成分とする化合物がコストおよび安全面から好ましい。

0025

前記水性液とは、水または水と無機酸または塩基性物質などの1種以上との混合物であり、水をベースとする液のことである。水性液であるために、前記金属化合物を安定に溶解またはコロイド状に分散させることができる。

0026

なお、前記コロイド状というのは、粒子径が10〜100nmの範囲のものをいい、また、溶解とは、粒子径が10nm未満のものをいう。測定はレーザー光散乱法光子相関法原理に基づいた測定機器コールターN4)により行なう。

0027

前記金属化合物を水性液中に溶解またはコロイド状に分散させる際に、金属化合物が水和酸化物や塩化物のような比較的水に溶解しやすい形になっているものは問題が少ないが、酸化物のような水に溶解しにくい形のものは、無機酸または塩基性物質を用いて、具体的には10〜100%程度の濃度で無機酸または塩基性物質を含む(水性)液を用いて行なってもよい。

0028

前記無機酸の例としては、塩酸硫酸硝酸などの鉱酸があげられ、塩基性物質の例としては、アンモニアモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンモルホリンなどの有機アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属化合物などがあげられる。

0029

前記金属化合物を水性液中に溶解またはコロイド状に分散させた液中における金属化合物の濃度は、一般に0.2〜20%、さらには0.5〜10%であるのが粘度と溶解性の点から好ましい。

0030

前記金属化合物は、溶解またはコロイド状に分散せしめられることによって、つぎの工程で有機顔料とともに析出させ、有機顔料の耐光性および耐熱性を改善することができる。そうすることによって有機顔料の長所である高彩度および高着色性を維持しながら、目的とする耐光性および耐熱性の改善を行なうことができる。一般に、有機顔料のスラリー状態つまり分散機などでほぐした状態においては、一次粒子の表面エネルギーが大きいために凝集した粒子をせいぜい二次粒子ぐらいまでしかほぐすことができない。このような粒子の表面を被覆して有機顔料の改質を行なおうとしても、良好な特性のものはえられていない。一方、本発明では、詳細は不明であるが、有機顔料の合成工程において、溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物を共存させることによってカップリング反応ののちに形成される一次粒子の中に金属化合物をとりこませたり、表面に金属化合物を析出させて被覆させたりすることができ、そののち凝集を起こしたとしても微細なレベルで有機顔料の改質が行なわれるため良好な特性のものがえられると考えられる。この際、pH調整は重要な要素である。pHは顔料分散剤が析出しやすい酸性側のpHにするのが好ましい。

0031

有機顔料を改質するのに用いる前記金属化合物の量は有機顔料に対して0.1〜30.0%、さらには0.5〜28%であるのが好ましい。使用量が0.1%未満のばあいには耐光性や耐熱性などの改善効果が充分に発揮されず、また30.0%より多く使用しても改質するのに必要な量に達しており、それ以上用いることによる効果はえられず、比重が重いため分離沈降などの安定性の問題を生じる可能性がある。

0032

前記顔料分散剤としては、カルボキシル基を有する酸価が50〜300、さらには80〜250の範囲にある水溶性樹脂であり、スチレン単位および(または)α−メチルスチレン単位を35%以上含有する重量平均分子量が2000〜20000、さらには2500〜15000の重合体が好ましい。前記酸価が小さすぎるばあいにはアルカリ中和での水溶化が難しく、また、大きすぎるばあいには乾燥後の耐水性がわるくなる傾向にある。さらに、重量平均分子量が極端に小さくても大きくても分散性能に劣る傾向にある。

0033

前記顔料分散剤の具体例としては、たとえばスチレンアクリル酸共重合体、スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アクリル酸エステル(C1〜C4程度の低級アルキルエステル、以下同様)共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体もしくはスチレン−メタクリル酸アクリル酸エステル共重合体など;たとえばスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メチルスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体もしくはスチレン−メタクリル酸エステル−マレイン酸共重合体など;たとえばスチレン−アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタリルスルホン酸共重合体もしくはスチレン−アクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体など、またはそれらのナトリウムカリウムアンモニウムアミン類などの塩をあげることができる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちではスチレン−アクリル酸系(スチレンとアクリル酸を含む系)からの共重合体が易分散性の効果が大きいため好ましい。また、酸価などの特性が前記の範囲のものが好ましい。

0034

前記顔料分散剤の使用量としては、有機顔料に対して0.5〜50.0%、さらには2〜45%であるのが好ましい。使用量が0.5%未満のばあい、分散が容易でなく、分散にかなりの時間が消費される傾向にあり、50.0%より多くなると、粘度が高くなり、分散性もそれ以上向上しない傾向にある。

0035

前記顔料分散剤は、通常、pHはアルカリ側であるためカップラー成分に含まれるのが好ましい。同時に顔料分散剤を混合溶解させておくことによって、顔料分散剤も有機顔料の一次粒子とともに析出しやすく、易分散性の有機顔料がえられやすくなる。

0036

たとえば、モノアゾ系顔料またはジスアゾ系顔料を合成する工程において、ジアゾ成分もしくはテトラゾ成分またはカップラー成分中に金属化合物と顔料分散剤とを溶解またはコロイド状に分散させておき、顔料合成工程において有機顔料生成とともに析出させる。有機顔料粒子とともに、目的とする金属化合物および顔料分散剤を効率よく析出させるには、pHを析出しやすいように、たとえば溶解させている溶液の反対側のpH域に調整したり、凝集沈殿剤、たとえば硫酸バンドなどを添加するのが好ましい。

0037

なお、金属化合物の表面を改質して、有機顔料との密着性を強固にするためにカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤の種類としては、アルミニウム系、チタニウム系、シラン系などのカップリング剤があげられる。金属化合物と一緒に添加しておくのが好ましい。

0038

金属化合物および顔料分散剤を合成された有機顔料とともに析出させることによってえられる改質顔料(1)は、通常の濾過水洗工程、必要ならばさらに乾燥工程を経て粉末の改質顔料(1)としてうることができる。

0039

易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料(改質顔料(2))は、水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物含有液と、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散せしめられた有機顔料含有液との少なくともいずれか一方に混合溶解されている顔料分散剤の存在下で、前記金属酸化物含有液および有機顔料含有液のどちらか一方を他方に滴下するか、両方を別の水中に加えて混合し、析出させることによっても製造することができる。

0040

前記水性液中に溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物、顔料分散剤は、改質顔料(1)の製造に用いたものと同じであるので、説明は省略する。なお、金属化合物含有液の濃度は、0.2〜10%、さらには0.5〜5.0%であるのが粘度や作業性の点から好ましい。

0041

改質顔料(2)の製造に使用される有機顔料は、改質顔料(1)のばあいのようにモノアゾ系有機顔料またはジスアゾ系有機顔料に限定されるわけではなく、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散せしめられ、有機顔料含有液になるものであれば使用しうる。

0042

前記有機顔料の例としては、たとえばアゾレーキ不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料キレートアゾ顔料などのアゾ顔料類;フタロシアニン顔料ペリレン顔料ペリノン顔料アントラキノン顔料、キナクリドン顔料ジオキサジン顔料チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料キノフタロン顔料ジケトピロロピロール顔料蛍光顔料真珠光沢顔料などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0043

前記有機顔料を溶解またはコロイド状に分散せしめる有機溶剤としては、たとえばアセトン、1,4−ジオキサンエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルエタノールイソプロピルアルコール(IPA)、ピリジンジメチルホルムアミドN−メチル−2−ピロリドンなどがあげられる。また、無機酸もしくは塩基性物質としては、金属化合物を溶解またはコロイド状に分散させるのに用いる無機酸や塩基性物質と同じものが使用されうる。

0044

前記有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質で溶解またはコロイド状に分散せしめられた有機顔料の濃度としては、1〜40%、さらには3〜30%であるのが好ましい。さらに溶解度をあげるために60〜100℃まで昇温してもよい。

0045

前記顔料分散剤は、金属化合物を含む水性液中に含有させてもよく、有機顔料を含む液中に含有させてもよく、両方に含有させてもよいが、アルカリ中和型の分散剤である点から、pHが中性もしくはアルカリ域の水性液中に含有させるのが好ましい。

0046

前記金属化合物は、溶解またはコロイド状に分散せしめられることによって、つぎの工程で有機顔料とともに均一に析出させることができる。そうすることによって目的とする改質を行なうことができる。一般に、有機顔料をスラリー状態または分散機などでほぐした状態にしても、表面エネルギーが大きいために二次凝集さらに三次凝集を起こしており、一次粒子まで細分化することが極めて難しいためか、金属化合物で粒子の表面を被覆して高性能に改質することは困難である。本発明においては、前述のごとく、有機溶剤および(または)無機酸もしくは塩基性物質によって溶解またはコロイド状に分散させた有機顔料を析出させる際に、溶解またはコロイド状に分散せしめられた金属化合物を共存させることによって、有機顔料の一次粒子中に金属化合物をとりこませたり、表面に金属化合物を析出させて被覆させたりすることができ、そののち凝集を起こしたとしても微細なレベルで有機顔料の改質が行なわれているため良好な特性のものがえられると考えられる。

0047

改質顔料(2)は、前記有機顔料を含有する液と金属化合物を含有する液とのいずれか一方をいずれか一方に滴下するか、両方を別の水中に加えて混合することによって、両方に含有されている物質を析出させ、改質顔料を生成させる。ばあいによっては、有機顔料と金属化合物が同じ含有液であって、別の水中に加えてもよい。

0048

前記別の水は、5〜35℃の好ましくは、イオン交換水のような不純物イオンの少ない水であり、水の量は、有機顔料を含有する液と金属化合物を含有する液とを加え終わった時点の有機顔料濃度が0.1〜20%、さらには0.2〜15%になる量であるのが、析出の効率化の点から好ましい。

0049

また、前記2つの液を別の水に加える割合としては、有機顔料と金属化合物と顔料分散剤との割合が前述の割合になるようにするのが好ましい。

0050

さらに、前記2つの液をどちらか一方に滴下するか両方を別の水に加える速度としては、徐々に滴下するのが好ましい。

0051

前記2つの液を別の液に加え終わったのち、改質顔料(1)と同様に効率よくともに析出させるためにpH調整、凝集沈殿剤を添加することにより、金属化合物および顔料分散剤を有機顔料とともに析出させた改質顔料(2)がえられるが、通常の濾過水洗工程、必要ならばさらに乾燥工程を経て粉末の改質顔料(2)をうることができる。

0052

さらにえられた改質顔料(1)および(2)を水性分散体にする処方をつぎに述べる。

0053

改質顔料に、塩基性物質、水溶性有機溶剤、添加剤および水を配合し、分散機を用いて物理的に破砕し、水中に細かく分散させるのが好ましい。

0054

まず、改質顔料の表面に存在している顔料分散剤を塩基性物質で中和し、分散能力を最大限に発揮させるのが易分散つながり、安定化の点から好ましい。

0055

前記塩基性物質としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリンなどの有機アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属塩などがあげられる。これは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0056

また、分散時に必要に応じて分散性をより向上させるための樹脂などをさらに加えてもよい。

0057

前記樹脂の例としては、前記顔料分散剤以外のスチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−メチルスチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂などの水溶性樹脂もあげることができる。

0058

さらに、水溶性有機溶剤を前もって添加しておくことによって顔料の湿潤性をよくし、分散性を向上させてもよい。とくに遅乾性水溶性有機溶剤が好ましい。具体例としては、モノエチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールプロピレングリコールグリセリン、1,3−ブタンジオールポリグリセリンチオジエチレングリコールポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンなどがあげられるが、これら限定されるものではない。添加量としては、粘度を極端にあげて品質を悪化させない範囲であればよく、全系に対して10%以下が望ましい。

0059

さらに、水性分散体の物性を向上させるために、防腐剤防黴剤、糖類、エマルジョン粘度調整剤pH調整剤消泡剤などを適宜加えてもかまわない。

0060

これらを配合したものを分散させる分散機としては、易分散性であるために強力なせん断力は不要であり簡易な分散機であればよく、たとえばサンドグラインダーボールミルサンドミル超音波分散機などの公知の分散機があげられるが、これらに限定されるものではない。

0061

さらに、遠心分離フィルター処理により粗大粒子を除去することができ、より一層品質を向上させることが可能である。

0062

つぎに本発明の有機顔料(改質顔料)の製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0063

なお、各実施例および比較例中の評価方法を以下にまとめて示す。

0064

(耐光性)改質顔料の水性分散体(顔料分18.0%に調整)をケント紙バーコーター#10で塗工し、120℃で10分間乾燥させたものを試験片とした。

0065

カーボンアークフェードメーターで500時間紫外線照射を行ない、JISL−0841ブルースケール8等級を用いて退色度合いを、以下の判定基準にしたがって評価した。

0066

[判定基準]
1:色の変退色がブルースケール1級と同レベル
2:色の変退色がブルースケール2級と同レベル
3:色の変退色がブルースケール3級と同レベル
4:色の変退色がブルースケール4級と同レベル
5:色の変退色がブルースケール5級と同レベル
6:色の変退色がブルースケール6級と同レベル
7:色の変退色がブルースケール7級と同レベル
8:色の変退色がブルースケール8級と同レベル
なお、1〜3等級は、耐光性に劣り、実用上問題のあるレベルである。

0067

(耐熱性)耐光性試験で用いたのと同じ塗工紙を別に作成して用いた。塗工紙をオーブン中で200℃、30分間放置し、色相の変化の度合い(色差ΔE)を測色計ND−300A(日本電色工業(株)製)を使用して測定した。

0068

従来の同一化学構造の顔料と比べて測定値が小さいばあいを○、そうでないばあいを×とした。

0069

(易分散性)改質顔料のつぶれ易さを、分散機サンドグラインダーで30分間処理したのちの平均粒子径をコールターN4(コールター社製)で測定した。

0070

なお、サンドグラインダーはφ1.0mmガラスビーズを液量と同体積(みかけ)入れ、1500rpmで回転させた。

0071

従来の同一化学構造の顔料と比べて測定値が小さいばあいを○、そうでないばあいを×とした。

0072

(安定性)改質顔料の水性分散体(顔料分18.0%に調整)を20℃の恒温室に1カ月間静置し、顔料の沈降の有無をしらべた。顔料の分散や水浮きまたは沈降が少しでも生じた状態を異常と評価し、異常なしのばあいを○、異常ありのばあいを×とした。

0073

(透明性)改質顔料の水性分散体を顔料分として0.05g/Lの濃度に希釈してCCM(ACS社製)で透過度を測定した。C光源、2度視野でL*を測定した。

0074

金属化合物を添加することによって、従来の方法では顔料の透明性を維持することが難しく、顔料のもっている透過度をできるだけ落とさないことがよく、従来の同一化学構造の顔料と比べて測定値が変らないばあい、つまり透明性が保たれているばあいは○、測定値が小さくなるばあい、つまり隠蔽性がアップしたばあいは×とした。

0075

実施例1
2Lの容器に35%塩酸40部、水300部を投入し、つづいて酸化亜鉛5部を加えて25℃で溶解させ、さらにp−ニトロ−o−トルイジン16.5部を添加して5℃以下に保ちつつ、50%亜硝酸ソーダを17部加えてジアゾ化した。

0076

一方、5Lの容器にナフトールAS 25部、水酸化ナトリウム10部、水300部を90℃で混合させてナフトールASを溶解させ、さらに水2000部、30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液(スチレン/アクリル酸=88/12、酸価94、分子量12000、Tg101℃、アンモニア中和)30部を加えた。

0077

えられた液中に前記ジアゾ化液を25℃で2時間にわたって滴下し、カップリング反応させると、改質赤色顔料(C.I.PR−22)が生成析出した。

0078

なお、顔料生成と同時に亜鉛化合物および分散剤をともに析出させるために合成時のpH域をアルカリ側(8.0〜10.0の範囲)になるように調整した。

0079

さらに、pHを6.5〜7.5に調整後、8%硫酸バンド5部を添加して一部未析出の顔料分散剤を凝集析出させて、常法により濾過および水洗を行なった。

0080

えられたペーストは180部で、固形分29.5%であった。なお、原子吸光法測定により亜鉛元素が3.8部含有されており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりに亜鉛化合物が吸着されていることが確認された。

0081

つぎに、前記ペースト180部、モノエタノールアミン1部、グリセリン5部、イオン交換水80部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH9.0、平均粒子径130nm、固形分19.9%の改質顔料の水性分散体をえた。さらに、これを25000Gで5分間遠心分離することにより0.3μ以上の粗大粒子を除去した。

0082

えられた水性顔料分散体95部にジエチレングリコール35部およびイオン交換水120部を混合撹拌して赤色の筆記具用水性インキをえた。

0083

えられたインキを用いて筆記試験を行なったところ、ペン先からの流出性およびドライアップ性にすぐれていた。また、描画試験を行なったところ、筆記500mでかすれはなかった。

0084

さらに、前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を前記に示す方法にしたがって評価した。結果を表1に示す。

0085

比較例1
酸化亜鉛および顔料分散剤(30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液)を加えないで従来の顔料を生成させ、分散時に加えなかった30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液を顔料に対して比例する量だけ添加した以外は実施例1と同様にして、有機顔料の水性分散体をえた。

0086

えられた水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0087

実施例2
2Lの容器に98%濃硫酸34部、水500部、さらにジクロロベンジジン28部を添加し、5℃以下に保ちつつ50%亜硝酸ソーダを33部加えてテトラゾ化した。

0088

一方、5Lの容器にアセト酢酸アニリド40部、水酸化ナトリウム16部、水300部を加え、60℃で混合させてアセト酢酸アニリドを溶解させ、30%スチレン−マレイン酸樹脂溶液(スチレン/マレイン酸=60/40、酸価190、分子量3000、Tg112℃、アンモニア中和)50部、さらに水2000部を添加し、つづいてケイ酸ナトリウム7部を水500部に溶解させてから加えた。

0089

えられた液中に前記テトラゾ化液を25℃で2時間にわたって滴下し、カップリング反応させると、改質黄色顔料(C.I.PY−12)が生成析出した。そののち、常法により濾過および水洗を行なった。

0090

なお、顔料生成とともにケイ酸化合物および分散剤を析出させるために合成時のpH域を酸性側(3.0〜5.0の範囲)になるように調整した。

0091

えられたペーストは270部で固形分32.5%であった。なお、原子吸光法測定によりケイ素元素が1.9部含有されており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりにケイ素化合物が吸着していることが確認された。

0092

つぎに、えられたペースト163部、水酸化カリウム1.5部、グリセリン5部、イオン交換水102部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH9.3、平均粒子径116nm、固形分20.1%の改質顔料の水性分散体をえた。さらに、これを5μmのフィルターを通過させることにより粗大粒子を除去した。

0093

えられた水性分散体15部を紙パルプ100部(LBKP:NBKP=1:1)に添加し、これをタッピ式角型シートマシンにて抄造した。できあがった抄紙は、耐光性および耐熱性にすぐれたものであった。

0094

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0095

比較例2
ケイ酸ナトリウムおよび顔料分散剤(30%スチレン−マレイン酸樹脂溶液)を加えないで従来の顔料を生成させ、分散時に加えなかった30%スチレン−マレイン酸樹脂溶液を顔料に対して比例する量だけ添加した以外は、実施例2と同様にして有機顔料の水性分散体をえた。

0096

えられた水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0097

実施例3
2Lの容器に98%濃硫酸38部、水50部を投入し、つづいて酸化コバルト15部を加えて25℃で溶解させ、さらにジクロロベンジジン25部と水450部を添加し、5℃以下に保ちつつ50%亜硝酸ソーダ30部を加えてテトラゾ化した。

0098

一方、5Lの容器に水酸化ナトリウム12部、水300部を50℃で混合させて1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン34部を溶解させ、30%スチレン−メチルスチレン−アクリル酸樹脂溶液(スチレン/α−メチルスチレン/アクリル酸=40/30/30、酸価234、分子量9000、Tg102℃、アンモニア中和)80部、さらに水2000部を加えた。

0099

えられた液に前記テトラゾ化液を25℃で2時間にわたって滴下し、カップリング反応させると、改質橙色顔料(C.I.PO−13)が生成析出した。

0100

なお、顔料生成とともにコバルト化合物および分散剤を析出させるために合成時のpH域をアルカリ側(8.0〜10.0の範囲)になるように調整した。

0101

さらに、pHを6.5〜7.5に調整後、8%硫酸バンド5部を添加して一部未析出の顔料分散剤を凝集析出させて、常法により濾過および水洗を行なった。

0102

えられたペーストは380部で、固形分25.3%であった。なお、ICP法測定によりコバルト元素を11.7部含有しており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりにコバルト化合物が吸着されていることが確認された。

0103

つぎに、えられたペースト210部、25%アンモニア水7.0部、グリセリン5部、イオン交換水50部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH8.9、平均粒子径124nm、固形分19.5%の表面被覆有機顔料の水性分散体をえた。さらに、これを25000Gで5分間遠心分離することにより粗大粒子を除去した。

0104

えられた水性顔料分散体10部にレジューサ80部と固着剤アクリルエマルジョン)10部を混合撹拌したのち、シルクスクリーン法印捺したが、顔料がスクリーン目づまりすることはなく、鮮明に捺染することができた。

0105

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0106

比較例3
酸化コバルトおよび顔料分散剤(30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液)を加えないで従来の顔料を生成させ、分散時に加えなかった30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液を顔料に対して比例する量だけ添加した以外は、実施例3と同様にして有機顔料の水性分散体をえた。

0107

えられた水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0108

実施例4
1Lの容器に水500部および塩化第一セリウム8.0部を加え、25℃で溶解させ、ついで30%スチレン−メタクリル酸樹脂溶液(スチレン/メタクリル酸=78/22、酸価170、分子量8500、Tg107℃、アンモニア中和)10部を添加した。

0109

一方、0.5Lの容器に98%濃硫酸250部を仕込み、2,9−ジメチルキナクリドン顔料42部を徐々に加えて溶解させた。

0110

つづいて、前記2液を5Lの水中に2000rpmで撹拌しながら2時間かけて40℃以下で滴下させると、改質マゼンタ顔料(C.I.PR−122)が生成析出した。

0111

なお、顔料の析出とともにセリウム化合物と分散剤を析出させるために、pH域をアルカリ側(8.0〜10.0の範囲)になるように水酸化ナトリウム溶液を添加して調整した。さらに、pHを6.5〜7.5に調整後、8%硫酸バンド5部を添加して一部未析出の顔料分散剤を凝集析出させて、常法により濾過および水洗を行なった。

0112

えられたペーストは190部で、固形分27.2%であった。なお、ICP法測定によりセリウム元素が3.0部含有されており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりにセリウム化合物が吸着されていることが確認された。

0113

つぎに、えられたペースト190部、モノエタノールアミン2部、グリセリン5部、前記樹脂溶液20部、イオン交換水65部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH9.5、平均粒子径143nm、固形分20.5%の改質顔料の水性分散体をえた。

0114

えられた水性顔料分散体10部に水性塗料用ホワイトベース90部を混合撹拌したのち、外装塗料として使用したが、1年間屋外色あせることなく美観を保っていた。

0115

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0116

比較例4
従来の顔料をそのまま前記の水性分散体の処方にそって分散処理を行ない有機顔料の水性分散体をえた。なお、分散剤は実施例4に用いた量だけを添加した。

0117

えられた水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0118

実施例5
1Lの容器に、水300部、酸化マグネシウム10部、35%塩酸250部を混合撹拌させて、酸化マグネシウムを溶解させた。

0119

一方、0.5Lの容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル100部、40%水酸化ナトリウム200部、イソインドリノン顔料50部、30%スチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸樹脂溶液(スチレン/アクリル酸メチル/アクリル酸=40/35/25、酸価196、分子量10500、Tg69℃、アンモニア中和)15部を仕込み撹拌しながら90℃まで昇温させ、1時間維持し、顔料をコロイド状に分散させた。

0120

つづいて、前記2液を5Lの水中に2000rpmで撹拌させながら2時間かけて40℃以下で滴下させると、改質黄色顔料(C.I.PY−109)が生成析出した。

0121

さらに、pHを6.5〜7.5に調整後、8%硫酸バンド5部を添加して一部未析出の顔料分散剤を凝集析出させて、常法により濾過および水洗を行なった。

0122

えられたペーストは270部で、固形分23.2%であった。なお、ICP法測定によりマグネシウム元素が6.0部含有されており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりにマグネシウム化合物が吸着されていることが確認された。

0123

つぎに、前記ペースト227部、ジエタノールアミン2部、グリセリン5部、イオン交換水45部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH9.2、平均粒子径148nm、固形分18.9%の改質顔料の水性分散体をえた。

0124

えられた水性顔料分散体60部、モノエチレングリコール30部、高分子型増粘剤1部およびイオン交換水100部を混合撹拌して黄色の筆記具用水性インキをえた。

0125

えられたインキを用いて筆記試験を行なったところ、ペン先からの流出性およびドライアップ性にすぐれていた。また描画試験を行なったところ、筆記500mでかすれはなかった。

0126

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0127

比較例5
従来の顔料をそのまま前記の水性分散体の処方によって分散処理を行ない有機顔料の水性分散体をえた。なお、分散剤は実施例5に用いた量だけを添加した。

0128

えられた水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0129

実施例6
1Lの容器に、水250部、塩基性炭酸鉛15部、50%水酸化ナトリウム200部を混合撹拌し溶解させ、ついで30%スチレン−アクリル酸樹脂溶液(スチレン/アクリル酸=88/12、酸価94、分子量12000、Tg101℃アンモニア中和)35部を添加した。

0130

一方、0.5Lの容器に98%濃硫酸400部を仕込み、銅フタロシアニン顔料55部を徐々に加えて70℃で溶解させた。

0131

つづいて、前記顔料溶解液を2000rpmで撹拌させながら塩基性炭酸鉛溶解液を2時間かけて40℃以下で滴下させると、改質青色顔料(C.I.PB−15:3)が生成析出した。

0132

さらに、pHを6.5〜7.5に調整後、8%硫酸バンド5部を添加して一部未析出の顔料分散剤を凝集析出させて、常法により濾過および水洗を行なった。

0133

えられたペーストは310部で、固形分22.4%であった。なお、ICP法測定により鉛元素が11.8部含有されており、走査電子顕微鏡で顔料粒子のまわりに鉛化合物が吸着されていることが確認された。

0134

つぎに、前記ペースト200部、トリエタノールアミン2部、グリセリン5部、イオン交換水5部を配合したものをディゾルバーで1500rpm・3時間撹拌したのち、サンドグラインダーで30分間処理して分散させた。pH9.0、平均粒子径126nm、固形分19.4%の改質顔料の水性分散体をえた。さらに、これを18000Gで5分間遠心分離することにより粗大粒子を除去した。

0135

えられた水性顔料分散体70部、モノエチレングリコール40部およびイオン交換水100部を混合撹拌して青色の水性インキをえた。このインキを用いてバーコーター#10で西洋紙コーティングを行なったところ、均一に塗布することができ、しかも鮮明な色相を呈していた。

0136

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0137

比較例6
従来の顔料をそのまま前記の水性分散体の処方によって分散処理を行ない有機顔料の水性分散体をえた。なお、分散剤は実施例6に用いた量だけを添加した。

0138

前記水性分散体について、耐光性、耐熱性、易分散性、安定性、透明性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。

0139

発明の効果

0140

本発明によると、易分散性、耐光性および耐熱性の良好な有機顔料を製造することができる。

0141

つまり従来の顔料分散体の製造における時間短縮ならびにコスト節約となるばかりでなく、耐光性および耐熱性などの諸物性がすぐれ、さらに水性分散液にしたばあい、安定性が良好で、あらゆる用途に提供できるものである。

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