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技術 合成ラピス・ラズリおよびその製造方法

出願人 京セラ株式会社
発明者 瀧口義博西原孝典
出願日 1997年10月29日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 1997-297057
公開日 1999年6月29日 (21年3ヶ月経過) 公開番号 1999-171623
状態 特許登録済
技術分野 装身具 セメント、コンクリート、人造石、その養正 人造石、天然石の後処理 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード イミテーション 理論化学組成 基本原料 スリップキャスト 黄鉄鉱 ジャスパ 装身具 ウルトラマリン
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この項目の情報は公開日時点(1999年6月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

従来のイミテーション品のラピス・ラズリは、天然のラピス・ラズリとは色も質感も異なるものであった。

解決手段

ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して調製して水で養生することにより合成する。

概要

背景

ピス・ラズリは、日本名を青金石といい、古くから装身具飾り石として珍重されるとともに、粉末にして絵具などの顔料としても用いられてきた。

ラピス・ラズリは、方ソーダ石族として一括される鉱物のひとつである。方ソーダ石族の鉱物はどれも同じ結晶構造をもっており、アルミニウム(A1)または珪素(Si)を四つの酸素(O)が囲む四面体が、石英長石と同じように、立体的につながった骨組みをつくっている。

この骨組みの間に比較的大きな空間があって、この空間にいろいろのイオン入り込むことができる。ラピス・ラズリ(青金石)ではここに、ナトリウムカルシウム(Ca)と、硫黄(S)、四酸化硫黄塩素(Cl)が入っている。したがって、ラピス・ラズリは一種固溶体ということができる。結晶系は立方晶系であり、モース硬度は5.5〜6で、比重は2.4程度である。

このような、ラピス・ラズリは、黄血塩硫酸塩の作用によって青色に染められたジャスパーの一種であるスイスラピスやジャーマンラピスによって模造されたり、コバルトで着色した焼結処理の合成スピネル等のイミテーション品がある。また、その他のイミテーション品として黄鉄鉱を含んでプラスチック接着した粉末のラピス・ラズリでできているものやガラスで作られたラピス・ラズリがある。

概要

従来のイミテーション品のラピス・ラズリは、天然のラピス・ラズリとは色も質感も異なるものであった。

ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して調製して水で養生することにより合成する。

目的

したがって、本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、天然のラピス・ラズリと同様の結晶相をもち、同様の色と質感を呈する合成ラピス・ラズリとその製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように含有して成る合成ラピス・ラズリ

請求項2

前記基本原料にアルキルシリケートを含有させたことを特徴とする請求項1に記載の合成ラピス・ラズリ。

請求項3

ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して調製して水で養生して合成することを特徴とする合成ラピス・ラズリの製造方法。

請求項4

水で養生した合成ラピス・ラズリにアルキルシリケートを合浸させて加熱処理することを特徴とする請求項3に記載の合成ラピス・ラズリの製造方法。

技術分野

0001

本発明は合成ラピス・ラズリとその製造方法に関する。

背景技術

0002

ラピス・ラズリは、日本名を青金石といい、古くから装身具飾り石として珍重されるとともに、粉末にして絵具などの顔料としても用いられてきた。

0003

ラピス・ラズリは、方ソーダ石族として一括される鉱物のひとつである。方ソーダ石族の鉱物はどれも同じ結晶構造をもっており、アルミニウム(A1)または珪素(Si)を四つの酸素(O)が囲む四面体が、石英長石と同じように、立体的につながった骨組みをつくっている。

0004

この骨組みの間に比較的大きな空間があって、この空間にいろいろのイオン入り込むことができる。ラピス・ラズリ(青金石)ではここに、ナトリウムカルシウム(Ca)と、硫黄(S)、四酸化硫黄塩素(Cl)が入っている。したがって、ラピス・ラズリは一種固溶体ということができる。結晶系は立方晶系であり、モース硬度は5.5〜6で、比重は2.4程度である。

0005

このような、ラピス・ラズリは、黄血塩硫酸塩の作用によって青色に染められたジャスパーの一種であるスイスラピスやジャーマンラピスによって模造されたり、コバルトで着色した焼結処理の合成スピネル等のイミテーション品がある。また、その他のイミテーション品として黄鉄鉱を含んでプラスチック接着した粉末のラピス・ラズリでできているものやガラスで作られたラピス・ラズリがある。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、スイスラピスやジャーマンラピス及び合成スピネル、プラスチックラピス、ガラスラピス等のイミテーション品は、基本的に色や質感が似ていればいいというものであり、物性は天然ラピス・ラズリとは全く異質のものである。

0007

また、淡色のラピス・ラズリを染色した処理石もあるが、決して最良のすばらしい色を見せることはない。

0008

本発明者等は、このような従来のイミテーション品のラピス・ラズリや処理石に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ウルトラマリン炭酸カルシウムポルトランドセメントの三成分からなる基本原料に、パイライトを所定量含有させると天然のラピス・ラズリと同様の結晶相をもち、同等の色と質感を再現できることを知見した。

0009

したがって、本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、天然のラピス・ラズリと同様の結晶相をもち、同様の色と質感を呈する合成ラピス・ラズリとその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、請求項1に係る合成ラピス・ラズリでは、ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように含有して成る。

0011

また、請求項3に係る合成ラピス・ラズリの製造方法では、ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して調製して水で養生することにより合成する。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、請求項1に係る合成ラピス・ラズリと請求項2に係る合成ラピス・ラズリの製造方法を詳細に説明する。

0013

まず、原料組成について説明する。一般的にラピス・ラズリは、藍方石(hauynite)、方ソーダ石(sodalite)、ノゼアン(noselite)、天藍石(Iazurite)の鉱物(ウルトラマリン)から構成されており、これにパイライト(黄鉄鉱)(pyrite)と方解石(calcite)が混入したものである。

0014

そこで原料は、天然と同じ化学組成の合成ウルトラマリンと方解石(calcite)の理論化学組成である炭酸カルシウム(CaCo3 )及び結合剤としてポルトランドセメントを使用して基本原料を作製し、これにパイライトを添加して原料を調製する。

0015

基本原料の組成については、ウルトラマリンが10〜90質量%、炭酸カルシウムが5〜60質量%、ポルトランドセメントが5〜85質量%となるようにする。

0016

これは、ウルトラマリンの添加量が10質量%未満であると、合成ラピス・ラズリの青みが非常に薄くなくるためである。そして、ウルトラマリンの添加量が90質量%を超えると必然的にセメントの添加量が5質量%未満になるため、水で養生しても硬化ぜず、バフ研磨しても鏡面がでない。

0017

また、炭酸カルシウムの添加量については、5質量%未満では合成ラピス・ズラリの色が暗くなりすぎ、60質量%を超えると合成ラピス・ラズリの色が白っぽくなりすぎる。

0018

この基本原料に対して、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加する。このパイライトの粒径については、粒径が40μm未満ではパイライトが目立たず、添加する意味がなくなる。一方、1000μmを超えると美観を損ねる。またこのパイライトの添加量については、15質量%を超えると合成ラピス・ラズリの色調が非常に暗くなる。

0019

以上の原料組成でラピス・ラズリを合成することにより、色及び質感が良好で同じ化学組成をもつ合成ラピス・ラズリを作ることが可能になった。

0020

成形は、一軸プレスCIPや有機溶剤系によるスリップキャスト等で行うことができる。

0021

上述のような成形体水中養生することにより、原料中に含まれているポルトランドセメントの水和反応が起こって硬化する。また、成形体をオートクレーブ養生して硬化させても良い。

0022

養生した合成ラピス・ラズリにアルキルシリケートを合浸させた後、加熱処理により架橋させて合成ラピス・ラズリの緻密化(微細空孔が埋まる)を図れ、研磨後の美観が向上する。また、原料にアルキルシリケートを5質量%程度添加して成形を行い、これを加熱処理して硬化させることにより、同様の効果が得られる。

0023

第一化成工業製のウルトラマリン、関東化学製の炭酸カルシウム、秩小野田製のポルトランドセメントを所定の組成で混合して基本原料を作り、これにパイライト粉末を基本原料に対して所定量添加した後、攪拌機で30分混合してラピス・ラズリ原料を作製した。さらに、この原料にアルキルシリケートを添加して調整した原料も準備した。成形は40MPaの加圧で行った。その成形体を水中にて1週間養生して合成ラピス・ラズリを作製した。アルキルシリケートを添加して調整した原料から作った成形体は加水分解後、150℃で加熱処理して1時間してから水中で1週間養生して合成ラピス・ラズリを作成した。

0024

また、アルキルシリケートを用いて合成ラピス・ラズリに合浸させた後、150℃で加熱処理を1時間行った。

0025

これをバフ研磨した後、色調・鏡面・硬化について官能検査を行った。その結果を表1に示す。

0026

0027

なお、質感は、パイライトが美しく混入しているものには○、パイライトの量が多すぎたり、粒径が小さすぎたり、大きすぎたりして美観を損ねるものには×に、パイライト無添加のものは−に分類した。色調は、天然ラピス・ラズリと同じものは○に、異なるものには×に分類した。鏡面は、非常に美しいものは☆に、美しいものは○に、汚いものには×に分類した。硬化は、硬くなったものは○に、硬くならなかったものは×に分類した。総合評価は、非常に良かったものは☆に、良かったものは○に、悪かったものは×に分類した。

0028

また、この合成ラピス・ラズリをXRD分析した結果、藍方石(hauynite)、方ソーダ石(sodalite)、ノゼアン(noselite)、天藍石(Iazurite)、黄鉄鉱(pyrite)、および方解石(calcite)が検出され、天然ラピス・ラズリと同じであることが確認できた。

発明の効果

0029

以上のように、請求項1に係る合成ラピス・ラズリによれば、ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して成ることから、天然のラピス・ラズリと同等の色と質感を呈し、且つ結晶相が天然ラピス・ラズリと同様である商品価値の高い合成ラピス・ラズリとなる。

0030

また、請求項3に係る合成ラピス・ラズリの製造方法によれば、ウルトラマリン10〜90質量%、炭酸カルシウム5〜60質量%、ポルトランドセメント5〜85質量%からなる基本原料100質量%に対し、粒径40〜1000μmのパイライトを15質量%以下となるように添加して調製して水で養生して合成することから、天然のラピス・ラズリと同等の色を質感を呈し、且つ結晶相が天然ラピス・ラズリと同様な商品価値の高い合成ラピス・ラズリを容易に製造することができる。

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