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技術 軽量の高温井戸用セメント組成物及びセメンチング方法

出願人 ハリバートン・エナジー・サービシーズ・インコーポレイテッド
発明者 ランス・イー・ブラザーズディー・チャド・ブレニーズジェリー・ディー・チャイルズスーザン・エム・ターケットバリー・ビー・エクストランド
出願日 1998年8月4日 (22年4ヶ月経過) 出願番号 1998-220176
公開日 1999年6月15日 (21年6ヶ月経過) 公開番号 1999-157908
状態 特許登録済
技術分野 油層からの石油の採取、坑井の調査 地中削孔 セメント、コンクリート、人造石、その養正 多孔質人造石または多孔質セラミック製品 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード ドリルホール 高温炭 液体炭酸 静温度 井戸ケーシング 通常密度 セメンチング 遅緩剤
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課題

二酸化炭素を含む高温井戸において特に有用な軽量の高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法を提供する。

解決手段

本発明のセメント組成物は、アルミン酸カルシウムASTMクラスFフライアッシュ、及び水を主成分とし、ドリルホールを介して二酸化炭素を含む高温の井戸にセメンチングし得る。

概要

背景

例えば地熱井戸(geothermal well)のような、二酸化炭素を含む高温地中井戸仕上げにおいて、従来の水硬性セメント組成物を用いると、早期に井戸の破損が生ずる。ドリルホール(well bore)の静温度が高く、かつ二酸化炭素を含有する塩水が存在するために、従来の水硬性セメントは、アルカリ炭酸塩化、特に炭酸ナトリウム誘導炭酸塩化により、急速に劣化する。典型的には、著しく高い温度、圧力、及び二酸化炭素濃度を伴う地熱井戸では、従来の井戸セメント破壊は5年未満で生じ、井戸ケーシング崩壊する。

従来より、アルミン酸カルシウム燐酸塩含有溶液との酸塩基反応により形成される燐酸カルシウムセメントとして知られるセメント材料は、熱水環境において硬化したとき高い強度、低い透水性、及び優れた耐二酸化炭素性を有することがわかっている。しかし、カルシウム燐酸塩セメントは、比較的高い密度、例えば、約15〜約17ポンドガロン(約1.80〜約2.04g/cm3)の範囲の密度を有し、この密度は地熱用としては高すぎる密度である。即ち、地熱井戸では、高密度カルシウム燐酸セメントが与える静水圧は、セメントがそこに入って失われる断裂の形成を引き起こすドリルホールにより貫通される地中領域の破面勾配を超えてしまうことが多い。中空微小球を含むカルシウム燐酸セメントが開発され、約10ポンド/ガロン(約1.20g/cm3)の密度を有するものとなったが、このような軽量組成物は比較的高価で、硬化したセメント中の微小球の存在のために、その圧縮強さが低下してしまうという欠点があった。

このことから、二酸化炭素を含む高温井戸のセメンチングに使用できる比較的安価な改善型井戸セメント組成物が必要となっている。

概要

二酸化炭素を含む高温井戸において特に有用な軽量の高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法を提供する。

本発明のセメント組成物は、アルミン酸カルシウム、ASTMクラスFフライアッシュ、及び水を主成分とし、ドリルホールを介して二酸化炭素を含む高温の井戸にセメンチングし得る。

目的

従って、本発明の主たる目的は、上述の必要性を満たし従来技術の欠点を克服した、地熱井戸のような二酸化炭素を含む高温井戸において特に有用な、改良された軽量高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法を提供することにある。

本発明の別の目的は、炭酸塩化耐性井戸用の改良されたセメント組成物、及びそのセメンチング方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
2件

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請求項1

二酸化炭素を含む高温井戸セメンチングにおいて有用な改良型セメント組成物であって、前記組成物の約15〜約45重量%の範囲の量のアルミン酸カルシウムと、前記組成物の約25〜約45重量%の範囲の量のフライアッシュポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水とを含むことを特徴とするセメント組成物。

請求項2

前記水が、淡水と塩水とからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。

請求項3

前記水が、前記組成物の約10〜約60重量%の範囲の量だけ前記組成物中に含まれることを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。

請求項4

前記組成物の約10〜約40重量%の範囲の量の粉砕されたゴム粒子を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。

請求項5

グルコン酸及びクエン酸からなるグループから選択された硬化遅緩剤を、効果的な量含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。

請求項6

効果的な量の発泡剤、効果的な量の泡安定剤、及び約11.5〜約15ポンドガロン(約1.38〜約1.80g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。

請求項7

前記発泡剤が、n及びmをそれぞれ約6〜約16の範囲の整数としたとき、H(CH2)n-CH=CH-(CH2)mSO3Naなる化学式αオレフィンスルホン酸塩を、前記組成物における水の約1.0〜約2.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とし、前記泡安定剤が、Rをデシル基セチル基オレイル基、ラウリル基、及びココイル基(cocoyl)からなるグループから選択されたラジカルとしたとき、R-CONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2-なる化学式のベタインを、前記組成物における水の約0.5〜約1.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とする請求項6に記載のセメント組成物。

請求項8

前記αオレフィンスルホン酸塩が、スルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩であることを特徴とする請求項7に記載のセメント組成物。

請求項9

前記ベタインが、ココイルアミドプロビルベタインであることを特徴とする請求項7に記載のセメント組成物。

請求項10

二酸化炭素を含む高温井戸のセメンチングにおいて有用な改良型セメント組成物であって、前記組成物の約15〜約45重量%の範囲の量のアルミン酸カルシウムと、前記組成物の約25〜約45重量%の範囲の量のフライアッシュとポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水と、発泡を促進するに効果的な量の発泡剤と、泡を安定させるに効果的な量の泡安定剤と、約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスとを含むことを特徴とするセメント組成物。

請求項11

前記水が、淡水と塩水とからなるグループから選択されることを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項12

前記水が、前記組成物の約20〜約50重量%の範囲の量だけ前記組成物中に含まれることを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項13

前記組成物の約10〜約40重量%の範囲の量の粉砕されたゴム粒子を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項14

グルコン酸及びクエン酸からなるグループから選択された硬化遅緩剤を、効果的な量含むことを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項15

前記発泡剤が、n及びmをそれぞれ約6〜約16の範囲の整数としたとき、H(CH2)n-CH=CH-(CH2)mSO3Naなる化学式のαオレフィンスルホン酸塩を、前記組成物における水の約1.0〜約2.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項16

前記泡安定剤が、Rをデシル基、セチル基、オレイル基、ラウリル基、及びココイル基(cocoyl)からなるグループから選択されたラジカルとしたとき、R-CONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2-なる化学式のベタインを、前記組成物における水の約0.5〜約1.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項17

前記ガスが、窒素及び空気からなるグループから選択されることを特徴とする請求項10に記載のセメント組成物。

請求項18

二酸化炭素を含む高温井戸のセメンチングにおいて有用な軽量セメント組成物であって、前記組成物の約28重量%の量のアルミン酸カルシウムと、前記組成物の約19重量%の量のポリ燐酸ナトリウムと、前記組成物の約49重量%の量のASTMクラスFのフライアッシュとポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水と、発泡を促進するに効果的な量の発泡剤と、泡を安定させるに効果的な量の泡安定剤と、約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスとを含むことを特徴とするセメント組成物。

請求項19

前記発泡剤が、スルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩であって、前記組成物の約2重量%の量存在することを特徴とする請求項18に記載のセメント組成物。

請求項20

前記泡安定剤がココイルアミドプロビルベタインであって、前記組成物の約1重量%の量存在することを特徴とする請求項18に記載のセメント組成物。

請求項21

前記組成物の約10〜約40重量%の範囲の量の粉砕されたゴム粒子を更に含むことを特徴とする請求項18に記載のセメント組成物。

請求項22

グルコン酸及びクエン酸からなるグループから選択された硬化遅緩剤を、効果的な量含むことを特徴とする請求項18に記載のセメント組成物。

請求項23

二酸化炭素を含む地中領域に穿孔されたドリルホールを介してセメンチングする方法であって、(a)アルミン酸カルシウム、フライアッシュ、及びポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水を含む井戸セメント組成物を形成する過程と、(b)前記セメント組成物を、前記ドリルホールを介して前記地中領域にポンピングする過程と、(c)前記セメント組成物がその内部で硬い不浸透性塊体に硬化できるようにする過程とを有することを特徴とするセメンチング方法。

請求項24

前記水が、淡水と塩水とからなるグループから選択されることを特徴とする請求項23に記載のセメンチング方法。

請求項25

アルミン酸カルシウムが、前記組成物の約15〜45重量%の範囲の量、前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項23に記載のセメンチング方法。

請求項26

前記フライアッシュが、前記組成物の約25〜約45重量%の範囲の量、前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項23に記載のセメンチング方法。

請求項27

前記セメント組成物が、発泡を促進するに効果的な量の発泡剤と、泡を安定させるに効果的な量の泡安定剤と、約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスとを更に含むことを特徴とする請求項23に記載のセメンチング方法。

請求項28

前記発泡剤が、n及びmをそれぞれ約6〜約16の範囲の整数としたとき、H(CH2)n-CH=CH-(CH2)mSO3Naなる化学式のαオレフィンスルホン酸塩を、前記組成物における水の約1.0〜約2.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とし、前記泡安定剤が、Rをデシル基、セチル基、オレイル基、ラウリル基、及びココイル基(cocoyl)からなるグループから選択されたラジカルとしたとき、R-CONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2-なる化学式のベタインを、前記組成物における水の約0.5〜約1.0重量%の範囲の量だけ含むことを特徴とする請求項27に記載のセメンチング方法。

請求項29

前記αオレフィンスルホン酸塩が、スルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩であることを特徴とする請求項27に記載のセメンチング方法。

請求項30

前記ベタインが、ココイルアミドプロピルベタインであることを特徴とする請求項27に記載のセメンチング方法。

請求項31

二酸化炭素を含む高温の地中領域に穿孔されたドリルホールを介してセメンチングする方法であって、(a)アルミン酸カルシウム、ポリ燐酸ナトリウム、フライアッシュ、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水、発泡剤、泡安定剤、及び約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを含む井戸セメント組成物を形成する過程と、(b)前記セメント組成物を、前記ドリルホールを介して前記地中領域にポンピングする過程と、(c)前記セメント組成物がその内部で硬い不浸透性の塊体に硬化できるようにする過程とを有することを特徴とするセメンチング方法。

請求項32

前記水が、淡水と塩水とからなるグループから選択されることを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

請求項33

前記発泡剤が、αオレフィンスルホン酸塩であることを特徴とする請求項31のセメンチング方法。

請求項34

前記αオレフィンスルホン酸塩が、スルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩であって、前記組成物における水の約1.0〜約2.0重量%の範囲の量だけ前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項33に記載のセメンチング方法。

請求項35

前記泡安定剤が、ベタインであることを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

請求項36

前記ベタインがココイルアミドプロピルベタインであって、前記組成物における水の約0.5〜約1.0重量%の範囲の量前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項35に記載のセメンチング方法。

請求項37

前記アルミン酸カルシウムが、前記組成物の約15〜約45重量%の範囲の量前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

請求項38

前記ポリ燐酸ナトリウムが、前記組成物の約5〜約20重量%の範囲の量、前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

請求項39

前記フライアッシュが、前記組成物の約25〜約45重量%の範囲の量、前記組成物のなかに存在することを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

請求項40

前記組成物が、前記組成物の約10〜約40重量%の範囲の量、前記組成物のなかに存在する粉砕されたゴム粒子を含むことを特徴とする請求項31に記載のセメンチング方法。

技術分野

0001

本発明は一般に、軽量の高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法に関し、特に、二酸化炭素を含む高温井戸へのセメンチング用として適するセメント組成物及びそのセメンチング方法に関するものである。

0002

また、この出願は、1997年8月15日に出願された米国特許出願No.08/912,203の一部継続出願である。

背景技術

0003

例えば地熱井戸(geothermal well)のような、二酸化炭素を含む高温地中井戸の仕上げにおいて、従来の水硬性セメント組成物を用いると、早期に井戸の破損が生ずる。ドリルホール(well bore)の静温度が高く、かつ二酸化炭素を含有する塩水が存在するために、従来の水硬性セメントは、アルカリ炭酸塩化、特に炭酸ナトリウム誘導炭酸塩化により、急速に劣化する。典型的には、著しく高い温度、圧力、及び二酸化炭素濃度を伴う地熱井戸では、従来の井戸セメント破壊は5年未満で生じ、井戸ケーシング崩壊する。

0004

従来より、アルミン酸カルシウム燐酸塩含有溶液との酸塩基反応により形成される燐酸カルシウムセメントとして知られるセメント材料は、熱水環境において硬化したとき高い強度、低い透水性、及び優れた耐二酸化炭素性を有することがわかっている。しかし、カルシウム燐酸塩セメントは、比較的高い密度、例えば、約15〜約17ポンドガロン(約1.80〜約2.04g/cm3)の範囲の密度を有し、この密度は地熱用としては高すぎる密度である。即ち、地熱井戸では、高密度カルシウム燐酸セメントが与える静水圧は、セメントがそこに入って失われる断裂の形成を引き起こすドリルホールにより貫通される地中領域の破面勾配を超えてしまうことが多い。中空微小球を含むカルシウム燐酸セメントが開発され、約10ポンド/ガロン(約1.20g/cm3)の密度を有するものとなったが、このような軽量組成物は比較的高価で、硬化したセメント中の微小球の存在のために、その圧縮強さが低下してしまうという欠点があった。

0005

このことから、二酸化炭素を含む高温井戸のセメンチングに使用できる比較的安価な改善型井戸用セメント組成物が必要となっている。

発明が解決しようとする課題

0006

従って、本発明の主たる目的は、上述の必要性を満たし従来技術の欠点を克服した、地熱井戸のような二酸化炭素を含む高温井戸において特に有用な、改良された軽量高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法を提供することにある。

0007

本発明の別の目的は、炭酸塩化耐性井戸用の改良されたセメント組成物、及びそのセメンチング方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の組成物は、アルミン酸カルシウム、フライアッシュ、及びポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水を主な成分とする。

0009

本発明の別の組成物は、アルミン酸カルシウム、フライアッシュ、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水、発泡剤、泡安定剤、及び約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを含む。

0010

本発明の更に別の組成物は、アルミン酸カルシウム、ポリ燐酸ナトリウム、フライアッシュ、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水、発泡剤、泡安定剤、及び約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを含む。

0011

本発明の、ドリルホールにより貫通される二酸化炭素を含む高温地中領域へのセメンチング方法は、主として、本発明の井戸セメント組成物を形成する過程と、前記セメント組成物をドリルホールを介して地中領域にポンピングし、前記セメント組成物がその内部で硬い不浸透性塊体に硬化できるようにする過程とを含む。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明の好適実施例について、以下説明する。

0013

上述のように、例えば地熱井戸のような、二酸化炭素を含む高温井戸では、塩水を含む二酸化炭素の存在下で劣化しない井戸セメント組成物を使用することが通常必要となる。ここで「高温」なる用語は、ホールの底部での静温度が約300゜F(約149℃)以上約700゜F(約371℃)以下の井戸を意味するものとして用いられている。従来の水硬性セメントをこのような井戸において用いると、炭酸塩化により、水溶性の塩に変えられるセメントの溶解が起こる。更に、スチール製パイプがひどく腐食し、従来のセメントで支持された井戸構造は完全に崩壊することになる。

0014

従来型通常密度セメントスラリーを地熱井戸やそれに類する井戸で用いると、セメントの循環停止(loss of circulation)の問題が生じることが多い。これは、極めて低い破面勾配を有する井戸における脆弱な未固結層(unconsolidated formations)のためである。このような井戸に比較的高密度のセメントスラリーをポンピングすると、その中の脆弱な未固結地中領域にかかる静水圧により、破損領域が生ずる。これによって、ポンピングされたセメントスラリーが破損部に流れ込み、循環停止の問題が発生する。このよな問題を回避するため、地熱井戸やそれに類する井戸で用いられるセメント組成物は軽量、即ち約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有するものでなければならない。

0015

本発明により、高温炭酸塩化による劣化に対する耐性を有する改善された井戸セメント組成物が提供される。本発明のセメント組成物は発泡性または非発泡性のものであり得、アルミン酸カルシウム、フライアッシュ、及びポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水を主な成分とする。発泡性の場合、このセメント組成物は、発泡剤、泡安定剤、及び約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを含む。

0016

本発明の別の組成物は、アルミン酸カルシウム、ポリ燐酸ナトリウム、フライアッシュ、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水、発泡剤、泡安定剤、及び約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスを含む。

0017

このアルミン酸カルシウムは、セメントとして使用するために適する市販可能な品質のアルミン酸カルシウムであり得る。このような適切なアルミン酸カルシウムは、REFCON(商標)なる商品名で、米国ペンシルニアアレンタウンのLehigh Portland Cement Companyから市販されている。このアルミン酸カルシウムは、組成物の約15〜約45重量%の範囲の量で、セメント組成物に含められる。

0018

使用時に、ポリ燐酸ナトリウムは、ヘキサメタ燐酸ナトリウム(sodium hexametaphosphate)及びトリ燐酸ナトリウム、ならびにガラス質の燐酸ナトリウムを含む。本発明に基づいてしようするために適切なポリ燐酸ナトリウムは、米国ペンシルバニア州ピッツバーグのCalgon Corporationから市販されている。ポリ燐酸ナトリウムは、組成物の約5〜20重量%の範囲の量で、セメント組成物に含められ得る。それを含んでいるとき、ポリ燐酸ナトリウムはアルミン酸カルシウムと結びつき、水酸化燐灰石(hydroxyapatite)の形態で燐酸カルシウムを形成する。

0019

フライアッシュは、粉砕された若しくは粉末状の石炭燃焼によって生ずる最終的な燃え残りであり、生成された煙道ガスで運ばれる。本発明において使用するに適切な特定のフライアッシュは、POZMIX(商標)なる商品名で米国ミシガン州LaFargo Corporaionから市販されている、約10585cm2/gのブレーン細末度(Blaine fineness)を有する、微粒子サイズASTM(アメリカ材料試験協会)クラスFのフライアッシュである。別の適当なフライアッシュとしては、POZMIX(商標)Aなる商品名で米国テキサス州ダラスのHalliburton Energy Servicesから市販されているASTMクラスFフライアッシュがある。このフライアッシュは、通常、組成物の約25〜約45重量%の範囲の量で、組成物に含められる。

0020

ASTMクラスFフライアッシュの主な結晶相は、ムライト(3Al2O3・2SiO2)である。これはアルミン酸カルシウムと反応して、カルシウムアルミノケイ酸塩(CaO・Al2O3・2SiO2)を形成する。また、フライアッシュに含まれる鉄及び石英は、アルミン酸カルシウムと反応して、灰鉄ザクロ石((Ca3Fe2SiO4)3)を形成する。これらの反応により、硬化したセメントの圧縮強さが、アルミン酸カルシウムセメント単体の場合と比較して高められる。

0021

使用される水は、セメント組成物に含まれる他の成分に悪影響を与える成分を過剰に含んでいなければ、どのようなものでも使用可能である。例えば、水は淡水でも塩水でも使用可能である。通常水は、セメント組成物のなかにポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量、即ち組成物の約10〜約60重量%の量だけ存在する。

0022

セメント組成物の発泡を促進するために、組成物に発泡剤が含められる。このような発泡剤で特に好適なのは、以下のような化学式αオレフィンスルホン酸塩である。

0023

H(CH2)n-CH=CH-(CH2)mSO3Na
ここで、n及びmはそれぞれ、約6〜約16の範囲の整数である。この発泡剤は、組成物の水に対して約1〜約2重量%の量だけセメント組成物に含められる。最も好適なこの型の発泡剤は、上述の化学式でn及びmの値がそれぞれ16であるαオレフィンスルホン酸塩、即ちスルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩である。

0024

発泡後に組成物の安定性強化するために、泡安定剤もセメント組成物に含められる。安定剤で好適なのは、以下の化学式のアミドプロピルベタインである。

0025

R-CONHCH2CH2N+(CH3)2CH2CO2-
ここで、Rはデシル基セチル基オレイル基、ラウリル基、及びココイル基(cocoyl)からなるグループから選択されたラジカルである。泡安定剤は、通常、組成物の水に対して約0.5〜1重量%の範囲の量で、セメント組成物に含められる。最も好適なこの型の泡安定剤は、ココイルアミドプロビルベタインである。

0026

組成物を発泡させるのに使用されるガスは空気か窒素であり得、最も好適なのは窒素である。セメント組成物に存在するガスの量は、約9.5〜14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の、最も好適には12ポンド/ガロン(約1.44g/cm3)の密度を有する泡を形成するに十分な量である。

0027

本発明のセメント組成物が硬化したものに弾力性を与えるために、組成物は、所望に応じて不活性で粉砕されたゴム粒子を含んでいてもよい。このような粒子は古タイヤから作られ、米国オクラホマ州ダンカンのFour D Corporationから市販されている。

0028

ドリルホールの静温度約125゜F(約52℃)以上のとき、硬化遅緩剤(set retarder)が必要である。硬化遅緩剤は、セメント組成物が増粘、硬化し始める時間を長くして、増粘が起こる前に、組成物をドリルホール内の、セメンチングされるべき領域にポンピングできるようにする役目を果たす。本発明により使用されるこのような硬化遅緩剤で好適なものは、グルコン酸クエン酸である。それを使用する場合、硬化遅緩剤は、組成物の約0.5〜2重量%の範囲の量、セメント組成物に含められる。

0029

本発明の好適な組成物は、組成物の約30重量%の量のアルミン酸カルシウムと、組成物の約50重量%の量のASTMクラスFフライアッシュと、スラリーを形成するに十分な量の水とを含む。

0030

本発明の別の好適実施例は、組成物の約30重量%の量のアルミン酸カルシウムと、組成物の約50重量%の量のASTMクラスFフライアッシュと、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水と、組成物の約1.5重量%の量のスルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩を含む発泡剤と、組成物中の水に対して約0.75重量%のココイルアミドプロピルベタインを含む泡安定剤と、約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスとを含む。

0031

本発明の更に別の好適実施例は、組成物の約28重量%の量のアルミン酸カルシウムと、組成物の19重量%の量のポリ燐酸ナトリウムと、組成物の約49重量%の量のASTMクラスFフライアッシュと、ポンピング可能なスラリーを形成するに十分な量の水と、組成物中の水に対して約8重量%の量のスルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩を含む発泡剤と、組成物中の水に対して約4重量%の量のココイルアミドプロピルベタインを含む泡安定剤と、約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度を有する泡を形成するに十分な量のガスとを含む。

0032

前述のように、前述のセメント組成物は、組成物の弾力性を改善するために、組成物の約10〜約40重量%の範囲の量の粉砕されたゴム粒子を含み得る。更に、ドリルホールの静温度が約125°F以上である場合、グルコン酸かクエン酸から選択された硬化遅緩剤が、組成物の約1.0重量%の量だけセメント組成物に含められる。

0033

本発明のセメント組成物は、慣用的に用いられる任意の混合技術に従って調合され得る。好適な方法の1つでは、一定量の水がセメントブレンダーに導入され、その後(それを使用する場合は)ポリ燐酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、及びフライアッシュがセメントブレンダーに導入される。この混合物はポンピング可能な非発泡性スラリーを形成するに十分な時間だけ撹拌される。

0034

上述のように形成されたセメントスラリーがは発泡した時、このスラリーはドリルホール内にポンピングされ、発泡剤、泡安定剤それに続いて使用されるガスが流れるスラリーの中に注入される。作られた発泡剤セメント組成物が流し込まれる位置に向けてスラリー及びガスがドリルホール内を流れるにつれ、このセメント組成物は発泡し安定化される。他の液体添加物を使用する場合は、それはセメント組成物の他の成分が混合される前に水の中に添加され、他の固形成分がもしあれば、それは混合の前に水及びセメントに添加される。

0035

本発明による、ドリルホールによって貫通された、二酸化炭素を含む高温地中領域へのセメンチング方法は、基本的に、本発明の発泡性セメント組成物を形成する過程と、前記発泡性セメント組成物をドリルホールを介してセメンチングされるべき地中領域にポンピングし、前記セメント組成物がその内部で堅い不浸透性の塊体に固化できるようにする過程とを含む。

0036

本発明の改善された組成物及びそのセメンチング方法を更に説明するために、以下の実例について記述する。

0037

初めに実例1について説明する。

0038

対照試験において、APIクラスGポートランドセメント社製セメントを40%のシリカ粉末及び水と混合して、セメントスラリーを形成した。このスラリーは、190°F(約88℃)の温度で24時間で硬化可能であった。その後、この硬化セメントを、4重量%のナトリウム炭酸塩に、600°F(約260℃)で28日間入れておいた。

0039

23.3%の水、17.5%のアルミン酸カルシウム、15.6%のポリ燐酸ナトリウム、40.8%のASTMクラスFフライアッシュ、1.9%のスルホン酸C16-16アルカンナトリウム塩発泡剤、及び0.9%のココイルアミドプロピルベタイン泡安定剤(ここで%とは全て重量%である)を含む燐酸カルシウムセメント組成物を調合した。各成分の混合の後、得られたスラリーを、190°F(約88℃)の温度で24時間かけて硬化させた。その後、硬化したセメントを、600°F(約260℃)で28日間4重量%の炭酸ナトリウム溶液に入れておいた。

0040

試験期間の終わりに、硬化ポートランドセメント社製セメント組成物及びアルミン酸カルシウムセメント組成物の中から取り出したサンプルを試験した。この試験により、ポートランドセメント社製セメント組成物は1.5重量%の炭酸カルシウムを含んでおり、燐酸カルシウムセメントはそれを含んでいないことが分かった。硬化セメントの外部から取り出したサンプルについても試験した結果、ポートランドセメント社製セメント組成物は16.6%の炭酸カルシウムを含んでいるが、燐酸カルシウムセメントはそれを含んでいないことが分かった。

0041

実例2について以下説明する。

0042

試験用燐酸カルシウムセメントスラリーのサンプルを、240gの水と180gのアルミン酸カルシウムと、160gのポリ燐酸ナトリウムと、420gのフライアッシュをそれぞれのサンプルについて混合することにより調合した。様々なポートランドセメント社製セメント硬化遅緩剤添加物を、試験サンプルに転化した。混合の後、各試験サンプルについて、1990年7月1日にアメリカ石油協会(API)から発行された“API Specification ForMaterials And Testing For Well Cements, API Specification 10, 5th ed.,”に記載の試験手順に従って、125°F(約52℃)で増粘時間について試験した。試験された硬化遅緩剤は同定された。増粘時間試験の結果は表1に示す。

0043

0044

表1から、グルコン酸やクエン酸は、125°F(約52℃)の温度におけるアルミン酸カルシウムセメント組成物用の最も効果的な硬化遅緩剤となることが分かる。

0045

実例3について以下説明する。

0046

2つの追加のアルミン酸カルシウムセメントスラリーのサンプルを、以下の表2に示すように調合した。混合の後、得られたスラリーを、190°F(約88℃)で24時間かけて硬化させた。その後、硬化したサンプルを、600°F(約316℃)で28日間4重量%の液体炭酸ナトリウム溶液に入れておいた。28日間の最後に、そのサンプルを、上述のAPI Specification10に従って圧縮強さについて試験した。試験の結果も表2に記載されている。

0047

0048

表2から、本発明のアルミン酸カルシウムセメント組成物が、600°F(約316℃)で炭酸ナトリウム溶液の中に28日間入れた後その圧縮強さを維持していたことが分かる。

0049

実例4について以下説明する。

0050

APIクラスGポートランドセメント社製セメントを、40%のシリカ粉末及び水と混合してセメントスラリーを形成した。そのスラリーを、500°F(約260℃)の温度で48時間かけて硬化させた。その後、硬化したセメントを、2.4%のドライアイスと0.8%の硫酸を含む溶液に入れた。30%の水と、37%のアルミ酸カルシウムと、33%のASTMクラスFフライアッシュを含むアルミン酸カルシウムセメント組成物を調合した。得られたスラリーを、500°F(約260℃)の温度で48時間かけて硬化させた。その後、この硬化したセメントを、24%のドライアイスと0.8%の硫酸を含む溶液に入れた。上述の試験用セメントサンプルを、500°F(約260℃)の温度で53日間炭酸溶液漬けておいた。その後ポートランドセメント社製セメントはその重量の33%が失われたが、アルミン酸カルシウムは0.1%その重量を増した。

0051

アルミン酸カルシウム(lehigh“REFCON(商標)”)を、59%の水と混合し、500°Fで24時間かけて硬化させた。同じアルミン酸カルシウムをアルミン酸カルシウムに対して75重量%のASTMクラスFフライアッシュ及びアルミン酸カルシウムに対して34重量%の量の水を混合し、500°F(約260℃)の温度で24時間かけて硬化させた。硬化したサンプルを、上述のAPI Specification 10に従って圧縮強さについて試験した。アルミン酸カルシウムのみから形成された硬化サンプルは、圧縮強さが410psiに過ぎなかったが、アルミン酸カルシウムとフライアッシュから形成されたサンプルは、2120psiの圧縮強さを有していた。

0052

従って、本発明は上述の本発明の目的及び利点を達成するものである。本発明の様々な変更が当業者によって成され得るが、このような変更は請求項に記載の本発明の範囲内に含まれている。

発明の効果

0053

上より、本発明により、地熱井戸のような二酸化炭素を含む高温井戸において特に有用な改良された軽量の高温井戸セメント組成物及びそのセメンチング方法が提供される。

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