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技術 電子ビーム装置及びその調整方法

出願人 富士通株式会社
発明者 手操弘典大窪和生
出願日 1997年11月21日 (24年1ヶ月経過) 出願番号 1997-321750
公開日 1999年6月8日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1999-154481
状態 未査定
技術分野 電子顕微鏡2
主要キーワード 最大ピーク周波数 外乱補正 特性把握 交流源 外乱検出 表示更新周期 周波数成分抽出回路 成分波形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

SEM像揺れを低減させる補正信号の調整を容易にする。

解決手段

SEM像の揺れの原因になっている外乱NSを検出する外乱検出部30と、外乱NSのスペクトルを取得し最大ピーク周波数f1を検出するスペクトルアナライザ31と、外乱NSから周波数f1の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、外乱成分の波形位相及び振幅を調整した補正信号を生成する外乱補正回路33と、ラスタ走査電子ビーム走査回路21と、回路21に対し、電子ビームEBの副走査周期が1/f1の整数倍になるように調整する走査周期調整回路35とを備えている。

概要

背景

図11に示すSEM像1は、1000倍の配線パターンであり、倍率をさらに10倍上げてSEM像1中の点線で囲まれた範囲を観察すると、SEM像2が揺れる。この揺れは、真空ポンプ機械的振動電子ビーム装置鏡筒共振、真空ポンプや冷却ファンモータから発生する電磁波等の浮遊電磁界、及び、電子銃レンズ或いは偏向器電源回路商用電源周波数ノイズが乗ること等の外乱に起因している。浮遊電磁界については、特に低周波浮遊磁界シールドすることは容易でない。電子ビーム装置では、その分解能が高くなるにつれ、このような外乱によるSEM像の揺れがより一層問題となってくる。

浮遊磁界に対しては、電子ビーム鏡筒の周囲あるいは装置全体磁気シールド板で覆ったり、磁気シールド板を備えた装置専用の部屋を用意するなどのパッシブ対策や、鏡筒近傍の磁界を検出し装置全体を覆ったヘルムホルツコイル検出信号フイードバックしてキャンセル用磁界を発生させるアクティブ制御方法などが取られている.また、機械振動に対しては、固有振動数が数Hzの除振台で、床から電子ビーム装置への振動伝達を抑制するパッシブな対策が取られている。

しかし、浮遊磁界に対する磁気シールド板はその効果を上げていこうとするとその厚みを増すか幾重にも覆う必要があるので、装置の小型化が妨げられる。ヘルムホルツコイルを用いた方法は効果的であるが、高価である。また機械振動については、大きな除振装置が装置の小型化を妨げる。商用電源周波数成分については、電子ビーム走査信号に商用電源周波数に等しい正弦波補正信号として重畳し、SEM像を観察しながらこの正弦波の位相及び振幅を調整して、電子ビームの揺れを補正する方法が用いられている。

概要

SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整を容易にする。

SEM像の揺れの原因になっている外乱NSを検出する外乱検出部30と、外乱NSのスペクトルを取得し最大ピーク周波数f1を検出するスペクトルアナライザ31と、外乱NSから周波数f1の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、外乱成分の波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成する外乱補正回路33と、ラスタ走査用電子ビーム走査回路21と、回路21に対し、電子ビームEBの副走査周期が1/f1の整数倍になるように調整する走査周期調整回路35とを備えている。

目的

本発明の目的は、このような問題点に鑑み、SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整を容易にすることが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を提供することにある。本発明の他の目的は、外乱に含まれている複数の周波数成分についてSEM像の揺れを容易に低減することが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

試料上に電子ビームラスタ走査させて得られたSEM像揺れを、SEM像を観察しながら電子ビーム偏向量補正することにより低減させる電子ビーム装置調整方法において、該ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期を、該揺れの原因になっている外乱の成分の周期の整数倍にすることにより、該周期の外乱成分による揺れが静止したSEM像を得ることを特徴とする電子ビーム装置調整方法。

請求項2

上記ラスタ走査の主走査周期を、上記外乱成分の周期の整数倍にすることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置調整方法。

請求項3

上記外乱の周波数に対する振幅の大きい順に上記補正を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の電子ビーム装置調整方法。

請求項4

試料上に電子ビームをラスタ走査させて得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電子ビーム装置調整方法において、上記揺れの原因になっている外乱を所定周期サンプリングし、該周期で記憶部内の複数のデータ格納部から記憶値を順次サイクリック読み出し、そのサンプリング値読み出し値との平均に関係した値を算出し、その算出値を、該読み出し値が格納されている該データ格納部に格納することにより、該記憶部内に該外乱の成分波形を取得し、該波形位相及び振幅を調整した補正信号を生成し、該補正信号に基づいて該補正を行う、ことを特徴とする電子ビーム装置調整方法。

請求項5

偏向器を介して電子ビーム走査回路により電子ビームを試料上でラスタ走査させ、この際の2次電子検出量をフレームメモリに格納することによりSEM像を得る電子ビーム装置において、該SEM像の揺れの原因になっている外乱を検出する外乱検出部と、検出された該外乱のスペクトルを取得するスペクトルアナライザと、該電子ビーム走査回路に対し、該ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期が、該スペクトルアナライザで得られたスペクトルのピーク周波数逆数の整数倍になるように調整する走査周期調整回路と、を有することを特徴とする電子ビーム装置。

請求項6

上記走査周期調整回路は、上記ラスタ走査の主走査周期が、上記外乱成分の周期の整数倍になるように調整することを特徴とする請求項5記載の電子ビーム装置。

請求項7

上記外乱検出部で得られた外乱から上記周波数の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、上記電子ビームの偏向量を補正するための偏向器と、該外乱成分の波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成して該偏向器へ供給する外乱補正回路と、を有することを特徴とする請求項5又は6記載の電子ビーム装置。

請求項8

上記外乱成分抽出回路は、複数のデータ格納部を備えた記憶部と、上記外乱検出部で得られた外乱のサンプリング値と該記憶部から読み出された値との平均値に関係した値を算出する演算回路と、該サンプリング値を所定周期で取得させ、該周期で該記憶部から記憶値を順次サイクリックに読み出させ、該演算回路で算出された値を、読み出された該記値が格納されている該データ格納部に格納させることにより、該記憶部内に該外乱の成分波形を取得させ、該波形を読み出させる制御回路と、を有することを特徴とする請求項7記載の電子ビーム装置。

請求項9

上記制御回路は、位相が互いに略90゜異なる2つの外乱成分波形を上記記憶部から読み出させ、上記外乱補正回路は、該2つの外乱成分波形の1次結合を上記補正信号として生成することを特徴とする請求項8記載の電子ビーム装置。

請求項10

互いに異なる種類の上記外乱検出部を複数有し、該異なる種類の外乱検出部の出力のスペクトルについてピーク周波数が互いに接近していると判定した場合には該スペクトルのピーク値の大きい方に対応した上記補正信号が上記偏向器に供給されるようにする外乱同定回路を有することを特徴とする請求項9記載の電子ビーム装置。

技術分野

0001

本発明は、走査型電子顕微鏡(SEM)やSEM像を取得できる電子ビームテスタ及び電子ビーム露光装置等の電子ビーム装置及びその調整方法に関する。

背景技術

0002

図11に示すSEM像1は、1000倍の配線パターンであり、倍率をさらに10倍上げてSEM像1中の点線で囲まれた範囲を観察すると、SEM像2が揺れる。この揺れは、真空ポンプ機械的振動、電子ビーム装置鏡筒共振、真空ポンプや冷却ファンモータから発生する電磁波等の浮遊電磁界、及び、電子銃レンズ或いは偏向器電源回路商用電源周波数ノイズが乗ること等の外乱に起因している。浮遊電磁界については、特に低周波浮遊磁界シールドすることは容易でない。電子ビーム装置では、その分解能が高くなるにつれ、このような外乱によるSEM像の揺れがより一層問題となってくる。

0003

浮遊磁界に対しては、電子ビーム鏡筒の周囲あるいは装置全体磁気シールド板で覆ったり、磁気シールド板を備えた装置専用の部屋を用意するなどのパッシブ対策や、鏡筒近傍の磁界を検出し装置全体を覆ったヘルムホルツコイル検出信号フイードバックしてキャンセル用磁界を発生させるアクティブ制御方法などが取られている.また、機械振動に対しては、固有振動数が数Hzの除振台で、床から電子ビーム装置への振動伝達を抑制するパッシブな対策が取られている。

0004

しかし、浮遊磁界に対する磁気シールド板はその効果を上げていこうとするとその厚みを増すか幾重にも覆う必要があるので、装置の小型化が妨げられる。ヘルムホルツコイルを用いた方法は効果的であるが、高価である。また機械振動については、大きな除振装置が装置の小型化を妨げる。商用電源周波数成分については、電子ビーム走査信号に商用電源周波数に等しい正弦波補正信号として重畳し、SEM像を観察しながらこの正弦波の位相及び振幅を調整して、電子ビームの揺れを補正する方法が用いられている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、調整時のSEM像の表示更新周期と揺れの原因であるノイズの周期との間に相関がため、補正信号の位相及び振幅の調整が容易でない。また、正弦波重畳法は、商用電源周波数成分のみについてしか揺れ低減効果が得られない。補正信号として商用電源周波数の正弦波に他の周波数の正弦波を重畳したとしても、その位相及び振幅の調整が容易でなく、調整所要時間が長くなる。

0006

本発明の目的は、このような問題点に鑑み、SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整を容易にすることが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を提供することにある。本発明の他の目的は、外乱に含まれている複数の周波数成分についてSEM像の揺れを容易に低減することが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を提供することにある。

0007

請求項1では、試料上に電子ビームをラスタ走査させて得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電子ビーム装置調整方法において、該ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期を、該揺れの原因になっている外乱の成分の周期の整数倍にすることにより、該周期の外乱成分による揺れが静止したSEM像を得る。

0008

この電子ビーム装置調整方法によれば、該成分についてSEM像が静止し、かつ、補正量に応じて、静止した揺れの振幅がリアルタイムで変化するのを観察することができるので、SEM像の揺れを低減させる補正信号の調整が容易になるという効果を奏する。請求項2の電子ビーム装置調整方法では、請求項1において、上記ラスタ走査の主走査周期を、上記外乱成分の周期の整数倍にする。

0009

この電子ビーム装置調整方法によれば、主走査周期の同一位相点において揺れの位相が同一になるので、画像観察による揺れの特性把握が容易になるという効果を奏する。請求項3の電子ビーム装置調整方法では、請求項1又は2において、上記外乱の周波数に対する振幅の大きい順に上記補正を行う。

0010

この電子ビーム装置調整方法によれば、補正を高精度に行うことが可能になるという効果を奏する。請求項4では、試料上に電子ビームをラスタ走査させて得られたSEM像の揺れを、SEM像を観察しながら電子ビーム偏向量を補正することにより低減させる電子ビーム装置調整方法において、上記揺れの原因になっている外乱を所定周期サンプリングし、該周期で記憶部内の複数のデータ格納部から記憶値を順次サイクリック読み出し、そのサンプリング値読み出し値との平均に関係した値を算出し、その算出値を、該読み出し値が格納されている該データ格納部に格納することにより、該記憶部内に該外乱の成分波形を取得し、該波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成し、該補正信号に基づいて該補正を行う。

0011

外乱の成分波形を取得するにはバンドパスフィルタでもよいが、この外乱は高調波成分を含んでいるので、外乱に含まれる所定周波数正弦波成分を補正しても高調波成分を同時に補正することはできない。これに対し、この電子ビーム装置調整方法によれば、外乱に含まれる所定周波数の正弦波成分及びその高調波成分によるSEM像の揺れを同時に低減することができ、補正のための調整操作が容易になるという効果を奏する。

0012

請求項5では、偏向器を介して電子ビーム走査回路により電子ビームを試料上でラスタ走査させ、この際の2次電子検出量をフレームメモリに格納することによりSEM像を得る電子ビーム装置において、該SEM像の揺れの原因になっている外乱を検出する外乱検出部と、検出された該外乱のスペクトルを取得するスペクトルアナライザと、該電子ビーム走査回路に対し、該ラスタ走査の所定範囲においてその副走査周期が、該スペクトルアナライザで得られたスペクトルのピーク周波数逆数の整数倍になるように調整する走査周期調整回路とを有する。

0013

請求項6の電子ビーム装置では、請求項5において、上記走査周期調整回路は、上記ラスタ走査の主走査周期が、上記外乱成分の周期の整数倍になるように調整する。請求項7の電子ビーム装置では、請求項5又は6において、上記外乱検出部で得られた外乱から上記周波数の外乱成分を抽出する外乱成分抽出回路と、上記電子ビームの偏向量を補正するための偏向器と、該外乱成分の波形の位相及び振幅を調整した補正信号を生成して該偏向器へ供給する外乱補正回路とを有する。

0014

請求項8の電子ビーム装置では、請求項7において、上記外乱成分抽出回路は、複数のデータ格納部を備えた記憶部と、上記外乱検出部で得られた外乱のサンプリング値と該記憶部から読み出された値との平均値に関係した値を算出する演算回路と、該サンプリング値を所定周期で取得させ、該周期で該記憶部から記憶値を順次サイクリックに読み出させ、該演算回路で算出された値を、読み出された該記値が格納されている該データ格納部に格納させることにより、該記憶部内に該外乱の成分波形を取得させ、該波形を読み出させる制御回路とを有する。

0015

請求項9の電子ビーム装置では、請求項8において、上記制御回路は、位相が互いに略90゜異なる2つの外乱成分波形を上記記憶部から読み出させ、上記外乱補正回路は、該2つの外乱成分波形の1次結合を上記補正信号として生成する。この電子ビーム装置によれば、外乱成分波形が正弦波でなくても、位相及び振幅を調整可能な補正信号を容易に生成することができるという効果を奏する。

0016

請求項10の電子ビーム装置では、請求項8において、互いに異なる種類の上記外乱検出部を複数有し、該異なる種類の外乱検出部の出力のスペクトルについてピーク周波数が互いに接近していると判定した場合には該スペクトルのピーク値の大きい方に対応した上記補正信号が上記偏向器に供給されるようにする外乱同定回路を有する。

0017

この電子ビーム装置によれば、ピーク値の小さい方についてSEM像の揺れを補正した場合よりも、感度が高くなり、上記調整をより容易かつより高い精度で行うことが可能となるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]図1は、SEM像取得機能を備えた電子ビーム装置の概略構成を示す。電子ビーム装置本体10では、ステージ11に搭載されたLSIチップ等の試料12に対し、電子銃13から放射された電子ビームEBがラスタ走査される。この走査は偏向器14により行われ、試料12上への電子ビームEBの収束対物レンズ15により行われる。試料12上の照射点から放出された2次電子SEは、2次電子検出器16で検出され、その出力が増幅回路17で増幅され、A/D変換回路18でデジタル化され、画像入力インタフェース19を介してフレームメモリ20に格納される。格納アドレスは、ビーム走査回路21からのドットクロック信号水平同期信号及び垂直同期信号に基づいて、画像入力インタフェース19により生成される。このドットクロック信号に基づいて、A/D変換回路18に対するデジタル変換開始信号が生成される。フレームメモリ20内に得られたSEM像は、フレームメモリ20への格納と非同期画像出力インタフェース22によりフレーム周波数30Hzで読み出され、表示装置23に供給されて表示される。

0019

ビーム走査回路21は、電子ビームEBをラスタ走査させるため、上記ドットクロック信号及び上記同期信号を生成すると共に、これらの信号に基づいて鋸波を生成しビーム走査信号として、加算回路24の一方の入力端に供給する。この信号は、加算回路24及び増幅回路25を介し偏向器14に供給される。図1では簡単化のため、偏向器14の1方向部分に対する1組の加算回路24及び増幅回路25のみ示している。

0020

電子ビーム装置本体10内の電子銃13、対物レンズ15及びその他の不図示の電子ビーム制御に関する構成要素は、システム制御装置26からの指令に基づいてビーム制御装置27により制御される。外乱検出部30は、SEM像の揺れの原因となる外乱NSを検出するためのものであり、例えば、商用電源からノイズ成分を取り出す回路、真空ポンプや冷却ファン等のモータによる振動を検出するための振動センサ又はモータ等から発生する電磁波のうちシールドできなかった磁界を検出する磁界センサ等である。SEM像の揺れは、電子ビームEB及び試料12の揺れにより生ずる。外乱検出部30で検出された外乱NSは、スペクトルアナライザ31及び周波数成分抽出回路32に供給される。

0021

スペクトルアナライザ31は、例えばFFTにより、図5に示すような外乱スペクトルを取得し、これに含まれる最大ピーク周波数f1を検出して周波数成分抽出回路32に供給する。周波数成分抽出回路32は、外乱NSからこの周波数f1の成分の波形を抽出して外乱補正回路33に供給する。外乱補正回路33は、この波形を基本として、位相及び振幅を調整可能な周波数f1の補正信号を生成し、加算回路24の他方の入力端に供給する。この位相及び振幅の調整は、表示装置23に表示されたSEM像を操作者が観察しながら、ダイヤル又はキーボード等の入力装置で構成された補正パラメータ操作部34を操作することにより行われる。

0022

最大ピーク周波数f1についての調整が完了すると、操作部34からの指令によりスペクトルアナライザ31から2番目のピーク周波数が周波数成分抽出回路32に供給され、上記同様の調整が行われる。この際、外乱補正回路33の出力は、周波数f1についての調整済みの補正信号に現在調整中の補正信号が加算される。

0023

外乱スペクトルのピークについて、このような処理が繰り返される。通常は、1つの外乱検出部30に対し1つ又は2つのピークについて調整が行われる。ここで、図6(A)又は(C)に示すような揺れの無いSEM像を得るのが理想であるが、上記外乱により図6(B)又は(D)のように揺れ、この揺れの周期とSEM像の表示更新周期との間に相関がないため、補正パラメータ操作部34による調整が容易でない。図6(B)及び(D)はそれぞれ、揺れの無い図6(A)及び(C)の像に対し揺れが主走査方向及び副走査方向のみである場合の像を示している。

0024

図6(E)は、SEM像を得るための試料12上での電子ビームラスタ走査を示しており、図示X方向へ線順次にビーム走査が行われる。図中の点線は水平ブランキング期間に対応している。電子ビームEBが走査範囲内の任意の点P1を照射してから次に点P1を再度照射するまでの時間は、副走査周期TVに等しい。この周期TVがSEM像の揺れの周期T1=1/f1の整数m倍であれば、点P1照射時点での揺れの位相が毎回同一になる。

0025

そこで、図1において、スペクトルアナライザ31から走査周期調整回路35へ周波数f1を供給し、走査周期調整回路35はこれに応答して、設定可能範囲内でTV=m/f1の条件を満たすように、ビーム走査回路21に対し走査周期を設定する。これにより、外乱NSに含まれる最大ピーク周波数の成分についてSEM像が静止し、かつ、補正パラメータ操作部34による補正信号の位相及び振幅の調整に応じて、静止した揺れの振幅がリアルタイムで変化するのを観察することができるので、調整が容易になる。

0026

揺れ成分静止に加えて、上述のように外乱スペクトルのピークの高い方から順に補正を行うことにより、補正を高精度に行うことが可能となる。図6(D)において、電子ビームEBの主走査周期THをT1=1/f1の整数倍にすれば、主走査周期の同一位相点において揺れの位相が同一になるので、すなわち図示Y軸に平行な直線上での揺れの位相が同一になるので、画像観察による揺れの特性把握が容易となる。この条件を満たし、かつ、電子ビームEBの走査の垂直ブランキング期間を主走査周期THの整数倍にすれば、上記TV=m/f1の条件も同時に満たされる。

0027

そこで、走査周期調整回路35でビーム走査回路21に対し、これらの条件を満たすビーム走査周期を定めるためのパラメータを設定する。周波数成分抽出回路32としてはバンドパスフィルタでもよいが、外乱は図5に示す如く高調波成分を含んでいるので、周波数f1の正弦波を用いて外乱を補正しても、高調波成分を同時に補正することはできない。

0028

そこで、高調波成分も同時に補正するために、周波数成分抽出回路32を例えば図2に示すように構成している。外乱NSは、増幅回路321に供給されて増幅され、その増幅率は、出力範囲が例えば−1〜1Vに規格化されるように調整される。増幅回路321の出力は、A/D変換回路322でデジタル化され、Aijとして加算回路323の一方の入力端に供給される。該規格化により、A/D変換回路322の出力範囲は例えば16進数表示で0000〜FFFFとなる。

0029

加算回路323の出力Aijは、除算回路324によりKで割られ、Sijとしてメモリ325のアドレスiに格納される。加算回路323でAijと加算される他方の入力端の値は、このSijがメモリ325に格納される直前に格納されていたSi(j−1)を、乗算回路326で(K−1)倍したものである。したがって、Sij←{(K−1)・Si(j−1)+Aij}/Kとなる。

0030

A/D変換回路322の変換開始並びにメモリ325の書き込み及び読み出しの周期はいずれもT1/n=1/(n・f1)であり、これらの制御は制御回路327により行われ、この周期はスペクトルアナライザ31からの周波数f1に基づいて定められる。Kは、制御回路327により生成され、その初期値は1であり、周期T1経過後は設定値に固定される。

0031

このような処理により、メモリ325には、リアルタイムで平均化された周期T1の図3に示すような波形が得られる。Aijに含まれる周期T1以外の波形は、平均化処理によりほぼ0になり、自動的に除去されることになる。メモリ325に得られた波形は、周期T1の正弦波とその高調波を重ね合わせた波形である。

0032

制御回路327は、位相が互いに90度異なる波形SU及びSVをメモリ325から読み出させる。例えば図3において、周期T1/(2n)でアドレスp、q、p+1,q+1、p+2、q+2、・・・から波形データを順次読み出させ、読み出しアドレスがnになるとその次には1に戻る。これにより、アドレスp、p+1、p+2、・・・から周期T1の波形SUが読み出され、アドレスq、q+1、q+2、・・・から周期T1の波形がSVが読み出される。

0033

波形SU及びSVは、図4に示す外乱補正回路33に供給される。外乱補正回路33では、周期T1/(2n)でデマルチプレクサ331により交互に切り換えられて波形SUとSVとが分離され、それぞれD/A変換回路332A及び332Bに供給されてアナログ化される。D/A変換回路332A及び332Bの出力はいずれも1次結合回路333A及び333Bに供給される。1次結合回路333A及び333Bは、2入力の1次結合値をそれぞれ偏向量補正信号CX及びCYとして出力する。1次結合の係数は、図1の補正パラメータ操作部34から供給される補正パラメータ設定信号CPX1、CPX2及びCPY1、CPY2により調整される。これにより、偏向量補正信号CX及びCYは、メモリ325で得られた波形の位相及び振幅が調整された信号となる。この調整は、正弦波と余弦波の1次結合により任意の位相及び振幅の正弦波が得られることに対応している。

0034

このような構成の周波数成分抽出回路32及び外乱補正回路33を用いることにより、外乱に含まれる周波数f1の正弦波成分及びその高調波成分によるSEM像の揺れを同時に低減することができる。
[第2実施形態]図7は、本発明の第2実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示す。

0035

この補正部では、2つの外乱検出部30及び40を備え、スペクトルアナライザ31、周波数成分抽出回路32及び外乱補正回路33に対応してそれぞれスペクトルアナライザ41、周波数成分抽出回路42及び外乱補正回路43を備えている。外乱補正回路33及び43の補正パラメータは、補正パラメータ操作部34で調整される。例えば、外乱検出部30は振動センサであり、外乱検出部40は磁界センサである。外乱補正回路33の出力CX1及びCY1はそれぞれ外乱補正回路43の出力CX2及びCY2と加算回路44で加算され、CX1+CX2及びCY1+CY2がそれぞれ上述の偏向量補正信号CX及びCYに対応した値として得られる。

0036

例えば、スペクトルアナライザ31で検出された最大ピーク周波数f1の成分に対する補正信号の調整を行い、次に、スペクトルアナライザ41で検出された最大ピーク周波数f2の成分に対する補正信号の調整を行う。[第3実施形態]図8は、本発明の第3実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示す。

0037

この補正部では、図7の構成に、外乱同定回路45並びにスイッチ素子46A及び46Bが付加されている。外乱同定回路45は、スペクトルアナライザ31で検出されたピーク周波数f1とスペクトルアナライザ41で検出されたピーク周波数f2とが互いに接近して|f1−f2|が設定値以下の場合、周波数f1の振幅V1と周波数f2の振幅V2とを比較し、V1>V2であればスイッチ素子46Aをオンにし且つスイッチ素子46Bをオフにし、V1<V2であればスイッチ素子46Aをオフにし且つスイッチ素子46Bをオンにする。外乱同定回路45は、周波数f1とf2とが互いに接近していなけば、スイッチ素子46A及び46Bを共にオンにして、上記第2実施形態の場合と同じにする。

0038

本第3実施形態によれば、周波数f1とf2とが互いに接近している場合に、外乱検出部30と40の出力成分の振幅の大きい方についてSEM像の揺れが補正されるので、図7の構成で逆に振幅の小さい方についてSEM像の揺れを補正した場合よりも、感度が高く、補正パラメータ操作部34による調整をより容易かつより高い精度で行うことが可能となる。

0039

[第4実施形態]図9は、本発明の第4実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示す。この補正部では、1つの外乱検出部30で検出された外乱のスペクトルに含まれる振幅の高い方から2つのピーク周波数f1及びf2を、スペクトルアナライザ31から周波数成分抽出回路32及び42に供給している。外乱検出部30の出力は、デマルチプレクサ47により切り換えられて周波数成分抽出回路32及び42へ供給される。

0040

調整を容易に行えるようにするために、ピーク周波数f1及びf2のうち高い方から順に上記調整を行う。他の点は上記第2実施形態と同一である。
[第5実施形態]図10は、本発明の第5実施形態の電子ビーム装置要部概略構成を示す。

0041

この装置では、電子ビーム装置本体10Aにおいて、偏向器14とは独立に補正用の偏向器50を備えている。また、スペクトルアナライザ31で得られたスペクトルを、操作者が見て補正すべき周波数を決定し、補正パラメータ操作部34を介して外乱補正回路33A及びビーム走査回路21のパラメータを調整している。

0042

外乱補正回路33Aは、出力の周波数、位相及び振幅が調整可能な交流源334A及び334Bと、これらの出力を加算する加算回路335とを備えており、加算回路335の出力が増幅回路51を介して偏向器50に供給される。交流源334A及び334Bは、例えばダイレクトデジタルシンセサイザDDS)を用いて構成されている。

0043

なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。例えば図1において、複数の外乱検出部の出力を、該出力の振幅に対するSEM像の揺れの振幅の割合が一定になるように1次結合したものを、外乱NSとしてスペクトルアナライザ31及び周波数成分抽出回路32に供給する構成であってもよい。

0044

また、補正パラメータ操作部34を手動操作する替わりに、フレームメモリ20に格納された画像を処理することにより、静止した揺れの振幅を検出し、これが小さくなるように自動調整する構成であってもよい。

図面の簡単な説明

0045

図1本発明の第1実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
図2図1中の周波数成分抽出回路の構成例を示す図である。
図3図2中のメモリに格納された外乱成分の波形図である。
図4図1中の補正回路の構成例を示す図である。
図5スペクトルアナライザで得られる外乱スペクトルを示す図である。
図6SEM像の揺れと電子ビーム走査との関係説明図である。
図7本発明の第2実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示すブロック図である。
図8本発明の第3実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示すブロック図である。
図9本発明の第4実施形態の電子ビーム装置外乱補正部を示すブロック図である。
図10本発明の第5実施形態の電子ビーム装置要部概略構成図である。
図11従来技術の問題点説明図である。

--

0046

10、10A電子ビーム装置本体
13電子銃
14、50偏向器
15対物レンズ
162次電子検出器
20フレームメモリ
21ビーム走査回路
23表示装置
30、40外乱検出部
31、41スペクトルアナライザ
32、42周波数成分抽出回路
33、33A、43外乱補正回路
34補正パラメータ操作部
35走査周期調整回路
45外乱同定回路
333A、333B 1次結合回路
334A、334B交流源
47 デマルチプレクサ

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