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技術 感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム

出願人 帝人株式会社
発明者 水谷圭冨田博史
出願日 1997年11月18日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1997-317228
公開日 1999年6月2日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-147377
状態 拒絶査定
技術分野 熱転写、熱記録一般
主要キーワード 溶融焼結 固定ガイドピン 昇華特性 リサイクル回収 ズレ幅 巻き不良 冷却乾燥 タンク炉
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年6月2日)のものです。
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課題

感熱転写プリンター内のリボン表面が接する走行内部材での削れ粉発生の問題がなく、フィルムおよびこれを用いた製品リボンの巻き取り性が飛躍的に向上された感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。

解決手段

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向フィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであることを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

概要

背景

感熱転写プリンター用リボンポリエステルフィルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭62−299389号公報)や、材質縦方向ヤング率を規定したもの(特開昭62−111719号公報)、二軸配向ポリエステルフィルムの横方向の温度寸法変化について規定したもの(特開平4−41297号公報)が知られている。

これらは、フィルム滑り性感熱転写リボンとして用いる際の耐熱性を改良させたのであるが、プリンター走行系内での耐削れ性やフィルム製造時の巻取り性製品リボンのスリット時の巻取り性に対しては考慮されていない。すなわち、プリンター内での感熱転写リボンの送り速度(パス速度)が遅く、また製品リボンのスリット時、スリッタ巻取条件やフィルムのバックコート層インク層の改良によってある程度の巻取り性が確保されていたので、これらの問題が顕在化することがなかったためである。

しかし、近年バーコード印刷や、プリントクラブ通称プリクラ)の印刷等において、印刷速度の高速化に伴い、感熱転写リボンおよび/または昇華型感熱転写リボンのパス速度が増大し、プリンター内の部品と感熱転写リボンが接触してできる削れ粉によって印刷トラブルが発生する問題がある。また、感熱転写リボン使用量の増加に伴い、製品リボンの高速スリット化が進み、巻取り中の巻き不良(例えば感熱転写リボンの切断や皺の発生)を引き起こす問題があり、早急に解決する必要がある。

特開平9−193241号公報には、上記巻取り性が改善された、主としてコンデンサに用いられるフィルムが記述されている。しかし、耐削れ性が不充分であり、感熱転写リボンとして用いた場合、上記全ての問題を解決するものではない。

一方、製品のコストダウンを実現するためにバックコート層やインク層の薄膜化が進み、上記問題がベースフィルム表面性に一層依存するようになってきた。

概要

感熱転写プリンター内のリボン表面が接する走行系内部材での削れ粉発生の問題がなく、フィルムおよびこれを用いた製品リボンの巻き取り性が飛躍的に向上された感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向フィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであることを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

目的

本発明の目的は、感熱転写リボンとして用いた場合、耐削れ性に優れ、かつ巻取り性に優れた感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。さらに詳しくは、本発明の目的は、プリンター走行系内で削れ粉の発生しない、かつ製品リボンを高速スリットしても安定した巻取り性を示し、さらに感熱リボン用二軸配向ポリエステルフィルムの高速領域での安定した巻取り性を示す感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであることを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム

請求項2

二軸配向ポリエステルフィルムが、平均粒径が0.3〜1.0μmの不活性粒子Aを0.05〜1.0wt%および平均粒径が0.5〜5.0μmの不活性粒子Bを0.005〜0.5wt%含有し、かつ不活性粒子Aの平均粒径(dA)と不活性粒子Bの平均粒径(dB)との間にdA<dBの関係を満足する請求項1記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項3

リサイクル回収前のフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)(1)と、回収されたフィルムのみから製造されたフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)(2)の関係が下式を満足する請求項1又は2記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。

請求項

0.8≦SRa(2)/SRa(1)≦1.2

技術分野

0001

本発明は感熱転写プリンター用転写材に用いられる二軸配向ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくはプリンター内部の部品に対する耐削れ性が良好であり、フィルム生産時のロール巻取りの際だけでなくインク層バックコート層が付与された後の製品リボンスリットの際の巻取り性も極めて良好である二軸配向ポリエステルフィルムに関する。特に、通常熱転写によりインク層と受像体が接触し熱転写される感熱転写リボン用としてだけではなく、インク層と受像体が非接触で熱転写印刷する昇華型感熱転写リボン用としても適用可能な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。

背景技術

0002

感熱転写プリンター用リボンのポリエステルフィルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭62−299389号公報)や、材質縦方向ヤング率を規定したもの(特開昭62−111719号公報)、二軸配向ポリエステルフィルムの横方向の温度寸法変化について規定したもの(特開平4−41297号公報)が知られている。

0003

これらは、フィルムの滑り性感熱転写リボンとして用いる際の耐熱性を改良させたのであるが、プリンターの走行系内での耐削れ性やフィルム製造時の巻取り性、製品リボンのスリット時の巻取り性に対しては考慮されていない。すなわち、プリンター内での感熱転写リボンの送り速度(パス速度)が遅く、また製品リボンのスリット時、スリッタ巻取条件やフィルムのバックコート層やインク層の改良によってある程度の巻取り性が確保されていたので、これらの問題が顕在化することがなかったためである。

0004

しかし、近年バーコード印刷や、プリントクラブ通称プリクラ)の印刷等において、印刷速度の高速化に伴い、感熱転写リボンおよび/または昇華型感熱転写リボンのパス速度が増大し、プリンター内の部品と感熱転写リボンが接触してできる削れ粉によって印刷トラブルが発生する問題がある。また、感熱転写リボン使用量の増加に伴い、製品リボンの高速スリット化が進み、巻取り中の巻き不良(例えば感熱転写リボンの切断や皺の発生)を引き起こす問題があり、早急に解決する必要がある。

0005

特開平9−193241号公報には、上記巻取り性が改善された、主としてコンデンサに用いられるフィルムが記述されている。しかし、耐削れ性が不充分であり、感熱転写リボンとして用いた場合、上記全ての問題を解決するものではない。

0006

一方、製品のコストダウンを実現するためにバックコート層やインク層の薄膜化が進み、上記問題がベースフィルム表面性に一層依存するようになってきた。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、感熱転写リボンとして用いた場合、耐削れ性に優れ、かつ巻取り性に優れた感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。さらに詳しくは、本発明の目的は、プリンター走行系内で削れ粉の発生しない、かつ製品リボンを高速スリットしても安定した巻取り性を示し、さらに感熱リボン用二軸配向ポリエステルフィルムの高速領域での安定した巻取り性を示す感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、かかる目的を達成するため次の構成からなる。すなわち、互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子を含む厚み1.0〜10.0μmの二軸配向ポリエステルフィルムであって、不活性粒子がそれぞれAl、Si、CaおよびMgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含み、フィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmであり、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロール巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであることを特徴とする感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムである。

0009

本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に溶融成形による形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸イソフタル酸ナフタレンジカルボン酸ジフェノキシエタンジカルボン酸ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコールジエチレングリコールトリメチレングリコールテトラメチレングリコールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコールデカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコール;あるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。

0010

本発明において、ポリエステルとしてはアルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましい。

0011

かかるポリエステルの中、ポリエチレンテレフタレートポリエチレン−2,6−ナフタレート、または全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が特に好ましい。その際、全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の前述の芳香族ジカルボン酸であることができ、例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の前記グリコールであることができ、また例えばハイドロキノンレゾルシン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニルプロパン等の如き芳香族ジオールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコールポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。

0012

また、本発明におけるポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは結合するものも包含される。

0013

さらに本発明におけるポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。

0014

前記ポリエステルは、それ自体公知であり、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。前記ポリエステルとしては、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が約0.4〜0.9のものが好ましい。

0015

本発明のフィルムは、互いに平均粒径の異なる2種以上の不活性粒子をポリエステル中に添加することにより、プリンター内部材との接触により発生する削れ粉の発生を抑制し、さらにフィルムをロールに巻取る際の巻取り性と製品リボンの巻取り性を同時に向上できる表面性を得ることができる。

0016

ポリエステルに添加する2種以上の不活性粒子は、それぞれ、岩石解砕あるいは粉砕しただけの天然品でもよいし、あるいは鉱物などを溶融合成し粒径を調整した合成品でもよいが、フィルムの品質を安定化する点で合成品が好ましい。

0017

さらに、合成品の合成方法はどのような方法でも特に左右されることはなく、本発明の目的を達する合成方法ならば良い。溶融合成の例としては、天然の長石珪石砂を適量調合したものをさらに各成分均一化させるために混合機により充分混合し、得られた混合物を連帯炉、もしくはタンク炉中で溶融し、冷却乾燥後に合成原石を得られる。この合成原石をサンドグラインダー等により開砕し、必要に応じてデカンター処理を行ない、目的とする粒径及び粒度分布を得る。合成原石の開砕は乾式開砕法あるいは湿式開砕法、または両方法の併用により実施できるが、いずれの方法でも目的とする粒径や粒子形状を再現することは可能である。

0018

また不活性粒子が複合酸化物粒子である場合も、天然品より、溶融合成品あるいは溶融焼結品の方が粒径や粒度分布等の品質が安定するので好ましい。この場合の合成や焼結の方法としては、一般的に炉内焼結法が挙げられるが、特に限定されるものではない。

0019

本発明における2種以上の不活性粒子は、それぞれAl、Si、Ca、Mgから選ばれた少なくとも1種以上の元素を含む。かかる不活性粒子は前記金属元素酸化物および/または炭酸塩であることが、大量にかつ安価に製造することが可能であるので好ましい。不活性粒子の好ましい例としては、具体的に以下のものが挙げられる。すなわち、二酸化珪素水和物、ケイ砂石英等を含む)、各種結晶形態のアルミナ、SiO2分を30重量%以上含有する珪酸塩(例えば非晶質あるいは結晶質粘土鉱物)、アルミノシリケート焼成物や水和物を含む)、温石綿ジルコンフライアッシュ等)、CaおよびMgの炭酸塩、MgAl2O4等のスピネル型酸化物やアルミナと他の酸化物からなる変性スピネル型酸化物等が挙げられる。更に好ましくはSi、Alの1種以上よりなる酸化無機不活性粒子、例えばSiO2、Al2O3、SiO2−Al2O3が挙げられ、フィルムの製造コスト下げフィルム特性を確実に確保できる点において、SiO2や多孔質シリカ、および/またはそれらの凝集粒子、アルミノシリケートであるカオリンが特に好ましい。

0020

さらに、本発明においては、不活性粒子が2種(A、B)であって、片方の不活性粒子Aの平均粒径が0.3〜1.0μm、他方の不活性粒子Bの平均粒径が0.5〜5.0μmでかつ不活性粒子Aの平均粒径(dA)と不活性粒子Bの平均粒径(dB)との間にdA<dBの関係を満足することが好ましい。

0021

平均粒径が相対的に小さい不活性粒子Aは、フィルムに地肌突起を形成せしめ、特にプリンター内の削れ粉の発生を抑制する効果を持つ。

0022

不活性粒子Aの平均粒径が0.3μm未満であると、フィルムの耐削れ性が低下し、他方平均粒径が1.0μmを超えると、プリンター印字性が低下する。

0023

また、不活性粒子Aのポリエステルに対する添加量は、0.05〜1.0重量%の間にあることが望ましい。かかる添加量は、さらに好ましくは0.1〜0.7重量%、特に好ましくは0.2〜0.5重量%である。不活性粒子Aの添加量が0.05重量%未満になるとフィルムの表面性が極めて平坦化し、フィルム−フィルム間のエア抜けが悪くなると同時に、耐削れ性が低下し、製品リボンがプリンター内を走行中にスクラッチ白粉を発生し、製品リボンが不良品となることがある。他方添加量が1.0重量%を超えると、フィルムの表面が粗くなり過ぎ、製品リボンにて印字するときに高いエネルギーが必要となり、この高いエネルギーによってフィルムが切断する現象を誘発させたり、フィルム表面付近の不活性粒子が脱落してプリンタヘッドの先端に粉となって溜まってしまい印字不良を多く発生させてしまう。

0024

不活性粒子Bは、主としてフィルムの巻取り性を発現させる効果を示す。かかる不活性粒子Bは、製品リボンがプリンター内を走行する際ポリエステルフィルムに設けた突起が受けるダメージを小さくするため、粒子硬度(または突起硬度)が高い不活性粒子であることが好ましい。

0025

かかる不活性粒子Bの平均粒径は、0.5〜5.0μmであることが好ましい。平均粒径が0.5μmを下回るとエア抜け速度が急激に減小するため安定した巻取り性が確保できないし、他方不活性粒子Bの平均粒径が5.0μmを超えるとフィルム表面の突起がバックコート層、またはインク層を突き破って、印字不良の原因となる。

0026

また、不活性粒子Bのポリエステルに対する添加量は、0.005〜0.5wt%の間にあることが望ましい。不活性粒子Bの添加量が0.005重量%未満になると、フィルムの巻取り性が低下し、他方添加量が0.5重量%を超えると、製品リボンの印刷性が低下する。

0027

ここで、不活性粒子A、Bの平均粒径は、島津製作所(株)製CP−50型セントリフィグルパーティクルサイズアナライザーを用いて測定した値である。なお、不活性粒子として凝集シリカなどの凝集性粒子を用いた場合の粒子の平均粒径とは2次粒径を指す。

0028

上記のとおり、不活性粒子AおよびBは、それぞれの効果を実現するためには、不活性粒子Bの平均粒径が不活性粒子Aの平均粒径より大きいことが好ましい。

0029

本発明のフィルムは、表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700〜1500nmである必要がある。

0030

中心線平均粗さ(SRa)が10nm未満であるか10点平均粗さ(SRz)が700nm未満であると、フィルムの巻取り性が低下するため好ましくなく、他方中心線平均粗さ(SRa)が80nmを超えるか、10点平均粗さ(SRz)が1500nmを超えると、耐削れ性が低下するので好ましくない。

0031

ここで、中心線平均粗さ(SRa)および10点平均粗さ(SRz)は、それぞれJIS−B0601で定義される値、及びJIS−B0602で定義される値である。

0032

また、本発明のフィルムは、フィルム−フィルム間のエア抜け速度が20〜120mmHg/hrであり、かつ1/2インチ幅にスリットしたフィルムロールの巻取り速度が250m/minの時の端面ずれ幅が0〜500μmであることが必要である。

0033

エア抜け速度またはフィルムロールの端面ずれ幅のいずれかが、上記範囲を外れるとフィルムの巻取り性が低下するので好ましくない。

0034

なお、フィルム−フィルム間のエア抜け速度は、あらかじめ8cm×5cmに切り取ったフィルム片を20枚重ね、うち下19枚には中央に1辺2mmの正三角形の穴を明け、デジタルベック平滑度試験機(東洋精機製)を用いて単位時間あたり何mmHg低下するかを測定した値である。端面ずれ幅は、温度25℃、湿度40%に調室した部屋で直径8cm、巻取部幅2cmのアルミ製のコアに1/2インチにスリットしたポリエステルフィルムを400mをしわの入らない程度に50gの張力、30m/minのスピードで巻取り、その巻取ったフィルムを平行に中心間距離が300mmになるように設置した同じアルミ製のコアに50gの張力、250m/minのスピードで300m巻き返し、その巻き返し中のフィルムの端面ずれ幅をキーエンス製レーザー測長機にて測定した値をn=10測定して、最大値最小値を省く8回分の値の平均値で表わす。

0035

中心線平均粗さ(SRa)、10点平均粗さ(SRz)、フィルム−フィルム間のエア抜け速度、および端面ずれ幅の全てが上記範囲を満足することにより、耐削れ性と巻取り性の両方を満足する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができる。

0036

本発明のフィルムは、従来から知られている方法で製造できる。かかる製造方法としては、逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法等が挙げられる。特に好ましい製造方法の例として逐次二軸延伸法による製造方法を以下に記述する。すなわち、ポリエステルを乾燥後290℃で溶融し、ダイ(例えばTダイ、Iダイ等)から冷却ドラム上に押出し冷却して未延伸フィルムとし、引続き90℃で3.6倍に縦延伸し、120℃で3.9倍横延伸後、220℃で3秒間熱固定して製造することができる。

0037

さらに、本発明のフィルムは、リサイクル回収されたフィルムを全量原料として製造されたフィルムであってもよい。

0038

ただし、かかる方法で製造されたリサイクルフィルムは、リサイクル回収前のフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)(1)と、回収されたフィルムのみから製造されたフィルム表面の中心線平均粗さ(SRa)(2)の関係が下式を満足することが好ましい。

0039

0.8≦SRa(2)/SRa(1)≦1.2

0040

フィルムの厚みは、1〜10μmが好ましい。厚みが1μm未満となるとプリンター内で印字中に皺が発生し、巻き取りがスムーズに行われない。また印字中のリボンの切断が多発するので好ましくない。一方厚みが10μmを超えると、印字するためにヘッドにかけるエネルギーを強化しなければならない。

0041

本発明のフィルムの片方の面に、インク層を設け、さらにその反対面にバックコート層を設けることにより感熱転写リボンを製造することができる。なお、本発明のフィルムには、必要に応じてコロナ放電処理アンダーコートなどの前処理を行ってもよい。

0042

本発明のフィルムの片面に設けるインク層を構成する熱接触転写インクは、特に限定されるものではなく、周知のものを用いることができる。具体的には、バインダー成分と着色成分を主成分とし、必要に応じ柔軟剤、可撓剤、融点調節剤平滑化剤、分散剤などを添加剤成分として構成される。これらの成分は周知の材料を適宜選定し組み合わせて構成される。

0043

上記バインダー成分の具体例としては、パラフィンワックスカルナウバワックスエステルワックスなどのワックス類低融点の各種高分子が挙げられる。

0044

また、上記着色成分の具体例としては、カーボンブラックや各種の有機あるいは無機顔料ないしは染料が挙げられる。なおこれらの着色成分には昇華型のものも含まれる。

0045

インキ層を本発明のフィルムに設ける方法としては、周知の方法、例えばホットメルトコーティング法、溶剤を添加した状態でのグラビアコート法リバースコート法、スリットダイコート法などが挙げられる。

0046

また、熱昇華型転写インクとしては、昇華性染料樹脂バインダーに分散したものを用いることができる。

0047

昇華性染料としては、転写温度付近の比較的狭い温度で急激に昇華するものが理想的である。熱転写に適応できる染料は、大部分が分子量230〜370の範囲の染料で、この範囲の染料で昇華特性が染色に適しているばかりでなく、被染物の内部に拡散しやすい大きさでもある。構造的には、スルホン酸カルボキシル基などのイオン性基は含まず、水酸基アミノ基、ニトロ基スルホン基などの極性基を適度に有する構造となっているものが好ましい。

0048

また、樹脂バインダーとしては、染料分子がより良く昇華しやすいものであることと、染料が均一に分散しやすいものであることが好ましい。このようなバインダーとしては、セルロース系樹脂アクリル系樹脂ポリビニルアルコールポリアミドなどがあるが、これらに限定されるものではない。

0049

さらに、本発明のフィルムは、通常、インク層を付与した面とは反対の面に設けられるバックコート層は、サーマルヘッドと接する際に、熱によるスティッキングを防止する目的で付与されるのもで、これには従来知られている公知のものを使用することができる。例えば、ワックス類、高級脂肪酸およびその誘導体シリコン系化合物フッ素系化合物などの潤滑剤を主成分としたもの、あるいは無機粒子架橋有機粒子フッ素樹脂粒子を潤滑剤に併用したものなどを用いることができる。またこのバックコート層をポリエステルフィルムに付与する方法としては、フィルムの製膜工程内で、水溶性あるいは水分散体として塗布した後、乾燥・延伸・熱固定を行う方法を用いてもよいし、配向結晶化が完了したフィルムに、水系あるいは有機溶剤系の塗布を行った後、乾燥して設ける方法を用いてもよい。

0050

以下、実施例をあげて本発明をさらに説明する。なお、本発明における種々の物性値および特性は、以下の如く測定されたものであり、かつ定義される。

0051

(1)粒子の平均粒径
(株)島津製作所製CP−50型セントリフィグルパーティクルサイズアナライザー(Centrifugal Paticle Size Analyzer)を用いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその残存量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読みとり、この値を上記平均粒径とした(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247参照)。

0052

(2)不活性粒子が凝集粒子の場合の平均粒径
添加した不活性粒子が1次粒子凝集による2次粒子である場合は(1)に示す方法での平均粒径測定で得られた粒径は実際の平均粒径より小さくなる場合があるため、下記方法を採用した。

0053

粒子を含有したフィルムを断面方向に厚さ100nmの超薄切片とし、透過電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM−1200EX)を用いて、1万倍程度の倍率で粒子を観察し、凝集粒子(2次粒子)を観察した。この写真を用いて個々の粒子の円面積相当の直径を画像解析装置等を用いて粒子1000個について測定し、数平均した粒子径を平均2次粒径とした。なお、粒子種の同定はSEM−XMA、ICPによる金属元素の定量分析などを使用して行うことができる。平均1次粒径は透過電子顕微鏡の倍率を10万〜100万倍にて撮影するほかは平均2次粒径粒径測定の方法に準じて測定した。

0054

(3)不活性粒子個別の添加量
回収前のポリエステルフィルム100gを白金るつぼ中で1000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、るつぼ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成し、そのプレートを波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値を予め作成してある元素毎の検量線より換算し粒子の添加量を決定した。なお、蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4KWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更した。

0055

ただし異なる不活性粒子が、同一元素を含む場合は、透過電子顕微鏡より得られた粒子像より相対的添加量を求めた。そのとき基となる不活性粒子全量の添加量は下記方法(4)により測定した。

0056

(4)不活性粒子全量の添加量
ポリエステルフィルム100gを白金るつぼ中で1000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、るつぼ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成し、そのプレートを波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値を予め作成してある元素毎の検量線より換算し粒子の添加量を決定した。蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4KWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更した。

0057

(5)フィルムの表面粗さ(SRa、SRz)
中心線平均粗さ(SRa)はJIS−B0601で定義される値、及び10点平均粗さ(SRz)はJIS−B0602で定義される値であり、本発明では(株)小坂研究所の触針式表面粗さ計(SURFCORDER SE-30C)を用いて測定した。測定条件等は次の通りである。
(a)触診先端半径:2μm
(b)測定圧力:30mg
(c)カットオフ:0.25mm
(d)測定長:2.5mm
(e)データのまとめ方:同一試料について6回繰り返し測定し最も大きい値を1つ除き、残り5つのデーターの平均値で表示した。

0058

(6)フィルムのエア抜け速度
フィルムの巻取り性は重なった時の空気の抜け時間、及び巻きあがりのフィルムロールの端面のズレ幅で表わした。空気抜け速度はあらかじめ8cm×5cmに切り取った回収前のフィルム片を20枚重ね、うち下19枚には中央に1辺2mmの正三角形の穴を明け、デジタルベック平滑度試験機(東洋精機製)を用いて単位時間あたり何mmHg低下するかを測定した。

0059

(7)フィルムの端面ずれ幅
温度25℃、湿度40%に調湿した部屋で直径8cm、巻取部幅2cmのアルミ製のコアに1/2インチにスリットしたフィルムを、400mをしわの入らない程度に50gの張力、30m/minのスピードで巻取り、その巻取ったフィルムを平行に中心間距離が300mmになるように設置した同じアルミ製のコアに50gの張力、250m/minのスピードで300m巻き返し、その巻き返し中のフィルムの端面ずれ幅をキーエンス製レーザー測長機にて測定した値をn=10測定して、最大値、最小値を省く8回分の値の平均値を端面ずれ幅(μm)とした。

0060

(8)フィルムの耐削れ性(白粉、スクラッチ)
温度20℃、湿度60%の環境で、幅1/2インチに裁断したフィルムをSUS焼結板を円柱形曲げ表面仕上げが不十分な(表面粗さRa=0.15nm)固定ガイドピンに角度θ=(60/180)πラジアン(60O )接触させて毎分250mの速さ、入りテンションT1=50gで走行(摩擦)させた。フィルムが200m走行した後固定ガイドピン上に付着した削れ粉(白粉)および走行した後のフイルムのスクラッチの本数を下記の基準で評価した。
<削れ粉(白粉)判定>
◎:削れ粉が全くみられない
○:うっすらと削れ粉がみられる
△:削れ粉の存在が一見して判る
×:削れ粉がひどく付着している
<スクラッチ判定>
◎:スクラッチが全くみられない
○:1〜5本のスクラッチが見られる
△:6〜15本のスクラッチが見られる
×:16本以上のスクラッチが見られる

0061

(9)製品リボンのスリット時の巻取性
cm幅にスリットした製品リボンを4cm幅、厚み3mmtの巻き取り部分のある外周3インチのアルミコアに巻き取り、張力100gにて1000m巻き取るとき、巻き取り速度を20m/minから20m/min単位で速度が増加するように設定して、1000mの製品リボンがズレないで巻き取ることができる最高速度を測定し、下記の基準で評価した。
×:100m/min未満
△:100m/min以上200m未満
○:200m/min以上300m未満
◎:300m/min以上

0062

[実施例1〜9、比較例1〜8]ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、さらに滑剤として表1、2に示す添加粒子を添加して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.56のポリエチレンテレフタレートを得た。これらのポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で3時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、単層ダイを用いて押出し、表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み約65μmの未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速ロール高速ロール間で15mm上方より800℃の表面温度のIRヒーター1本にて加熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、120℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを205℃の温度で5秒間熱固定し、厚み4.6μmの熱固定二軸配向ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム厚みは押出機回転数を変え、未延伸シートの厚みを変えることにより調節した。これらの二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1、2に示す。

0063

次に、上記フィルムの片面に、下記組成からなる転写インク塗剤を、加熱ロールによるホットメルトコーティング法により、塗膜の厚みが5μmとなる量塗布し転写インク層を設けた。得られたフィルム(製品リボン)のスリット時の巻き取り性を表1、2に示す。

0064

0065

発明の効果

0066

本発明によれば、耐削れ性、フィルムロールとするときの巻取性、製品リボンのスリット時の巻取性の良好な二軸配向ポリエステルフィルムを生産することが可能となり、その工業的価値は高い。

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