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技術 熱処理装置

出願人 株式会社ノリタケカンパニーリミテドノリタケ電子工業株式会社
発明者 伊藤吉積赤堀哲雄稲葉善幸中川正弘伊藤淳
出願日 1997年11月4日 (22年5ヶ月経過) 出願番号 1997-301983
公開日 1999年5月28日 (20年11ヶ月経過) 公開番号 1999-142061
状態 特許登録済
技術分野 トンネル炉(炉3) 物理的、化学的プロセスおよび装置 温度の制御
主要キーワード マイタギア 駆動区分 温度制御量 膜形成素材 側部外側 給気用配管 ボンド成分 ヒータ配置
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この項目の情報は公開日時点(1999年5月28日)のものです。
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図面 (17)

課題

基板を複数の加熱室へ順次間送りして基板の温度を略均一に維持しながら変化させる熱処理装置において、各加熱室毎の温度制御が速やかに行われるようにして、間欠送りするサイクルタイムを短くする。

解決手段

基板62と干渉しない範囲でシャッタ194を挟むように各加熱室の境界部分に一対の耐熱ガラス製板から構成される下側断熱壁192が設けられていることから、下側断熱壁192の耐熱ガラス製板自身と耐熱ガラス製板相互間に形成される空気層による断熱作用により、各加熱室が隣接する加熱室から受ける熱影響が可及的に低減させられる。これにより、基板62を間欠送りしてシャッタ194を閉じた後、制御装置により各加熱室毎に所定温度に速やかに制御できるようになり、基板62を間欠送りするサイクルタイムを短くして全体の処理時間を短縮できるようになる。

概要

背景

ソーダライムガラスに代表されるガラス製基板アルミナに代表されるセラミックス基板の上に、金属或いは無機材料ガラスボンド成分溶融や、材料自体軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板が知られている。例えば、蛍光表示管陽極基板プラズマディスプレイパネル用基板プラズマアドレス液晶表示装置プラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板厚膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッドイメージセンサ等の電子デバイス用基板がそれである。このような基板には、一般に、基板自体のアニールのためやガラス素材結合剤として応用した機能材料膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度の熱処理が施され、セラミックス基板においてはガラス素材を結合剤として応用した機能材料の膜形成、或いは金属材料自体の界面の溶融を応用した機能材料の膜形成のために例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施される。

ところで、近年では、上記膜形成素材を含む基板は、その表面にパターニング形成される導体抵抗誘電体などの多層化および細密化が図られるとともに、特に、上記表示デバイス用基板では表示面積の大型化に伴って比較的大きな寸法のものを製造することが必要となっている。そのため、表示デバイス用基板では大きな寸法に亘って細密にパターン形成することが要求されるとともに、上記電子デバイス用基板では、機能を発生させる膜に与えられるパターン空間が細密化することによって品質の確保のために膜の均一性が一層要求される。しかしながら、上記基板の焼成によってもたらされる品質への影響は、上記のように大型となる程大きくなり、それらのばらつきが製品設計上の制約となったり、製品歩留まりを低下させる一因となっていた。

例えば、熱処理に伴って基板素材そのものの膨張或いは収縮による寸法変動がある場合は、機能を有する膜のパターニング後に行われる焼成毎のパターン間の位置合わせが困難となる。また、抵抗層においては抵抗値のばらつき、誘電体層においては耐電圧のばらつきや残存率の不均一による厚み寸法のばらつき、導体層においては導通抵抗およびワイヤボンディング性スパッタリング性などのばらつきが大きくなる。これらパターン間の位置合わせの一致性および層品質の均一性は、精細なパターンとなる程或いは基板が大型となる程、維持することが困難となり、製品歩留まり加速度的に低下するという不都合があった。したがって、例えば40インチ以上の大型表示装置としてのプラズマディスプレイ用基板を例にとると、次のような歩留まり低下要因がある。すなわち、多数のセルを形成する多層構造の各層の寸法精度が確保できない、障壁の高さおよび幅の寸法のばらつきが生じる、抵抗付セルにおいては抵抗値のばらつきを生じる、誘電体層においては耐電圧にばらつきを生じる、全体的な寸法ばらつきフロント板リヤ板とを組み合わせて放電セルを形成するときにズレを生じる、などである。

これに対し、略水平な一平面内に互いに平行に配設されてそれぞれ軸心まわり回転駆動される多数のローラ上に、上記基板等の平板状のワークを略水平な姿勢で載置して一方向へ搬送するとともに、そのワークの温度を略均一に維持しながら前記搬送過程で予め定められた第1温度から第2温度まで徐々に変化させる熱処理装置であって、(a) 前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、その複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を前記第1温度から第2温度まで徐々に変化させる温度制御装置と、(b) 前記多数のローラを間欠回転させて前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間送りする搬送装置と、(c) 前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分であって前記多数のローラの間の位置に配設され、上下方向へ往復移動させられることによりその複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置とを有する熱処理装置が、例えば本願出願人が先に出願した特願平8−202068号において提案されている。

このような熱処理装置によれば、各加熱区分毎にワークの温度が略均一に維持されつつ徐々に変化させられるため、温度差に起因して歪などを生じる恐れがないとともに、熱処理装置の全長を短くできる。すなわち、ガラス製基板を焼成する場合、その温度差は5(℃) 以内とすることが望まれるため、例えば進行方向に70(cm)の長さを有する大型のガラス製基板を連続送りしながら徐冷する場合には、7(℃/m) 以内の熱勾配としなければならず、焼成ピーク温度からガラス転移点温度まで約130(℃) 程度徐冷するには約 18(m)の長さ寸法が必要なのに対し、上記加熱区分毎に20〜30 (℃) 程度ずつ徐冷する場合には、5〜7程度の加熱区分を設けるだけで良く、1つの加熱区分の長さを例えば 130(cm)程度とすれば 6.5〜9.1(m)程度の長さ寸法で済むようになるのである。

概要

基板を複数の加熱室へ順次間欠送りして基板の温度を略均一に維持しながら変化させる熱処理装置において、各加熱室毎の温度制御が速やかに行われるようにして、間欠送りするサイクルタイムを短くする。

基板62と干渉しない範囲でシャッタ194を挟むように各加熱室の境界部分に一対の耐熱ガラス製板から構成される下側断熱壁192が設けられていることから、下側断熱壁192の耐熱ガラス製板自身と耐熱ガラス製板相互間に形成される空気層による断熱作用により、各加熱室が隣接する加熱室から受ける熱影響が可及的に低減させられる。これにより、基板62を間欠送りしてシャッタ194を閉じた後、制御装置により各加熱室毎に所定温度に速やかに制御できるようになり、基板62を間欠送りするサイクルタイムを短くして全体の処理時間を短縮できるようになる。

目的

本発明は以上の事情背景として為されたもので、その目的とするところは、ワークを複数の加熱区分へ順次間欠送りしてワークの温度を略均一に維持しながら変化させる熱処理装置において、各加熱区分毎の温度制御が速やかに行われるようにして、間欠送りするサイクルタイムを短くしたり加熱区分の数を少なくしたりすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

所定のワークを一方向へ搬送する過程で該ワークの温度を略均一に維持しながら変化させるトンネル状の熱処理装置であって、前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、該複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を異なる温度に変化させる温度制御装置と、前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間送りする搬送装置と、前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分に配設され、往復移動させられることにより該複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークと干渉しない範囲で、前記シャッタを挟むように前記複数の加熱区分の境界部分に位置固定に設けられた一対の断熱壁とを有することを特徴とする熱処理装置。

請求項2

略水平な一平面内に互いに平行に配設されてそれぞれ軸心まわり回転駆動される多数のローラ上に平板状のワークを略水平な姿勢で載置して一方向へ搬送するとともに、該ワークの温度を略均一に維持しながら前記搬送過程で予め定められた第1温度から第2温度まで徐々に変化させるトンネル状の熱処理装置であって、前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、該複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を前記第1温度から第2温度まで徐々に変化させる温度制御装置と、前記多数のローラを間欠回転させて前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間欠送りする搬送装置と、前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分であって前記多数のローラの間の位置に配設され、上下方向へ往復移動させられることにより該複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークと干渉しない範囲で、前記シャッタを挟むように前記複数の加熱区分の境界部分に位置固定に設けられた一対の断熱壁とを有することを特徴とする熱処理装置。

請求項3

所定のワークを一方向へ搬送する過程で該ワークの温度を略均一に維持しながら低下させるトンネル状の熱処理装置であって、前記シャッタを挟むように設けられた一対の断熱壁の間の空間は、前記熱処理装置の炉壁に設けられた連通穴を介して炉外に連通していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。

技術分野

0001

本発明は、ワークを一方向へ搬送する過程でその温度を略均一に維持しながら徐々に変化させる熱処理装置の改良に関する。

背景技術

0002

ソーダライムガラスに代表されるガラス製基板アルミナに代表されるセラミックス基板の上に、金属或いは無機材料ガラスボンド成分溶融や、材料自体軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板が知られている。例えば、蛍光表示管陽極基板プラズマディスプレイパネル用基板プラズマアドレス液晶表示装置プラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板厚膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッドイメージセンサ等の電子デバイス用基板がそれである。このような基板には、一般に、基板自体のアニールのためやガラス素材結合剤として応用した機能材料膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度の熱処理が施され、セラミックス基板においてはガラス素材を結合剤として応用した機能材料の膜形成、或いは金属材料自体の界面の溶融を応用した機能材料の膜形成のために例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施される。

0003

ところで、近年では、上記膜形成素材を含む基板は、その表面にパターニング形成される導体抵抗誘電体などの多層化および細密化が図られるとともに、特に、上記表示デバイス用基板では表示面積の大型化に伴って比較的大きな寸法のものを製造することが必要となっている。そのため、表示デバイス用基板では大きな寸法に亘って細密にパターン形成することが要求されるとともに、上記電子デバイス用基板では、機能を発生させる膜に与えられるパターン空間が細密化することによって品質の確保のために膜の均一性が一層要求される。しかしながら、上記基板の焼成によってもたらされる品質への影響は、上記のように大型となる程大きくなり、それらのばらつきが製品設計上の制約となったり、製品歩留まりを低下させる一因となっていた。

0004

例えば、熱処理に伴って基板素材そのものの膨張或いは収縮による寸法変動がある場合は、機能を有する膜のパターニング後に行われる焼成毎のパターン間の位置合わせが困難となる。また、抵抗層においては抵抗値のばらつき、誘電体層においては耐電圧のばらつきや残存率の不均一による厚み寸法のばらつき、導体層においては導通抵抗およびワイヤボンディング性スパッタリング性などのばらつきが大きくなる。これらパターン間の位置合わせの一致性および層品質の均一性は、精細なパターンとなる程或いは基板が大型となる程、維持することが困難となり、製品歩留まり加速度的に低下するという不都合があった。したがって、例えば40インチ以上の大型表示装置としてのプラズマディスプレイ用基板を例にとると、次のような歩留まり低下要因がある。すなわち、多数のセルを形成する多層構造の各層の寸法精度が確保できない、障壁の高さおよび幅の寸法のばらつきが生じる、抵抗付セルにおいては抵抗値のばらつきを生じる、誘電体層においては耐電圧にばらつきを生じる、全体的な寸法ばらつきフロント板リヤ板とを組み合わせて放電セルを形成するときにズレを生じる、などである。

0005

これに対し、略水平な一平面内に互いに平行に配設されてそれぞれ軸心まわり回転駆動される多数のローラ上に、上記基板等の平板状のワークを略水平な姿勢で載置して一方向へ搬送するとともに、そのワークの温度を略均一に維持しながら前記搬送過程で予め定められた第1温度から第2温度まで徐々に変化させる熱処理装置であって、(a) 前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、その複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を前記第1温度から第2温度まで徐々に変化させる温度制御装置と、(b) 前記多数のローラを間欠回転させて前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間送りする搬送装置と、(c) 前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分であって前記多数のローラの間の位置に配設され、上下方向へ往復移動させられることによりその複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置とを有する熱処理装置が、例えば本願出願人が先に出願した特願平8−202068号において提案されている。

0006

このような熱処理装置によれば、各加熱区分毎にワークの温度が略均一に維持されつつ徐々に変化させられるため、温度差に起因して歪などを生じる恐れがないとともに、熱処理装置の全長を短くできる。すなわち、ガラス製基板を焼成する場合、その温度差は5(℃) 以内とすることが望まれるため、例えば進行方向に70(cm)の長さを有する大型のガラス製基板を連続送りしながら徐冷する場合には、7(℃/m) 以内の熱勾配としなければならず、焼成ピーク温度からガラス転移点温度まで約130(℃) 程度徐冷するには約 18(m)の長さ寸法が必要なのに対し、上記加熱区分毎に20〜30 (℃) 程度ずつ徐冷する場合には、5〜7程度の加熱区分を設けるだけで良く、1つの加熱区分の長さを例えば 130(cm)程度とすれば 6.5〜9.1(m)程度の長さ寸法で済むようになるのである。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記熱処理装置において、シャッタを耐熱ガラス製板等を用いて構成しても、各加熱区分は隣接する加熱区分の影響を受け完全に熱的に独立した環境を得ることは難しく、ワークを間欠送りしてシャッタを閉じた後、温度制御装置により各加熱区分毎に異なる温度に均熱制御する際に隣接する加熱区分の熱影響で比較的長時間を要するという問題があった。このため、ワークを間欠送りするサイクルタイムが長くなったり、所定のサイクルタイムで間欠送りするために加熱区分毎の温度変化を小さくしたりする必要があった。加熱区分毎の温度変化を小さくした場合、それだけ加熱区分の数が多くなるため、熱処理装置の全長が長くなる。

0008

本発明は以上の事情背景として為されたもので、その目的とするところは、ワークを複数の加熱区分へ順次間欠送りしてワークの温度を略均一に維持しながら変化させる熱処理装置において、各加熱区分毎の温度制御が速やかに行われるようにして、間欠送りするサイクルタイムを短くしたり加熱区分の数を少なくしたりすることにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、第1発明は、所定のワークを一方向へ搬送する過程でワークの温度を略均一に維持しながら変化させるトンネル状の熱処理装置であって、(a) 前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、それら複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を異なる温度に変化させる温度制御装置と、(b) 前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間欠送りする搬送装置と、(c) 前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分に配設され、往復移動させられることによりそれら複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置と、(d)前記搬送装置によって搬送される前記ワークと干渉しない範囲で、前記シャッタを挟むように前記複数の加熱区分の境界部分に位置固定に設けられた一対の断熱壁とを有することを特徴とする。

0010

また、第2発明は、略水平な一平面内に互いに平行に配設されてそれぞれ軸心まわりに回転駆動される多数のローラ上に平板状のワークを略水平な姿勢で載置して一方向へ搬送するとともに、そのワークの温度を略均一に維持しながら前記搬送過程で予め定められた第1温度から第2温度まで徐々に変化させるトンネル状の熱処理装置であって、(a) 前記一方向に並んで設定された複数の加熱区分毎に加熱温度を独立に制御し、それら複数の加熱区分へ順次送られる前記ワークの温度を前記第1温度から第2温度まで徐々に変化させる温度制御装置と、(b) 前記多数のローラを間欠回転させて前記ワークを前記複数の加熱区分へ順次間欠送りする搬送装置と、(c) 前記一方向において前記複数の加熱区分の境界部分であって前記多数のローラの間の位置に配設され、上下方向へ往復移動させられることによりそれら複数の加熱区分を相互に遮蔽する遮蔽位置と、前記搬送装置によって搬送される前記ワークとの干渉を避ける退避位置とに位置決めされる平板状のシャッタを備えているシャッタ装置と、(d) 前記搬送装置によって搬送される前記ワークと干渉しない範囲で、前記シャッタを挟むように前記複数の加熱区分の境界部分に位置固定に設けられた一対の断熱壁とを有することを特徴とする。

0011

また、第3発明は、第1または第2発明の熱処理装置において、所定のワークを一方向へ搬送する過程でワークの温度を略均一に維持しながら低下させるトンネル状の熱処理装置であって、前記シャッタを挟むように設けられた一対の断熱壁の間の空間は、前記熱処理装置の炉壁に設けられた連通穴を介して炉外に連通していることを特徴とする。

発明の効果

0012

第1発明によれば、前記搬送装置によって搬送される前記ワークと干渉しない範囲で前記シャッタを挟むように前記複数の加熱区分の境界部分に一対の断熱壁が設けられていることから、断熱壁自身と断熱壁相互間に形成される空気層による断熱作用により、各加熱区分が隣接する加熱区分から受ける熱影響が可及的に低減させられる。これにより、ワークを間欠送りしてシャッタを閉じた後、温度制御装置により各加熱区分毎に所定温度に速やかに制御できるようになり、ワークを間欠送りするサイクルタイムを短くして全体の処理時間を短縮できる。

0013

また、ワークの温度を第1温度から第2温度まで徐々に変化させる第2発明の熱処理装置においては、各加熱区分毎に所定温度に速やかに制御できることから、間欠送りのサイクルタイムを長くすることなく加熱区分毎の温度変化をできるだけ大きくして加熱区分の数を少なくし、熱処理装置の全長を短くすることが可能である。

0014

また、第3発明においては、前記シャッタを挟むようにして設けられた一対の断熱壁の間の空間が連通穴を介して炉外に連通していることから、一対の断熱壁相互間に比較的低温の空気層が形成されるため、一対の断熱壁にはそれぞれ空気層側に向かうに従って低温となる反対向きの温度勾配が形成されることから、高温側の加熱区分から低温側の加熱区分に対する直接的な伝熱が妨げられ、シャッタが開けられてワークが送り込まれることにより設定温度より高温となる各加熱区分の温度が、シャッタが閉じられた後に温度制御装置によって設定温度まで速やかに低下させられるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0015

ここで、本発明の熱処理装置を用いて熱処理されるワークは、焼成などの熱処理の際にその温度を略均一に維持することが要求されるもので、例えばガラス製基板やセラミックス基板の上に、金属或いは無機材料をガラスボンド成分の溶融や材料自体の軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板などであり、具体的には蛍光表示管の陽極基板、プラズマディスプレイパネル用基板、プラズマアドレス液晶表示装置のプラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板、厚膜配線基板、或いはサーマルプリンタヘッドやイメージセンサ等の電子デバイス用基板などである。

0016

前記温度制御装置は、例えば複数の加熱区分毎に加熱温度を順次低下させてワークの温度を徐冷するように構成されるが、加熱温度を順次上昇させてワークの温度を徐々に上昇させるものでも良い。第1発明の実施に際しては、少なくとも複数の加熱区分における制御温度が異なるものであれば良い。

0017

前記搬送装置は、例えばワークを各加熱区分へ間欠送りする毎に完全停止するように構成されるが、各加熱区分内においてワークを小刻みに前後運動させるようにしても良い。この搬送装置は、第2発明のように多数のローラを有して構成することが望ましいが、ベルトコンベアレール上を移動する台車、或いはワークを把持して移動させる移載ロボットなどを利用することも可能である。

0018

前記シャッタは、例えばワークの搬送位置の下方に配設され、上方へ移動させられることにより各加熱区分を遮蔽するように構成されるが、ワークの搬送位置よりも上方に配設されて、下方へ移動させられることにより各加熱区分を遮蔽するようになっていても良いなど、搬送装置の構造等に応じて適宜定められる。

0019

断熱壁は少なくともシャッタを挟んで一対設けられていれば良いが、更に隣接して1乃至複数の断熱壁を位置固定に設けることも可能である。断熱壁は、シャッタがワークの搬送位置よりも下方に設けられれば同じく下方側に配設され、搬送位置よりも上方に設けられれば同じく上方側に配設されるが、搬送位置を挟んで上下両側に一対づつ配設することも可能である。ワークの搬送位置に切欠スリットなど)を形成することにより、上下の断熱壁を一体に構成することもできる。

0020

上記シャッタおよび断熱壁は、耐熱ガラスやアルミナなどの耐熱性に優れたセラミックス板が好適に用いられる。

0021

第3発明の連通穴は、例えばシャッタを往復移動させるための支持シャフト挿通させる貫通穴が炉壁に設けられている場合には、その貫通穴を連通穴として用いることが可能であるが、十分な連通断面積を確保するために貫通穴とは別に連通穴を形成するようにしても良い。

0022

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

0023

図1図2図3は、略水平な一平面内において基板62を一方向へ直線的に順次搬送する過程で焼成を施す形式連続型焼成装置116の構成を示しており、図1は正面図、図2炉体幅方向中央を通り長手方向に沿った断面図、図3(a) 〜(e) はそれぞれ図2におけるa−a乃至e−e視断面をそれぞれ示す図である。図において、それぞれ独立に駆動される第1搬送装置118、複数の第2搬送装置120a、120b、〜120f(以下、特に区別しないときは単に第2搬送装置120という)、第3搬送装置122が直列に配置されており、基板62は、それら第1搬送装置118、第2搬送装置120、第3搬送装置122によって一方向に搬送されることにより、トンネル状の炉体124a、124b(以下、特に区別しないときは単に炉体124という)内を通過させられるようになっている。尚、基板62はワークに対応し、連続型焼成装置116は熱処理装置に対応している。基板62は、本実施例ではプラズマディスプレイパネル等の大型ガラス製基板で、表面には樹脂製バインダによって所定の膜形成素材が設けられている。また、図1下段上段の右側に連続して設けられるもので、下段の左端のA2 −B2 は上段の右端のA1 −B1 と一致する。

0024

上記トンネル状の炉体124は、例えば内壁がβ−スポジュメン系結晶化ガラス等の耐熱ガラスから構成されたものである。炉体124a内には、基板62を最高焼成温度MTまで加熱すると共にその過程で基板62上に印刷形成された膜に含まれているバインダ樹脂)を燃焼除去するための予熱ゾーン予熱部)126と、基板62をその最高焼成温度MTで所定時間保持するための加熱ゾーン(加熱部)128と、基板62を最高焼成温度MTからガラス転移点温度GTまで徐々に冷却するための徐冷ゾーン(徐冷部)130とが設けられており、炉体124b内には、基板62を常温付近まで冷却するための冷却ゾーン(冷却部)132が設けられている。尚、最高焼成温度MTは第1温度に対応し、ガラス転移点温度GTは第2温度に対応している。

0025

前記第1搬送装置118は、上記予熱ゾーン126および加熱ゾーン128に対応する位置に設けられている。この第1搬送装置118は、炉体124aの下方に設けられて連続的に駆動される減速機付モータ134の回転を、チェーン136、および一軸線上に設けられた複数本ラインシャフト138a、138b、〜138e(以下、特に区別しないときは単にラインシャフト138という)を介して、炉体124aの長手方向に沿って所定間隔をもって設けられたマイタギア140a、140b、〜140f(以下、特に区別しないときは単にマイタギア140という)に伝達し、そのマイタギア140によってそれぞれ分担される駆動区分127a、127b、127c、127d(以下、特に区別しないときは単に駆動区分127という)、駆動区分129a、129b(以下、特に区別しないときは単に駆動区分129という)毎に図2に示されるように炉体124a内に設けられているローラ166を回転させることにより、そのローラ166上に乗せられた基板62を例えば300(mm/min) 程度の第1の搬送速度で連続的に搬送するものである。

0026

図4は、第1搬送装置118および第2搬送装置120の要部を中間を省略した状態で上下に配して拡大して示す図であり、図1に示される駆動区分127a、129b、131bにそれぞれ対応する部分が上段、中段、下段にそれぞれ示されている。駆動区分127aに対応する第1搬送装置118のマイタギア140aには、軸心方向が炉体124の長手方向に沿って設けられている原動軸142aと、軸心方向が炉体124の長手方向に垂直(紙面に垂直)な従動軸144aとが備えられている。モータ134の回転がチェーン136によってマイタギア140aに伝達されて原動軸142aが矢印の方向に回転させられると、その原動軸142aにカップリング146を介して接続されているラインシャフト138aが原動軸142aと同方向に回転させられると共に、従動軸144aが例えば図の矢印の方向に回転させられる。

0027

一方、図4の中段に示されている駆動区分129bに対応するマイタギア140f、すなわち第1搬送装置118の右端部に設けられているマイタギア140fは、原動軸142fの一端がワンウェイカップリング148を介してラインシャフト138eに接続されている。また、その原動軸142fの他端部側には減速機付モータ150が備えられており、その他端部にワンウェイカップリング152を介して接続されている。これらのワンウェイカップリング148、152は、それぞれラインシャフト138eおよびモータ150の図の矢印方向の回転のみをマイタギア140fに伝達するものであり、モータ150は、後述の第2搬送装置120に同期してラインシャフト138よりも速い回転速度で間欠的に駆動される。そのため、モータ150の停止中はラインシャフト138eの回転がワンウェイカップリング148を介して原動軸142fに伝達され、ワンウェイカップリング152は滑らされる一方、モータ150の駆動中はワンウェイカップリング152を介してその回転が原動軸142fに伝達され、ワンウェイカップリング148が滑らされることとなる。したがって、モータ150の駆動中は、駆動区分129b内のローラ166上の基板62が前記の第1の搬送速度(例えば300[mm/min] 程度)よりも速い例えば5000(mm/min)程度の第2の搬送速度で搬送される。なお、省略されている駆動区分127b、127c、〜129aは、ラインシャフト138a、138b、〜138eがカップリング146と同様な図示しないカップリングを介してマイタギア140b、140c、〜140eの原動軸142に接続されており、その原動軸142の回転に伴ってそれぞれに備えられている従動軸144が一定の速度で連続回転させられる。

0028

また、複数のマイタギア140の下方には、軸心方向が炉体124の長手方向に垂直且つ水平方向となるように互いに平行にその長手方向に沿って配列された複数本の回転軸154がそれぞれ備えられている。このため、第1搬送装置118には、その全長に亘って、炉体124の長手方向に沿って多数の回転軸154が備えられている。この回転軸154は、従動軸144の回転が例えばチェーン(或いはタイミングベルト)156によって伝達されることによって、それぞれ図に矢印で示される方向に回転させられ、前記ローラ166がこの回転軸154と一体的に回転駆動される。モータ134が駆動させられると、炉体124の長手方向に沿って配列された多数の第1搬送装置118の回転軸154が同様な回転速度、回転方向で同時に回転させられることとなるが、モータ150が駆動させられると、マイタギア140fにはその回転が伝達されてワンウェイカップリング148によってラインシャフト138eの接続が実質的に絶たれ、マイタギア140fの下方に備えられている回転軸154、すなわち加熱ゾーン128のうちの徐冷ゾーン130に隣接する駆動区分129bに属する回転軸154が、第1搬送装置118内の他の駆動区分127、129aに属する回転軸154よりも速い徐冷ゾーン130と同様な速度で回転させられることとなる。

0029

また、複数の第2搬送装置120は、図4の下段に駆動区分131bについて示されるように、それぞれ独立して間欠的に駆動される減速機付モータ158a、158b、〜158f(以下、特に区別しないときは単にモータ158という)を備えたものであり、そのモータ158の下方には第1搬送装置118と同様に、炉体124の長手方向と垂直且つ水平方向に設けられた複数本の回転軸154が備えられている。この回転軸154はモータ158の出力軸160の回転をチェーン156によって伝達されることにより同方向に回転させられるものである。すなわち、複数の第2搬送装置120は、第1搬送装置118においてモータ134の回転を伝達されるマイタギア140に代えて独立して駆動されるモータ158をそれぞれ備えている。モータ158は、出力軸160が図に矢印で示される正転方向に正転駆動されるだけではなく、交互に正転方向および逆転方向に回転駆動する反転駆動可能とされているが、正転駆動時には回転軸154に接続されたローラ166が前記の第2の搬送速度(例えば5000[mm/min]程度)が得られるように回転させられる一方、反転駆動時にはそれよりも遅い例えば1300(mm/min)程度の第3の搬送速度で基板62が搬送方向およびその反対方向に往復移動させられるようにローラ166が正転方向および逆転方向に回転させられる。

0030

また、第3搬送装置122は、図1から明らかなように、第1搬送装置118においてマイタギア140の個数を減じ、炉体124の長手方向の前後が反転された構成とされている。すなわち、駆動区分129bと同様な構成の駆動区分133a、駆動区分127b等と同様な構成の駆動区分133b、および駆動区分127aと同様な構成の駆動区分133cから構成されている。そのため、炉体124bの下方に備えられた減速機付モータ162の回転がチェーン163、ラインシャフト138g、および138fを介してマイタギア140i、140h、および140gに伝達され、それぞれの駆動区分133に備えられている回転軸154が回転させられる。また、徐冷ゾーン130に隣接する駆動区分133aでは、駆動区分129bと同様に、減速機付モータ164の回転がワンウェイカップリングを介して伝達されることにより、それに属する回転軸154が間欠的に他の回転軸154よりも速い速度すなわち第2搬送装置120に同期した速度で駆動される。

0031

図2に戻って、炉体124内には、複数本の例えばアルミナ製の円筒状のローラ166が、図3(a) 〜(e) に図2におけるa−a乃至e−e視断面を示すように、両端部が炉体124側面から突き出すように設けられている。炉体124の側部外側には一対の軸受け167、167(図3(a) のみに図示)が設けられており、これに前記回転軸154がローラ166と同軸的にそれぞれ支持されている。ローラ166は、それぞれこれら一対の回転軸154に両側から挟まれた状態で設けられており、前記モータ134の回転がチェーン156を介して伝達されるその回転軸154の回転に伴って回転させられる。なお、図3(a) は、図2におけるa−a視断面に対応する図であるが、a2 −a2 視断面も同様な断面形状である。前記基板62は、炉体124内においてこのローラ166に支持されている。そのため、ローラ166が回転させられるとその回転に伴って一方向に搬送されることとなる。このとき、第1搬送装置118および第3搬送装置122が設けられている予熱ゾーン126、加熱ゾーン128、冷却ゾーン132においてはローラ166が連続的に回転させられて基板62が連続的に搬送される一方、第2搬送装置120が設けられている徐冷ゾーン130においてはローラ166が間欠的に回転させられて基板62が間欠的に搬送されることとなる。すなわち、本実施例においては、第2搬送装置120が特許請求の範囲に記載の搬送装置に対応している。

0032

また、図1図2図3から明らかなように、前記の予熱ゾーン126には、予熱ゾーン126内の温度を検出するための複数の温度検出器TCが、前記の駆動区分127毎に長手方向中央の幅方向の3位置において上下に設けられると共に、炉体124の上側および下側に複数のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立して制御されるヒータHが、それぞれの駆動区分127毎に炉体124の長手方向および幅方向にそれぞれ4ゾーンずつ設けられている。すなわち、図1乃至図3においては一部が省略されているが、図5(a) に駆動区分127aについて模式的に示すように、各駆動区分127毎に基板62の送り方向Aおよびそれに直交する図示しないローラ166の長手方向にそれぞれ4分割された合計16組のヒータH1111、H1112、H1113、H1114、H1121、H1122、H1123、H1124、H1131、H1132、H1133、H1134、H1141、H1142、H1143、H1144(駆動区分127b、127c、127dにはそれぞれH1211〜H1244、H1311〜H1344、H1411〜H1444が備えられる)が炉体124の上下において各一対として配設され、ヒータH1121とH1131の間の位置、ヒータH1122、H1123、H1132、およびH1133の間の位置、ヒータH1124とH1134の間の位置にそれぞれ温度検出器TC111 、TC112 、TC113 (駆動区分127b、127c、127dにはそれぞれTC121 〜TC123 、TC131 〜TC133 、TC141 〜TC143 )が配設されている。図2に駆動区分127aの上側に一部について例示するように、各々の温度検出器TCおよびヒータHは制御装置168に接続されており、温度検出器TCで検出された温度信号に従ってヒータHの出力が制御される。

0033

また、予熱ゾーン126には、炉体124の入口側の駆動区分127aの入口上部に給気管170が設けられると共に、続く駆動区分127b、127c、127dの基板62の搬送方向前方側に排気管172が設けられている。これら給気管170および排気管172は、例えばローラ166と同様なアルミナセラミックスから構成されて何れも炉体124の幅方向に貫通するように設けられている。給気管170は、その両端部において炉体124側面に備えられている給気用配管174に接続されており、図示しない空気供給源から導かれた空気を炉体124内に供給する。また、排気管172は、その両端部において炉体124側面に備えられている排気用配管176に接続されており、炉体124内に供給された空気はその内部を流れる過程で複数の排気管172から吸い込まれ、排出口178から排出される。これら給気管170および排気管172は、それぞれ図6(a) 、(b) に示されるように丸穴状のノズル171或いは長穴状のノズル181を複数箇所に備えたものである。

0034

また、前記加熱ゾーン128には、加熱ゾーン128内の温度を検出するための複数の温度検出器TCが、駆動区分129毎に炉体124の長手方向および幅方向のそれぞれ3位置において上下に設けられると共に、炉体124の上側、下側および両側面上部に複数のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立して制御されるヒータHが、それぞれの駆動区分129毎に炉体124の長手方向に4ゾーン、幅方向に両側面上部の各1ゾーンを含む6ゾーンずつ設けられている。すなわち、図5(b) に示されるように、各駆動区分129毎に基板62の送り方向Aおよびそれに直交する図示しないローラ166の長手方向にそれぞれ4分割された合計16組のヒータH2111、H2112、H2113、H2114、H2121、H2122、H2123、H2124、H2131、H2132、H2133、H2134、H2141、H2142、H2143、H2144が炉体124の上下において各一対として配設されると共に、炉体124の幅方向両側の上部側面において送り方向Aにそれぞれ4分割された(4組の)ヒータH2115、H2125、H2135、H2145、H2116、H2126、H2136、H2146(駆動区分129bにはH2211〜H2246)が両側面で一対として配設されている。また、ヒータH2111内、H2112とH2113との間、H2114内、H2121とH2131との間、H2122、H2123、H2132、H2133の間、H2124とH2134との間、H2141内、H2142とH2143との間、H2144内の位置にそれぞれ9組の温度検出器TC2111、TC2112、TC2113、TC2121、TC2122、TC2123、TC2131、TC2132、TC2133(駆動区分129bにはTC2211〜TC2233)が上下に配設されている。

0035

また、前記の徐冷ゾーン130には、図2に駆動区分131aについて示されるように、炉体124の長手方向に沿って等間隔に複数のシャッタ装置S1 〜S7 (以下、特に区別しないときは単にシャッタ装置Sという)が設けられており、徐冷ゾーン130が駆動区分131a、131b、〜131fにそれぞれ対応する複数、具体的には6つの第1加熱室R1 、第2加熱室R2 、〜第6加熱室R6 (以下、特に区別しないときは単に加熱室Rという)に分割されている。本実施例においては、第1加熱室R1 乃至第6加熱室R6 が相互に熱的に区分された複数の加熱区分に相当する。なお、図に示されるように、シャッタ装置S1 は駆動区分129bと131aとの間に、S2 〜S6 は駆動区分131a乃至131f相互の間に、S7 は駆動区分131fと133aとの間にそれぞれ設けられている。

0036

また、徐冷ゾーン130の各駆動区分131には、それぞれ制御装置168に制御されて各加熱室Rの温度を検出するための複数の温度検出器TCおよび各加熱室Rを加熱するための複数のヒータHが、前記図5(b) に示される前記加熱ゾーン128と同様な配設パターン(駆動区分131aにはTC3111〜TC3133およびH3111〜H3146、駆動区分131bにはTC3211〜TC3233およびH3211〜H3246、駆動区分131cにはTC3311〜TC3333およびH3311〜H3346、駆動区分131dにはTC3411〜TC3433およびH3411〜H3446、駆動区分131eにはTC3511〜TC3533およびH3511〜H3546、駆動区分131fにはTC3611〜TC3633およびH3611〜H3646)で設けられている。また、各加熱室R内には、基板62の搬送方向後方側(上流側)に上部および下部から冷却用空気を供給するための給気管180、180が備えられると共に、その冷却用空気を搬送方向前方側(下流側)の上部から排出するための排気管182とが設けられている。これら給気管180および排気管182は、それぞれ予熱ゾーン126に設けられている給気管170、排気管172と同様なものであり、丸穴状のノズル171或いは長穴状のノズル181が設けられたアルミナセラミックス製のチューブから構成されている。また、給気管180および排気管182は、炉体124の外部に設けられた給気用配管184および排気用配管186にそれぞれ接続されており、給気管180に図示しない空気供給源から個々の加熱室Rの給気用配管184毎に設けられた送気管185a、185b、〜185f(送気管185aのみ図示。以下、特に区別しないときは単に送気管185という)を介して冷却用空気が導かれると共に、排気管182から吸い込まれた各加熱室R内の空気が排出口188から排出される。個々の送気管185には電磁弁208a、208b、〜208f(電磁弁208aのみ図示。以下、特に区別しないときは単に電磁弁208という)が設けられており、制御装置168によって加熱室R内への給気が開始および停止させられると共に給気量が調節される。具体的には、加熱室R内に基板62が存在しない状態で電磁弁208が開けられることにより、その加熱室R内に後方側からその設定温度KTよりも低い温度の気体である冷却用空気が前記給気管180によって供給され、前方側から排気管182によって排出される。この給排気は、例えば数秒乃至十数秒程度の所定時間継続される。これにより、基板62が搬出されて空になった加熱室R内の温度が設定温度よりも低下する傾向にされてヒータHの出力すなわち温度制御量が高められる。なお、図においては、加熱室Rの上下にそれぞれ設けられた給気用配管184、184が共通の送気管185に接続されているが、それぞれ電磁弁208を備えた別々の送気管185に接続されて独立に制御されてもよい。

0037

また、前記の冷却ゾーン132には、冷却ゾーン132内の温度を検出するための温度検出器TC41、TC42、T43が、駆動区分133毎に炉体124長手方向中央の幅方向中央位置において上側に設けられると共に、炉体124の上側および下側にその幅寸法に略等しい長さを有する複数の冷却ジャケットCが、それぞれの駆動区分133毎に炉体124の長手方向に3列ずつ設けられている。冷却ジャケットCは、その内部に図1に示される冷却水配管202から枝管204を介して供給される冷却水流通させられるものである。上下に配されたそれぞれ3つの冷却ジャケットCは相互に連結されており、それら3つの冷却ジャケットC内を順次流通させられた冷却水は、図1に示される反対側の側面に設けられた図示しない排水管から排出される。冷却ジャケットCに供給される冷却水の流量は駆動区分133毎に枝管204に設けられている電磁弁206a、206b、206cによって調節される。この冷却ゾーン132に設けられている温度検出器TCおよび電磁弁206も前記の制御装置168に接続されており、温度検出器TCによって検出された温度信号に基づいて冷却ジャケットCに流通される冷却水量が制御される。

0038

図7は、図2におけるシャッタ装置S2 の近傍を拡大して示す図である。図において、上側断熱壁190および下側断熱壁192は、それぞれ40mm程度の隙間間隔を有して互いに平行に設けられた厚さ5mm 程度の一対の耐熱ガラス製板から構成されており、上側断熱壁190は複数本のローラ166の上端によって形成される基板62の搬送面218から60(mm)程度の距離Huだけ離隔して位置させられており、一方、下側断熱壁192は、その搬送面218から10(mm)程度の距離Hdだけ離隔して位置させられている。例えばPDP用フロントプレートリヤプレートにおいては、基板62の厚さは、通常基板62を載せて炉内を搬送するための図示しないセッタの厚さを含めても10(mm)程度以下であって、上記の距離Huに比較して充分に薄いことから、基板62は上側断熱壁190、下側断熱壁192および退避位置Aにあるシャッタ194に干渉することなく加熱室R間に設けられている開口部198を通過させられる。なお、退避位置Aにあるシャッタ194は図に実線で示されており、遮蔽位置Bにあるシャッタ194は図に1点鎖線で示されている。シャッタ194の厚さは5mm 程度であり、上下の断熱壁190、192との間には隙間が設けられて互いに接触することが防止されているが、その隙間の大きさは17.5(mm)程度であり、加熱室R相互の熱的な独立性は充分に確保されている。また、ローラ166相互の中心間隔gは、図に示されるように各加熱室R内およびそれらの境界部において、150(mm) 程度の一様な寸法に設定されている。また、炉体124の内壁面は、一定の清浄性を保つためガラス222で構成されている。

0039

図8図7のVIII-VIII 視断面図である。図において、シャッタ194はその長手方向両端部が、炉体124に設けられたφ28mm程度の一対の貫通穴220を鉛直方向に貫通するφ20mm程度の一対の支持シャフト196によって支持されており、それら支持シャフト196はそれぞれガイド部材210を挿通させられて鉛直方向の往復移動可能に案内されている。そして、それら一対の支持シャフト196は水平方向に設けられたアーム212によって相互に連結させられており、そのアーム212の中央部は鉛直方向に設けられたエアシリンダ216のピストンロッド214の先端部に取り付けられている。ここで、エアシリンダ216は、図示しない空気供給源に接続された空気供給路上に設けられた電磁弁が前記制御装置168によって基板62の搬送位置に応じて加熱室R毎に制御されて、ピストンロッド214の突出位置が切り換えられることにより、シャッタ194が図7図8において実線で示す退避位置Aと一点鎖線で示す遮蔽位置Bの何れかに移動させられる。また、貫通穴220と支持シャフト196との間には、径方向に4mm 程度の隙間が存在するため、支持シャフト196の熱膨張時にも常に充分な隙間が維持される。なお、炉体124は炉壁に対応し、貫通穴220は連通穴に対応している。

0040

図9は前記制御装置168の構成を示す図である。予熱ゾーン126、加熱ゾーン128、徐冷ゾーン130、および冷却ゾーン132の駆動区分127、129、131、133(或いは加熱室R)毎に所定数ずつ設けられた炉体124内の温度を検出するための温度検出器TC111 、TC112 、〜TC43により検出された温度を示す各信号は、マルチプレクサ68によって所定の周期時分割され、且つA/D変換器70においてデジタル信号に変換された後、演算制御回路72へ入力される。この演算制御回路72は、例えばマイクロコンピュータにより構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、出力インターフェース74を介して、モータ駆動回路MD1 へ第1搬送装置118を連続駆動させるための信号を、モータ駆動回路MD2 へ第1搬送装置118の駆動区分129bを第2搬送装置120の駆動速度に同期して駆動させるための信号をそれぞれ供給し、また、各ヒータ駆動回路D1111、D1112、〜D3646へ、ヒータH1111、H1112、〜H3646を駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回路MD31、MD32、〜MD36へ第2搬送装置120a、120b、〜120fを間欠駆動するための信号を供給し、また、シリンダ駆動回路CDS1、CDS2、〜CDS7へシャッタ194を駆動するためのエアシリンダ216a、216b、〜216gを駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回路MD41へ第3搬送装置122を連続駆動させるための信号を、モータ駆動回路MD42へ第3搬送装置122の駆動区分133aを第2搬送装置120の駆動速度に同期して駆動させるための信号をそれぞれ供給し、更に、電磁弁駆動回路SD1 、SD2 、SD3 、SDa1、SDa2、〜SDa6へ電磁弁206a、206b、206c、208a、208b、〜208fを駆動させるための信号を供給する。

0041

上記の各ヒータH1111、H1112、〜H2246は、予熱ゾーン126および加熱ゾーン128内で炉体124の温度が幅方向において均等且つ長手方向(基板62の搬送方向)で所定の温度勾配が形成されるように、また、ヒータH3111、H3112、〜H3646は、徐冷ゾーン130の各加熱室R内の温度がそれぞれ予め設定された温度で均等となるように、それぞれ予め設定された各部位の目標温度比或いは相互の出力比に従って制御されるようになっている。例えば、炉体124の幅方向中央に位置するヒータH1112、H1113、H1122、H1123、〜H3642に比較して、幅方向端部に位置するヒータH1111、H1114、H1121、H1124、〜H3644の出力が高められる。また、炉体124の長手方向において低温側(予熱ゾーン126および加熱ゾーン128の駆動区分129aにおいては基板62の搬送方向後方側、加熱ゾーン128の駆動区分129bおよび徐冷ゾーン130においては搬送方向前方側)に位置するヒータH1111、H1112、H1113、H1114、H1211、H1212、H1213、H1214、〜H2116、およびH2241、H2242、H2243、H2244、H2245、H2246、H3141、H3142、H3143、H3144、H3145、H3146、〜H3646は、各ゾーン126、128、130の高温側(上記と反対側位置)に位置するヒータH1141、H1142、H1143、H1144、H1241、H1242、H1243、H1244、〜H2146、およびH2211、H2212、H2213、H2214、H2215、H2216、H3111、H3112、H3113、H3114、H3115、H3116、〜H3616に比較して出力が高められる。

0042

図10および図11は、連続型焼成装置116を用いて膜形成素材を含む基板62を焼成する場合において、各基板62毎の位置および図10において時刻t0 に搬入された基板62の昇降カーブをそれぞれ示すタイミングチャートである。なお、図10において一点鎖線は各駆動区分127等の境界を示し、図に示されるように徐冷ゾーン130においては各加熱室Rすなわち加熱区分の境界に等しい。すなわち、縦軸は炉体124内の長手方向(基板62の搬送方向)の位置を示している。また、右上がりに描かれた複数本の実曲線はそれぞれ各基板62の動きに対応し、その傾きの大きさが搬送速度の速さを表す。以下、これらのタイミングチャートを参照して基板62の焼成方法を説明する。

0043

まず、時刻t0 において、未焼成の基板62が図1に示される搬入方向に従って予熱ゾーン126の駆動区分127側から搬入される。このとき、徐冷ゾーン130に設けられたシャッタ装置Sは、シャッタ194が遮蔽位置Bに位置させられることにより全て閉じられて、各加熱室Rが相互に熱的に分離されており、基板62が搬送過程において図11に示される温度カーブで昇降温させられるように、炉体124の各ゾーン126、128、130に設けられたヒータHがフィードバック制御で駆動されて炉体124内が加熱されると共に、冷却ゾーン132に設けられた電磁弁206が駆動されて冷却ジャケットCに冷却水が流されることにより、それぞれのゾーンの各部位が予め設定された目標温度に保持されている。また、モータ134およびモータ162が駆動されて第1搬送装置118および第3搬送装置122内のローラ166が図2における右回り方向に回転させられている。このため、搬入された基板62は、前記の第1の搬送速度で加熱ゾーン128に向かって搬送される。

0044

次いで、時刻t0 から例えば300 秒程度経過した時刻t1 においては、次の基板62が予熱ゾーン126に搬入され、更に300 秒程度経過した時刻t2 においては、更に次の基板62が予熱ゾーン126に搬入される。すなわち、予熱ゾーン126には、例えば300 秒程度毎に基板62が順次搬入される。このように順次搬入された基板62は、回転駆動されているローラ166に支持された状態で予熱ゾーン126をその終端まで搬送される過程で、例えば1100秒程度の時間で例えば500(℃) 程度の最高焼成温度MTまで昇温させられる。図10図11のt3 時点はこの状態を示す。

0045

続く加熱ゾーン128においては、基板62が最高焼成温度MTに保持された状態で第1搬送装置118によって予熱ゾーン126から連続して搬送される。但し、加熱ゾーン128内での搬送速度は、当初は予熱ゾーン126と同様に第1の搬送速度とされるが、基板62が駆動区分129bに完全に入ると、モータ150が駆動されることによって第2の搬送速度に高められる。このとき、加熱ゾーン128と徐冷ゾーン130との間に設けられているシャッタ装置S1 が開けられる(シャッタ194が図7等に示される退避位置Aに位置させられる)と共に、加熱室R1 内のローラ166を駆動する第2搬送装置120aが所定の第2の搬送速度(すなわち駆動区分129bと同様な搬送速度)で駆動される。そのため、基板62は加熱ゾーン128から徐冷ゾーン130の加熱室R1 すなわち第1の均熱温度KT1 に保持されている加熱室R1 内に速やかに搬送される。t4 時点はこの状態を示している。本実施例においては、最高焼成温度MTに達してから加熱室R1 内に搬入されるまでの加熱時間(所謂キープ時間)は例えば400 秒程度である。このようにして徐冷ゾーン130に搬入された基板62は、各加熱室R内で予め設定されている所定温度(すなわち第1乃至第6の均熱温度)KT1 、KT2 、〜KT6 で所定時間保持されて均熱され、続く加熱室Rに速やかに搬送される過程を繰り返しつつ、図11に示される階段状の降温カーブに従って徐冷される。なお、第1の均熱温度KT1 は最高焼成温度MTよりも20〜30 (℃) 程度の所定値ΔKTだけ低い温度であり、第2の均熱温度KT2 、第3の均熱温度KT3 、〜第6の均熱温度KT6 は、それぞれ更にその所定値ΔKTずつ低くされた温度である。

0046

このとき、基板62が加熱室R1 内に搬入されると、開けられていたシャッタ装置S1 が閉じられると共に、駆動区分131aの第2搬送装置120aのモータ158aが反転駆動されて基板62が搬送方向に沿って加熱室R1 内で往復移動させられつつ均熱される。このようにして、予め定められた例えば180 秒程度の保持時間が経過すると、基板62の往復移動が停止させられてシャッタ装置S2 が開けられ、基板62が続く加熱室R2 内に搬送される。図10のt5 時点はこの状態を示している。基板62が加熱室R2 内に完全に入るとシャッタ装置S2 が閉じられ、その加熱室R2 内において加熱室R1 内と同様に均熱処理が施される一方、電磁弁208aが開けられることにより、空室となった加熱室R1 内に後方側からその設定温度KT1 よりも低い温度の気体である冷却用空気が給気管180によって供給され、前方側から排気管182によって排出される。この給排気は、例えば数秒乃至十数秒程度の所定時間継続される。これにより、基板62が搬出されて空になった加熱室R1 内の温度が設定温度KT1 よりも低下する傾向にされてヒータHの出力すなわち温度制御量が高められる。そして、一旦低下傾向とされた加熱室R1 内の温度がフィードバック制御により良好な均熱状態を保ちつつ、同様にして続く基板62が搬入されて再び所定の設定温度KT1で均熱処理が施される。なお、基板62の搬入出に要する時間すなわちシャッタ装置Sが開けられてから再び閉じられるまでの時間は例えば30秒程度である。また、各加熱室R内における熱処理の1サイクル、すなわち順次基板62を搬入するために搬送方向後方側のシャッタ装置Sが開けられる間隔は、予熱ゾーンへの基板62の搬入間隔に等しい300 秒程度である。

0047

因に、図11に示される昇温カーブの例えば500(℃) 程度以上の最高焼成温度MTに続く所定の冷却期間における冷却条件は、膜形成素材を含む基板62の熱処理の上で重要な要素である。たとえば、VFD(蛍光表示管)やPDP(プラズマ・ディスプレイパネル)、PALC(プラズマ・アドレスド液晶表示装置)、FED(フィールドエミッション・ディスプレイ)に用いるとき、基板62がソーダライムガラスに代表される低歪点のガラス製である場合には、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因してその寸法の局所的変化を発生させることから、多層厚膜印刷の位置合わせを困難としたり、あるいはフロントプレートとリヤプレートとの厚膜印刷面を組合わせることにより多数のセルを形成するPDPやFEDに用いるときに両者のずれによってセルを構成できない部分を生じるので、たとえば40インチというような大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。図12は、搬送方向前端側の冷却速度が搬送方向後端側の冷却速度よりも高い従来の焼成法における基板62の寸法(実線)を焼成前の寸法(一点鎖線)に比較して示している。また、基板62上に多数個の厚膜印刷抵抗体厚膜ボンディングパッドなどが設けられる場合には、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因して、機能を有する厚膜層結合材として含まれるガラス成分の溶融、軟化の程度によって、また、厚膜に含まれる金属、無機材料粒子の溶融、焼結の程度によって抵抗値やボンディング適性が左右されることから、印刷抵抗体の抵抗値やボンディング適性のばらつきによって基板62が大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。更に、厚膜印刷による誘電体層の積層によって基板62に所定高さのリブ壁を形成する場合でも、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因して厚膜に含まれるガラス成分の溶融、軟化の程度によって焼成収縮率すなわち厚膜の膜厚や幅寸法が左右されることから、基板62が大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。

0048

制御装置168のうち、徐冷ゾーン130の各加熱室R1 〜R6 の温度をそれぞれ所定の均熱温度KT1 〜KT6 に制御する部分、すなわちヒータ駆動回路D3111〜D3646や電磁弁駆動回路SDa1〜SDa6などは、温度検出器TC3111〜TC3633やヒータH3111〜H3646、電磁弁208a〜208f、送気管185a〜185fに冷却空気を供給するエア供給装置等と共に温度制御装置を構成している。また、前記第2搬送装置120a〜120fは、制御装置168のモータ駆動回路MD31〜MD36等を含んで構成されている。

0049

上記のようにして、加熱室R1 、R2 、〜R6 内で順次保持されることにより徐冷ゾーンでの熱処理が終了すると、シャッタ装置S7 が開けられると共に、モータ158fとモータ164とが駆動されることにより、駆動区分131fおよび133aが同期して駆動され、基板62が加熱室R6 から冷却ゾーン132に搬出される。図10および図11のt14時点はこの状態を示している。その後、第3搬送装置122のモータ164が停止させられて基板62が冷却ゾーン132内を第1の搬送速度で搬送されてその右端部から搬出され、その過程で図11に示されるように昇温速度と略同様な降温速度で急速に冷却される。図10のt15時点はこの状態を示している。この冷却過程に要する時間は、例えば700 秒程度であり、基板62が予熱ゾーン126に搬入されてから冷却が終了するまでの時間(t0 〜t15)は、例えば3500秒程度(1時間程度)である。なお、前述のように、基板62は例えば300 秒程度の所定の時間間隔で予熱ゾーン126に順次搬入されていることから、図10から明らかなように、搬入時と等しい300 秒程度の所定時間間隔で順次冷却ゾーン132から搬出されていくこととなる。

0050

このように、本実施例では徐冷ゾーン130がシャッタ装置S1 〜S7 により6つの加熱室R1 〜R6 に区分され、基板62を最高焼成温度MTからガラス転移点温度GTまで6段階で徐冷するようになっているため、各加熱室R1 〜R6毎に基板62の温度が略均一に維持されつつ段階的に低下させられるようになり、温度差に起因して歪などを生じさせることなく徐冷ゾーン130の長さ寸法を短くできる。

0051

ここで、本実施例によれば、第2搬送装置120によって搬送される基板62と干渉しない範囲でシャッタ194を挟むように各加熱室Rの境界部分に一対の耐熱ガラス製板から構成される下側断熱壁192が設けられていることから、下側断熱壁192の耐熱ガラス製板自身と耐熱ガラス製板相互間に形成される空気層による断熱作用により、各加熱室Rが隣接する加熱室Rから受ける熱影響が可及的に低減させられる。これにより、基板62を間欠送りしてシャッタ194を閉じた後、制御装置168により各加熱室R毎に所定の均熱温度KTに速やかに制御できるようになり、基板62を間欠送りするサイクルタイムを短くして全体の処理時間を短縮できる。

0052

また、徐冷ゾーン130において基板62の温度を最高焼成温度MT(第1温度)からガラス転移点温度GT(第2温度)まで徐々に低下させる本実施例の連続型焼成装置116においては、各加熱室R毎に所定の均熱温度KTに速やかに制御できることから、間欠送りのサイクルタイムを長くすることなく加熱室R毎の温度変化ΔKTをできるだけ大きくして加熱室Rの数を少なくし、連続型焼成装置116の全長を更に短くすることが可能である。

0053

また、本実施例によれば、図15に示されるように、下側断熱壁192を構成する一対の耐熱ガラス製板の内側の空間が貫通穴220を介して炉外に連通していることから、一対の下側断熱壁192の間に比較的低温の空気層が形成され、例えば図16の位置a〜b間と位置c〜d間に示されるように、一対の下側断熱壁192にはそれぞれ空気層側に傾斜した反対向きの温度勾配が形成される。これにより、高温側の加熱室R1 から低温側の加熱室R2 に対する直接的な伝熱が妨げられ、加熱室R2 が加熱室R1 から受ける熱影響が可及的に低減させられるため、基板62を間欠送りしてシャッタ194を閉じた後、制御装置168により加熱室R2 を所定の均熱温度KT2 に一層速やかに制御できるようになる。徐冷ゾーン130の他の加熱室Rも同様である。なお、図16で位置a〜b間と位置c〜d間で比較的急な温度勾配を示すのは、それぞれ耐熱ガラス製板が断熱作用を示すためで、位置b〜c間で比較的緩い温度勾配を示すのは、断熱作用の小さな空気層が存在するためである。

0054

また、このように下側断熱壁192が設けられることにより、貫通穴220からの熱の逃げ出しが抑制され、炉外の雰囲気温度が大幅に低減される。

0055

ここで、上記基板62に熱電対を取り付け、その基板62の温度を測定しながら徐冷ゾーン130を例えば300秒のサイクルタイムで各加熱室Rへ間欠送りし、温度差ΔKT≒30℃で段階的に温度を低下させたところ、図13に示すように、基板62は100秒程度以下で所定の均熱温度KTまで低下させられる。これに対し、図14は一対の下側断熱壁192が設けられていない場合(その分だけ大きなシャッタを使用)で、徐冷ゾーン130を例えば450秒のサイクルタイムで各加熱室Rへ間欠送りした場合であり、基板62が均熱温度KTまで低下するのに300秒以上の時間が掛かっている。この場合、300秒のサイクルタイムで間欠送りするには、加熱室R毎の温度差ΔKTを小さくしなければならず、その分だけ加熱室Rの数が多くなって徐冷ゾーン130の全長が長くなる。なお、シャッタ194を開いて基板62を移動させた後、シャッタ194を閉じるまでの時間は、何れの場合も約30秒である。

0056

以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施される。

0057

例えば、前述の実施例においては、加熱室Rからの基板62の搬出および搬入が時間差を設けて行われていたが、同時に実施してもよい。例えば、基板62が加熱室Rの一室置きに収容されるように搬送する場合には、各加熱室Rにおける搬出および搬入を同時に行っても、同時に3つ以上の加熱室Rが連続させられることはないため、加熱室R内の温度や雰囲気は変化し難く、実施例と同様に加熱室R内の高い均熱性が保たれる。このように同時に搬入出を実施する場合には、第2搬送装置120は、第1搬送装置118や第3搬送装置122と同様にラインシャフト138およびマイタギア140で連結して1つのモータで駆動するようにしても差し支えない。

0058

また、実施例においては、加熱室R内での均熱処理中に基板62が搬送方向に往復移動させられていたが、加熱室R内は十分に均熱性が高められていることから、この往復移動は必ずしも実施されなくともよい。

0059

また、実施例においては、第1搬送装置118および第3搬送装置122は、モータ134或いは162の回転をラインシャフト138およびマイタギア140で伝達すると共に、搬送速度を第2搬送装置120に一致させることが望まれる駆動区分129bおよび133aにモータ150或いは164およびワンウェイカップリング148等を備えて、それら駆動区分129bおよび133aの搬送速度が変化させられるように構成されていたが、例えば、それら駆動区分129bおよび133aを第2搬送装置120と同様にそれぞれ回転速度可変のモータを備えて独立に駆動してもよい。また、第1搬送装置118および第3搬送装置122の各駆動区分も全て独立に駆動するようにしても差し支えない。

0060

また、前述の実施例では、基板62を構成するガラス或いはその上に印刷された厚膜に含まれるガラスの転移点或いは歪点を基板62内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、また、基板62に含まれる膜形成材料が金属或いは無機材料の溶融、焼結により固着される場合には、その膜形成材料の溶融点或いは焼結点を基板62内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、前記第1温度MT或いは第2温度GTは、上記基板62に含まれるガラス素材の転移点或いは歪点の近傍の値に設定され、或いは上記基板62上の膜形成材料に含まれる金属或いは無機材料の溶融点或いは焼結点の近傍の値に設定される。

0061

また、実施例において、炉体124、シャッタ装置Sがβ−スポジュメン質結晶化ガラスから構成され、ローラ166はアルミナセラミックスから構成されていたがこれらは他のセラミックスから構成されてもよい。例えば、炉体124等はアルミナセラミックスやムライト等から構成されてもよく、ローラ166はムライトやスポジュメン等から構成されてもよい。また、実施例の連続型焼成装置116のように、ローラ166を用いたローラハースキルンにおいては、摺動部分を炉体124内に設ける必要がないことから、各部の素材を耐熱性の高い例えばSUS310等の金属から構成してもよい。

0062

また、実施例においては、ローラ166が一様な中心間隔gで配置されていたが、例えば、加熱室Rの境界部等においては、搬送性の妨げられない範囲で広くされても差し支えない。

0063

その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

図面の簡単な説明

0064

図1本発明の一実施例の連続型焼成装置の全体構成を説明する図である。
図2図1の実施例の炉体の長手方向に沿った断面を一部省略して示す図である。
図3(a) 〜(e) は、図2におけるa−a乃至e−e視断面にそれぞれ相当する図である。
図4図1の実施例の搬送装置を説明する図である。
図5図1の実施例の複数のヒータ配置を説明する図である。
図6(a) 、(b) は図1の実施例の給気管および排気管をそれぞれ示す図である。
図7図2の一部を拡大してシャッタ装置の構成を詳細に説明する図である。
図8図3(d) の一部を拡大してシャッタ装置の駆動構成を説明する図である。
図9図1の実施例の制御回路を説明するブロック線図である。
図10図1の実施例の基板の搬送位置を示すタイムチャートである。
図11図1の実施例の各ゾーンの設定温度すなわち基板の焼成温度曲線を示す図である。
図12従来の焼成装置における基板の局所的な寸法変形を説明する図である。
図13図1の実施例の徐冷ゾーンを300秒のサイクルタイムで基板を間欠送りした場合の基板の温度変化を測定した結果を示す図である。
図14下側断熱壁を備えていない従来の徐冷ゾーンを450秒のサイクルタイムで基板を間欠送りした場合の基板の温度変化を測定した結果を示す図である。
図15図1の実施例のシャッタ装置の構成を説明する模式図である。
図16図15においてシャッタ近傍の温度変化をx軸方向について示す図である。

--

0065

62:基板(ワーク)
116:連続型焼成装置(熱処理装置)
120a〜120f:第2搬送装置(搬送装置)
124:炉体(炉壁)
166:ローラ
168:制御装置(温度制御装置)
192:下側断熱壁
194:シャッタ
220:貫通穴(連通穴)
S1 〜S7 :シャッタ装置
R1 〜R6 :複数の加熱室(加熱区分)

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