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技術 相互接触部材装置

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 鎌本繁夫
出願日 1997年11月5日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1997-303085
公開日 1999年5月25日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1999-141553
状態 特許登録済
技術分野 摩擦伝動装置 ころがり軸受け ころがり軸受
主要キーワード 相対隙間 半無限体 等価半径 接触圧力分布 内部応力分布 最大接触圧力 ミーゼス 寸法諸元
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年5月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージの集中を無くすことによって相互接触部材の最大負荷容量を高める。

解決手段

互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材間相対間隔量を、相互接触部材の軸方向への相当応力分布あるいは最大剪断応力分布等で表される材料が受けるダメージが均一になるように決定する。こうして、相互接触部材の軸方向両端エッジ部における材料が受けるダメージの集中を防止する。その結果、上記相接触部材の集中が無くなる分だけ相互接触部材の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めることができる。

概要

背景

互いに実質的に線接触して互いに力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置においては、2つの相互接触部材の最適母線形状決定の問題を、図4に示すような有限円筒1と半無限体(以下、単に平面と言う)2との相対接近量(相対隙間)問題に置き換えることができる。

ところで、従来より、図4に示すような線接触する有限幅円筒1と平面2とにおける有限幅円筒1の母線には、接触圧力の集中を避けるためにクラウニングと呼ばれるわずかな膨らみを形成するようにしている。ルンドベルグ(Lundberg)は、接触圧力を有限幅円筒1の軸方向に均一にするようなクラウニング形状を提案しており、現在ではこのクラウニング形状が最適とされている。

概要

相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージの集中を無くすことによって相互接触部材の最大負荷容量を高める。

互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材間相対間隔量を、相互接触部材の軸方向への相当応力分布あるいは最大剪断応力分布等で表される材料が受けるダメージが均一になるように決定する。こうして、相互接触部材の軸方向両端エッジ部における材料が受けるダメージの集中を防止する。その結果、上記相接触部材の集中が無くなる分だけ相互接触部材の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めることができる。

目的

そこで、この発明の目的は、相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージの集中を無くして最大負荷容量を高めることができる相互接触部材装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

互いに線接触して力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置であって、上記2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記接触面の長手方向への変化が、接触圧力下の上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等の材料が受けるダメージを評価する物理量が均一になるように設定されていることを特徴とする相互接触部材装置。

請求項2

請求項1に記載の相互接触部材装置において、上記2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記方向への変化が、実質的に下記の式で表されることを特徴とする相互接触部材装置。

請求項

ID=000003HE=115 WI=114 LX=0480 LY=0650

技術分野

0001

この発明は、互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置に関する。

背景技術

0002

互いに実質的に線接触して互いに力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置においては、2つの相互接触部材の最適母線形状決定の問題を、図4に示すような有限円筒1と半無限体(以下、単に平面と言う)2との相対接近量(相対隙間)問題に置き換えることができる。

0003

ところで、従来より、図4に示すような線接触する有限幅円筒1と平面2とにおける有限幅円筒1の母線には、接触圧力の集中を避けるためにクラウニングと呼ばれるわずかな膨らみを形成するようにしている。ルンドベルグ(Lundberg)は、接触圧力を有限幅円筒1の軸方向に均一にするようなクラウニング形状を提案しており、現在ではこのクラウニング形状が最適とされている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記従来のルンドベルグのクラウニング形状によれば、確かに有限幅円筒1の軸方向へ均一な接触圧力分布を呈する。ところが、実際に有限幅円筒1が受けるダメージを評価すると、破壊,金属疲労塑性変形等の材料の受けるダメージの軸方向への分布は一様ではないという問題がある。図6は、上記ルンドベルグのクラウニング形状を適用した有限幅円筒1に発生する軸方向に均一な接触圧力下での相当応力σEをヘルツ(Hertz)の最大接触圧力Phで無次元化した無次元化相当応力ΣE(=σE/Ph)の分布を示す。ここで、相当応力σEとは、金属材料降伏条件一種フォンミーゼス(Von Mises)の降伏条件に用いられる応力成分である。

0005

図6より、上記有限幅円筒1内部における破壊,金属疲労や塑性変形等の材料の受けるやダメージを評価する無次元化相当応力ΣEは、軸から半径方向に有効長さの0.8倍の箇所Aに帯状に強くあわられる。そして、特に、帯状箇所Aのうちの側面近傍の領域Bで降伏応力(=0.60)を越える強い値を示し、領域Bから降伏が始まることが分かる。このように、例え接触圧力分布を軸方向に均一にしたとしても、必ずしも3次元の相当応力分布は均一とはならず、相当応力が集中する箇所が存在する。そのために、有限幅円筒1に最大負荷能力を与えることができないという問題がある。

0006

そこで、この発明の目的は、相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージの集中を無くして最大負荷容量を高めることができる相互接触部材装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置であって、上記2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記接触面の長手方向への変化が、接触圧力下の上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等の材料が受けるダメージを評価する物理量が均一になるように設定されていることを特徴としている。

0008

上記構成によれば、線接触して力を伝達する2つの相互接触部材において、互いの接触面の間隔における上記接触面の上記方向への変化は、接触圧力下の上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等で表される材料が受けるダメージが均一になるように設定されている。したがって、相当応力または最大剪断応力等の材料のダメージが集中する箇所が存在せず、その分だけ上記相接触部材の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量が高められる。

0009

また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の相互接触部材装置において、上記2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記方向への変化が、実質的に下記の式で表されることを特徴としている。

0010

上記構成によれば、相対移動方向への等価半径R、等価ヤング率E'、上記相互接触部材の有効長Lwe、材料の圧縮に関する強度σEmax、及び、材料の最大剪断応力に関する強度τmaxが分かれば、接触圧力下での上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等が均一になるような上記2つの相互接触部材の接触面の間隔が容易に得られる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。尚、以下の説明には、図4に示す力学モデルを用いる。図4において、X,Y,Zは無次元座標であり、X軸はx/b,Y軸はy/b,Z軸はz/bである。但し、x,y,zは座標であり、bは相対移動方向へのヘルツの接触幅の1/2である。

0012

上述したように、図4の有限幅円筒1と平面2との相対接近量(相対隙間)問題においては、上記接触圧力分布を軸方向に均一にしたとしても、3次元の相当応力分布または最大剪断応力分布は均一にはならない。そこで、本実施の形態においては、上述の点に着目して、有限幅円筒1の軸方向への相当応力分布または最大剪断応力分布が均一になるようにクラウニング形状を決定するのである。

0013

先ず、上記有限幅円筒1に任意のクラウニング形状与えて、乾燥接触問題における基礎式を用いて接触2物体間(つまり、有限幅円筒1と平面2との間)の相対距離Hを求め、接触圧力を求める。そして、得られた接触圧力の分布を用いて3次元の内部応力分布を得、この3次元内応力分布から次式によって相当応力を求める。
σE=[1/2{(σX−σY)2+(σY−σZ)2+(σZ−σX)2+6τXY2+6τYZ2+6τZX2}0.5]
ここで、 σE:相当応力
σX:YZ面に作用する垂直応力成分
σY:XZ面に作用する垂直応力成分
σZ:XY面に作用する垂直応力成分
τXY:XY面に作用する剪断応力成分
τYZ:YZ面に作用する剪断応力成分
τZX:ZX面に作用する剪断応力成分

0014

そして、こうして得られた相当応力σEの分布が有限幅円筒1の軸方向に均一になるようにクラウニング形状を変更し、上述の解析を繰り返す。こうして、材料内部のダメージが軸方向に均一に分布するようにクラウニング形状を決定するのである。

0015

上述のようにして導出されたクラウニング形状の式は、次のような式である。

0016

図1は、上記クラウニング形状の式によって算出された有限幅円筒1のクラウニング量の一例を示す図である。また、図2は、上記クラウニング形状の式が適用された有限幅円筒1における接触圧力pをヘルツの最大接触圧力Phで無次元化した無次元化接触圧力P(=p/Ph)の分布である。図2(a)はY=0におけるZX面の接触圧力分布であり、図2(b)はX=0におけるYZ面の接触圧力分布である。また、図3は、図6の場合と同じ荷重条件下での軸方向への無次元化相当応力ΣEの分布を示す。

0017

図2(b)から分かるように、本実施の形態におけるクラウニング形状を適用すれば、有限幅円筒1の軸方向への接触圧力分布は、中央部から軸方向両端エッジ部に向かって少しずつ減少し、上記エッジ部で曲線的に低下するようになっている。

0018

したがって、図3に示す軸方向への無次元化相当応力ΣEの分布から分かるように、上記ルンドベルグのクラウニング形状を適用した場合の上記エッジ部での無次元化相当応力ΣEの上昇(図6参照)が無くなり、そのまま曲線的に減少している。その結果、図6に見られるような上記帯状領域Aの側面近傍に現れる降伏応力を越える強い相当応力の集中が回避される。

0019

上述のように、本実施の形態においては、互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材の最適母線形状決定の問題を図4に示すような有限幅円筒1と平面2との相対隙間決定の問題に置き換え、有限幅円筒1と平面2との間の相対隙間量を有限幅円筒1の軸方向への無次元化相当応力ΣEの分布を均一にするように決定している。したがって、上記相互接触部材の軸方向両端のエッジ部における無次元化相当応力ΣEの集中を防止できる。すなわち、本実施の形態によれば、無次元化相当応力ΣEの集中が無くなる分だけ上記相互接触部材の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めることができるのである。

0020

図5は、円錐ころ軸受円錐ころに、本実施の形態によるクラウニング形状を適用した場合とルンドベルグのクラウニング形状を適用した場合とにおける累積破損確率寿命時間の関係を示す。図5より、本実施の形態によるクラウニング形状を適用した方が約10倍の寿命向上が見られた。すなわち、上記相互接触部材を、従来の相互接触部材と同じ材料で巨視的な寸法諸元を同じに形成しても、上述の式による本実施の形態のクラウニング形状を適用することによって転がり疲労寿命が3倍〜10倍と驚異的に伸びることが実証された。

0021

尚、本実施の形態におけるクラウニング形状は、互いに実質的に線接触して互いに力を伝達するような総ての相互接触部材の最適母線形状決定に適用できる。例えば、円筒面と円筒面とが接触する場合、あるいは、円筒面と平面とが接触する場合、あるいは、平面と凸曲面とが接触する場合、あるいは、凹曲面と凸曲面とが接触する場合、あるいは、凸曲面と凸曲面とが接触する場合等、種々の場合のクラウニング形状を定める場合に適用できる。

発明の効果

0022

上より明らかなように、請求項1に係る発明の相互接触部材装置は、互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記接触面の長手方向への変化を、接触圧力下の上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等の材料が受けるダメージを評価する物理量が均一になるように設定したので、相当応力または最大剪断応力等で表される材料が受けるダメージが集中する箇所が存在せず、その分だけ上記相互接触部材の静的最大負荷容量および動的最大負荷容量を高めることができる。さらに、上記相互接触部材の耐圧痕性や寿命の向上を図ることができる。

0023

また、請求項2に係る発明の相互接触部材装置は、上記2つの相互接触部材の接触面の間隔における上記方向への変化を実質的に下記の式で表したので、相対移動方向への等価半径R、等価ヤング率E'、上記相互接触部材の有効長Lwe、材料の圧縮に関する強度σEmax、及び、材料の最大剪断応力に関する強度τmaxが分かれば、接触圧力下での上記方向への相当応力分布または最大剪断応力分布等が均一になるような上記2つの相互接触部材の接触面の間隔を容易に得ることができる。

図面の簡単な説明

0024

図1この発明の相互接触部材装置における相互接触部材に適用されるクラウニング量の一例を示す図である。
図2この発明に係るクラウニング形状の式を適用した有限幅円筒における接触圧力分布を示す図である。
図3有限幅円筒の無次元化相当応力分布を示す図である。
図4互いに実質的に線接触して力を伝達する2つの相互接触部材を有する相互接触部材装置の力学モデルを示す図である。
図5円錐ころにこの発明に係るクラウニング形状を適用した場合とルンドベルグのクラウニング形状を適用した場合との累積破損確率と寿命時間との関係を示す図である。
図6ルンドベルグのクラウニング形状を適用した有限幅円筒における図3と同じ荷重条件下での無次元化相当応力分布を示す図である。

--

0025

1…有限幅円筒、 2…平面。

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