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技術 無機複合酸化物から成る蛍光X線分析用標準粒子および標準ウェハならびにそれらを用いた汚染元素濃度の測定法

出願人 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社株式会社テクノス株式会社トクヤマ
発明者 西村徳一伊東誠一田口倫彰西萩一夫加藤寛
出願日 1997年10月29日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1997-314439
公開日 1999年5月21日 (21年6ヶ月経過) 公開番号 1999-132972
状態 拒絶査定
技術分野 放射線を利用した材料分析 サンプリング、試料調製
主要キーワード 所定金属 湿式化学分析法 回帰グラフ 蛍光X線スペクトル 無機複合物 実測濃度 汚染元素 ウェハ欠陥
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

半導体ウェハ表面に所望の面密度で均一な分布特性を実現し易い蛍光Xせん分析用標準粒子を提供する。また、これを用いた蛍光X線分析用標ウェハを提供する。また、上記標準ウェハを用いて試料表面汚染状況を高精度に定性的、定量的に分析できる汚染元素濃度の測定方法を提供する。

解決手段

蛍光X線分析用標準粒子は、金属酸化物シリカから成る無機複合酸化物単分散性粒子所定金属濃度を含んでいる。蛍光X線用標準ウェハには、こうした標準粒子が半導体ウェハ表面に所定面密度で付着している。こうした標準ウェハからの元素濃度平均粒径、面密度およびX線エネルギー分布と、試料ウェハ汚染粒子の平均粒径、面密度およびX線エネルギー分布を比較することにより試料ウェハの所定位置での汚染粒子由来の元素濃度を計測する。

概要

背景

従来、半導体ウェハ励起X線照射して、発生した蛍光X線スペクトル分析してウェハ表面汚染定性的または定量的に計測する蛍光X線分析装置が知られている。このような蛍光X線分析において、汚染物質は極微量であるため明瞭な信号が得られないことが多い。そこでこのような未知の汚染物質の種類や分布検定する場合、汚染状況が予め既知標準ウェハと比較することによって、定量分析の精度向上が可能になる。

従来の標準ウェハは、金属イオン溶媒に分散させて、スピンコート法ディップ法浸漬法)、マイクロドロップ法などを用いて半導体ウェハの表面に付着させている。スピンコート法は、半導体ウェハ上にレジストを塗布する要領と同様であり、ウェハを回転テーブルに載せて高速回転させ上から金属イオンを分散した溶媒を滴下することによって、表面に薄い層を形成する方法である。ディップ法は、金属イオンを分散化溶媒を大型容器に貯めて、半導体ウェハをそのまま浸漬させ引き上げることによって、表面全体に塗布する方法である。マイクロドロップ法は、半導体ウェハを静止させた状態で、金属イオンを分散した溶媒を滴下する方法で表面の一部だけに塗布する方法である。

概要

半導体ウェハ表面に所望の面密度で均一な分布特性を実現し易い蛍光Xせん分析用標準粒子を提供する。また、これを用いた蛍光X線分析用標準ウェハを提供する。また、上記標準ウェハを用いて試料の表面汚染状況を高精度に定性的、定量的に分析できる汚染元素濃度の測定方法を提供する。

蛍光X線分析用標準粒子は、金属酸化物シリカから成る無機複合酸化物単分散性粒子所定金属濃度を含んでいる。蛍光X線用標準ウェハには、こうした標準粒子が半導体ウェハ表面に所定面密度で付着している。こうした標準ウェハからの元素濃度平均粒径、面密度およびX線エネルギー分布と、試料ウェハ汚染粒子の平均粒径、面密度およびX線エネルギー分布を比較することにより試料ウェハの所定位置での汚染粒子由来の元素濃度を計測する。

目的

本発明の目的は、半導体ウェハ表面に所望の面密度で均一な分布特性を実現し易い蛍光X線分析用標準粒子および無機複合酸化物粒子を提供することである。

また本発明の目的は、所望の面密度で均一な分布特性を持つ粒子が表面に付着した蛍光X線分析用標準ウェハを提供することである。

また本発明の目的は、上記標準ウェハを用いて試料の表面汚染状況を高精度に定性的、定量的に分析できる汚染元素濃度の測定方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

金属酸化物シリカから成る無機複合酸化物単分散性粒子所定金属濃度を含んでいることを特徴とする蛍光X線分析用標準粒子

請求項2

金属酸化物の金属元素が、K、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ba、Ce、LaおよびPbのうち何れか少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析用標準粒子。

請求項3

金属酸化物が無機複合物中に金属原子換算で1〜30モル%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析用標準粒子。

請求項4

単分散性粒子の平均粒径が0.1〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析用標準粒子。

請求項5

単分散性粒子の単分散度変動係数)が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析用標準粒子。

請求項6

無機複合酸化物の単分散性粒子が半導体ウェハ表面に1〜1000個/cm2の範囲の面密度で付着していることを特徴とする蛍光X線分析用標準ウェハ

請求項7

所定濃度の金属元素を含む所定平均粒径の単分散性粒子を表面に付着した請求項6記載の蛍光X線分析用標準ウェハ上の単分散性粒子の面密度、元素濃度および蛍光X線エネルギー分布計測する工程と、試料ウェハ所定位置における汚染粒子粒径、面密度および蛍光X線エネルギー分布を計測する工程とを含み、前記標準ウェハの元素濃度、蛍光X線エネルギー分布と試料ウェハの粒径、面密度、蛍光X線エネルギー分布を比較することにより試料ウェハの所定位置での汚染粒子由来の元素濃度を計測することを特徴とする汚染元素濃度の測定方法

技術分野

0001

本発明は、半導体ウェハ表面汚染蛍光X線から定性的または定量的に検定するために使用する蛍光X線分析用標ウェハに関する。また、この標準ウェハの作製に使用される蛍光X線分析用標準粒子および無機複合酸化物粒子に関する。さらにこれら標準ウェハを用いた汚染元素濃度の測定方法に関する。

背景技術

0002

従来、半導体ウェハに励起X線照射して、発生した蛍光X線スペクトル分析してウェハの表面汚染を定性的または定量的に計測する蛍光X線分析装置が知られている。このような蛍光X線分析において、汚染物質は極微量であるため明瞭な信号が得られないことが多い。そこでこのような未知の汚染物質の種類や分布を検定する場合、汚染状況が予め既知の標準ウェハと比較することによって、定量分析の精度向上が可能になる。

0003

従来の標準ウェハは、金属イオン溶媒に分散させて、スピンコート法ディップ法浸漬法)、マイクロドロップ法などを用いて半導体ウェハの表面に付着させている。スピンコート法は、半導体ウェハ上にレジストを塗布する要領と同様であり、ウェハを回転テーブルに載せて高速回転させ上から金属イオンを分散した溶媒を滴下することによって、表面に薄い層を形成する方法である。ディップ法は、金属イオンを分散化溶媒を大型容器に貯めて、半導体ウェハをそのまま浸漬させ引き上げることによって、表面全体に塗布する方法である。マイクロドロップ法は、半導体ウェハを静止させた状態で、金属イオンを分散した溶媒を滴下する方法で表面の一部だけに塗布する方法である。

発明が解決しようとする課題

0004

上述のような方法で標準ウェハを作製しても、所望の汚染濃度均一分散のものが得難く、また他の元素混入してしまう可能性もある。また、こうして作製した標準ウェハの汚染状況は、パーティクルアナライザーを用いて検定する方法もある。パーティクルアナライザーは、試料表面に全反射角度レーザー光入射させて、表面に付着した物質による散乱光を検出することによって、微量物質面密度や分布を計測する装置である。しかし、パーティクルアナライザーは、プローブ光可視光赤外光であるため、粒子サイズや組成元素の特定は不可能である。

0005

本発明の目的は、半導体ウェハ表面に所望の面密度で均一な分布特性を実現し易い蛍光X線分析用標準粒子および無機複合酸化物粒子を提供することである。

0006

また本発明の目的は、所望の面密度で均一な分布特性を持つ粒子が表面に付着した蛍光X線分析用標準ウェハを提供することである。

0007

また本発明の目的は、上記標準ウェハを用いて試料の表面汚染状況を高精度に定性的、定量的に分析できる汚染元素濃度の測定方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、金属酸化物シリカから成る無機複合酸化物単分散性粒子所定金属濃度を含んでいることを特徴とする蛍光X線分析用標準粒子である。

0009

本発明に従えば、標準粒子が金属酸化物とシリカから成る無機複合酸化物で形成されているため、球形に近くて粒径の揃った粒子が容易に得られ、しかも酸化等による変形がなく安定性が良い。また狙いどおりの金属濃度を含んだ粒子が得やすい。

0010

また本発明は、金属酸化物の金属元素がK、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ba、Ce、LaおよびPbのうち何れか少なくとも1つであることを特徴とする。

0011

本発明に従えば、これらの元素は蛍光X線の発生効率に優れているため測定感度が向上する。

0012

また本発明は、金属酸化物が無機複合物中に金属原子換算で1〜30モル%の範囲で含まれていることを特徴とする。

0013

本発明に従えば、1モル%未満では測定感度が小さいため好ましくなく、また30モル%を超えると単分散性の高い粒子が得られにくいという点で、金属酸化物の割合は金属原子換算で1〜30モル%の範囲が好ましい。

0014

また本発明は、単分散性粒子の平均粒径が0.1〜5μmの範囲であることを特徴とする。

0015

本発明に従えば、0.1μm未満の粒子では粒子1個当たりに含まれる金属酸化物の量が少ないため充分な測定感度が得られない。また5μmを超えると、後述するように、粒子自身による自己吸収が無視できなくなる場合がある。従って、入射X線の粒子中での減衰および蛍光X線の自己吸収を最小限に留めるために、単分散性粒子の平均粒径は0.1〜5μmの範囲が好ましい。

0016

また本発明は、単分散性粒子の単分散度変動係数)が10%以下であることを特徴とする。

0017

本発明の蛍光X線分析用標準粒子は、1〜1000個/cm2 という少ない面密度で半導体ウェハ表面に付着させて用いるため、粒子1個1個が均一である必要がある。そのため単分散性粒子の変動係数は10%以下であることが好ましい。

0018

また本発明は、無機複合酸化物の単分散性粒子が半導体ウェハ表面に1〜1000個/cm2の範囲の面密度で付着していることを特徴とする。

0019

本発明に従えば、欠陥検査装置の計測能力の範囲内という点および粒子によるX線の散乱を最小限に留めるという点で、面密度1〜1000個/cm2 の範囲が好ましい。こうして狙いどおりの面密度で均一な分布特性を持つ粒子が表面に付着した蛍光X線分析用標準ウェハが容易に実現できる。

0020

また本発明は、所定濃度の金属元素を含む所定平均粒径の単分散性粒子を表面に付着した請求項6記載の蛍光X線分析用標準ウェハ上の単分散性粒子の面密度、元素濃度および蛍光X線エネルギー分布を計測する工程と、試料ウェハ所定位置における汚染粒子の粒径、面密度およびX線エネルギー分布を計測する工程とを含み、前記標準ウェハの元素濃度、蛍光X線エネルギー分布と試料ウェハの粒径、面密度、蛍光X線エネルギー分布を比較することにより試料ウェハの所定位置での汚染粒子由来の元素濃度を計測することを特徴とする汚染元素濃度の測定方法である。

0021

本発明に従えば、標準ウェハの表面付着物質の元素濃度、粒径、面密度および蛍光X線エネルギー分布が精度良く得られるため、試料ウェハの汚染状況を精度良く検定することができる。

発明を実施するための最良の形態

0022

まず、本発明に係る蛍光X線分析用標準粒子として使用される無機複合酸化物の単分散性粒子の代表的な製造方法について説明するが、本発明は以下の製造方法に限定されるものではない。

0023

金属酸化物とシリカから成る無機複合酸化物の単分散性粒子の代表的な製造方法としては、有機ケイ素化合物有機金属化合物からなる原料アルカリ性含水アルコール溶液(以下、反応液ともいう)中で共加水分解する、いわゆるゾルゲル法が挙げられる。

0024

有機ケイ素化合物としては、Si(OCH3)4やSi(OCH2CH3)4 などのいわゆるケイ素アルコキシドモノマーあるいはそれらの2〜6量体オリゴマーが好適に用いられる。有機金属化合物としては、一般式で示すと、M(OR)xやMO(OR)xで表されるいわゆる金属アルコキシドが好適に用いられる。ここで、Mは金属元素を示し、金属元素の種類は特に限定されない。本発明の蛍光X線分析用標準粒子として、感度の高い好適な金属元素を具体的に例示すると、K、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ba、Ce、LaおよびPbを挙げることができる。ORはアルコキシ基を示し、具体的には、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH3)2、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH2CH(CH3)2等を示す。xは金属元素の価数に多くの場合相当し、1〜8までの整数を示す。ただし、5価以上の価数を取り得る元素の場合は、MO(OR)xの組成を取る場合がある。たとえば、Vの場合はVO(OR)3の金属アルコキシドが好適に用いられる。

0025

上記の有機ケイ素化合物は予め予備加水分解することができる。予備加水分解とは、有機ケイ素化合物を、有機金属化合物の1〜4倍モルの水を含む弱酸性アルコール溶媒中で数分〜数時間混合撹拌する方法である。こうすることによって、有機ケイ素化合物の一部のアルコキシ基が加水分解され、続いて混合される有機金属化合物と反応して複合アルコキジドが生成されるので、球状粒子を製造するときに単分散性が高い粒子が得られやすい場合がある。

0026

有機ケイ素化合物と有機金属化合物の仕込み比率は、有機金属化合物の種類によって反応率が異なるため一概には言えないが、得ようとする複合酸化物の組成を案して決めれば良い。

0027

アルカリ性の含水アルコール溶液は、アンモニアアミン、LiOH、NaOH、KOH等のアルカリを添加することによって得られる。アルコールとしては、CH3OH、CH3CH2OH、CH3CH2CH2OH、(CH3)2CHOH、CH3CH2CH2CH2OH等の低級アルコールが単独あるいは2種以上を混合して用いられる。アルカリの添加量は0.1〜5モル/リットルの範囲、水の含有量は3〜30重量%の範囲が好適である。

0028

有機ケイ素化合物と有機金属化合物からなる原料をアルカリ性の含水アルコール溶液中に徐々に滴下することによって、該原料が共加水分解され、金属酸化物とシリカから成る無機複合酸化物の単分散性粒子が得られる。さらに場合によっては、得られた粒子の一部を核粒子として用い、アルカリ性の含水アルコール溶液中に再分散させ、前記と同様に有機ケイ素化合物と有機金属化合物からなる原料を徐々に滴下して、該核粒子を再成長させることにより更に大きな粒径の粒子を得ることができる。得られた単分散性粒子のスラリーは、濾過遠心分離によって単離後、100〜1100℃の温度で乾燥したり焼成を行ってもよい。また、必要に応じて、微小粒子凝集粒子分級して単分散性を上げることができる。

0029

なお、Na、K等のアルカリ金属、あるいはMg、Ca等のアルカリ土類金属の金属酸化物とシリカから成る複合酸化物の単分散性粒子を製造するには、シリカがアルカリ金属やアルカリ土類金属と化学的に結合しやすく化合物を作り易いことを利用して、該金属を有機金属化合物として加えるのではなく、KOHやCaCl2 などのアルカリや金属塩の形で上記アルカリ性の含水アルコール溶液中に添加し、有機ケイ素化合物のみを原料にして加水分解する方法も好適に採用される。

0030

次に、後述する標準粒子並びに測定に用いた無機複合酸化物の単分散性粒子の製造方法について、更に具体的に説明する。

0031

(TiO2−SiO2粒子の製造例)撹拌羽根付きの内容積3リットルのガラス製反応容器イソプロパノール400gとアンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応液を調整し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌した。

0032

次に、2リットルの三角フラスコに、Si(OMe)4(コルコート(株)、商品名;メチルシリケート39)1110gを仕込み、撹拌しながらメタノール260gと0.035重量%塩酸水溶液37gを加え、約10分間撹拌した。続いて、Ti(O−i−Pr)4(日本曹達(株)、商品名;A−1(TPT))193gをイソプロパノール193gで希釈した溶液を加え、透明な均一溶液シリコンチタニウム複合アルコキシド)を得た。

0033

上記均一溶液とアンモニア水(25重量%)の各々を前記反応液中に、最初は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくして、7時間かけて同時に滴下し、Si(OMe)4とTi(O−i−Pr)4を共加水分解し、乳白色のスラリーを得た。上記スラリーの一部を遠心分離して取出し、乾燥後700℃で2時間焼成したところ、白色の粉末が得られた。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径0.60μm、粒子径の変動係数3.3%の単分散性の高い球状粒子であった。

0034

次に、上記スラリーの一部を核粒子として用い、上記と同様にして反応液を調整し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌した。続いて、上記と同様にして、Si(OMe)4とTi(O−i−Pr)4よりなる複合アルコキシドを調整し、上記反応液中に6時間かけて徐々に滴下した。上記スラリーを分級後、その一部を取出し、乾燥後大気中700℃で2時間焼成したところ、白色の粉末が得られた。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径1.03μm、粒子径の変動係数4.9%の単分散性の高い球状粒子であった。

0035

続いてさらに上記分級後のスラリーの一部を上記と同様に再成長させ、焼成したところ、平均粒子径1.28μm、変動係数4.7%の単分散性の高い球状粒子が得られた。

0036

(Fe2O3−SiO2粒子の製造例)撹拌羽根付きの内容積1リットルのガラス製反応容器にイソプロパノール200gとアンモニア水(25重量%)50gを仕込み、反応液を調整し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌した。

0037

次に、1リットルの三角フラスコに、Si(OMe)4(コルコート(株)、商品名;メチルシリケート39)145gを仕込み、撹拌しながらメタノール19gと0.035重量%塩酸水溶液2.7gを加え、約10分間撹拌した。続いて、Fe(O−n−Bu)3(日本曹達(株)、商品名;アイアンブチラート)13.8gをイソプロパノール13.8gで希釈した溶液を加え、黒褐色透明な均一溶液(シリコンと鉄の複合アルコキシド)を得た。

0038

上記均一溶液とアンモニア水(25重量%)の各々を前記反応液中に、最初は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくして、4時間かけて同時に滴下し、Si(OMe)4とFe(O−n−Bu)3を共加水分解し、黄土色のスラリーを得た。上記スラリーの一部を遠心分離して取出し、乾燥後大気中500℃で2時間焼成したところ、茶褐色の粉末が得られた。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径0.36μm、変動係数8.3%の単分散性の高い球状粒子であった。

0039

次に、Fe(O−n−Bu)3 の仕込み量を27.6gとした以外は上記と同様にして球状粒子を合成したところ、約0.4μmの球状粒子が得られた。スラリーの一部を核粒子として用い、前記と同様にして反応液を調整し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌した。続いて、前記と同様にして、Si(OMe)4とFe(O−n−Bu)3よりなる複合アルコキシドを調整し、上記反応液中に6時間かけて徐々に滴下した。上記スラリーを分級後、その一部を核粒子として用い、さらに再成長を2回行った。得られたスラリーを分級、乾燥後大気中500℃で2時間焼成したところ、茶褐色の粉末が得られた。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径1.01μm、変動係数5.9%の単分散性の高い球状粒子であった。

0040

(K2O−SiO2粒子の製造例)撹拌羽根付きの内容積3リットルのガラス製反応容器にメタノール42g、イソプロパノール168gおよびアンモニア水(25重量%)90gを仕込み、反応液を調整し、反応液の温度を40℃に保持しつつ撹拌した。

0041

次に、2リットルの三角フラスコに、Si(OEt)4(コルコート(株)、商品名;エチルシリケート28)833gとメタノール167gを計り取り、別のフラスコに3N−KOH水溶液111g、アンモニア水(25重量%)120gおよびメタノール924gを計り取った。

0042

続いて、Si(OEt)4 10gを前記反応液中に一気に注ぎ込み核粒子を生成させた。30分後に上記各々の溶液を前記反応液中に、最初は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくして、6時間かけて同時に滴下し、Si(OEt)4 を加水分解し、乳白色のスラリーを得た。上記スラリー分級後、遠心分離して取出し、乾燥後大気中500℃で1時間焼成したところ、薄茶色の粉末が得られた。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径2.0μm、変動係数7.0%の単分散性の高い球状粒子であった。

0043

(無機複合酸化物粒子の物理的特性)次に、本発明に係る蛍光X線分析用無機複合酸化物粒子(標準粒子)の物理的特性を説明する。全反射蛍光X線分析(TRXRF;Total Reflection X-RayFluorescence)に応用する例を示すが、本発明は全反射でない通常の蛍光X線分析でも適用可能である。

0044

標準粒子としてTiO2−SiO2粒子とK2O−TiO2粒子を使用し、これら粒子の特性を下記の(表1)に示す。シリカ(SiO2 )中の金属酸化物の比率は湿式化学分析法(ICP−MS;Inductive Coupled Plasma MassSpectroscopy)で測定した。粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM;ScanningElectron Microscope)で測定し、粒径分布の変動係数(標準偏差÷平均値)は10%以下でかつ球状である。

0045

図1(a)は粒径0.6μm、図1(b)は粒径1.03μmのTiO2 −SiO2粒子の電子顕微鏡写真であり、極めて均一な粒径分布を持っていることが判る。密度はAccuPyc−1330(島津製作所製)で測定した。

0046

0047

粒子内で均一に金属原子を励起させるためには粒子は入射X線に対して高い透過性を持ち、励起により発生した蛍光X線が粒子内部で減衰・自己吸収することなく粒子から放出されなければならない。入射X線の透過性と蛍光X線の自己吸収の点から粒子の最大粒径が決定される。化合物のX線質量吸収係数は下記の式(1)で示される。ここで、wiは元素iの重量%、μiは元素iのX線質量吸収係数である。例えば、10.99重量%TiO2−SiO2粒子はシリコン41.5重量%、酸素51.9重量%、チタニウム6.6重量%を含有するから入射X線W−Lβ1に対する粒子のX線質量吸収係数は約25.4cm2/gとなる。また4.3重量% K2O−SiO2粒子の質量吸収係数は約21cm2/gとなる。下記の式(2)から粒子に対するX線の透過率(I/Io)が求められる。ここで、Iは透過強度、Ioは入射強度、dは粒子の密度、xは粒子の粒径である。
μ = Σ wi・μi …(1)
I/Io = exp(−μ・d・x) …(2)

0048

10.99重量%TiO2−SiO2粒子と4.30重量%K2O−SiO2粒子の入射X線透過率と蛍光X線自己吸収率を求めるた結果が下記の(表2)である。入射X線の減衰を2〜3%に留めるには粒子の粒径は5μmまでが好適である。TiO2-SiO2粒子内で発生した蛍光X線Ti−Kαに対する粒子の自己吸収係数は約187cm2/g、K2O−SiO2粒子内で発生した蛍光X線K−Kαに対する粒子の自己吸収係数は約457cm2/gとなる。許容できる蛍光X線の自己吸収率を5%程度とすると、Ti2O−SiO2粒子の最大許容粒径は約1.5μmであり、K2O−SiO2粒子の最大許容粒径は約0.5μmである。シリカ中の金属酸化物の含有濃度を制御することにより、蛍光X線の自己吸収を抑えられるので、より大きい粒子が利用可能となる。種々の金属酸化物を含有する複合酸化物の標準粒子について、入射X線の透過性と蛍光X線の自己吸収を考慮すると粒子の粒径は最大5μmが好適である。

0049

0050

次に、粒子の粒径の変動係数ついて説明する。複合金属酸化物から成る球状粒子中の金属原子数Nは下式(3)で求められる。ここで、rは粒子の半径、dは粒子の密度、Wはシリカ中の金属酸化物の重量濃度、Moxは金属酸化物の分子量、nは金属酸化物中の金属原子のモル数、NAはアボガドロ数である。粒子中の金属原子数は粒径の3乗に比例するため、粒径のバラツキ金属元素濃度のバラツキとなる。例えば、1.0μmの粒子について粒径変動係数による粒子中の金属原子数の変動係数を求めると下記の(表3)になる。標準粒子として許容できる原子数の変動係数を10%以下にするには粒径の変動係数は5%程度でなければならない。

0051

0052

0053

(蛍光X線分析用標準粒子/ウェハを用いたTRXRFの構成)図2は標準粒子(ウェハ)を用いたTRXRFの構成図である。シリコン等から成る半導体ウェハ1に対し全反射するよう入射X線2を照射すると、大部分は反射X線3として反射する。ウェハ1上にデポジションした標準粒子6は入射X線2によって励起されて蛍光X線4を放射する。半導体検出器(Silicon SolidDetector)5は蛍光X線4を受光し、蛍光X線エネルギー分布を出力する。

0054

図3は、チタニウム濃度を約10×1010原子/cm2に調整した従来のスピンコート法による標準ウェハおよび粒径0.6μm、1.28μmのTi2O−SiO2粒子から成る標準ウェハから発生する蛍光X線強度入射角度依存性を示す。スピンコート法による標準ウェハから発生する蛍光X線は入射角度に直線的に依存するが、粒子から成る標準ウェハから発生する蛍光X線は入射角度に依存せずほぼ一定である。標準粒子から成る標準ウェハは入射角度依存性がないので幅広入射角を利用できるので利点がある。

0055

(蛍光X線分析用標準ウェハ作製例)無機複合酸化物粒子(標準粒子)から成る蛍光X線分析用標準ウェハの作製は大きく3つのプロセスで構成される。最初のプロセスは、標準粒子を超純水に溶かし、粒子濃度を106〜108粒子/mlに調整し、市販の粒子噴霧器清浄な半導体ウェハ上に噴霧するプロセスである。このとき、噴霧口とウェハの間隔を20cm以上保つと粒子を均一にデポジションできる。ウェハ表面の粒子面密度は噴霧時間、噴霧速度で制御する。

0056

第二プロセスは、市販のウェハ欠陥検査機でウェハ表面の粒子の位置座標、粒径を計測し、粒子面密度D(単位cm2 当たりの粒子数)を求めるプロセスである。

0057

第三プロセスは、粒子面密度からウェハの金属元素濃度を値付けするプロセスである。単位cm2当たりの金属元素濃度Cは粒子面密度Dおよび粒子中の金属原子数Nの積で求められる。

0058

標準ウェハの元素濃度はTRXRFの検出下限値より大きくなければならない。言い換えると、最小粒子面密度以上でなければならない。例えば、10.99重量%Ti2O−SiO2粒子でチタニウムの標準ウェハを作製するならば、TRXRFのチタニウムの検出限界(5.9×109原子/cm2)を粒子中の原子数で除した値が標準ウェハの最小粒子面密度である。下記の(表4)は10.99重量%Ti2O−SiO2粒子の粒径毎の最小粒子密度を示している。粒子密度極端に大きくなると粒子による散乱X線の影響が大きくなり、全反射条件が維持できない。さらに粒子密度を計測するウェハ欠陥検査装置の検能力の制限もあるため、TRXRF用標準ウェハの粒子面密度は最大1000個/cm2が適切である。

0059

0060

(蛍光X線分析用標準ウェハの検証データ)TRXRF装置はTREX610T(テクノス製)を用い、励起用入射X線としてタングステン特性X線W−Lβ1を用いた。粒径0.60μm、1.03μm、1.28μmの10.99重量%TiO2−SiO2粒子と粒径2.0μmの7.29重量%K2O−SiO2粒子を用いて標準ウェハを作製した。下記の(表5)はTiO2−SiO2粒子、K2O−SiO2粒子から成る標準ウェハの粒子面密度から計算したチタニウム濃度、カリウム濃度とTRXRFによる実測濃度を求めた結果である。粒子面密度から計算したチタニウム濃度はTRXRF実測値と良好に一致している。

0061

図4図5および図6は、粒径0.60μm、1.03μm、1.28μmのTiO2−SiO2粒子から計算したチタニウム濃度とTRXRF実測濃度の回帰グラフである。計算値と実測値は極めて良好な相関を有し、相関係数はそれぞれ0.958,0.909,0.985である。

0062

図7は、K2O−SiO2粒子から計算したカリウム濃度とTRXRF実測濃度の回帰グラフある。相関係数が0.538と低くなった原因は、粒径が大きすぎたため自己吸収が無視できない点にある。粒径をより小さし、粒子面密度を大きくすれば解決できる。これらのデ−タは標準粒子から成る標準ウェハがTRXRF用標準試料として好適であることを証明している。

0063

0064

次に、標準粒子から成る標準ウェハとスピンコート法による標準ウェハの濃度均一性を比較する。粒子から成る標準ウェハの元素濃度の変動係数は10%〜89%の範囲にあるが、下記の(表6)に示すようにスピンコート法による標準ウェハの濃度均一性は5元素(Cr、Fe、Ni、Cu、Zn)で11%〜417%の範囲である。標準粒子から成る標準ウェハの表面濃度均一性スピンコ−ト法による標準ウェハより優れ、TRXRFの校正試料として有効である。これら標準粒子から成る標準ウェハは高精度の濃度の値付けを可能し、既存のスピンコート法による標準ウェハより表面濃度の均一性も高い。さらに、TRXRFのユーザーは、自らいつでも任意の元素・濃度の標準ウェハを作成することが可能になる。粒子から成る標準ウェハの金属元素濃度は粒子の個数で制御できるので108〜109原子/cm2オーダーの標準ウェハ作成も容易に可能である。TRXRFは1010オーダーを計測できることを特徴としているので、本発明の標準粒子から成る標準ウェハのように表面濃度が均一は標準試料校正したならより信頼できる結果が得られる。

0065

0066

(ウェハ上の汚染粒子のTRXRF測定の構成)試料ウェハに付着した未知汚染粒子(パーティクル)の元素濃度をTRXRFで測定する方法を説明する。試料ウェハに付着したパーティクルのウェハ面密度分布と粒径をウェハ欠陥検査装置で計測し、これらデータを記憶媒体または通信媒体を経てTRXRF装置に転送し、TRXRF装置の画像表示装置パーティクルマップを表示させる。パーティクルマップ上で注目するパーティクルを選択し、蛍光X線エネルギー分布を計測する。一方、標準粒子から成る標準ウェハの粒子面密度から計算された金属元素濃度およびTRXRFで計測された蛍光X線エネルギー分布から元素濃度検量線を作成し、パーティクルの蛍光X線エネルギー分布と比較することによりパーティクルの元素濃度を定量する。

0067

(ウェハ上の汚染粒子のTRXRF測定例)半導体製造装置エッチング装置)から発生したパーティクルを測定した例を説明する。図8はウェハ欠陥検査装置で測定されたパーティクルマップをTRXRF装置の画像表示装置に表示した例である。図9は試料ウェハ上のパーティクルの蛍光X線エネルギー分布である。図10はTiO2−SiO2粒子から成る標準ウェハの蛍光X線エネルギー分布である。標準ウェハから作成された検量線から試料ウェハ上のパーティクルの構成元素はチタニウム7.4×1010原子/cm2 、鉄1.0×1010原子/cm2、銅2.5×1010原子/cm2と定量された。

発明の効果

0068

以上詳説したように本発明によれば、シリカ中に所定の金属濃度を含み、極めて球形であり、粒径が均一な粒子、変形がなく安定性がよい標準粒子が容易に得られる。

0069

また、標準粒子が所定の面密度で均一に分布した蛍光X線分析用標準ウェハが容易に実現できる。

0070

また、標準ウェハ上の標準粒子の面密度、粒径、蛍光X線エネルギー分布、元素濃度および試料ウェハ上の汚染物質の面密度、粒径、蛍光X線エネルギー分布、元素濃度が精度よく得られるため、試料ウェハの汚染状況を精度良く検定することができる。

図面の簡単な説明

0071

図1TiO2−SiO2粒子の電子顕微鏡写真であり、図1(a)は粒径0.6μm、図1(b)は粒径1.03μmを示す。
図2金属複合酸化物から成る標準粒子を用いた全反射蛍光X線分析の構成図である。
図3スピンコート法による標準ウェハと標準粒子からなる標準ウェハに関する蛍光X線の入射角依存性を示すグラフである。
図4粒径0.60μmのTiO2−SiO2粒子から計算したチタニウム濃度とTRXRFで実測されたチタニウム濃度の回帰グラフであり、相関係数は0.958である。
図5粒径1.03μmのTiO2−SiO2粒子から計算したチタニウム濃度とTRXRFで実測されたチタニウム濃度の回帰グラフであり、相関係数0.909である。
図6粒径1.28μmのTiO2−SiO2粒子から計算したチタニウム濃度とTRXRFで実測されたチタニウム濃度の回帰グラフであり、相関係数0.985である。
図7粒径2.0μmで4.30重量%K2O−SiO2粒子から計算したカリウム濃度とTRXRFで実測されたカリウム濃度の回帰グラフであり、相関係数0.538である。
図8TRXRF装置の表示装置に表示された試料ウェハ上のパーティクルの面分布の一例を示す説明図である。
図9試料ウェハから選択されたパーティクルの蛍光X線エネルギー分布を示すグラフある。
図1010.99重量%TiO2−SiO2粒子から成る標準ウェハの蛍光X線エネルギー分布を示すグラフである。

--

0072

1半導体ウェハ
2入射X線
3反射X線
4蛍光X線
5半導体検出器(SSD)
6 標準粒子

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