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技術 導電性熱収縮性積層フィルム

出願人 東洋紡株式会社
発明者 武川善紀阿部和洋小長谷重次
出願日 1997年10月28日 (23年2ヶ月経過) 出願番号 1997-295740
公開日 1999年5月18日 (21年7ヶ月経過) 公開番号 1999-129373
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) プラスチック等の延伸成形、応力解放成形 高分子組成物 高分子成形体の被覆
主要キーワード 水分液 つかみ代 熱収縮能 包装材料表面 スルホイソフタル酸単位 カーボン系導電性フィラー 収縮装置 非収縮性
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課題

新規帯電防止組成物を積層した熱収縮性フィルムを提供すること。

解決手段

熱収縮性フィルムの少なくとも片面に、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、非イオン系界面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導電層が積層されたことを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム

概要

背景

従来より、ポリエステルナイロンポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルポリスチレン等を用いた収縮性フィルムは、包装用フィルム工業用フィルムとして、多量かつ広い範囲に使われている。これらのフィルムに用いられる合成樹脂は一般的に疎水性のものが多く、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電気が発生しやすく、同じ構造体同士又は他の物品との貼り付きが起こったり、ほこり等が表面に付着しやすくなり、様々なトラブルを引き起こしている。一般的にはフィルム、包装材料等の帯電防止剤として界面活性剤が用いられるが、界面活性剤では塵、ほこり等の付着を抑制するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以下)が得られないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変化しやすい。特に界面活性剤により低下したフィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防止能が得られなくなる欠点がある。その結果、フィルム、包装材料表面へのほこりの付着が起こり、様々なトラブルの原因となる。技術の多様化した今日、低湿度環境下にあっても静電気障害のないフィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1012Ω/□以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現が望まれている。このような低表面抵抗値に与える素材として、ポリアニリンポリピロール等の導電性高分子が知られている。いずれも、特定の有機溶剤には可溶であるが、水や水/アルコール混合溶媒系には不溶または分散不可であったため、芳香環スルホン酸基を結合させる方法等が行われ、かつ単独では充分な膜特性が出ないため、水溶性または水分散性樹脂を混合する方法が行われてきた。しかしスルホン化したポリアニリンとの相溶性の良い樹脂を用いた場合は所定の表面抵抗値が出ず、反対に所定の表面抵抗値が出る場合は、表面が白濁してフィルム本来の透明性を損なうという問題が生じていた。

概要

新規帯電防止組成物を積層した熱収縮性フィルムを提供すること。

熱収縮性フィルムの少なくとも片面に、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、非イオン系界面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導電層が積層されたことを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム

目的

本発明は、上記の問題点に着目して鋭意研究の結果なされたものとであり、その目的は、低湿度下でも静電気障害を克服するに充分な帯電防止能を持ち、同時に熱収縮能を有し、かつ透明性を完全には失わない安価な熱可塑性フィルムを提供するこにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

少なくとも1方向に於熱収縮率が30%より大きい熱収縮率性フィルムの片面か又は両面にポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、界面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導電層が直接か又は他の任意の数の層を介して積層されたことを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム

請求項2

請求項1記載のスルホン化ポリアニリンの主原料アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸、なかでもアミノアニソールスルホン酸であることを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム。

請求項3

請求項1記載の水溶性または水分散共重合ポリエステルが5−スルホイソフタル酸単位を2〜10モル%含むことを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム。

請求項4

該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1及び2及び3記載の導電性熱収縮性積層フィルム。

請求項5

熱収縮性積層フィルムを用いて物品収縮装着する前及びあとの導電層の表面抵抗値が、25℃、15%RHで1012Ω/□以下であることを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルム。

技術分野

0001

本発明は、導電性熱収縮性積層フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、低湿度下でも帯電防止性および導電性の優れた熱収縮フィルム、中でも熱収縮ポリエステルフィルムに関するものであり、具体的にはシールド材印刷材料等の工業用フィルム及びチューブ建材被覆材実装回路基板、IC・LSI等パッケージシュリンクラベルシュリンク包装用フィルム等の包装用フィルムが挙げられる。

背景技術

0002

従来より、ポリエステルナイロンポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルポリスチレン等を用いた収縮性フィルムは、包装用フィルム、工業用フィルムとして、多量かつ広い範囲に使われている。これらのフィルムに用いられる合成樹脂は一般的に疎水性のものが多く、合成樹脂からなる構造形成体の表面に静電気が発生しやすく、同じ構造体同士又は他の物品との貼り付きが起こったり、ほこり等が表面に付着しやすくなり、様々なトラブルを引き起こしている。一般的にはフィルム、包装材料等の帯電防止剤として界面活性剤が用いられるが、界面活性剤では塵、ほこり等の付着を抑制するのに充分な表面抵抗(1010Ω/□以下)が得られないのみならず、帯電防止能が周囲の湿気や水分の影響を受け変化しやすい。特に界面活性剤により低下したフィルムの表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して所望の帯電防止能が得られなくなる欠点がある。その結果、フィルム、包装材料表面へのほこりの付着が起こり、様々なトラブルの原因となる。技術の多様化した今日、低湿度環境下にあっても静電気障害のないフィルムが求められつつあり、そのためには低湿度下で1012Ω/□以下の表面抵抗値を与える帯電防止剤の出現が望まれている。このような低表面抵抗値に与える素材として、ポリアニリンポリピロール等の導電性高分子が知られている。いずれも、特定の有機溶剤には可溶であるが、水や水/アルコール混合溶媒系には不溶または分散不可であったため、芳香環スルホン酸基を結合させる方法等が行われ、かつ単独では充分な膜特性が出ないため、水溶性または水分散性樹脂を混合する方法が行われてきた。しかしスルホン化したポリアニリンとの相溶性の良い樹脂を用いた場合は所定の表面抵抗値が出ず、反対に所定の表面抵抗値が出る場合は、表面が白濁してフィルム本来の透明性を損なうという問題が生じていた。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、上記の問題点に着目して鋭意研究の結果なされたものとであり、その目的は、低湿度下でも静電気障害を克服するに充分な帯電防止能を持ち、同時に熱収縮能を有し、かつ透明性を完全には失わない安価な熱可塑性フィルムを提供するこにある。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、熱収縮性フィルムの少なくとも片面に、ポリアニリン及び/又はアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン100重量部、スルホン酸基及び/またはそのアルカリ金属塩基の結合した水溶性または水分散性共重合ポリエステルを10〜2000重量部、界面活性剤を0.001〜1000重量部を含んでなる導電層が積層されたことを特徴とする導電性熱収縮性積層フィルムに関するものである。

0005

本発明における熱収縮フィルムとしては、一軸方向又は二軸方向に熱収縮するものであって、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の単一ポリマーによるもの、あるいはそれらを混合したもの、共重合成分を有するもの、積層したものでも構わない。また、前記熱収縮性フィルム用材料非相溶な熱可塑性樹脂を混合して得られたシート状物を少なくとも一軸に延伸することにより得られる空洞含有熱収縮性フィルムでも構わない。

0006

本発明におけるスルホン化ポリアニリンとしては、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を主成分とするアニリン系共重合体スルホン化物が本発明の導電性組成物基本素材に好適であり、特にアミノアニソールスルホン酸が好適である。さらに、本発明の導電性組成物の塗布性延展性塗布体硬度の向上の点において、5−スルホイソフタル酸単位を4モル%以上10モル%以下含む該共重合ポリエステルの併用はさらに好適である。ここで、アミノアニソールスルホン酸類の具体例として、2−アミノアニソールー3−スルホン酸、2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−5−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸、4−アミノアニソール−2−スルホン酸、4−アミノアニソール−3−スルホン酸等を挙げることができる。アニソールのメトキシ基エトキシ基、iso−プロポキシ基等のアルコシキ基に置換された化合物を用いることも可能である。しかし、2−アミノアニソール−3−スルホン酸2−アミノアニソール−4−スルホン酸、2−アミノアニソール−5−スルホン酸、2−アミノアニソール−6−スルホン酸、3−アミノアニソール−2−スルホン酸、3−アミノアニソール−4−スルホン酸、3−アミノアニソール−6−スルホン酸が好ましく用いられる。アミノアニソールスルホン酸を主成分とするスルホン化ポリアニリン共重合体が本発明の積層フィルムの1成分に用いられる。前述したように、本発明に用いられるスルホン化ポリアニリン共重合体は、スルホン酸基が芳香環に対して70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%である。また、スルホン酸基を含む芳香環と含まない芳香環が混在したり、交互に並んだりしても、本発明の目的には問題はない。該スルホン化ポリアニリン共重合体のスルホン酸基含有率が70%未満であると該共重合体の水、アルコールまたはそれらの混合溶媒系等への溶解性または分散性が不充分になり、結果として基体への塗布性及び延展性が悪くなり、得られる塗布膜の導電性が著しく低下する傾向になる。本発明に用いられるスルホン化ポリアニリン共重合体の数平均分子量は300〜500000で1000以上が前記溶媒への溶解性及び塗布膜の強度の点で好ましい。該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合溶剤100重量部に対して0.01−10重量部であり、好ましくは0.1−2重量部である。該スルホン化ポリアニリン共重合体の使用割合が0.01重量部未満では、溶液長期保存性が悪くなり、表面のコート層ピンホールが発生しやすくなりコート面の導電性が著しく劣る。また、使用割合が10重量部を越えると該共重合体の水又は水/有機溶媒系への溶解性、分散性及びコート層の塗布性が悪くなる傾向があり、好ましくない。前記溶媒は、ポリエステルフィルム等の基体を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒使用可能であるが、水または水/アルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用いる方が、使用環境面で好ましいのみならず、支持体への塗布性及び導電性が向上する場合もある。有機溶媒はメタノールエタノールプロパノールイソプロピルアルコール等のアルコール類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンなどのケトン類メチルセロソルブエチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルプロピレングリコールエチルプロピレングリコールなどのプロピレングリコール類ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用いられる。これらは、水と任意の割合で混合して用いられる。この例として、具体的には、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコールなどが挙げることができる。用いられる割合は水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。

0007

本発明で用いられるスルホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくとも1種の基が結合した共重合ポリエステル(以下、スルホン酸基含有共重合ポリエステルという)とは、ジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の一部にスルホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくとも1種の基が結合したポリエステルをいい、中でも、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩基からなる群より選択される少なくとも1種の基を含有した芳香族ジカルボン酸成分全酸成分に対して2〜10モル%の割合で用いて調整した共重合ポリエステルが、本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの表面硬度が高いという点で好ましい。このようなジカルボン酸の例としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好適である。

0008

他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸イソフタル酸フタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニル、4,4′−ジカルボキシベンゾフェノンビス(4−カルボキシフェニルエタンアジピン酸セバシン酸シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの表面硬度の向上の点から、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましい。

0009

共重合ポリエステルを調整するためのグリコール成分としては、エチレングリコールが主として用いられ、この他に、プロピレングリコール、ブタンジオールネオペンチルグリコールジエチレングリコールシクロヘキサンジメタノールビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールなどが用いられ得る。中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジェチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを共重合成分として用いると、スルホン化ポリアニリンとの相溶性が向上するという点で好ましい。

0010

この他、共重合成分として、少量のアミド結合ウレタン結合エーテル結合カーボネート結合などを含有するジカルボン酸成分、グリコール成分を含んでも良い。さらに得られる本発明の導電層を基材に塗布して得られる塗膜の表面硬度を向上させるために、トリメリット酸トリメシン酸ピロメリット酸無水トリメリット酸無水ピロメリット酸などの多カルボキシ基含有モノマーを5モル%以下の割合で上記ポリエステルの共重合成分として用いることも可能である。5モル%を越える場合には、得られるスルホン酸基含有共重合ポリエステルが熱的に不安定となり、ゲル化しやすく、本発明の導電層の成分として好ましくない。

0011

上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、上記ジカルボン酸成分、上記グリコール成分、および必要に応じて、上記多カルボキシル基含有モノマーを用いて、常法により、エステル交換反応重縮合反応などを行うことにより得られる。得られたスルホン酸基含有共重合ポリエステルは、例えば、n−チルセロソルブのような溶媒とともに加熱撹拌され、さらに撹拌しながら徐々に水を加えることにより、水溶液または水分液とされて用いられ得る。

0012

上記スルホン酸基含有共重合ポリエステルの含有割合は、得られる導電性熱収縮性積層フィルムの導電性および機械的特性から、ポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリン100重量部に対して50〜2000重量部が好ましく、さらに好ましくは100〜1500重量部、最も好ましくは200〜1000重量部である。

0013

本発明の導電層は、通常溶剤に溶解または分散させて、所望の基体表面に塗布される。ここで用いられる溶剤は、基材(例えば、ポリエステルフィルム等)を溶解または膨潤させないならば、いかなる有機溶媒も使用可能である。水、または水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、使用環境面で好ましいだけでなく、得られる本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの帯電防止性が向上する場合もある。

0014

上記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、メチルプロピレングリコール、エチルプロピレングリコールなどのプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類などが好ましく用いられる。これらの有機溶媒は、水と任意の割合で混合して用いられ得る。混合の例としては、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/イソプロパノール、水/メチルプロピレングリコール、水/エチルプロピレングリコールなどが挙げられる。その混合割合は、水/有機溶媒=1/10〜10/1が好ましい。

0015

溶剤の使用割合は特に制限されないが、通常ポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリン100重量部に対して、1000〜20000重量部である。溶剤の使用量が極端に多い場合は、得られる本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの塗布性が悪くなる恐れがある。従って、導電層にピンホールが発生しやすくなり、この導電性熱収縮性積層フィルムの導電性が著しく低下、すなわち帯電防止性が低下する恐れがある。溶剤の使用量が極端に少ない場合は、このポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリンの上記溶剤への溶解性または分散性が不十分となり、得られる導電層の表面が平坦になりにくくなる恐れがある。

0016

本発明の導電層は、上記成分のみでも、塗布性および延展性が優れており、得られる導電層の表面硬度も良好であるが、上記溶剤に可溶な界面活性剤及び/または高分子化合物をさらに併用することにより、濡れ性の悪い熱収縮性フィルムへの塗布も可能となる。

0017

上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフルオロアルキルカルボン酸パーフルオロアルキルカルボン酸パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。

0018

本発明に用いられる界面活性剤の量は、ポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリン100重量部に対して、0.001重量部以上1000重量部以下である。

0019

上記界面活性剤が1000重量部を越えると非コート面にコート層中の界面活性剤が裏移りして、2次加工等で問題を生じてしまう。

0020

本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの導電層に含有され得る高分子化合物としては、例えば、ポリアクリアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂水酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸などのアクリル酸樹脂ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステルなどのアクリル酸エステル樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート、などのエステル樹脂、ポリスチレン、ポリーα−メチルスチレンポリクロメチルスチレンポリスチレンスルホン酸ポリビニルフェノールなどのスチレン樹脂ポリビニルメチルエーテルポリビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル樹脂ポリビニルアルコールポリビニルホルマールポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール類ノボラックレゾールなどのフェノール樹脂などが用いられ得る。中でも上記スルホン化ポリアニリンとの相溶性の点から、およびポリエステルなどからなる基材との接着性の点から水酸基またはカルボン酸基を含んだ水溶性または水分散性共重合ポリエステルおよびポリビニルアルコール類が好ましい。

0021

上記高分子化合物量は、好ましくは、ポリアニリン及び/又はスルホン化ボリアリン100重量部に対して、0〜1000重量部、さらに好ましくは、0〜500重量部である。高分子化合物の量が1000重量部以上では、ポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリンの導電性が現れず、本来の帯電防止機能が発揮されない。

0022

本発明の導電性熱収縮性積層フィルムの導電層には、上記の他に、種々の添加剤が含まれ得る。このような添加剤として、TiO2 、SiO2 、カオリン、CaCO3 、Al2 、O3 、BaSO4 、ZnO、タルクマイカ複合粒子などの無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、またはそれらの架橋体で構成される有機粒子などが挙げられる。導電性のさらなる向上を目的として、SnO2、(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)の粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2 、BaSO4 など)、カーボンブラック黒鉛カーボン繊維などのカーボン系導電性フィラーなどを添加することも可能である。上記添加剤の含有量は、ポリアニリン及び/又はスルホン化ポリアニリン100重量部に対して、4000重量部以下の割合であることが好ましい。4000を越える場合には、導電層の粘度アップにより塗布ムラの原因となるおそれがある。

0023

熱収縮性フィルム表面に導電層を積層する方法としては、グラビアロールコーティング法リバースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップコート法スピンコート法などがあるが、導電性組成物に適したコート法は特に制限はない。フィルムへの塗布を製膜工程内で同時に行うインラインコート法と製膜ロール製造後独立して行うフラインコート法があるが、用途に応じて好ましい方法を選ぶことが可能で、特に制限はない。ただし、熱収縮フィルム製造後にオフラインコートを適用して行なう場合はその乾燥工程に於て、基材が熱収縮を起こさないように熱収縮開始温度未満の温度で乾燥する必要がある。

0024

本発明の導電性熱収縮性積層フィルムを、工業用、包装用フィルムとして用いると、低湿度下でも帯電防止性を与えることができるため、ハンドリング性に優れ、更に他の物品に収縮装置した場合、該物品に上記の特異な導電性能を付与することができる。

0025

実施例
次に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれに限定されない。また本発明に用いる評価法を以下に示す。

0026

1)表面抵抗値
三菱油化社製表面抵抗測定器印加電圧500V、25℃、15%RHの条件で測定した。
2)熱収縮率の測定
熱収縮性フィルムの収縮する方向を長辺として1cm×10cmの短冊型のサンプルを切り出す。このものを100℃の熱風オープン中で10秒間加熱した後オーブンより取り出し、長辺の長さをキャリパーにて測定する。その時の長さをLcmとすると、

0027

ID=000002HE=015 WI=086 LX=0620 LY=1900
熱収縮率は1式で表わされる。
3)熱収縮後の表面抵抗値の測定
熱収縮フィルムの収縮する方向を長辺として両先端部のつかみ代をのぞいた長さが10cm巾5cmのサンプルを切り出す。このものをサンプル把持部の長さ6cmとなるような枠にサンプル長辺の両先端のつかみ代を把持し、サンプルを4cm分たるませた状態とする。このものを100℃の熱風オーブン中で10秒間加熱した後オーブンよりとり出し、そのサンプルを長辺の方向を電圧印加方向として1)の表面抵抗値の策定法により測定する。

0028

(合成例1)スルホン酸基含有ポリエステル及び水分散液の調整
まずスルホン酸基含有ポリエステルを次の方法により合成、さらにその分散液を調整した。ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート46モル%、ジメチルイソフタレート47モル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウム7モル%を使用し、グリコール成分としてエチレングリコール50モル%及びネオペンチルグリコール50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応及び重縮合反応を行った。得られたスルホン酸基含有ポリエステルのガラス転移温度は69℃であった。このスルホン酸基含有ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱撹拌して、粘ちょうな溶液とし、さらに撹拌しつつ水550部を徐々に加えて、固形分30重量%の均一な淡泊色の水分散液を得た。この分散液をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固形分が8重量%のスルホン酸基含有ポリエステル水分散液を調整した。

0029

(合成例2)スルホン酸基含有ポリアニリン塗布液の調整
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを23℃で4モル/リットルアンモニア水溶液に撹拌溶解し、ペルオキサ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さらに撹拌した後、反応生成物濾別洗浄、乾燥し、粉末状の共重合体を13gを得た。この共重合体の体積固有抵抗値は12.3Ωcmであった。上記重合体3重量部を0.3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に室温で撹拌溶解し導電性組成物を調整した。この時のスルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%であった。上記スルホン化ポリアニリン2.0重量部を、水50重量部及びイソプロパンール50重量部に溶解した。この液を合成例1で示した分散液と混合した液を、熱可塑性フィルムの片面に塗布した。この塗布液は濃黄色で外観上は不溶物が全く見られなかった。

0030

未延伸シートの作製)平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム微粒子が4000ppmで分散され、ネオペンチルグリコール成分を全グリコール成分の20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約180μmの未延伸フィルムを得た。

0031

(積層フィルムの作製)得られた未延伸シート上に固形分濃度4%の塗布液を厚さ約13μmで塗布し、160℃で熱風乾燥した。次いでテンターにより110℃で予熱し、70℃で横方向に4.5倍延伸した後、80℃で熱固定し、本発明の導電性熱収縮性積層フィルムを作製した。

0032

(実施例1)塗布液をスルホン化ポリアニリンとスルホン酸基含有ポリエステルの固形分比が30/70、さらに、界面活性剤エマルゲン810(花王製)をスルホン化ポリアニリンとの比が8/100になるように添加した。
(実施例2)塗布液を実施例1と同様に調整し、市販の熱収縮性ポリエステルフィルム、S5630(東洋紡社製)上にオフラインにて厚さ約3μmで塗布し、65℃の熱風にて乾燥した。
(比較例1)実施例1に於てスルホン化ポリアニンの固形分を全てドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに置き替えた。
(比較例2)実施例2に於て、用いる基材フィルム非収縮性のポリエステルフィルム、E5100(東洋紡社製)に置き替えた。

0033

以上の例の評価結果を表1に示す。かように実施例のフィルムは低湿度のもとでも低い表面抵抗を示し、熱収縮能を有しており、更に収縮後も低い抵抗値を維持している。

0034

発明の効果

0035

以上の説明から明らかな様に、本発明の導電性熱収縮性積層フィルムは低湿度下でも優れた帯電防止性を示す。従ってフィルム製造時に空気中のホコリ吸着してその清浄度が低下することが少なく、フィルム同士又はフィルムと工程装置との貼りつきも低減され、ハンドリング性が向上する。また火花放電による危険も少ない。更に、熱収縮後にもその特異な帯電防止性を有するため、本来帯電防止性を有しない物品や建材を被覆することにより、新たに制電性を付与することができる。特にシュリンクラベルに適用した場合、ラベルチューブ貼付きがなく容易に円筒形に開く。これをボルトにかぶせる時もボルトとの貼付きがないため所定の位置に正確にかぶせられる。後につづく乾熱トンネルによる熱収縮時にも浮遊するホコリのかみ込みを低減することが出来る。そして装着後のボトルにも帯電防止効果が付与されることになる。このように本発明の導電性熱収縮性積層フィルムは各種工業用、包装用フィルムに用いて多様なメリットを発揮するものである。

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