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技術 容器入り低温殺菌食品の製造方法

出願人 ハウス食品グループ本社株式会社
発明者 谷口守男岩畑克之
出願日 1997年10月27日 (23年2ヶ月経過) 出願番号 1997-294631
公開日 1999年5月18日 (21年7ヶ月経過) 公開番号 1999-127828
状態 特許登録済
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く)
主要キーワード シート蓋 密封室 チルド製品 製品用容器 密封処理 容器ヘッドスペース 不活性ガス充填 ネット容器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年5月18日)のものです。
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図面 (4)

課題

本発明は、加熱による食品風味食感外観栄養素などの損失を極力おさえ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足し得る容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる低温殺菌食品食品をより効率的に製造することができる容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

固形食品容器充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

概要

背景

従来、食品保存性を保持するための殺菌手段として、一般に加熱殺菌方法が用いられている。しかし、殺菌時における加熱は、食品の風味食感外観栄養素など、その品質に大きな影響を及ぼし、例えば、レトルト殺菌のように100°Cを超える高温容器密封下による殺菌を行った場合には、常温状態製品長期間保存することはできるが、ムレ臭褐変具材軟化等が生じ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足したものを得ることは困難であった。

一方、例えば冷蔵状態で製品を保存させなければならないが、殺菌時における加熱の影響を低減させたものとして、一般に100°C以下、いわゆる60°C〜100°Cの低温殺菌を施した低温殺菌食品、例えばチルド食品が知られている。上記チルド食品の従来技術としては、有機酸塩調理加工時に1/100モル〜1/10モル濃度添加し、pH6.0〜7.0の範囲で且つ100°C以下で加熱処理した食品を10°C以下の温度に保持することを特徴とするチルド流通調理食品の保存法(特開昭59−146577号)、100°C以下で加熱処理した後10°C以下の温度で保存するpH6.0〜7.0のチルド流通密封食品の製造において、(1)有機酸塩を1/100モル〜1/10モル濃度添加することにより食品のpHを6.0〜7.0に保持するとともに(2)炭酸ガス濃度が5%以上の容器内に食品を密封することを特徴とする保存性の良好なチルド流通密封食品の製造法(特開昭60−164468号)などが知られている。また、上記従来技術における加熱殺菌は、100°C以下の温度で、容器充填前に行い、その後無菌的に容器を密封する方法、あるいは容器密封状態で加熱処理する方法などにより行っている。

しかしながら、上記従来技術によれば、有機酸塩を食品中に添加しなければならず、食品本来味覚を十分に味わうことができないという問題があった。また、上記チルド食品の加熱殺菌方法において、加熱殺菌を容器充填前に行い、その後無菌的に容器に密封する方法にあっては、殺菌後から無菌密封までの間に落下菌等による二次汚染が生じるおそれがあり、また、殺菌室無菌包装室の制御あるいは装置機構が複雑になる等の問題があった。また、容器密封状態で加熱殺菌する方法にあっては、ムレ臭が発生したり、殺菌に比較的時間を要する等の問題があった。したがって、従来の低温殺菌食品にあっても、品質的に十分満足したものを得ることは困難であった。

概要

本発明は、加熱による食品の風味、食感、外観、栄養素などの損失を極力おさえ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足し得る容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる低温殺菌食品食品をより効率的に製造することができる容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。

固形食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

目的

本発明は、加熱による食品の風味、食感、外観、栄養素などの損失を極力おさえ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足し得る容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる低温殺菌食品をより効率的に製造することができる容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

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請求項1

固形食品容器充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項2

固形食品を上部開放型リテーナーに充填し、水蒸気雰囲気下において低温殺菌処理を施した後、殺菌済固形食品を別途殺菌された容器に移替え、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項3

液状食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態で低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済固形食品と混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項4

液混合食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態で低温殺菌処理を施した後、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することを特徴とする容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項5

低温殺菌処理が、固形食品および/または液状食品の加熱調理処理を兼ねることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項6

低温殺菌処理において、殺菌に要する時間が調理に要する時間と同等もしくはそれよりも短いことを特徴とする請求項5記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項7

固形食品が、予備加熱されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4のいずれかに記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項8

低温殺菌処理が、F90が2分以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項9

低温殺菌処理が、F100が1分〜30分であることを特徴とする請求項8に記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

請求項10

容器に充填する固形食品が、その品温が略殺菌温度になるまで加温されたものであって、かつ品温上昇の過程において生じた結露水が除去されたものであることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の容器入り低温殺菌食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、容器に収容されたチルド食品等の低温殺菌食品の製造方法に関するものであり、更に詳細には、風味食感外観などの品質に優れた容器入り低温殺菌食品の製造方法、またかかる低温殺菌食品をより効率的に製造することができる容器入り低温殺菌食品の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、食品の保存性を保持するための殺菌手段として、一般に加熱殺菌方法が用いられている。しかし、殺菌時における加熱は、食品の風味、食感、外観、栄養素など、その品質に大きな影響を及ぼし、例えば、レトルト殺菌のように100°Cを超える高温で容器密封下による殺菌を行った場合には、常温状態製品長期間保存することはできるが、ムレ臭褐変具材軟化等が生じ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足したものを得ることは困難であった。

0003

一方、例えば冷蔵状態で製品を保存させなければならないが、殺菌時における加熱の影響を低減させたものとして、一般に100°C以下、いわゆる60°C〜100°Cの低温殺菌を施した低温殺菌食品、例えばチルド食品が知られている。上記チルド食品の従来技術としては、有機酸塩調理加工時に1/100モル〜1/10モル濃度添加し、pH6.0〜7.0の範囲で且つ100°C以下で加熱処理した食品を10°C以下の温度に保持することを特徴とするチルド流通調理食品の保存法(特開昭59−146577号)、100°C以下で加熱処理した後10°C以下の温度で保存するpH6.0〜7.0のチルド流通密封食品の製造において、(1)有機酸塩を1/100モル〜1/10モル濃度添加することにより食品のpHを6.0〜7.0に保持するとともに(2)炭酸ガス濃度が5%以上の容器内に食品を密封することを特徴とする保存性の良好なチルド流通密封食品の製造法(特開昭60−164468号)などが知られている。また、上記従来技術における加熱殺菌は、100°C以下の温度で、容器充填前に行い、その後無菌的に容器を密封する方法、あるいは容器密封状態で加熱処理する方法などにより行っている。

0004

しかしながら、上記従来技術によれば、有機酸塩を食品中に添加しなければならず、食品本来味覚を十分に味わうことができないという問題があった。また、上記チルド食品の加熱殺菌方法において、加熱殺菌を容器充填前に行い、その後無菌的に容器に密封する方法にあっては、殺菌後から無菌密封までの間に落下菌等による二次汚染が生じるおそれがあり、また、殺菌室無菌包装室の制御あるいは装置機構が複雑になる等の問題があった。また、容器密封状態で加熱殺菌する方法にあっては、ムレ臭が発生したり、殺菌に比較的時間を要する等の問題があった。したがって、従来の低温殺菌食品にあっても、品質的に十分満足したものを得ることは困難であった。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、加熱による食品の風味、食感、外観、栄養素などの損失を極力おさえ、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足し得る容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる低温殺菌食品をより効率的に製造することができる容器入り低温殺菌食品の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、固形食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することにより、上記本発明の目的を達成することができる。

0007

また、本発明は、固形食品を上部開放型リテーナーに充填し、水蒸気雰囲気下において低温殺菌処理を施した後、殺菌済固形食品を別途殺菌された容器に移替え、必要により殺菌済液状食品を混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することにより、上記本発明の目的を達成することができる。

0008

また、本発明は、液状食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態で低温殺菌処理を施した後、必要により殺菌済固形食品と混合し、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することにより、上記本発明の目的を達成することができる。

0009

さらに、本発明は、固液混合食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態で低温殺菌処理を施した後、引き続き水蒸気雰囲気下において当該容器を密封することにより、上記本発明の目的を達成することができる。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明の低温殺菌食品は、100°C以下の殺菌、いわゆる低温殺菌により製造されるものであって、通常20°C〜−5°Cの温度帯流通、保存されるものであり、例えばチルド食品、日配食品等が例示できる。かかる低温殺菌食品としては、特に限定されるものではなく、例えば、ピラフ赤飯等の米飯類スパゲッティ焼きそば等の麺類、きんぴらごぼうひじき等の惣菜類、おでん、筑前煮、煮豆等の煮物類、その他グラタンカレーシチュー、各種スープソース類麻婆豆腐茶わん蒸しハンバーグコロッケギョーザクラムチャウダードレッシング焼き肉タレ等の液体調味料など各種製品をあげることができる。

0011

本発明は、上記食品を容器に充填し、水蒸気雰囲気下において容器開放状態で低温殺菌処理を施す。これにより、水蒸気が直接食品と触れるため、食品の殺菌処理時間を短縮させることができる。したがって、加熱による風味、食感、外観等の品質の損失を大きく抑えることができる。また、密閉状態で殺菌処理を施したときに生じるムレ臭もなく、できたての料理と同等の風味、食感、外観を楽しむことができる。

0012

本発明において、容器に充填する食品は、固形食品のみ、液状食品のみ、あるいは固液混合食品のいずれであってもよく、食品の種類、性状などに応じて任意に決定すればよい。上記固液混合食品を製造する場合においては、固液混合食品を同時に殺菌処理する方法、あるいは固形食品のみまたは液状食品のみを殺菌処理した後、別途殺菌処理を施した液状食品または固形食品をそれぞれ混合する方法のいずれの方法を用いてもよい。特に、後者の方法を用いた場合には、各食品に応じた殺菌処理がなされ、それぞれの食品に過剰な加熱を施す必要がないため、できあがった製品の風味、食感、外観などの品質低下を防止することができる。

0013

本発明の加熱殺菌処理条件としては、F90が2分以上、好ましくはF100が1分〜30分になるように行う。これにより、日配製品にあっては20°C〜5°C、チルド製品にあっては10°C〜−5°Cの温度帯で、殺菌程度に応じて1日〜180日間保存させることができる。ここで、F90が2分以上の加熱殺菌条件とは、90°Cにおいて2分以上加熱したときと同等の殺菌効果が得られる加熱殺菌条件のことであって、本発明においては、かかる加熱殺菌条件を満足するように、それぞれの食品の種類、性状に応じて具体的な加熱殺菌条件を設定すればよい。

0014

また、本発明の加熱殺菌処理は、上記固形食品および/または液状食品の加熱調理を兼ねて行うこともできる。この場合、加熱殺菌処理に要する時間が調理処理に要する時間と同等もしくはそれよりも短くなるように上記加熱殺菌処理条件を設定する。これにより、食品の調理が終了した後において殺菌のための加熱処理を行う必要がなく、食品への過剰な加熱を防止することができる。

0015

また、上記加熱殺菌処理にあたり、事前予備加熱処理を施しておいてもよい。これにより、上記加熱殺菌条件を緩和させることができるため、加熱殺菌処理に要する時間が加熱調理処理に要する時間よりも短くなるような殺菌処理条件を容易に設定することができる。

0016

本発明において、上記加熱殺菌処理前に容器に充填される固形食品は、その品温が略殺菌温度になるまで加温しておくことが望ましい。これにより、加熱殺菌前の固形食品と加熱殺菌する水蒸気雰囲気との温度差が小さくなるため、加熱殺菌処理時における固形食品への結露の発生を抑止することができる。したがって、かかる結露により容器底部に生じる固形食品のべとつき、あるいは固形食品どうしの付着を防止することができる。また、後工程において混合するソースなどの液状食品が薄まり、その味覚が低下することを防止することができる。

0017

上記固形食品の加温処理は、例えば、ネット容器に固形食品を充填し、これを水蒸気槽内に収容する。このとき、固形食品の表面に付着した結露水はネット容器から流れ落ち、水蒸気槽外に排出される。そして、結露水を除去し、その品温が略殺菌温度になるまで加温した固形物を容器に移替え、必要により当該容器に液状食品を添加し、水蒸気雰囲気下における加熱殺菌処理を行う。なお、上記容器への移替え処理は、水蒸気雰囲気下に限らず、通常の食品製造環境下において行ってもよいが、加熱殺菌処理までに固形食品の品温が低下しないよう留意する必要がある。

0018

本発明において、上記加熱殺菌に用いる容器は、袋状容器あるいは成形容器等いかなる形状のものであってよく、その材質も例えばポリエチレンポリプロピレン等のように低温殺菌に耐え得るものであれば特に限定されるものではない。上記容器については、食品の加熱殺菌処理とともに殺菌されるため、予め殺菌処理を施しておく必要はないが、予め殺菌しておいてもよい。この場合、例えば、水蒸気雰囲気下で容器を殺菌処理した後、食品を充填し、引き続き水蒸気雰囲気下において加熱殺菌処理する方法を用いてもよい。

0019

本発明において、水蒸気雰囲気下で固形食品のみを殺菌処理する場合には、例えば複数の孔穴を底面部あるいは底面部および側面部に設けた上部開放型のリテーナーを用いることが望ましい。これにより、水蒸気が固形食品間を流通し易くなるため、かかる固形食品の殺菌処理時間をより短縮させることができる。上記リテーナーに設ける孔穴は、当然充填する固形食品が通り抜けないような大きさであって、充填する固形食品の大きさにもよるが、直径3mm〜5mm程度が好ましい。また、その材質は、低温殺菌に耐え得るものであれば特に限定されるものではなく、ステンレスなどの金属、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック等を用いればよい。特に、金属製のリテーナーを用いた場合には、熱伝導性がよく、加熱殺菌処理を短縮させることができる。

0020

上記リテーナーを使用した場合には、殺菌された固形食品を別途殺菌処理された製品用容器に移替える。この移替え工程は、水蒸気雰囲気下において行うのが望ましい。上記製品用容器の殺菌は、水蒸気、熱水過酸化水素過酢酸などの薬剤紫外線などを用いて行えばよい。

0021

上記移替え工程の後、必要により別途殺菌処理を施した液状食品と混合してもよい。かかる液状食品は、低温流通時において保存可能な条件により殺菌されたものであり、殺菌とあわせて加熱調理されているものを用いることもできる。また、かかる液状食品を予め製造する場合には、製造後、窒素ガス等の不活性ガスの環境下にある無菌タンク内に保存することが望ましい。

0022

本発明は、上記したように水蒸気雰囲気下において加熱殺菌された固形食品および/または液状食品を収容した容器を、引き続き水蒸気雰囲気下において密封する。これにより、低温殺菌食品を収容する容器中に空気が存在しないようにすることができ、保存中における酸化等による品質の低下を防止することができる。また、容器密封部における菌汚染の可能性を確実になくすことができる。さらに、加熱殺菌工程内、すなわち水蒸気雰囲気下で上記密封処理を施すため、密封室を殺菌室と別に設置する必要はなく、また各室間の制御機構も不要になり、設備縮小化、簡素化、および処理効率の向上を図ることができる。

0023

本発明は、上記容器の密封にあたり、容器ヘッドスペース部の水蒸気を窒素ガスなどの不活性ガスと置換することが望ましい。特に、容器が成形容器である場合には、容器の変形を防止することができるという点で有効である。上記水蒸気と不活性ガスの置換は、例えば不活性ガスの供給ノズルから容器のヘッドスペース部に向けて不活性ガスを吹き込む方法により行えばよい。このとき、容器のヘッドスペース部に供給する不活性ガスの温度は、約0°C〜約50°Cの範囲内であるのが好ましく、不活性ガスの供給ノズルからの吹き出し速度は、1m/min〜600m/min、好ましくは3m/min〜60m/minの範囲内であるのが好ましい。このような条件を適用することにより、不活性ガスの拡散範囲を最小限におさえ、不活性ガス充填部以外の水蒸気環境を崩すことなく、確実に容器のヘッドスペース部に不活性ガスを供給することができる。

0024

本発明において、容器を密封する蓋材は、予め殺菌処理されたものを用いる。かかる殺菌処理は、例えば水蒸気、熱水、過酸化水素、過酢酸などの薬剤、紫外線などを用いて行えばよい。また、上記蓋材としては、特に限定されるものではないが、シート蓋成型蓋等を用いることができる。

0025

本発明は、上記容器の密封処理後に得られた低温殺菌食品を速やかに水蒸気雰囲気下から取り出し、冷却処理を施し、20°C〜−5°Cの温度帯において保存する。なお、密封処理直前に殺菌済液状食品を固形食品と混合した固液混合食品にあっては、上記冷却処理前に例えば70°C、10分間程度で保温させることにより、固形食品と液状食品とを十分になじませることができる。

0026

本発明は、上記各処理工程にしたがって、効率よく品質の優れた低温殺菌食品を製造することができる。また、本発明においては、製品の種類、使用原料等に応じて、下記の製造態様にそって上記低温殺菌食品を製造することができる。
(1)固形食品を上部開放型リテーナーに充填し、低温殺菌後、殺菌済製品用容器に移替え、かかる製品用容器を密封して容器入り固形食品を製造する。
(2)固形食品を上部開放型リテーナーに充填し、低温殺菌後、殺菌済製品用容器に移替え、殺菌済液状食品を加え、かかる製品用容器を密封して容器入り固液混合食品を製造する。
(3)必要により、固形食品をネット容器等に収容し加温および結露除去処理を行った後、かかる固形食品を製品用容器に充填し、低温殺菌後密封して容器入り固形食品を製造する。
(4)必要により、固形食品をネット容器等に収容し加温および結露除去処理を行った後、かかる固形食品を製品用容器に充填し、これに未殺菌液状食品を加え、低温殺菌後密封して容器入り固液混合食品を製造する。
(5)必要により、固形食品をネット容器等に収容し加温および結露除去処理を行った後、かかる固形食品を製品用容器に充填し、低温殺菌後、殺菌済液状食品を加え、かかる製品用容器を密封して容器入り固液混合食品を製造する。
(6)液状食品を製品用容器に充填し、低温殺菌後、かかる製品用容器を密封して容器入り液状食品を製造する。
(7)液状食品を製品用容器に充填し、低温殺菌後、殺菌済固形食品を加え、かかる製品用容器を密封して容器入り固液混合食品を製造する。
次に、本発明について、上記製造態様(2)に基づく実施例1にそって更に詳細に説明する。

0027

図1製造フローにそって、チルド製品の製造方法を以下に示す。
(1)具材の前処理(予備加熱処理)
各具材は、後の殺菌処理により過不足なく必要な調理が終了するように、それぞれの具材に応じて前処理(調理)を行う。
a.厚さ3mmのイチョウ切りした大根21重量部およびにんじん18重量部、厚さ5mmの輪切りした里芋26重量部を100°C、5分間ボイルした。
b.ささがけしたごぼう9重量部を100°C、20分間ボイルした。
c.しいたけ3重量部を100°C、5分間ボイルした。
d.30mm×30mm×2mmにカットした豚肉24重量部を100°C、20分間ボイルした。
e.5mm×20mm×3mmにカットしたこんにゃく14重量部、5mm×20mm×8mmにカットした油揚げ5重量部を準備した。(カット処理のみ)

0028

(2)具材の充填
底面部および側面部に直径30mmの孔穴を有する直径80mm、高さ150mmの円筒形の上部開放型のステンレス製リテーナーに、上記前処理を行った各種具材を充填する。
(3)具材の殺菌(開放殺菌)
上記リテーナーに収容した具材を水蒸気雰囲気下(100°C)において10分間保持することにより、かかる具材の殺菌および最終調理を行う。

0029

(4)製品用容器の殺菌
ポリプロピレン製フランジ幅10mmのトレイ状製品用容器(内寸120mm×90mm×45mm)を、35%過酸化水素溶液噴霧し、160°Cの熱風を吹きかけ、乾燥させて殺菌する。
(5)殺菌・調理済具材の製品用容器への移替え(具材移替)
水蒸気雰囲気下において、殺菌・調理済の具材を収容したリテーナーを反転し、上記殺菌処理を施した製品用容器に移替える。

0030

(6)汁液の殺菌・調理(汁液炊き上げ、無菌ストック
別途調整した豚汁液を釜内で100°Cで10分間炊き込み、これを窒素ガス環境下にある無菌タンクにストックする。
(7)汁液充填
水蒸気雰囲気下において、殺菌・調理済の具材を収容した製品用容器内に、無菌タンクにストックされた豚汁液180重量部を充填する。

0031

(8)窒素ガス置換
水蒸気雰囲気下において、豚汁を収容した製品用容器のヘッドスペース部に5°Cの窒素ガスを吹き込み、ヘッドスペース部にある水蒸気と窒素ガスを置換する。
(9)蓋材の殺菌
ポリプロピレン製の10mm幅フランジを有する山型蓋材(内寸120mm×90mm×10mm)を、容器殺菌と同様の条件により殺菌する。

0032

(10)製品用容器の密封(蒸気シール
水蒸気雰囲気下において、上記窒素ガス置換後、直ちに製品用容器を上記殺菌済蓋材で覆い、フランジ部分をヒートシールしてチルド用豚汁製品を得る。
(11)保温
70°C、10分間、保温処理を施し、具材と汁液を十分になじませる。
(12)製品の冷却
得られた製品は、水蒸気雰囲気より取り出し5°C、60分間冷却処理を施し、5°C雰囲気下に保管した。

0033

上記実施例により得られた豚汁製品を10°Cで30日間保存した後開封し、電子レンジで加熱した。これを、風味、食感、外観について官能評価した。
風味‥密封殺菌したときに感じられるムレ臭は全く感じられず、できたての料理と同様、汁液の味噌香りコクが十分に感じられた。
食感‥熱がかかりすぎてとろけるような歯ごたえのない具材は全くなく、野菜煮込まれた均一な食感を十分感じることができた。
外観‥具材の形くずれ、褐変はなく、それぞれの具材の色調、カット形状を十分保持していた。

0034

次に、上記製造態様(4)に基づく本発明方法製造装置10(図2)にそって説明する。カット装置12を用いて、具材をそれぞれ任意の大きさにカット処理し、それぞれを調理釜14により所定の条件で調理する。次に、製品用容器に収容される量目適合するように組み合せ計量装置16により各具材を所定量づつ計量し、かかる組み合せ計量装置16の下方部に設置されたネットコンベヤ18に所定間隔固定設置されたネット容器20に充填する。

0035

上記ネットコンベヤ18の始端部を除くほとんどは、水蒸気第1槽22内に設置され、かかる水蒸気第1槽22内において具材の品温を略殺菌温度になるまで加温し、品温上昇の過程において生じた結露水はネット容器20から受皿24に流れ落ち、水蒸気第1槽22外に排出される。上記加温処理が行われた具材は、ネットコンベヤ18終端部において、ネット容器20の反転作用により上記終端部の下方に設置されたホッパー30に受け取られ、さらにホッパー30の下方部に設置された製品用容器搬送コンベヤ28に所定間隔で供給搬送される製品用容器26に充填される。上記製品用容器搬送コンベヤ28は、水蒸気第2槽34内に設置され、水蒸気第2槽34は上記水蒸気第1槽22と連結されている。

0036

次に、必要により調理釜36により調理された液状食品は、液状食品充填部32から、具材を含む製品用容器26に充填される。そして、製品用容器26に収容された具材および液状食品は、水蒸気第2槽34内において、最終調理処理および低温殺菌処理が施される。水蒸気第2槽34内において、製品用容器搬送コンベヤ28の終端部付近には、製品用容器の密封装置46が設置されている。また、密封装置46にはシート状蓋材44が供給され、かかる蓋材44は、水蒸気第2槽34内において水蒸気により殺菌処理される。そして、蓋材44により製品用容器26は、その上部開放部分が被覆され、密封装置46によりシールされる。なお、密封装置46の上流側に、窒素ガスなどの不活性ガス充填ノズルを設置し、製品用容器26のヘッドスペース部分の水蒸気を上記不活性ガスに置換してもよい。上記製品用容器搬送コンベヤ28の回転速度は、固形食品および液状食品が所定の殺菌および調理がなされるように適宜設定すればよい。

0037

上記シール処理が完了した製品48は、製品用容器搬送コンベヤ28の終端部に連設された冷却装置50により所定の品温まで冷却され、20°C〜−5°Cの温度帯で保存される。

0038

次に、上記製造態様(5)に基づく本発明方法を製造装置100(図3)にそって説明する。カット装置120を用いて、具材をそれぞれ任意の大きさにカット処理し、それぞれを調理釜140により所定の条件で調理する。次に、製品用容器に収容される量目に適合するように組み合せ計量装置160により各具材を所定量づつ計量し、かかる組み合せ計量装置160の下方部に設置されたネットコンベヤ180に所定間隔に固定設置されたネット容器200に充填する。

0039

上記ネットコンベヤ180の始端部と終端部を除く中心部は、水蒸気第1槽220内に設置され、かかる水蒸気第1槽220内において具材の品温を略殺菌温度になるまで加温し、品温上昇の過程において生じた結露水はネット容器200から受皿240に流れ落ち、水蒸気第1槽220外に排出される。上記加温処理が行われた具材は、水蒸気第1槽220外に位置するネットコンベヤ180終端部において、ネット容器200の反転作用により上記終端部の下方に設置されたホッパー300に受け取られ、さらにホッパー300の下方部に設置された製品用容器搬送コンベヤ280に所定間隔で供給搬送される製品用容器260に充填される。そして、製品用容器260に充填された具材は、水蒸気第2槽340内において、最終調理処理および低温殺菌処理が施される。なお、上記製品用容器搬送コンベヤ280は、その始端部を除き水蒸気第2槽340内に設置されている。したがって、ネット容器200から製品用容器260への具材の移替えは、通常の食品製造環境下により行われる。

0040

一方、調理釜360により調理され、必要により殺菌機380により高温短時間殺菌UHT殺菌)された液状食品は、一旦無菌タンク400にストックされる。そして、殺菌済液状食品は、具材の最終調理処理および低温殺菌処理の終了点、すなわち上記製品用容器搬送コンベヤ280の終端部付近において、具材を含む製品用容器260に充填される。その後、シート状蓋材440により製品用容器260は、その上部開放部分が被覆され、密封装置460によりシールされる。上記密封装置460は、水蒸気第2槽340内において、殺菌済液状食品の充填部320の下流側に設置される。また、上記蓋材440は、水蒸気第2槽340内において水蒸気により殺菌処理される。なお、殺菌済液状食品の充填部320と密封装置460の間には、窒素ガスなどの不活性ガス充填ノズルを設置し、製品用容器260のヘッドスペース部分の水蒸気を上記不活性ガスに置換してもよい。上記製品用容器搬送コンベヤ280の回転速度は、固形食品が所定の殺菌および調理がなされるように適宜設定すればよい。

0041

上記シール処理が完了した製品480は、製品用容器搬送コンベヤ280の終端部に連設された冷却装置500により所定の品温まで冷却され、20°C〜−5°Cの温度帯で保存される。

0042

上記本発明方法に基づく装置10、100によれば、製品中に空気が存在せず、保存中における酸化等による品質の低下を防止することができる。また、容器密封部における菌汚染の可能性を確実になくすことができる。さらに、加熱殺菌槽内で密封処理を施すため、密封室を殺菌室と別に設置する必要はなく、また各室間の制御機構も不要になり、設備の縮小化、簡素化、および処理効率の向上を図ることができる。

発明の効果

0043

本発明によれば、加熱による食品の風味、食感、外観、栄養素などの損失がほとんどみられず、家庭などで料理したものと同等の品質的に十分満足し得る容器入り低温殺菌食品を得ることができる。本発明によれば、また、かかる低温殺菌食品をより効率的に製造することができる。

0044

図面の簡単な説明

0045

図1本発明の製造工程を示したフロー図である。
図2本発明の製造方法を実施するための装置を示した概略図である。
図3本発明の製造方法を実施するための他の装置を示した概略図である。

--

0046

10、100製造装置
12、120カット装置
14、140調理釜
16、160 組み合せ計量装置
18、180ネットコンベヤ
20、200ネット容器
22、220水蒸気第1槽
24、240受皿
26、260製品用容器
28、280 製品用容器搬送コンベヤ
30、300ホッパー
32、320液状食品充填部
34、340 水蒸気第2槽
36、360 調理釜
380殺菌機
400無菌タンク
44、440蓋材
46、460密封装置
48、480製品
50、500 冷却装置

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