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技術 荷電粒子線照射装置

出願人 株式会社日立製作所日立計測エンジニアリング株式会社
発明者 森田一弘依田晴夫冨吉力生水野一亥
出願日 1997年10月23日 (23年2ヶ月経過) 出願番号 1997-290839
公開日 1999年5月11日 (21年7ヶ月経過) 公開番号 1999-126572
状態 未査定
技術分野 電子ビーム露光 電子顕微鏡(3)
主要キーワード 総誤差 微細試料 描画機構 量演算器 偏向誤差 偏向器用 デバイス検査装置 演算器間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

複数の偏向器偏向量演算器を備え、高精度な荷電粒子線照射を可能とする。

解決手段

階層的に設けられた複数の偏向器3,4,5と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器9,11,13を備え、偏向量演算器の間に偏向量演算器の丸め誤差情報を転送する丸め誤差量伝達手段10,12を備える。下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データから演算した偏向量に上位階層の偏向量演算器より転送された丸め誤差量を加算して下位階層の偏向器に設定する偏向量を求める。

概要

背景

半導体装置の製造に必要とされる微細パターンの描画、試料検査微細試料の加工などのために電子線やイオン線を用いた描画装置電子顕微鏡集束イオンビーム装置などの荷電粒子線照射装置が用いられている。荷電粒子線照射装置では偏向手段により荷電粒子線を偏向して試料上の所望位置に照射するが、荷電粒子線の偏向速度を高め、また照射の位置精度を高めるために、この偏向手段を偏向範囲が大きな主偏向器と、偏向量は小さいがビーム偏向時の整定時間が短くレスポンス高速である副偏向器など、上位から下位に階層的に設けた複数の偏向器によって構成することが行われている(例えば、特開平6−196394号公報参照)。

また、2段の偏向器によって構成された偏向手段を用いて荷電粒子線照射を行う場合、主偏向器において発生する丸め誤差を副偏向量へ加算することが行われている(特開昭58−180024号公報参照)。

概要

複数の偏向器と偏向量演算器を備え、高精度な荷電粒子線照射を可能とする。

階層的に設けられた複数の偏向器3,4,5と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器9,11,13を備え、偏向量演算器の間に偏向量演算器の丸め誤差情報を転送する丸め誤差量伝達手段10,12を備える。下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データから演算した偏向量に上位階層の偏向量演算器より転送された丸め誤差量を加算して下位階層の偏向器に設定する偏向量を求める。

目的

本発明は、このような従来技術の欠点を除き、高精度な荷電粒子線照射を可能とする荷電粒子線照射装置を提供することを目的とするものである。なお、本明細書でいう丸め誤差量とは、高精度な偏向量演算に基づく理想的な偏向量とD/A変換器分解能(偏向器の精度)の制限を受けた実際の偏向量との差であり、理想的な偏向に比べて偏向量が過剰の場合にはマイナスの符号を有し、理想的な偏向に比べて偏向量が過小の場合にはプラスの符号を有する。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データ試料位置を基に各偏向器へ与えるべき偏向量リアルタイム演算するための複数の偏向量演算器と、少なくとも2つの偏向量演算器の間に偏向量演算器の丸め誤差情報を転送する丸め誤差量伝達手段とを備えた荷電粒子線照射装置において、前記丸め誤差量伝達手段は上位階層の偏向器の偏向量演算器によって演算された偏向量を前記上位階層の偏向器に設定する際に生じる丸め誤差を偏向量演算結果より分離し、下位階層の偏向器の偏向量演算器に転送し、前記下位階層の偏向量演算器はリアルタイムに演算した偏向量に前記上位階層の偏向量演算器より転送された丸め誤差量をリアルタイムに加算して前記下位階層の偏向器に設定する偏向量を求めることを特徴とする電子線照射装置

請求項2

請求項1記載の荷電粒子線照射装置において、上位階層の偏向器の偏向量演算器における丸め誤差を次段の偏向器の偏向量演算器へ順次転送することにより、最下位階層の偏向器の偏向量演算器における丸め誤差のみを許容した偏向を行うことを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項3

請求項2に記載の荷電粒子線照射装置において、最下位階層の偏向器の分解能が上位階層の偏向器の分解能より高いことを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の荷電粒子線照射装置において、移動する試料追従しながら荷電粒子線を照射するための追従用偏向器と、追従偏向量演算用の演算器とを備えることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項5

請求項4に記載の荷電粒子線照射装置において、前記追従偏向量演算用の演算器へ丸め誤差量を転送するための丸め誤差量伝達手段を備えることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項6

請求項4に記載の荷電粒子線照射装置において、追従偏向量の演算時に発生する丸め誤差を最下位階層の偏向器の偏向量演算器に転送する丸め誤差量伝達手段を備え、前記最下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データから演算した偏向量に前記追従偏向量の演算時に発生する丸め誤差を加算することで丸め誤差量を低減することを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項7

請求項5に記載の荷電粒子線照射装置において、最下位階層の偏向器の偏向量演算時に発生する丸め誤差を前記追従偏向器の追従偏向量に加算することで丸め誤差量を低減することを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項8

請求項5に記載の荷電粒子線照射装置において、最下位階層より前段の偏向器の偏向量演算時に生じる丸め誤差を前記追従偏向器の追従偏向量に加算することで丸め誤差を低減することを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項9

荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、最下位階層の偏向器の偏向量演算器へ丸め誤差量を転送する丸め誤差量伝達手段を備えることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項10

請求項9に記載の荷電粒子線照射装置において、最下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データを基に演算した偏向量に各偏向量演算器にて発生した丸め誤差量を加算して前記最下位階層の偏向器に設定する偏向量を求めることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項11

荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、丸め誤差を低減するための丸め誤差低減用偏向器と、丸め誤差量演算器と、前記丸め誤差量演算器へ丸め誤差を転送する丸め誤差量伝達手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項12

請求項11に記載の荷電粒子線照射装置おいて、前記丸め誤差量伝達手段は各偏向量演算器によって計算された丸め誤差量を前記丸め誤差量演算器へ転送し、前記丸め誤差量演算器は転送された全ての丸め誤差量を加算して前記丸め誤差低減用偏向器に設定する偏向量を求めることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

請求項13

荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための一つの偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、前記偏向量演算器は上位階層の偏向器の偏向量における丸め誤差を下位階層の偏向器の偏向量へ加算する機能を備えることを特徴とする荷電粒子線照射装置。

技術分野

0001

本発明は、電子線やイオン線のような荷電粒子線偏向手段により偏向して所望の位置に照射する荷電粒子線照射装置に関し、特に階層的に構成された複数の偏向器からなる偏向手段を有する荷電粒子線照射装置に関する。

背景技術

0002

半導体装置の製造に必要とされる微細パターンの描画、試料検査微細試料の加工などのために電子線やイオン線を用いた描画装置電子顕微鏡集束イオンビーム装置などの荷電粒子線照射装置が用いられている。荷電粒子線照射装置では偏向手段により荷電粒子線を偏向して試料上の所望位置に照射するが、荷電粒子線の偏向速度を高め、また照射の位置精度を高めるために、この偏向手段を偏向範囲が大きな主偏向器と、偏向量は小さいがビーム偏向時の整定時間が短くレスポンス高速である副偏向器など、上位から下位に階層的に設けた複数の偏向器によって構成することが行われている(例えば、特開平6−196394号公報参照)。

0003

また、2段の偏向器によって構成された偏向手段を用いて荷電粒子線照射を行う場合、主偏向器において発生する丸め誤差を副偏向量へ加算することが行われている(特開昭58−180024号公報参照)。

発明が解決しようとする課題

0004

前記した従来の技術では、主偏向器によって丸め誤差量を分離し、副偏向量に加算していた。この方法では、偏向器が3段以上になった場合については考慮されておらず、副偏向器より下位階層の偏向器によって発生する丸め誤差については低減できないという欠点があった。また、丸め誤差は偏向データが入力された時点でのみ加算されるため、試料位置によってリアルタイムに偏向量を変化させる追従偏向機能を有する荷電粒子線装置には適用できないという欠点があった。

0005

本発明は、このような従来技術の欠点を除き、高精度な荷電粒子線照射を可能とする荷電粒子線照射装置を提供することを目的とするものである。なお、本明細書でいう丸め誤差量とは、高精度な偏向量演算に基づく理想的な偏向量とD/A変換器分解能(偏向器の精度)の制限を受けた実際の偏向量との差であり、理想的な偏向に比べて偏向量が過剰の場合にはマイナスの符号を有し、理想的な偏向に比べて偏向量が過小の場合にはプラスの符号を有する。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、本発明では、丸め誤差量を分離手段に加え、各段の偏向量を演算する偏向量演算器間に丸め誤差量を伝達する手段を設け、一方の偏向量演算器において発生した丸め誤差量を他方の偏向量演算器において加算する手段を設けた。また、リアルタイムに丸め誤差を補正するために、偏向量演算器に設けた丸め誤差加算手段には偏向データの入力時間とは無関係に絶えず伝達された丸め誤差量を偏向量に加算し続ける機能を設けた。

0007

すなわち、本発明は、荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データや試料位置を基に各偏向器へ与えるべき偏向量をリアルタイムに演算するための複数の偏向量演算器と、少なくとも2つの偏向量演算器の間に偏向量演算器の丸め誤差情報を転送する丸め誤差量伝達手段とを備えた荷電粒子線照射装置において、丸め誤差量伝達手段は上位階層の偏向器の偏向量演算器によって演算された偏向量を上位階層の偏向器に設定する際に生じる丸め誤差を偏向量演算結果より分離し、下位階層の偏向器の偏向量演算器に転送し、下位階層の偏向量演算器はリアルタイムに演算した偏向量に上位階層の偏向量演算器より転送された丸め誤差量をリアルタイムに加算して下位階層の偏向器に設定する偏向量を求めることを特徴とする。偏向用演算器は、浮動小数点形式固定小数点形式又はBCD(Binary Code Decimal)形式などのデータにより偏向量を偏向器の精度と同等又は偏向器の精度より高精度に演算する。

0008

丸め誤差量伝達手段は上位階層の偏向器の偏向量演算器によって演算された偏向量を上位階層の偏向器に設定する際に生じた丸め誤差を下位階層の偏向器の偏向量演算器に転送し、下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データから演算した偏向量に上位階層の偏向量演算器より転送された丸め誤差量を加算して下位階層の偏向器に設定する偏向量を求める。

0009

上位階層の偏向器の偏向量演算器における丸め誤差を次段の偏向器の偏向量演算器へ順次転送することにより、最下位階層の偏向器の偏向量演算器における丸め誤差のみを許容した偏向を行うことができる。この場合、最下位階層の偏向器の分解能を上位階層の偏向器の分解能より高くしておくのが望ましい。

0010

本発明の荷電粒子線照射装置には、移動する試料を追従しながら荷電粒子線を照射するための追従用偏向器と、追従偏向量演算用の演算器とを備えることができる。この場合、追従偏向量演算用の演算器へ丸め誤差量を転送するための丸め誤差量伝達手段を備えることができる。

0011

あるいは、追従偏向量の演算時に発生する丸め誤差を最下位階層の偏向器の偏向量演算器に転送する丸め誤差量伝達手段を備え、最下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データから演算した偏向量に追従偏向量の演算時に発生する丸め誤差を加算することで丸め誤差量を低減するようにすることができる。

0012

最下位階層の偏向器の偏向量演算時に発生する丸め誤差を追従偏向器の追従偏向量に加算することで丸め誤差量を低減することもできる。最下位階層より前段の偏向器の偏向量演算時に生じる丸め誤差を追従偏向器の追従偏向量に加算することで丸め誤差を低減することもできる。

0013

また、本発明は、荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、最下位階層の偏向器の偏向量演算器へ丸め誤差量を転送する丸め誤差量伝達手段を備えることを特徴とする。

0014

このとき、最下位階層の偏向器の偏向量演算器は、入力された偏向データを基に演算した偏向量に各偏向量演算器にて発生した丸め誤差量を加算して前記最下位階層の偏向器に設定する偏向量を求めることができる。

0015

また、本発明は、荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための複数の偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、丸め誤差を低減するための丸め誤差低減用偏向器と、丸め誤差量演算器と、丸め誤差量演算器へ丸め誤差を転送する丸め誤差量伝達手段とを備えたことを特徴とする。

0016

このとき、丸め誤差量伝達手段は各偏向量演算器によって計算された丸め誤差量を丸め誤差量演算器へ転送し、丸め誤差量演算器は転送された全ての丸め誤差量を加算して丸め誤差低減用偏向器に設定する偏向量を求めるようにすることができる。

0017

また、本発明は、荷電粒子線を偏向するために階層的に設けられた複数の偏向器と、入力された偏向データを基に各偏向器へ与えるべき偏向量を演算するための一つの偏向量演算器とを備える荷電粒子線照射装置において、偏向量演算器は上位階層の偏向器の偏向量における丸め誤差を下位階層の偏向器の偏向量へ加算する機能を備えることを特徴とする。

0018

本発明によると、上位階層の偏向器において発生した丸め誤差量は、例えば下位階層の偏向器による偏向量に加算されて消去される。このため、偏向手段全体としての総誤差量は、例えば最下位層の偏向器において発生する丸め誤差量だけになるので高精度な電子線照射が可能になる。

0019

また、本発明によると、偏向量演算器間の丸め誤差量伝達手段を自由に配置することができるようになり、様々な偏向方式にも対応できる丸め誤差量低減手段を提供でき、高精度かつ経済的な荷電粒子線照射装置を構成することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここでは、本発明を電子線描画装置に適用した場合を例にとって説明する。なお、説明を簡単にするために、以下の図において同じ機能を果たす部分には同じ符号を付して示す。

0021

図1は、本発明による電子線描画装置の一例を説明する模式図である。電子銃1から発生された電子線2は、3段の偏向器、すなわち主偏向器3、副偏向器4、副副偏向器5からなる偏向手段により偏向されて試料14上の所定位置に照射される。主偏向器3によって偏向すべき偏向量のデータa、副偏向器4によって偏向すべき偏向量のデータb、副副偏向器5によって偏向すべき偏向量のデータcは、上位の計算機からそれぞれ主偏向量演算器9、副偏向量演算器11、副副偏向量演算器13に入力される。偏向データa,b,c及び試料ステージ25の位置情報dに基づいて主偏向量演算器9、副偏向量演算器11、副副偏向量演算器13で例えば浮動小数点形式で演算された各偏向量は、各々D/A変換器6,7,8によってアナログ量に変換されたのち主偏向器3、副偏向器4、副副偏向器5に入力される。各段の偏向器3,4,5は、各々D/A変換器6,7,8による設定値に従って動作し、電子線2を偏向させる。主偏向量演算器9と副偏向量演算器11の間、及び副偏向量演算器11と副副偏向量演算器13の間には、それぞれ丸め誤差量伝達手段10,12が配置されている。

0022

次に、この電子線描画装置の偏向機能について説明する。主偏向量演算器9により浮動小数点データaを用いて演算された主偏向量は、主偏向器用D/A変換器6の分解能に合わせて固定小数点データに変換される。この時、固定小数点データへの変換時に生じる丸め誤差量Merrは、次の〔数1〕のようになる。

0023

Merr=Mdef−Int[Mdef]
ただし、Mdefは主偏向演算器9によって演算された浮動小数点形式の偏向量、Int[ ]は浮動小数点形式のデータMdefを固定小数点形式のデータに変換するための関数である。

0024

主偏向器用D/A変換器6に主偏向量が設定されると、主偏向器3が動作し、電子線2を偏向させる。次に、主偏向量演算器9は、上記〔数1〕により求められる丸め誤差Merrを丸め誤差量伝達手段10を用いて副偏向量演算器11へ転送する。丸め誤差量を受信した副偏向量演算器11は、偏向データbから演算した副偏向量に受信した丸め誤差Mdefを加算して副偏向量とする。副偏向量演算器11は、この副偏向量を副偏向器用D/A変換器7の分解能に合わせて固定小数点データに変換する。この時、副偏向量演算にて生じる丸め誤差Serrは、次の〔数2〕のようになる。

0025

Serr=(Sdef+Merr)−Int[Sdef+Merr]
ただし、Seffは副偏向量演算器11によって演算された浮動小数点データ形式の偏向量、Merrは主偏向量演算器9より受信した主偏向量演算時の丸め誤差量である。

0026

副偏向器用D/A変換器7に副主偏向量が設定されると副偏向器4が動作し、電子線を偏向させる。次に、副偏向量演算器11は、上記〔数2〕により求められた丸め誤差Serrを丸め誤差量伝達手段12を用いて副副偏向量演算器13へ転送する。

0027

丸め誤差量を受信した副副偏向量演算器13は、偏向データcから演算した副副偏向量に受信した丸め誤差Serrを加算して副副偏向量とする。この副副偏向量を副副偏向器用D/A変換器8の分解能に合わせて固定小数点データに変換する。この時、副副偏向量演算にて生じる丸め誤差量SSerrは、次の〔数3〕のようになる。

0028

SSerr=(SSdef+Serr)−Int[SSdef+Serr]
ただし、SSdefは副副偏向量演算器13によって演算された浮動小数点データ形式の偏向量、Serrは副偏向量演算器11より丸め誤差量伝達手段12を介して受信した副偏向量演算時の丸め誤差量である。

0029

副副偏向器用D/A変換器8に副副偏向量が設定されると、副副偏向器5が動作し、電子線が偏向される。このようにして電子線2を、図1折れ線で模式的に示した軌跡に沿って所望の位置に偏向し、試料14上に電子回路パターンを描画する。

0030

この例の場合、従来の偏向方法による偏向誤差は(Merr+Serr+SSerr)であるが、本発明によれば偏向誤差はSSerrのみとなり、描画精度が向上するのは明らかである。さらに、本実施の形態では、丸め誤差量を求め、加算する機能をリアルタイムで実行するため、試料ステージ25が移動しても高精度な電子線照射を安定して維持できる効果がある。

0031

図1に示した例では、主偏向量演算器9における丸め誤差を副偏向量演算器11に転送して丸め誤差の低減を図り、副偏向量演算器11における丸め誤差を副副偏向量演算器13に転送して丸め誤差の低減を図るようにしたが、他の方法をとることもできる。

0032

すなわち、主偏向量演算器9が副演算量演算器11に転送した丸め誤差量を、副偏向量演算器11が副偏向量に加算せず、副副偏向量演算器13に転送してしまう方法である。副偏向量演算器11は、副偏向量演算時に発生した丸め誤差と主偏向量演算器から受信した丸め誤差量を副副偏向量演算器13に転送する。副副偏向量演算器13は、主偏向量演算による丸め誤差と副偏向量演算による丸め誤差を偏向データcから演算された副副偏向量に加算して副副偏向量とすることで丸め誤差を低減する。この方法においても、偏向手段全体としての偏向誤差は副副偏向量演算時に発生する丸め誤差だけとなるので描画精度が向上することは明らかである。

0033

さらに、本実施の形態では、丸め誤差量伝達手段を簡略化できるので、高精度な電子線照射を安価に提供できる効果がある。次に、本発明を、試料を移動させながら描画する追従描画機構を備えた電子線描画装置に適用した場合の例について説明する。

0034

図2は、追従描画機構を備えた本発明による電子線描画装置の一例を説明する模式図である。この電子線描画装置は、試料14が移動していることによる電子線の補正量を演算するための追従偏向量演算器17、追従偏向器用D/A変換器16、追従偏向器15、追従偏向量演算器17への丸め誤差量伝達手段18を備えている。試料14は試料ステージ25上に載置されて移動する。試料ステージ25の位置はレーザ測長器等のステージ座標計測手段26により計測され、得られた試料ステージ25の位置に関する情報dは主偏向器3、副偏向器4、副副偏向器5及び追従偏向量演算器17に入力される。

0035

主偏向量演算器9、副偏向量演算器11、副副偏向量演算器13は、上位計算機より供給された偏向データa,b,cと、試料ステージ25の位置情報dとに基づいて主偏向量、副偏向量、副副偏向量を演算する。主偏向量演算器9からは、主偏向動作開始時の試料ステージ位置情報e1が発せられ、この情報e1は副偏向量演算器11に伝達される。副偏向量演算器11は、偏向データbと試料ステージ25の位置情報dと主偏向動作開始時の試料ステージ位置情報e1に基づいて副偏向量を演算する。副偏向量演算器11から発せられた副偏向動作開始時の試料ステージ位置情報e2は副副偏向量演算器13に伝達される。副副偏向量演算器13は、偏向データcと試料ステージ25の位置情報dと副偏向動作開始時の試料ステージ位置情報e2に基づいて副副偏向量を演算する。追従偏向量演算器17は、副副偏向量演算器13より発せられた副副偏向動作開始時の試料ステージ位置情報e3とステージ座標計測手段26により計測された試料ステージ25の現在位置との差分に相当する追従偏向量を演算する。

0036

前述のように、主偏向量演算器9による丸め誤差量は丸め誤差量伝達手段10によって副偏向量演算器11に転送され、副偏向量の決定の際に用いられる。同様に、副偏向量演算器11による丸め誤差量は丸め誤差量伝達手段12によって副副偏向量演算器13に転送され、副副偏向量の決定の際に用いられる。副副偏向量演算器13が計算した丸め誤差量は丸め誤差量伝達手段18によって追従偏向量演算器17に転送され、追従偏向量演算器17は、試料ステージの位置に基づいて演算された追従偏向量に受信した丸め誤差を加算し、追従偏向量とする。追従偏向量演算器17が演算した追従偏向量を追従偏向器用D/A変換器16の分解能に合わせて固定小数点データに変換する際の丸め誤差量は、次の〔数4〕のようになる。

0037

Terr=(Tdef+SSerr)−Int[Tdef+SSerr]
ただし、Terrは追従偏向量演算にて生じる丸め誤差量、Tdefは追従偏向量演算器17によって演算された浮動小数点データ形式の偏向量、SSerrは副副偏向量演算器13より転送された副副偏向量演算時の丸め誤差量である。

0038

追従偏向器用D/A変換器16に追従偏向量が設定されると追従偏向器15が動作し、試料4の移動に合わせてリアルタイムに電子線を偏向させる。本発明によらない場合、偏向器全体の偏向誤差は(Merr+Serr+SSerr+Terr)となるが、本発明によれば偏向誤差はTerrのみとなり、描画精度が向上するのは明らかである。しかも、追従偏向量演算器17はリアルタイムに絶えず丸め誤差量を追従偏向量に加算しているため、試料4の移動に合わせて丸め誤差量が消去され、Terrを極めて小さくすることが可能になる。

0039

他の方法として、追従偏向量演算器17が計算した丸め誤差量を副副偏向量演算器13へ伝達する方法を採用してもよい。この場合、副副偏向量演算器13にて生じる丸め誤差量は、次の〔数5〕のようになる。

0040

SSerr=(SSdef+Serr+Terr)−Int[SSdef+Serr+Terr]
この場合においても偏向手段全体の偏向誤差はSSerrのみとなり、描画精度が向上するのは明らかである。追従描画機構を有している電子線描画装置において、副副偏向量演算時の丸め誤差低減にとどめることもできる。これは、図2の装置例において、副副偏向量演算器13の丸め誤差量を追従偏向量演算器17に転送する丸め誤差量伝達手段18を省略した場合に相当する。この場合においても、偏向誤差は(SSerr+Terr)となり、本発明によらない場合に比べて偏向精度が向上することは明らかである。

0041

さらに、本実施の形態では、丸め誤差量伝達手段を簡略化できるため、高精度な電子線照射を安価に提供できる効果がある。図3は、追従偏向用の偏向器を備えた本発明による電子線描画装置の他の例を示す模式図である。図3に示した電子線描画装置は、副偏向量演算器11が求めた丸め誤差量を丸め誤差量伝達手段18を用いて追従偏向量演算器17に転送する。追従偏向量演算器17は、試料14の移動に追従するために試料ステージの位置に基づいて演算された追従偏向量に、受信した丸め誤差を加算して、追従偏向量とする。この場合においても偏向誤差は(SSerr+Terr)となり、本発明を用いない場合に比較して偏向精度が向上する。

0042

本実施例では、丸め誤差量伝達手段を簡略化できるため、高精度な電子線照射を安価に提供できる効果がある。図4は、追従偏向用の偏向器を備えた本発明による電子線描画装置の他の例を示す模式図である。この電子線描画装置は、1個の丸め誤差量伝達手段を用いる。

0043

主偏向量演算器9による偏向量演算時に発生した丸め誤差量を、丸め誤差量伝達手段18を用いて追従偏向量演算器17へ転送する。同様に、副偏向量演算器11の副偏向量演算時に発生した丸め誤差、副副偏向量演算器13の副副偏向量演算時に発生した丸め誤差量を丸め誤差量伝達手段18を用いて追従偏向量演算器17に転送する。追従偏向量演算器17は、試料14の移動に追従するための追従偏向量を演算する時に、主偏向量丸め誤差、副偏向量丸め誤差及び副副偏向量丸め誤差を加算する。このような構成にすれば、丸め誤差量伝達手段を複数設けることなく、丸め誤差量を低減することができるので、安価に高精度な電子線照射装置を提供できる効果がある。図5は、本発明による電子線描画装置の他の例の模式図である。この例の電子線描画装置は、丸め誤差低減用偏向器を備えるものである。

0044

主偏向量演算器9での主偏向量丸め誤差、副偏向量演算器11での副偏向量丸め誤差、副副偏向量演算器13での副副偏向量丸め誤差、追従偏向量演算器17での追従偏向量丸め誤差を、丸め誤差量伝達手段22を用いて全て丸め誤差低減用偏向量演算器21へ転送する。丸め誤差低減用偏向量演算器21は、全ての丸め誤差量を加算し、丸め誤差低減用偏向器19を動作させることで丸め誤差量の補正を行なう。この例では丸め誤差低減偏向器用D/A変換器20の分解能による丸め誤差だけしか発生しないので、丸め誤差低減用偏向器19として高精度の分解能を有するものを採用することにより、偏向手段全体としての偏向精度が極めて大きく向上するので、高精度かつ経済的な電子線照射装置を提供できる。

0045

以上、本発明を電子線描画装置に適用した場合について説明したが、本発明は電子顕微鏡、電子線デバイス検査装置などにも適用可能であり、また荷電粒子としてイオン線を利用する装置にも適用可能である。また、ここでは、偏向手段の各偏向器毎に偏向量演算器を個別に設ける例で説明したが、複数の偏向量演算器の機能と丸め誤差量伝達手段の機能を一つの演算器により実現することも可能である。

発明の効果

0046

本発明によれば、偏向手段の偏向誤差は上位階層の偏向器用D/A変換器の分解能によらず、最下位階層の偏向器用D/A変換器の分解能によってのみ決定される。すなわち、各段の偏向器の偏向誤差が累積されることはない。従って、高精度な荷電粒子線照射装置を構成できるとともに、上位階層の偏向器用D/A変換器の分解能をさげることも可能になり、経済的な電子線照射装置を構成することが可能となる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明による電子線描画装置の一例を説明する模式図。
図2追従描画機構を備えた本発明による電子線描画装置の一例を説明する模式図。
図3追従偏向用の偏向器を備えた本発明による電子線描画装置の他の例を示す模式図。
図4追従偏向用の偏向器を備えた本発明による電子線描画装置の他の例を示す模式図。
図5本発明による電子線描画装置の他の例の模式図。

--

0048

1…電子銃、2…電子線、3…主偏向器、4…副偏向器、5…副副偏向器、6…主偏向器用D/A変換器、7…副偏向器用D/A変換器、8…副副偏向器用D/A変換器、9…主偏向量演算器、10…丸め誤差量伝達手段、11…副偏向量演算器、12…丸め誤差量伝達手段、13…副副偏向量演算器、14…試料、15…追従描画用偏向器、16…追従偏向器用D/A変換器、17…追従偏向量演算器、18…丸め誤差量伝達手段、19…丸め誤差低減用偏向器、20…丸め誤差低減偏向器用D/A変換器、21…丸め誤差低減用偏向量演算器、22…丸め誤差量伝達手段

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